JPH05256429A - ごみ焼却処理装置 - Google Patents

ごみ焼却処理装置

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Publication number
JPH05256429A
JPH05256429A JP5489692A JP5489692A JPH05256429A JP H05256429 A JPH05256429 A JP H05256429A JP 5489692 A JP5489692 A JP 5489692A JP 5489692 A JP5489692 A JP 5489692A JP H05256429 A JPH05256429 A JP H05256429A
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JP
Japan
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superheater
fluidized bed
steam
waste
chamber
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Application number
JP5489692A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Shigaki
政信 志垣
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Takuma Co Ltd
Original Assignee
Takuma Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05256429A publication Critical patent/JPH05256429A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過熱管に高温腐食を生じさせることなく、高
温過熱蒸気を得ることができるごみ焼却処理装置を提供
することを目的とする。 【構成】 焼却炉1の燃焼室4の下部にごみ燃焼用の流
動層5を形成し、燃焼室4で発生するごみ燃焼排ガス8
によりボイラ蒸気10を発生させて、これを過熱器24
´により過熱させ、その過熱蒸気10cを発電タービン
に供給する。過熱器24´は、焼却炉1内に燃焼室4に
隣接,区画された過熱器室26を形成し、この過熱器室
26内にバーナ28により加熱される流動層27を形成
すると共に、この流動層27内にボイラ蒸気10が導入
される過熱管29を配設して、流動層27からの吸熱に
より蒸気過熱を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみ等の廃棄物を
焼却させた場合の廃熱を有効利用するように構成された
ごみ焼却処理装置であって、特に、焼却炉の燃焼室下部
にごみ燃焼用の流動層を形成し、燃焼室で発生するごみ
燃焼排ガスによりボイラ蒸気を発生させて、これを過熱
器により過熱させ、その過熱蒸気を発電タービンに供給
するようにしたごみ焼却処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のごみ焼却処理装置として
は、図4に示す如く、流動層燃焼式の焼却炉1にボイラ
2及びエコノマイザ3を付設して、燃焼室4の下部に形
成した流動層5によりごみ7を燃焼させ、燃焼室4で発
生したごみ燃焼排ガス8をボイラ2及びエコノマイザ3
に導いて熱回収するものがよく知られている。流動層5
は、流動化空気供給ヘッダ41に植設した噴出ノズル4
2から流動化空気14を噴出させることによって形成さ
れる。
【0003】而して、この従来装置(以下「第1従来装
置」という。)にあっては、ボイラ蒸気10を過熱器4
3により過熱して、その過熱蒸気10dを発電タービン
に供給し、発電を行うようになっている。すなわち、過
熱器43は、過熱管44をごみ燃焼排ガス領域に配置し
