JP3140180B2 - ボイラ - Google Patents

ボイラ

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JP3140180B2
JP3140180B2 JP04170296A JP17029692A JP3140180B2 JP 3140180 B2 JP3140180 B2 JP 3140180B2 JP 04170296 A JP04170296 A JP 04170296A JP 17029692 A JP17029692 A JP 17029692A JP 3140180 B2 JP3140180 B2 JP 3140180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主にバガス、木屑、バー
ク等のバイオマス燃料や石炭等の固形燃料を燃焼させる
火格子を備えたボイラの燃焼室の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業界ではエネルギー供給源の多
様化と脱石油を図ると云う観点から、バイオマスや石炭
をボイラの燃料として活用することが積極的に進められ
ている。例えば、製糖工場では、砂糖きびから糖分を絞
り取った後のかす(バガスと呼ばれている)をボイラの
燃料として利用することにより、工場全体の動力を賄っ
ている。また、木屑やバーク、もみがら等のバイオマス
も、燃焼による廃棄処理と熱エネルギーの回収を兼ね
て、ボイラの燃料として広く利用されている。このよう
に、バイオマスや石炭等の固形燃料の使用は、産業界の
脱石油に拍車をかけ、エネルギー問題の解決に多大の貢
献をするものである。
【0003】尚、前記バイオマス燃料は揮発分が多く
固定炭素が少ないこと(固定炭素/揮発分=0. 2〜
0. 3)、灰分が少ないこと(1〜2%)、形状
(粒径)が不揃いなこと、硫黄分を含まず、大気を汚
染しないこと、水分を比較的多く含有すること30〜
60%)、嵩高いこと(見掛け比重150〜200k
g/m3 )、等の特徴を有している。又、その発熱量は
含有水分によって大きく異なり、概ね2000〜300
0kcal/kg程度であり、且つ燃焼特性は火床燃焼
をする瀝青炭に比べて着火性が良く、燃焼速度の早いこ
とが知られている。
【0004】ところで、前記バガスや石炭等の固形物を
燃料とするボイラは、一般に燃焼室の底部に移床式火格
子、固定式火格子、ダンピング式火格子の何れかを備え
ている。図9及び図10は燃焼室17の底部に移床式火
格子18を備えたボイラの燃焼室部分の一例を示すもの
であり、火格子18は燃焼室17の横幅Wとほぼ同一の
横幅寸法と、燃焼室17の奥行きLとほぼ同一の長さ寸
法を有している。また、火格子18の駆動方式には、燃
焼室17の奥部から前方部に向かって駆動される所謂逆
送方式が採用されており、燃焼室17の前部に於いて燃
焼が完結するように、その駆動速度が設定されている。
更に、燃焼に必要とする空気は、その70〜80%が一
次空気として、移床式火格子18の下部より燃焼室17
内へ供給され、残りが二次空気として、燃焼室17の前
壁と後壁の水管19の間に配設したノズル20から燃焼
室17内へ供給されている。尚、21は火格子用風箱、
22は二次空気用風箱、23は燃料供給口である。
【0005】前記図9及び図10のボイラに於いて、バ
ガスや石炭等を散布燃焼させた場合、粒子の大きな燃料
は火格子18上へ落下して火格子燃焼をし、また、粒子
の小さな燃料は燃焼室17内で所謂浮遊燃焼をする。而
して、従前のこの種のボイラでは、前述の如く火格子1
7の面積と燃焼室17の横断面積はほぼ同一となるよう
に設計されている。しかし、基本的には、前記火格子1
8の面積は火格子18上で燃える燃料量を基準にして、
また燃焼室17の面積や容積は浮遊燃焼をする燃料量を
基準にして夫々決定されるべきものであり、例えばバガ
ス燃料の場合には、全散布重量の30〜70%が火格子
18上へ到達することが判っているため、当該数値から
火格子18の必要面積を算出することが可能である。ま
