JPH05261196A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 注水すすぎを、激しい水跳ねや布傷みを生じ
ることなく行ない得るようにする。 【構成】 注水すすぎ時に、水位センサによる検出結果
から外槽内の水位の上昇が所定値以上あったと判断され
たときに、撹拌体による洗濯水流の生成を弱める制御を
することにより、水跳ねや布傷みを発生しがちな条件
（多水量）下での洗濯物の動きを少なくし、水跳ねや布
傷みの発生を少なく抑えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は注水すすぎができる洗濯
機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、洗濯機においては、注水すす
ぎができるものが供されている。この注水すすぎは、一
般に、洗濯槽内への給水を続けながら、洗濯水流の生成
をし、それによって、洗濯物から出た洗剤分を含む水
を、洗濯槽上部の溢水口から溢水ホースを通し、更に排
水ホースを通して、逐次排出するもので、効果的にすす
ぎ得る特長を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
注水すすぎを定格量の洗濯物で行なった場合はともか
く、少量の洗濯物で行なった場合には、激しい水跳ねを
生じて、洗濯槽外の外箱内面や床面を濡らすということ
があり、又、布傷みも多く生じるという問題点を有して
いた。

【０００４】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、注水すすぎを、激しい水跳
ねや布傷みを生じることなく行なうことのできる洗濯機
を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の洗濯機においては、洗濯槽と、この洗濯槽
内に給水する給水手段、洗濯槽内の水位を検出する水位
検出手段、洗濯槽内に洗濯水流を生成する洗濯水流生成
手段を具えると共に、上記給水手段による給水を続けな
がら洗濯水流生成手段による洗濯水流の生成を行なう注
水すすぎ時に、上記水位検出手段による検出結果から洗
濯槽内の水位の上昇が所定値以上あったと判断されたと
きに、上記洗濯水流生成手段による洗濯水流の生成を弱
める制御をする制御手段を具えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】激しい水跳ねや布傷みは、洗濯物の量に対し、
洗濯槽内の水量が多過ぎて、その水中で洗濯物が動き過
ぎるときに生じるもので、注水すすぎ時には洗濯槽内に
洗濯物量に合った水位以上に給水するから、それらが生
じやすい。

【０００７】そこで、注水すすぎ時に、水位検出手段に
よる検出結果から洗濯槽内の水位の上昇が所定値以上あ
ったと判断されたときに、洗濯水流生成手段による洗濯
水流の生成を弱める制御をすることにより、洗濯物の動
きを少なくし、水跳ねや布傷みの発生を抑えることがで
きる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図面を参照
して説明する。

【０００９】まず図２には、洗濯機全体の外箱１を示し
ており、これの内部に内槽２及び外槽３の二重槽から成
る洗濯槽４を配設している。この洗濯槽４のうち、内槽
２は脱水槽としても機能するものであり、周側部に脱水
孔５を多数有している。又、この内槽２の内底部には撹
拌体６を配設しており、これに対して、外槽３の外下方
部には、モータ７を主体とする駆動機構８を配設し、こ
れによって、洗濯時に、内槽２を制止して撹拌体６を回
転させることにより、内槽２内に洗濯水流を生成するよ
うにしている。従って、この場合、駆動機構８及び撹拌
体６は洗濯水流生成手段として機能するようになってい
る。なお、駆動機構８は、脱水時には、内槽２を撹拌体
６とともに回転させて、遠心脱水をするようになってい
る。

【００１０】又、上記外槽３の底部には排水口９を形成
しており、これに、排水弁１０及びエアトラップ１１を
有する排水ケース１２を介して、排水ホース１３を接続
している。更に外槽３の上部には溢水口１４を形成して
おり、これを、溢水管部１５及び溢水ホース１６を順に
介して、排水ホース１３に接続している。

【００１１】一方、外箱１上にはトップカバー１７を装
着しており、これの後部内方に内槽２内（洗濯槽４内）
に給水する給水手段として機能する給水弁１８を配設す
ると共に、外槽３内（洗濯槽４内）の水位を検出する水
位検出手段として機能する水位センサ１９を配設してい
る。なお、水位センサ１９は、詳しくは図示しないが、
上記外槽３内の水位の上昇又は下降に応じて変化する前
記エアトラップ１１内の空気圧を導圧チューブ２０によ
り受けて、外槽３内の水位に応じた水位検出信号を発す
るようになっている。

【００１２】加えて、トップカバー１７の前部内方には
制御装置２１を配設している。この制御装置２１は制御
手段として機能するもので、詳細にはマイクロコンピュ
ータから成っており、図３に示すように、各種スイッチ
から成るスイッチ入力部２２より各種スイッチ信号が入
力されると共に、上記水位センサ１９より水位検出信号
が入力されるようになっている。

【００１３】そして、それらの入力並びにあらかじめ記
憶された制御プログラムに基づき、制御装置２１は、各
種表示素子から成る表示部２３を制御すると共に、前記
給水弁１８、モータ７、及び排水弁１０を、それぞれ駆
動回路２４，２５，２６を介して、制御するようになっ
ている。

【００１４】そこで、以下には上記制御装置２１による
制御内容について述べる。運転を開始させると、制御装
置２１は、図１に示すように、最初、水位の設定をする
（ステップＳ１）。この水位の設定は、例えば使用者の
マニュアル操作に基づいて行なっても良いし、あるいは
内槽２内の洗濯物量を図示しない洗濯物量センサにより
検出して、それに基づき、行なっても良い。又、この場
合の洗濯物量センサとしては、例えば内槽２内に所定の
検出水位まで給水した状態で、撹拌体６を回転させたと
きのモータ７にかかる負荷量を、電流や電圧あるいは回
転数から検出するものであれば良い。

