JPH05255332A - アルキルアミノアルキルピロリジニルチオカルバペネム誘導体 - Google Patents

アルキルアミノアルキルピロリジニルチオカルバペネム誘導体

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JPH05255332A
JPH05255332A JP4337779A JP33777992A JPH05255332A JP H05255332 A JPH05255332 A JP H05255332A JP 4337779 A JP4337779 A JP 4337779A JP 33777992 A JP33777992 A JP 33777992A JP H05255332 A JPH05255332 A JP H05255332A
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methyl
hydrogen atom
lower alkyl
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JP4337779A
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Susumu Nakagawa
晋 中川
Shinji Kato
伸二 加藤
Satoshi Murase
聡 村瀬
Osamu Okamoto
収 岡本
Takashi Mitomo
隆司 三友
Katsumi Yamamoto
克巳 山本
Koji Yamada
耕司 山田
Hiroshi Fukatsu
弘 深津
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MSD KK
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Banyu Phamaceutical Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D477/00Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring
    • C07D477/10Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2
    • C07D477/12Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6
    • C07D477/16Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6 with hetero atoms or carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 3
    • C07D477/20Sulfur atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式[I] [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
または陰電荷、Xは基:−N(R3)R4(ここで、R3
は低級アルキル基、R4は水素原子または低級アルキル
基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R7(ここ
で、R5、R6およびR7は同一または異なって、低級ア
ルキル基を示す)、nは2ないし4の整数を示す]で表
される化合物またはその医薬として許容される塩または
エステル、その製造法およびその用途。 【効果】 上記化合物は、感受性・耐性のグラム陽性菌
およびグラム陰性菌に対する強い抗菌力、β−ラクタマ
ーゼおよびDHP−Iに対する優れた安定性を有するの
で、抗菌剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なカルバペネム
(7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]へプタ
−2−エン−2−カルボン酸)化合物、該化合物を有効
成分として含有する抗菌剤および該化合物の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ペニシリン類およびセファロスポ
リン類と同じβ−ラクタム環を持ちながら、これらと基
本骨格の異なった新規なβ−ラクタム抗生物質が次々と
天然から発見されている。
【0003】例えば、ストレプトミセス カトレア(S
treptomyces cattleya)の醗酵よ
り単離されたチエナマイシン(thienamyci
n)[ジャ−ナル オブ ジ アメリカン ケミカル
ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第10
0巻、6491頁(1978年)]のような天然由来の
カルバペネム化合物が挙げられる。チエナマイシンは、
グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して、広範囲にわ
たり優れた抗菌スペクトルと強い抗菌力を有し、有用性
の高いβ−ラクタム剤としての開発が期待された。しか
しながら、チエナマイシンそのものが化学的に不安定で
あり、またある種の生体内酵素、例えば腎デヒドロペプ
チダーゼI(以下、DHP−Iと略す)により分解され
て、その抗菌活性の効力を減じ、尿中回収率が低いこと
が報告されている[アンチミクロビアル アジェンツ
アンド ケモテラピィ(Antimicrob.Age
nts Chemother.)、第22巻、62頁
(1982年);同、第23巻、300頁(1983
年)]。
【0004】メルク(Merck)社では、チエナマイ
シンの優れた抗菌活性を維持し、かつ、その化学的安定
性の確保を狙って、数多くのチエナマイシン類縁体を合
成した。その結果、チエナマイシンのアミノ基をホルム
イミドイル化したイミペネム[Imipenem:(5
R,6S,8R)−3−[[2−(ホルムイミドイルア
ミノ)エチル]チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)
−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ
−2−エン−2−カルボン酸・1水和物;ジャーナル
オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Ch
em.)、第22巻、1435頁(1979年)]が医
薬品としての実用化に至った。
【0005】イミペネムは、種々の菌種に対してチエナ
マイシンと同程度以上の抗菌活性およびβ−ラクタマー
ゼ抵抗性を保持し、特に緑膿菌に対しては、その抗菌作
用が2〜4倍優れている。また、イミペネムの水溶液お
よび固体としての安定性は、チエナマイシンに較べ著し
く改善された。
【0006】しかしながら、イミペネムはチエナマイシ
ン同様、人の腎臓でDHP−Iにより分解されるため、
尿路感染症に使用できないだけでなく、分解産物による
腎毒性を示す。そのためにイミペネムは、単独で投与す
ることができず、シラスタチン(cilastati
n)のようなDHP−I阻害剤と併用しなければならな
い[ジャーナル オブ アンチミクロビアル ケモテラ
ピィ(J.Antimicrob.Chemothe
r.)、第12巻(Suppl D)、1頁(1983
年)]。また、近年、イミペネムは感染症の治療および
予防に頻繁に使用され、イミペネムに耐性なメチシリン
高度耐性黄色ブドウ球菌やイミペネム耐性緑膿菌が臨床
の場で増加しつつあり、これら耐性菌にイミペネムは充
分な治療効果を示していない。
【0007】本発明に最も類似する先行技術としては、
特開昭62−155279号公報が挙げられる。該公報
には、カルバペネム骨格の2位側鎖が、2−(置換)−
ピロリジン−4−イルチオ基であって、かつ該置換基
が、保護されていてもよいアミノ−C1〜4アルキル基
である化合物を含むカルバペネム化合物が、特許請求の
範囲に一般的に記載されている。しかしながら、これら
のカルバペネム化合物の中で、該ピロリジニル基の2位
にアミノアルキル基を有する化合物は、(アセチルアミ
ノ)メチル基を有する化合物[特開昭62−15527
9号公報、具体例24の化合物(本明細書参考例3の化
合物)または具体例23(実施例19)の化合物]であ
って、いずれもアミノ基がアセチル基で保護されている
ものである。従って、本発明の特徴である、カルバペネ
ム骨格の2位に置換するピロリジニル基の2位側鎖のC
2〜4アルキレン基の末端に、少なくとも一つの低級ア
ルキル基に置換されたアミノ基(第二級もしくは第三級
アミノ基またはアンモニオ基)を有するカルバペネム化
合物は、該公報において直接言及されておらず、文献未
記載の新規な化合物であり、他の文献および特許明細書
等においても全く開示されておらず、また示唆すらされ
ていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】β−ラクタム抗生物質
は、細菌にのみ選択毒性を示し、動物細胞に対しては影
響を与えないことから、副作用の少ない抗生物質として
細菌による感染症の治療に広く使用され、有用性の高い
薬剤である。
【0009】しかしながら、近年、メチシリン高度耐性
黄色ブドウ球菌および耐性緑膿菌が免疫力の低下した患
者から難治性の感染症の起炎菌として、しばしば分離さ
れ、臨床上大きな問題になりつつある。従って、これら
の耐性菌に対する改善された抗菌力を有する抗菌剤の開
発、特にカルバペネム化合物においては、抗菌力の改
善、DHP−Iに対する安定性の改善、腎毒性の軽減、
中枢神経系に対する副作用の軽減等が強く望まれてい
る。
【0010】また特開昭62−155279号公報に記
載された前記化合物は、良好な抗菌活性を示すが、未だ
その抗菌活性、特に前記のメチシリン高度耐性黄色ブド
ウ球菌および耐性緑膿菌に対する抗菌活性は充分ではな
い。
【0011】従って、より優れた抗菌活性を有するカル
バペネム化合物が求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、優れた抗
菌力を有し、かつDHP−Iに耐性の新規なカルバペネ
ム化合物を提供することを目的とし、鋭意研究した。そ
の結果、カルバペネム骨格の2位に、一般式
【0013】
【化7】 [式中、Xは基:−N(R3)R4(ここにおいて、R3
は低級アルキル基、R4は水素原子または低級アルキル
基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R7(ここに
おいて、R5、R6およびR7は同一または異なって、低
級アルキル基を示す)、nは2ないし4の整数を示す]
で表される基を有する本発明のカルバペネム化合物は文
献未記載の新規な化合物であり、黄色ブドウ球菌等のグ
ラム陽性菌および緑膿菌を含むグラム陰性菌に対して、
強い抗菌力を有し、更にDHP−Iに対しても優れた安
定性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0014】本発明は、一般式
【0015】
【化8】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
または陰電荷、Xは基:−N(R3)R4(ここにおい
て、R3は低級アルキル基、R4は水素原子または低級ア
ルキル基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R
7(ここにおいて、R5、R6およびR7は同一または異な
って、低級アルキル基を示す)、nは2ないし4の整数
を示す]で表される化合物またはその医薬として許容さ
れる塩またはエステル、その製造法および抗菌剤として
のその用途に関する。
【0016】本明細書に記載された記号および用語につ
いて説明する。
【0017】本発明の化合物は基本構造
【0018】
【化9】 を有し、系統的に7−オキソ−1−アザビシクロ[3.
