JPH08166101A - 一体型流動床ボイラ - Google Patents

一体型流動床ボイラ

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Publication number
JPH08166101A
JPH08166101A JP30880394A JP30880394A JPH08166101A JP H08166101 A JPH08166101 A JP H08166101A JP 30880394 A JP30880394 A JP 30880394A JP 30880394 A JP30880394 A JP 30880394A JP H08166101 A JPH08166101 A JP H08166101A
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JP
Japan
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combustion
exhaust gas
water
air
boiler
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Application number
JP30880394A
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English (en)
Inventor
Sadahiko Maeda
禎彦 前田
Makoto Tonokouchi
誠 殿河内
Takayuki Nakano
孝之 中野
Yasutaka Ishii
康貴 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ボイラ本体と気水分離器或いは廃熱回収装置
との間の必要以上の連絡パイプ及びその支持架台等を無
くしてコンパクトな流動床ボイラを得る。 【構成】 下段に空気室10を有し、その上段に空気室10
から燃焼用空気を供給すると共に被燃焼物を投入して流
動燃焼させる燃焼室(下部30及び上部60)を有し、燃焼
室30,60の炉壁を水冷壁40で構成した断面が円形型の流
動床ボイラであって、燃焼室60の頂部に気水分離器70を
配置し、気水分離器70と水冷壁40を構成する各々の水冷
管41を連通させて接続すると共に気水分離器70を水冷壁
40によって支持し、燃焼室30,60の外側周囲に燃焼室の
燃焼排ガス出口44と連通して同心状に設けた燃焼排ガス
通路80内に廃熱ボイラ100 又は及び空気予熱器110 を配
置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一体型流動床ボイラに
係り、詳しくは、気水分離器および廃熱ボイラ又は空気
予熱器等の廃熱回収装置等をボイラ本体に組み込んで一
体型として構成し、ボイラ本体と気水分離器或いは廃熱
回収装置との連絡パイプやその支持架台を無くしてコン
パクトに構成しうると共に、設置面積や設置工数を著し
く減少しうる一体型流動床ボイラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流動床ボイラ等のボイラ本体は築
炉構造若しくは水冷壁構造にて構成されることが多い
が、気水分離器および廃熱ボイラ又は空気予熱器等の廃
熱回収部はボイラ本体と分離されて離れた位置に専用の
ダクト又は架台により支持されて取付けられていた。ま
た、燃焼排ガス集塵装置も該廃熱ボイラ、空気予熱器の
下流位置でボイラ本体と離れた別位置で排ガスダクトで
接続されて取付けられていた。このように従来の流動床
ボイラは気水分離器、廃熱回収装置および集塵器等の付
帯設備がボイラ本体と分離されて設置された分離型流動
