JPH0525582B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、移動鋳型式連続鋳造機の注湯装置に
関するものである。

［従来の技術］ 第５図は移動鋳型式連続鋳造機の一例を示すも
ので、複数のブロツク鋳型１を連ねて上下に設け
た１組の移動鋳型２，２′により連続した鋳型空
間を形成し、上記移動鋳型２，２′を駆動ホイー
ル３，３′により矢印４，４′方向に移動させなら
が、前記鋳型空間の一側にタンデイツシユ５に一
体に設けられたタンデイツシユノズル６を介して
溶湯を注ぎ、他側から鋳片７を引き抜いて連続的
に鋳造を行うようにしている。

［発明が解決しようとする課題］ 上記したようなブロツク鋳型式連続鋳造機にお
いては、溶湯の漏出を防止するために、ブロツク
鋳型１による鋳型空間と前記タンデイツシユノズ
ル６との間の〓間を小さく且つ正確に保持する必
要がある。

このためのノズル調芯として第６図〜第８図に
示す通り、タンデイツシユ５を保持する架台４８
下に取付けたジヤツキ４４によりハンドル４５の
操作でノズルの昇降及びノズル芯に対し前下が
り、前上りの調整ができ、又ノズルの水平方向移
動は、第８図の押し込みボルト４６、引き込みボ
ルト４７を操作してタンデイツシユ５が載つてい
る架台４８下のジヤツキ用架台４９を動かすこと
により容易に行うことができ、更に又、第９図に
示すようなカーフレーム５０にピン５１で支持さ
れた特殊ボルト５２のナツト５３を調整すること
によりノズルの旋回（幅方向傾動）調芯が可能な
ものが実施されている。

しかし、ブロツク鋳型１のガタつきに対して
は、前記ハンドル４５を手動で操作しながらノズ
ル位置の調整をせねばならず、これはほとんど不
可能であり、結局は前記〓間を守ることができ
ず、タンデイツシユノズル６がブロツク鋳型１に
強く接触して偏摩耗したり、或いはタンデイツシ
ユノズル６が破損する等の危険を有していた。

本発明は、上記従来の問題点に着目してなした
もので、タンデイツシユノズルとブロツク鋳型の
〓間を常に良好な状態に保持し、且つタンデイツ
シユノズル及び移動鋳型の安全性を図ることを目
的としている。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記技術的課題を解決しようとした
もので、タンデイツシユの溶湯流出口に対し傾動
自在に配置され且つ先端部が互いに対峙し合う上
下のブロツク鋳型によつて形成される鋳型空間内
に挿入されるタンデイツシユノズルと、該タンデ
イツシユノズルを傾動せしめる液圧シリンダと、
前記上下のブロツク鋳型が互いに対峙し合う直前
におけるブロツク鋳型の鋳型空間入端位置に配置
され通過する上下のブロツク鋳型表面に対する距
離を検出する位置検出器と、該位置検出器からの
検出信号に基づき前記タンデイツシユノズル先端
部の上下のブロツク鋳型に対する偏りを求め前記
液圧シリンダに対する駆動信号を出力する制御装
置とを備えてなることを特徴とするものである。

［作用］ 従つて、鋳造時、位置検出器にて、鋳型空間入
端位置を通過する上下のブロツク鋳型表面に対す
る距離が夫々検出され、該検出された各距離に基
づいてタンデイツシユノズル先端部の上下のブロ
ツク鋳型に対する偏りが制御装置により求められ
ると共に液圧シリンダに対して駆動信号が発せら
れ、該液圧シリンダが所要量伸縮してタンデイツ
シユノズルを傾動せしめ、該タンデイツシユノズ
ル先端部と上下のブロツク鋳型表面との〓間が均
等に保持される。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。

第１図乃至第４図は本発明の一実施例であり、
タンデイツシユ受部８と冷却水流路９を有する水
冷ジヤケツト１０とから成るタンデイツシユフレ
ーム１１に、短い溶湯流出口１２を有するタンデ
イツシユ１３を載置し、前記タンデイツシユカー
フレーム１１に、前記溶湯流出口１２に一致させ
て中間部材１４をボルト等の固定具１５を介して
固定する。前記中間部材１４は、前記溶湯流出口
１２の注湯孔１６と一致して連通する注湯孔１７
を中心に有する耐火材で構成され、且つ反溶湯流
出口１２側の端面に凹球面１９が形成してある。