て、ボイラ2から過熱管44に導入されたボイラ蒸気1
0をごみ燃焼排ガス8により過熱させるように構成され
ている。
【0004】ところで、近年、地球環境問題からCO2
の削減が世界的な要求事項となってきており、その一方
で、増え続ける都市ごみは我が国では平成元年度でつい
に5000万トン/年に達し、特に、大都市圏では毎年
7%の増加を示し、埋め立て地も次第に逼迫して重大な
問題となりつつある。
【0005】このため、ごみ焼却率を上げ、その減量化
が叫ばれているが、我が国においては、ごみ焼却の余熱
利用率がヨーロッパ先進諸国に比して低い。特に、発電
設備については、公営の事業用発電所が多いヨーロッパ
では、ごみ焼却で発生する蒸気条件をこれら事業用発電
所に合わせて設定するため、高温高圧ボイラを採用して
おり、40〜205Kg/cm2 G ,450〜540
℃といった蒸気条件のプラントも多い。しかし、我が国
では、ごみ焼却炉が総て自治体の運営になり、ごみの完
全焼却処理を主体としているので、大都市で運転されて
いるごみ焼却発電プラントでも、自家使用電力のみを賄
う程度の発電量とし、余剰熱量は空冷コンデンサにより
大気中に熱放射しているプラントが多い。また、ごみ焼
却に伴う発電を行っても、これを電力会社へ売電する場
合、4〜5円/KWhと極めて低価格であるため、発電
によるメリットは少なかった。
【0006】そこで、我が国でも、最近、CO2 の削減
と資源保護の問題から積極的にごみ発電を行うことによ
り燃料焚ボイラの燃焼量を減らし、総合的なCO2 発生
の抑制を行うため、150t/h程度の中型ごみ焼却炉
においても積極的に発電させ、高圧・高温化を進めよう
としており、その実現に向けて政府も補助金等で奨励
し、電力会社でも9〜10円/KWhで買電する方向に
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した第1
従来装置にあっては、過熱器43を焼却炉1内のごみ燃
焼排ガス領域に設けて、蒸気過熱をごみ燃焼排ガス8に
より行っているため、ごみ焼却システムに特有の高温腐
食の問題から、過熱蒸気10dの高圧・高温化を図るこ
とができず、上記した時代の要請に応えることができな
いでいるのが実情である。
【0008】すなわち、焼却炉1内のごみ燃焼排ガス領
域において、150℃以下でごみ燃焼排ガス8の露点に
よる低温腐食現象が生じることは、通常の燃料焚きボイ
ラでも見られることではあるが、300℃を超えた場合
には、燃料焚きボイラでは見られない特有の高温腐食現
象が生じる。これは、ごみ燃焼排ガス8中のHCl,S
Oxや煤塵中のKCl,NaCl等の影響によるもので
ある。このため、ごみ燃焼排ガス8によって蒸気過熱を
行う場合には、過熱蒸気温度を上げ過ぎると、過熱器4
3の過熱管44において高温腐食が発生する。
【0009】したがって、第1従来装置では、このよう
な高温腐食を避けるために、過熱器43を低温ガス領域
に設置して、ボイラ圧力及び過熱蒸気温度を20〜25
Kg/cm2 G ,260〜270℃程度に低く抑えて
おかざるを得なかった。その結果、どうしても余熱利用
率ないし発電効率が低く、上記した時代の要請に応える
ことは到底できない。
【0010】ところで、ヨーロッパにおいては古くから
高温腐食に耐え得る過熱管材料の開発,研究が行われて
はいるが、満足すべきものは未だ提案されていない。そ
こで、従来からも、過熱管44をキャスタブル材からな
る保護鞘等で保護することが行われているが、このよう
な手段によっては、蒸気温度が高くなる程、熱伝達率が
悪くなるため、甚だ不経済であり、過熱管44の高温腐
食対策としては到底満足できるものではない。
【0011】ここで、第1従来装置における普遍的且つ
一般的な仕様について述べると、常用圧力20Kg/c
2 G ,過熱蒸気温度260℃,エコノマイザ入口給
水温度143℃,エコノマイザ出口給水温度185℃,
缶内飽和温度219℃(缶内圧力22Kg/cm2 Gと
して)である。これら各部のエンタルピ及び熱吸収量