床ボイラとして構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、機器接続用
の配管やダクトが必要となり、また、設置高さが高くな
ったり設置面積も多く必要になったりして、ボイラ装置
のコンパクト化を図るには支障となっていた。さらに各
機器および架台を個別に据え付ける必要があり工事期間
も長くかかっていた。
【0004】本発明は以上のような問題に鑑みてなされ
たものであり、ボイラ本体と気水分離器或いは廃熱回収
装置との間の必要以上の長さの連絡パイプおよびその支
持架台などを無くしてコンパクトに構成しうると共に、
設置面積や設置工数を著しく減少し得る一体型流動床ボ
イラを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の一体型流動床ボイラは、 (1)下段に空気室を有し、その上段に該空気室から燃
焼用空気を供給し被燃焼物を投入して流動燃焼させる燃
焼室を有し、該燃焼室の炉壁を水冷壁で構成した断面が
円形型の流動床ボイラであって、燃焼室の頂部に気水分
離器を配置し、該気水分離器と該水冷壁を構成する各々
の水冷管を連通させて接続すると共に該気水分離器を該
水冷壁によって支持し、燃焼室の外側周囲に燃焼室上部
の燃焼排ガス出口と連通する環状の燃焼排ガス通路を燃
焼室と同心状に形成し、該燃焼排ガス通路の下部には燃
焼排ガス排出口を形成し、該燃焼排ガス通路内に燃焼排
ガスの廃熱回収装置を配置し、該気水分離器および廃熱
回収装置をボイラ本体に一体に組み込んだ構成とした。
【0006】(2)上記(1)の構成において、該廃熱
回収装置は該気水分離器にヘッダを介して接続される多
数の伝熱管を該燃焼排ガス通路内に位置させて形成した
廃熱ボイラと、該廃熱ボイラの燃焼排ガス下流側に位置
され該燃焼排ガス通路に設けた環状の燃焼用空気通路に
多数の燃焼排ガス通過パイプを貫通させて取付けてなる
空気予熱器とで構成し、該燃焼用空気通路の予熱空気排
出口と該空気室との間を燃焼用空気送給管によって接続
し、該燃焼排ガス通路の外壁を第2の水冷壁で構成し、
該第2の水冷壁を構成する各々の水冷管と該気水分離器
とを連通させて接続した構成とした。
【0007】(3)上記(1)又は(2)の構成におい
て、該燃焼排ガス通路の下部の燃焼排ガス排出口に接続
させて燃焼排ガスの集塵装置をボイラ本体に一体に組み
込んだ構成とした。
【0008】(4)上記(2)又は(3)の構成におい
て、燃焼用空気送給管の途中に燃焼バーナを取付けた構
成とした。
【0009】
【作用】上記(1)の構成では、空気室から高温の燃焼
用空気が燃焼室に供給され、燃焼室ではこの燃焼用空気
によって流動媒体が流動化されて高温の燃焼流動床が形
成される。そしてこの高温流動床に被燃焼物としての廃
棄物(例えば、高含水の茶粕など)が投入されて流動燃
焼される。高温の燃焼排ガスは燃焼室上部の排ガス出口
から排出されて燃焼室の外側周囲に形成された環状の燃
焼排ガス通路に流入し、ここを流れる途中で廃熱回収装
置によって熱回収される。その後、排ガスは燃焼排ガス
通路の下部の排出口から機外へ排出される。ここで該廃
熱回収装置は例えばボイラ水を加熱してスチームを得る
廃熱ボイラとされたり、又は、燃焼用空気を予熱する空
気予熱器とされる。さらには、必要に応じて両者を組合
せたものとされる。
【0010】しかして、燃焼室の炉壁は横断面が円形状
に形成され、円周方向に適宜の間隔をおいて垂直方向に
並立されて多数配設された水冷管をフィンで接続されて
構成された水冷壁構造とされており、燃焼室および燃焼
排ガス通路の輻射熱が吸収されることにより燃焼室炉壁
や燃焼排ガス通路の内壁は所定の低温度に保たれる。こ
の水冷壁は強固な強度部材として形成される。そして、
該水冷壁は燃焼室の頂部において気水分離器を支持する
と共に、水冷壁を構成する各々の水冷管は該気水分離器