た、前記燃焼室17の形状は、燃焼ガスの上昇速度より
決定される断面積との関係から、理想的な燃焼室形状が
選択されるべきものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年砂糖黍等の
絞り加工技術が進歩し、その結果、絞り滓であるバガス
は荒い粒子よりも細かい粒子を多く含むに傾向にある。
従って、これ等のバガスを燃料とするボイラに於いては
火格子燃焼よりも浮遊燃焼をするバガス量が多くなって
きている。換言すれば、前述の火格子面積や燃焼室容積
及び燃焼室断面積の設計に於いて、火格子面積を小さく
すると共に燃焼室特にその横断面積を大きくし、更に燃
焼室内での浮遊燃焼を促進させる二次空気の供給方法に
工夫を加えることが必要とされている。
【0007】また、最近のボイラ設備に於いては、ボイ
ラ設備の経済性や操業性を高めるとと共に保守の容易化
を図るため、ボイラ単機の出力は増大の一途を辿ってい
る。例えば、二胴水管型の自然循環式中低圧ボイラにお
いては、蒸発量の増大に伴って燃焼室の横幅Wを拡大
し、これによって必要な燃焼室容積を確保することが、
一般的な設計方法として確立されてきている。この方法
によれば、付属する蒸気ドラム内の蒸気室容積並びに熱
吸収のための伝熱面積も燃焼室の横幅Wに比例して増大
し、全体としてバランスのとれたボイラ設計条件を与え
ることになる。これに対して、燃焼室の奥行寸法Lは、
主として燃料散布時の到達距離により決定されるので、
燃焼室の横幅寸法Wを決定する場合程の自由度はなく、
燃料の種類にもよるが、ボイラ出力に応じて6〜7メー
トルの寸法が通常採用されている。尚、図11乃至図1
3は、従前の小容量から大容量に至る各種ボイラの燃焼
室の横断面の概略形状を示すものであり、矢印は二次空
気の供給孔を示すものである。
【0008】一方、前記浮遊燃焼を促進させる上で最も
重要な二次空気の供給は、図11乃至図13に示す如く
燃焼室17の前・後壁や側壁に設けられた二次空気ノズ
ルを通じて行われている。しかし、燃焼室の横断面、と
りわけ横幅寸法Wが蒸発量の増大に伴って拡大されてい
ると、図13の点線の範囲で示す如く、燃焼室の中央部
分において充分な二次空気の供給が行われない領域が生
ずると云う問題がある。また、従来の設計に於いては、
燃焼室の横幅寸法Wと火格子の横幅とが概ね同一の寸法
となるように設計されているので、ボイラ出力の増大に
伴って火格子の横幅も拡大することになり、その結果、
火格子の製造上の限界によってボイラ出力の上限が制限
されると云う難点がある。
【0009】而して、一般の移床式火格子に於いては、
駆動部分の経済的な面からの製作上の制約により、火格
子一基当たりの横幅寸法は経済的設計範囲では約6メー
トルとされている。従って、これを上廻る横幅寸法Wの
燃焼室を備えたボイラにあっては、図14及び図15に
示す如く、火格子駆動軸を左右に分割して機械的に独立
せしめた機構とし、左右の軸端に設置された減速機25
a,25bを介して駆動機24a,24bにより両火格
子18a,18bを駆動する方式が実用化されている。
しかし、前記図14及び図15の方式は、独立した二台
の火格子18a,18bを単に左右に並べて設置しただ
けのものであり、設備費が高くつくだけでなく、火格子
の運転や保守にも手数がかかると云う難点がある。尚、
火格子の長手方向の寸法は、製作上の制約が横幅方向の
寸法に比較して相当緩やかであり、鎖車間の長さ寸法L
1 が8メートルに及ぶ長尺のものが実用化されている。
【0010】上述の如く、ボイラの大容量化が進行して
燃焼室の横幅Wが13メートルにも達すると、火格子を
夫々独立せしめた駆動軸により左右から駆動させる方式
を採用したとしても、機械構造上に不都合な箇所が多く
発生して、火格子の製作が著しく困難になる。また、万
一火格子の駆動が可能であるとしても、火格子の設備費
が著しく高騰すると共に、運転や保守管理に手数を要す
るという問題がある。本発明は、バガスや石炭を燃料と
する火格子を備えたボイラに於ける上述の如き問題を解
決するために創作されたものであり、二次空気の供給方