2.0]へプタ−2−エン−2−カルボン酸と呼ばれ
る。本明細書では、簡易化のために慣用的に広く使用さ
れているカルバペネムに基づく番号を付し、その基本構
造を1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸と記載
する。
【0019】
【化10】 本発明は、カルバペネム骨格の1位、5位、6位および
8位の不斉炭素原子に基づく光学異性体および立体異性
体を包含するが、これら異性体で好適な化合物は、チエ
ナマイシンのような立体配置を有する5R,6S配置
(5,6−トランス)で、かつ8位の炭素原子がR配置
の化合物である(5R,6S,8R)配置の化合物、ま
たは1位にメチル基を有する場合は(1R,5S,6
S,8R)配置の化合物を挙げることができる。
【0020】
【化11】 また本発明は、2位側鎖の2−置換ピロリジン−4−イ
ルチオ基についても、ピロリジン核の2位、4位および
2位側鎖の不斉炭素に基づく異性体を包含するが、これ
ら異性体で好適な化合物は(2’R,4’S)配置およ
び(2’S,4’R)配置の化合物を挙げることができ
る。
【0021】更には、ピロリジン核の2位に置換する側
鎖についても不斉炭素に基づく異性体が存在するが、本
発明は両異性体とも包含する。
【0022】低級アルキル基とは、炭素数1ないし6の
直鎖状または分岐状のアルキル基を意味し、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチ
ル基、tert−ブチル基等が好適である。
【0023】カルボキシル基の保護基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t
ert−ブチル基等の低級アルキル基;例えば2,2,
2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエ
チル基等のハロ置換低級アルキル基;例えばアセトキシ
メチル基、プロピオニルオキシメチル基、ピバロイルオ
キシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオ
ニルオキシエチル基等の低級アルカノイルオキシアルキ
ル基;例えば1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル
基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−
(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル基等の低級
アルコキシカルボニルオキシアルキル基;例えば2−プ
ロペニル基、2−クロロ−2−プロペニル基、3−メト
キシカルボニル−2−プロペニル基、2−メチル−2−
プロペニル基、2−ブテニル基、シンナミル基等の低級
アルケニル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジ
ル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビ
ス(p−メトキシフェニル)メチル基等のアラルキル
基;例えば(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキ
ソール−4−イル)メチル基等の(5−置換−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基;例え
ばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリ
ル基等の低級アルキルシリル基;インダニル基、フタリ
ジル基、メトキシメチル基等が挙げられ、特に2−プロ
ペニル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジ
ル基、ベンズヒドリル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基等が好ましい。
【0024】水酸基の保護基としては、例えばトリメチ
ルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低
級アルキルシリル基;例えばメトキシメチル基、2−メ
トキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基;
例えばテトラヒドロピラニル基;例えばベンジル基、p
−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル
基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ト
リチル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、アセチ
ル基等のアシル基;例えばtert−ブトキシカルボニ
ル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル基等の低級アルコキシカ
ルボニル基;例えば2−プロペニルオキシカルボニル
基、2−クロロ−2−プロペニルオキシカルボニル基、
3−メトキシカルボニル−2−プロペニルオキシカルボ
ニル基、2−メチル−2−プロペニルオキシカルボニル
基、2−ブテニルオキシカルボニル基、シンナミルオキ
シカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;例
えばベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジ
ルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジルオキシカル
ボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基等の
アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、特に2−
プロペニルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオ
キシカルボニル基、tert−ブチルジメチルシリル基
等が好ましい。
【0025】イミノ基の保護基としては、例えばベンジ
リデン基、p−クロロベンジリデン基、p−ニトロベン
ジリデン基、サリチリデン基、α−ナフチリデン基、β
−ナフチリデン基等のアラルキリデン基;例えばベンジ
ル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベ
ンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル
基、ベンズヒドリル基、ビス(p−メトキシフェニル)
メチル基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミ
ル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、オキ
サリル基、スクシニル基、ピバロイル基等の低級アルカ
ノイル基;例えばクロロアセチル基、ジクロロアセチル
基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基等
のハロ置換低級アルカノイル基;例えばフェニルアセチ
ル基、フェノキシアセチル基等のアリールアルカノイル
基;例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカル
ボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;例えば2−
ヨードエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロ
エトキシカルボニル基等のハロ置換低級アルコキシカル
ボニル基;例えば2−プロペニルオキシカルボニル基、
2−クロロ−2−プロペニルオキシカルボニル基、3−
メトキシカルボニル−2−プロペニルオキシカルボニル
基、2−メチル−2−プロペニルオキシカルボニル基、
2−ブテニルオキシカルボニル基、シンナミルオキシカ
ルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;例えば
ベンジルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジルオキ
シカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキ
シカルボニル基;例えばトリメチルシリル基、tert
−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基等
が挙げられ、特に、2−プロペニルオキシカルボニル
基、tert−ブトキシカルボニル基、p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル基等が好ましい。
【0026】本発明の化合物は、カルバペネム骨格の2
位に置換するピロリジニル基の2位側鎖のC2〜4アル
キレン基の末端に、少なくとも一つの低級アルキル基に
置換されたアミノ基(第二級もしくは第三級アミノ基ま
たはアンモニオ基)を有することを特徴とする。
【0027】R3およびR4が共に低級アルキル基を示す
場合、当該低級アルキル基は同一でも、異なっていても
よい。
【0028】Xは基:−N(R3)R4(ここにおいて、
3は低級アルキル基、R4は水素原子または低級アルキ
ル基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R7(ここ
において、R5、R6およびR7は同一または異なって、
低級アルキル基を示す)を示す。Xとしては、例えばN
−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピル
アミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミ
ノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルア
ミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジイソ
プロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−エ
チル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピル
アミノ基、N−エチル−N−プロピルアミノ基、N,
N,N−トリメチルアンモニオ基、N,N,N−トリエ
チルアンモニオ基、N,N−ジメチル−N−エチルアン
モニオ基、N,N−ジエチル−N−メチルアンモニオ基
等が挙げられ、中でも、N−メチルアミノ基、N−エチ
ルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエ
チルアミノ基、N,N,N−トリメチルアンモニオ基等
が好適である。
【0029】R2は水素原子または陰電荷を示す。ピロ
リジニル基の2位側鎖が、アンモニオ基を形成する場
合、R2は陰電荷を示し、該アンモニウムイオンと対を
なすことにより、一般式[I]の化合物は分子内塩を形
成する。
【0030】一般式[I]の塩としては、医薬上許容さ
れる慣用的なものを意味し、カルバペネム骨格の3位の
カルボキシル基または2位側鎖のピロリジン塩基もしく
は該ピロリジン核に置換する側鎖上の塩基における塩類
を挙げることができる。
【0031】該カルボキシル基における塩基性付加塩と
しては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ
金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメ
チルアミン塩、トリエチルアミン塩;ジシクロヘキシル
アミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩等の脂肪族
アミン塩;例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミ
ン等のアラルキルアミン塩;例えばピリジン塩、ピコリ
ン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族ア
ミン塩;例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエ
チルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム
塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリ
ブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウ
ム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニ
ウム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩
等が挙げられる。
【0032】ピロリジン塩基または該ピロリジン核に置
換する側鎖上の塩基における酸付加塩としては、例えば
塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩、炭酸塩、炭酸水素
塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸
塩、りんご酸塩、くえん酸塩、アスコルビン酸塩等の有
機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、
ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の
スルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸
塩等の酸性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0033】一般式[I]の無毒性エステルとしては、
カルバペネム骨格の3位のカルボキシル基における医薬
上許容される慣用的なものを意味する。例えばアセトキ
シメチル基、ピバロイルオキシメチル基等のアルカノイ
ルオキシメチル基とのエステル、1−(エトキシカルボ
ニルオキシ)エチル基等のアルコキシカルボニルオキシ
アルキル基とのエステル、フタリジル基とのエステル、
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4
−イル)メチル基等の(5−置換−2−オキソ−1,3