は、エコノマイザ入口給水143Kcal/Kg、エコ
ノマイザ出口給水185Kcal/Kg、缶内飽和温度
に対して668.6Kcal/Kg、過熱器出口蒸気6
98.8Kcal/Kgであり、エコノマイザ吸収熱量
42Kcal/Kg・Q(Qは蒸発量(Kg/h)であ
る。以下において同じ。)、缶本体吸収熱量483.5
Kcal/Kg・Q、過熱器吸収熱量30.2Kcal
/Kg・Qである。全体吸収熱量555.8Kcal/
Kg・Qを100%とすると、エコノマイザ吸収熱量割
合は7.6%、缶本体吸収熱量割合は87%、過熱器吸
収熱量割合は5.4%となる。また、蒸気過熱による温
度上昇量は260℃−219℃=41℃であるから、そ
のために必要な熱量は30.2Kcal/Kg・Qであ
る。過熱器43の入口ガス温度650℃、出口ガス温度
550℃とすると、対数的平均温度差は370℃とな
る。この場合の熱貫流係数を19Kcal/m2・h・
℃とすると、熱伝達量は7030Kcal/m2 ・h
(伝熱面積1m2 における1時間当たりの熱伝達量)と
なる。
【0012】なお、第1従来装置の他、蒸気過熱を流動
層5を利用して行うように工夫されたもの(以下「第2
従来装置」という。)も提案されてはいるが、上記した
高温腐食を確実に回避できるものではない。
【0013】すなわち、この第2従来装置にあっては、
図5に示す如く、風箱45に供給された流動化空気14
を噴出ノズル46…から噴出させることによって燃焼室
4の下部に流動層5を形成し、この流動層5内に2つの
伝熱室47,48を区画形成して、流動媒体5aを矢印
a,bで示すように流動層5と各伝熱室47,48との
間で循環させるようにしている。かかる流動媒体5aの
循環により、各伝熱室47,48内にも流動層5´が形
成される。そして、一方の伝熱室47には過熱器49が
配設されていて、過熱管50に導入されたボイラ蒸気1
0を流動層5´により過熱し、その過熱蒸気10dを発
電タービンに供給するようになっている。また、他方の
伝熱室48には蒸発管51が配置されていて、循環ポン
プ52により蒸発管51に導入したボイラ缶水10´を
流動層5´により加熱蒸発させ、その気水混合物10´
aをボイラ2に供給させるようになっている。
【0014】かかる第2従来装置では、流動媒体温度が
800〜850℃であることから、少ない伝熱面積で効
率的な熱吸収を行いうるが、伝熱室47,48内におい
ても流動媒体5aと共に侵入した可燃物が燃焼すること
から、第1従来装置におけるような過熱管へのダスト付
着は或る程度回避できるものの、伝熱室47で発生する
燃焼排ガスによって、過熱管50の高温腐食は避け得べ
くもない。特に、過熱管50の表面に形成される酸化皮
膜が流動層5´の流動媒体5aとの接触により除去され
ることから、所謂腐食摩耗が生じる虞れが高い。したが
って、流動媒体温度が高いこととも相俟って、高温腐食
の発生する危険度は第1従来装置におけるよりも高いと
いわざるを得ない。
【0015】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、過熱管に高温腐食を生じさせることなく、高
温過熱蒸気を得ることができるごみ焼却処理装置を提供
することを目的とするものである。
【0016】
【考案が解決しようとする課題】本発明は、上記の目的
を達成すべく、特に、過熱器の少なくとも高温部分を、
過熱手段として流動層を利用した独立の過熱器で構成し
ておくことを提案するものである。
【0017】すなわち、第1には、過熱器を一次過熱器
と二次過熱器とに分離構成しておくことを提案する。こ
の場合において、一次過熱器は、ボイラ蒸気が導入され
る一次過熱管を焼却炉内のごみ燃焼排ガス領域に配置し
て、ごみ燃焼排ガスにより蒸気過熱を行うものであり、
二次過熱器は、焼却炉内にごみ燃焼排ガス領域と区画さ
れた過熱器室を形成し、この過熱器室内にバーナにより
加熱される流動層を形成すると共に、この流動層内に一
次過熱器を経過した一次過熱蒸気が導入される二次過熱
