JPH05213954A - 2−(2−置換ピロリジニルチオ)カルバペネム誘導体 - Google Patents

2−(2−置換ピロリジニルチオ)カルバペネム誘導体

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JPH05213954A
JPH05213954A JP4206085A JP20608592A JPH05213954A JP H05213954 A JPH05213954 A JP H05213954A JP 4206085 A JP4206085 A JP 4206085A JP 20608592 A JP20608592 A JP 20608592A JP H05213954 A JPH05213954 A JP H05213954A
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JP
Japan
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methyl
hydroxyethyl
carbapene
ylthio
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Application number
JP4206085A
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English (en)
Inventor
Susumu Nakagawa
晋 中川
Kenichi Otake
憲一 大嶽
Shigemitsu Okada
茂満 岡田
Ryosuke Ushijima
良輔 牛嶋
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 次式 [式中、R1はH,CH3;R2はH、陰電荷;R3はH、
低級アルキル基;R4,R5,R6はH,CN,SO2CH
3,(置換)低級アルキル基、(置換)カルバモイル基
または基、−X−N(R7)R8{但しR7,R8はH、
(置換)低級アルキル基またはR7およびR8が隣接する
窒素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい
複素環基を形成し、Xは(置換)低級アルキレン基}を
示し、それらの少なくとも一方は基:−X−N(R7
8(R7,R8およびXは前記の意味を有する)、Yは
低級アルキレン基または単結合を示す]で表される化合
物またはその医薬として許容される塩またはエステル、
その製造法および抗菌剤。 【効果】 上記化合物は、感受性・耐性のグラム陽性菌
およびグラム陰性菌に対する強い抗菌力、β−ラクタマ
ーゼおよびDHP−Iに対する優れた安定性を有し、抗
菌剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なカルバペネム
(7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]へプタ
−2−エン−2−カルボン酸)化合物、該化合物を有効
成分として含有する抗菌剤および該化合物の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ペニシリン類およびセファロスポ
リン類と同じβ−ラクタム環を持ちながら、これらと基
本骨格の異なった新規なβ−ラクタム抗生物質が次々と
天然から発見されている。
【0003】例えば、ストレプトミセス カトレア(S
treptomyces cattleya)の醗酵よ
り単離されたチエナマイシン(thienamyci
n)[ジャ−ナル オブ ジ アメリカン ケミカル
ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第10
0巻、6491頁(1978年)]のような天然由来の
カルバペネム化合物が挙げられる。チエナマイシンは、
グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して、広範囲にわ
たり優れた抗菌スペクトルと強い抗菌力を有し、有用性
の高いβ−ラクタム剤としての開発が期待された。しか
しながら、チエナマイシンそのものが化学的に不安定で
あり、またある種の生体内酵素、例えば腎デヒドロペプ
チダーゼI(以下、DHP−Iと略す)により分解され
て、その抗菌活性の効力を減じ、尿中回収率が低いこと
が報告されている[アンチミクロビアル アジェンツ
アンド ケモテラピィ(Antimicrob.Age
nts Chemother.)、第22巻、62頁
(1982年);同、第23巻、300頁(1983
年)]。
【0004】メルク(Merck)社では、チエナマイ
シンの優れた抗菌活性を維持し、かつ、その化学的安定
性の確保を狙って、数多くのチエナマイシン類縁体を合
成した。その結果、チエナマイシンのアミノ基をホルム
イミドイル化したイミペネム[Imipenem:(5
R,6S,8R)−3−[[2−(ホルムイミドイルア
ミノ)エチル]チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)
−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ
−2−エン−2−カルボン酸・1水和物;ジャーナル
オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Ch
em.)、第22巻、1435頁(1979年)]が医
薬品としての実用化に至った。
【0005】イミペネムは、種々の菌種に対してチエナ
マイシンと同程度以上の抗菌活性およびβ−ラクタマー
ゼ抵抗性を保持し、特に緑膿菌に対しては、その抗菌作
用が2〜4倍優れている。また、イミペネムの水溶液お
よび固体としての安定性は、チエナマイシンに較べ著し
く改善された。
【0006】しかしながら、イミペネムはチエナマイシ
ン同様、人の腎臓でDHP−Iにより分解されるため、
尿路感染症に使用できないだけでなく、分解産物による
腎毒性を示す。そのためにイミペネムは、単独で投与す
ることができず、シラスタチン(cilastati
n)のようなDHP−I阻害剤と併用しなければならな
い[ジャーナル オブ アンチミクロビアル ケモテラ
ピィ(J.Antimicrob.Chemothe
r.)、第12巻(Suppl D)、1頁(1983
年)]。また、近年、イミペネムは感染症の治療および
予防に頻繁に使用され、イミペネムに耐性なメチシリン
高度耐性黄色ブドウ球菌やイミペネム耐性緑膿菌が臨床
の場で増加しつつあり、これら耐性菌にイミペネムは充
分な治療効果を示していない。
【0007】本発明に最も類似する先行技術としては、
欧州公開特許第411664号公報が挙げられる。該公
報には、(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)
−2−[(E)−2−(アミノカルボニル)ビニル]ピ
ロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロ
キシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸(化合物番号145、実施例3の化合
物;以下、BO−2171と略す)を代表化合物とす
る、カルバペネム骨格の2位に、2−[2−(アミノカ
ルボニル)ビニル]ピロリジン−4−イルチオ基を有す
るカルバペネム化合物が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】β−ラクタム抗生物質
は、細菌にのみ選択毒性を示し、動物細胞に対しては影
響を与えないことから、副作用の少ない抗生物質として
細菌による感染症の治療に広く使用され、有用性の高い
薬剤である。
【0009】しかしながら、近年、メチシリン高度耐性
黄色ブドウ球菌および耐性緑膿菌が免疫力の低下した患
者から難治性の感染症の起炎菌として、しばしば分離さ
れ、臨床上大きな問題になりつつある。従って、これら
の耐性菌に対する改善された抗菌力を有する抗菌剤の開
発、特にカルバペネム化合物においては、抗菌力の改
善、DHP−Iに対する安定性の改善、腎毒性の軽減、
中枢神経系に対する副作用の軽減等が強く望まれてい
る。
【0010】また欧州公開特許第411664号公報に
記載された化合物はDHP−Iに対して、良好な安定性
を有する。しかしながら、該化合物の前記のメチシリン
高度耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性およびDHP
−Iに対する安定性は充分ではない。従って、より優れ
た抗菌活性を有し、かつDHP−Iに対してより安定な
カルバペネム化合物が求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、優れた抗
菌力を有し、かつDHP−Iに耐性の新規なカルバペネ
ム化合物を提供することを目的とし、鋭意研究した。そ
の結果、カルバペネム骨格の2位に、一般式
【0012】
【化9】 [式中、R3は水素原子または低級アルキル基、R4、R
5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンスルホニル
基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基
を有していてもよいカルバモイル基または基:−X−N
(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8は同一または
異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよい
低級アルキル基またはR7およびR8が隣接する窒素原
子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原子、酸素原
子および硫黄原子からなる群より選ばれる複素原子と共
に3員ないし8員の置換されていてもよい複素環基を形
成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該複素環上の
他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基を形成して
いてもよい)、Xは置換基を有していてもよい低級アル
キレン基を示す}を示し、それらの少なくとも一方は
基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは前記の意
味を有する)、Yは低級アルキレン基または単結合を示
す]で表される基を有する本発明のカルバペネム化合物
は文献未記載の新規な化合物であり、黄色ブドウ球菌等
のグラム陽性菌および緑膿菌を含むグラム陰性菌に対し
て、強い抗菌力を有し、更にDHP−Iに対しても優れ
た安定性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0013】本発明は、一般式
【0014】
【化10】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
または陰電荷、R3は水素原子または低級アルキル基、
4、R5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンス
ルホニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル
基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または
基:−X−N(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8
は同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基またはR7およびR8が隣接
する窒素原子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる複
素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい複
素環基を形成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該
複素環上の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基
を形成していてもよい)、Xは置換基を有していてもよ
い低級アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくと
も一方は基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは
前記の意味を有する)、Yは低級アルキレン基または単
結合を示す]で表される化合物またはその医薬として許
容される塩またはエステル、その製造法および抗菌剤と
してのその用途に関する。
【0015】本明細書に記載された記号および用語につ
いて説明する。
【0016】本発明の化合物は基本構造
【0017】
【化11】 を有し、系統的に7−オキソ−1−アザビシクロ[3.
