JPH05263039A - 熱硬化性被覆組成物 - Google Patents

熱硬化性被覆組成物

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JPH05263039A
JPH05263039A JP9033092A JP9033092A JPH05263039A JP H05263039 A JPH05263039 A JP H05263039A JP 9033092 A JP9033092 A JP 9033092A JP 9033092 A JP9033092 A JP 9033092A JP H05263039 A JPH05263039 A JP H05263039A
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resin
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epoxy
reaction
epoxy resin
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JP9033092A
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Atsushi Shioda
淳 塩田
Kaoru Morita
薫 森田
Ichiro Yoshihara
一郎 吉原
Tomoo Konakawa
共生 粉川
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間焼付によっても充分な硬化性を有し、
加工性、密着性、耐食性、フレーバー性が良好であり、
耐レトルト性が優れ、KMn 4 消費量が少ない、特に
缶内面用として適した熱硬化性被覆組成物を提供する。 【構成】 (A)エポキシ当量180〜25000のエ
ポキシ樹脂の分子中にオキシフェニル基を平均して少な
くとも1個導入せしめてなる数平均分子量500〜30
000のエポキシ樹脂変性物と、(B)フェノール類を
塩基性触媒の存在下にホルムアルデヒド類と反応させて
なるレゾール型フェノール樹脂とを樹脂(A)/樹脂
(B)の固形分重量比で30/70〜95/5の範囲と
なる割合で、無触媒もしくは酸性触媒下で縮合反応させ
て得られる変性レゾール型フェノール樹脂(C)を含有
することを特徴とする熱硬化性被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、短時間焼付に適する熱
硬化性被覆組成物に関し、より詳細には衛生性、耐レト
ルト性、密着性、加工性、フレーバー性、耐食性、耐水
性等の性能に優れた熱硬化性缶内面用被覆組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、缶詰等の缶の内面を塗装する缶用
塗料としては、エポキシ当量が1, 650〜3, 500
の高分子量エポキシ樹脂と、レゾール型フェノール樹脂
及びアミノ樹脂からなる群より選択される少なくとも一
種の樹脂成分との混合物又はその初期縮合物が一般に広
く使用されている。また、耐レトルト適性を付与するた
め特開昭63−142068号公報に示されるように、
エピクロルヒドリンとビスフェノール類の化合物との反
応により得られる末端基の殆んどがフェノール性水酸基
である反応生成物とレゾール型フェノール樹脂及びアミ
ノ樹脂から成る群より選択される少なくとも1種の樹脂
成分との混合物又はその初期縮合物を利用する技術も提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
製缶メーカーの生産性向上、コストダウンのニーズか
ら、缶内面被覆組成物を塗装した後、極めて短時間で焼
付ける工程が多く採用されてきている。具体的には、従
来90〜120秒で焼付けられていたものが20〜30
秒の短時間焼付になってきている。
【0004】このようなニーズに対しては、従来の技術
では、通常のレゾール樹脂が使用されているため、それ
に起因すると考えられる問題点、例えば缶内面用塗料に
おけるKMn 4 消費量、フレーバー性等の性能面で満
足できないという問題が指摘されていた。さらに、缶内
