JPH05264023A - 脱水汚泥の焼却方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 汚泥を安価に焼却する焼却方法を提供する。 【構成】 脱水汚泥ａを焼却するに際し、脱水汚泥と重
油ＥＰ灰あるいは原油スラッジｂとを混合して、自燃限
界保有熱量以上の保有熱量を有する混合汚泥ｃとし、こ
の混合汚泥を焼却炉４で焼却することを特徴とする脱水
汚泥の焼却方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、下水処理等によって発
生する汚泥を、脱水処理した後の脱水汚泥の焼却方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術と本発明が解決しようとする課題】従来、
下水汚泥の処理方法の一つに焼却処理がある。この方法
は、濃縮汚泥を、真空脱水，遠心脱水あるいはベルトプ
レス脱水等により、高含水率の脱水汚泥とし、この汚泥
を多段炉や流動層炉にて重油等の補助燃料を供給しなが
ら炉内を８００℃程度に保持して焼却するものである。

【０００３】しかしながら、前記焼却方法では、常時、
補助燃料を必要とするため、焼却費用が高くつくという
欠点を有する。

【０００４】また、前記高含水率の脱水汚泥を乾燥処理
した後に、自燃焼却する方法もあるが、この場合には、
別途、乾燥装置を必要とし、設備費は勿論、電力代が高
くなるという欠点を有する。

【０００５】一方、火力発電所においては、重油の燃焼
に際し、煤じん除去のため電気集じん機（ＥＰ）を設置
しており、その電気集じん機で捕集された重油ＥＰ灰が
発生する。そして、この重油ＥＰ灰は有償で処理業者に
より処理させている。ところで、この重油ＥＰ灰は、表
１に示すような成分からなり、含水率が０〜１５％で、
発熱量が４０００〜５０００ｋｃａｌ／ｋｇと大きい。

【表１】

【０００６】また、造船所においては、タンカーの修
理、メンテナンスに際し、多量の原油スラッジが発生し
ており、さらに、原油タンクでも同様に原油スラッジが
発生しており、この原油スラッジも、前記重油ＥＰ灰と
同様、有償で処理業者により処理させている。前記原油
スラッジは、表２に示すような成分からなり、含水率が
２０〜６０％で、発熱量が３０００〜８０００ｋｃａｌ
／ｋｇと大きい。

【表２】

【０００７】したがって、本願発明は、重油ＥＰ灰ある
いは原油スラッジの保有発熱量を有効に利用し、焼却時
初期を除いて重油等の補助燃料を使用することなく、脱
水汚泥および重油ＥＰ灰あるいは原油スラッジをも焼却
することのできる脱水汚泥の焼却方法を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、脱水汚泥を焼却するに際し、脱水汚泥と
重油ＥＰ灰あるいは原油スラッジとを混合して、自燃限
界保有熱量以上の保有熱量を有する混合汚泥とし、この
混合汚泥を焼却するようにしたものである。

【０００９】

【実施例】つぎに、本発明の一実施例を図１にしたがっ
て説明する。図において、１は、脱水汚泥ａ（水分：７
８％ＷＢ、低位発熱量：３０００ｋｃａｌ／ｋｇ・Ｄ
Ｓ、保有熱量：１９２ｋｃａｌ／ｋｇ湿汚泥）が収納さ
れた汚泥ホッパーで、２は、重油ＥＰ灰ｂ（水分：５％
ＷＢ、低位発熱量：５０００ｋｃａｌ／ｋｇ・ＤＳ、保
有熱量：４７２０ｋｃａｌ／ｋｇ・重油ＥＰ灰）が収納
された重油ＥＰ灰ホッパーである。

【００１０】そして、前記両ホッパー１，２から、たと
えば、表３で示すように、汚泥と重油ＥＰ灰とが一定の
割合いで混合機３に供給され、十分に混合された後、混
合汚泥ｃは公知の流動層炉４に供給され焼却される。こ
の場合、前記混合汚泥ｃの保有熱量は、自燃限界保有熱
量である３２０〜５７０ｋｃａｌ／ｋｇ以上とする。

【表３】

【００１１】一方、前記重油ＥＰ灰ｂの代りに、原油ス
ラッジ（水分：４０％ＷＢ，低位発熱量：６０００ｋｃ
ａｌ／ｋｇ・ＤＳ、保有熱量：３３６０ｋｃａｌ／ｋｇ
・原油スラッジ）をホッパー２に収納し、前記同様、両
ホッパー１，２から、たとえば、表４で示すように混合
し、流動層炉４で焼却するものである。

【表４】

【００１２】また、前記流動層炉４での焼却は、焼却初
期においては、補助燃料として重油を供給し、自燃状態
となれば補助燃料の供給を停止し、炉内温度を８００℃
程度に保持する。なお、炉内温度が８００℃以上となれ
ば、重油ＥＰ灰あるいは原油スラッジの汚泥への混合比
率を低下させ、一方、炉内温度が８００℃以下となれ
ば、重油ＥＰ灰あるいは原油スラッジの混合比率を高く
し、自燃状態を維持する。

【００１３】前記流動層炉４内で発生した排ガスは、第
１熱交換器５を通って、流動層炉４の燃焼用噴出空気を
予熱したのち、第２熱交換器６にて白煙防止用空気を予
熱し、その後、サイクロン７、排ガス処理設備８を通過
してクリーンな状態で煙突９から排気される。なお、１
０は吸引ファン、１１，１２はブロアである。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、脱水汚泥を焼却するのに、重油ＥＰ灰あるいは
原油スラッジを混合して全体の含水率を低下させるとと
もに、重油ＥＰ灰あるいは原油スラッジの保有熱量を有
効に利用して自燃焼却させるため、乾燥設備は不要で、
かつ、補助燃料は着火時のみでよいため、省エネルギー
が図られ、燃料費が安価である。しかも、従来、有償に
て処分していた重油ＥＰ灰あるいは原油スラッジを使用
するからその経済的効果は一石二鳥である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかる脱水汚泥の焼却方法を示す説
明図である。

【符号の説明】

１…汚泥ホッパー、２…重油ＥＰ灰（原油スラッジ）ホ
ッパー、３…混合機、４…焼却炉（流動層炉）、ａ…脱
水汚泥、ｂ…重油ＥＰ灰（原油スラッジ）、ｃ…混合汚
泥。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 脱水汚泥を焼却するに際し、脱水汚泥と
   重油ＥＰ灰とを混合して、自燃限界保有熱量以上の保有
   熱量を有する混合汚泥とし、この混合汚泥を焼却するこ
   とを特徴とする脱水汚泥の焼却方法。
2. 【請求項２】 脱水汚泥を焼却するに際し、脱水汚泥と
   原油スラッジとを混合して、自燃限界保有熱量以上の保
   有熱量を有する混合汚泥とし、この混合汚泥を焼却する
   ことを特徴とする脱水汚泥の焼却方法。