JPH08178201A - 一体型流動床ボイラ - Google Patents

一体型流動床ボイラ

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Publication number
JPH08178201A
JPH08178201A JP31723894A JP31723894A JPH08178201A JP H08178201 A JPH08178201 A JP H08178201A JP 31723894 A JP31723894 A JP 31723894A JP 31723894 A JP31723894 A JP 31723894A JP H08178201 A JPH08178201 A JP H08178201A
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JP
Japan
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combustion
water
exhaust gas
combustion chamber
boiler
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Application number
JP31723894A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadahiko Maeda
禎彦 前田
Makoto Tonokouchi
誠 殿河内
Takayuki Nakano
孝之 中野
Yasutaka Ishii
康貴 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 排ガス廃熱を有効に利用し、燃焼焼却効率の
良い一体型流動床ボイラをコンパクトに構成する。 【構成】 空気室10の上段に被燃焼物を投入して流動燃
焼させる燃焼室(下部燃焼室30及び又は上部燃焼室60)
を設け、炉壁を水冷壁40で構成した断面が円形型の流動
床ボイラであって、頂部に気水分離器70を配置し、気水
分離器70と水冷壁40を構成する各々の水冷管41を連通さ
せて接続する。燃焼室の外側周囲に設けた燃焼排ガス出
口44と連通する環状の、燃焼排ガス通路80内に廃熱回収
装置として水管群でなる廃熱ボイラ100 又は110 を配置
すると共に、燃料供給管130 を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一体型流動床ボイラに
係り、詳しくは、気水分離器および廃熱ボイラ又は給水
予熱器等の廃熱回収装置等をボイラ本体に組み込んで一
体型として構成し、ボイラ本体と気水分離器或いは廃熱
回収装置との連絡パイプやその支持架台を無くしてコン
パクトに構成して機器の設置高さ、設置面積及び設置工
数を減少することができると共に、含有水分が高い被燃
焼物であっても排ガス廃熱を有効に利用して含有水分を
軽減し燃焼焼却を効率良く容易に行い得るなどした一体
型流動床ボイラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流動床ボイラ等のボイラ本体は築
炉構造若しくは水冷壁構造にて構成されることが多い
が、気水分離器および廃熱ボイラ等の廃熱回収部はボイ
ラ本体と分離されて離れた位置に専用のダクト又は架台
により支持されて取付けられていた。また、燃焼排ガス
集塵装置も該廃熱ボイラ等の熱回収装置の下流位置でボ
イラ本体と離れた別位置で排ガスダクトで接続されて取
付けられていた。このように従来の流動床ボイラは気水
分離器、廃熱回収装置、集塵装置等の付帯設備がボイラ
本体と分離されて設置された分離型流動床ボイラとして
構成されていた。また、被燃焼物(焼却物)が含有水分
が高いものである場合は流動床での燃焼性を向上させる
ために機械脱水によって水分率を下げたりし、また、臭
気の問題を考慮せずに排ガスで直接乾燥を行う等してい
た。なお、乾燥又は燃焼用の熱源として或いはスタート
アップ時の熱源を得るための燃焼バーナは流動床ボイラ
本体の最下段の空気室に直接取付けられていた等によ
り、空気室の高さが高いものとなり、ボイラ本体の全高
も高いものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記により、機器接続
用の配管やダクトが必要となり、また、設置高さが高く
なったり、設置面積も多く必要になったりして、ボイラ
装置のコンパクト化を図るには支障となっていた。さら
に各機器および架台を個別に据え付ける必要があり工事
期間も長くかかっていた。また、含水率の高い被燃焼物
を焼却する場合に脱水器を設けて含有水分を低減するよ
うにする場合は、そのための設備が複雑になったり設置
面積が大きくなりコンパクト化に支障となっていた。な
お、空気室に燃焼バーナを直結して設けていた場合は空
気室の高さが高いものとなりボイラ本体の全高も高いも
のとなりコンパクト化に支障となっていた。
【0004】本発明は以上のような問題に鑑みてなされ
たものであり、気水分離器および廃熱ボイラ又は給水予
熱器等の廃熱回収装置等をボイラ本体に組み込んで一体
型として構成し、ボイラ本体と気水分離器或いは廃熱回
収装置との間の必要以上の長さの連絡パイプやその支持
架台を無くしてコンパクトに構成して機器の設置高さ、
設置面積及び設置工数を減少することができると共に、