−ジオキソール−4−イル)メチル基とのエステル等が
挙げられる。
【0034】一般式[I]で表される化合物中、好適な
化合物としては、(5R,6S)−6−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−2−[(2R,4S)−2−[2
−(メチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2R,4S)−2−
[2−(メチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イル
チオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−2−[(2R,4S)−2−[2−
(ジメチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カ
ルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(1R,5S,
6S)−2−[(2R,4S)−2−[2−(ジメチル
アミノ)エチル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(5R,6
S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
[(2R,4S)−2−[3−(メチルアミノ)プロピ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸または(1R,5S,6S)−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
2−[(2R,4S)−2−[3−(メチルアミノ)プ
ロピル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸等が挙げられ、中でも、
(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2R,4S)−2−
[2−(メチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イル
チオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(1R,5S,6S)−2−[(2R,4S)−2−
[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イ
ルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸
または(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−2−[(2R,4S)−
2−[3−(メチルアミノ)プロピル]ピロリジン−4
−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸が好適であり、特に、(1R,5S,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2R,4S)−2−[2−(メチルアミノ)エチ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸または(1R,5S,6S)−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
2−[(2R,4S)−2−[3−(メチルアミノ)プ
ロピル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸が好ましい。
【0035】次に本発明化合物の製造法について説明す
る。 一般式
【0036】
【化12】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R8は水素原子
または水酸基の保護基、R20は水素原子またはカルボキ
シル基の保護基を示す]で表される化合物と、不活性有
機溶媒中、塩基の存在下で活性化試薬とを反応させて、
一般式
【0037】
【化13】 [式中、Yは脱離基を示し、R1 、R8およびR20は前記
の意味を有する]で表される反応性誘導体[II’]は
誘導される。
【0038】上記反応で使用される不活性有機溶媒とし
ては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、アセトン、酢酸エチル、アセ
トニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
チルりん酸トリアミドまたは上記溶媒の混合物が挙げら
れ、特にアセトニトリル、ベンゼンが好ましい。
【0039】反応で使用される塩基としては、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチ
ルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチ
ルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)等の第3級脂
肪族アミン;例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリ
ジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン等
の芳香族アミンが挙げられ、特にN,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
【0040】反応で使用される活性化試薬としては、例
えばトリフルオロ酢酸無水物、メタンスルホン酸無水
物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエ
ンスルホン酸無水物等の酸無水物;例えばメタンスルホ
ニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、ジフ
ェニルクロロホスファート等の酸クロリドが挙げられ、
特にジフェニルクロロホスファートが好ましい。
【0041】一般式[II’]の基Yは脱離基を意味
し、例えばトリフルオロアセトキシ基、メタンスルホニ
ルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、
p−トルエンスルホニルオキシ基、ジフェノキシホスホ
リルオキシ基等が挙げられ、特にジフェノキシホスホリ
ルオキシ基が好ましい。
【0042】反応は一般式[II]の化合物1モルに対
して、塩基1〜3モル、好ましくは1〜1.5モル、活
性化試薬1〜1.2モルが使用される。
【0043】反応は−40〜50℃、好ましくは−20
〜20℃の温度範囲で行い、通常0.5〜3時間で定量
的に完結する。
【0044】反応終了後、常法に従って処理して、一般
式[II]の反応性誘導体[II’]が定量的に得られ
る。
【0045】反応性誘導体[II’]と一般式
【0046】
【化14】 [R9は水素原子またはイミノ基の保護基、X1は基:−
N(R3)R40(ここにおいて、R3は低級アルキル基、
40は水素原子、低級アルキル基またはイミノ基の保護
基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R7(ここに
おいて、R5、R6およびR7は同一または異なって、低
級アルキル基を示す)、nは2ないし4の整数を示す]
で表される化合物との反応は、前記記載の不活性有機溶
媒および塩基を用いて行われ、一般式
【0047】
【化15】 [式中、R1、R8、R9、R20、X1およびnは前記の意
味を有する]で表される化合物を製造する。
【0048】反応は、反応性誘導体[II’]1モルに
対して、塩基1〜2モル、好ましくは1〜1.5モル、
一般式[III]の化合物1〜1.2モルが使用され、
−40〜50℃、好ましくは−20〜20℃の温度範囲
で行われ、通常0.5〜3時間で完結する。
【0049】また、一般式[IV]の化合物は、一般式
[II]の化合物から、一段階で製造することもでき
る。即ち、一般式[II]の化合物から誘導した反応性
誘導体[II’]を単離することなく、同一反応系で一
般式[III]の化合物を反応させて、一般式[IV]
の化合物を効率よく製造することができる。一段階で行
う場合には、一般式[II]の化合物1モルに対して、
塩基2〜4モル、好ましくは2.5〜3.5モルを用い
る。
【0050】反応終了後、通常の処理を行い、一般式
[IV]で表される化合物の粗生成物を得、精製するこ
となく脱保護反応に付すことができるが、該粗生成物は
結晶化またはシリカゲル等によるカラムクロマトグラフ
ィーに付し、精製することが好ましい。
【0051】このようにして得られた一般式[IV]の
化合物から、必要に応じて、水酸基、イミノ基およびカ
ルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合せて行う
ことにより、一般式[I]の化合物は製造することがで
きる。
【0052】保護基の除去はその種類により異なるが、
常法に従って、例えば加溶媒分解、化学的還元または水
素化により行われる。
【0053】前記一般式[IV]において、水酸基およ
び/またはイミノ基の保護基が、例えばベンジルオキシ
カルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基
等のアラルキルオキシカルボニル基であり、カルボキシ
ル基の保護基が、例えばベンジル基、p−ニトロベンジ
ル基、ベンズヒドリル基等のアラルキル基である場合に
は、例えば酸化白金、白金線、白金黒等の白金触媒;例
えばパラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム−炭
素、水酸化パラジウム−炭素等のパラジウム触媒を用い
る接触水素化により保護基を除去することができる。
【0054】接触水素化反応に用いる溶媒としては、例
えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、酢酸等またはこれらの有機溶媒と水あるいは
りん酸塩等の緩衝液との混合溶媒が挙げられる。
【0055】反応は、1〜4気圧の水素ガス気流下に0
〜50℃の温度範囲で、0.5〜4時間で完結する。
【0056】前記一般式[IV]において、水酸基およ
び/またはイミノ基の保護基が、例えばアリルオキシカ
ルボニル基であり、カルボキシル基の保護基が、例えば
アリル基である場合には、アリル基の捕捉剤を含有する
不活性有機溶媒中、有機可溶性のパラジウム錯体触媒を
反応させて保護基を除去することができる[W.マッコ
ムビ(McCombie)等の方法、ザ ジャーナル
オブ オーガニックケミストリー(J.Org.Che
m.)、第47巻、587〜590頁(1982年)お
よびF.グイベ(Guib▲e▼)等の方法、同一文
献、第52巻、4984〜4993(1987年)参
照]。
【0057】反応に用いる溶媒としては、例えば水、ア
セトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、
クロロホルム等あるいはこれらの混合溶媒が挙げられ
る。
【0058】この反応に使用される好適なパラジウム化
合物錯体としては、例えばパラジウム−炭素、水酸化パ
ラジウム−炭素、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジ
ウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)、テトラキス(トリフェノキシホスフ
ィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリエトキシホ
スフィン)パラジウム(0)、ビス[エチレンビス(ジ
フェニルホスフィン)]パラジウム(0)、テトラキス
[トリ(2−フリル)ホスフィン]パラジウム(0)、
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(II) アセタート等が挙げられる。
【0059】アリル基の捕捉剤としては、例えばジメド
ン、ぎ酸、酢酸、ぎ酸アンモニウム、ぎ酸ナトリウム、
2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン
酸カリウム、ピロリジン、ピペリジン、水素化トリブチ
ルすず等を挙げることができる。
【0060】反応は、一般式[IV]の化合物1モルに
対して、触媒0.01〜0.5モル、アリル基の捕捉剤
1〜6モルを使用し、−10〜50℃の温度範囲、好ま
しくは0〜30℃の温度範囲で行われ、通常0.5〜3
時間で完結する。
【0061】また、前記一般式[IV]において、水酸
基および/またはイミノ基の保護基がo−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル基で、カルボキシル基の保護基がo
−ニトロベンジル基である場合には、光反応によって保
護基を除去することができる[アミット(Amit)等
の方法、ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミス
トリー(J.Org.Chem.)、第39巻、192
〜196(1974年)参照]。
【0062】保護基の除去反応の終了後、通常の処理法
により、例えばシリカゲルまたは吸着樹脂等を用いるカ
ラムクロマトグラフィーに付し、または凍結乾燥または
結晶化等の操作により、一般式[I]の化合物は単離す
ることができる。
【0063】尚、一般式[IV]の化合物の3位のカル
ボキシル基の保護基が、例えばアセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基等の低級アルカノイルオキシア
ルキル基;例えばメトキシメチル基、インダニル基、フ
タリジル基等である場合、このようなエステルは生体内
で生理的に加水分解されるので、保護基を除去すること
なく、直接、ヒトまたは動物に投与することができる。
【0064】一般式[I]の化合物は、常法により医薬
として許容される塩またはエステルとすることができ
る。
【0065】一般式[II]で表される出発原料は、例
えばR1が水素原子である場合、ザルツマン(Salz
mann)等の方法[ジャーナル オブ ジ アメリカ
ンケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.So
c.)、第102巻、6161〜6163頁(1981
年)参照];R1がメチル基である場合、シー(Shi
h)等の方法[ヘテロサイクルズ(Heterocyc
les)、第21巻、29〜40頁(1984年)参