面用塗料を塗装した後、十分に硬化する時間がないた
め、加工性、密着性、耐レトルト性、耐食性等の問題が
解決できていなかった。
【0005】そこで本出願人は、従来の缶内面用被覆組
成物における短時間焼付け適性の不具合点を解決するた
め、先に、(A)エポキシ当量180〜7, 000及び
数平均分子量350〜10, 000のビスフェノール型
エポキシ樹脂の分子末端に下記式:
【0006】
【化1】
【0007】(式中、Rは炭素数1〜4の2価の脂肪族
炭化水素基を表わす)で示される官能基を少なくとも1
個導入せしめたビスフェノール型エポキシ樹脂変性物及
び(B)該ビスフェノール型エポキシ樹脂変性物(A)
を塩基性触媒の存在下にホルムアルデヒド類と反応させ
てなるレゾール型フェノール樹脂を含有することを特徴
とする缶内面用被覆組成物を提案した(特開平2−24
2865号公報参照)。
【0008】この缶内面用被覆組成物によって、短時間
焼付において、フレーバー性、短時間焼付塗膜における
加工性、密着性、耐食性については所期の性能を達成で
きるが、耐レトルト性、KMn 4 消費量については改
良されてはいるが、さらなる改良が必要であった。
【0009】そこで本発明者らは、上記性能の改良のた
め鋭意研究の結果、本発明に到達した。すなわち本発明
は、(A)エポキシ当量180〜25000のエポキシ
樹脂の分子中にオキシフェニル基を平均して少なくとも
1個導入せしめてなる数平均分子量500〜30000
のエポキシ樹脂変性物と、(B)フェノール類を塩基性
触媒の存在下にホルムアルデヒド類と反応させてなるレ
ゾール型フェノール樹脂とを樹脂(A)/樹脂(B)の
固形分重量比で30/70〜95/5の範囲となる割合
で、無触媒もしくは酸性触媒下で縮合反応させて得られ
る変性レゾール型フェノール樹脂(C)を含有すること
を特徴とする熱硬化性被覆組成物を提供するものであ
る。
【0010】本発明において、樹脂(C)は樹脂(A)
と樹脂(B)とを反応させて得られるが、樹脂(A)
は、エポキシ樹脂の分子中にオキシフェニル基を少なく
とも1個導入したエポキシ樹脂変性物である。
【0011】上記原料となるエポキシ樹脂は、エポキシ
当量が180〜25000、好ましくは180〜100
00であって、数平均分子量が350〜29000、好
ましくは350〜7000で分子中に少なくとも1個、
好ましくは平均で1.5〜4個のエポキシ基を有する樹
脂であって、なかでもジエポキシ樹脂であるか、ジエポ
キシ樹脂を主体とし3個以上のエポキシ基を有する多官
能エポキシ樹脂や1個のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂を少し混合してなる混合樹脂であることが好ましい。
【0012】上記エポキシ樹脂としては、代表例として
下記のものが挙げられる。 (1)ビスフェノール型
【0013】
【化2】
【0014】で表わされる化合物など。(式中、R1
水素原子又はメチル基、R2 は水素原子又は炭素原子数
1〜4のアルキル基、nは0〜20の整数を示す。) (2)ポリオキシアルキレン型
【0015】
【化3】
【0016】で表わされる化合物(式中、mは2〜6の
整数、R3 はメチル基又はエチル基を示し、nは前記と
同じ意味を有する。)又はポリブタジエングリコールジ
グリシジルエーテルなど。 (3)グリシジルエステル型 ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフ
タレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ダイ
マー酸ジグリシジルエステル。 (4)脂環式エポキシ型
【0017】
【化4】
【0018】これらのジエポキシ樹脂のうちビスフェノ
ール型のものが、缶内面用として特に望ましい特性を有
する。またジエポキシ樹脂としては、上記のもの以外
に、上記ジエポキシ樹脂に当量未満のビスフェノール
類、二塩基酸又はジアミンなどを反応させて高分子量化
したものも使用できる。
【0019】ジエポキシ樹脂に混合してもよい前記多官
能エポキシ樹脂は、樹脂分子を分岐させたり、オキシフ
ェニル基の導入箇所を増加させるなど樹脂を変性させる