に連通されて接続されていることにより、気水分離器が
ボイラ本体に一体に組み込まれると共に水冷管のボイラ
水は気水分離器によって蒸気と飽和水に分離され、蒸気
は気水分離器から必要に応じて外部に取り出され使用さ
れる。
【0011】そして、気水分離器は燃焼室の頂部にボイ
ラ本体と一体に設けられるのでボイラがコンパクトに構
成される。また、燃焼室は円形断面とされると共に環状
の燃焼排ガス通路が同心状に該燃焼室の外側周囲に一体
に取付けられることにより全体的な平面形状が円形であ
ってコンパクトに構成されると共に、その燃焼排ガス通
路の内部に廃熱回収装置が設置され、さらに、水冷壁を
構成する各々の水冷管は燃焼室頂部で気水分離器に接続
されて気水分離器と水冷壁との間の接続配管も極小の長
さにされうることにより、従来構造のようにボイラ本体
と気水分離器との間の長い連絡パイプ、或いは、ボイラ
本体と廃熱回収装置との間の長い排ガスダクトおよびそ
れら機器、装置、パイプなどの支持架台などは必要でな
くなり、各機器が全体的に一体に構成されて、かつ、コ
ンパクトに構成される。そして、このため設置面積、設
置工数および工事期間が減少される。
【0012】上記(2)の構成では、廃熱回収装置が廃
熱ボイラとその排ガス下流位置に設けられる空気予熱器
から構成されて排ガスの保有熱がスチームの発生、及
び、燃焼用空気の予熱に利用されることにより有効に利
用され、熱効率がより向上したコンパクトな流動床ボイ
ラが得られる。また、燃焼排ガス通路外壁は第2の水冷
壁によって排ガスの保有熱が吸収されて所定の低温度に
保たれ強固な強度部材として形成される。該水冷壁の吸
収熱は同様にスチームの発生に利用される。
【0013】上記(3)の構成では、燃焼排ガス集塵装
置もボイラ本体に一体に取付けられるので一層コンパク
トな流動床ボイラとすることができる。
【0014】上記(4)の構成では、燃焼バーナを空気
ダクト等の空気通路に取付けることにより、該空気ダク
トを熱風発生炉として使用することができ、設置面積が
最少化される。
【0015】
【実施例】図はいずれも本発明の一体型流動床ボイラの
実施例を示すものであり、図1は一体型流動床ボイラの
全体構造を示す図2のA〜A線矢視縦断面図、図2はボ
イラの平面構造を示すものであり左半分は図1のD〜D
線矢視断面平面図、右半分は図1のE〜E線矢視断面平
面図、図3は図1のC線矢視断面平面図であり、空気分
散板の平面構造を示す図、図4は図1のB線矢視図であ
り燃焼室のガス出口の構造を示す図である。
【0016】図1に示すように、1は一体型流動床ボイ
ラであり、最下部に空気室10が位置し、空気室10の
上部に空気分散板20を介して燃焼室としての下部燃焼
室30が位置し、さらにその上部にガス分散板50を介
して燃焼室としての上部燃焼室60が位置されている。
また、該上部燃焼室60から下部燃焼室30にかけて、
その外側周囲には該上部燃焼室60を取り囲んで環状断
面の排ガス通路80が形成されている。これら空気室1
0、下部燃焼室30及び上部燃焼室60はいずれも横断
面が同一径の円形に形成されている。下部燃焼室30に
はフリーボードに臨んで高含水の茶粕などの廃棄物の被
燃焼物供給口31が開設されて設けられている。下部燃
焼室30の下部には燃焼流動床33が形成される。上部
燃焼室60の上部は図4に示すように水冷壁40の各水
冷管41の間のフィンが外されて燃焼室60と排ガス通
路80を連通するための排ガス流出口44が全周にわた
って形成されている。
【0017】空気室10、下部燃焼室30及び上部燃焼
室60の炉壁は水冷壁40(第1の水冷壁)で形成され
ており、水冷壁40は垂直方向に延びた多数の水冷管4
1が周方向に所定間隔を置いて隣り合う水冷管41をフ
ィン43(図4参照)によって連結されて一体に構成さ
れ強固な強度部材として形成されている。上部燃焼室6
