JPH052610U - 移植機における苗送り機構の軸受けホルダ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送ベルトのベルトプーリを取り付ける取付
駆動軸に軸受けホルダを設けたものでありながら、軸受
けホルダとベルトプーリの隙間から取付駆動軸に苗が巻
き付くのを防止する。 【構成】 ベルトプーリ２１の取付駆動軸２０２を軸受
けホルダ５２で支持すると共に、軸受けホルダ５２の両
端部をベルトプーリ２１に設けた嵌入穴５３に嵌入し
て、ベルトプーリ２１と軸受けホルダ５２とをラップ状
に連結した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、帯状苗用の移植機における苗送り機構の軸受けホルダ構造に係るも のである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、藺草苗等の根部を接着テープで接着した帯状苗の移植機には、苗供給 側から苗取出側に至る苗搬送経路に、搬送ベルトを介して帯状苗を水平姿勢で搬 送する第一の苗送り機構と、水平姿勢で搬送された帯状苗を立姿状に変姿させる 第二の苗送り機構を設けて、立姿状で送り出された帯状苗を単位植付苗に切断し て圃場に植え付けるようにしたものが知られている。 ところで、この種の移植機は、搬送ベルトを懸回するベルトプーリの取付駆動 軸を、ベアリングを内装した軸受けホルダで支持する構造となっているが、従来 は、この軸受けホルダとベルトプーリとの隙間から苗が取付駆動軸に巻き付いて 苗の搬送に乱れを生じ、このため植付精度に悪影響を及ぼす、という問題があっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のような問題点を解消すべく創案されたものであって、搬送ベ ルトを懸回するベルトプーリの取付駆動軸を、ベアリングを内装した軸受けホル ダで支持したものでありながら、軸受けホルダとベルトプーリとの隙間から、ベ ルトプーリの取付駆動軸に苗が巻き付くのを確実に防止して苗の搬送を円滑にし 、もって植付精度を良好にすることができる移植機における苗送り機構の軸受け ホルダ構造を提供することを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

課題を解決するため、本考案が採用した技術的手段は、苗供給側から苗取出側 に至る苗搬送経路を形成し、該苗搬送経路に搬送ベルトを介して帯状苗を水平姿 勢で搬送する第一の苗送り機構と、水平姿勢で搬送された帯状苗を立姿状に変姿 させる第二の苗送り機構を設け、かつ苗取出側に臨んで帯状苗を単位植付苗に切 断する切断装置と単位植付苗の植付装置とを設けた移植機において、上記搬送ベ ルトが懸回されるベルトプーリの取付駆動軸を、ベアリングを内装した軸受けホ ルダで支持すると共に、上記軸受けホルダの両端部をベルトプーリに設けた嵌入 穴に嵌入して、ベルトプーリと軸受けホルダとをラップ状に連結したことを特徴 とするものである。

【０００５】

【作用】

したがって、本考案によれば、苗供給側から供給された帯状苗は、苗搬送経路 に設けた第一の苗送り機構が、搬送ベルトを介して帯状苗を水平姿勢で搬送し、 第二の苗送り機構が水平姿勢の帯状苗を立姿状に変姿させる。ついで、苗取出側 に臨んで設けた切断装置が帯状苗を単位植付苗に切断し、これを植付装置が圃場 面に植付ける。 そして、第一の苗送り機構に設けた搬送ベルトが懸回されるベルトプーリの取 付駆動軸は、ベアリングを内装した軸受けホルダで支持されているが、ベルトプ ーリと軸受けホルダは、該軸受けホルダの両端部をベルトプーリにラップ状に嵌 入連結されているので、搬送される苗が軸受けホルダとベルトプーリとの隙間か らベルトプーリの取付駆動軸に巻き付くようなことはない。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の一実施例を添付した図面に基づいて詳述する。 １は走行機体であって、該走行機体１は、前輪２および後輪３を備えた機体フ レーム４の前部にエンジン５が載置され、その後方に運転席６が配設されている 。走行機体１の後部には、藺草等の帯状苗を移植する６条植えの植付部７がロー リングヒッチ８を介して昇降自在に装着されている。また、走行機体１の前部に は、予備苗支持枠９が設けられ、運転席６の一側斜め後方には補助者用座席１０ が設けられている。