目的などのため使用され、代表例としては下記式で表わ
されるものなどが挙げられる。
【0020】
【化5】
【0021】(式中、kは0〜30の整数を示し、R1
は前記と同じ意味を有する。)
【0022】上述してきたエポキシ樹脂としては、ビス
フェノール型のものが好ましいが、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂の市販品としては例えば、シェル化学社製の
エピコート828(エポキシ当量約188、数平均分子
量約380)、エピコート1001(エポキシ当量約4
75、数平均分子量約900)、エピコート1004
(エポキシ当量約925、数平均分子量約1400)、
エピコート1007(エポキシ当量約1, 700、数平
均分子量約2, 900)、エピコート1009(エポキ
シ当量約3, 500、数平均分子量約3, 750)、大
日本インキ社製エピクロン7055(エポキシ当量約
1, 800、数平均分子量約2, 900)などが挙げら
れる。
【0023】上述してきたエポキシ樹脂の分子中にオキ
シフェニル基を導入して樹脂(A)を得る方法として
は、上記エポキシ樹脂に当量以上ビスフェノール類を反
応させる方法が挙げられる。このビスフェノール類の代
表例としては、下記式〔1〕で表わされる化合物が挙げ
られる。
【0024】
【化6】
【0025】(式中、R1 およびR2 は前記と同じ意味
を有する。)上記〔1〕式で表わされる化合物として
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2, 2−プロパ
ン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1, 1−エタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1, 1−イソブタンなどを挙げることがで
き、就中、ビスフェノールAが好適である。
【0026】エポキシ樹脂とビスフェノール類との反応
は、触媒の存在下で、両者を130〜200℃に加熱し
て付加させることによって行なうことができ、この反応
によってオキシフェニル基の導入とともに樹脂の鎖長延
長も行なうことができる。エポキシ樹脂のエポキシ基に
対するビスフェノール類の水酸基の当量比は1以上であ
ることが必要である。この比が1未満であると、得られ
る樹脂の末端基はエポキシ基となり、目的とするオキシ
フェニル基をうまく導入することができなくなる。上記
当量比としては、通常1.02〜2.0が好ましく、さ
らには1.08〜1.6がより適している。
【0027】使用される上記触媒としてはアルカリ金属
水酸化物及びその塩類、第3級アミン、第4級アンモニ
ウム塩、イミダゾール、ホスフィン類、又はホスホニウ
ム塩等を用いることができる。
【0028】上記反応によってエポキシ樹脂の末端に導
入されるオキシフェニル基は、水酸基の位置がo−, m
−, p−位のいずれであってもよいが、前記式〔1〕で
表わされるビスフェノール化合物を反応させて得られる
p−オキシフェニル基であることが好ましい。
【0029】樹脂(A)を得る方法としては、上記方法
以外に、前記エポキシ樹脂に、フェノール性水酸基より
もエポキシ基に対する反応性の高い官能基とフェノール
性水酸基とを有する化合物、例えば、下記式で表わされ
る化合物を反応させる方法を用いることもできる。
【0030】
【化7】
【0031】この方法においては、エポキシ樹脂のエポ
キシ基に上記フェノール性水酸基よりも反応性の高い官
能基が反応し、フェノール性水酸基が反応しない条件で
反応を行ない、樹脂中にフェノール性水酸基を導入す
る。上記官能基がカルボキシル基の場合、80℃〜13
0℃程度で反応させればよく、上記官能基がアミノ基の
場合には50℃〜100℃程度で反応させればよい。
【0032】本発明において、上述のようにして得られ
る樹脂(A)は数平均分子量500〜30000、好ま
しくは1000〜5000であることが必要であり、数
平均分子量が500未満では硬化膜が脆弱で加工性が劣
り、数平均分子量が30000を超えると硬化性が劣る
傾向があり、かつ溶液粘度が高くなるため不都合であ