0の頂部の中央部には縦型の気水分離器(スチームドラ
ム)70が水冷壁40を構成する各々の水冷管41の上
端に連結されて位置されボイラ本体1に一体的に組み込
まれている。該各々の水冷管41の上端と気水分離器7
0とは連通されている。なお、該気水分離器70には図
示していないが給水ポンプを介装したボイラ給水管や蒸
気取出管等の必要機器が取付けられている。水冷壁40
を構成する各々の水冷管41の下端はリング状ヘッダ4
2に連通した状態で連結されている。該ヘッダ42には
図示していないボイラ水循環ポンプによって該気水分離
器70から図示していない配管を介してボイラ水が供給
され、該供給された水は各々の水冷管41内を上昇し、
この間に放射熱を吸収した後、気水分離器70に戻され
る。該水冷壁40の内周面にはキャスタブル等の耐火・
耐磨耗材料32が内張りされている。
【0018】空気分散板20は多数の散気管(空気分散
管)21を垂直方向に有し、その内部には水冷管22が
該散気管21の間を縫って平行に折り返し状に配置され
て構成されている(図3参照)。上方のガス分散板50
も同様に多数の散気管51が垂直方向に設けられ、図示
していないが内部に水冷管52が該散気管51の間を縫
って平行に折り返し状に配置されて構成されている。上
記空気分散板20内部の水冷管22及びガス分散板50
内部の水冷管52にも図示していないボイラ水循環ポン
プによって該気水分離器70から配管を介してボイラ水
が供給され、水冷管22や水冷管52を通過した後、気
水分離器70に返される。
【0019】一方、該排ガス通路80の外壁も水冷壁9
0(第2の水冷壁としての外側の水冷壁)で形成されて
おり、水冷壁90は垂直方向に延びた多数の水冷管91
が周方向に所定間隔を置いて隣り合う水冷管91を前記
燃焼室30、60側の水冷壁40と同様にフィンによっ
て連結されて一体に構成されている。該各々の水冷管9
1の下端はリング状ヘッダ92に連通されて連結され、
上端は気水分離器70に連通されて連結されている。気
水分離器70はこの水冷壁90によってもボイラ本体1
に一体的に取付けられている。リング状ヘッダ92には
図示していないボイラ水循環ポンプによって該気水分離
器70から配管を介してボイラ水が供給され、該供給さ
れた水は各々の水冷管91を上昇し上面を放射状に配設
された各々の水冷管91の上端から加熱水(飽和水)が
気水分離器70に流入する。外側水冷壁90の内面や排
ガス通路80の内周面にもキャスタブル等の耐火・耐磨
耗材料32が内張りされている。
【0020】排ガス通路80の底部は平面で角度180 度
隔てた対象位置の両側が高く山状に尖らされて形成され
た底板81で閉塞されており、その高く山状に尖らされ
ている部分と平面で角度90度をなす位置の二箇所には
燃焼排ガス排出口82が外側水冷壁90を貫通して形成
されている。この二箇所の排ガス排出口82には、それ
ぞれ、燃焼排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置としての
バッグフィルタ120がその排ガス流入口を接続されて
取付けられている。バッグフィルタ120は本体を上下
方向に延在させボイラ本体1に近接させて沿わせた状態
で外側水冷壁90に支持されてボイラ本体1に一体に取
付けられている。121は円筒状の集塵用濾布、122
は清浄ガスの排出口、123は該濾布121で捕集され
た煤塵の排出用のロータリバルブである。
【0021】排ガス通路80の内部には上方位置の排ガ
ス流の上流側に廃熱ボイラ100が設置され、その下方
位置の排ガス流の下流側に空気予熱器110が設置され
ている。廃熱ボイラ100は、図2に示すようにヘッダ
102に基端が接続された複数(本実施例では5本)の
水管(伝熱管)101が該環状の排ガス通路80の内部
で図1に示すように上下方向に複数段(本実施例では4
