JPH05266412A - 精密洗浄方法 - Google Patents

精密洗浄方法

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JPH05266412A
JPH05266412A JP6342892A JP6342892A JPH05266412A JP H05266412 A JPH05266412 A JP H05266412A JP 6342892 A JP6342892 A JP 6342892A JP 6342892 A JP6342892 A JP 6342892A JP H05266412 A JPH05266412 A JP H05266412A
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JP
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cleaning
processing jig
cleaned
organic solvent
brush
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JP6342892A
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Tomoji Morita
知二 森田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッド製造工程における高精密高能率の
精密洗浄方法を提供することを目的とする。 【構成】 機械加工されたワーク52が加工治具51上
にワックス等で貼り付けられたままの状態でブラシ洗浄
を実施し、その後ワックス等を溶解する有機溶剤中に浸
漬させ、ワックス等を溶解させてワーク52を取り外
し、取り外されたワーク52を有機溶剤の超音波槽4に
順次浸漬させ超音波洗浄し、最終的に有機溶剤の蒸気に
より蒸気洗浄させるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば溝加工などの機
械加工の終了した磁気ヘッド用フェライトブロックヘッ
ドチップの高精密洗浄について、優れた性能を発揮しう
る精密洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スライス溝加工を含む機械加工を
終了した磁気ヘッド用フェライトブロックの精密洗浄
は、特開昭61−146378号公報に開示されている
ように、溶剤あるいは洗剤を用いた超音波洗浄を主体と
する洗浄である。
【0003】一般的に磁気ヘッド製造工程に適用される
機械的加工としては、磁気ヘッド固定枠等の加工、スラ
イス溝加工に用いる切削加工、キャップ面・テープ接触
面の加工に用いる研削加工、フェライト材料の切断に用
いる切断研削、フェライト材料の成形加工に用いる成形
研削などが挙げられる。このような機械的加工を実施す
る際、フェライトブロックはワックス等を用いて加工治
具上に固定される。加工終了後、加熱工程(ホットプレ
ート等上)で加熱してワックスを溶融し、加工治具から
フェライトブロックを取り外し、超音波洗浄を行う。こ
の際、ワックス等の有機質油分をトリクロロエタン等の
疎水性溶剤で洗浄し、次にフェライト粉等の粒子分を親
水性溶剤で洗浄する。続いてイソプロピルアルコール
(IPAと略記)等の溶媒を用いて水と置換させ、溶媒
を蒸発させ乾燥させるというものである。
【0004】一般的に汚染物を除去する洗浄方法は、溶
解力、界面活性力、化学反応力、物理力(摩擦力、超音
波、撹拌など)などが利用される(精密工学会誌、54
巻、1835頁および1840頁、1988年)が、研
削粉などの除去にはこするなどの物理的力を利用する方
法が最も効果が上がる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、細か
い凹凸を形成した梨地状の切削加工面にはホットプレー
ト上における加熱処理によりワックスと共に残留切削粉
が固着し、10数槽にわたる超音波洗浄の工程を経ても
必ずしも十分な洗浄面が得られないという課題があっ
た。
【0006】さらに、加工治具から取り外した被洗浄体
であるワークは小さく、破損しやすい場合が多く、従っ
