JPH05257257A - ペーパーガイド及びアタッチメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ２個のローラーによって送り込まれてきた写
真印画紙の先端部をスライドさせつつ現像液中に案内す
るペーパーガイドにおいて、該ガイド上部のガイド面方
向に膨出部を設けたことを特徴とする写真印画紙現像タ
ンクにおける印画紙搬送案内用ペーパーガイド。 【効果】 現像液の液面より上方でペーパーガイドに
膨出部を設けたので、搬送された印画紙は液面付近でガ
イド面に付着した固形物と接触することがなく、仕上が
った写真に損傷や汚染を起こすことがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば写真印画紙の自
動現像装置などにおいて、現像液中へ印画紙をスムース
に送り込むために使用される、改良されたペーパーガイ
ド並びに従来のペーパーガイドに固着して使用するアタ
ッチメントに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、写真の現像からプリントまでを短
時間で処理でき、かつ僅か０．５ｍ²程度の面積にも設
置できる、高性能な省スペース型自動現像・プリント装
置が開発され、各種店舗や職場において、販促用、デザ
イン用、教育用あるいは趣味用の写真を現像・プリント
するために設置されるようになってきた。そして、従来
の大規模現像所や大型のこの種現像装置に比べて小面積
で設置できる、写真を迅速に仕上げることができるとと
もに、社員や顧客等の要求や好みに即座に対応可能であ
るなどの理由により、急速に普及しつつある。

【０００３】これらの自動装置、例えば写真印画紙の自
動現像装置は、自動的に露光済写真印画紙の現像、漂
白、定着、安定（洗浄）、乾燥の各工程の処理を行い写
真のプリントを仕上げるものである。例えば現像工程に
おいては、かかる装置の現像タンク中に露光済の印画紙
を投入すると、多数のローラーや印画紙案内用のペーパ
ーガイドにより印画紙を現像液中で次々と移送しつつ、
現像処理を行うようになっている。

【０００４】従来、投入した露光済の印画紙を現像タン
ク内の現像液中に浸入せしめる機構として、第３図及び
第６図に示すような２本のローラーＡ、Ｂとガイド面の
全体を少し凹面に形成したペーパーガイド３０からなる
ものが知られている。上部から２本のローラーＡ、Ｂ間
に露光済印画紙（以下、特に断りのない限り印画紙と略
称する。）７を投入すると、両ローラーＡ、Ｂは回転力
により印画紙７を液面２下方に満たされた現像液中に移
送するが、その際、印画紙７のカールやローラーの移送
方向により印画紙７の先端部はペーパーガイド３０のガ
イド面３１に当接して摺接しつつローラーＡ、Ｂにより
現像液中に浸入させられるようになる。このようなガイ
ド３１は、自動露光された印画紙７を２個のローラー
Ａ、Ｂの回転摩擦力により現像液中に搬送する際、印画
紙７の先端部を現像液中にまでスムースに案内するため
に使用されるものである。なお、符号３４は上記ガイド
３０を現像タンク１の図示しないピンに係止し該ガイド
３０を固定するためのものである。

【０００５】ところで、現像タンク１中の現像液は使用
中に徐々に蒸発し、あるいは空気による酸化を受けるた
め、生じた蒸発乾固物や酸化汚染物などの固形物８が現
像タンク１内の液面２付近の各部に付着する。そして、
従来のペーパーガイド３０の場合には、第７図（ｂ）に
示す通り、現像液の液面２付近のガイド面３３に付着し
た固形物８が、特に仕上がり写真の品質に悪影響を及ぼ
す。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来のペーパーガイド
３０は、上述したように、全体が少し凹面の略平板状の
ものであるから、ローラーにより搬送されてきた印画紙
７の先端部は上記ガイド３０の上部でガイド面３１に当
接し、スライドしつつ降下する。すると、ガイド面３１
には上記固形物８が付着し盛り上がっているので、印画
紙７は固形物に当接したままローラーにより強制的に搬
送されるため、印画紙７先端部は損傷を受ける。また、
固形物８を付着させたまま次のローラーにまで搬送され
ると、次のローラーが該固形物８を印画紙７に押圧する
ため、印画紙７先端部は更に多くの損傷を受ける。そし
て、印画紙７の損傷部に現像液が浸入する結果、仕上が
った写真（プリント）の先端及び裏面が黄〜褐色に汚染
するという問題があった。このような仕上がり写真の汚
染は写真の商品価値を下げるため、印画紙搬送経路の改
善が求められていた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
には、固形汚染物８に印画紙７先端部を接触させないよ
うにすればよい。そのためには、従来の印画紙の搬送経
路を変更すればよいことに着目し、本発明者はペーパー
ガイドの現像液の液面より上にあるペーパーガイドの上
端付近をガイド面に対し外方に膨出させ、課題を解決し
たのである。