【０００７】 上記受付部７は、支持体１１で支持された苗供給側から苗取出側に至る苗搬送 経路１２が形成されており、該苗搬送経路１２には、植付条数に対応して縦方向 に仕切る仕切板１３が設けられている。そして各仕切板１３の対向間には、帯状 苗を水平状に保持して下方に搬送する第一の苗送り機構１４と、水平姿勢で搬送 された帯状苗を立姿状に変姿させる第二の苗送り機構１５が各条毎に設けられて おり、第二の苗送り機構１５から苗取出側に臨んで立姿状の帯状苗を単位植付苗 に切断する切断装置１６と、切断された苗を挟持して圃場に植え付ける植付装置 １７が設けられている。１８は支持アーム１９によって苗供給側に支持された苗 箱である。

【０００８】 上記第一の苗送り機構１４は、図４および図５に示すように、左右方向の取付 駆動軸２０に軸着したベルトプーリ２１と、苗供給側の支持軸２２に軸支したベ ルトプーリ２１との間に搬送ベルト２３、２３が帯状苗の茎部側と根部側に位置 して懸回されている。また、上記取付駆動軸２０の上方に設けた上部駆動軸２４ には、帯状苗の根部側に位置して苗押えベルト２５が搬送ベルト２３並行状に上 下揺動自在に設けられている。即ち、上部駆動軸２４に支持フレーム２６を軸支 し、該支持フレーム２６の先端に設けた従動プーリ２７と、上部駆動軸２４に軸 着した駆動プーリ２８との間に苗押えベルト２５が懸回されている。また、支持 フレーム２６は、サブフレーム２９により前後微調節自在となっている。３０は 苗押えベルト２５を下方に付勢するスプリング、３１は支持フレーム２６に設け た把手、３２は苗切れ検知センサーである。

【０００９】 また、第二の苗送り機構１５には、上部駆動軸２４に軸着されたベルトプーリ ２１および取付駆動軸２０に軸着されたベルトプーリ２１から、それぞれ円錐ロ ーラ３３、３３を経て苗取出側に懸回された対向する捩れベルト３４、３４が配 設されていて、該捩れベルト３４、３４によって中間部を挟持された帯状苗が、 苗取出側に搬送される過程で立姿状に変姿するようになっている。３５は苗案内 ガイド、３６は植付ガイド、３７は苗繰出し体である。 前記切断装置１６は、伝動機構３８に連動して作動する切断刃３９、３９により 構成されており、また、植付装置１７はドライブケース４０の回転軸４１に連動 して上下動する苗植付杆４２により構成されている。

【００１０】 上記上部駆動軸２４と取付駆動軸２０は、ギア４３、４４を介して連動されて おり、上部駆動軸２４に設けた遊転スプロケット４５が、伝動機構４６にチェン 連結されている。４７は条止めクラッチであって、レバー４８に連動して軸芯方 向に摺動し、ピン４９がギア４３の係止孔５０に係止した状態で動力を伝動する 。また、上記条止めクラッチ４７は常時ギア４３側に押圧付勢されている。 そして、前記第一の苗送り機構１４に設けたベルトプーリ２１の取付駆動軸２ ０は、仕切板１３の位置がベアリング５１を内装した軸受けホルダ５２で支持さ れているが、軸受けホルダ５２の両端側に位置するベルトプーリ２１、２１には 、嵌入穴５３が形成されていて、該嵌入穴５３に軸受けホルダ５２の両端部を嵌 入することにより、軸受けホルダ５２とベルトプーリ２１とがラップ状に連結さ れている。５４はチェンテンショナー、５５は苗茎先送り用のゴム羽根回転体で ある。また、５６は線引きマーカ、５７は植付部のスタンド、５８はフロートで ある。