てブラシ洗浄など機械的力を利用した洗浄方法を適用す
ることができないという課題もあった。
【0007】この発明は、上記の課題を解決するために
なされたもので、高精密高能率の精密洗浄方法を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る精密洗浄方法は、被洗浄体を加工治具上に固定された
状態で物理的に洗浄する洗浄工程と、接着剤を有機溶剤
で溶解させて洗浄された被洗浄体を加工治具上から取り
外す取り外し工程とを備えたものである。
【0009】この発明の請求項2に係る精密洗浄方法
は、被洗浄体を加工治具上に固定された状態で物理的に
洗浄する洗浄工程と、接着剤を有機溶剤で溶解させて洗
浄された被洗浄体を加工治具上から取り外す取り外し工
程と、取り外した被洗浄体を超音波洗浄する超音波洗浄
工程とを備えたものである。
【0010】この発明の請求項3に係る精密洗浄方法
は、被洗浄体を加工治具上に固定された状態で物理的に
洗浄する洗浄工程と、接着剤を有機溶剤で溶解させて洗
浄された被洗浄体を加工治具上から取り外す取り外し工
程と、取り外した被洗浄体を超音波洗浄する超音波洗浄
工程と、洗浄された被洗浄体を有機溶剤の蒸気中に置き
被洗浄体を蒸気洗浄し、乾燥させる蒸気洗浄工程とを備
えたものである。
【0011】
【作用】この発明の請求項1に係る精密洗浄方法によれ
ば、被洗浄体は接着剤で加工治具上に固定された状態で
洗浄工程により物理的に洗浄した後、取り外し工程によ
り接着剤を有機溶剤で溶解させて洗浄された被洗浄体を
加工治具上から取り外すので、汚れが被洗浄体に固着す
るような不都合は生じない。
【0012】この発明の請求項2に係る精密洗浄方法に
よれば、請求項1に加えて超音波洗浄工程を備えたこと
により、超音波洗浄工程を用いて被洗浄体に付着してい
る残留切削粉等を効率よく除去することが可能となる。
【0013】この発明の請求項3に係る精密洗浄方法に
よれば、請求項2に加えて蒸気洗浄工程を備えたことに
より、被洗浄体に付着している残留切削粉等をさらに効
率よく除去できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1は精密洗浄装置の各構成要素の配列概略構成図
である。図において、1は物理的洗浄手段であるブラシ
洗浄部、2は加工治具反転部、3は取り外し工程である
有機溶剤槽(ワックス・接着剤溶解槽)、4は超音波洗
浄手段である有機溶剤超音波槽(ワーク超音波洗浄
槽)、5は有機溶剤蒸気槽、51は加工治具、52は加
工治具上に接着剤であるワックス等で貼り付けられた被
洗浄体であるワークである。
【0015】基本的な動きについて説明する。加工治具
51上に貼り付けられたワーク52を機械加工終了後、
ブラシ洗浄部1でブラシ洗浄、スプレー洗浄する。この
後、加工治具51を反転部2に移し上下を逆転させ、外
されるワーク52を受けるバスケット上に載置させる。
このまま有機溶剤槽3中に浸漬させ、ワックスあるいは
接着剤を溶解させる。この時ワーク52は加工治具51
から外れバスケットに移る。バスケットに載ったワーク
52を有機溶剤超音波洗浄槽4に浸漬させ、超音波洗浄
する。さらに、有機溶剤蒸気層5中に静置しワーク52
を温めて、蒸気層から引き上げて乾燥させる。
【0016】また、これら工程による精密洗浄作業をよ
り詳細に説明すると、次のような手順に従って行われ
る。すなわち、 (1) 加工治具投入工程 (2) スプレー洗浄工程 (3) ブラシ表面洗浄工程 (4) スプレー洗浄工程 (5) ブラシ表面洗浄工程 (6) スプレー洗浄工程 (7) 加工治具反転およびバスケット上への載置工程 (8) 有機溶剤槽浸漬(ワックス・接着剤溶解)工程 (9) 有機溶剤超音波洗浄工程 (10) 有機溶剤蒸気槽静置・引き上げ乾燥工程 (11) ワーク取り出し工程 である。
【0017】次に、上記各工程とその構成、動作につい
て具体的実施例に基づき説明する。 実施例1. (1) 加工治具投入工程 ここでワーク52としてフェライトブロック(3×3×
30)を、SUS304製の長方形状の加工治具51上
にマトリックス字状に並べアルコールに可溶なワックス
を用いて固定したものを使用した。
【0018】図2は加工治具51の搬送機構を示す搬送