含有水分が高い被燃焼物であっても排ガス廃熱を有効に
利用して含有水分を軽減し、燃焼焼却を効率良く容易に
行い得るなどした一体型流動床ボイラを得ることを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の一体型流動床ボイラは、 (1)下段に空気室を有し、その上段に該空気室から燃
焼用空気を供給すると共に被燃焼物を投入して流動燃焼
させる燃焼室を有し、該燃焼室の炉壁を水冷壁で構成し
た断面が円形型の流動床ボイラであって、燃焼室の頂部
に気水分離器を配置し、該気水分離器と該水冷壁を構成
する各々の水冷管を連通させて接続すると共に該気水分
離器を該水冷壁によって支持し、燃焼室の外側周囲に燃
焼室上部の燃焼排ガス出口と連通する環状の燃焼排ガス
通路を燃焼室と同心状に形成し、該燃焼排ガス通路の下
部には燃焼排ガス排出口を形成し、該環状の燃焼排ガス
通路内に燃焼排ガスの廃熱回収装置として水管群でなる
熱交換器を設けると共に該環状通路を周回させて先端の
供給端開口を燃焼室内に臨ませて被燃焼物供給管を設
け、該熱交換器の水管と該気水分離器との間を連絡配管
で接続し、該気水分離器と該廃熱回収装置をボイラ本体
に一体に組み込んだ構成とした。
【0006】(2)上記(1)の構成において、該燃焼
排ガス通路の該燃焼室の燃焼排ガス出口と連通する部分
と該廃熱回収装置としての水管群でなる熱交換器が位置
する部分との間に空間部を設けて副燃焼室として構成
し、該燃焼排ガス通路の外壁を第2の水冷壁で構成し、
該第2の水冷壁を構成する各々の水冷管と該気水分離器
とを連通させて接続した構成とした。
【0007】(3)上記(1)又は(2)の構成におい
て、該燃焼排ガス通路の下部の燃焼排ガス排出口に接続
させて燃焼排ガスの集塵装置をボイラ本体に一体に組み
込んだ構成とした。
【0008】(4)上記(1)又は(2)又は(3)の
構成において、燃焼胴が上下方向に伸びた竪型熱風発生
炉をボイラ本体の側部に配し、該熱風発生炉をその熱風
出口を該空気室に接続してボイラ本体に直結して設けた
構成とした。
【0009】
【作用】上記(1)の構成では、空気室から高温の燃焼
用空気が燃焼室に供給され、燃焼室ではこの燃焼用空気
によって流動媒体が流動化されて高温の燃焼流動床が形
成される。そしてこの高温流動床に被燃焼物としての廃
棄物(例えば、高含水の茶粕など)が被燃焼物供給管を
通されてその先端の供給端開口から投入されて流動燃焼
される。高温の燃焼排ガスは燃焼室上部の排ガス出口か
ら排出されて燃焼室の外側周囲に形成された環状の燃焼
排ガス通路に流入し、ここを流れる途中で廃熱回収装置
の水管群でなる熱交換器としての廃熱ボイラ等によって
熱回収されると共に、前記被燃焼物供給管を介して被燃
焼物を加熱するための熱源として利用される。その後、
排ガスは燃焼排ガス通路の下部の排出口から機外へ排出
される。ここで該廃熱回収装置は水管群でなる熱交換器
であり、これとしては、例えばボイラ水を加熱してスチ
ームを発生させる廃熱ボイラとされたり、又は、気水分
離器に供給される給水を予熱するための給水予熱器、等
とされて用いられる。さらには、必要に応じて該廃熱ボ
イラとこの排ガス下流に配した該給水予熱器の両者を組
合せたものとされる。
【0010】しかして、燃焼室の炉壁は横断面が円形状
に形成され、円周方向に適宜の間隔をおいて垂直方向に
並立されて多数配設された水冷管をフィンで接続されて
構成された水冷壁構造とされており、燃焼室および燃焼
排ガス通路の輻射熱が吸収されることにより燃焼室炉壁
や燃焼排ガス通路の内壁は所定の低温度に保たれる。こ
の水冷壁は強固な強度部材として形成される。そして、
該水冷壁は燃焼室の頂部において気水分離器を支持する
と共に、水冷壁を構成する各々の水冷管は該気水分離器
に連通されて接続されていることにより、気水分離器が
ボイラ本体に一体に組み込まれると共に水冷管のボイラ
水は気水分離器によって蒸気と飽和水に分離され、蒸気
は気水分離器から必要に応じて外部に取り出され使用さ
れる。
【0011】そして、廃熱回収装置としての水管群でな
る熱交換器の水管と該気水分離器との間を連絡配管で接
続していることにより、該熱交換器を廃熱ボイラとして
用いるときには前記と同様に、該水管で加熱されたボイ
ラ水は蒸気を発生し気水分離器によって蒸気と飽和水に
分離され、蒸気は気水分離器から必要に応じて外部に取
り出され使用される。また、該熱交換器を給水予熱器と
して用いるときには、該気水分離器へ供給する給水の予
熱器として使用される。
【0012】しかして、気水分離器は燃焼室の頂部にボ
イラ本体と一体に設けられるのでボイラがコンパクトに
構成される。また、燃焼室は円形断面とされると共に環
状の燃焼排ガス通路が同心状に該燃焼室の外側周囲に一
体に取付けられることにより全体的な平面形状が円形で
あってコンパクトに構成されると共に、その燃焼排ガス
通路の内部に廃熱回収装置が設置され、さらに、水冷壁
を構成する各々の水冷管は燃焼室頂部で気水分離器に接
続されて気水分離器と水冷壁との間の接続配管も極小の
長さにされうることにより、従来構造のようにボイラ本
体と気水分離器との間の長い連絡パイプ、或いは、ボイ
ラ本体と廃熱回収装置との間の長い排ガスダクト及びそ
れら機器、装置、パイプなどの支持架台などは必要とさ
れない。
【0013】そして、廃熱回収装置が水管群で構成され
る熱交換器とされていることにより、熱交換がガスと液
体(水)との間で行われる故、伝熱効率が良く所定の熱