法と火格子の移動方向に改良を加えることによって、従
来不可能とされていた蒸気発生量が300トン毎時を超
える大容量の火格子式ボイラの実現を可能とした、ボイ
ラ燃焼室の構造を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明に於いては、バガスや木屑、バーク
等のバイオマス燃料や石炭等の固形燃料を燃焼させる火
格子を備えたボイラに於いて、水冷壁により形成をした
横断面がほぼ長方形のボイラ燃焼室と、ボイラ燃焼室の
中央部に位置して長辺側の水冷壁と平面視に於いて垂直
状に配設され、前記ボイラ燃焼室を燃焼ガスの流通が可
能な状態で二つの区域に分割する間隔を置いて配列した
水管列からなる中間仕切壁と、前記中間仕切壁の下端と
ボイラ燃焼室の底面との間に側面視において傾斜角αを
もってハ状に配設され、ボイラ燃焼室の中央部の下方に
三角状の空間部を形成する傾斜水冷壁と、前記分割され
たボイラ燃焼室の各部の底面にそれぞれ配設され、前記
傾斜水冷壁側からボイラ燃焼室の短辺側の水冷壁へ向か
って移動する移床式火格子と、前記ボイラ燃焼室の短辺
側の水冷壁にそれぞれ設けられ、ボイラ燃焼室内へ固形
燃料を投入する燃料投入口と、前記傾斜水冷壁にそれぞ
れ設けられ、ボイラ燃焼室内へ二次燃焼空気を供給する
空気吹込みノズルと、から構成したことを発明の基本構
成とする発明の基本構成とするものである。
【0012】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
に於いて、燃料投入口の近傍に燃料投入用の二次空気投
入口を設け、空気流により投入した固形燃料を散布する
構成としたものである。 更に、請求項3の発明は、請求
項1の発明に於いて、中間仕切壁を、前後及び左右に水
管外径の1.5倍以上の間隔を置いて2列状に配列した
複数の水管と、各水管相互の間を連結する連結金具と、
から構成するようにしたものである。 加えて、請求項4
の発明は、請求項1の発明に於いて、傾斜角αを50〜
80°とするようにしたものである。即ち、より具体的
には、ボイラ燃焼室の中央に、その下方部を燃焼室の前
壁方向へ傾斜せしめた仕切壁を設置することにより燃焼
室を左右に分割すると共に、左右夫々の燃焼室の下部に
移床式火格子を設ける。前記仕切壁は、横方向の強度を
与えるために約3000mmの間隔で隣合う裸管の水管
同士を金物で結び、燃焼ガスの通過を妨げることなしに
燃焼室内の輻射熱を吸収するために設置される伝熱管で
あり、内部はボイラ缶水が循環する。また仕切壁の下部
においては、左右に傾斜する水管から成る壁面を構成
し、水管ピッチ間に配列された二次空気ノズルより、炉
内へ向けて二次空気を供給する。更に左右の各燃焼室の
下方に設けられた火格子は、左右それぞれの燃焼室の前
壁側へ向かって別個の駆動機により駆動され、各燃焼室
の前壁側に於いて火格子上の燃料の燃焼が完結される。
【0013】
【作用】燃料は、左右の燃焼室の前壁の上部より燃焼室
中央の仕切壁の方向へ向かって散布される。粒子の比較
的細かい燃料成分は、燃焼室内が高温状態にあるため含
有水分が即座に蒸発され、中央部仕切壁或いは燃料供給
口付近に配備された二次空気ノズルよりの二次空気の供
給を受け、浮遊状態で着火、燃焼を完結する。一方、比
較的粒子径の大きな燃料成分は、散布途上で炉内燃焼ガ
スにより、含有水分の一部が蒸発される。しかし、質量
が大きいため、燃焼ガスの上昇速度によっても浮遊状態
には到らず、火格子面上へ落下する。火格子面上へ落下
した粒子は、燃焼室よりの輻射熱を受けて更に水分の蒸
発が進行し、着火温度に達すると、火格子下部よりの一
次空気の供給を受けて燃焼を開始する。尚、各火格子の
移床速度は、火格子の終端部において火格子面上に堆積
した全ての燃料の燃焼が完了するように調節される。上
記の如く、燃料の粒子の大きさに応じて、浮遊燃焼と火
床燃焼の両燃焼が一つの燃焼室内に於いて同時に行われ
るが、本発明の燃焼室では、中央の仕切壁下部の傾斜面
に設置された二次空気ノズルから、二次空気が燃焼室の
横幅方向及び奥行き方向に対して均等に供給されるた