用ローラの駆動構成を示す斜視図である。機械加工を終
了した加工治具51を搬送用ローラ6上に載せる。図に
示すように、搬送用ローラ6は、駆動用モータ7からオ
ーリングあるいはベルト8により駆動力を伝達された駆
動軸9とさらにオーリングあるいはベルト8とにより接
続されて回転される。これにより駆動用モータ7は1個
で済み、すべての搬送用ローラ6の回転同期を取るのも
容易である。このようにして搬送用ローラ6上に水平に
載せられた加工治具51は、搬送用ローラ6の回転によ
って、次工程へ移送される。
【0019】(2) スプレー洗浄工程 図3はスプレー洗浄工程の構成を示す斜視図、図4は図
3のスプレー洗浄工程の構成説明図である。加工治具5
1に付着している汚れを後工程のブラシ表面洗浄工程に
はいる前にできるだけ洗い流すことを目的として設けら
れているスプレーノズル10を備えている。なお、矢印
Pは加工治具51の搬送方向を示している。この場合、
スプレーされる水11は加工治具51の進行方向とは逆
方向に給水源(図示せず)から給水されて、噴出するよ
うに構成されており、汚れが後工程に導かれるのを防止
している。
【0020】(3) ブラシ表面洗工程 図5はロールブラシ12による表面洗浄部の構成を示す
斜視図である。機械加工中の切削屑、研磨粉などの汚れ
を洗い流すことを目的とした円筒状のロールブラシを有
する洗浄部である。図5において、ロールブラシ12は
駆動用モータ(図示せず)から駆動軸14、ベルト15
を通して駆動力がロールブラシ軸16に伝達され、ロー
ルブラシ12が回転し、加工治具51上のワーク52が
洗浄される。加工治具51は搬送されながらブラシ洗浄
される。このため、同一のブラシで同一の場所をこする
ことがなく、汚れの再付着のおそれが少ない。また、こ
のとき、ロールブラシ12にはスプレーノズル10より
常に水が噴霧されている。水の噴霧とロールブラシ12
の回転力による汚れの除去作用との相乗効果によりロー
ルブラシ12の汚れを効果的に除去できる。
【0021】ロールブラシ12は汚れの種類、ワーク5
2の加工形状等により、材質を変更することができる。
例えば、ナイロン、ポリプロピレン、馬毛など線材、ポ
リビニルアルコール(PVAスポンジブラシ)やウレタ
ンなどの発泡プラスチック材などが用いられる。あるい
はブラシ形状についても、円筒形状の端面を使用するデ
ィスクブラシを使用することも可能である。
【0022】(4) スプレー洗浄工程 上記(2)スプレー洗浄工程と同じ作用を有する。
【0023】(5) ブラシ表面洗浄工程 上記(3)ブラシ表面洗浄工程と同じ作用を有する。
【0024】(6) スプレー洗浄工程 前工程のブラシ表面洗浄工程で汚れが最終的に除去され
た後、図3と同様の構成のスプレーノズル10により加
工治具51の表面に純水をスプレーし、加工治具51の
表面に付着している前工程に使用された洗浄水との置換
を図り、加工治具51の表面の清浄化を図る。
【0025】このとき、センサと電磁弁とを設置して加
工治具51が該当場所に到達したときのみ水を噴出させ
る機構や、給水源のバルブを開けると常にスプレーノズ
ルから水が噴出される機構などが選択できる。また、噴
出させるスプレーは、高圧ジェットスプレーや超音波ス
プレーなどが選択できる。
【0026】 (7) 加工治具反転およびバスケット上への載置工程 図6は加工治具反転部の構成を示す概略構成図である。
加工治具51が反転部までくるとストッパによりその搬
送は停止される。センサにより加工治具51の存在を検
知すると、アーム17が出てきて加工治具51を掴み上
下を反転させ、加工治具51に貼り付けられたワーク5
2を受け取るバスケット18上に載置させる。この状態
で次の工程へ送られる。
【0027】このときのバスケット18は、加工治具5
1から落下したワーク52を受け取り、次の有機溶剤超
音波洗浄を効率よく行えるようにワーク52を載置でき
るような形状になっていればよく、その形態は加工治具
51に応じて変更すればいい。本実施例に応じたバスケ
ットの例を図7に示す。31は鋸状のテフロンあるいは
デルリンで作成されたワーク(フェライトブロック)5
2を載せる台で、2〜4枚の組み合わせで加工治具51
から落下したワーク52を受ける。