管を配設して、流動層からの吸熱により蒸気過熱を行う
ものである。
【0018】第2には、過熱器を、上記二次過熱器と同
様構造をなす流動層過熱器で単一構成しておくことを提
案する。すなわち、この過熱器は、焼却炉内にごみ燃焼
排ガス領域と区画された過熱器室を形成し、この過熱器
室内にバーナにより加熱される流動層を形成すると共
に、この流動層内にボイラ蒸気が導入される過熱管を配
設して、流動層からの吸熱により蒸気過熱を行うもので
ある。
【0019】
【作用】過熱器の少なくとも高温部分において、蒸気過
熱がごみ燃焼排ガスによらずバーナ加熱された流動層か
らの吸熱により行われるから、過熱管にごみ燃焼排ガス
特有の高温腐食が生じるようなことがない。しかも、蒸
気過熱が熱伝達率の高い流動層によって行われるから、
蒸気過熱温度を大幅に高くすることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の構成を図1〜図3に示す第1
及び第2実施例に基づいて具体的に説明する。
【0021】第1実施例のごみ焼却処理装置(以下「第
1実施例装置」という。)は、図1に示す如く、焼却炉
1にボイラ2及びエコノマイザ3を付設してなる。焼却
炉1の燃焼室4の下部にはごみ燃焼用の流動層5が形成
されていて、ごみ供給フィーダ6から焼却炉1内に定量
投入されたごみ7を流動層5により燃焼させるようにな
っており、また燃焼室4で発生したごみ燃焼排ガス8
は、燃焼室4からボイラ2に導かれて缶水との熱交換に
よりボイラ蒸気10を発生させ、更にエコノマイザ3に
導かれて熱回収されるようになっている。
【0022】流動層5は、燃焼室床11に植設せる噴出
ノズル12…から、床11下の風箱13に供給された流
動化空気14を噴出させることによって形成される。流
動層5を構成する流動媒体5aとしては珪砂等が使用さ
れ、この流動媒体5aは定量フィーダ15により燃焼室
4内に供給される。なお、流動層5中の不燃物7aは、
燃焼室床11に設けた排出口16から排出しうるように
なっており、且つこれに伴って排出される流動媒体5a
は、振動篩17により不燃物7aと分離された上、コン
ベア18により流動媒体サイロ19に供給され、フィー
ダ15により流動層5に返戻されるようになっている。
また、燃焼室4には二次空気ノズル20,21が設けら
れていて、流動層5上の燃焼室4部分に二次空気22を
送気しうるようになっている。
【0023】而して、ボイラ蒸気10は過熱器23によ
り過熱された上、発電タービン(図示せず)に供給され
るが、この実施例では、過熱器が一次過熱器23と二次
過熱器24とに分離構成されている。
【0024】すなわち、一次過熱器23は、第1従来装
置における過熱器43と同様に、フライアッシュの付着
及び高温腐食を防止すべく、焼却炉1内のごみ燃焼ガス
領域の低温部分(例えば、入口ガス温度650℃,出口
ガス温度550℃)に設けられている。すなわち、一次
過熱器23は、図1に示す如く、ボイラ蒸気10が導入
される一次過熱管25を、燃焼室4からボイラ2の伝熱
面への移行領域である排ガス過熱器室9に、管軸がガス
流と平行となる状態で配置してなり、ボイラ蒸気10を
ごみ燃焼排ガス8により一次過熱するように構成されて
いる。
【0025】二次過熱器24は、図1及び図2に示す如
く、焼却炉1内に、燃焼室4の流動層形成部分に隣接せ
しめて、ごみ燃焼排ガス領域と区画された過熱器室26
を設け、この過熱器室26に流動層27を形成すると共
にこれを加熱するバーナ28を配設し、更に流動層27
内に一次過熱管25に接続された二次過熱管29を配置
して構成されており、一次過熱管25から二次過熱管2
9に導入された一次過熱蒸気10aを流動層27により
過熱し、その過熱蒸気たる二次過熱蒸気10bを発電タ
ービン(図示せず)に供給して、発電を行うようになっ
ている。
【0026】流動層27は、過熱器室26の床板30に
植設せる噴出ノズル31…から、ブロワ32により床板
30下の風箱33に供給された流動化空気34を噴出さ