2.0]へプタ−2−エン−2−カルボン酸と呼ばれ
る。本明細書では、簡易化のために慣用的に広く使用さ
れているカルバペネムに基づく番号を付し、その基本構
造を1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸と記載
する。
【0018】
【化12】 本発明は、カルバペネム骨格の1位、5位、6位および
8位の不斉炭素原子に基づく光学異性体および立体異性
体を包含するが、これら異性体で好適な化合物は、チエ
ナマイシンのような立体配置を有する5R,6S配置
(5,6−トランス)で、かつ8位の炭素原子がR配置
の化合物である(5R,6S,8R)配置の化合物、ま
たは1位にメチル基を有する場合は(1R,5S,6
S,8R)配置の化合物を挙げることができる。
【0019】
【化13】 本発明は、2位側鎖の2−置換ピロリジン−4−イルチ
オ基についても、ピロリジン核の2位、4位および2位
側鎖の不斉炭素に基づく異性体を包含するが、これら異
性体で好適な化合物は(2’S,4’S)配置および
(2’R,4’R)配置の化合物を挙げることができ
る。
【0020】更には、ピロリジン核の2位に置換する側
鎖についても不斉炭素に基づく異性体が存在するが、本
発明は両異性体とも包含する。
【0021】低級アルキル基とは、炭素数1ないし6個
の直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチ
ル基、tert−ブチル基等が好適である。
【0022】置換基を有していてもよい低級アルキル基
とは、無置換の前記の低級アルキル基または前記の低級
アルキル基上の置換可能な任意の位置に少なくとも一つ
の置換基を有する低級アルキル基を示す。
【0023】低級アルキル基の置換基としては、例えば
カルバモイル基、ヒドロキシ基、アミノ基、トリフルオ
ロメチル基、カルバモイルオキシ基;メチルカルバモイ
ル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基等の前記の低級アルキル基
がモノ置換またはジ置換した低級アルキルカルバモイル
基;メチルカルバモイルオキシ基、エチルカルバモイル
オキシ基、ジメチルカルバモイルオキシ基、ジエチルカ
ルバモイルオキシ基等の前記の低級アルキル基がモノ置
換またはジ置換した低級アルキルカルバモイルオキシ
基;N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N
−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の前
記の低級アルキル基がモノ置換またはジ置換した低級ア
ルキルアミノ基;N−ホルミルアミノ基、N−アセチル
アミノ基等の低級アルカノイルアミノ基等が挙げられ
る。
【0024】置換基を有していてもよい低級アルキル基
の具体例としては、例えばカルバモイルメチル基、1−
カルバモイルエチル基、2−カルバモイルエチル基等の
カルバモイル低級アルキル基;ヒドロキシメチル基、1
−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基等のヒ
ドロキシ低級アルキル基;アミノメチル基、1−アミノ
エチル基、2−アミノエチル基等のアミノ低級アルキル
基;トリフルオロメチル基等のトリハロメチル基;カル
バモイルオキシメチル基、1−(カルバモイルオキシ)
エチル基、2−(カルバモイルオキシ)エチル基等のカ
ルバモイルオキシ低級アルキル基;(メチルカルバモイ
ル)メチル基、(エチルカルバモイル)メチル基、(ジ
メチルカルバモイル)メチル基、(ジエチルカルバモイ
ル)メチル基等の前記の低級アルキル基がモノ置換また
はジ置換したカルバモイル基を有する(低級アルキルカ
ルバモイル)低級アルキル基;(メチルカルバモイルオ
キシ)メチル基、(エチルカルバモイルオキシ)メチル
基、(ジメチルカルバモイルオキシ)メチル基、(ジエ
チルカルバモイルオキシ)メチル基等の前記の低級アル
キル基がモノ置換またはジ置換したカルバモイルオキシ
基を有する(低級アルキルカルバモイルオキシ)低級ア
ルキル基;トリフルオロメチルメチル基、1−(トリフ
ルオロメチル)エチル基、2−(トリフルオロメチル)
エチル基等のトリフルオロメチル低級アルキル基;N−
メチルアミノメチル基、N−エチルアミノメチル基、
N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルア
ミノメチル基等の前記の低級アルキル基がモノ置換また
はジ置換したアミノ基を有する(低級アルキルアミノ)
低級アルキル基;N−ホルミルアミノメチル基、N−ア
セチルアミノメチル基等の(低級アルカノイルアミノ)
低級アルキル基等が挙げられる。
【0025】複素環基としては、例えばアジリジニル
基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、
ピペラジニル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ヘ
キサヒドロ−1H−アゼピニル基、オクタヒドロアゾシ
ニル基等の3員ないし8員の複素環基が挙げられる。更
には、前記の置換基を有していてもよい低級アルキル基
が結合し、Xに隣接する窒素原子または該複素環上の他
の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基を形成してい
てもよく、例えばN−メチルアジリジニオ基、N−メチ
ルアゼチジニオ基、N−メチルピロリジニオ基、N−メ
チルピペリジニオ基、1−メチルピペラジニオ基、4,
4−ジメチルピペラジニオ基、N−メチルモルホリニオ
基、N−メチルチオモルホリニオ基、N−メチル−ヘキ
サヒドロ−1H−アゼピニオ基、N−メチル−オクタヒ
ドロアゾシニオ基等が挙げられる。尚、該複素環基は複
素環上の置換可能な任意の位置に少なくとも1つの置換
基を有することができる。
【0026】複素環基の置換基としては、例えばカルバ
モイル基、シアノ基、メタンスルホニル基、アミノ基;
ホルミル基、アセチル基等の低級アルカノイル基;メチ
ルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカ
ルバモイル基、ジエチルカルバモイル基等の前記の低級
アルキル基がモノ置換またはジ置換した低級アルキルカ
ルバモイル基;N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ
基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミ
ノ基等の前記の低級アルキル基がモノ置換またはジ置換
したアミノ基;N−ホルミルアミノ基、N−アセチルア
ミノ基等の低級アルカノイルアミノ基および前記の置換
基を有していてもよい低級アルキル基等が挙げられる。
【0027】低級アルキレン基とは、炭素数1ないし6
個の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示し、例えば
メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1−メチルエ
チレン基、2−メチルエチレン基、メチルメチレン基、
ジメチルメチレン基、ブチレン基、1−メチルプロピレ
ン基、2−メチルプロピレン基、3−メチルプロピレン
基、1,1−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエ
チレン基等が挙げられ、中でも、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基等が好適である。
【0028】置換基を有していてもよい低級アルキレン
基とは、無置換の前記の低級アルキレン基または前記の
低級アルキレン基上の置換可能な任意の位置に少なくと
も一つの置換基を有する低級アルキレン基を示す。
【0029】低級アルキレン基の置換基としては、例え
ばカルバモイル基、シアノ基、メタンスルホニル基、ア
ミノ基;メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基
等の前記の低級アルキル基がモノ置換またはジ置換した
低級アルキルカルバモイル基;N−メチルアミノ基、N
−エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N
−ジエチルアミノ基等の前記の低級アルキル基がモノ置
換またはジ置換したアミノ基;N−ホルミルアミノ基、
N−アセチルアミノ基等の低級アルカノイルアミノ基お
よび前記の置換基を有していてもよい低級アルキル基等
が挙げられる。
【0030】置換基を有していてもよいカルバモイル基
とは、無置換のカルバモイル基またはメチルカルバモイ
ル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基等の前記の低級アルキル基
がモノ置換またはジ置換した低級アルキルカルバモイル
基を示す。
【0031】カルボキシル基の保護基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t
ert−ブチル基等の低級アルキル基;例えば2,2,
2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエ
チル基等のハロ置換低級アルキル基;例えばアセトキシ
メチル基、プロピオニルオキシメチル基、ピバロイルオ
キシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオ
ニルオキシエチル基等の低級アルカノイルオキシアルキ
ル基;例えば1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル
基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−
(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル基等の低級
アルコキシカルボニルオキシアルキル基;例えば2−プ
ロペニル基、2−クロロ−2−プロペニル基、3−メト
キシカルボニル−2−プロペニル基、2−メチル−2−
プロペニル基、2−ブテニル基、シンナミル基等の低級
アルケニル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジ
ル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビ
ス(p−メトキシフェニル)メチル基等のアラルキル
基;例えば(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキ
ソール−4−イル)メチル基等の(5−置換−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基;例え
ばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリ
ル基等の低級アルキルシリル基;インダニル基、フタリ
ジル基、メトキシメチル基等が挙げられ、特に2−プロ
ペニル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジ
ル基、ベンズヒドリル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基等が好ましい。
【0032】ヒドロキシ基の保護基としては、例えばト
リメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基
等の低級アルキルシリル基;例えばメトキシメチル基、
2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチ
ル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばベンジル
基、p−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベン
ジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル
基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、
アセチル基等のアシル基;例えばtert−ブトキシカ
ルボニル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の低級アル
コキシカルボニル基;例えば2−プロペニルオキシカル
ボニル基、2−クロロ−2−プロペニルオキシカルボニ
ル基、3−メトキシカルボニル−2−プロペニルオキシ
カルボニル基、2−メチル−2−プロペニルオキシカル
ボニル基、2−ブテニルオキシカルボニル基、シンナミ
ルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル
基;例えばベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシ
ベンジルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジルオキ
シカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
基等のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、特
に2−プロペニルオキシカルボニル基、p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基等が好ましい。
【0033】アミノ基またはイミノ基の保護基として
は、例えばベンジリデン基、p−クロロベンジリデン
基、p−ニトロベンジリデン基、サリチリデン基、α−
ナフチリデン基、β−ナフチリデン基等のアラルキリデ
ン基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、
3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル
基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビス
(p−メトキシフェニル)メチル基、トリチル基等のア
ラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基、オキサリル基、スクシニル基、ピ
バロイル基等の低級アルカノイル基;例えばクロロアセ
チル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、
トリフルオロアセチル基等のハロ置換低級アルカノイル
基;例えばフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基
等のアリールアルカノイル基;例えばメトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル
基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキ
シカルボニル基;例えば2−ヨードエトキシカルボニル
基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の
ハロ置換低級アルコキシカルボニル基;例えば2−プロ
ペニルオキシカルボニル基、2−クロロ−2−プロペニ
ルオキシカルボニル基、3−メトキシカルボニル−2−
プロペニルオキシカルボニル基、2−メチル−2−プロ