【０００８】すなわち、本発明は、２個のローラーによ
って送り込まれてきた写真印画紙の先端部をスライドさ
せつつ現像液中に案内するペーパーガイドにおいて、該
ガイド上部のガイド面方向に膨出部を設けたことを特徴
とする写真印画紙現像タンクにおける印画紙搬送案内用
ペーパーガイド、及び、２個のローラーによって送り込
まれてきた写真印画紙の先端部をスライドさせつつ現像
液中に案内するペーパーガイドに固着し使用するアタッ
チメントであって、該アタッチメント本体はガイド面方
向に上部を高く下部を若干低く膨出させるとともに、本
体上端部を後方に延ばして端部を下方にコの字型に折り
曲げ上部係止部を一体形成し、かつ本体下部には後方に
２本の脚部を延伸して、その端部を両脚部の相対する側
に折り曲げ下部係止部を形成したことを特徴とする写真
印画紙現像タンクにおけるペーパーガイド用アタッチメ
ントである。

【０００９】ペーパーガイドの材質は硬質合成樹脂やス
テンレススチールなどの金属などが挙げられる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図１及び図２は本発明の一実施例による改良された
ペーパーガイドを説明するための図である。

【００１１】実施例１ 第１〜２図において、１は写真印画紙の自動現像用現像
タンク、２は現像液の液面を示す。本実施例のペーパー
ガイド３は硬質合成樹脂製であり、本体４の上部にスラ
イド面６方向（前方）に本体４と一体的に膨出部５を形
成したものである。上記膨出部５は現像液の液面２の上
方に位置する付近より徐々に膨出されている。

【００１２】該ガイド３の上部には２本のローラーＡ、
Ｂがあり、これらＡ、Ｂのローラーは現像タンク１に投
入された露光済の印画紙７を両ローラーの回転摩擦力に
より現像液中に移送する。また、本現像タンク１内に
は、第６図の点線で示すのと同様の経路で、印画紙を現
像しつつ現像タンク内を移動させるために、多数のロー
ラーＣ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｋと、多数のペーパ
ーガイド、１３、１４、１５、１６、１７、１８、１９
を装備している。なお、符号６はガイド面、１０はガイ
ドスリット（空隙部）、１１はガイドの格子、１２は本
考案のガイド３を現像タンク１内の図示しないピンに係
止し固定するための受け部である。

【００１３】実施例２ 第３〜５図において、符号２１は従来のペーパーガイド
３０の上部に取り付ける鞍掛け型の本発明アタッチメン
トである。本アタッチメント２１を従来のペーパーガイ
ドに取り付けることにより前記実施例１同様の効果を得
ている。

【００１４】本アタッチメント２１は、従来のペーパー
ガイド３０のガイド面３１の方向すなわち前方に向けて
上部を高く下部を若干低く形成するとともに、その上端
部を後方に延ばしてその端部を下方にコの字型に折り曲
げ上部係止部２３が形成されている。また、アタッチメ
ント２１本体の下部から後方に２本の脚部を一体的に形
成して、その端部を両脚部の相対する方向に折り曲げ下
部係止部２４が設けられている。

【００１５】このアタッチメント２１は、第３図に示す
ように、従来のペーパーガイド３０の上部に係止部２３
を鞍掛けするように引っかけるとともに、下部の係止部
２４をペーパーガイド３０のスリット部３２内に挿入し
て格子３３の背面に係止させることにより、本アタッチ
メント２１と従来のペーパーガイド３０とを固定するよ
うにしたものである。アタッチメント２１は少なくとも
２体を使用し、例えば、従来のペーパーガイド３０の左
右に係止し固定する。本アタッチメント２１を固定した
従来のペーパーガイドは実施例１同様に使用でき、実施
例１同様の作用効果を有する。なお、現像タンク１内の
ローラーや他のペーパーガイドの配置は実施例１と同様
である。

【００１６】上記実施例において、ペーパーガイド３や
アタッチメント２１の形状は実施例に示した形状に限定
されるものではなく、印画紙７がガイド面に付着した固
形物８に接触しないように前方に膨出若しくは肉厚に形
成したものであれば何れも本考案同様の効果を有する。