照]またはそれらに準ずる方法に従い製造することがで
きる。
【0066】一般式[III]で表される出発原料は、
例えば以下の方法により合成することができる。
【0067】化合物の水酸基を常法により活性化した
後、チオ酢酸カリウム等のチオ酢酸塩を反応させて、ア
セチルチオ誘導体とし、次いでアルカリ加水分解また
は酸加水分解により一般式[III]で表されるチオー
ル誘導体を得ることができる。
【0068】
【化16】 [式中、R10は水素原子または水酸基の保護基、Zは塩
素原子、臭素原子、よう素原子、トリフルオロアセトキ
シ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタン
スルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基
からなる群より選ばれる脱離基、Acはアセチル基を示
し、R9、X1およびnは前記の意味を有する]化合物
の構造式を有する化合物群は、参考例に示した製造法に
準じて各々製造することができる。
【0069】本発明の化合物は、各種のグラム陽性菌お
よびグラム陰性菌に対して強い抗菌活性を示す。
【0070】本発明の化合物の有用性を具体的に示すた
めに、細菌に対する試験管内抗菌活性を下記の寒天平板
希釈法により測定した[日本化学療法学会標準法:ケモ
テラピー(Chemotherapy)、第29巻、7
6〜79頁(1981年)]。ミューラー ヒントン
ブロス(Mueller Hinton broth)
中で一夜培養した各試験菌株の一白金耳(接種菌量:1
6CFU/ml)をミューラー ヒントン アガー
(MH agar)に接種した。この培地には抗菌剤が
各濃度で含まれており、37℃で16時間培養した後、
最小発育阻止濃度(MIC:μg/ml)を測定した。
【0071】また、DHP−I感受性は、クロップ(K
ropp)等の方法[アンチミクロビアル アジェント
アンド ケモテラピィ(Antimicrob. A
gents Chemother.)、第22巻、62
〜70頁(1982年)]によって定量し、イミペネム
(=1.0)との割合で示されるが、数字が小さいほど
安定性が高い。
【0072】本発明化合物の最小発育阻止濃度およびD
HP−I感受性を、比較化合物としてイミペネム(im
ipenem)および参考例3の化合物を用いて測定し
た。その結果を表1に示す。
【0073】
【表1】 本発明の化合物は、種々のグラム陽性菌およびグラム陰
性菌に対して優れた抗菌活性を有し、これら病原菌を起
炎菌とするヒトの細菌感染症の治療および予防のための
抗菌剤として有用な化合物である。本発明の抗菌剤に感
受性のある代表的な病原体としては、例えばスタフィロ
コッカス(Staphylococcus)属、エンテ
ロコッカス(Enterococcus)属、エシェリ
キア(Escherichia)属、エンテロバクター
(Enterobacter)属、クレブシェラ(Kl
ebsiella)属、セラチア(Serratia)
属、プロテウス(Proteus)属、シュードモナス
(Pseudomonas)属等の菌種を挙げることが
でき、特にメチシリン耐性スタフィロコッカス アウレ
ウス(Methicillin resistant
Staphylococcus aureus)および
チエナマイシン耐性シュードモナス アエルギノーサ
(thienamycin resistant Ps
eudomonas aeruginosa)に対して
本発明の化合物は、優れた抗菌活性を示した。
【0074】本発明の化合物は、各々の化合物によって
異なるが、DHP−Iに対して極めて安定であり、かつ
物理化学的安定性および水に対する溶解性にも優れてい
る。
【0075】本発明化合物は、当分野で公知の固体また
は液体の賦形剤の担体と混合し、非経口投与、経口投
与、外部投与に適した医薬製剤の形で使用することがで
きる。主なものは、局所的または注射による非経口的
(静注または筋注)な投与である。医薬製剤としては、
例えば注射剤、シロップ剤、乳剤等の液剤;錠剤、カプ
セル剤、粒剤等の固形剤;軟膏、坐剤等の外用剤が挙げ
られる。これらの製剤には、必要に応じて塩基、助剤、
安定化剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤等
の通常使用される添加剤が含まれていてもよい。
【0076】添加剤としては、例えば注射用蒸留水、リ
ンゲル液、グルコース、しょ糖シロップ、ゼラチン、食
用油、カカオ脂、エチレングリコール、しょ糖、とうも
ろこし澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙
げられる。
【0077】投与量は、患者の症状、体重、年齢、性
別、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常、成
人に対する好ましい日用量は有効成分約5〜50mg/
kg、子供に対する好ましい日用量は約5〜25mg/
kgの範囲にあり、1日当り1回または数回に分けて投
与するのが好ましい。
【0078】本発明の化合物は、必要に応じてシラスタ
チン[(Z)−7−(L−アミノ−2−カルボキシエチ
ルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボキサミド)−2−ヘプテノイン酸ナトリウム]等のD
HP−I阻害剤[特開昭56−81518号公報、欧州
特許出願第28,778号、ジャーナル オブ メディ
シナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第
30巻、1074頁(1987年)]と組合せて投与す
ることもできる。
【0079】
【実施例】実施例および参考例を挙げて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定さ
れるものではない。
【0080】実施例および参考例の薄層クロマトグラフ
は、プレートとしてSilicagel 60F
245(Merck)を、検出法としてUV検出器を用い
た。カラム用シリカゲルとしては、WakogelTM
C−300(和光純薬)を、逆相カラム用シリカゲルと
しては、LC−SORBTM SP−B−ODS(Che
mco)またはYMC−GELTM ODS−AQ 12
0−S50(山村化学研究所)を用いた。高速液体クロ
マトグラフとしては、JASCO 800シリーズ(日
本分光)を用いた。NMRスペクトルは、重ジメチルス
ルホキシドまたは重クロロホルム溶液で測定する場合に
は、内部基準としてテトラメチルシラン(TMS)を用
い、重水溶液で測定する場合には、内部基準として2,
2−ジメチル−2−シラペンタン−5−スルホナート
(DSS)を用い、XL−200(200MHz;Va
rian)型スペクトロメータを用いて測定し、全δ値
をppmで示した。
【0081】NMR測定における略号の意味を以下に示
す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:クワルテット ABq:AB型クワルテット dd:ダブル ダブレット m:マルチプレット br:ブロード J:カップリング定数 Hz:ヘルツ CDCl3:重クロロホルム D2O:重水 反応式における略号の意味を以下に示す。 Ac:アセチル基 Alloc:アリルオキシカルボニル基 Boc:tert−ブトキシカルボニル基 Me:メチル基 Ms:メタンスルホニル基 PNB:p−ニトロベンジル基 PNZ:p−ニトロベンジルオキシカルボニル基 TBS:tert−ブチルジメチルシリル基 Tr:トリフェニルメチル基 実施例1(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2R,4S)−2−
[2−(メチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イル
チオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 1)
【0082】
【化17】 窒素気流下、(2R,4S)−4−アセチルチオ−2−
[2−(N−メチル−N−p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)エチル]−N−p−ニトロベンジルオ
キシカルボニルピロリジン(240mg,0.428m
mol,参考例1の化合物)のメタノール溶液(17m
l)に1N水酸化ナトリウム水溶液(0.43ml,
0.43mmol)を滴下し、室温で15分間撹拌し
た。反応液に1N塩酸(0.47ml,0.47mmo
l)を加えて酸性とした後、減圧下で溶媒留去した。残
渣に酢酸エチル(30ml)を加え、水、飽和食塩水の
順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で
溶媒留去して粗チオールを得た。
【0083】窒素気流下、氷冷下で、p−ニトロベンジ
ル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホスホリ
ルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシ
ラート(240mg,0.4mmol)のアセトニトリ
ル溶液(6ml)に、ジイソプロピルエチルアミン
(0.09ml,0.517mmol)、次いで、粗チ
オールのアセトニトリル溶液(2ml)を滴下し、同温
度で2時間、5℃で一夜撹拌した。反応液に酢酸エチル
(30ml)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wa
kogelTM C−300,クロロホルム−メタノー
ル)に付し、p−ニトロベンジル (1R,5S,6
S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メ
チル−2−[(2R,4S)−2−[2−(N−メチル
−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)エ
チル]−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボキシラート(290mg,収率:83%)を
得た。
【0084】IR(KBr)cm-1:3450,177
5,1705,1605,1520,1345,121
0,1135,850,740 NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,d,J=7
Hz),1.38(3H,d,J=7Hz),1.45
−1.85(4H,m),2.5−2.75(1H,
m),2.88および2.98(3H,それぞれs),
3.0−3.45(5H,m),3.45−3.7(1
H,m),3.8−4.05(2H,m),4.1−
4.2(2H,m),5.0−5.6(6H,m),
7.53(4H,d,J=9Hz),7.67(2H,
d,J=9Hz),8.24(6H,d,J=9Hz) 2)
【0085】
【化18】 10%パラジウム炭素(280mg)を0.1M 3−
モルホリノプロパンスルホナート緩衝液(pH7.0,
5ml)に懸濁し、常圧水素気流下、30分間撹拌し
た。触媒を濾取し、水洗した。
【0086】この触媒を前記反応で得られた化合物(2
50mg,0.290mmol)のテトラヒドロフラン
(20ml)−0.1M 3−モルホリノプロパンスル
ホナート緩衝液(pH7.0,20ml)−エタノール
(3.2ml)混合溶液に加え、常圧水素気流下、室温
で2時間撹拌した。触媒を濾去し、減圧下でテトラヒド
ロフランおよびエタノールを留去した後、残液を酢酸エ
チルで洗浄し、不溶物を濾去した後、減圧下で濃縮し
た。残液を逆相カラムクロマトグラフィー(ケムコLC
−SORBTM,SP−B−ODS,0〜30%メタノー
ル−水)で精製し、凍結乾燥を行い、標記化合物(60
mg,収率:56%)を得た。
【0087】IR(KBr)cm-1:3450,175
5,1595,1395,1255NMR(D2O)
δ:1.18(3H,d,J=7Hz),1.26(3
H,d,J=6Hz),1.38(1H,m),1.8
−2.1(2H,m),2.45−2.75(2H,
m),2.69(3H,s),2.8−3.15(3
H,m),3.15−3.45(3H,m),3.77
(1H,m),4.1−4.3(2H,m) UVλmax(0.1M 3−モルホリノプロパンスルホ
ン酸緩衝液、pH7.0):299nm(ε=750
0) 実施例2(1R,5S,6S)−2−[(2R,4S)−2−
[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イ
ルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 1)
【0088】
【化19】 窒素気流下、氷冷下で、(2R,4S)−2−[2−
(ジメチルアミノ)エチル]−N−p−ニトロベンジル
オキシカルボニル−4−(トリフェニルメチルチオ)ピ
ロリジン(130mg,0.218mmol,参考例2
の化合物)の塩化メチレン溶液(0.5ml)に、トリ
フルオロ酢酸(0.5ml)を加え、トリエチルシラン
(0.04ml,0.250mmol)を滴下して、同
温度で20分間撹拌した。反応液を減圧下で留去した
後、残渣に酢酸エチル(30ml)を加え、1Mりん酸
緩衝液(pH5.5)、水、飽和食塩水の順に洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wa
kogelTM C−300,クロロホルム−メタノー
ル)に付し、チオールを得た。
【0089】このチオールとp−ニトロベンジル (1
R,5S,6S)−2−ジフェノキシホスホリルオキシ
−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
(140mg,0.235mmol)を用いて、実施例
1−1)と同様の反応を行い、p−ニトロベンジル
(1R,5S,6S)−2−[(2R,4S)−2−
[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニルピロリジン−4−イルチオ]−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(1
00mg,収率:66%)を得た。
【0090】IR(KBr)cm-1:3440,177
5,1705,1605,1345,1210,113
5,1110,850,740 NMR(CDCl3)δ:1.29(3H,d,J=7
Hz),1.37(3H,d,J=6Hz),1.5−
2.2(4H,m),2.4(1H,m),2.65
(6H,s),2.75−3.05(2H,m),3.