量を回収する場合に伝熱面積が小さくとれ、廃熱回収部
(装置)をコンパクトに形成し得る。以上により、各機
器が全体的に一体に構成され、かつ、コンパクトに構成
される。そして、このため設置高さ、設置面積、設置工
数および工事期間が減少される。
【0014】一方、該環状の燃焼排ガス通路内に該環状
通路を周回させて先端の供給端開口を燃焼室内に臨ませ
て被燃焼物供給管を設けていることにより、被燃焼物が
茶粕やビール粕等の高含水である場合には被燃焼物は輸
送ポンプにより被燃焼物供給管に送り込まれるが、該被
燃焼物は該供給管を介して先端開口から燃焼室内に排出
されるまでに燃焼排ガスによって間接的に十分に加熱、
乾燥される。この場合において、該被燃焼物供給管の先
端の供給端開口付近に絞り機構を設けておけば、その上
流の供給管内で高含水の被燃焼物が加熱されて管内圧力
が高められて該水分が容易に蒸発されないようにし、こ
れが供給管先端の供給端開口で圧力が下がったときに蒸
発されるようにして、この蒸気により被燃焼物が分散さ
れ易い状態、即ち、被燃焼物に割れ目が入るなどの状態
にさせ、さらに、絞り機構を通過した瞬間に該被燃焼物
をほぼ炉内圧の大気圧に減圧させて未蒸発の水分を一気
に蒸発させるようにして、この力で被燃焼物を炉内の燃
焼流動床に広範囲に分散供給させるようにすることがで
きる。
【0015】以上により、流動床へ投入される被燃焼物
が供給管内で加熱され、かつ、その水分が軽減されてお
り、さらに流動床に分散して撒き散らされて供給される
ので、流動床での燃焼負荷が軽減され燃焼が効率良く容
易に行われる。従って、高含水率の被燃焼物を焼却する
場合に脱水器を省略しうるし、また、脱水器を設置する
必要がある場合でも該脱水器を小さくコンパクトにする
ことができ、全体の設置面器を少なくすることができ
る。なお、供給管内での乾燥時に発生する臭気を有した
蒸気等は、そのまま炉(燃焼室)内に投入されるため、
高温燃焼ガスにより悪臭成分が分解される。
【0016】一方、被燃焼部が乾燥物に近い場合には、
輸送媒体として空気を使用すれば、この輸送用空気は燃
焼室の流動床上部の空塔部(フリーボード)における二
次燃焼用空気として使用することができることにより、
空気室に送る一次空気量を減少させて流動床では還元性
雰囲気で燃焼を行い窒素酸化物などの発生を抑制し、前
記空塔部で二次燃焼を行わせて被燃焼物の完全燃焼を行
う低公害燃焼のための所謂、2段燃焼を有効に行わせる
ことができる。
【0017】上記(2)の構成では、排ガス通路に燃焼
室の該排ガス出口と連通した空間部を設けてここを副燃
焼室とするので、未燃分の完全燃焼に必要な排ガスの滞
留時間を確保することができる。従って燃焼室の高さを
低くすることができ、ボイラの全高を低くすることがで
き、例えば屋内設置が容易となる高さ(例えば約4.5m)
までにボイラ高さを低くすることができる。また、燃焼
排ガス通路の外壁は第2の水冷壁によって排ガスの保有
熱が吸収されるので副燃焼室で燃焼が行われても所定の
低温度に保たれ強固な強度部材として形成される。該水
冷壁の吸収熱は同様にスチームの発生に利用される。
【0018】上記(3)の構成では、燃焼排ガス集塵装
置もボイラ本体に一体に取付けられるので一層コンパク
トな流動床ボイラを得ることができる。
【0019】上記(4)の構成では、燃焼胴が上下方向
に伸びた竪型熱風発生炉をボイラ本体の側部に配し、該
熱風発生炉をその熱風出口を該空気室に接続してボイラ
本体に直結して設けたことにより、ボイラ本体の空気室
の高さを低くすることができるのでボイラ高さを低くす
ることができ、かつ、ボイラ装置としての設置面積がさ
らに減少される。
【0020】
【実施例】図はいずれも本発明の実施例を示すものであ
り、図1は一体型流動床ボイラの全体構造を示す図2の
A〜A線矢視縦断面図、図2はボイラの平面構造を示す
ものであり左半分は図1のD〜D線矢視断面平面図、右
半分は図1のE〜E線矢視断面平面図、図3は図1のC
線矢視断面平面図であり、空気分散板の平面構造を示す
図、図4は図1のB線矢視図であり燃焼室のガス出口の
構造を示す図、図5は竪型熱風発生炉の実施例を示す縦
断面図である。
【0021】図1に示すように、1は一体型流動床ボイ
ラであり、最下部に空気室10が位置し、空気室10の
上部に空気分散板20を介して燃焼室としての下部燃焼
室30が位置し、さらにその上部にガス分散板50を介
して燃焼室としての高さの低い上部燃焼室60が位置さ
れている。また、該上部燃焼室60及び下部燃焼室30
の外側周囲には該上部、下部燃焼室60、30を取り囲
んで環状断面の排ガス通路80が形成されている。これ
ら空気室10、下部燃焼室30及び上部燃焼室60はい
ずれも横断面が同一径の円形に形成されている。下部燃
焼室30には高含水の茶粕などの廃棄物等の被燃焼物を
供給する供給管130の先端の供給端開口132がフリ
ーボードに臨まされて設けられている。下部燃焼室30
の下部には燃焼流動床33が形成される。上部燃焼室6
0の上部は図4に示すようにリング状ヘッダ45から上
部の部分の水冷壁40の各水冷管41の間のフィンが外
されて燃焼室60と排ガス通路80を連通するための排
ガス流出口44が全周にわたって形成されている。
【0022】空気室10、下部燃焼室30及び上部燃焼
室60の炉壁は水冷壁40(第1の水冷壁)で形成され
ており、水冷壁40は垂直方向に延びた多数の水冷管4
1が周方向に所定間隔を置いて隣り合う水冷管41をフ