又、前記注湯孔１７と一致して連通する注湯孔
１８を中心に有する耐火材外周を鉄皮２０で包ん
でタンデイツシユノズル２１を構成すると共に、
該タンデイツシユノズル２１基端面に、前記凹球
面１９と合致する凸球面２２を形成し、更に、タ
ンデイツシユノズル２１の基端部上下面に、挿通
孔２３が穿設された支持ブラケツト２４を固着す
る。該支持ブラケツト２４の挿通孔２３に、一端
が前記タンデイツシユカーフレーム１１に対し水
平方向に延びるピン４０にて枢着されたガイドロ
ツド２５を摺動自在嵌挿し、該ガイドロツド２５
の他端部に、前記支持ブラケツト２４をタンデイ
ツシユカーフレーム１１側に付勢する圧縮ばね等
のばね系部材２６を設け、前記タンデイツシユノ
ズル２１を中間部材１４に対し押し付けるように
配置すると共に、前記タンデイツシユノズル２１
下面に、基端部が前記タンデイツシユカーフレー
ム１１に対し前記ピン４０と平行なピン４１にて
枢着された液圧シリンダ２７のロツド２８先端を
前記ピン４１と平行なピン４２にて枢着せしめ、
該液圧シリンダ２７の伸縮にてタンデイツシユノ
ズル２１を傾動可能となるよう構成する。

一方、ブロツク鋳型１の鋳型空間入端位置、即
ち駆動ホイール３，３′外周に沿つて移動してき
たブロツク鋳型１，１が互いに対峙し合う直前位
置に、通過するブロツク鋳型１表面に対する距離
Ｌ，L′を測定するために渦電流式位置センサ等の
位置検出器２９，２９′を、取付台３０，３０に
掛け渡す如く設けられブロツク鋳型１幅方向に延
びるブラケツト３１，３１′中央部に位置させて
固定配置する。

前記位置検出器２９，２９′の出力は夫々、第
３図に示す如く、制御装置３２へ入力するように
してあり、該制御装置３２による演算結果は、前
記液圧シリンダ２７駆動用のサーボ弁へ出力する
ようにしてある。

前記制御装置３２は、Ａ／Ｄ変換器３３，３
３′と、演算器３４，３４′と、比較器３５と、
Ｄ／Ａ変換器３６とから構成され、前記演算器３
４は、ブロツク鋳型１移動速度に基づき、ブロツ
ク鋳型１の先端角部Ｘが位置検出器２９を通過し
その距離l₁が検出されてから時間t₁経過後に検出
される距離l₂を、ブロツク鋳型１の中間点Ｙに於
ける距離としてピツクアツプし（第４図参照）、
該距離l₂に対応するタンデイツシユノズル２１先
端部とブロツク鋳型１との〓間Δcを、試運転時
に得られたデータを基に演算し、同様に、前記演
算器３４′は、ブロツク鋳型１移動速度に基づき、
ブロツク鋳型１の先端角部Ｘが位置検出器２９′
を通過しその距離l₁′が検出されてから時間t₁経過
後に検出される距離l₂′を、ブロツク鋳型１中間点
Ｙに於ける距離としてピツクアツプし、該距離
l₂′に対応するタンデイツシユノズル２１先端部と
ブロツク鋳型１との〓間Δc′を、試運転時に得ら
れたデータを基に演算するようになつており、前
記〓間Δc，Δc′の値を夫々、前記ブロツク鋳型１
がタンデイツシユノズル２１先端部へ到達する時
間経過後に比較器３５へ出力しその差に応じて前
記サーボ弁３７へ駆動信号を送信し、前記液圧シ
リンダを伸縮させるようにしてある。

尚、第３図中、３８はタンク、３９はポンプを
示している。

次に、該実施例の作動を説明する。

先ず、溶湯を用いない試運転時に於いて、ブロ
ツク鋳型１の中間点Ｙに於ける距離l₂，l₂′に対応
するタンデイツシユノズル２１先端部とブロツク
鋳型１との〓間Δc，Δc′を実際に計測しておき、
そのデータを予め制御装置３２の演算器３４，３
４′に夫々インプツトしておく。

実際の運転時には、ブロツク鋳型１の鋳型空間
入端位置に配設された位置検出器２９，２９′に
よつて、通過するブロツク鋳型１表面に対する距
離Ｌ，L′がＡ／Ｄ変換器３３，３３′を介してア
ナログ・デジタル変換され、演算器３４，３４′
へ入力される。該演算器３４，３４′に於いて、
ブロツク鋳型１の移動速度からブロツク鋳型１の
中間点Ｙに於ける距離l₂，l₂′がピツクアツプさ
れ、該距離l₂，l₂′に対応するタンデイツシユノズ
ル２１先端部とブロツク鋳型１との〓間Δc，
Δc′が夫々前記試運転時のデータに基づいて演算
され、該〓間Δc，Δc′の値が夫々、前記ブロツク
鋳型１がタンデイツシユノズル２１先端部へ到達
する時間経過後に比較器３５へ入力され、該比較
器３５に於いて〓間Δc，Δc′の差、即ちタンデイ
ツシユノズル２１先端部の上下のブロツク鋳型１
に対する偏りが求められ、その値がＤ／Ａ変換器
３６を介してデジタル・アナログ変換された後、
サーボ弁３７に対し駆動信号として出力される。