15−3.5(3H,m),3.68(1H,m),
3.8−4.35(4H,m),5.15−5.6(6
H,m),7.45−7.75(6H,m),8.15
−8.35(6H,m) 2)
【0091】
【化20】 前記反応で得られた化合物(100mg,0.143m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行
い、標記化合物(6mg,収率:11%)を得た。
【0092】IR(KBr)cm-1:3430,175
0,1600,1395 NMR(D2O)δ:1.18(3H,d,J=7H
z),1.25(3H,d,J=6Hz),1.4(1
H,m),1.8−2.7(4H,m),2.65(6
H,s),2.8−3.45(6H,m),3.8(1
H,m),4.1−4.3(2H,m) UVλmax(0.1M 3−モルホリノプロパンスルホ
ン酸緩衝液、pH7.0):298nm(ε=700
0) 実施例3(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2R,4S)−2−
[3−(メチルアミノ)プロピル]ピロリジン−4−イ
ルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸
一塩酸塩 1)
【0093】
【化21】 (2R,4S)−4−アセチルチオ−2−[3−(N−
メチル−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)プロピル]−N−p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニルピロリジン(7.85g,13.66mmol,参
考例3の化合物)およびp−ニトロベンジル (1R,
5S,6S)−2−ジフェノキシホスホリルオキシ−6
−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(8.
12g,13.66mmol)を用いて、実施例1−
1)と同様の反応を行い、p−ニトロベンジル (1
R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−2−[(2R,4S)−2−[3−
(N−メチル−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)プロピル]−N−p−ニトロベンジルオキシ
カルボニルピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボキシラート(9.23g,収
率:77%)を得た。
【0094】IR(KBr)cm-1:3430,177
0,1700,1605,1520,1400,134
5,1205,1135,1105,850,735 NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,d,J=7
Hz),1.37(3H,d,J=6Hz),1.4−
2.1(8H,m),2.55(1H,m),2.94
(3H,s),3.15−3.45(3H,m),3.
6(1H,m),3.9−4.2(2H,m),4.2
6(2H,m),5.15−5.6(6H,m),7.
51(4H,d,J=9Hz),7.65(2H,d,
J=9Hz),8.21(6H,d,J=9Hz) 2)
【0095】
【化22】 前記反応で得られた化合物(9.06g,10.33m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行
い、精製後の溶出液を1N塩酸でpH6.5に調節し
て、濃縮、凍結乾燥し、標記化合物(3.09g,収
率:71%)を得た。
【0096】IR(KBr)cm-1:3420,297
0,1760,1590,1455,1390,128
5,1255,1145 NMR(D2O)δ:1.19(3H,d,J=7H
z),1.26(3H,d,J=6Hz),1.6−
2.0(6H,m),2.70(3H,s),2.76
(1H,m),3.07(2H,m),3.3−3.5
(2H,m),3.6−3.8(2H,m),4.0
(1H,m),4.22(2H,m) UVλmax(0.1M 3−モルホリノプロパンスルホ
ン酸緩衝液,pH7.0):298nm(ε=730
0) 参考例1(2R,4S)−4−アセチルチオ−2−[2−(N−
メチル−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)エチル]−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルピロリジン 1)
【0097】
【化23】 窒素気流下、氷冷下で、水素化リチウムアルミニウム
(380mg,10mmol)のエーテル懸濁液(20
ml)に(2R,4R)−N−tert−ブトキシカル
ボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−
シアノメチルピロリジン(3.36g,9.87mmo
l)のエーテル溶液(5ml)を滴下し、同温度で1時
間撹拌した。氷冷下で激しく撹拌しながら水(0.4m
l)、20%水酸化ナトリウム水溶液(0.3ml)お
よび水(1.4ml)を順に加え、しばらく撹拌した。
反応液にエーテル(50ml)を加え、不溶物を除去
し、この不溶物をエーテルで洗浄した(50ml×
2)。エーテル溶液を合わせて、水、飽和食塩水の順に
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒
留去し、粗アミンを得た。
【0098】この粗アミンのジオキサン溶液(20m
l)にS−tert−ブトキシカルボニル−4,6−ジ
メチル−2−メルカプトピリミジン(2.40g,9.
99mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液
に酢酸エチル(200ml)を加え、1N硫酸水素カリ
ウム水溶液、水および飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakog
elTM C−300,ヘキサン−酢酸エチル)に付し、
(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
2−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エ
チル]−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリ
ジン(3.01g,収率:69%)を得た。
【0099】IR(KBr)cm-1:3350,292
0,1695,1500,1390,1365,125
0,1165,1115,835,775 NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.
86(9H,s),1.44(9H,s),1.47
(9H,s),1.5−2.1(4H,m),2.9−
3.5(4H,m),3.85−4.1(1H,m),
4.34(1H,m),5.35(1H,m) 2)
【0100】
【化24】 窒素気流下、氷冷下で、前記反応で得られた化合物
(1.34g,3.01mmol)のN,N−ジメチル
ホルムアミド溶液(10ml)に60%油性水素化ナト
リウム(240mg,6mmol)を加え、同温度で3
0分間撹拌した。反応液によう化メチル(1.3ml,
15.44mmol)を滴下し、氷冷下で1時間、その
後室温で3時間撹拌した。反応液を氷水(100ml)
と1N硫酸水素カリウム水溶液(10ml)の混液に注
ぎ、酢酸エチルで抽出した(50ml×3)。有機層を
合わせ10%亜硫酸ナトリウム水溶液、水および飽和食
塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(WakogelTM C−300,ヘキサ
ン−酢酸エチル)に付し、(2R,4R)−N−ter
t−ブトキシカルボニル−2−[2−(N−tert−
ブトキシカルボニル−N−メチルアミノ)エチル]−4
−tert−ブチルジメチルシロキシピロリジン(1.
31g,収率:95%)を得た。
【0101】IR(KBr)cm-1:2930,170
0,1395,1365,1255,1165,111
0,835,775 NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.
86(9H,s),1.45(9H,s),1.46
(9H,s),1.6−1.85(2H,m),1.9
5−2.2(2H,m),2.86(3H,s),3.
1−3.5(4H,m),3.86(1H,m),4.
32(1H,m) 3)
【0102】
【化25】 前記反応で得られた化合物(1.31g,2.86mm
ol)にトリフルオロ酢酸(10ml)を加え、室温で
一夜撹拌した。減圧下で、トリフルオロ酢酸を留去した
後、数回、ベンゼンを加えて留去した。
【0103】残渣のジオキサン(6ml)−水(2m
l)の混合溶液に炭酸水素ナトリウム(2.4g,2
8.57mmol)を加え、次いでS−p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル−4,6−ジメチル−2−メルカ
プトピリミジン(1.92g,6.01mmol)を加
え、室温で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(20
0ml)を加え、水、1N硫酸水素カリウム水溶液、水
および飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。減圧下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(WakogelTM C−3
00,塩化メチレン−酢酸エチル)に付し、(2R,4
R)−4−ヒドロキシ−2−[2−(N−メチル−N−
p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)エチル]
−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルピロリジン
(1.37g,収率:95%)を得た。
【0104】IR(KBr)cm-1:3440,294
0,1700,1605,1520,1400,134
5,1105,855,735 NMR(CDCl3)δ:1.5−1.95(2H,
m),2.0−2.5(2H,m),2.88および
3.00(3H,それぞれs),3.05−3.8(4
H,m),4.02(1H,m),4.46(1H,
m),5.23(4H,m),7.53(4H,d,J
=9Hz),8.23(4H,d,J=9Hz) 4)
【0105】
【化26】 窒素気流下、氷冷下で、前記反応で得られた化合物
(1.37g,2.73mmol)のテトラヒドロフラ
ン溶液(10ml)にトリエチルアミン(0.57m
l,4.09mmol)、次いで塩化メタンスルホニル
(0.30ml,3.88mmol)を滴下し、氷冷下
で10分間、室温で2時間撹拌した。更にトリエチルア
ミン(0.57ml,4.09mmol)、次いで塩化
メタンスルホニル(0.30ml,3.88mmol)
を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル
(200ml)を加え、水、1N硫酸水素カリウム水溶
液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩
水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧
下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(WakogelTM C−300,塩化メチ
レン−酢酸エチル)に付し、(2R,4R)−4−メタ
ンスルホニルオキシ−2−[2−(N−メチル−N−p
−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)エチル]−
N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルピロリジン
(1.53g,収率:97%)を得た。
【0106】IR(KBr)cm-1:2940,170
0,1605,1520,1400,1345,117
0,960,900,855,735 NMR(CDCl3)δ:1.8−2.7(4H,
m),2.8−3.05(1H,m),2.86および
2.99(3H,それぞれbr s),3.04(3
H,s),3.15−3.7(3H,m),3.9−
4.15(2H,m),5.24(4H,m),7.5
3(4H,d,J=9Hz),8.24(4H,d,J
=9Hz) 5)
【0107】
【化27】 前記反応で得られた化合物(290mg,0.5mmo
l)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(2.5m
l)にチオ酢酸カリウム(90mg,0.788mmo
l)およびよう化ナトリウム(90mg,0.600m
mol)を加え、窒素気流下、70℃で5時間撹拌し
た。反応液を水(30ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出
した(20ml×1,10ml×2)。有機層を合わせ
て、10%亜硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の
順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で
溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(WakogelTM C−300,ヘキサン−酢
酸エチル)に付し、標記化合物(260mg,収率:9
3%)を得た。
【0108】IR(KBr)cm-1:2930,170
0,1605,1520,1400,1345,110
5,855,765,740 NMR(CDCl3)δ:1.5−1.8(1H,
m),2.1−2.6(3H,m),2.34(3H,
s),2.87および2.98(3H,それぞれbr
s),3.1−3.55(3H,m),3.75−3.