【0028】 (8) 有機溶剤槽浸漬(ワックス・接着剤溶解)工程 ワックスを溶解する有機溶剤としてIPAを使用する。
【0029】図8に有機溶剤槽の構成図を示す。ステン
レス製の溶解槽19内にIPAが入れられており、この
槽19は槽壁の外側に設置してヒータ20により間接的
に加熱されている。この時のIPAの温度は、ワックス
の溶解を効率的に進める意味からワックスの軟化温度を
越えていることが望ましい。使用したアルコワックスF
の軟化点は53℃であることから、IPA温度は70℃
に設定した。IPAの沸点は83℃でありIPAが沸騰
することはないが、蒸発するため隣の沸騰槽と兼用で冷
却管21を設けられている。この槽内に前工程におい
て、上部に加工治具51を載置した状態のバスケット1
8を浸漬させる。ワックスの溶解を効率的に行わせるた
め、超音波を発振させる。槽19内に1〜5分浸漬させ
ると、ワーク52は加工治具51から外れバスケット1
8に落下する。溶解槽19からバスケット18を引き上
げ、アーム17により上部の加工治具51をバスケット
18から除去する。
【0030】(9) 有機溶剤超音波洗浄工程 図8に示した有機溶剤超音波槽22にバスケット18を
浸漬させる。ここでワーク52に表面に残存しているワ
ックスの溶解洗浄を行う。この槽22内にはIPAの発
熱を防ぐため、冷却管が設けられている(図示していな
い)。これは、次の蒸気洗浄が効率良く実施できるよう
にワーク52を冷却する目的である。超音波洗浄時間は
3分に設定した。IPA内からバスケット18を引き上
げ、次の沸騰槽23に搬送する。
【0031】 (10) 有機溶剤蒸気槽静置・引き上げ乾燥工程 図8に示した有機溶剤沸騰槽23上の蒸気層にバスケッ
ト18を静置させる。1〜3分でワーク52表面でのI
PAの液化現象が認められなくなる。その後、IPA蒸
気層を乱さない程度の速度でバスケット18を引き上げ
て、冷却管21のある高さの位置に1分程度保持しワー
ク52の冷却を行う。さらに引き上げて有機溶剤槽から
バスケット18を出し、次のワーク取り出し部へ搬送す
る。
【0032】IPAによるワーク52表面の蒸気洗浄が
行われ、前工程で除去し切れなかったワックスもここで
ほぼ完全に取り切ることができる。
【0033】(11) ワーク取り出し工程 バスケット18に載せられたワーク52を精密洗浄装置
から取り出す工程である。
【0034】上記実施例では物理的洗浄工程としてブラ
シ洗浄2回、スプレー洗浄3回からなるものの例につい
て説明したが、ブラシ洗浄の回数、スプレー洗浄の回数
の増減、またその配列の方法は任意であり、例えば、ブ
ラシ洗浄を連続して5回行い、その前後のみにスプレー
洗浄部を設けたもの、あるいはブラシ洗浄2回とスプレ
ー洗浄1回を1組としてこれを3組設けたものなど、要
は加工治具51の汚染度に応じた工程を組み上げること
が可能であり、その場合においても上記実施例と同様の
効果を奏する。
【0035】また、駆動伝達機構系について図に示した
が、他の機構系でも目的のブラシ、ローラ等が駆動でき
ればよく、上記実施例と同様の効果を奏する。
【0036】また、上記実施例においてワックス溶解有
機溶剤としてIPAの場合について説明したが、他のエ
タノール、メタノール、ブタノール、n−プロパノール
など室温において液体であるアルコール系有機溶剤であ
ってもよく、規制対象であるトリエタンを使用する必要
はない。
【0037】さらに、ワックス溶解槽19への浸漬時間
を1〜5分、超音波洗浄時間を3分、蒸気層への静置時
間を1〜3分と設定したが、実施例1で使用したワーク
52での目安であり、使用したワックスの量、ワーク5
2の大きさ、加工治具51の材質・大きさなどで変動
し、この時間に限定されるものでなく、上記記載時間よ
り短時間であってもあるいは長時間であってもよく上記
実施例と同様の効果を奏する。
【0038】実施例2. (1) 加工治具投入工程 ここでワーク52としてフェライト磁気ヘッド(2×2
×1)を、SUS304製の加工治具上にシアノ系の瞬
間接着剤で固定したものを使用した。加工治具51をス
テージ上に載せる。ステージ上に載せられた加工治具5
1は搬送用アームにより次のステージに搬送される。
【0039】(2) スプレー洗浄工程 図9に洗浄工程であるスプレー洗浄部とブラシ洗浄部の