ィン43(図4参照)によって連結されて一体に構成さ
れ強固な強度部材として形成されている。上部燃焼室6
0の頂部の中央部には縦型の気水分離器(スチームドラ
ム)70が水冷壁40を構成する各々の水冷管41の上
端に連結されて位置されボイラ本体1に一体的に組み込
まれている。該各々の水冷管41の上端と気水分離器7
0とは連通されている。なお、該気水分離器70には図
示していないが給水ポンプを介装したボイラ給水管や蒸
気取出管等の必要機器が取付けられている。
【0023】水冷壁40を構成する各々の水冷管41は
下端を下部リング状ヘッダ42に連通した状態で連結さ
れ、上部を上部リング状ヘッダ45に連通した状態で連
結され、該上部リング状ヘッダ45と気水分離器79の
間を放射状に配設した複数本の水冷管41で連結されて
いる。該下部リング状ヘッダ42には図示していないボ
イラ水循環ポンプによって該気水分離器70から配管を
介してボイラ水が供給され、該供給された水は各水冷管
41を上昇しこの間に放射熱を吸収したの後、上部リン
グ状ヘッダ45に流入した後、気水分離器70へ戻され
る。該水冷壁40の内周面にはキャスタブル等の耐火・
耐磨耗材料32が内張りされている。
【0024】空気分散板20は多数の散気管(空気分散
管)21を垂直方向に有し、その内部には水冷管22が
該散気管21の間を縫って平行に折り返し状に配置され
て構成されている(図3参照)。上方のガス分散板50
は垂直方向に設けられた基管51とその上端部に内部が
空洞にされたキャップ53が取付けられて構成された多
数の散気管54を有し、図示していないが内部に水冷管
52が該散気管51の間を縫って平行に折り返し状に配
置されて構成されている。排ガスはキャップ53の内部
空洞に入れられて反転し基管51への取付基端に形成さ
れた開口からやや下向きに出された後、上昇して上部燃
焼室60内に噴出するように形成されており、分散管か
ら直接、上方に吹き抜けて気水分離器70に衝突するこ
とが防がれる。また、該キャップ53の内部空洞にター
ル分や燃焼灰が付着するようにしガス排出口へのそれら
の付着を防止して該排出開口が閉塞しないように形成さ
れている。上記空気分散板20内部の水冷管22及びガ
ス分散板50内部の水冷管52にも図示していないボイ
ラ水循環ポンプによって該気水分離器70から配管を介
してボイラ水が供給され、水冷管22や水冷管52を通
過した後、気水分離器70に返される。
【0025】一方、該排ガス通路80の外壁も水冷壁9
0(第2の水冷壁としての外側の水冷壁)で形成されて
おり、水冷壁90は垂直方向に延びた多数の水冷管91
が周方向に所定間隔を置いて隣り合う水冷管91を前記
燃焼室30、60側の水冷壁40と同様にフィンによっ
て連結されて一体に構成されている。該各々の水冷管9
1の下端は下部リング状ヘッダ92に連通されて連結さ
れ、上端は上部リング状ヘッダ93を介して気水分離器
70に連通されて連結されている。気水分離器70はこ
の水冷壁90によってもボイラ本体1に一体的に取付け
られている。下部リング状ヘッダ92には図示していな
いボイラ水循環ポンプによって該気水分離器70から配
管を介してボイラ水が供給され、各々の水冷管91を上
昇して上部リング状ヘッダ93を介して加熱水(飽和
水)が放射状に配設された複数本の水冷管91の端部か
ら気水分離器70に流入する。外側水冷壁90の内面や
排ガス通路80の内周面にもキャスタブル等の耐火・耐
磨耗材料32が内張りされている。
【0026】排ガス通路80の底部は平面で角度180 度
隔てた対象位置の両側が高く山状に尖らされて形成され
た底板81で閉塞されており、その高く山状に尖らされ
ている部分と平面で角度90度をなす位置の二箇所には
燃焼排ガス排出口82が外側水冷壁90を貫通して形成
されている。この二箇所の排ガス排出口82には、それ
ぞれ、燃焼排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置としての
バッグフィルタ120がその排ガス流入口を接続されて
取付けられている。バッグフィルタ120は本体を上下
方向に延在させボイラ本体1に近接させて沿わせた状態
で外側水冷壁90に支持されてボイラ本体1に一体に取
付けられている。121は円筒状の集塵用濾布、122
は清浄ガスの排出口、123は該濾布121で捕集され
た煤塵の排出用のロータリバルブである。
【0027】環状の排ガス通路80の内部において、燃
焼排ガス出口44が位置しそれと連通する部分の上部と
これから所定距離おいた下方部分の間に環状空間部が形
成され、この空間部が副燃焼室81として構成されてい
る。そして、該副燃焼室81が形成される空間部の下部
の環状排ガス通路80内には燃焼排ガスの廃熱回収装置
である水管群でなる熱交換器としての第1の廃熱ボイラ
100が設置され、その下方位置には前記被燃焼物供給
管130が該環状通路を周回して設置されており、さら
にその下方には第2の廃熱ボイラ110が設置されてい
る。第1の廃熱ボイラ100は、図2に示すようにヘッ
ダ102に基端が接続された複数(本実施例では5本)
の水管(伝熱管)101が該環状の排ガス通路80の内
部で図1に示すように上下方向に複数段になるように螺
旋状に巻かれて形成されている。なお、各々の伝熱管1
01の終端は図示していない別のヘッダに連結されてい
る。該ヘッダ102と該気水分離器70との間は図示し
ていない循環ポンプを介装したボイラ給水配管で接続さ
れ、該別のヘッダと該気水分離器70との間は図示して