95(2H,m),4.11(1H,m),5.23
(4H,s),7.53(4H,d,J=9Hz),
8.24(4H,d,J=9Hz) 参考例2(2R,4S)−2−[2−(ジメチルアミノ)エチ
ル]−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニル−4−
トリフェニルメチルチオピロリジン 1)
【0109】
【化28】 (2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−シアノメ
チルピロリジン(1.70g,4.99mmol)およ
び水素化リチウムアルミニウム(190mg,5mmo
l)を用いて、参考例1−1)と同様の反応を行い、粗
アミンを得た。
【0110】この粗アミンのジオキサン溶液(15m
l)にS−p−ニトロベンジルオキシカルボニル−4,
6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン(1.60
g,5mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応
液に酢酸エチル(200ml)を加え、1N硫酸水素カ
リウム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakoge
TM C−300,ヘキサン)に付し、(2R,4R)
−N−tert−ブトキシカルボニル−4−tert−
ブチルジメチルシロキシ−2−[2−(p−ニトロベン
ジルオキシカルボニルアミノ)エチル]ピロリジン
(2.10g,収率:80%)を得た。
【0111】IR(KBr)cm-1:2940,173
0,1690,1525,1400,1350,125
5,1165,840,775 NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.
86(9H,s),1.45(9H,s),1.5−
1.8(3H,m),2.0(1H,m),2.9−
3.5(4H,m),4.05(1H,m),4.34
(1H,m),5.10(2H,m),6.10(1
H,br s),7.52(2H,d,J=9Hz),
8.22(2H,d,J=9Hz) 2)
【0112】
【化29】 前記反応で得られた化合物(3.39g,6.47mm
ol)のメタノール溶液(65ml)に10%パラジウ
ム炭素(350mg)を加え、常圧水素気流下、室温で
2時間撹拌した。更に10%パラジウム炭素(350m
g)を追加し、常圧水素気流下、室温で1時間撹拌し
た。触媒を濾去し、濾液を減圧下で溶媒留去して粗アミ
ンを得た。
【0113】窒素気流下、氷冷下で、この粗アミンの塩
化メチレン溶液(20ml)にトリエチルアミン(1.
2ml,8.61mmol)、次いでクロロ炭酸アリル
(0.82ml,7.73mmol)を滴下し、同温度
で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(200ml)
を加え、水、1N硫酸水素カリウム水溶液、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去
した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(WakogelTM C−300,ヘキサン−酢酸エチ
ル)に付し、(2R,4R)−2−[2−(N−アリル
オキシカルボニルアミノ)エチル]−N−tert−ブ
トキシカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロ
キシピロリジン(1.96g,収率:71%)を得た。
【0114】IR(KBr)cm-1:3350,293
0,1725,1695,1510,1395,125
5,1165,1120,835,775 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.46(9H,s),1.55−
1.85(3H,m),1.9−2.1(1H,m),
2.9−3.55(4H,m),3.9−4.15(1
H,m),4.36(1H,m),4.58(2H,
m),5.15−5.4(2H,m),5.75−6.
10(2H,m) 3)
【0115】
【化30】 前記反応で得られた化合物(1.17g,2.73mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)に1.0
Mフッ化テトラブチルアンモニウム−テトラヒドロフラ
ン溶液(3.3ml,3.30mmol)を加え、室温
で1時間撹拌した。減圧下で溶媒留去した後、残渣に酢
酸エチル(150ml)を加え、水、1N硫酸水素カリ
ウム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去し、脱シリル体
を得た。
【0116】この脱シリル体にトリフルオロ酢酸(5m
l)を加え、室温で10分間撹拌した。減圧下でトリフ
ルオロ酢酸を留去した後、数回、ベンゼンを加えて留去
して粗アミンを得た。
【0117】この粗アミンのジオキサン(4.5ml)
−水(1.5ml)混合溶液に炭酸水素ナトリウム
(2.30g,27.38mmol)、次いでS−p−
ニトロベンジルオキシカルボニル−4,6−ジメチル−
2−メルカプトピリミジン(880mg,2.76mm
ol)を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に酢酸エチ
ル(70ml)を加え、水、1N硫酸水素カリウム水溶
液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩
水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧
下で溶媒留去してN保護体を得た。
【0118】窒素気流下、氷冷下で、このN保護体のテ
トラヒドロフラン溶液(10ml)にトリエチルアミン
(0.84ml,6.03mmol)、次いで塩化メタ
ンスルホニル(0.46ml,5.94mmol)を滴
下し、同温度で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル
(60ml)を加え、水、1N硫酸水素カリウム水溶
液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩
水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧
下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(WakogelTM C−300,ヘキサン
−酢酸エチル)に付し、(2R,4R)−2−[2−
(N−アリルオキシカルボニルアミノ)エチル]−4−
メタンスルホニルオキシ−N−p−ニトロベンジルオキ
シカルボニルピロリジン(1.03g,収率:80%)
を得た。
【0119】IR(KBr)cm-1:3370,169
5,1550,1525,1405,1350,126
0,1175,1120,965,920,910 NMR(CDCl3)δ:1.5−2.1(4H,
m),2.5(1H,m),2.95−3.3(1H,
m),3.03(3H,s),3.36(1H,m),
3.58(1H,m),3.9−4.3(2H,m),
4.56(2H,m),5.0−5.5(5H,m),
5.9(1H,m),7.54(2H,d,J=9H
z),8.24(2H,d,J=9Hz) 4)
【0120】
【化31】 前記反応で得られた化合物(1.03g,2.18mm
ol)を用いて、参考例1−5)と同様の反応を行い、
(2R,4S)−4−アセチルチオ−2−[2−(N−
アリルオキシカルボニルアミノ)エチル]−N−p−ニ
トロベンジルオキシカルボニルピロリジン(890m
g,収率:90%)を得た。
【0121】NMR(CDCl3)δ:1.55−2.
15(4H,m),2.34(3H,s),2.6(1
H,m),2.9−3.5(3H,m),3.7−4.
25(2H,m),4.57(2H,m),5.05−
5.55(5H,m),5.32(1H,m),7.5
4(2H,d,J=9Hz),8.26(2H,d,J
=9Hz) 5)
【0122】
【化32】 窒素気流下、前記反応で得られた化合物(890mg,
2.12mmol)のメタノール溶液(85ml)に1
N水酸化ナトリウム水溶液(2.2ml,2.20mm
ol)を滴下し、室温で15分間撹拌した。1N塩酸
(2.4ml,2.40mmol)を加え、酸性とした
後、減圧下でメタノールを留去した。残渣に酢酸エチル
(80ml)を加え、水、飽和食塩水の順で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去して粗
チオールを得た。
【0123】窒素気流下、粗チオールのN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶液(7ml)にクロロトリフェニルメ
タン(650mg,2.33mmol)を加え、50℃
で一夜撹拌した。反応液を水(150ml)に注ぎ、酢
酸エチルで抽出した(50ml×1,20ml×2)。
有機層を合わせて、水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wako
gelTM C−300,ヘプタン−酢酸エチル)に付
し、(2R,4S)−2−[2−(N−アリルオキシカ
ルボニルアミノ)エチル]−N−p−ニトロベンジルオ
キシカルボニル−4−トリフェニルメチルチオピロリジ
ン(800mg,収率:65%)を得た。
【0124】IR(KBr)cm-1:3420,170
0,1610,1525,1405,1345,125
0,1110,745,700 NMR(CDCl3)δ:1.5−2.4(4H,
m),2.5−3.45(4H,m),3.6−4.0
5(2H,m),4.55(2H,m),4.9−5.
5(4H,m),5.5−6.0(2H,m),7.0
−7.55(17H,m),8.25(2H,d,J=
9Hz) 6)
【0125】
【化33】 窒素気流下、前記反応で得られた化合物(890mg,
1.37mmol)の塩化メチレン溶液(14ml)に
水(0.06ml,3.33mmol)を加え、脱気し
た後、氷冷し、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(II)(20mg,0.028mmol)、
次いで水素化トリブチルすず(2.2ml,8.18m
mol)を加え、同温度で10分間、室温で30分間撹
拌した。更に氷冷下で、水素化トリブチルすず(2.2
ml,8.18mmol)を追加し、同温度で10分
間、室温で30分間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(50ml)に注ぎ、塩化メチレンで抽
出した(50ml×3)。有機層を合わせ、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel
TM C−300,クロロホルム−メタノール)に付し、
(2R,4S)−2−(2−アミノエチル)−N−p−
ニトロベンジルオキシカルボニル−4−トリフェニルメ
チルチオピロリジン(640mg,収率:83%)を得
た。
【0126】IR(KBr)cm-1:3420,337
0,1695,1605,1520,1400,134
5,1105,850,740,695 NMR(CDCl3)δ:1.2−1.7(2H,
m),1.62(2H,br s),1.8−2.4
(2H,m),2.4−3.0(4H,m),3.32
(1H,m),3.77(1H,m),5.11(2
H,m),7.0−7.7(17H,m),8.26
(2H,d,J=8Hz) 7)
【0127】
【化34】 氷冷下、前記反応で得られた化合物(350mg,0.