概略構成図を示す。同一ステージ24上でスプレー洗浄
とブラシ洗浄とを行う。図9Aにスプレー洗浄状態を示
す。ここに搬送された加工治具51に付着している汚れ
を後工程のブラシ表面洗浄工程にはいる前にできるだけ
洗い流すことを目的として設けられているスプレーノズ
ル10を備えている。このスプレー洗浄のとき、スプレ
ーノズル10が移動しワーク52にむらなくスプレーが
当たるようにする。移動方向としては、直線状あるいは
円弧状が選択できる。
【0040】また、スプレー噴射とともにステージを回
転させ加工治具を回転させる機構も備えることを選択で
きる。
【0041】(3) ブラシ表面洗浄工程 図9(b)にブラシ洗浄時を示す。図9(a)の状態か
ら図示してないブラシ収納部からブラシ12を出す。機
械加工中の切削屑、研磨粉などの汚れを洗い流すことを
目的とした円筒状のロールブラシを12を有する洗浄部
である。この時、スプレーノズル10より常に水が噴霧
され、加工治具表面の汚れをブラシの除去作用との相乗
効果により効果的に除去できる。ブラシ洗浄時間は30
秒に設定した。洗浄後、ロールブラシ12は再び収納部
へ収納される。
【0042】このブラシ洗浄のとき、ブラシ回転ととも
にステージを回転させ加工治具を回転させる場合や、ス
テージを回転させない場合などを選択できる。
【0043】(4) スプレー洗浄工程 上記(2)スプレー洗浄工程と同じ作用を有する。スプレ
ー洗浄後、加工治具51は図示していない搬送用アーム
により次のステージに搬送される。
【0044】(5) ブラシ表面洗浄工程 上記(3)ブラシ表面洗浄工程と同じ作用を有する。同時
にスプレー洗浄も行う。
【0045】(6) スプレー洗浄工程 前工程のブラシ表面洗浄部にて汚れが最終的に除去され
た後、図9と同様の構成のスプレーノズル10により加
工治具51表面に純水をスプレーし、加工治具51表面
に付着している前工程に使用された洗浄水との置換を図
り、加工治具51表面の清浄化を図る。また、噴出させ
るスプレーは、高圧ジェットスプレーや超音波スプレー
などが選択できる。
【0046】 (7) 加工治具反転およびバスケット上への載置工程 実施例1の図6で説明した加工治具51が反転部までく
るとストッパによりその搬送は停止する。センサにより
加工治具の存在を検知すると、アーム17が出てきて加
工治具51を掴み上下を反転させ、加工治具に貼り付け
られたワーク52を受け取るバスケット18上に載置さ
せる。この状態で次の工程へ送られる。
【0047】このときのバスケット18は、加工治具5
1から落下したワーク52を受け取り、次の有機溶剤超
音波洗浄を効率よく行えるようにワーク52を載置でき
るような形状になっていればよく、その形態は加工治具
に応じて変更すればいい。
【0048】 (8) 有機溶剤槽浸漬(ワックス・接着剤溶解)工程 ここでは、シアノ系接着剤を溶解させる有機溶剤として
アセトニトリルを使用する。
【0049】実施例1の図8で説明したステンレス製の
溶解槽19内にはアセトニトリルが入れられており、こ
の槽19は槽壁の外側に設置してヒータ20により間接
的に加熱されている。このときのアセトニトリルの温度
は、瞬間接着剤の溶解を効率的に進めるためである。ア
セトニトリル温度は70℃に設定した。アセトニトリル
の沸点は82℃でありアセトニトリルが沸騰することは
ないが、蒸発するため隣の沸騰槽と兼用で冷却管21が
設けられている。この槽内に前工程において、上部に加
工治具51を載置した状態のバスケット18を浸漬させ
る。瞬間接着剤の溶解を効率的に行わせるため、超音波
を発振させる。槽19内に1〜5分浸漬させると、ワー
ク52は加工治具51から外れバスケット18中に落下
する。バスケット18を槽19から引き上げ、アーム1
7により上部の加工治具51をバスケット18から除去
する。
【0050】(9) 有機溶剤超音波洗浄工程 有機溶剤超音波槽22にバスケット18を浸漬させる。
ここでワーク52表面に残存している瞬間接着剤の溶解
洗浄を行う。この槽22内にはアセトニトリルの発熱を
防ぐため、冷却管が設けられている(図示していな
い)。これは、次の蒸気洗浄が効率良く実施できるよう
にワークを冷却する目的である。超音波洗浄時間は3分