る。
【0033】また樹脂(A)はエポキシ当量500以上
が好ましく、さらには10000以上であることがより
好ましく、樹脂(A)におけるオキシフェニル基の量
は、樹脂分子中に平均して少なくとも1個以上、好適に
は平均で1.5〜2.0個である。オキシフェニル基の
量が樹脂分子中、平均して1個未満では得られる塗膜の
加工性、密着性、高温短時間焼付における硬化性が不十
分となる。
【0034】本発明において、上記樹脂(A)と反応せ
しめるレゾール型フェノール樹脂(B)は、フェノール
類を塩基性触媒の存在下にホルムアルデヒド類と反応さ
せて得られるものである。上記フェノール類としては、
アルデヒド類との反応性からみて、ビスフェノールA、
ビスフェノールFなどの4官能ビスフェノール類;石炭
酸、m−エチルフェノール、3, 5−キシレノール、m
−メトキシフェノールなどの3官能単核フェノール類;
p−クレゾール、o−クレゾール、p−tert−ブチ
ルフェノール、p−エチルフェノール、2, 3−キシレ
ノール、m−メトキシフェノールなどの2官能フェノー
ルと上記4官能ビスフェノール類や3官能単核フェノー
ルとの混合物などが挙げられる。ホルムアルデヒド類と
しては、ホルマリン水、有機溶剤に溶解せしめたホルム
アルデヒドおよびパラホルムアルデヒドが挙げられる。
また塩基性触媒としては、水酸化ナトリウムや水酸化カ
リウムのような強塩基が望ましいが、炭酸ナトリウム、
アンモニア、アミン類なども単独あるいは混合して使用
することができる。
【0035】上記フェノール類とホルムアルデヒド類と
の反応は、フェノール類1モルに対してホルムアルデヒ
ド類をホルムアルデヒド量として2〜10モルおよび塩
基性触媒1.5〜4モルを使用して、比較的温和な反応
条件、すなわち、反応温度30ないし70℃で30分間
ないし4時間、より好ましくは45〜55℃で2〜3時
間反応させることにより行なうことができる。
【0036】この反応の重要な点は縮合反応をおさえホ
ルムアルデヒド類のフェノール類に対する付加反応を起
こさせることであり、そのために反応温度はできるだけ
低く、塩基性触媒をフェノール類のモル数以上使用し、
ホルムアルデヒド類をやはりフェノール類の当量数以上
使用する。例えばフェノール類としてビスフェノールA
1モルを用いた場合、塩基性触媒は2モル位、ホルムア
ルデヒドは8モル位の量を用いるのが適している。反応
の終点はGPC(ゲルパーミュエーション・クロマトグ
ラフィー)により求められるが、石炭酸の反応のように
縮合の程度によって淡黄色から暗赤色まで色相の変化す
るものについては、色相の管理によって、求めることも
できる。また反応条件を十分管理できるなら反応時間で
求めることもできる。
【0037】上記反応によって得られるレゾール型フェ
ノール樹脂(B)はメチロール基を芳香族核当り平均し
て少なくとも1個、好ましくは1.5〜2.0個有する
ことが適当であり、数平均分子量が150〜1000、
好ましくは300〜700であることが適当である。数
平均分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ
ー(以下、「GPC」と略す。)によって求められ、メ
チロール濃度についてはIR(赤外線スペクトル)、核
磁気共鳴スペクトルから求めることができる。
【0038】上記反応によって得られるレゾール型フェ
ノール樹脂(B)を分離するには、反応混合物を塩酸、
硫酸などで溶液を酸性側にして析出物を濾過、水洗いす
ることにより得ることができる。ビスフェノール類のよ
うに有機溶剤への溶解度の高い反応生成物の場合は、有
機溶剤と酸を同時に加え、溶剤中へ抽出することもでき
る。抽出した反応生成物は必要に応じて酸, アルカリ,
水等で洗浄して精製することができる。
【0039】本発明における変性レゾール型フェノール
樹脂(C)は、前記樹脂(A)と上記樹脂(B)とを無
触媒もしくは酸性触媒下で縮合反応させて得られる。こ
の反応は、通常、樹脂(A)と樹脂(B)とを溶剤に溶
解せしめ、反応温度60℃〜160℃、好適には100
℃〜130℃で溶剤の還流下に脱水縮合させることによ
って行なうことができる。また、溶剤を還流させて水を