624mmol)のアセトニトリル溶液(2ml)に3
7%ホルマリン(0.25ml)を加え、シアノ水素化
ホウ素ナトリウム(80mg,1.27mmol)、次
いで酢酸(0.035ml,0.611mmol)を加
え、同温度で30分間、室温で一夜撹拌した。反応液に
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加え、塩
化メチレンで抽出した(20ml×3)。有機層を合わ
せて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留
去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(WakogelTM C−300,クロロホルム−メタ
ノール)に付し、標記化合物(220mg,収率:59
%)を得た。
【0128】IR(KBr)cm-1:3430,170
0,1610,1525,1405,1345,111
0,740,700 NMR(CDCl3)δ:1.15−2.4(4H,
m),2.4−3.1(4H,m),2.51および
2.66(6H,それぞれs),3.2−3.7(2
H,m),5.12(2H,m),7.0−7.6(1
7H,m),8.28(2H,d,J=8Hz) 参考例3(2R,4S)−4−アセチルチオ−2−[3−(N−
メチル−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)プロピル]−N−p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニルピロリジン 1)
【0129】
【化35】 (2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[(E)
−2−エトキシカルボニルビニル]ピロリジン(20
g,50mmol)のエタノール溶液(500ml)に
10%パラジウム炭素(5g)を加え、常圧水素気流
下、室温で2時間撹拌した。更に10%パラジウム炭素
(2g)を加え、常圧水素気流下、室温で1.5時間撹
拌した。触媒を濾去し、減圧下で溶媒を留去した後、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakog
elTM C−300,ペプタン−酢酸エチル)に付し、
(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−(2−エ
トキシカルボニルエチル)ピロリジン(15.62g,
収率:78%)を得た。
【0130】IR(KBr)cm-1:2930,173
5,1695,1390,1365,1250,117
0,1110,835,775 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.26(3H,t,J=7H
z),1.46(9H,s),1.6−1.85(2
H,m),1.85−2.2(2H,m),2.2−
2.4(2H,m),3.25−3.55(2H,
m),3.95(1H,m),4.14(2H,q,J
=7Hz),4.35(1H,m) 2)
【0131】
【化36】 窒素気流下、前記反応で得られた化合物(770mg,
1.92mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5m
l)に塩化リチウム(170mg,4.01mmo
l)、次いで水素化ホウ素ナトリウム(150mg,
3.97mmol)を加え、エタノール(5ml)を加
え、室温で3日間撹拌した。氷冷下、反応液に10%く
えん酸水溶液を加えて酸性とした後、有機溶媒を留去し
た。濃縮液を酢酸エチルで抽出し(20ml×3)、有
機層を合わせて、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去した後、残
渣をシリカゲルカラムマトグラフィー(Wakogel
TM C−300,ヘキサン−酢酸エチル)に付し、(2
R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−
tert−ブチルジメチルシロキシ−2−(3−ヒドロ
キシプロピル)ピロリジン(630mg,収率:91
%)を得た。
【0132】IR(KBr)cm-1:3440,293
0,1695,1680,1400,1365,125
5,1160,1120,1070,840,780 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
87(9H,s),1.46(9H,s),1.35−
2.05(7H,m),3.37(2H,m),3.6
8(2H,m),3.95(1H,m),4.35(1
H,m) 3)
【0133】
【化37】 窒素気流下、氷冷下で、前記反応で得られた化合物(5
80mg,1.61mmol)のテトラヒドロフラン溶
液(5ml)に、トリエチルアミン(0.45ml,
3.23mmol)、次いで塩化メタンスルホニル
(0.25ml,3.23mmol)を滴下し、同温度
で10分間、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチ
ル(100ml)を加え、1N硫酸水素カリウム水溶
液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩
水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧
下で溶媒留去して、粗メシラートを得た。
【0134】この粗メシラートのジメチルスルホキシド
溶液(5ml)にアジ化ナトリウム(350mg,5.
38mmol)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応
液を水(50ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3
0ml×1,20ml×2)。有機層を合わせて、水、
飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下に溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(WakogelTM C−300,
ヘキサン−酢酸エチル)に付し、(2R,4R)−2−
(3−アジドプロピル)−N−tert−ブトキシカル
ボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリ
ジン(500mg,収率:81%)を得た。
【0135】IR(KBr)cm-1:3450,293
0,2100,1700,1395,1365,125
5,1160,1115,835,775 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.46(9H,s),1.35−
2.05(6H,m),3.2−3.5(4H,m),
3.90(1H,m),4.32(1H,m) 4)
【0136】
【化38】 前記反応で得られた化合物(15.25g,39.65
mmol)のメタノール溶液(400ml)に10%パ
ラジウム炭素(3g)を加えて、常圧水素気流下、室温
で1時間撹拌した。触媒を濾去した後、減圧下で溶媒留
去して粗アミンを得た。
【0137】この粗アミンのジオキサン溶液(100m
l)にS−tert−ブトキシカルボニル−4,6−ジ
メチル−2−メルカプトピリミジン(10g,41.6
1mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。反応液に
酢酸エチル(600ml)を加え、1N硫酸水素カリウ
ム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(WakogelTM
C−300,ヘプタン−酢酸エチル)に付し、(2
R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−2−
[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピ
ル]−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリジ
ン(16.19g,収率:89%)を得た。
【0138】IR(KBr)cm-1:3350,293
0,1695,1520,1455,1390,136
5,1250,1170,840,775 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.2−1.4(2H,m),1.
43(9H,s),1.45(9H,s),1.6−
2.1(4H,m),3.13(2H,m),3.25
−3.5(2H,m),3.89(1H,m),4.3
2(1H,m),4.5−4.8(1H,br) 5)
【0139】
【化39】 前記反応で得られた化合物(16.19g,35.29
mmol)を用いて、参考例1−2)と同様の反応を行
い、(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニ
ル−2−[3−(N−tert−ブトキシカルボニル−
N−メチルアミノ)プロピル]−4−tert−ブチル
ジメチルシロキシピロリジン(15.49g,収率:9
3%)を得た。
【0140】IR(KBr)cm-1:2930,169
5,1395,1365,1255,1165,83
5,775 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
87(9H,s),1.2−1.4(2H,m),1.
45(18H,s),1.6−2.1(4H,m),
2.85(3H,s),3.1−3.5(4H,m),
3.90(1H,m),4.32(1H,m) 6)
【0141】
【化40】 前記反応で得られた化合物(15.49g,32.77
mmol)を用いて、参考例1−3)と同様の反応を行
い、(2R,4R)−4−ヒロドキシ−2−[3−(N
−メチル−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルア
ミノ)プロピル]−N−p−ニトロベンジルオキシカル
ボニルピロリジン(15.65g,収率:92%)を得
た。
【0142】IR(KBr)cm-1:3390,170
0,1670,1600,1515,1435,140
5,1340,1210,1150,850,735 NMR(CDCl3)δ:1.25−2.2(7H,
m),2.92(3H,s),3.31(2H,m),
3.48(1H,m),3.63(1H,m),4.0
5(1H,m),4.45(1H,m),5.21(4
H,s),7.51(4H,d,J=8Hz),8.2
1(4H,d,J=8Hz) 7)
【0143】
【化41】 前記反応で得られた化合物(15.65g,30.30
mmol)を用いて、参考例1−4)および5)と同様
の反応を行い、標記化合物(14.30g,収率:82
%)を得た。
【0144】IR(KBr)cm-1:2940,170
0,1605,1520,1400,1345,120
0,1105,855,765,735,625 NMR(CDCl3)δ:1.3−2.15(6H,
m),2.34(3H,s),2.52(1H,m),
2.93(3H,s),3.18(1H,m),3.3
1(2H,m),3.88(1H,m),4.12(1
H,m),5.21(4H,s),7.51(4H,
d,J=9Hz),8.22(4H,d,J=9Hz) 参考例4(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
(アセチルアミノメチル)ピロリジン−4−イルチオ]
−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 1)
【0145】
【化42】 窒素気流下、氷冷下で、(2S,4R)−N−tert
−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメチル
シロキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン(1.66
g,5mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10m
l)に、トリエチルアミン(1.4ml,10mmo
l)を加え、次いで塩化メタンスルホニル(0.76m
l,9.82mmol)を滴下し、同温度で30分間撹
拌した。反応液を氷水(100ml)に注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出した(50ml×3)。有機層を合わせて、1
N硫酸水素カリウム水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去して、粗メシラー
トを得た。
【0146】この粗メシラートのジメチルスルホキシド
溶液(15ml)にアジ化ナトリウム(1.10g,1
5.94mmol)を加え、窒素気流下、70℃で2時
間撹拌した。反応液を、水(100ml)に注ぎ、酢酸
エチルで抽出した(50ml×3)。有機層を合わせて
水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。減圧下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(WakogelTM C−30
0,ヘプタン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−
2−アジドメチル−N−tert−ブトキシカルボニル
−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリジン
(1.19g,収率:67%)を得た。
【0147】IR(KBr)cm-1:2940,211
0,1700,1395,1365,1255,116
5,1120,840,775 NMR(CDCl3)δ:0.07(6H,s),0.
86(9H,s),1.47(9H,s),1.96
(2H,m),3.2−3.6(4H,m),4.10
(1H,m),4.38(1H,m) 2)
【0148】
【化43】 前記反応で得られた化合物(1.19g,3.34mm
ol)のメタノール溶液(33ml)に10%パラジウ
ム炭素(240mg)を加えて、常圧水素気流下、室温
で1時間撹拌した。触媒を濾去し、減圧下で溶媒留去し
て粗アミンを得た。
【0149】窒素気流下、氷冷下で、この粗アミンの塩
化メチレン溶液(10ml)にトリエチルアミン(0.