ペニルオキシカルボニル基、2−ブテニルオキシカルボ
ニル基、シンナミルオキシカルボニル基等のアルケニル
オキシカルボニル基;例えばベンジルオキシカルボニル
基、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカル
ボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;例えばト
リメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基
等の低級アルキルシリル基等が挙げられ、特に、2−プ
ロペニルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカル
ボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基等が
好ましい。
【0034】R4、R5およびR6は同一でも、異なって
いてもよく、水素原子、シアノ基、メタンスルホニル
基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基
を有していてもよいカルバモイル基または基:−X−N
(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8は同一または
異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよい
低級アルキル基またはR7およびR8が隣接する窒素原
子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原子、酸素原
子および硫黄原子からなる群より選ばれる複素原子と共
に3員ないし8員の置換されていてもよい複素環基を形
成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該複素環上の
他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基を形成して
いてもよい)、Xは置換基を有していてもよい低級アル
キレン基を示す}を示す。R4、R5およびR6は、それ
らの少なくとも一方は基:−X−N(R7)R8(ここに
おいて、R7、R8およびXは前記の意味を有する)であ
り、他方は水素原子、シアノ基、メタンスルホニル基、
置換基を有していてもよい低級アルキル基または置換基
を有していてもよいカルバモイル基を示す。即ち、本発
明の化合物は、R4、R5およびR6の少なくとも一方
が、第一級、第二級もしくは第三級のアミノ基またはア
ンモニオ基を有することを特徴とする。中でも、R5
たはR6が基:−(CH2n−N(R70)R80[ここに
おいて、R70およびR80は同一または異なって、水素原
子または低級アルキル基を示すか、R70およびR80は隣
接する窒素原子と共に3員ないし8員の複素環基を形成
し、nは1ないし4の整数を示す]である化合物がより
好適であり、更には、R5またはR6が基:−CH2−N
(R77)R88[ここにおいて、R77およびR88は同一ま
たは異なって、水素原子または低級アルキル基を示す
か、R77およびR88は隣接する窒素原子と共に4員ない
し6員の複素環基を形成する]である化合物、またはR
5およびR6が水素原子である化合物がより好ましく、特
に、R5またはR6が基:−CH2−NH2、−CH2−N
CH3または−CH2−N(CH32である化合物が好
適である。本発明は、R7およびR8に加えて、前記の置
換基を有していてもよい低級アルキル基が、Xに隣接す
る窒素原子に更に結合し、該窒素原子がアンモニオ基を
形成する場合も包含する。
【0035】R2は水素原子または陰電荷を示す。ピロ
リジン核の2位側鎖が、アンモニオ基を形成する場合、
2は陰電荷を示し、該アンモニウムイオンと対をなす
ことにより、一般式[I]の化合物は分子内塩を形成す
る。
【0036】Yは、低級アルキレン基または単結合を示
し、好ましくは、メチレン基または単結合であり、中で
も単結合がより好適である。
【0037】ここで、一般式[I]の化合物を具体的に
説明する。
【0038】一般式[I]の化合物は、一般式
【0039】
【化14】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
または陰電荷、R3は水素原子または低級アルキル基、
4、R5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンス
ルホニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル
基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または
基:−X−N(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8
は同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基またはR7およびR8が隣接
する窒素原子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる複
素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい複
素環基を形成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該
複素環上の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基
を形成していてもよい)、Xは置換基を有していてもよ
い低級アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくと
も一方は基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは
前記の意味を有する)を示す]で表される化合物または
その医薬として許容される塩またはエステルおよび一般
【0040】
【化15】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
または陰電荷、R3は水素原子または低級アルキル基、
4、R5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンス
ルホニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル
基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または
基:−X−N(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8
は同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基またはR7およびR8が隣接
する窒素原子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる複
素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい複
素環基を形成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該
複素環上の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基
を形成していてもよい)、Xは置換基を有していてもよ
い低級アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくと
も一方は基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは
前記の意味を有する)、Wは低級アルキレン基を示す]
で表される化合物またはその医薬として許容される塩ま
たはエステルに類別される。
【0041】一般式[I]の塩としては、医薬上許容さ
れる慣用的なものを意味し、カルバペネム骨格の3位の
カルボキシル基または2位側鎖のピロリジン塩基もしく
は該ピロリジン核に置換する側鎖上の塩基における塩類
を挙げることができる。
【0042】該カルボキシル基における塩基性付加塩と
しては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ
金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメ
チルアミン塩、トリエチルアミン塩;ジシクロヘキシル
アミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩等の脂肪族
アミン塩;例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミ
ン等のアラルキルアミン塩;例えばピリジン塩、ピコリ
ン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族ア
ミン塩;例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエ
チルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム
塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリ
ブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウ
ム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニ
ウム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩
等が挙げられる。
【0043】ピロリジン塩基または該ピロリジン核に置
換する側鎖上の塩基における酸付加塩としては、例えば
塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩、炭酸塩、炭酸水素
塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸
塩、りんご酸塩、くえん酸塩、アスコルビン酸塩等の有
機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、
ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の
スルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸
塩等の酸性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0044】一般式[I]の無毒性エステルとしては、
カルバペネム骨格の3位のカルボキシル基における医薬
上許容される慣用的なものを意味する。例えばアセトキ
シメチル基、ピバロイルオキシメチル基等のアルカノイ
ルオキシメチル基とのエステル、1−(エトキシカルボ
ニルオキシ)エチル基等のアルコキシカルボニルオキシ
アルキル基とのエステル、フタリジル基とのエステル、
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4
−イル)メチル基等の(5−置換−2−オキソ−1,3
−ジオキソール−4−イル)メチル基とのエステル等が
挙げられる。
【0045】一般式[I]の化合物の具体例としては、
例えば次の化合物が挙げられる。
【0046】表における略号の意味を以下に示す。 Ac:アセチル基 Et:エチル基 iPr:イソプロピル基 Me:メチル基 Pr:プロピル基
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】
【表11】
【0058】
【表12】
【0059】
【表13】
【0060】
【表14】
【0061】
【表15】
【0062】
【表16】
【0063】
【表17】
【0064】
【表18】
【0065】
【表19】
【0066】
【表20】
【0067】
【表21】
【0068】
【表22】
【0069】
【表23】
【0070】
【表24】
【0071】
【表25】
【0072】
【表26】
【0073】
【表27】
【0074】
【表28】
【0075】
【表29】
【0076】
【表30】
【0077】
【表31】
【0078】
【表32】
【0079】
【表33】
【0080】
【表34】
【0081】
【表35】 上記化合物中、好適な化合物は(1)、(2)、
(5)、(9)、(12)、(15)、(21)、(2
6)、(35)、(38)、(46)、(47)、(5
0)、(54)、(57)、(60)、(66)、(7
1)、(80)、(83)、(91)、(92)、(9
5)、(99)、(102)、(105)、(11
1)、(116)、(125)、(128)、(13
6)、(137)、(138)、(139)、(14
2)、(144)、(145)、(147)、(15
0)、(152)、(153)、(154)、(15
5)、(158)、(160)、(161)、(16
2)、(163)、(166)、(168)、(16
9)、(170)、(171)、(174)、(17
6)、(177)、(178)、(179)、(18
2)、(184)、(185)、(186)、(18
7)、(190)、(192)、(193)、(19
4)、(195)、(198)、(200)、(20
1)、(202)、(203)、(206)、(20
8)、(209)、(210)、(211)、(21
4)、(216)、(217)、(218)、(21
9)、(222)、(224)、(225)、(22
6)、(227)、(230)、(232)、(23
3)、(234)、(235)、(238)、(24
0)、(241)、(242)、(243)、(24
6)、(248)、(249)、(250)、(25
1)、(254)、(256)、(257)、(25
8)、(259)、(262)、(264)、(26
5)、(266)、(267)、(270)、(27
2)、(273)、(274)、(275)、(27
8)、(280)、(281)、(282)、(28
3)、(286)、(288)、(289)、(29
0)、(291)、(294)、(296)、(29
7)、(298)、(299)、(302)、(30
4)、(305)、(306)、(307)、(31
0)、(312)、(313)、(314)、(31
5)、(318)、(320)、(321)、(32
2)、(323)、(326)、(328)、(32
9)、(330)、(331)、(334)、(33
6)、(337)、(338)、(339)、(34
2)、(344)、(345)、(346)、(34
7)、(350)、(352)、(353)、(42
6)、(427)、(428)、(429)、(43
0)、(431)、(432)、(433)または(4
34)の化合物であり、中でも、(1)(1R,5S,
6S)−2−[(2S,4S)−2−[[1−(アミノ
メチル)ビニル]ピロリジン−4−イルチオ]]−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(2)(1
R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−[1−
(N−メチルアミノメチル)ビニル]ピロリジン−4−
イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン
酸、(5)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4
S)−2−[1−(N,N−ジメチルアミノメチル)ビ
ニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1
−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−
2−エム−3−カルボン酸、(9)(1R,5S,6
S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メ
チル−2−[(2S,4S)−2−[1−(1−ピロリ
ジニルメチル)ビニル]ピロリジン−4−イルチオ]−
1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(12)
(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[1−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)ビニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸、(15)(1R,5S,6
S)−2−[(2S,4S)−2−[1−(4−カルバ
モイルメチル−1−ピペラジニルメチル)ビニル]ピロ
リジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸、(21)(1R,5S,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2S,4S)−2−[1−(N−メチルピロリジニ
オメチル)ビニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート、(2
6)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2
−[1−(4−カルバモイルメチル−1−メチルピペラ
ジニオメチル)ビニル]ピロリジン−4−イルチオ]−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート、
(38)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)
−2−[1−(N−カルバモイルメチル−1−ピロリジ
ニオメチル)ビニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6
−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート、(4
6)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2
−[(E)−3−アミノ−1−プロペニル]ピロリジン
−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸、(47)(1R,5S,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2S,4S)−2−[(E)−3−(N−メチルア
ミノ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(5
0)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2
−[(E)−3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−プ
ロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボン酸、(54)(1R,5
S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
1−メチル−2−[(2S,4S)−2−[(E)−3
−(1−ピロリジニル)−1−プロペニル]ピロリジン
−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸、(57)(1R,5S,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2S,4S)−2−[(E)−3−(4−メチル−
1−ピペラジニル)−1−プロペニル]ピロリジン−4
−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸、(60)(1R,5S,6S)−2−[(2S,
4S)−2−[(E)−3−(4−カルバモイルメチル
−1−ピペラジニル)−1−プロペニル]ピロリジン−
4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸、(66)(1R,5S,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2S,4S)−2−[(E)−3−(N−メチルピ
ロリジニオ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イル
チオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラ
ート、(71)(1R,5S,6S)−2−[(2S,
4S)−2−[(E)−3−(4−カルバモイルメチル
−1−メチルピペラジニオ)−1−プロペニル]ピロリ
ジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボキシラート、(83)(1R,5S,6S)−
2−[(2S,4S)−2−[(E)−3−(N−カル
バモイルメチル−1−ピロリジニオ)−1−プロペニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボキシラート、(91)(1R,5
S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(Z)−3
−アミノ−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メ
チル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(92)(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒ
ドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)
−2−[(Z)−3−(N−メチルアミノ)−1−プロ
ペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸、(95)(1R,5S,
6S)−2−[(2S,4S)−2−[(Z)−3−
(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロペニル]ピロリ
ジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸、(99)(1R,5S,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2S,4S)−2−[(Z)−3−(1−ピロリジ
ニル)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(10
2)(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロ
キシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2
−[(Z)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−
1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カ
ルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(105)(1
R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−(4−カルバモイルメチル−1−ピペラ
ジニル)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メ
チル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(111)(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
S)−2−[(Z)−3−(N−メチルピロリジニオ)
−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート、(11
6)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2
−[(Z)−3−(4−カルバモイルメチル−1−メチ
ルピペラジニオ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−
イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキ
シラート、(128)(1R,5S,6S)−2−
[(2S,4S)−2−[(Z)−3−(N−カルバモ
イルメチル−1−ピロリジニオ)−1−プロペニル]ピ
ロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロ
キシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボキシラート、(224)(1R,5S,6
S)−2−[(2S,4S)−2−[(E)−3−アミ
ノ−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン−4−イ
ルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン
酸、(225)(1R,5S,6S)−6−[(R)−
1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−
[(E)−3−(N−メチルアミノ)−2−メチル−1
−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−メチ
ル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(3
04)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−
2−[(Z)−3−アミノ−2−メチル−1−プロペニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸、(305)(1R,5S,6
S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
[(2S,4S)−2−[(Z)−3−(N−メチルア
ミノ)−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン−4
−イルチオ]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸、(352)(5R,6S)−2−
[(2S,4S)−2−[(E)−3−アミノ−1−プ
ロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸、(353)(5R,6S)−2−
[(2S,4S)−2−[(Z)−3−アミノ−1−プ
ロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸、(426)(5R,6S)−2−
[(2S,4S)−2−[[1−(アミノメチル)ビニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]]−6−[(R)−1
−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸、(427)(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4
S)−2−[(E)−3−(N−メチルアミノ)−1−
プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボン酸、(428)(5R,
6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
[(2S,4S)−2−[(Z)−3−(N−メチルア
ミノ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(42
9)(5R,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロ
ペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−
1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸、(430)(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4
S)−2−[(Z)−3−(1−ピロリジニル)−1−
プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボン酸、(431)(5R,
6S)−2−[(2S,4S)−2−[(E)−3−ア
ミノ−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン−4−
イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(43
2)(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエ
チル]−2−[(2S,4S)−2−[(E)−3−
(N−メチルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]
ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸、(433)(5R,6S)−2−
[(2S,4S)−2−[(Z)−3−アミノ−2−メ
チル−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボン酸または(434)(5
R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
2−[(2S,4S)−2−[(Z)−3−(N−メチ
ルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン
−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸であり、特に(91)(1R,5S,6S)−
2−[(2S,4S)−2−[(Z)−3−アミノ−1
−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(304)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−アミノ−2−メチル−1−プロペニル]
ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸または(305)(1R,5S,6