せることによって形成される。流動媒体27aは、ごみ
燃焼用流動層5の流動媒体5aと同様に珪砂等が使用さ
れ、図示しないフィーダから過熱器室26に供給され
る。流動化空気34としては、ごみ焼却用の余熱空気を
利用しておくことが好ましい。また、その供給手段(ブ
ロワ32等)は、ごみ燃焼用流動層5への流動化空気供
給手段と兼用することができる。なお、噴出ノズル31
…の噴出口より下位においては、図2に示す如く、流動
媒体27aの静止層27bが形成されるが、この静止層
27bによる断熱効果により床板30の熱損が回避され
る利点がある。
【0027】ところで、燃焼室4に形成する流動層5に
ついては、ごみ7を良好に燃焼させるに或る程度の層高
さが必要となるが、過熱器室26に形成する流動層27
にあっては、それが単に加熱手段として機能するもので
あるから、層高さを然程高くする必要がない。したがっ
て、この実施例においても、層深さを、流動層5につい
ては深く、流動層27については浅くなるように設定し
てある。このように、過熱用の流動層27が浅層のもの
であるから、通風抵抗が極めて小さくなり、流動化空気
用ブロワ32の所要動力が少なくて済む。
【0028】バーナ28は、油又は燃料ガスを流動層2
7に噴出,着火燃焼させるインベッドバーナであり、図
2に示す如く、検出器35により検出された過熱管29
の出口温度に基づいて自動制御され、過熱蒸気10bを
設定された所定温度に保持するようになっている。
【0029】過熱管29は蛇行状に積み重ねて配置され
るが、その積層段は縦方向に高くするよりも、縦方向に
は低くして横方向に拡がるようにしておくことが望まし
い。この場合において、最下段の過熱管29部分は噴出
ノズル31…にあまり接近させないようにしておくこと
が望ましい。なお、過熱管29としては、フィン付きの
チューブを使用するようにしてもよい。
【0030】なお、過熱器室26はメンブレン水管で構
成した加圧燃焼型のものとされており、過熱器室26で
発生した排ガス36が、燃焼室4内にこれと過熱器室2
6との隔壁に形成せる排出口26aから高速流入して、
燃焼室4内の燃焼ガスを積極的に攪拌しうるように工夫
してある。この攪拌作用により、燃焼室4内での完全燃
焼が期待される。また、上記各室ないし室間の隔壁は、
ボイラ水管の一部をなす水冷壁構造とされている。
【0031】以上のように構成された第1実施例装置の
使用態様の一例として、缶内飽和温度254℃、一次過
熱蒸気温度270℃、二次過熱器出口圧力40Kg/c
2G、二次過熱蒸気温度400℃、エコノマイザ入口
給水温度143℃、エコノマイザ出口給水温度205℃
とする。すなわち、ごみ燃焼排ガス8に晒される一次過
熱器23については、管壁温度が高温腐食を生じない3
00℃以下となるように、一次過熱蒸気温度を270℃
に選定し、高温腐食の虞れがある高温過熱(270℃か
ら400℃への蒸気過熱)を、ごみ燃焼排ガス8と接触
しない二次過熱器24により行う。
【0032】この場合における各部の熱吸収量は、エコ
ノマイザ吸収熱量62Kcal/Kg・Q(9.9
%)、缶本体吸収熱量463.6Kcal/Kg・Q
(74.2%)、一次過熱器吸収熱量16.4Kcal
/Kg・Q(2.6%)、二次過熱器吸収熱量83Kc
al/Kg・Q(13.3%)となる(括弧内は全吸収
熱量625Kcal/Kg・Qを100%としたときの
熱吸収割合を示す。)。このように、独立した二次過熱
器24により270℃から400℃まで蒸気過熱させる
に必要な熱量は全体の13.3%(83Kcal/Kg
・Q)と大きく、第1従来装置の場合(冒頭で述べた一
般的仕様の場合をいう。以下において同じ。)における
過熱器43の必要熱量(30.2Kcal/Kg・Q)
の約2.75倍となる。
【0033】一方、二次過熱管29の外部熱伝達係数を
250Kcal/m2 ・h・℃、内部熱伝達係数を16
00Kcal/m2 ・h・℃とすると、熱貫流係数は2
17Kcal/m2 ・h・℃となり、流動層26内の温
度を700℃とすると、対数的平均温度差は370℃と