94ml,6.74mmol)を加え、次いで無水酢酸
(0.64ml,6.78mmol)を滴下し、同温度
で1時間撹拌した。反応液を水(100ml)に注ぎ、
酢酸エチルで抽出した(100ml×1,30ml×
2)。有機層を合わせて、1N硫酸水素カリウム水溶
液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩
水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧
下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(WakogelTM C−300,ヘプタン
−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−2−アセチル
アミノメチル−N−tert−ブトキシカルボニル−4
−tert−ブチルジメチルシロキシピロリジン(1.
18g,収率:95%)を得た。
【0150】IR(KBr)cm-1:2920,169
5,1655,1550,1395,1360,125
0,1160,1115,835,770 NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.
86(9H,s),1.47(9H,s),1.6−
1.9(2H,m),1.98(3H,s),3.12
(1H,m),3.25−3.55(3H,m),4.
11(1H,m),4.33(1H,m),7.52
(1H,br s) 3)
【0151】
【化44】 前記反応で得られた化合物(1.15g,3.09mm
ol)をトリフルオロ酢酸(10ml)に溶解し、室温
で一夜撹拌した。減圧下でトリフルオロ酢酸を留去し、
数回、ベンゼンを加えて留去し、粗アミノアルコールを
得た。
【0152】この粗アミノアルコールのジオキサン
(7.5ml)−水(2.5ml)混合溶液に、炭酸水
素ナトリウム(2.6g,30.9mmol)、次いで
4,6−ジメチル−2−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルチオ)ピリミジン(990mg,3.10mm
ol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に酢酸エ
チル(150ml)を加え、水、1N硫酸水素カリウム
水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和
食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下で溶媒留去して粗アルコールを得た。
【0153】窒素気流下、氷冷下で、この粗アルコール
のテトラヒドロフラン溶液(10ml)にトリエチルア
ミン(0.86ml,6.17mmol)、次いで塩化
メタンスルホニル(0.48ml,6.20mmol)
を滴下し、同温度で30分間撹拌した。反応液に酢酸エ
チル(150ml)を加え、水、1N硫酸水素カリウム
水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和
食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(WakogelTM C−300,クロ
ロホルム−メタノール)に付し、(2S,4R)−2−
アセチルアミノメチル−4−メタンスルホニルオキシ−
N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルピロリジン
(740mg,収率:58%)を得た。
【0154】IR(KBr)cm-1:3400,170
0,1660,1520,1430,1400,134
0,1170,1110,955,900 NMR(CDCl3)δ:1.80(1H,s),1.
95−2.2(1H,m),1.98(3H,s),
2.47(1H,dd,J=8,14Hz),3.05
(3H,s),3.2−3.45(1H,m),3.4
5−3.8(2H,m),4.0−4.25(2H,
m),5.15−5.35(2H,m),6.82(1
H,br s),7.54(2H,d,J=9Hz),
8.25(2H,d,J=9Hz) 4)
【0155】
【化45】 前記反応で得られた化合物(690mg,1.66mm
ol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(7ml)
にチオ酢酸カリウム(380mg,3.33mmol)
およびヨウ化ナトリウム(370mg,2.47mmo
l)を加え、窒素気流下、70℃で3時間撹拌した。反
応液を氷水(150ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た(100ml×1,50ml×2)。有機層を合わせ
て、10%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒
留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(WakogelTM C−300,ヘプタン−酢酸エ
チル)に付し、(2S,4S)−2−アセチルアミノメ
チル−4−アセチルチオ−N−p−ニトロベンジルオキ
シカルボニルピロリジン(560mg,収率:85%)
を得た。
【0156】IR(KBr)cm-1:3330,170
0,1680,1640,1520,1425,134
5,1200,1125,1105,630 NMR(CDCl3)δ:1.55−1.9(1H,
m),1.96(3H,s),2.34(3H,s),
2.58(1H,m),3.1−3.45(2H,
m),3.63(1H,m),3.88(1H,m),
3.95−4.25(2H,m),5.25(2H,
s),6.99(1H,br s),7.54(2H,
d,J=9Hz),8.25(2H,d,J=9Hz) 5)
【0157】
【化46】 前記反応で得られた化合物(270mg,0.683m
mol)およびp−ニトロベンジル (1R,5S,6
S)−2−ジフェノキシホスホリルオキシ−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(430
mg,0.723mmol)を用いて、実施例1−1)
と同様の反応を行い、p−ニトロベンジル (1R,5
S,6S)−2−[(2S,4S)−2−アセチルアミ
ノメチル−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルピ
ロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロ
キシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボキシラート(420mg,収率:88%)
を得た。
【0158】IR(KBr)cm-1:3400,177
0,1700,1660,1520,1345,120
0,1105 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,d,J=7
Hz),1.36(3H,d,J=6Hz),1.6−
2.15(2H,m),1.96(3H,s),2.5
9(1H,m),3.2−3.45(4H,m),3.
45−3.85(2H,m),3.9−4.2(2H,
m),4.2−4.3(2H,m),5.1−5.55
(4H,m),6.87(1H,br s),7.45
−7.75(4H,m),8.15−8.3(4H,
m) 6)
【0159】
【化47】 前記反応で得られた化合物(370mg,0.530m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行い
標記化合物(130mg,収率:64%)を得た。
【0160】IR(KBr)cm-1:3400,175
5,1660,1600,1550,1390,128
5 NMR(D2O)δ:1.14(3H,d,J=7H
z),1.21(3H,d,J=6Hz),1.66
(1H,m),1.96(3H,m),2.65(1
H,m),3.1−3.45(3H,m),3.45−
3.7(3H,m),3.7−4.05(2H,m),
4.05−4.3(2H,m) UVλmax(0.1M 3−モルホリノプロパンスルホ
ン酸緩衝液,pH7.0):298nm(ε=8,80
0)
【0161】
【発明の効果】本発明の化合物は、文献未記載の新規化
合物であり、感受性・耐性のグラム陽性菌およびグラム
陰性菌に対する強い抗菌力、β−ラクタマーゼおよびD
HP−Iに対する優れた安定性を有するので、抗菌剤と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 収 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 三友 隆司 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 山本 克巳 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 山田 耕司 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 深津 弘 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、Xは基:−N(R3)R4(ここにおい
    て、R3は低級アルキル基、R4は水素原子または低級ア
    ルキル基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R
    7(ここにおいて、R5、R6およびR7は同一または異な
    って、低級アルキル基を示す)、nは2ないし4の整数
    を示す]で表される化合物またはその医薬として許容さ
    れる塩またはエステル。
  2. 【請求項2】一般式[I]で表される化合物の立体配置
    が、(5R,6S,8R)または(1R,5S,6S,
    8R)である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1がメチル基である請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒド
    ロキシエチル]−2−[(2R,4S)−2−[2−
    (メチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イルチオ]
    −1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(1
    R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
    ル]−1−メチル−2−[(2R,4S)−2−[2−
    (メチルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イルチオ]
    −1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(5
    R,6S)−2−[(2R,4S)−2−[2−(ジメ
    チルアミノ)エチル]ピロリジン−4−イルチオ]−6
    −[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン
    −2−エム−3−カルボン酸、(1R,5S,6S)−
    2−[(2R,4S)−2−[2−(ジメチルアミノ)
    エチル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−
    1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン
    −2−エム−3−カルボン酸、(5R,6S)−6−
    [(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[(2R,4
    S)−2−[3−(メチルアミノ)プロピル]ピロリジ
    ン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−
    カルボン酸または(1R,5S,6S)−6−[(R)
    −1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2
    R,4S)−2−[3−(メチルアミノ)プロピル]ピ
    ロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム
    −3−カルボン酸である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】一般式 【化2】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R8は水素原子
    または水酸基の保護基、R20は水素原子またはカルボキ
    シル基の保護基を示す]で表される化合物またはその反
    応性誘導体と一般式 【化3】 [R9は水素原子またはイミノ基の保護基、X1は基:−
    N(R3)R40(ここにおいて、R3は低級アルキル基、
    40は水素原子、低級アルキル基またはイミノ基の保護
    基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R7(ここに
    おいて、R5、R6およびR7は同一または異なって、低
    級アルキル基を示す)、nは2ないし4の整数を示す]
    で表される化合物とを反応させて、一般式 【化4】 [式中、R1、R8、R9、R20、X1およびnは前記の意
    味を有する]で表される化合物とし、要すれば、一般式
    [IV]の化合物の保護基を除去することを特徴とす
    る、一般式 【化5】 [式中、R2は水素原子または陰電荷、Xは基:−N
    (R3)R4(ここにおいて、R4は水素原子または低級
    アルキル基を示し、R3は前記の意味を有する)または
    基:−N+(R5)(R6)R7(ここにおいて、R5、R6
    およびR7は前記の意味を有する)を示し、R1およびn
    は前記の意味を有する]で表される化合物またはその医
    薬として許容される塩またはエステルの製造法。
  6. 【請求項6】一般式 【化6】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、Xは基:−N(R3)R4(ここにおい
    て、R3は低級アルキル基、R4は水素原子または低級ア
    ルキル基を示す)または基:−N+(R5)(R6)R
    7(ここにおいて、R5、R6およびR7は同一または異な
    って、低級アルキル基を示す)、nは2ないし4の整数
    を示す]で表される化合物またはその医薬として許容さ
    れる塩またはエステルを有効成分とする抗菌剤。
JP4337779A 1991-11-27 1992-11-26 アルキルアミノアルキルピロリジニルチオカルバペネム誘導体 Pending JPH05255332A (ja)

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