これにより、サーボ弁３７が作動して液圧シリ
ンダ２７が所要量だけ伸長或は収縮し、タンデイ
ツシユノズル２１が凹球面１９及び凸球面２２部
分を中心として傾動し、タンデイツシユノズル２
１先端部のブロツク鋳型１に対する〓間が上下に
於いてほぼ均等に保たれ、タンデイツシユノズル
２１先端部が、ブロツク鋳型１に強く接触して偏
摩耗したり、或いは破損したりすることを防止で
きる。

しかも、前記タンデイツシユノズル２１は、ば
ね系部材２６にて中間部材１４に対し押し付けら
れているため、液圧シリンダ２７の伸縮によつて
タンデイツシユノズル２１が傾動しても、その接
続部分から溶湯が漏れる心配はなく、又、例えば
タンデイツシユ１３の溶湯流出口１２の中心線が
タンデイツシユノズル２１の中心線に対して傾斜
するような変形が生じても、前記凹凸球面１９，
２２の作用により、〓間の発生を防止して溶湯が
漏洩するのを防止することができる。

又、位置検出器２９，２９′は、上下のブロツ
ク鋳型１，１が互いに対峙し合う直前における鋳
型空間入端位置に配設してあるため、高温の溶湯
による熱影響を受けず、位置検出器２９，２９′
が故障したり破損したりしにくく、位置検出の信
頼性も高くなる。

尚、本発明の移動鋳型式連続鋳造機の注湯装置
は、上述の実施例にのみ限定されるものではな
く、位置検出器２９，２９′は夫々、ブロツク鋳
型１幅方向に複数個配設してもよく、その平均値
でタンデイツシユノズル２１の傾動を制御すれば
ブロツク鋳型１幅方向のガタつきや表面凹凸等に
対しても対応できる、等本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において種々変更を加え得ることは勿論で
ある。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の移動鋳型式連続
鋳造機の注湯装置によれば、高温の溶湯による熱
影響を受けない鋳型空間入端位置に配設した位置
検出器により信頼性の高い位置検出が可能となつ
て、該検出結果に基づきタンデイツシユノズル先
端部とブロツク鋳型との〓間を上下で均等となる
ように常に良好な状態に保持でき、タンデイツシ
ユノズルの偏摩耗や破損等を防止して安全性を高
められるという優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す側面図、第２
図は第１図の−矢視図、第３図は液圧シリン
ダの駆動系を示すブロツク図、第４図は時間と位
置検出器出力との関係を示す線図、第５図は従来
のブロツク鋳型式連続鋳造機の一例を示す側面
図、第６図はノズル調芯方式の一例を示す側面
図、第７図は第６図の方向矢印図、第８図は第
６図の−矢視図、第９図は第６図の−矢
視図である。 １はブロツク鋳型、２，２′は移動鋳型、３，
３′は駆動ホイール、１２は溶湯流出口、１８は
タンデイツシユ、２１はタンデイツシユノズル、
２２は凸球面、２４は支持ブラケツト、２５はガ
イドロツド、２６はばね系部材、２７は液圧シリ
ンダ、２９，２９′は位置検出器、３２は制御装
置、３７はサーボ弁を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ タンデイツシユの溶湯流出口に対し傾動自在
   に配置され且つ先端部が互いに対峙し合う上下の
   ブロツク鋳型によつて形成される鋳型空間内に挿
   入されるタンデイツシユノズルと、該タンデイツ
   シユノズルを傾動せしめる液圧シリンダと、前記
   上下のブロツク鋳型が互いに対峙し合う直前にお
   けるブロツク鋳型の鋳型空間入端位置に配置され
   通過する上下のブロツク鋳型表面に対する距離を
   検出する位置検出器と、該位置検出器からの検出
   信号に基づき前記タンデイツシユノズル先端部の
   上下のブロツク鋳型に対する偏りを求め前記液圧
   シリンダに対する駆動信号を出力する制御装置と
   を備えてなることを特徴とする移動鋳型式連続鋳
   造機の注湯装置。