に設定した。アセトニトリル内からバスケット18を引
き上げ、次の沸騰槽23に搬送する。
【0051】 (10) 有機溶剤蒸気槽静置・引き上げ乾燥工程 有機溶剤沸騰槽23上の蒸気層にバスケットを静置させ
る。1〜3分でワーク52表面でのアセトニトリルの液
化現象が認められなくなる。その後アセトニトリル蒸気
層を乱さない程度の速度でバスケット18を引き上げ
て、冷却管21のある高さの位置に1分程度保持しワー
ク52の冷却を行う。さらに引き上げて有機溶剤槽から
バスケット18を出し、次のワーク取り出し部へ搬送す
る。
【0052】このとき、アセトニトリルによるワーク5
2表面の洗浄が行われ、前工程で除去し切れなかった瞬
間接着剤もここでほぼ完全に取り切ることができる。
【0053】(11) ワーク取り出し工程 バスケット18に載せられたワーク52を洗浄装置から
取り出す工程である。
【0054】上記実施例ではスプレー洗浄、ブラシ洗浄
を2個のステージでそれぞれ行う例について説明した
が、ワーク52の汚染度に応じた工程をステージの数で
組み上げることが可能であり、その場合においても上記
実施例と同様の効果を奏する。また、洗浄時間について
も同様であり、ワークの汚染度に応じた洗浄時間を設定
すればよい。
【0055】また、上記実施例ではスプレー洗浄とブラ
シ洗浄を同一ステージで行う例について説明したが、ス
プレー洗浄専用、ブラシ洗浄専用のステージをそれぞれ
設けてもよく、上記実施例と同様の効果を奏する。
【0056】また、上記実施例では接着剤を溶解する有
機溶剤として、アセトニトリルの場合について説明した
が、その他アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチ
ル、酢酸エチルなどであってもよく、要は使用する接着
剤に応じた有機溶剤をすればよく、上記実施例と同様の
効果を奏する。
【0057】実施例3.実施例1と同様の構成の装置
に、ブラシ洗浄部にストッパあるいはステージを設けて
あるいは搬送用ローラを停止させて、加工治具51がブ
ラシ洗浄時に動かないようにする。これによりワークへ
のブラシの接触時間を長くすることができ、短時間での
ブラシ洗浄効果を期待することができる。
【0058】また、実施例1、実施例2および実施例3
ではいずれもフェライトブロックからなるワーク52に
ついて説明したが、アルミナチタンカーバイド、チタン
酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化マグネシウムと
酸化ニッケルとの混合物等のセラミックブロック、SU
S304の合金ブロックであってもよい。
【0059】比較例 実施例1と同様にワークとしてフェライトブロック(3
×3×30)を、SUS304製の長方形状の加工治具
上に並列に並べ、ワックスで固定したものを使用した。
機械加工を終了した加工治具をワークごとブラシ洗浄
し、ホットプレート上に置きワックスを溶解させた。ワ
ックス溶解後、ワークを加工治具から外し、バスケット
上に並べてトリエタンによる超音波洗浄を実施した。最
終的にトリエタンの蒸気乾燥を行った。
【0060】以上説明した実施例1と比較例のワーク5
2の表面の清浄度を評価した。評価工程は接触角の測定
である。この接触角とは純水をワーク表面に滴下し、水
滴とワーク表面の成す角度との関係であり、角度を真横
から測定するものである。この接触角が小さいほどワー
ク52表面の清浄度が高いことを示している。評価結果
を表1にまとめた。
【0061】表1.接触角の測定結果 試 料 接触角 実施例1 15゜ 実施例2 22゜ 実施例3 20゜ 比較例 40゜
【0062】表1から明らかなように本発明の実施例に
基づいて洗浄されたワーク52表面の接触角は十分に小
さく、清浄度が高いことが分かる。一方、比較例の従来
洗浄方法では接触角が大きくなっており、十分な清浄度
が得られていないことが分かる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
1に係る精密洗浄方法によれば、加工治具上に固定され
た状態で被洗浄体を洗浄する洗浄工程と、接着剤を有機
溶剤で溶解させ被洗浄体を加工治具から取り外す取り出
し工程とを備えたことにより、被洗浄体が洗浄中に飛散