め、燃焼室内での浮遊燃焼が著しく促進される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1及び図2は本発明の実施例に係る燃焼
室構造を採用した水管ボイラの概略縦断正面図及び縦断
側面図であり、また、図3は図2のイーイ視断面図であ
る。図に於いて1は炉壁、2は横断面がほぼ長方形状の
燃焼室、2aは各燃焼室の前壁、3はボイラ本体、4
a,4bは移床式火格子、5は火格子用風箱、6a,6
bは燃料投入口、7は空気予熱器、8は一次押込通風
機、9は二次押込通風機、10は二次空気用風箱、11
は空気吹込みノズル、12は燃焼室側壁水管、13は
焼室の長辺側の水冷壁と平面視に於いて垂直状に設けら
れた仕切壁、14a,14bは燃料散布用二次空気供給
孔、16a,16bは駆動機である。尚、この水管ボイ
ラの燃料にはバガスが使用されている。
【0015】前記炉壁1はフィン付水管若しくは裸水管
式の水冷壁となっており、その内壁面には多数の水管1
2が縦方向に一定のピッチで配列されている。また、前
記燃焼室2は移床式火格子4の上方空間を炉壁1ないし
後述する仕切壁13で囲むことによって形成されてお
り、ここで燃料が浮遊燃焼をする。
【0016】前記燃焼室2の中央部には、図4に示す如
き構造の裸水管を相互に結び合わせた仕切壁13が配置
されている。即ち、図4において13は燃焼室仕切壁、
13aは水管、13bは水管同士を連結する金物であ
り、図4からも明らかなように、当該仕切壁13は水管
径の約1. 5倍のピッチでもって配列されており、従っ
て燃焼ガスの通過を妨げることは一切無い。
【0017】当該燃焼室仕切壁13の下方部は図2に示
す如く、左右の燃焼室前壁2a,2a側へ向かって側面
視に於いてハ状に傾斜されており、且つこの傾斜水冷壁
の傾斜角度αは、散布される燃料の安息角以上の角度に
設定されている。即ち、当該傾斜角度αは、傾斜水冷壁
上へ落下した燃料が壁面に沿って下方へ滑り落ちるよ
うな角度に設定されており、具体的には、水平面に対し
て50°〜80°の角度αに設定されている。また、前
記ハ状に設けられた傾斜水冷壁面の下部の三角状の空間
部には二次空気用風箱10が配設されており、当該風箱
10からノズル11へ二次空気が供給されている。
【0018】前記ノズル11は、仕切壁13の傾斜部分
の水管13aの間に、一定の間隔毎に図5に示す如き状
態で配設されており、二次空気用風箱10へ直結されて
いる。即ち、当該ノズル11は、二次空気を噴出するこ
とにより、仕切壁13の傾斜部分へ落下した質量の大き
な燃料粒子や灰分を移床式火格子4a,4b上へ均等に
散布すると共に、燃焼室2内の浮遊燃料粒子及び揮発分
に二次空気を与えて、浮遊燃焼を促進させるものであ
る。
【0019】図1及び図2に参照して、燃焼に必要な空
気は、押し込み通風機8から空気予熱器7及び風道15
を経て、夫々火格子用風箱5及び前記ハ状の傾斜水冷壁
により形成された三角形の空間部に設けた二次空気用風
箱10へ供給される。即ち、燃焼用空気の一部は、火格
子用風箱5から移床式火格子4a,4bへ供給されて一
次空気として使用され、残りは二次押し込み通風機9に
て更に昇圧され、二次空気用風箱10へ供給された後、
ノズル11から燃焼室2内へ噴出され、二次空気として
使用される。燃料投入口6a,6bから供給された燃料
(バガス)は、燃料投入口6の近傍に配設した二次空気
用ノズル14a,14bにより燃焼室2内に吹き飛ばさ
れ、一部は移床式格子4a,4b上に散布される。そし
て、ここで、火格子用風箱5から移床火格子4a,4b
へ供給される一次空気によって火格子燃焼をし、灰とな
って移床火格子4a,4b上から落下排出される。又、
残りの燃料は、ノズル11から燃焼室2内へ噴出される
二次空気により、燃焼室2内で浮遊燃焼をする。このと
き、燃焼室2内に散布された燃料のうち、一部は仕切壁
13の傾斜面部分へ落下して傾斜面上を滑降し、移床火
格子4a,4b上に不均一に堆積しようとするが、ノズ
ル11から燃焼室2内へ噴出される二次空気によって吹
き飛ばされ、粒子の大きなものは移床火格子4a,4b