段)になるように螺旋状に巻かれて形成されている。な
お、各々の伝熱管101の終端は図示していない別のヘ
ッダに連結されている。該ヘッダ102と該気水分離器
70との間は図示していない循環ポンプを介装したボイ
ラ給水配管で接続され、該別のヘッダと該気水分離器7
0との間は図示していない戻り配管で接続されている。
【0022】また、空気予熱器110は該燃焼排ガス通
路80内の該廃熱ボイラ100の下流位置で該排ガス通
路80を塞ぐようにして上下に間隔を置いて設けた仕切
板で区画されて形成された環状の燃焼用空気通路111
と、この燃焼用空気通路111を上下方向に貫通されて
環状の燃焼用空気通路111の周方向に間隔をおいて取
付けられた多数の燃焼排ガス通過パイプ112で構成さ
れている。燃焼排ガス通過パイプ112は上部開口と下
部開口を有し、上部開口から廃熱ボイラ100を通過し
た燃焼排ガスがパイプ112内に流入し下部開口からそ
の熱を燃焼用空気に与えた後の温度の低い燃焼排ガスが
排出される。
【0023】空気通路111には図2に示すように図示
していない空気ファンに接続された空気供給管115の
供給端部が接続されており、その180度隔てた反対位
置の予熱空気排出口116には燃焼用空気送給ダクト1
13が接続されて取付けられている。燃焼用空気送給ダ
クト113は図1に示すように正面形状をコ字状に形成
されて直線部をボイラ本体1に沿わせて設けられてお
り、その他端は空気室10に接続されている。燃焼用空
気送給ダクト113には燃焼バーナ114が火炎が空気
送給ダクト113の直線部の軸線方向である燃焼用空気
の流れ方向と同方向に並行して噴出されるように取付け
られている。即ち、燃焼バーナ114を取付けた空気送
給ダクト113は熱風発生炉として作用する。
【0024】以上のように構成された一体型流動床ボイ
ラ1の実施例の作動を説明する。燃焼用空気は空気ファ
ンにより空気供給管115を通して空気予熱器110の
環状の空気通路111に送られ、ここを流れる途中で燃
焼排ガス通過パイプ112を流れる高温の燃焼排ガスに
よって予熱された後、燃焼用空気送給ダクト113に流
入される。そして、この空気送給ダクト113に流入し
た時点で燃焼用バーナ114の作動によってさらに高温
にされて空気室10に供給される。
【0025】空気室10に供給された該高温の燃焼用空
気は空気分散板20の多数の散気管21を通って下部燃
焼室30に分散供給される。下部燃焼室30では燃焼用
空気によって砂等でなる流動媒体が流動化されて高温の
燃焼流動床33が形成される。流動床33は750〜8
00℃に保たれる。この高温流動床33に被燃焼物とし
て廃棄物である例えば水分70〜85wt%の高含水の茶粕が
例えば毎時0.3 〜1.0tonの割合で連続して被燃焼物供給
31から投入されて流動燃焼される。高含水の茶粕は高
温流動床との接触によりその水分が瞬時にして蒸発され
るとともに可燃物が燃焼されることにより焼却される。
【0026】流動燃焼によって生じた温度800〜90
0℃の高温の燃焼排ガスは下部燃焼室30のフリーボー
ドを上昇し上部に位置するガス分散板50の多数の散気
管51に流入して上部の開口から上部燃焼室60内に分
散供給され、この上部燃焼室60で滞留時間を十分に有
しせしめられて該燃焼排ガス中の未燃分が完全燃焼され
る。そして、燃焼排ガスは上部の排ガス流出口44から
排出されて環状の燃焼排ガス通路80に流入する。空気
室10、下部及び上部燃焼室30、60の炉壁はその水
冷壁40によって低温度に保たれ強固に保たれる。
【0027】燃焼排ガス通路80に流入した高温の燃焼
排ガス(温度は例えば800〜850℃)は環状空間を
下降して廃熱ボイラ100に流入し、気水分離器70か
ら循環ポンプによって多数の伝熱管101に供給される
ボイラ水に熱を与えて温度を降下され、廃熱ボイラ10