【００１１】 叙上の如き構成において、いま苗箱１８から帯状苗を植付部７の苗供給側へ供 給すれば、第一の苗送り機構１４に設けた搬送ベルト２３が帯状苗を水平状に保 持して搬送し、このとき根部側を回転する苗押えベルト２５が押えるので、適正 な苗姿勢で搬送することができる。次いで、第二の苗送り機構１５に設けたよじ りベルト３４が帯状苗を立姿状に変姿させて苗取出側に送り出す。送り出された 帯状苗は、切断刃３９、３９により単位植付苗に分割切断されてから、上下動す る苗植付杆４２により圃地に植付られる。 上記一連の過程において、搬送ベルト２３のベルトプーリ２１、２１が軸着さ れる取付駆動軸２０は、軸受けホルダ５２により仕切板１３の位置が確実に支持 されており、しかも軸受けホルダ５２と、これに隣接するベルトプーリ２１がラ ップ状に連結されているので、軸受けホルダ５２とベルトプーリ２１との隙間か ら取付駆動軸２０に苗が巻き付くのを確実に防止することができる。したがって 、軸受けホルダ５２により苗搬送姿勢が乱されることなく、精度の高い植付作業 を行うことができる。

【００１２】

【考案の効果】

これを要するに、本考案は、苗供給側から苗取出側に至る苗搬送経路を形成し 、該苗搬送経路に搬送ベルトを介して帯状苗を水平姿勢で搬送する第一の苗送り 機構と、水平姿勢で搬送された帯状苗を立姿状に変姿させる第二の苗送り機構を 設け、かつ苗取出側に臨んで帯状苗を単位植付苗に切断する切断装置と単位植付 苗の植付装置とを設けた移植機において、上記搬送ベルトが懸回されるベルトプ ーリの取付駆動軸を、ベアリングを内装した軸受けホルダで支持すると共に、上 記軸受けホルダの両端部をベルトプーリに設けた嵌入穴に嵌入して、ベルトプー リと軸受けホルダとをラップ状に連結したから、供給された帯状苗を水平姿勢で 搬送する搬送ベルトは、ベルトプーリの取付駆動軸がベアリングを内装した軸受 けホルダによって確実に支持されているものでありながら、ベルトプーリと軸受 けホルダとが軸受けホルダの両端部をベルトプーリに嵌入したラップ状に連結さ れているので、搬送される苗がベルトプーリと軸受けホルダとの隙間からベルト プーリの取付駆動軸に巻き付くのを確実に防止することができる。このため、苗 の搬送が乱されることなくスムーズに搬送されて植付精度を良好にすることがで きる。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】移植機の全体側面図である。

【図２】同上平面図である。

【図３】植付部の側面図である。

【図４】同上平面図である。

【図５】同上斜視図である。

【図６】要部の拡大図である。

【符号の説明】

１２ 苗搬送経路 １４ 第一の苗送り機構 １５ 第二の苗送り機構 １６ 切断装置 １７ 植付装置 ２０ 取付駆動軸 ２１ ベルトプーリ ２３ 搬送ベルト ５２ 軸受けホルダ ５３ 嵌入穴

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 苗供給側から苗取出側に至る苗搬送経路
   を形成し、該苗搬送経路に搬送ベルトを介して帯状苗を
   水平姿勢で搬送する第一の苗送り機構と、水平姿勢で搬
   送された帯状苗を立姿状に変姿させる第二の苗送り機構
   を設け、かつ苗取出側に臨んで帯状苗を単位植付苗に切
   断する切断装置と単位植付苗の植付装置とを設けた移植
   機において、上記搬送ベルトが懸回されるベルトプーリ
   の取付駆動軸を、ベアリングを内装した軸受けホルダで
   支持すると共に、上記軸受けホルダの両端部をベルトプ
   ーリに設けた嵌入穴に嵌入して、ベルトプーリと軸受け
   ホルダとをラップ状に連結したことを特徴とする移植機
   における苗送り機構の軸受けホルダ構造。