分離するかわりに、水と共沸する溶剤を用い、水と溶剤
の混合物を共沸させて系外に除去し、留去した溶剤分を
補給して反応を行なう方法も利用できる。
【0040】上記還流溶剤又は共沸溶剤としては、ブタ
ノール、アミルアルコールなどのアルコール系溶剤;メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶
剤;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;
およびヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤
などが挙げられる。樹脂(A)および樹脂(B)を溶解
させる溶剤としては両者を溶解させる溶剤であれば特に
制限なく用いられるが、両者の反応生成物も溶解する溶
剤が好ましい。
【0041】従来、エポキシ樹脂とレゾール型フェノー
ル樹脂との反応が知られているが、堀田、林等(日本化
学会誌1975, No.9, P1572)によって、両
者の反応において、エポキシ基とメチロール基とは反応
せず、レゾール型フェノール樹脂中のフェノール性水酸
基とエポキシ基とが反応してエポキシ基の開環、付加反
応が起こることが記載されている。このエポキシ基とフ
ェノール性水酸基との開環付加反応は150℃以上の高
温において有効である。
【0042】一方、本発明においては、樹脂(A)中の
フェノール性水酸基に対するオルソ位に樹脂(B)中の
メチロール基が付加縮合する反応を主体として樹脂
(C)を合成するものであり、上記した従来のエポキシ
樹脂とレゾール型フェノール樹脂との反応とは本質的に
異なるものである。上記樹脂(A)と樹脂(B)との反
応において、樹脂(A)のフェノール性水酸基に対する
オルソ位に樹脂(B)のメチロール基が付加縮合する反
応を促進するため前記ホルムアルデヒド類を添加するこ
ともできる。
【0043】上記反応における樹脂(A)と樹脂(B)
との配合比率は固形分重量比で(A)/(B)が30/
70〜95/5、好ましくは50/50〜90/10の
範囲となる割合であることが必要であり、両者の和10
0重量部に対して樹脂(A)が30重量部未満では、加
工性が低下し、KMn 4 消費量が増大し、フレーバー
性が悪くなるという問題がある。一方、樹脂(A)が9
5重量部を超えると硬化性が不充分となり、耐レトルト
性、耐食性、密着性が悪くなるという問題がある。
【0044】上記反応によって得られる樹脂(C)は、
数平均分子量が800〜32000の範囲にあることが
好ましく、1600〜8000の範囲内にあることがよ
り好ましい。この反応の終点は、縮合水の量、粘度変
化、GPCによる分子量変化などによって適宜決定でき
る。
【0045】本発明組成物は変性レゾール型フェノール
樹脂(C)を必須成分とするものであるが、これら成分
の他に従来から公知の、例えば硬化促進剤(例えばリン
酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒類、ナフテン酸
マンガン、ナフテン酸コバルト等のドライヤー類、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ベンゾ
イルパーオキサイド等の有機過酸化物等)、有機溶剤
(芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤、ケトン系溶剤、エステ
ル系溶剤、グリコール系溶剤等)、可塑剤、顔料、界面
活性剤、潤滑剤、さらには、エポキシ樹脂変性物(A)
のようなエポキシ樹脂誘導体、アミノ樹脂、酢酸ビニル
樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、
ポリアミド樹脂等も必要に応じて添加することが出来
る。
【0046】
【作用および発明の効果】本発明によって得られる熱硬
化性被覆組成物は、エポキシ樹脂のエポキシ基に反応さ
せてオキシフェニル基を導入した特定のエポキシ樹脂変
性物(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)とを縮合
させて得られる変性レゾール型フェノール樹脂(C)を