0を通過した時点で例えば350〜400℃になる。こ
の後、燃焼排ガスは下流の空気予熱器110に到り、こ
この多数の燃焼排ガス通過パイプ112に流入し、この
とき環状の燃焼用空気通路111を流れる燃焼用空気に
熱を与える。該排ガス通過パイプ112を通過した時点
で排ガス温度は約200℃まで降下される。その後、排
ガスは二箇所の燃焼排ガス排出口82から排出されて集
塵装置であるバッグフィルタ120へ流入し、排ガス中
のアッシュ等の煤塵がその濾布121で捕獲され、濾布
121を通過した排ガスは清浄ガスとなって排出口12
2から機外へ排出される。捕集された煤塵はロータリバ
ルブ123によって機外へ排出される。
【0028】排ガス通路80の底板81は平面で角度18
0 度隔てた対象位置の両側が高く山状に尖らされて形成
されており、その高く山状に尖らされている部分と平面
で角度90度をなす位置の二箇所に燃焼排ガス排出口8
2が形成されていることにより、排ガス中のアッシュ等
の煤塵が底板81上に堆積しようとしても燃焼排ガスの
流れとともに該底板81の斜面を滑って該燃焼排ガス排
出口82からバッグフィルタ120の中に燃焼排ガスと
ともに流入し易くなっており、該底板81上への煤塵の
堆積が極力防止される。排ガス通路80の外壁はその外
側水冷壁90によって低温度に保たれ強固に保たれる。
【0029】しかして、以上の実施例において、空気室
10、下部及び上部燃焼室30、60の炉壁および排ガ
ス通路80の外壁は横断面が円形状に形成され、円周方
向に適宜の間隔をおいて垂直方向に並立されて多数配設
された水冷管41、91をフィン43で接続されて構成
された水冷壁40、90構造とされているので、空気室
10、下部及び上部燃焼室30、60および燃焼排ガス
通路80の輻射熱が吸収されることにより空気室10や
燃焼室30、60の炉壁や燃焼排ガス通路80の内壁及
び外壁は所定の低温度に保たれる。この水冷壁40、9
0は強固な強度部材として形成される。そして、該水冷
壁40、90は燃焼室30、60の頂部において気水分
離器70を支持すると共に、水冷壁40、90を構成す
る各々の水冷管41、91は該気水分離器70に連通さ
れて接続されていることにより、気水分離器70がボイ
ラ本体1に一体に組み込まれると共に水冷管41、91
のボイラ水は廃熱ボイラ100を通過したボイラ水とと
もに気水分離器70によって蒸気と飽和水に分離され、
蒸気は気水分離器70から必要に応じて外部に取り出さ
れて使用される。
【0030】そして、気水分離器70は燃焼室30、6
0の頂部にボイラ本体1と一体に設けられているのでボ
イラがコンパクトに構成されている。また、空気室1
0、燃焼室30、60は円形断面とされると共に環状の
燃焼排ガス通路80が同心状に燃焼室30、60の外側
の周囲に一体に取付けられることにより全体的な平面形
状が円形であってコンパクトに構成されている。そし
て、その燃焼排ガス通路80の内部に廃熱回収装置とし
ての廃熱ボイラ100と空気予熱器110が設置されて
おり、また、集塵装置のバッグフィルタ120が該燃焼
排ガス通路80の排ガス排出口82に接続されてボイラ
機側に近接して取付けられており、さらに、空気予熱器
110で予熱された燃焼用空気の送給ダクト113はボ
イラ機側に近接して空気室10に連結されており、か
つ、燃焼バーナ114が取付けられて熱風発生炉を兼ね
ていることにより、ボイラ装置として全体がコンパクト
に構成されている。
【0031】そして、水冷壁40、90を構成する各々
の水冷管41、91は燃焼室30、60の頂部で気水分
離器70に接続されており気水分離器70と水冷壁4
0、90との間の接続配管も極小の長さにされているこ
とにより、従来構造のように、ボイラ本体と廃熱回収装
置、或いは、空気予熱器の間の長い排ガスダクト、或い
は、ボイラ本体の水冷壁と気水分離器との間の長い連絡