S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
[(2S,4S)−2−[(Z)−3−(N−メチルア
ミノ)−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン−4
−イルチオ]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸が好ましい。
【0082】次に本発明化合物の製造法について説明す
る。 一般式
【0083】
【化16】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R9は水素原子
またはヒドロキシ基の保護基、R20は水素原子またはカ
ルボキシル基の保護基を示す]で表される化合物に、不
活性有機溶媒中、塩基の存在下で活性化試薬を反応させ
て、一般式
【0084】
【化17】 [式中、R1 、R9およびR20は前記の意味を有し、Zは
脱離基を示す]で表される反応性誘導体[II’]に誘
導する。
【0085】上記反応で使用される不活性有機溶媒とし
ては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、アセトン、酢酸エチル、アセ
トニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
チルりん酸トリアミドまたは上記溶媒の混合物が挙げら
れ、特にアセトニトリル、ベンゼンが好ましい。
【0086】反応で使用される塩基としては、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチ
ルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチ
ルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)等の第3級脂
肪族アミン;例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリ
ジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン等
の芳香族アミンが挙げられ、特にN,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
【0087】反応で使用される活性化試薬としては、例
えばトリフルオロ酢酸無水物、メタンスルホン酸無水
物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエ
ンスルホン酸無水物等の酸無水物;例えばメタンスルホ
ニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、ジフ
ェニルクロロホスファート等の酸クロリドが挙げられ、
特にジフェニルクロロホスファートが好ましい。
【0088】一般式[II’]の基Zは脱離基を意味
し、例えばトリフルオロアセトキシ基、メタンスルホニ
ルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、
p−トルエンスルホニルオキシ基、ジフェノキシホスホ
リルオキシ基等が挙げられ、特にジフェノキシホスホリ
ルオキシ基が好ましい。
【0089】反応は一般式[II]の化合物1モルに対
して、塩基1〜3モル、好ましくは1〜1.5モル、活
性化試薬1〜1.2モルが使用される。
【0090】反応は−40〜50℃、好ましくは−20
〜20℃の温度範囲で行い、通常0.5〜3時間で定量
的に完結する。
【0091】反応終了後、常法に従って処理して、一般
式[II]の反応性誘導体[II’]が定量的に得られ
る。
【0092】反応性誘導体[II’]と一般式
【0093】
【化18】 [式中、R30は水素原子、低級アルキル基またはイミノ
基の保護基、R40、R50およびR60は、水素原子、シア
ノ基、メタンスルホニル基、置換基を有していてもよい
低級アルキル基、置換基を有していてもよいカルバモイ
ル基または基:−X1−N (R71)R81{ここにおい
て、R71およびR81は同一または異なって、水素原子、
置換基を有していてもよい低級アルキル基もしくはアミ
ノ基の保護基またはR71およびR81が隣接する窒素原
子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原子、酸素原
子および硫黄原子からなる群より選ばれる複素原子と共
に3員ないし8員の置換されていてもよい複素環基を形
成し(但し、X1に隣接する窒素原子または該複素環上
の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基を形成し
ていてもよい)、X1は置換基を有していてもよい低級
アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくとも一方
は基:−X1−N (R71)R81(R71、R81およびX1
前記の意味を有する)、Yは低級アルキレン基または単
結合を示す(但し、低級アルキル基、複素環基および低
級アルキレン基の置換基ならびにカルバモイル基および
複素環上のイミノ基は必要に応じ、保護されていてもよ
い)]で表される化合物との反応は、前記記載の不活性
有機溶媒および塩基を用いて行われ、一般式
【0094】
【化19】 [式中、R1、R9、R20、R30、R40、R50、R60およ
びYは前記の意味を有する]で表される化合物とする。
【0095】反応は、反応性誘導体[II’]1モルに
対して、塩基1〜2モル、好ましくは1〜1.5モル、
一般式[III]の化合物1〜1.2モルが使用され、
−40〜50℃、好ましくは−20〜20℃の温度範囲
で行われ、通常0.5〜3時間で完結する。
【0096】また、一般式[IV]の化合物は、一般式
[II]の化合物から、一段階で製造することもでき
る。即ち、一般式[II]の化合物から誘導した反応性
誘導体[II’]を単離することなく、同一反応系で一
般式[III]の化合物を反応させて、一般式[IV]
の化合物を効率よく製造することができる。一段階で行
う場合には、一般式[II]の化合物1モルに対して、
塩基2〜4モル、好ましくは2.5〜3.5モルを用い
る。
【0097】反応終了後、通常の処理を行い、一般式
[IV]で表される化合物の粗生成物を得、精製するこ
となく脱保護反応に付すことができるが、該粗生成物は
結晶化またはシリカゲル等によるカラムクロマトグラフ
ィーに付し、精製することが好ましい。
【0098】このようにして得られた一般式[IV]の
化合物から、必要に応じて、ヒドロキシ基、アミノ基、
イミノ基およびカルボキシル基の保護基の除去反応を適
宜組み合せて行うことにより、一般式[I]の化合物を
製造することができる。
【0099】保護基の除去はその種類により異なるが、
常法に従って、例えば加溶媒分解、化学的還元または水
素化により行われる。
【0100】前記一般式[IV]において、ヒドロキシ
基および/またはアミノ基もしくはイミノ基の保護基
が、例えばベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボ
ニル基であり、カルボキシル基の保護基が、例えばベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基等の
アラルキル基である場合には、例えば酸化白金、白金
線、白金黒等の白金触媒;例えばパラジウム黒、酸化パ
ラジウム、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素
等のパラジウム触媒を用いる接触水素化により保護基を
除去することができる。
【0101】接触水素化反応に用いる溶媒としては、例
えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、酢酸等またはこれらの有機溶媒と水あるいは
りん酸塩等の緩衝液との混合溶媒が挙げられる。
【0102】反応は、1〜4気圧の水素ガス気流下に0
〜50℃の温度範囲で、0.5〜4時間で完結する。
【0103】前記一般式[IV]において、ヒドロキシ
基および/またはアミノ基もしくはイミノ基の保護基
が、例えばアリルオキシカルボニル基であり、カルボキ
シル基の保護基が、例えばアリル基である場合には、ア
リル基の捕捉剤を含有する不活性有機溶媒中、有機可溶
性のパラジウム錯体触媒を反応させて保護基を除去する
ことができる[W.マッコムビ(McCombie)等
の方法、ザ ジャーナルオブ オーガニック ケミスト
リー(J.Org.Chem.)、第47巻、587〜
590頁(1982年)およびF.グイベ(Guib▲
e▼)等の方法、同一文献、第52巻、4984〜49
93(1987年)参照]。
【0104】反応に用いる溶媒としては、例えば水、ア
セトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、
クロロホルム等あるいはこれらの混合溶媒が挙げられ
る。
【0105】この反応に使用される好適なパラジウム化
合物錯体としては、例えばパラジウム−炭素、水酸化パ
ラジウム−炭素、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジ
ウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)、テトラキス(トリフェノキシホスフ
ィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリエトキシホ
スフィン)パラジウム(0)、ビス[エチレンビス(ジ
フェニルホスフィン)]パラジウム(0)、テトラキス
[トリ(2−フリル)ホスフィン]パラジウム(0)、
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(II) アセタート等が挙げられる。
【0106】アリル基の捕捉剤としては、例えばジメド
ン、ぎ酸、酢酸、ぎ酸アンモニウム、ぎ酸ナトリウム、
2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン
酸カリウム、ピロリジン、ピペリジン、水素化トリブチ
ルすず等を挙げることができる。
【0107】反応は、一般式[IV]の化合物1モルに
対して、触媒0.01〜0.5モル、求核剤1〜6モル
を使用し、−10〜50℃の温度範囲、好ましくは0〜
30℃の温度範囲で行われ、通常0.5〜3時間で完結
する。
【0108】また、前記一般式[IV]において、ヒド
ロキシ基および/またはアミノ基もしくはイミノ基の保
護基がo−ニトロベンジルオキシカルボニル基で、カル
ボキシル基の保護基がo−ニトロベンジル基である場合
には、光反応によって保護基を除去することができる
[アミット(Amit)等の方法、ザ ジャーナル オ
ブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Che
m.)、第39巻、192〜196(1974年)参
照]。
【0109】保護基の除去反応の終了後、通常の処理法
により、例えばシリカゲルまたは吸着樹脂等を用いるカ
ラムクロマトグラフィーに付し、または凍結乾燥または
結晶化等の操作により、一般式[I]の化合物を単離す
ることができる。
【0110】尚、一般式[IV]の化合物の3位のカル
ボキシル基の保護基が、例えばアセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基等の低級アルカノイルオキシア
ルキル基;例えばメトキシメチル基、インダニル基、フ
タリジル基等である場合、このようなエステルは生体内
で生理的に加水分解されるので、保護基を除去すること
なく、直接、ヒトまたは動物に投与することができる。
【0111】一般式[I]の化合物は、常法により医薬
として許容される塩またはエステルとすることができ
る。
【0112】一般式[II]で表される出発原料は、例
えばR1が水素原子である場合、ザルツマン(Salz
mann)等の方法[ジャーナル オブ ジ アメリカ
ンケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.So
c.)、第102巻、6161〜6163頁(1981
年)参照];R1がメチル基である場合、シー(Shi
h)等の方法[ヘテロサイクルズ(Heterocyc
les)、第21巻、29〜40頁(1984年)参
照]またはそれらに準ずる方法に従い製造することがで
きる。
【0113】一般式[III]で表される出発原料は、
例えば以下の方法により合成することができる。
【0114】化合物のヒドロキシ基を常法により活性
化した後、チオ酢酸カリウム等のチオ酢酸塩を反応させ
て、アセチルチオ誘導体とし、次いでアルカリ加水分
解または酸加水分解により一般式[III]で表される
チオール誘導体を得ることができる。
【0115】
【化20】 [式中、R10は水素原子またはヒドロキシ基の保護基、
*は塩素原子、臭素原子、よう素原子、トリフルオロ
アセトキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオ
ロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニル
オキシ基からなる群より選ばれる脱離基、Acはアセチ
ル基を示し、R30、R40、R50、R60およびYは前記の
意味を有する]化合物の構造式を有する化合物群は、
参考例に示した製造法に準じて各々製造することができ
る。
【0116】本発明の化合物は、各種のグラム陽性菌お
よびグラム陰性菌に対して強い抗菌活性を示す。
【0117】本発明の化合物の有用性を具体的に示すた
めに、細菌に対する試験管内抗菌活性を下記の寒天平板
希釈法により測定した[日本化学療法学会標準法:ケモ
テラピー(Chemotherapy)、第29巻、7
6〜79頁(1981年)]。ミューラー ヒントン
ブロス(Mueller Hinton broth)
中で一夜培養した各試験菌株の一白金耳(接種菌量:1
6CFU/ml)をミューラー ヒントン アガー
(MH agar)に接種した。この培地には抗菌剤が
各濃度で含まれており、37℃で16時間培養した後、
最小発育阻止濃度(MIC:μg/ml)を測定した。
その結果を表1に示す。
【0118】
【表36】 また、本発明化合物の代表例として実施例で例示される
本発明の化合物の抗菌活性を、バウエル(Bauer)
等の方法[ジ アメリカン ジャーナル オブクリニカ
ル パソロジィ(Amer. J. Clin. Pa
thol.)、第45巻、493頁(1966年)]に
よるディスク拡散検定によって測定を行った。チエナマ
イシンまたはイミペネムを内部標準として使用した。
【0119】試験化合物のMICは、試験化合物を含有
するディスクによって生じた阻止円径から、ハンフレー
(Humphrey)およびライトボウン(Light
bown)によって報告された計算式[ザ ジャーナル
オブ ジェネラル ミクロバイオロジィ(J. Ge
n. Microbiol.)、第7巻、129頁(1
952年)]を使用して計算された。各菌種毎にMIC
の幾何平均を求めチエナマイシンとの活性比を計算し
た。
【0120】抗菌効力は、チエナマイシン(=1.0)
との割合で示されるが数字が大きいほど活性が強い。
【0121】DHP−I感受性は、クロップ(Krop
p)等の方法[アンチミクロビアルアジェント アンド
ケモテラピィ(Antimicrob. Agent
sChemother.)、第22巻、62〜70頁
(1982年)]によって定量し、イミペネム(=1.