必須成分として含有しており、樹脂(A)と樹脂(B)
との反応が、樹脂(A)中のフェノール性水酸基に対す
るオルソ位に樹脂(B)中のメチロール基が付加縮合す
る反応によって主として起こるものである。この反応に
よって得られる樹脂(C)は、樹脂中に多くのメチロー
ル基、フェノール性水酸基を有し、かつ高分子量化して
いることから、短時間焼付によっても充分な硬化性を有
するものであるため、本発明組成物は加工性、密着性、
耐食性、フレーバー性が良好であり、耐レトルト性が優
れ、KMn 4 消費量も少ない塗膜を形成できる。した
がって本発明組成物は缶内面用被覆組成物として特に適
したものである。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
具体的に説明する。例中、部及び%は重量部及び重量%
を表わす。エポキシ樹脂変性物(A)の製造 製造例1 撹拌装置、温度計及び冷却器を備えたフラスコにエピコ
ート1009(シェル化学社製、エポキシ当量3,50
0)587部、ビスフェノールA26部及び3−メトキ
シブチルアセテート513部入れ、撹拌しながら130
℃に保持した。約12時間後にエポキシ価は、0.00
4となった。その後、メチルイソブチルケトン377部
を加え40%濃度のエポキシ樹脂変性物溶液(A−1)
を得た。得られた樹脂のGPCによる数平均分子量は約
4200であった。
【0048】製造例2 フラスコにエポキシ樹脂としてエピコート828(シェ
ル化学社製、エポキシ当量188)を389部及びビス
フェノールA201部及び3−メトキシブチルアセテー
ト163部を加え、130℃で保持した。約8時間後に
エポキシ価は0.0038となった。その後3−メトキ
シブチルアセテート422部及びメチルイソブチルケト
ン390部を加え、40%濃度のエポキシ樹脂変性物溶
液(A−2)を得た。得られた樹脂のGPCによる数平
均分子量は約4700であった。
【0049】レゾール型フェノール樹脂(B)の製造 製造例3 ビスフェノールA100部、37%ホルムアルデヒド水
溶液178部及び苛性ソーダ1部を加え、60℃で3時
間反応させた後、減圧下50℃で1時間脱水した。次い
でブタノール10部、プロピレングリコールモノプロピ
ルエーテル100部およびリン酸3部を加え、110〜
120℃で2時間反応を行なった。反応終了後、溶液を
濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別した後、減圧
度650mmHgにて加熱し、脱水、脱ブタノールおよ
び脱遊離ホルマリンを行ない、加熱残分50%、粘度N
(ガードナー泡粘度計、25℃)のフェノール樹脂溶液
(B−1)約220部を得た。得られた樹脂のGPCに
よる数平均分子量は約800であった。
【0050】製造例4 ビスフェノールA100部、p−tert−ブチルフェ
ノール15部、37%ホルムアルデヒド水溶液218部
及び苛性ソーダ1.2部を加え、製造例3と同様に製造
し、加熱残分50%、粘度M(ガードナー泡粘度計、2
5℃)のフェノール樹脂溶液(B−2)約240部を得
た。得られた樹脂のGPCによる数平均分子量は約70
0であった。
【0051】実施例1 製造例1で得たエポキシ樹脂変性物溶液(A−1)40
0部、製造例3で得たフェノール樹脂溶液(B−1)8
0部およびメチルイソブチルケトン100部を撹拌機と
水分離器付きの還流冷却器を備えたフラスコに仕込み、
更にリン酸0.6部を添加した後、125℃に昇温して
メチルイソブチルケトンを還流させ同温度で約2時間脱
水縮合せしめたところ約2部の水が留去された。その
後、エチレングリコールモノブチルエーテル100部を
加えて希釈し不揮発分30%の変性レゾール型フェノー
ル樹脂溶液(C−1)を得た。得られた樹脂のGPCに
よる数平均分子量は約5000であった。得られた樹脂
溶液(C−1)をそのまま熱硬化性被覆組成物として試
験に供した。
【0052】実施例2 製造例2で得たエポキシ樹脂変性物溶液(A−2)10
0部、製造例4で得たフェノール樹脂溶液(B−2)8
0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル40