いない戻りの配管で接続されている。なお、第2の廃熱
ボイラ110も複数本の水管111が螺旋状に巻かれて
第1の廃熱ボイラ100と同様に構成されている。
【0028】被燃焼物供給管130は被燃焼物の供給口
131を炉外に位置され、管本体を環状の排ガス通路8
0内を周回させてリング状に形成させて配設されてお
り、先端部分を折曲されて排ガス通路80から水冷壁4
0を貫通され先端の供給端開口132を下部燃焼室30
のフリーボード(流動床33上方の空塔部)に臨まされ
て形成されている。このように被燃焼物供給管130は
排ガス通路を周回して設置されているので、環状通路8
0を下降して来る高温の燃焼排ガスによって十分に加熱
されるため、内部を送られる被燃焼物が間接的に十分に
加熱される。
【0029】一方、図1、図2には図示していないが、
前記ボイラ本体の最下段の空気室10にはその空気入口
管11に直結されて図4に示す竪型の熱風発生炉140
が接続されて設置されている。この熱風炉140はボイ
ラ本体の側部に設けられる。竪型熱風発生炉140の本
体は、上下方向に延びる竪型の燃焼室(燃焼胴)141
を内部に有し内壁面に耐火物143を内張りした横断面
が円形の内筒142と、内筒142の上端に先端の燃料
供給口を燃焼室141下方に向けて取付けた燃焼バーナ
147と、内筒142の外周囲に環状の燃焼空気通路1
49を形成させて取付けられた外筒144を有し、内筒
142の下部分は絞られて直角に折曲されその端部には
熱風出口148が形成されて構成されている。そして、
熱風炉本体の側部の下部には燃焼用空気ファン145が
設置され、その出口と熱風炉本体の外筒144の間は燃
焼用空気配管146で接続されている。熱風発生炉14
0の熱風出口148は該ボイラ本体の空気室10の空気
入口管11に連結される。
【0030】以上のように構成された一体型流動床ボイ
ラ1の実施例の作動を説明する。燃焼用空気は図4に示
す燃焼用空気ファン145により空気配管146を通し
て熱風発生炉140の燃焼用空気通路149に送られ、
ここ燃焼室141の高温ガスによって予熱されつつ内筒
144の燃焼室141内の燃焼バーナ147部に供給さ
れ、ここでバーナから噴出される燃料が燃焼されて高温
の空気(熱風)が発生される。そして、高温の空気は熱
風出口148からボイラ本体の空気入口管11を通って
空気室10に流入される。
【0031】空気室10に供給された該高温の空気は燃
焼用兼流動化用空気として空気分散板20の多数の散気
管21を通って下部燃焼室30に分散供給される。下部
燃焼室30では該高温空気によって砂等でなる流動媒体
が流動化されて高温の燃焼流動床33が形成される。流
動床33は温度が750〜800℃に保たれる。そし
て、被燃焼物として廃棄物である例えば水分70〜85wt%
の高含水の茶粕が例えば毎時0.3 〜1.0tonの割合で連続
して被燃焼物供給管130に供給され先端の開口132
から下部燃焼室30のフリーボードに吐き出されて該高
温流動床33に投入されて流動燃焼される。該被燃焼物
供給管130には図示していない輸送ポンプによって高
含水茶粕が送り込まれる。高含水茶粕は高温流動床との
接触によりその水分が瞬時にして蒸発されるとともに可
燃物が燃焼されることにより焼却される。
【0032】該被燃焼物供給管130で高含水の茶粕を
送給する間において、該高含水の茶粕は供給管130を
介して排ガス通路80を流れる高温の排ガスによって加
熱され乾燥される。この場合に、図2に示すように供給
管130の先端部の管内に絞り133を設けることによ
り、絞り133の上流の供給管130内で高含水茶粕が
加熱されて管内圧力が高められて該水分が容易に蒸発さ
れないようにし、これが供給端開口132で圧力が下が
ったときに蒸発されるようにして、この蒸気により高含
水茶粕が分散され易い状態、即ち、くっつき合った茶粕
と茶粕が分離される状態にさせ、さらに、絞り133を
通過した瞬間に該高含水茶粕を燃焼室30の圧力のほぼ
大気圧に減圧させて未蒸発の水分を一気に蒸発させるよ
うにして、この力で高含水茶粕を燃焼流動床33に広範
囲に分散供給させるようにすることができる。
【0033】このことにより、流動床33へ投入される
高含水茶粕が供給管130内で加熱され、かつ、その水
分が軽減されており、さらに流動床133に分散して撒
き散らされて供給されるので、流動床133での燃焼負
荷が軽減され燃焼が効率良く容易に行われる。従って、
高含水率の茶粕を焼却する場合に脱水器を省略しうる
し、また、脱水器を設置する必要がある場合でも該脱水
器を小さくコンパクトにすることができ、全体の設置面
器を少なくすることができる。なお、供給管130内で
の乾燥時に発生する臭気を有した蒸気等は、そのまま下
部燃焼室30内に投入されるため、高温燃焼ガスにより
悪臭成分が分解される。
【0034】流動燃焼によって生じた温度800〜90
0℃の高温の燃焼排ガスは下部燃焼室30のフリーボー
ドを上昇し上部に位置するガス分散板50の多数の散気
管54に流入してその開口から上部燃焼室60内に分散
供給され、この上部燃焼室60で未燃分の一部が燃焼さ
れる。そして、燃焼排ガスは上部の排ガス流出口44か
ら排出されて環状の燃焼排ガス通路80の最上部に形成
された副燃焼室81に流入し、ここまでで滞留時間が十
分に有せしめられて前記の未燃分の残りが燃焼されてほ
ぼ完全燃焼される。空気室10、下部及び上部燃焼室3
0、60の炉壁はその水冷壁40によって低温度に保た