0)との割合で示されるが、数字が小さいほど安定性が
高い。
【0122】本発明化合物の抗菌効力およびDHP−I
感受性を、比較化合物としてイミペネム(imipen
em)およびBO−2171を用いて測定した。その結
果を表2に示す。
【0123】
【表37】 本発明の化合物は、R4、R5およびR6の少なくとも一
方が、第一級、第二級もしくは第三級のアミノ基または
アンモニオ基を有することを特徴とし、種々のグラム陽
性菌およびグラム陰性菌に対して優れた抗菌活性を有
し、これら病原菌を起炎菌とするヒトの細菌感染症の治
療および予防のための抗菌剤として有用な化合物であ
る。本発明の抗菌剤に感受性のある代表的な病原体とし
ては、例えばスタフィロコッカス(Staphyloc
occus)属、エンテロコッカス(Enteroco
ccus)属、エシェリキア(Escherichi
a)属、エンテロバクター(Enterobacte
r)属、クレブシェラ(Klebsiella)属、セ
ラチア(Serratia)属、プロテウス(Prot
eus)属、シュードモナス(Pseudomona
s)属等の菌種を挙げることができ、特にメチシリン耐
性スタフィロコッカス アウレウス(Methicil
lin resistant Staphylococ
cus aureus)およびチエナマイシン耐性シュ
ードモナス アエルギノーサ(thienamycin
resistant Pseudomonas ae
ruginosa)に対して優れた抗菌活性を示した。
【0124】本発明の化合物は、各々の化合物によって
異なるが、DHP−Iに対して極めて安定であり、かつ
物理化学的安定性および水に対する溶解性にも優れてい
る。
【0125】本発明化合物は、当分野で公知の固体また
は液体の賦形剤の担体と混合し、非経口投与、経口投
与、外部投与に適した医薬製剤の形で使用することがで
きる。主なものは、局所的または注射による非経口的
(静注または筋注)な投与である。医薬製剤としては、
例えば注射剤、シロップ剤、乳剤等の液剤;錠剤、カプ
セル剤、粒剤等の固形剤;軟膏、坐剤等の外用剤が挙げ
られる。これらの製剤には、必要に応じて塩基、助剤、
安定化剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤等
の通常使用される添加剤が含まれていてもよい。
【0126】添加剤としては、例えば注射用蒸留水、リ
ンゲル液、グルコース、しょ糖シロップ、ゼラチン、食
用油、カカオ脂、エチレングリコール、しょ糖、とうも
ろこし澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙
げられる。
【0127】投与量は、患者の症状、体重、年齢、性
別、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常、成
人に対する好ましい日用量は有効成分約5〜50mg/
kg、子供に対する好ましい日用量は約5〜25mg/
kgの範囲にあり、1日当り1回または数回に分けて投
与するのが好ましい。
【0128】本発明の化合物は、必要に応じてシラスタ
チン[(Z)−7−(L−アミノ−2−カルボキシエチ
ルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボキサミド)−2−ヘプテノイン酸ナトリウム]等のD
HP−I阻害剤[特開昭56−81518号公報、欧州
特許第28,778号、ジャーナル オブ メディシナ
ル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第30
巻、1074頁(1987年)]と組合せて投与するこ
ともできる。
【0129】
【実施例】実施例および参考例を挙げて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定さ
れるものではない。
【0130】実施例および参考例の薄層クロマトグラフ
は、プレートとしてSilicagel 60F
245(Merck)を、検出法としてUV検出器を用い
た。カラム用シリカゲルとしては、WakogelTM
C−300(和光純薬)を、逆相カラム用シリカゲルと
しては、LC−SORBTM SP−B−ODS(Che
mco)またはYMC−GELTM ODS−AQ 12
0−S50(山村化学研究所)を用いた。高速液体クロ
マトグラフとしては、JASCO 800シリーズ(日
本分光)を用いた。NMRスペクトルは、重ジメチルス
ルホキシドまたは重クロロホルム溶液で測定する場合に
は、内部基準としてテトラメチルシラン(TMS)を用
い、重水溶液で測定する場合には、内部基準として2,
2−ジメチル−2−シラペンタン−5−スルホナート
(DSS)を用い、XL−200(200MHz;Va
rian)型スペクトロメータを用いて測定し、全δ値
をppmで示した。
【0131】NMR測定における略号の意味を以下に示
す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:クワルテット ABq:AB型クワルテット dd:ダブル ダブレット m:マルチプレット br:ブロード J:カップリング定数 Hz:ヘルツ CDCl3:重クロロホルム D2O:重水 反応式における略号の意味を以下に示す。 Ac:アセチル基 All:アリル基 Alloc:アリルオキシカルボニル基 Boc:tert−ブトキシカルボニル基 Ms:メタンスルホニル基 TBS:tert−ブチルジメチルシリル基 Tr:トリチル基 実施例1(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(E)−3−アミノ−1−プロペニル]ピロリジン−
4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸 1)
【0132】
【化21】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(516mg,1.03mmmol)および
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−1−プ
ロペニル]−4−メルカプトピロリジン(360mg,
1.05mmol,参考例1の化合物)をアセトニトリ
ル(20ml)に溶解し、窒素気流中、−10℃でN,
N−ジイソプロピルエチルアミン(0.19ml,1.
09mmol)を滴下後、5℃で一夜撹拌した。反応溶
液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(WakogelTM C−300,酢酸エチ
ル)に付し、アリル (1R,5S,6S)−2−
[(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−1−プ
ロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボキシラート(296mg,収
率:49.8%)を得た。
【0133】IR(KBr)cm-1:1770,170
0,1540,1400 NMR(CDCl3)δ:1.25(3H,d,J=8
Hz),1.34(3H,d,J=7Hz),1.80
(1H,m),2.35〜2.68(3H,m),3.
13〜3.45(4H,m),5.15〜5.55(6
H,m),5.64(2H,m),5.80〜6.10
(3H,m) 2)
【0134】
【化22】 前記反応で得られた化合物(295mg,0.51mm
ol)の塩化メチレン溶液(11ml)に、窒素気流
中、氷冷下で水(46μl)、ビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(II)クロリド(18mg,0.
025mmol)および水素化トリブチルすず(0.5
4ml,2.0mmol)を加え、この溶液を同温で2
0分間、室温で20分間撹拌した。反応混合物を水(7
0ml)で抽出し、水層をクロロホルムで2回洗浄後、
不溶物を濾別した。濾液を、減圧下に約15mlまで濃
縮後、逆相カラムクロマトグラフィー(YMC−GEL
TMODS−AQ 120−S50,50ml,20%メ
タノール水溶液)に付し、目的物を含む画分を濃縮、凍
結乾燥することにより標記化合物(58mg,収率:3
0.8%)を得た。
【0135】IR(KBr)cm-1:1750,158
0,1390 NMR(D2O)δ:1.20(3H,d,J=7H
z),1.29(3H,d,J=6Hz),1.47
(1H,m),2.54(1H,m),3.02(1
H,dd,J=12,3Hz),3.20〜3.47
(3H,m),3.59(2H,d,J=6Hz),
3.78(2H,m),4.22(2H,m),5.8
1(1H,dt,J=16,6Hz),5.98(1
H,dd,J=16,7Hz) HPLC; カラム:YMCTM−Pack ODS−AQ,5μ,
4.6φ×150mm、移動相:0.01M りん酸緩
衝液(pH6.5)−メタノール(80:20)、流
速:1.0ml/min、温度:40℃、検出:290
nm、保持時間:3.14min 実施例2(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−アミノ−1−プロペニル]ピロリジン−
4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸 1)
【0136】
【化23】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(850mg,1.70mmol)および
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−1−プ
ロペニル]−4−メルカプトピロリジン(460mg,
1.42mmol,参考例2の化合物)を用いて、実施
例1−1)と同様の反応を行うことにより、アリル
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−N−ア
リルオキシカルボニル−2−[(Z)−3−アリルオキ
シカルボニルアミノ−1−プロペニル]ピロリジン−4
−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(399mg,収率:40.7%)を得た。
【0137】IR(KBr)cm-1:1780,170
0,1410 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,d,J=8
Hz),1.38(3H,d,J=7Hz),2.62
(1H,m),3.22〜3.45(3H,m),4.
26(2H,m),5.82〜6.10(3H,m) 2)
【0138】
【化24】 前記反応で得られた化合物(382mg,0.66mm
ol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(78mg,収率:32.0%)
を得た。
【0139】IR(KBr)cm-1:1750,158
0,1390 NMR(D2O)δ:1.21(3H,d,J=8H
z),1.29(3H,d,J=7Hz),1.44
(1H,m),2.76(1H,m),3.04(1
H,dd,J=12,4Hz),3.20〜3.48
(3H,m),3.70(2H,d,J=8Hz),
4.23(2H,m),5.68(1H,dt,J=1
0,8Hz),5.87(1H,dd,J=10,9H
z) HPLC(条件は実施例1と同じ) 保持時間:2.92min 実施例3(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−(N−メチルアミノ)−1−プロペニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸 1)
【0140】
【化25】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(760mg,1.52mmol)および
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]−4−メルカプトピロ
リジン(416mg,1.26mmol,参考例3の化
合物)を用いて、実施例1−1)と同様の反応を行うこ
とにより、アリル (1R,5S,6S)−2−[(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イル
チオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラ
ート(502mg,収率:56.9%)を得た。
【0141】IR(KBr)cm-1:1780,170
0,1400,1210 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,d,J=8
Hz),1.37(3H,d,J=7Hz),1.70
(1H,m),4.52〜4.92(6H,m),5.
16〜5.66(8H,m),5.80〜6.10(3
H,m) 2)
【0142】
【化26】 前記反応で得られた化合物(500mg,0.85mo
l)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行うこと
により、標記化合物(84mg,収率:30.0%)を
得た。
【0143】IR(KBr)cm-1:1750,159
0,1390 NMR(D2O)δ:1.18(3H,d,J=8H
z),1.26(3H,d,J=7Hz),1.44
(1H,m),2.55(1H,m),2.67(3
H,s),3.04(1H,dd,J=12,4H
z),3.22〜3.46(3H,m),3.73(2
H,d,J=8Hz),3.82(1H,m),4.0
5(1H,q,J=8Hz),4.20(2H,m),
5.67(1H,m),5.94(1H,t,J=10
Hz) 実施例4(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロ
ペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−
1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸 1)
【0144】
【化27】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(1.0g,20mmol)および(2S,
4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−[(Z)−
3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロペニル]−
4−メルカプトピロリジン・トリフルオロ酢酸塩(64
0mg,1.68mmol,参考例4の化合物)を用い
て、実施例1−1)と同様の反応を行うことにより、ア
リル (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−
N−アリルオキシカルボニル−2−[(Z)−3−
(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロペニル]ピロリ
ジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボキシラート(150mg,収率:14.5%)
を得た。
【0145】IR(KBr)cm-1:1770,170
0,1400,1200 NMR(CDCl3)δ:1.24(3H,d,J=8
Hz),1.33(3H,d,J=7Hz),1.68
(1H,m),2.07〜2.66(7H,m),4.