部、メチルイソブチルケトン60部およびリン酸0.3
部を添加し、実施例1と同様の反応をせしめたところ約
2.5部の水が留去され、粘稠な変性レゾール型フェノ
ール樹脂溶液(C−2)を得た。この樹脂溶液(C−
2)にエポキシ樹脂変性物溶液(A−2)300部およ
びエチレングリコールモノブチルエーテル90部を加
え、均一に混合して不揮発分30%の熱硬化性被覆組成
物を得た。なお、変性レゾール型フェノール樹脂溶液
(C−2)中の樹脂のGPCによる数平均分子量は約5
500であった。
【0053】実施例3 製造例1で得たエポキシ樹脂変性物溶液(A−1)40
0部、製造例4で得たフェノール樹脂溶液(B−2)8
0部およびメチルイソブチルケトン100部を撹拌機と
水分離器付きの還流冷却器を備えたフラスコに仕込み、
更にリン酸0.6部を添加した後、125℃に昇温して
メチルイソブチルケトンを還流させ同温度で約2時間脱
水縮合せしめたところ約2部の水が留去された。その
後、エチレングリコールモノブチルエーテル100部を
加えて希釈し不揮発分30%の変性レゾール型フェノー
ル樹脂溶液(C−3)を得た。得られた樹脂のGPCに
よる数平均分子量は約4800であった。得られた樹脂
溶液(C−3)をそのまま熱硬化性被覆組成物として試
験に供した。
【0054】実施例4 製造例2で得たエポキシ樹脂変性物溶液(A−2)10
0部、製造例3で得たフェノール樹脂溶液(B−1)8
0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル40
部、メチルイソブチルケトン60部およびリン酸0.3
部を添加し、実施例1と同様の反応をせしめたところ約
2.5部の水が留去され、粘稠な変性レゾール型フェノ
ール樹脂溶液(C−4)を得た。この樹脂溶液(C−
4)にエポキシ樹脂変性物溶液(A−2)300部およ
びエチレングリコールモノブチルエーテル90部を加
え、均一に混合して不揮発分30%の熱硬化性被覆組成
物を得た。なお、変性レゾール型フェノール樹脂溶液
(C−4)中の樹脂はGPCにより数平均分子量約57
00であった。
【0055】比較例1 製造例1で得たエポキシ樹脂変性物溶液(A−1)10
40部を撹拌機と還流冷却器を備えた反応釜に仕込み、
次いで、n−ブタノール229部を加え、さらに1N−
水酸化ナトリウム水溶液22部を加えた。そして37%
ホルマリン水324部を加え、90℃に昇温し4時間レ
ゾール化反応を行なった。次いで、水により洗浄し分離
する溶剤及び水を排出した後、減圧度650mmHgに
て加熱し、脱水、脱溶剤及び脱遊離ホルマリンを行なっ
た。濃度70%に到達した時点でn−ブタノールにより
55%に希釈し、数平均分子量約4400のレゾール型
フェノール樹脂を得た。得られたレゾール型フェノール
樹脂73部に製造例1で得たエポキシ樹脂変性物溶液
(A−1)400部、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル190部およびリン酸0.3部を添加し、不揮発
分30%の熱硬化性被覆組成物を得た。
【0056】比較例2 製造例1で得たエポキシ樹脂変性物溶液(A−1)40
0部に製造例3で得たフェノール樹脂溶液80部、エチ
レングリコールモノブチルエーテル200部およびリン
酸0.3部を添加して熱硬化性被覆組成物を得た。
【0057】比較例3 エピコート1009(シェル化学社製、エポキシ樹脂)
160部にメチルイソブチルケトン200部およびエチ
レングリコールモノブチルエーテル230部を加え、加
熱溶解した後、ヒタノール4020(日立化成社製、固
形分50%のレゾール型フェノール樹脂溶液)80部お
よびリン酸0.3部を添加し、撹拌混合して熱硬化性被
覆組成物を得た。
【0058】前記実施例及び比較例で得た被覆組成物を
乾燥膜厚:5〜6μmになるように#25ブリキもしく
は厚さ100μmのアルミ箔にアプリケーター塗装し、
雰囲気温度275℃のトンネル形ガスオーブンでブリキ
もしくはアルミ箔の素材到達最高温度が260℃でオー
ブン通過時間30秒の条件で焼付けた。このようにして
得られた試験片を密着性、耐レトルト性、ゲル分率、加
工性、KMn 4 消費量、水抽出液フレーバー性および