なることから、伝熱面積1m2 における1時間当たりの
熱伝達量は80290Kcal/m2 ・hとなる。これ
は、第1従来装置の場合(7030Kcal/Kg・
Q)の約11.42倍となる。
【0034】このように、第1従来装置の場合に比し
て、400℃にまで昇温させることで、その必要熱量が
約2.5倍に増大するにも拘わらず、流動層26による
熱伝達能力が高い(約11.42倍)ことから、二次過
熱器24の伝熱面積は、第1従来装置の場合の約1/4
で済む。また、流動層26中における熱伝達係数は上記
した如く250Kcal/m2 ・h・℃にまで高くして
おくことができ、これはごみ燃焼排ガス中に過熱管44
を配置した場合の10倍以上である。しかも、第1従来
装置の場合には、フライアッシュの付着を回避するため
に、過熱管44(管径60.3mm)のピッチを縦横1
65mm程度にまで大きくしておく必要があるのに対
し、過熱管29のピッチは縦横65mm(管径38m
m)程度で充分であり、この程度としておくことが伝熱
効率上からも最も適したピッチ寸法となる。
【0035】したがって、前述した如く流動層27を浅
くしておくことができることとも相俟って、二次過熱器
24を極めてコンパクトなものとでき、したがって、二
次過熱器15を極めてコンパクトなものとでき、これを
焼却炉1内に組み込むことによって装置が徒に大型化す
るような心配はない。勿論、過熱管29としてフィン付
チューブを使用しておくことにより、更なるコンパクト
化が可能となる。
【0036】また、二次過熱器24は、ごみ燃焼排ガス
中に設置した第1従来装置の過熱器43と異なって、ダ
ストの付着がなく、伝熱面の汚れ係数を考慮する必要が
ないから、スートブロー等が不必要となり、メンテナン
スが極めて容易となる。
【0037】なお、ガス側の熱伝達係数を250Kca
l/m2 ・h・℃、蒸気側の熱伝達係数を1750Kc
al/m2 ・h・℃、過熱管の熱伝達係数を42Kca
l/m2 ・h・℃、過熱管の管壁厚みを3.5mm、ガ
ス温度を700℃とし、過熱蒸気温度を最高の500℃
とした場合、管壁温度は外壁面においては529℃、内
壁面において525℃となり、高温腐食の心配が生じる
が、このような心配は、高温部分における過熱管29が
ごみ燃焼排ガス8と接触しないことから完全に回避され
る。したがって、第1及び第2従来装置の過熱器43,
49と異なって、通常の燃料焚き高圧高温ボイラに使用
されている管材料を用いることができ、実用上の問題は
全くない。
【0038】ところで、上記した如く、一次過熱器23
と二次過熱器24とに分離構成した場合において、ボイ
ラ蒸気温度が高く、ごみ燃焼排ガス8による一次過熱に
おいて高温腐食が発生する虞れがあるときには、蒸気過
熱をすべて流動層加熱で行うようにすることが好まし
い。
【0039】このような点をも考慮して、第2実施例の
ごみ焼却処理装置(以下「第2実施例装置」という。)
では、図3に示す如く、過熱器を上記二次過熱器24と
同様構造の流動層過熱器24´により単一的に構成して
ある。
【0040】すなわち、この流動層過熱器24´は、図
3に示す如く、過熱器室26内にバーナ28で加熱され
る流動層27を形成すると共に、流動層27内にボイラ
蒸気10が導入される過熱管29を配置してなり、過熱
蒸気10cを発電タービンに供給するものであるが、過
熱管29にボイラ蒸気10を導入させる点を除いて上記
二次過熱器24と同一構造のものであるから、その詳細
は省略する。
【0041】以上のように構成された第2実施例装置の
使用態様の一例として、過熱器出口圧力50Kg/cm
2 G 、過熱蒸気温度(過熱器出口蒸気温度)500
℃、エコノマイザ入口給水温度143℃、エコノマイザ
出口給水温度215℃、缶内飽和温度266.3℃とす
る。
【0042】この場合における各部の熱吸収量は、エコ
ノマイザ吸収熱量72Kcal/Kg・Q(10%)、
缶本体吸収熱量452Kcal/Kg・Q(67%)、
過熱器吸収熱量153.4Kcal/Kg・Q(22.