【００１７】

【作用】次に本実施例の作用効果について説明する。な
お、実施例１と実施例２の発明の作用効果はほぼ同様で
あり、実施例１を例にとり説明する。第７図（ｂ）で示
すように、従来のペーパーガイドの場合には、現像液の
液面２付近に蒸発乾固あるいは空気酸化による固形物８
が固着しペーパーガイド表面３１は盛り上がっている。
今、上方からローラーＡ及びＢに挟まれかつこれらのロ
ーラーの回転摩擦力により送られてきた露光済印画紙７
はガイド３０の上部表面３１をスライドしつつ下方に移
動して来るが、固形物８が盛り上がっているので、これ
に当接する。しかし、ローラーの回転摩擦力で強制的に
下方に移送されるので、印画紙の先端及び裏面などが損
傷を受ける。この結果、現像液が印画紙の繊維中に浸透
し、仕上がり品の先端及び裏面等に黄色〜褐色のシミを
付け、写真の品質を著しく下落させるのである。また、
固形物８の付着が大きい場合には印画紙７が折損すると
いう事故が発生する場合もある。

【００１８】しかるに、本発明のペーパーガイド３を使
用した場合には、第７図（ａ）で示すように、ローラー
Ａ、Ｂにより移送された印画紙７は膨出部５に当接した
後、ローラーにより下方に押し込まれる。上記同様の固
形物８が本発明のペーパーガイド３にも付着する。しか
し、本発明の場合には膨出部５が現像液の液面２より上
方に形成されているので、上記固形物８は膨出部５より
下方に付着し、膨出部に付着することはない。このた
め、印画紙７は該固形物８に接触することがないので、
印画紙７は従来のペーパーガイドを使用したときのよう
な損傷を受けることがなく、したがって仕上がり写真に
黄色〜褐色のシミが付くこともない。

【００１９】実施例２のアタッチメント２１を従来のペ
ーパーガイド３０に取り付けた場合も上記実施例１の発
明と同様の作用効果を有する。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明に係るペーパーガイ
ドによれば、ガイド表面に現像液の蒸発乾固物や空気酸
化による固形物が付着しても、上部ローラーから搬送さ
れた露光済印画紙は現像液の液面より上方のガイド上部
に設けた膨出部の作用により、上記固形物に接触するこ
となく、現像液中に搬入される。したがって、本発明の
ペーパーガイドは写真印画紙の自動現像装置において、
固形物と印画紙の接触による印画紙の損傷や該損傷に起
因する印画紙の汚染を防止できる効果がある。また、本
発明のアタッチメントも上記した本発明のペーパーガイ
ド同様の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１のペーパーガイドを使用した写真印画
紙自動現像装置の現像タンク内部の構造を示す概略図で
ある。

【図２】実施例１のペーパーガイドの斜視図である。

【図３】実施例２のペーパーガイド用アタッチメントを
従来のペーパーガイドに装着した状態を示す斜視図であ
る。

【図４】実施例２のアタッチメントの斜視図である。

【図５】（ａ）は実施例２のアタッチメントの側面図で
あり、（ｂ）はその背面図である。

【図６】従来のペーパーガイドを使用した現像タンクの
内部の内部構造および印画紙の搬送経路をを示す概略図
である。

【図７】（ａ）は本発明のペーパーガイドに付着した固
形物と搬送される印画紙との関係を示す説明図であり、
（ｂ）は従来のペーパーガイドに付着した固形物と搬送
される印画紙との関係を示す説明図である。

【符号の説明】

３ 本発明のペーパーガイド ４ 本体部 ５ 膨出部 ６ ガイド表面 ２１ アタッチメント ２２ アタッチメント本体 ２３ 上部係止部 ２４ 下部係止部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２個のローラーによって送り込まれてき
   た写真印画紙の先端部をスライドさせつつ現像液中に案
   内するペーパーガイドにおいて、該ガイド上部のガイド
   面方向に膨出部を設けたことを特徴とする写真印画紙現
   像タンクにおける印画紙搬送案内用ペーパーガイド。
2. 【請求項２】 ２個のローラーによって送り込まれてき
   た写真印画紙の先端部をスライドさせつつ現像液中に案
   内するペーパーガイドに固着し使用するアタッチメント
   であって、該アタッチメント本体はガイド面方向に上部
   を高く下部を若干低く膨出させるとともに、本体上端部
   を後方に延ばして端部を下方にコの字型に折り曲げ上部
   係止部を一体形成し、かつ本体下部には後方に２本の脚
   部を延伸して、その端部を両脚部の相対する側に折り曲
   げ下部係止部を形成したことを特徴とする写真印画紙現
   像タンクにおけるペーパーガイド用アタッチメント。