46〜4.90(5H,m),5.12〜5.52(4
H,m),5.62(2H,m),5.94(2H,
m) 2)
【0146】
【化28】 前記反応で得られた化合物(150mg,0.29mm
ol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(38mg,収率:33.1%)
を得た。
【0147】IR(KBr)cm-1:1760,160
0,1390 NMR(D2O)δ:1.20(3H,d,J=8H
z),1.28(3H,d,J=7Hz),1.53
(1H,m),2.60(1H,m),2.79(6
H,s),3.10(1H,dd,J=12,4H
z),3.28〜3.48(3H,m),3.75(2
H,d,J=8Hz),3.87(1H,m),4.2
1(3H,m) 実施例5(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−(1−ピロリジニル)−1−プロペニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸 1)
【0148】
【化29】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(900mg,1.8mmol)および(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−4−メルカ
プト−2−[(Z)−3−(1−ピロリジニル)−1−
プロペニル]ピロリジン・トリフルオロ酢酸塩(513
mg,1.26mmol,参考例5の化合物)を用い
て、実施例1−1)と同様の反応を行うことにより、ア
リル (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−
N−アリルオキシカルボニル−2−[3−(1−ピロリ
ジニル)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メ
チル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラー
ト(253mg,収率:25.8%)を得た。
【0149】IR(KBr)cm-1:1770,170
0,1400,1200 NMR(CDCl3)δ:1.24(3H,d,J=8
Hz),1.32(3H,d,J=7Hz),1.66
〜2.00(5H,m),4.44〜4.90(5H,
m),5.10〜5.55(4H,m),5.65(2
H,m),5.94(2H,m) 2)
【0150】
【化30】 前記反応で得られた化合物(253mg,0.466m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行う
ことにより、標記化合物(50mg,収率:25.5
%)を得た。
【0151】IR(KBr)cm-1:1760,160
0,1390 NMR(D2O)δ:1.18(3H,d,J=8H
z),1.26(3H,d,J=7Hz),1.42
(1H,m),2.02(4H,m),2.54(1
H,m),3.00(1H,dd,J=12,4H
z),3.14〜3.48(7H,m),3.82(3
H,m),4.00(1H,q,J=8Hz),4.1
8(2H,m),5.68(1H,m),5.94(1
H,t,J=10Hz) 実施例6(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[(E)−3−(N−メチルアミノ)−1−プロペニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸・塩酸塩 1)
【0152】
【化31】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(1.5g,3.0mmol)および(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]−4−メルカプトピロ
リジン(850mg,2.51mmol,参考例6の化
合物)を用いて、実施例1−1)と同様の反応を行うこ
とにより、アリル (1R,5S,6S)−2−[(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イル
チオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラ
ート(627mg,収率:35.4%)を得た。
【0153】IR(KBr)cm-1:1770,170
0,1400,1200 NMR(CDCl3)δ:1.26(3H,d,J=8
Hz),1.36(3H,d,J=7Hz),1.76
(1H,m),2.60(1H,m),2.86(3
H,s),4.50〜4.95(6H,m),5.15
〜5.55(6H,m),5.60(2H,m),5.
95(2H,m) 2)
【0154】
【化32】 前記反応で得られた化合物(592mg,1.0mmo
l)の塩化メチレン溶液(22.5ml)に、窒素気流
中、氷冷下で水(91μl)、ビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(II)クロリド(35.2mg,
0.05mmol)および水素化トリブチルすず(1.
03ml,3.83mmol)を加え、この溶液を同温
で20分間、室温で20分間撹拌した。反応混合物を水
(150ml)で抽出し、水層をクロロホルムで2回洗
浄後、不溶物を濾別した。濾液を減圧下に30mlまで
濃縮後、逆相カラムクロマトグラフィー(YMC−GE
TM ODS−AQ 120−S50,50ml,20
%メタノール水溶液)に付し、目的物を含む分画を集
め、1N塩酸でpH6.5に調整後、濃縮、凍結乾燥す
ることにより、標記化合物(190mg,収率:45.
3%)を得た。
【0155】IR(KBr)cm-1:1750,170
0,1390 NMR(D2O)δ:1.22(3H,d,J=8H
z),1.30(3H,d,J=7Hz),1.89
(1H,m),2.74(3H,s),2.82(1
H,m),3.28〜3.52(3H,m),3.64
〜3.80(3H,m),4.08(1H,m),4.
18〜4.44(3H,m),6.04(1H,dt,
J=15,6Hz),6.19(1H,dd,J=1
5,8Hz) 実施例7(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(Z)−3−アミノ−2−メチル−1−プロペニル]
ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸・塩酸塩 1)
【0156】
【化33】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(600mg,1.20mmol)および
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−2−メ
チル−1−プロペニル]−4−メルカプトピロリジン
(326mg,0.96mmol,参考例7の化合物)
を用いて、実施例1−1)と同様の反応を行うことによ
り、アリル (1R,5S,6S)−2−[(2S,4
S)−N−アリルオキシカルボニル−2−[(Z)−3
−アリルオキシカルボニルアミノ−2−メチル−1−プ
ロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボキシラート(260mg,収
率:36%)を得た。
【0157】IR(KBr)cm-1:1770,170
0,1410 NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,d,J=8
Hz),1.35(3H,d,J=7Hz),1.56
〜1.82(4H,m),2.60(1H,m),3.
16〜3.47(3H,m),3.60(1H,m),
4.44〜4.90(7H,m),5.10〜5.54
(7H,m),5.88〜6.10(3H,m) 2)
【0158】
【化34】 前記反応で得られた化合物(255mg,0.42mm
ol)を用いて、実施例6−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(60mg,収率:33.8%)
を得た。
【0159】IR(KBr)cm-1:1760,170
0,1390 NMR(D2O)δ:1.22(3H,d,J=8H
z),1.29(3H,d,J=7Hz),1.80
(1H,m),1.92(3H,s),2.78(1
H,m),3.27〜3.52(3H,m),3.58
〜3.86(3H,m),4.05(1H,m),4.
25(2H,m),4.56(1H,m),5.76
(1H,d,J=8Hz) 実施例8(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(E)−3−アミノ−2−メチル−1−プロペニル]
ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸・塩酸塩 1)
【0160】
【化35】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(890mg,1.78mmol)および
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−2−メ
チル−1−プロペニル]−4−メルカプトピロリジン
(463mg,1.32mmol,参考例8の化合物)
を用いて、実施例1−1)と同様の反応を行うことによ
り、アリル (1R,5S,6S)−2−[(2S,4
S)−N−アリルオキシカルボニル−2−[(E)−3
−アリルオキシカルボニルアミノ−2−メチル−1−プ
ロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボキシラート(366mg,収
率:34.1%)を得た。
【0161】IR(KBr)cm-1:1770,171
0,1540,1410 NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,d,J=8
Hz),1.35(3H,d,J=7Hz),1.52
〜1.82(4H,m),2.58(1H,m),3.
20〜3.45(3H,m),3.62(1H,m),
3.74(2H,m),4.45〜4.98(7H,
m),5.12〜5.55(7H,m),5.78〜
6.10(3H,m) 2)
【0162】
【化36】 前記反応で得られた化合物(360mg,0.60mm
ol)を用いて、実施例6−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(73mg,収率:29.2%)
を得た。
【0163】IR(KBr)cm-1:1750,160
0,1390 NMR(D2O)δ:1.24(3H,d,J=8H
z),1.30(3H,d,J=7Hz),1.70〜
1.93(4H,m),2.82(1H,m),3.3
0〜3.54(3H,m),3.58〜3.80(3
H,m),4.06(1H,m),4.27(2H,
m),5.70(1H,d,J=8Hz) 実施例9(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−2−[(2S,4S)−2−[(Z)−3−
(N−メチルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]
ピロリジン−4−イルチオ]−1−メチル−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボン酸・塩酸塩 1)
【0164】
【化37】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(550mg,1.10mmol)および
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−4−メ
ルカプトピロリジン(308mg,0.87mmol,
参考例9の化合物)を用いて、実施例1−1)と同様の
反応を行うことにより、アリル (1R,5S,6S)
−2−[(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル
−2−[(Z)−3−(N−アリルオキシカルボニル−
N−メチルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]ピ
ロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロ
キシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボキシラート(194mg,収率:29.3
%)を得た。
【0165】IR(KBr)cm-1:1780,170
0,1400,1280,1140NMR(CDC
3)δ:1.25(3H,d,J=8Hz),1.3
4(3H,d,J=7Hz),1.52〜1.80(4
H,m),2.56(1H,m),2.84(3H,
s),3.14〜3.46(3H,m),3.58(1
H,m),4.40〜4.90(7H,m),5.10
〜5.53(7H,m),5.72〜6.12(3H,
m) 2)
【0166】
【化38】 前記反応で得られた化合物(192mg,0.32mm
ol)を用いて、実施例6−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(55mg,収率:39.9%)
を得た。 実施例10(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−2−[(2S,4S)−2−[(E)−3−
(N−メチルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]
ピロリジン−4−イルチオ]−1−メチル−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボン酸・塩酸塩 1)
【0167】
【化39】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(500mg,1.0mmol)および(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−4−メ
ルカプトピロリジン(290mg,0.84mmol,
参考例10の化合物)を用いて、実施例1−1)と同様
の反応を行うことにより、アリル (1R,5S,6
S)−2−[(2S,4S)−N−アリルオキシカルボ
ニル−2−[(E)−3−(N−アリルオキシカルボニ
ル−N−メチルアミノ)−2−メチル−1−プロペニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボキシラート(304mg,収率:5
0.5%)を得た。
【0168】IR(KBr)cm-1:1780,170
0,1400 NMR(CDCl3)δ:1.26(3H,d,J=8
Hz),1.34(3H,d,J=7Hz),1.53
〜1.80(4H,m),2.60(1H,m),2.