上に均等に再散布される。また、粒子の細かいものは、
再浮遊することになる。
【0020】燃焼室中間の仕切壁13の下方の傾斜水冷
壁に設けたノズル11から噴出する二次空気は、図6に
示す如く、その噴出位置が燃焼室2の中央部付近、即ち
全燃焼室横断面積の約1/2をカバー出来る位置にある
ため、燃焼室2の中央部まで、均一に二次空気が供給さ
れ燃料供給部の二次空気供給と相俟って、燃焼室2内の
浮遊燃料粒子及び揮発分と十分に接触することになる。
その結果、浮遊燃焼が一層促進され、浮遊燃焼粒子及び
揮発分が完全に燃焼されることにより、排ガス成分中の
煤塵量が減少すると共に、未燃COの発生を抑制するこ
とができる。
【0021】また、本発明では、前記中間仕切壁13の
下部側を傾斜させて燃焼室2下部の横断面積を小さく
し、移床火格子4a,4bの面積を減少させている。そ
の結果、移床火格子4a,4b上の燃料層や灰層の厚み
が増大し、吹き抜け現象も防止されることになる。これ
によって、燃焼効率が向上すると共に、燃焼室2からの
輻射熱から移床火格子4a,4bが保護され、移床火格
子4a,4bの焼損を防止することができる。また、移
床火格子4a,4bの面積を減少させている為、一次空
気による移床火格子4a,4bの冷却効果も高められ、
移床火格子4a,4bの焼損をより一層効果的に防止す
ることができる。
【0022】更に、本発明では図6に示す如く、両火格
子4a,4bは、中央の仕切壁13側から両燃焼室の前
壁側へ向かって燃焼物を移動させる方向に駆動されてい
る。即ち、従来の図15に示すようなボイラに於いて
は、左又は右の燃焼室に設置される一台の火格子の火床
幅は燃焼室の横幅Wに支配されていた。しかし、本発明
では図7に示す如く火格子の火床幅を燃焼室2の寸法L
とほぼ同一の寸法とする事が出来、しかも、仕切壁13
に設けたノズル11による浮遊燃焼促進のための二次空
気供給機能を採用することにより、火格子長さを従来よ
りも大幅に短縮することが可能となる。
【0023】又、燃焼室2の奥行き寸法Lが大きくて火
格子4a,4bの設計上不都合が生じる場合には、図8
に示す如く火格子4a,4bを左・右に分割して4a
1,4a2,4b1,4b2とし、個別の駆動機16a
1,16a2,16b1,16b2で駆動する事によ
り、更に大容量のボイラ用火格子とする事が可能とな
り、従来製作上の制限により不可能とされていた火格子
を備えた大容量ボイラの製作が可能となる。即ち、火格
子燃焼の安全性と浮遊燃焼の合理性の両者を兼ね備えた
特徴ある大容量ボイラの製作が可能となる。
【発明の効果】上述の通り、本発明に係るボイラ燃焼室
の構造は、燃焼室の中間部に仕切壁による輻射伝熱面を
配置する構成としているため、燃焼室内での火炎による
輻射伝熱量を増加させることができる。また、仕切壁の
構成要素である水冷壁の下部側を、燃焼室下部に位置す
る火床側へ傾斜させることにより、燃焼室の横断面積を
順次小さくすると共に、仕切壁の傾斜部分の水管の間に
燃焼室へ二次空気を噴出するノズル群を配設する構成と
しているため、火格子の面積を減少できると共に、炉壁
の傾斜部分に落下する燃料粒子や灰分を火格子上へ均一
に散布することができる。その結果、火格子上の燃料層
や灰層の厚みが増大して吹き抜け現象が防止され、これ
によって燃焼効率が向上すると共に、燃焼室からの輻射
熱から火格子が保護され、火格子の焼損も防止される。
然も、火格子の面積を減少できる為、一次空気による火
格子の冷却効果も高められ、移床火格子の焼損をより一
層防止することができる。更に、中間仕切壁下部の二次
空気噴出孔は、燃焼室中央部の近傍に設けられ手おり、
燃焼室横断面積の約1/2の範囲が二次空気によって完
全にカバーされるため、浮遊燃焼が著しく促進されて燃
焼室内の浮遊燃料粒子及び揮発分の完全燃焼が可能とな
る。その結果、排ガスの成分中の煤塵量が減少し、CO
の発生を抑制することができる。加えて、本発明では両
火格子の移床方向を中央の仕切壁側から両燃焼室の前壁
側へ向かう方向としているため、駆動軸を燃焼室の奥行
きLとほぼ同一の長さとする事が出来、機械的強度と経