耐食性の試験に供した。また乾燥膜厚が30〜35μm
になる以外は上記条件と同様に作成したブリキ塗装板を
相溶性の試験に供した。試験結果は後記表1に示す。
【0059】試験項目: (1)密着性 #25ブリキに塗装した試験パネルの塗膜面にナイフを
使用して約1.5mmの巾で縦、横それぞれ11本の切
り目をゴバン目に入れる。24mm巾のセロハン粘着テ
ープを密着させ、強く剥離した時のゴバン目部の密着性
を観察する。 ○:全く剥離なし、△:若干剥離あり、×:著しい剥離
あり。 (2)耐レトルト性 #25ブリキに塗装した試験パネルを水に浸漬し、オー
トクレーブ中で125℃−30分処理した塗膜の密着性
および白化状態を判定する。密着性はセロハン粘着テー
プ剥離で(1)の密着性と同一の評価で判定する。白化
状態は視覚によって下記基準で評価した。 白化状態…○:全く白化なし、△…:若干白化あり、×
…:著しい白化あり。
【0060】(3)KMn 4 消費量 100μmのアルミ箔に塗装した試験パネルを、塗布面
積:活性炭処理水道水が1cm2 :1mlとなるよう
に、耐熱ガラス製ボトルに入れ、蓋をし、オートクレー
ブ中で125℃−30分の処理を行い、食品衛生法記載
の試験法(厚生省434号)に準じて測定した。消費量
はPPMで表わす。 (4)水抽出液フレーバー性 各種塗料を塗装した100μmアルミ箔を、塗布面積:
活性炭で処理した水道水が2cm2 :1mlとなるよう
に耐熱ガラス製ボトルに入れ、蓋をし、オートクレーブ
中で125℃−30分の殺菌処理後、内容液のフレーバ
ーテストを実施する。 ○:全く変化なし、△:若干変化あり、×:著しく変化
あり。
【0061】(5)加工性 特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験器を用い、下部に2つ
折りにした#25ブリキに塗装した試験パネルを置き、
接触面が平らな重さ1kgの鉄の錘りを高さ50cmか
ら落下させた時に生じる折り曲げ部分の塗膜の亀裂の長
さを測定する。 ○:10mm未満、△:10〜20mm、×:20mm
より長い (6)ゲル分率 各種塗料を塗装した#25ブリキ板を、塗面:メチルエ
チルケトンが、1cm2 :1mlとなるように還流冷却
器を備えた容器に入れ、加熱し、還流開始から1時間後
の塗膜の重量を初期の塗膜重量に対し百分率表示する。
【0062】(7)耐食性 #25ブリキに塗装した試験パネルの塗膜面にナイフを
使用してクロスカットを入れ、クエン酸および食塩をそ
れぞれ1.5%含有する水溶液に浸漬する。50℃で1
週間経過後、クロスカット部からの腐食の拡がりを観察
する。腐食の拡がり ○:0.5mm未満、△:0.5mm〜1cm未満、
×:1cm以上 (8)相溶性 #25ブリキに塗装した試験パネルの塗膜面の濁り状態
を目視観察した。 ○:濁りなし、△:若干濁りあり、×:著しく濁りあ
り。
【0063】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粉川 共生 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ当量180〜25000
    のエポキシ樹脂の分子中にオキシフェニル基を平均して
    少なくとも1個導入せしめてなる数平均分子量500〜
    30000のエポキシ樹脂変性物と、 (B)フェノール類を塩基性触媒の存在下にホルムアル
    デヒド類と反応させてなるレゾール型フェノール樹脂と
    を樹脂(A)/樹脂(B)の固形分重量比で30/70
    〜95/5の範囲となる割合で、無触媒もしくは酸性触
    媒下で縮合反応させて得られる変性レゾール型フェノー
    ル樹脂(C)を含有することを特徴とする熱硬化性被覆
    組成物。
JP9033092A 1992-01-22 1992-03-16 熱硬化性被覆組成物 Pending JPH05263039A (ja)

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JP3157292 1992-01-22

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