【００１５】次いで、制御装置２１は「洗い」を実行す
る（ステップＳ２）。この「洗い」は、内槽２内に上述
の設定した水位まで給水し、その後に、撹拌体６を回転
させることにより生成する洗濯水流で洗濯物を洗い、そ
して排水するという内容で行なう。

【００１６】次いで、制御装置２１は「脱水」を実行す
る（ステップＳ３）。この「脱水」は、内槽２を回転さ
せて、洗濯物から遠心脱水をするという内容で行なう。

【００１７】この後、制御装置２１は「注水すすぎ」を
実行する（ステップＳ４）。この「注水すすぎ」は、内
槽２内に上述の設定した水位まで給水して、更にその給
水を続けながら、撹拌体６を回転させることにより生成
する洗濯水流で洗濯物をすすぐという内容で行なうもの
で、このときに、水位センサ１９による検出結果から、
外槽３内（内槽２内）の水位の上昇が所定値以上あった
か否かの判断として、外槽３内の水位が設定水位から１
００［mm］を越えたか否かの判断をする（スイップＳ
５）。

【００１８】ここで、図４は設定水位の色々を示してお
り、「少量水位」、「低水位」、「中水位」、及び「高
水位」があって、その「少量水位」はこの場合１７０
［mm］であるから、上記スイップＳ５では１７０＋１０
０で、２７０［mm］に達したか否かの判断をし、「低水
位」は２７０［mm］であるから、上記スイップＳ５では
２７０＋１００で、３７０［mm］に達したか否かの判断
をし、「中水位」は３４５［mm］であるから、上記スイ
ップＳ５では３４５＋１００で、４４５［mm］に達した
か否かの判断をするものであり、「高水位」ではその判
断をしない。

【００１９】これらに対して、上記スイップＳ５で、内
槽２の水位が設定水位から１００［mm］を越えていない
と判断されるうちは、次に、注水すすぎ時間を満了した
か否かの判断をし（スイップＳ６）、ここでも注水すす
ぎ時間を満了していないと判断されれば、スイップＳ５
に戻る。

【００２０】これに対して、スイップＳ５で、外槽３内
の水位が設定水位から１００［mm］を越えたと判断され
ると、洗濯水流の生成を弱める変更を行なう（ステップ
Ｓ７）。この洗濯水流を弱める変更は、例えば「低水
位」の場合、図５に示すように、撹拌体６を、標準で
１．１秒駆動−０．９秒休止の繰返しパターンで回転さ
せていたものを、１．０秒駆動−１．０秒休止の繰返し
パターンで回転させるように変えるという内容で行な
う。

【００２１】そしてその後には、ステップＳ６に移行
し、このステップＳ６で、注水すすぎ時間を満了したと
判断され次第、「脱水」を前述同様に行なって（ステッ
プＳ８）、運転を終了する。

【００２２】このように本構成のものでは、注水すすぎ
時に、水位センサ１９による検出結果から外槽３内の水
位の上昇が所定値以上あったと判断されたときに、撹拌
体６による洗濯水流の生成を弱める制御をするもので、
それにより、洗濯物の動きを少なくできるから、水跳ね
や布傷みの発生を少なく抑えることができる。

【００２３】

【発明の効果】以上の記述で明らかなように、本発明の
洗濯機は、洗濯槽と、この洗濯槽内に給水する給水手
段、洗濯槽内の水位を検出する水位検出手段、洗濯槽内
に洗濯水流を生成する洗濯水流生成手段を具えると共
に、上記給水手段による給水を続けながら洗濯水流生成
手段による洗濯水流の生成を行なう注水すすぎ時に、上
記水位検出手段による検出結果から洗濯槽内の水位の上
昇が所定値以上あったと判断されたときに、上記洗濯水
流生成手段による洗濯水流の生成を弱める制御をする制
御手段を具えたことを特徴とするもので、それにより、
注水すすぎ時、水跳ねや布傷みを発生しがちな条件下で
の洗濯物の動きを少なくできることから、水跳ねや布傷
みの発生を少なく抑えることができるという優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す作用説明用のフローチ
ャート

【図２】全体の破断側面図

【図３】概略電気構成図

【図４】各設定水位を示した洗濯槽の概略縦断面図

【図５】洗濯水流の生成モードを変更前と変更後とで表
わしたタイムチャート

【符号の説明】

４は洗濯槽、８は駆動機構（洗濯水流生成手段）、６は
撹拌体（洗濯水流生成手段）、１８は給水弁（給水手
段）、１９は水位センサ（水位検出手段）、２１は制御
装置（制御手段）を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯槽と、この洗濯槽内に給水する給水
   手段、洗濯槽内の水位を検出する水位検出手段、洗濯槽
   内に洗濯水流を生成する洗濯水流生成手段を具えると共
   に、上記給水手段による給水を続けながら洗濯水流生成
   手段による洗濯水流の生成を行なう注水すすぎ時に、上
   記水位検出手段による検出結果から洗濯槽内の水位の上
   昇が所定値以上あったと判断されたときに、上記洗濯水
   流生成手段による洗濯水流の生成を弱める制御をする制
   御手段を具えたことを特徴とする洗濯機。