パイプ、或いは、空気予熱器と空気室に至る間の長い空
気ダクト、および、それら機器、装置、パイプなどの支
持架台などは必要でなくなり、各機器が全体的に一体に
構成されて、かつ、コンパクトに構成されている。そし
て、このため設置面積、設置工数および工事期間が減少
される。
【0032】以上の図1〜図2の実施例では、燃焼室と
して下部燃焼室30と上部燃焼室60とで構成した場合
を示したが、燃焼室としては下部燃焼室30の1室とす
ることもある。また、環状の排ガス通路80の外壁も水
冷壁90とした場合を示したが、必ずしもこれに限らず
通常の築炉構造とすることもできる。また、環状の排ガ
ス通路80の内部に廃熱回収装置として廃熱ボイラ10
0と空気予熱器110を設置したが、必要により廃熱ボ
イラ、又は、空気予熱器だけを設置することもある。即
ち、例えば、燃焼用空気として他箇所から予熱された空
気、或いは、高温の空気をダクトを介して空気室10に
直接に送給可能な場合等は、排ガス通路80内に空気予
熱器110を設ける必要はない。
【0033】また、集塵装置120は排ガス通路80の
排ガス排出口82に接続させてボイラに一体に接続した
場合を示したが、別途、ダクトを介して他の位置に取付
ける場合や、該排ガス排出口82と既設の集塵装置との
間をダクトによって接続し既設の集塵装置を流用する場
合もある。さらに、燃焼用空気送給ダクト113に燃焼
バーナ114を取付けて竪型熱風発生炉として使用した
場合を示したが、別設備の熱風が利用できるような場合
など、燃焼バーナ114は必要でない場合もある。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明は
次のような優れた効果を有する。
【0035】請求項1の構成の一体型流動床ボイラで
は、気水分離器を燃焼室の頂部にボイラ本体と一体に設
けたのでボイラをコンパクトに構成することができ、ま
た、燃焼室は円形断面にすると共に環状の燃焼排ガス通
路を同心状に該燃焼室の外側周囲に一体に取付けたので
全体的な平面形状が円形であってコンパクトに構成する
ことができる。そして、その燃焼排ガス通路の内部に廃
熱回収装置を設置したので廃熱回収装置の別位置での設
置スペースが必要でなくボイラ装置としてコンパクトに
構成でき、さらに、水冷壁を構成する各々の水冷管を燃
焼室の頂部で気水分離器に接続して気水分離器と水冷壁
との間の接続配管も極小の長さにすることができること
により、従来構造のようにボイラ本体と気水分離器との
間の長い連絡パイプ、或いは、ボイラ本体と廃熱回収装
置との間の長い排ガスダクトおよびそれら機器、装置、
パイプなどの支持架台などは必要でなくなり、各機器を
全体的に一体とし、かつ、コンパクトに構成することが
できる。そして、このため、ボイラ装置の設置面積、設
置工数および工事期間を減少化することができる。
【0036】請求項2の構成の一体型流動床ボイラで
は、廃熱回収装置を廃熱ボイラとその排ガス下流位置に
設けた空気予熱器とで構成したので、排ガスの保有熱を
スチームの発生、及び、燃焼用空気の予熱に有効に利用
することができ、熱効率をより向上させたコンパクトな
一体型流動床ボイラを得ることができる。また、燃焼排
ガス通路の外壁を第2の水冷壁によって構成したので、
排ガスの熱回収をより有効に行うことができると共に、
その分、前記廃熱ボイラの容量を小さくしてコンパクト
にすることできる。またこの第2の水冷壁で気水分離器
をより強固にボイラ本体に一体的に保持させることがで
きる。
【0037】請求項3の構成の一体型流動床ボイラで
は、燃焼排ガス用の集塵装置もボイラ本体に一体に取付
けられるので一層コンパクトな流動床ボイラを構成する
ことができる。
【0038】請求項4の構成の一体型流動床ボイラで
は、燃焼バーナを燃焼用空気送給管(ダクト)に取付け