れ強固に保たれる。
【0035】そして、該副燃焼室81を通過した高温の
燃焼排ガス(温度は例えば800〜850℃)は環状空
間を下降して第1の廃熱ボイラ100に流入し、気水分
離器70から循環ポンプによって多数の水管101に供
給されるボイラ水に熱を与えて温度を降下され、第1の
廃熱ボイラ100を通過した時点で例えば350〜40
0℃になる。この後、燃焼排ガスは前記の通り被燃焼物
供給管130を150〜250℃程度に加熱した後、下
流の第2の廃熱ボイラ110に到り、ここでも前記第1
の廃熱ボイラ100と同様に第2の廃熱ボイラ110の
多数の水管111に供給されるボイラ水に熱を与えて温
度を降下される。該第2の廃熱ボイラ110を通過した
時点で排ガス温度は約200℃まで降下される。その
後、排ガスは二箇所の燃焼排ガス排出口82から排出さ
れて集塵装置であるバッグフィルタ120へ流入し、排
ガス中のアッシュ等の煤塵がその濾布121で捕獲さ
れ、濾布121を通過した排ガスは清浄ガスとなって排
出口122から機外へ排出される。捕集された煤塵はロ
ータリバルブ123によって機外へ排出される。
【0036】排ガス通路80の底板81は平面で角度18
0 度隔てた対象位置の両側が高く山状に尖らされて形成
されており、その高く山状に尖らされている部分と平面
で角度90度をなす位置の二箇所に燃焼排ガス排出口8
2が形成されていることにより、排ガス中のアッシュ等
の煤塵が底板81上に堆積しようとしても燃焼排ガスの
流れとともに該底板81の斜面を滑って該燃焼排ガス排
出口82からバッグフィルタ120の中に燃焼排ガスと
ともに流入し易くなっており、該底板81上への煤塵の
堆積が極力防止される。排ガス通路80の外壁はその外
側水冷壁90によって低温度に保たれ強固に保たれる。
【0037】しかして、以上の実施例においては、空気
室10、下部及び上部燃焼室30、60の炉壁および排
ガス通路80の外壁は横断面が円形状に形成され、円周
方向に適宜の間隔をおいて垂直方向に並立されて多数配
設された水冷管41、91をフィン43で接続されて構
成された水冷壁40、90構造とされているので、空気
室10、下部及び上部燃焼室30、60および燃焼排ガ
ス通路80の輻射熱が吸収されることにより空気室10
や燃焼室30、60の炉壁や燃焼排ガス通路80の内壁
及び外壁は所定の低温度に保たれる。この水冷壁40、
90は強固な強度部材として形成される。そして、該水
冷壁40、90は燃焼室30、60の頂部において気水
分離器70を支持すると共に、水冷壁40、90を構成
する各々の水冷管41、91は該気水分離器70に連通
されて接続されていることにより、気水分離器70がボ
イラ本体1に一体に組み込まれると共に水冷管41、9
1のボイラ水は第1の廃熱ボイラ100及び第2の廃熱
ボイラ110を通過したボイラ水とともに気水分離器7
0によって蒸気と飽和水に分離され、蒸気は気水分離器
70から必要に応じて外部に取り出されて使用される。
【0038】そして、気水分離器70は燃焼室30、6
0の頂部にボイラ本体1と一体に設けられているのでボ
イラがコンパクトに構成されている。また、空気室1
0、燃焼室30、60は円形断面とされると共に環状の
燃焼排ガス通路80が同心状に燃焼室30、60の外側
の周囲に一体に取付けられることにより全体的な平面形
状が円形であってコンパクトに構成されている。また、
環状の排ガス通路80の空間部を利用して副燃焼室を構
成したので燃焼排ガスの必要な滞留時間を確保する上で
上部燃焼室60の高さを低くすることができると共に、
熱風発生炉140をボイラ本体に付設してこれから熱風
を得るので空気室10の高さが低くできるのでボイラ本
体の高さを低いものとすることができる。この場合、該
熱風発生炉はその燃焼胴141等が竪型に構成されてい
るため、設置面積が小さて済む。
【0039】そして、その燃焼排ガス通路80の内部に
廃熱回収装置としての第1・第2の廃熱ボイラ100、
110、及び被燃焼物供給管130が設置されており、
また、集塵装置のバッグフィルタ120が該燃焼排ガス
通路80の排ガス排出口82に接続されてボイラ機側に
近接して取付けられており、さらに、竪型熱風発生炉1
40がボイラ機側に近接して空気室10に連結されてい
ることにより、ボイラ装置として全体がコンパクトに構
成されている。この場合において、該第1・第2の廃熱
ボイラ100、110は、水管群で構成されていること
により、熱交換がガスと水との間で行われるため、伝熱
効率が良く所定の熱量を回収するのに伝熱面積が小さく
て良く、廃熱回収部としてコンパクトに形成されてい
る。
【0040】そして、第1、第2の水冷壁40、90を
構成する各々の水冷管41、91は燃焼室30、60の
頂部で気水分離器70に接続されており気水分離器70
と水冷壁40、90との間の接続配管も極小の長さにさ
れていることにより、従来構造のように、ボイラ本体と
廃熱回収装置の間の長い排ガスダクト、或いは、ボイラ
本体の水冷壁と気水分離器との間の長い連絡パイプ、お
よび、それら機器、装置、パイプなどの支持架台などは
必要でなくなり、各機器が全体的に一体に構成されて、
かつ、コンパクトに構成されている。そして、このため
設置高さ、設置面積、設置工数および工事期間が減少さ
れる。
【0041】以上の実施例において、被燃焼物供給管1
30を通して供給する被燃焼物として、高含水の茶粕
等、高含水のものとしたが、このように被燃焼物が水分