6%)となる(括弧内は全吸収熱量677.4Kcal
/Kg・Qを100%としたときの熱吸収割合を示
す。)。このように、全蒸気過熱を一の過熱器24´で
賄うため、これに必要な熱量は全体の22.6%(15
3.4Kcal/Kg・Q)と大きくなり、第1従来装
置の場合(30.2Kcal/Kg・Q)の約5倍とな
る。
【0043】一方、過熱管29の外側熱伝達係数を25
0Kcal/m2 ・h・℃、内側熱伝達係数を1750
Kcal/m2 ・h・℃とすると、熱貫流係数は217
Kcal/m2 ・h・℃となり、流動層27内の温度を
700℃とすると、対数的平均温度差は300℃となる
ことから、伝熱面積1m2 における1時間当たりの熱吸
収量は65100Kcal/m2 ・h・℃となり、第1
従来装置の場合(7030Kcal/Kg・Q)の約
9.26倍となる。
【0044】したがって、過熱器24´の伝熱面積は、
第1従来装置の場合に比して、500℃にまで蒸気過熱
させるにも拘わらず、約1/2で済み、過熱器24´を
極めてコンパクトなものとでき、焼却炉1内にスペース
上の問題を生ずることなく一体的に組み込むことができ
る。なお、第1実施例装置の二次過熱器24について前
述した利点等は、上記過熱器24´においても同様に主
張できることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、過熱器の少なくとも高温部分をごみ燃焼排ガ
スの存在,発生しない過熱器室に独立して配置し、バー
ナ加熱された流動層により蒸気過熱を行うようにしてい
るので、第1及び第2従来装置における如きごみ燃焼排
ガスによる高温腐食の問題を生じることなく、高圧・高
温の過熱蒸気を得ることができる。したがって、ごみ焼
却の余熱利用率ないし発電効率を大幅に向上させること
ができ、冒頭で述べた要請に充分応えることができる。
しかも、過熱器を焼却炉内にコンパクトに収めることが
でき、装置が徒に大型化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るごみ焼却処理装置の第1実施例を
示す断面図である。
【図2】図1の要部(二次過熱器)を拡大して示す詳細
図である。
【図3】本発明に係るごみ焼却処理装置の第2実施例を
示す断面図である。
【図4】第1従来装置を示す断面図である。
【図5】第2従来装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1…焼却炉、2…ボイラ、4…燃焼室、5…ごみ燃焼用
の流動層、7…ごみ、8…ごみ燃焼排ガス、9…排ガス
過熱器室(一次過熱管が配置されるごみ燃焼排ガス領
域)、10…ボイラ蒸気、10a…一次過熱蒸気、10
b…二次過熱蒸気、10c…過熱蒸気、23…一次過熱
器、24…二次過熱器、24´…流動層過熱器(過熱
器)、25…一次過熱管、26…過熱器室、27…流動
層、28…バーナ、29…二次過熱管。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉の燃焼室下部にごみ燃焼用の流動
    層を形成し、燃焼室で発生するごみ燃焼排ガスによりボ
    イラ蒸気を発生させて、これを過熱器により過熱させ、
    その過熱蒸気を発電タービンに供給するようにしたごみ
    焼却処理装置において、過熱器が一次過熱器と二次過熱
    器とに分離構成されており、一次過熱器は、ボイラ蒸気
    が導入される一次過熱管を焼却炉内のごみ燃焼排ガス領
    域に配置して、ごみ燃焼排ガスにより蒸気過熱を行うも
    のであり、二次過熱器は、焼却炉内にごみ燃焼排ガス領
    域と区画された過熱器室を形成し、この過熱器室内にバ
    ーナにより加熱される流動層を形成すると共に、この流
    動層内に一次過熱器を経過した一次過熱蒸気が導入され
    る二次過熱管を配設して、流動層からの吸熱により蒸気
    過熱を行うものであることを特徴とするごみ焼却処理装
    置。
  2. 【請求項2】 焼却炉の燃焼室下部にごみ燃焼用の流動
    層を形成し、燃焼室で発生するごみ燃焼排ガスによりボ
    イラ蒸気を発生させて、これを過熱器により過熱させ、
    その過熱蒸気を発電タービンに供給するようにしたごみ
    焼却処理装置において、過熱器が、焼却炉内にごみ燃焼
    排ガス領域と区画された過熱器室を形成し、この過熱器
    室内にバーナにより加熱される流動層を形成すると共
    に、この流動層内にボイラ蒸気が導入される過熱管を配
    設して、流動層からの吸熱により蒸気過熱を行うもので
    あることを特徴とするごみ焼却処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003083507A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Takuma Co Ltd 高温高圧ボイラ

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