たことにより、該空気ダクトを熱風発生炉として使用す
ることができるため、熱風発生炉を別途設置する必要が
なく設置面積が最少化することができ、高含水の被燃焼
物を焼却する場合には特に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一体型流動床ボイラの実施例の全体構
造を示すものであり、図2のA〜A線矢視縦断面図であ
る。
【図2】本発明の一体型流動床ボイラの実施例の平面構
造を示すものであり左半分は図1のD〜D線矢視断面平
面図、右半分は図1のE〜E線矢視断面平面図である。
【図3】図1のC線矢視断面平面図であり、空気分散板
の平面構造を示す図である。
【図4】図1のB線矢視図であり燃焼室のガス出口の構
造を示す図である。
【符号の説明】
1 一体型流動床ボイラ 10 空気室 20 空気分散板 30 下部燃焼室 33 燃焼流動床 40 水冷壁(第1の水冷壁) 41 水冷管 43 フィン 44 燃焼排ガス流出口 50 ガス分散板 60 上部燃焼室 70 気水分離器 80 燃焼排ガス通路 82 燃焼排ガス排出口 90 外側水冷壁(第2の水冷壁) 91 外側水冷管 100 廃熱ボイラ 102 ヘッダ 110 空気予熱器 111 燃焼用空気通路 112 燃焼排ガス通過パイプ 113 燃焼用空気送給ダクト 114 燃焼バーナ 116 予熱空気排出口 120 バッグフィルタ(集塵装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 康貴 山口県宇部市大字小串字沖の山1980番地 宇部興産株式会社宇部機械製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下段に空気室を有し、その上段に該空気
    室から燃焼用空気を供給すると共に被燃焼物を投入して
    流動燃焼させる燃焼室を有し、該燃焼室の炉壁を水冷壁
    で構成した断面が円形型の流動床ボイラであって、燃焼
    室の頂部に気水分離器を配置し、該気水分離器と該水冷
    壁を構成する各々の水冷管を連通させて接続すると共に
    該気水分離器を該水冷壁によって支持し、燃焼室の外側
    周囲に燃焼室上部の燃焼排ガス出口と連通する環状の燃
    焼排ガス通路を燃焼室と同心状に形成し、該燃焼排ガス
    通路の下部には燃焼排ガス排出口を形成し、該燃焼排ガ
    ス通路内に燃焼排ガスの廃熱回収装置を配置し、該気水
    分離器および廃熱回収装置をボイラ本体に一体に組み込
    んだことを特徴とする一体型流動床ボイラ。
  2. 【請求項2】 該廃熱回収装置は該気水分離器にヘッダ
    を介して接続される多数の伝熱管を該燃焼排ガス通路内
    に位置させて形成した廃熱ボイラと、該廃熱ボイラの燃
    焼排ガス下流側に位置され該燃焼排ガス通路に設けた環
    状の燃焼用空気通路に多数の燃焼排ガス通過パイプを貫
    通させて取付けてなる空気予熱器とで構成し、該燃焼用
    空気通路の予熱空気排出口と該空気室との間を燃焼用空
    気送給管によって接続し、該燃焼排ガス通路の外壁を第
    2の水冷壁で構成し、該第2の水冷壁を構成する各々の
    水冷管と該気水分離器とを連通させて接続したことを特
    徴とする請求項1の一体型流動床ボイラ。
  3. 【請求項3】 該燃焼排ガス通路の下部の燃焼排ガス排
    出口に接続させて燃焼排ガスの集塵装置をボイラ本体に
    一体に組み込んだことを特徴とする請求項1又は2の一
    体型流動床ボイラ。
  4. 【請求項4】 該燃焼用空気送給管の途中に燃焼バーナ
    を取付けたことを特徴とする請求項2又は3の一体型流
    動床ボイラ。
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