を多く含んでいなくて殆ど乾燥されたものである場合
は、輸送媒体として圧縮空気を使用することにより、こ
の輸送用空気を下部燃焼室30のフリーボードにおける
二次燃焼用空気として使用することができるので、空気
室10に燃焼用空気ファン145から送る一次空気量を
減少させて流動床33では還元性雰囲気で燃焼を行い窒
素酸化物などの発生を抑制し、前記フリーボードで二次
燃焼を行わせて被燃焼物の完全燃焼を行う低公害燃焼の
ための所謂、2段燃焼を有効に行わせるようにすること
ができる。
【0042】以上の実施例では、被燃焼物供給管130
は環状の排ガス通路80内で1重のリング状(円環状)
に巻いて形成したものを示したが、被燃焼物供給管13
0としては環状の排ガス通路80内で螺旋状に例えば2
〜3重の複数重に巻いて形成してもよい。このようにし
た場合は排ガスの廃熱をさらに有効利用して被燃焼物の
乾燥度をそれだけ上げることができる。
【0043】以上の図1〜図2の実施例では、燃焼室と
して下部燃焼室30と上部燃焼室60とで構成した場合
を示したが、燃焼室としては下部燃焼室30の1室とす
ることもある。また、副燃焼室81を省略することもあ
る。また、環状の排ガス通路80の外壁も水冷壁90と
した場合を示したが、必ずしもこれに限らず通常の築炉
構造とすることもできる。また、環状の排ガス通路80
の内部に廃熱回収装置として水管群で構成される熱交換
器としての第1の廃熱ボイラ100と第2の廃熱ボイラ
110を設置したが、必要により第2の廃熱ボイラを給
水予熱器とすることもあるし、第1の廃熱ボイラ100
だけを設置する場合もある。また、廃熱ボイラ、又は、
空気予熱器のいずれかだけを設置することもある。
【0044】また、集塵装置120は排ガス通路80の
排ガス排出口82に接続させてボイラに一体に接続した
場合を示したが、別途、ダクトを介して他の位置に取付
ける場合や、該排ガス排出口82と既設の集塵装置との
間をダクトによって接続し既設の集塵装置を流用する場
合もある。さらに、竪型熱風発生炉140をボイラ本体
に一体に付設した場合を示したが、別設備の熱風が利用
できるような場合など、必要でない場合もある。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明は
次のような優れた効果を有する。
【0046】請求項1の構成の一体型流動床ボイラで
は、気水分離器を燃焼室の頂部にボイラ本体と一体に設
けたのでボイラをコンパクトに構成することができ、ま
た、燃焼室は円形断面にすると共に環状の燃焼排ガス通
路を同心状に該燃焼室の外側周囲に一体に取付けたので
全体的な平面形状が円形であってコンパクトに構成する
ことができる。そして、その燃焼排ガス通路の内部に廃
熱回収装置を設置したので廃熱回収装置の別位置での設
置スペースが必要でなくボイラ装置としてコンパクトに
構成でき、また、該廃熱回収装置は水管群でなる廃熱ボ
イラ等で構成されるので所定熱量を回収するのに熱回収
装置としてコンパクトに構成でき、さらに水冷壁を構成
する各々の水冷管を燃焼室の頂部で気水分離器に接続し
て気水分離器と水冷壁との間の接続配管も極小の長さに
することができることにより、従来構造のようにボイラ
本体と気水分離器との間の長い連絡パイプ、或いは、ボ
イラ本体と廃熱回収装置との間の長い排ガスダクトおよ
びそれら機器、装置、パイプなどの支持架台などは必要
でなくなり、各機器を全体的に一体とし、かつ、コンパ
クトに構成することができる。そして、このため、ボイ
ラ装置の設置面積、設置工数および工事期間を減少化す
ることができる。
【0047】そして、被燃焼物の供給を環状の排ガス通
路に周回させて設けた被燃焼物供給管で行うので、被燃
焼物が高含水の茶粕などの廃棄物などの被燃焼物である
場合にはそれを該供給管を介して燃焼排ガスで有効に加
熱、乾燥し、供給管の先端開口付近に絞りを形成するな
どして排出とともに水分を蒸気化してそれにより廃棄物
の含有水分を減らすと共に被燃焼物を流動床に分散させ
ることができるので、流動床での燃焼負荷を軽減するこ
とができ、燃焼を効率良く容易に行わせることができ
る。
【0048】従って、高含水率の被燃焼物を焼却する場
合に脱水器を省略しうるし、また、脱水器を設置する必
要がある場合でも該脱水器を小さくコンパクトにするこ
とができ、全体の設置面器を少なくすることができる。
また、供給管内での乾燥時に発生する臭気を有した蒸気
等は、そのまま炉(燃焼室)内に投入されるため、高温
燃焼ガスにより悪臭成分が分解されるので臭気公害も防
止することできる。
【0049】また、被燃焼物が乾燥されている廃棄物な
どの被燃焼物である場合には、輸送媒体として空気を使
用することにより、この輸送用空気を燃焼室のフリーボ
ードにおける二次燃焼用空気として使用することがで
き、空気室に送る一次空気量を減少させて流動床では不
完全燃焼を行わせて一部の未燃分を発生させ、これを還
元剤として用いて前記空塔部で二次燃焼を行わせて窒素
酸化物などの発生の抑制を行う低公害燃焼のための所
謂、2段燃焼を有効に行わせることができる。
【0050】請求項2の構成の一体型流動床ボイラで
は、排ガス通路に燃焼室の該排ガス出口と連通した空間
部を設けてここを副燃焼室とするので、未燃分の完全燃
焼に必要な排ガスの滞留時間を確保することができる。
従って燃焼室の高さを低くすることができ、ボイラの全
高を低くすることができ、例えば屋内設置が容易となる
高さにボイラ高さを低くすることができ、ボイラをコン