済的な範囲で選定することが可能になると共に、従来不
可能とされていた蒸発量毎時300トン以上のストーカ
焚ボイラの実現が可能となる。上述の如く、本件発明は
火格子を装備するボイラの安全性や使い易さ、浮遊燃焼
の合理性等を兼ね備えた大容量ボイラの実現を可能とす
るものであり、優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボイラ燃焼室を備えたボイラ設備
の縦断面概要図である。
【図2】図1のイーイ視断面概要図である。
【図3】図2のイーイ視断面概要図である。
【図4】中間仕切壁の一部を示す斜面図である。
【図5】ノズル11の取付状態を示す説明図である。
【図6】ノズル11からの二次燃焼用空気の噴射状態を
示す説明図である。
【図7】火格子の横幅寸法と燃焼室の寸法Lとの関係を
示す説明図である。
【図8】火格子の横幅寸法と燃焼室の寸法Lとの関係を
示す他の例の説明図である。
【図9】従前の火格子を備えた且つバイオマス燃料を用
いるボイラ燃焼室の概略説明図である。
【図10】図9のB−B視断面概要図である。
【図11】従前の少容量ボイラの燃焼室の平面形状を示
すものである。
【図12】従前の中容量ボイラの燃焼室の平面形状を示
すものである。
【図13】従前の大容量ボイラの燃焼室の平面形状を示
すものである。
【図14】従前の複数の火格子を並置した大容量のボイ
ラの燃焼室の縦断面概要図である。
【図15】図14のB−B視断面概要図である。
【符号の説明】
1は炉壁、2は燃焼室、2aは各燃焼室の前壁、3はボ
イラ本体、4a,4bは移床式火格子、5は火格子用風
箱、6a,6bは燃料投入口、7は空気予熱器、8は一
次押込通風機、9は二次押込通風機、10は二次空気用
風箱、11は空気吹込みノズル、12は燃焼室側壁水
管、13は燃焼室仕切壁、14は燃料散布用二次空気供
給孔、15は風道、16は火格子駆動機、17は減速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F22B 21/04 F23B 1/22 F23G 5/00 110 F23G 7/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バガスや木屑、バーク等のバイオマス燃
    料や石炭等の固形燃料を燃焼させる火格子を備えたボイ
    ラに於いて、水冷壁により形成をした横断面がほぼ長方
    形のボイラ燃焼室と、ボイラ燃焼室の中央部に位置して
    長辺側の水冷壁と平面視に於いて垂直状に配設され、前
    記ボイラ燃焼室を燃焼ガスの流通が可能な状態で二つの
    区域に分割する間隔を置いて配列した水管列からなる中
    間仕切壁と、前記中間仕切壁の下端とボイラ燃焼室の底
    面との間に側面視において傾斜角αをもってハ状に配設
    され、ボイラ燃焼室の中央部の下方に三角状の空間部を
    形成する傾斜水冷壁と、前記分割されたボイラ燃焼室の
    各部の底面にそれぞれ配設され、前記傾斜水冷壁側から
    ボイラ燃焼室の短辺側の水冷壁へ向かって移動する移床
    式火格子と、前記ボイラ燃焼室の短辺側の水冷壁にそれ
    ぞれ設けられ、ボイラ燃焼室内へ固形燃料を投入する燃
    料投入口と、前記傾斜水冷壁にそれぞれ設けられ、ボイ
    ラ燃焼室内へ二次燃焼空気を供給する空気吹込みノズル
    と、から構成したことを特徴とするボイラ
  2. 【請求項2】 燃料投入口の近傍に燃料投入用の二次空
    気投入口を設け、空気流により投入した固形燃料を散布
    する構成とした請求項1に記載のボイラ
  3. 【請求項3】 中間仕切壁を、前後及び左右に水管外径
    の1.5倍以上の間隔を置いて2列状に配列した複数の
    水管と、各水管相互の間を連結する連結金具と、から構
    成するようにした請求項1に記載のボイラ
  4. 【請求項4】 傾斜角αを50−80°とするようにし
    た請求項1に記載のボイラ
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