して破損することはなく、被洗浄体をホットプレート等
により加熱して加工治具上から取り外すことがなくな
り、接着剤の汚れが被洗浄体に固着するような不都合は
生じないという効果がある。
【0064】この発明の請求項2に係る精密洗浄方法に
よれば、請求項1の構成に加えて超音波洗浄工程を備え
たことにより、請求項1の効果に加えて被洗浄体に付着
している残留切削粉等を効率よく除去できるという効果
もある。
【0065】この発明の請求項3に係る精密洗浄方法に
よれば、請求項2の構成に加えて蒸気洗浄工程を備えた
ことにより、請求項2の効果に加えて被洗浄体に付着し
ている残留切削粉等をさらに効率よく除去できる効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による精密洗浄方法の各構成
要素の配列概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例による搬送用ローラの駆動構
成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例によるスプレー洗浄部の構成
を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例によるスプレー洗浄部の構成
説明図である。
【図5】本発明の一実施例によるローラブラシによる表
面洗浄部の構成を示す構成斜視図である。
【図6】本発明の一実施例による加工治具反転部の構成
を示す概略構成図である。
【図7】本発明の一実施例によるワークを受け取るバス
ケットの構成説明図である。
【図8】本発明の一実施例による有機溶剤槽の構成図で
ある。
【図9】本発明の一実施例によるスプレー洗浄部とブラ
シ洗浄部の概略構成図である。
【符号の説明】 1 ブラシ洗浄部 3 有機溶剤槽 4 有機溶剤超音波槽 24 ステージ 51 加工治具 52 ワーク(被洗浄体)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工治具上に接着剤で接着された状態で
    機械的加工が施された被洗浄体を洗浄する精密洗浄方法
    において、前記被洗浄体を前記加工治具上に固定された
    状態で物理的に洗浄する洗浄工程と、前記接着剤を有機
    溶剤で溶解させて洗浄された前記被洗浄体を前記加工治
    具上から取り外す取り出し工程とを備えたことを特徴と
    する精密洗浄方法。
  2. 【請求項2】 加工治具上に接着剤で接着された状態で
    機械的加工が施された被洗浄体を洗浄する精密洗浄方法
    において、前記被洗浄体を前記加工治具上に固定された
    状態で物理的に洗浄する洗浄工程と、前記接着剤を有機
    溶剤で溶解させて洗浄された前記被洗浄体を前記加工治
    具上から取り外す取り外し工程と、取り外した被洗浄体
    を超音波洗浄する超音波洗浄工程とを備えたことを特徴
    とする精密洗浄方法。
  3. 【請求項3】 加工治具上に接着剤で接着された状態で
    機械的加工が施された被洗浄体を洗浄する精密洗浄方法
    において、前記被洗浄体を前記加工治具上に固定された
    状態で物理的に洗浄する洗浄工程と、前記接着剤を有機
    溶剤で溶解させて洗浄された前記被洗浄体を前記加工治
    具上から取り外す取り外し工程と、取り外した被洗浄体
    を超音波洗浄する超音波洗浄工程と、洗浄された前記被
    洗浄体を有機溶剤の蒸気中に置き被洗浄体を蒸気洗浄
    し、乾燥させる蒸気洗浄工程とを備えたことを特徴とす
    る精密洗浄方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6869488B2 (en) * 2000-01-07 2005-03-22 Minolta Co., Ltd. Washing method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6869488B2 (en) * 2000-01-07 2005-03-22 Minolta Co., Ltd. Washing method
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