パクトに形成することができる。また、燃焼排ガス通路
の外壁は第2の水冷壁によって構成したので、排ガスの
保有熱をより有効に吸収することができ、その分、前記
廃熱ボイラの容量を小さくしてコンパクトにすることで
きると共に、副燃焼室で燃焼が行われても所定の低温度
に保つことができ、強固な強度部材として気水分離器を
堅固にボイラ本体に一体的に保持させることができる。
【0051】請求項3の構成の一体型流動床ボイラで
は、燃焼排ガス用の集塵装置もボイラ本体に一体に取付
けられるので一層コンパクトな流動床ボイラを構成する
ことができる。
【0052】請求項4の構成の一体型流動床ボイラで
は、燃焼胴が上下方向に伸びた竪型熱風発生炉をボイラ
本体の側部に配し、該熱風発生炉をその熱風出口を該空
気室に接続してボイラ本体に直結して設けたことによ
り、ボイラ本体の空気室の高さを低くすることができる
のでボイラ高さを低くすることができ、かつ、ボイラ装
置としての設置面積をさらに減少させることが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一体型流動床ボイラの実施例の全体構
造を示す図であり、図2のA〜A線矢視縦断面図であ
る。
【図2】本発明の一体型流動床ボイラの実施例のボイラ
の平面構造を示すものであり、左半分は図1のD〜D線
矢視断面平面図、右半分は図1のE〜E線矢視断面平面
図である。
【図3】図1のC線矢視断面平面図であり、空気分散板
の平面構造を示す図である。
【図4】図1のB線矢視図であり燃焼室のガス出口の構
造を示す図である。
【図5】本発明のボイラに用いられる竪型熱風発生炉の
実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 一体型流動床ボイラ 10 空気室 20 空気分散板 30 下部燃焼室 33 燃焼流動床 40 水冷壁(第1の水冷壁) 41 水冷管 43 フィン 44 燃焼排ガス流出口 50 ガス分散板 60 上部燃焼室 70 気水分離器 80 燃焼排ガス通路 81 副燃焼室 82 燃焼排ガス排出口 90 外側水冷壁(第2の水冷壁) 91 外側水冷管 100 第1の廃熱ボイラ 101 水管(伝熱管) 102 ヘッダ 110 第2の廃熱ボイラ 111 水管(伝熱管) 120 バッグフィルタ(集塵装置) 121 炉布 130 被燃焼物供給管 132 供給端開口 140 竪型熱風発生炉 141 燃焼室(燃焼胴) 145 燃焼用空気ファン 147 バーナ 148 熱風出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 康貴 山口県宇部市大字小串字沖の山1980番地 宇部興産株式会社宇部機械製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下段に空気室を有し、その上段に該空気
    室から燃焼用空気を供給すると共に被燃焼物を投入して
    流動燃焼させる燃焼室を有し、該燃焼室の炉壁を水冷壁
    で構成した断面が円形型の流動床ボイラであって、燃焼
    室の頂部に気水分離器を配置し、該気水分離器と該水冷
    壁を構成する各々の水冷管を連通させて接続すると共に
    該気水分離器を該水冷壁によって支持し、燃焼室の外側
    周囲に燃焼室上部の燃焼排ガス出口と連通する環状の燃
    焼排ガス通路を燃焼室と同心状に形成し、該燃焼排ガス
    通路の下部には燃焼排ガス排出口を形成し、該環状の燃
    焼排ガス通路内に燃焼排ガスの廃熱回収装置として水管
    群でなる熱交換器を設けると共に該環状通路を周回させ
    て先端の供給端開口を燃焼室内に臨ませて被燃焼物供給
    管を設け、該熱交換器の水管と該気水分離器との間を連
    絡配管で接続し、該気水分離器と該廃熱回収装置をボイ
    ラ本体に一体に組み込んだことを特徴とする一体型流動
    床ボイラ。
  2. 【請求項2】 該燃焼排ガス通路の該燃焼室の燃焼排ガ
    ス出口と連通する部分と該廃熱回収装置としての水管群
    でなる熱交換器が位置する部分との間に空間部を設けて
    副燃焼室として構成し、該燃焼排ガス通路の外壁を第2
    の水冷壁で構成し、該第2の水冷壁を構成する各々の水
    冷管と該気水分離器とを連通させて接続したことを特徴
    とする請求項1の一体型流動床ボイラ。
  3. 【請求項3】 該燃焼排ガス通路の下部の燃焼排ガス排
    出口に接続させて燃焼排ガスの集塵装置をボイラ本体に
    一体に組み込んだことを特徴とする請求項1又は2の一
    体型流動床ボイラ。
  4. 【請求項4】 燃焼胴が上下方向に伸びた竪型熱風発生
    炉をボイラ本体の側部に配し、該熱風発生炉をその熱風
    出口を該空気室に接続してボイラ本体に直結して設けた
    ことを特徴とする請求項1又は2又は3の一体型流動床
    ボイラ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104075314A (zh) * 2014-07-18 2014-10-01 临沭县东方红锅炉制造有限公司 一种生物质颗粒悬浮燃烧锅炉
CN105737142A (zh) * 2016-02-05 2016-07-06 广东省特种设备检测研究院 流化床余热综合利用系统

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