80(3H,s),3.18〜3.46(3H,m),
3.60(1H,m),3.85(2H,m),4.4
4〜4.90(7H,m),5.08〜5.53(7
H,m),5.72〜6.10(3H,m) 2)
【0169】
【化40】 前記反応で得られた化合物(302mg,0.50mm
ol)を用いて、実施例6−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(78mg,収率:36.0%)
を得た。
【0170】IR(KBr)cm-1:1750,169
0,1390 NMR(CDCl3)δ:1.25(3H,d,J=8
Hz),1.32(3H,d,J=7Hz),1.74
〜1.96(4H,m),2.86(1H,m),3.
34〜3.46(3H,m),3.64〜3.82(3
H,m),4.10(1H,m),4.29(2H,
m),4.64(1H,m),5.83(1H,d,J
=8Hz) 実施例11(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[[1−(アミノメチル)ビニル]ピロリジン−4−イ
ルチオ]]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン
1)
【0171】
【化41】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(1.10g,2.2mmol)および(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−[1−
[(N−アリルオキシカルボニルアミノ)メチル]ビニ
ル]−4−メルカプトピロリジン(530mg,1.6
2mmol,参考例11の化合物)を用いて、実施例1
−1)と同様の反応を行うことにより、アリル (1
R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−N−アリル
オキシカルボニル−2−[1−[(N−アリルオキシカ
ルボニルアミノ)メチル]ビニル]ピロリジン−4−イ
ルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシ
ラート(643mg,収率:68%)を得た。
【0172】NMR(CDCl3)δ:1.26(3
H,d,J=8Hz),1.35(3H,d,J=7H
z),4.49〜4.93(6H,m),4.97〜
5.53(8H,m),5.75〜6.11(3H,
m) 2)
【0173】
【化42】 前記反応で得られた化合物(332mg,0.58mm
ol)を用いて、実施例6−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(17mg,収率:8%)を得
た。
【0174】IR(KBr)cm-1:1750 NMR(D2O)δ:1.21(3H,d,J=8H
z),1.26(3H,d,J=7Hz),5.50
(1H,br s),5.63(1H,br s) 実施例12(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[1−[(N−メチルアミノ)メチル]ビニル]ピロリ
ジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸 一塩酸塩 1)
【0175】
【化43】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(4.3g,8.6mmol)および(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−[1−
[(N−アリルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)
メチル]ビニル]−4−メルカプトピロリジン(2.8
7g,8.4mmol,参考例12の化合物)を用い
て、実施例1−1)と同様の反応を行うことにより、ア
リル (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−
N−アリルオキシカルボニル−2−[1−[(N−アリ
ルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)メチル]ビニ
ル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボキシラート(3.53g,収率:6
9%)を得た。
【0176】NMR(CDCl3)δ:1.24(3
H,d,J=7.3Hz),1.35(3H,d,J=
6.3Hz),1.73(3H,m),2.12(1
H,m),2.47(1H,m),2.86(3H,b
r s),3.20〜3.40(3H,m),4.50
〜4.98(6H,m),5.12〜5.48(4H,
m),5.80〜6.01(2H,m) 2)
【0177】
【化44】 前記反応で得られた化合物(1.39g,2.36mm
ol)を用いて、実施例6−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(267mg,収率:27%)を
得た。
【0178】IR(KBr)cm-1:1750 NMR(D2O)δ:1.06(3H,d,J=7.3
Hz),1.13(3H,d,J=6.3Hz),1.
63(1H,m),2.61(3H,s),3.09〜
3.48(4H,m),3.50〜3.75(2H,
m),3.82(1H,m),3.94(1H,m),
4.09(2H,m),5.32(1H,s),5.4
7(1H,s) 実施例13(1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[2−[(N−メチルアミノ)メチル]アリル]ピロリ
ジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸 一塩酸塩 1)
【0179】
【化45】 アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート(1.71g,3.43mmol)および
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[[2−(N−アリルオキシカルボニル−N−メチルア
ミノ)メチル]アリル]−4−メルカプトピロリジン
(1.22g,3.43mmol,参考例13の化合
物)を用いて、実施例1−1)と同様の反応を行うこと
により、アリル (1R,5S,6S)−2−[(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−[2−
(N−アリルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)メ
チル]アリルピロリジン−4−イルチオ]−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(1.3
6g,収率:65%)を得た。
【0180】NMR(CDCl3)δ:1.24(3
H,d,J=7.3Hz),1.35(3H,d,J=
6.3Hz),1.73(3H,m),2.86(3
H,brs),3.20〜3.41(3H,m),4.
50〜4.98(6H,m),5.12〜5.50(4
H,m),5.80〜6.01(2H,m) 2)
【0181】
【化46】 前記反応で得られた化合物(1.36g,2.25mm
ol)を用いて、実施例6−2)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(213mg,収率:21%)を
得た。
【0182】IR(KBr)cm-1:1750 NMR(D2O)δ:1.17(3H,d,J=7.3
Hz),1.24(3H,d,J=8.4Hz),1.
70(1H,m),2.63(2H,m),2.70
(3H,s),3.25〜3.60(3H,m),3.
60〜3.80(4H,m),4.20(2H,m),
5.32(1H,s),5.36(1H,s) 参考例1(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−1−プ
ロペニル]−4−メルカプトピロリジン 1)
【0183】
【化47】 3−[(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボ
ニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリジ
ン−2−イル]アクリル酸 エチルエステル[3.55
g,8.9mmol;特願平3−87628 参考例1
−4)の化合物]の塩化メチレン溶液(70ml)に窒
素気流中、−78℃で1.0Mの水素化ジイソブチルア
ルミニウム−トルエン溶液(19.2ml)を滴下し、
同温で2時間撹拌した。反応溶液に酢酸(2.55m
l,44.5mmol)を加えた後、塩化メチレン(1
00ml)で抽出した。有機層を1N 水酸化ナトリウ
ム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー[WakogelTM C−3
00,ヘキサン−酢酸エチル(3:1)]に付し、(2
S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−
tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[(E)−3
−ヒドロキシ−1−プロペニル]ピロリジン(918m
g,収率:28.9%)を得た。
【0184】NMR(CDCl3)δ:0.04(6
H,s),0.86(9H,s),1.42(9H,
s),1.78(1H,m),2.01(1H,m),
3.40(2H,m),4.12(2H,d,J=5H
z),4.34(2H,m),5.58(1H,dd,
J=16,6Hz),5.74(1H,dt,J=1
6,5Hz) 2)
【0185】
【化48】 前記反応で得られた化合物(918mg,2.57mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(40ml)にトリフ
ェニルホスフィン(1.01g,3.85mmol)お
よびフタルイミド(662mg,4.50mmol)を
加えた後、窒素気流中、氷冷下でアゾジカルボン酸 ジ
エチルエステル(0.607ml,3.85mmol)
を滴下し、同温で2.5時間撹拌した。反応溶液を酢酸
エチル(70ml)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[W
akogelTM C−300,ヘキサン−酢酸エチル
(10:1)]に付し、(2S,4R)−N−tert
−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメチル
シロキシ−2−[(E)−3−フタルイミド−1−プロ
ペニル]ピロリジン(961mg,収率:76.9%)
を得た。
【0186】NMR(CDCl3)δ:0.03(6
H,s),0.85(9H,s),1.37(9H,b
r s),1.78(1H,m),1.98(1H,
m),3.42(2H,m),4.29(4H,m),
5.64(2H,m),7.74(2H,m),7.8
8(2H,m) 3)
【0187】
【化49】 前記反応で得られた化合物(960mg,1.98mm
ol)のエタノール溶液(15ml)に、室温でヒドラ
ジン・一水和物(0.288ml,5.94mmol)
を加え、同温で一夜撹拌した。反応混合物から不溶物を
濾別後、濾液を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル(7
0ml)で抽出した。有機層を3N アンモニア水、
水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下に濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン
(15ml)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン
(0.35ml,2.52mmol)およびクロロギ酸
アリル(0.24ml,2.26mmol)を加え、同
温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50m
l)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[WakogelTM
C−300,ヘキサン−酢酸エチル(5:1)]に付
し、(2S,4R)−2−[(E)−3−アリルオキシ
カルボニルアミノ−1−プロペニル]−N−アリルオキ
シカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ
ピロリジン(680mg,収率:75.5%)を得た。
【0188】NMR(CDCl3)δ:0.06(6
H,s),0.87(9H,s),1.44(9H,
s),1.77(1H,m),2.02(1H,m),
3.42(2H,m),3.82(2H,m),4.3
3(2H,m),4.58(2H,m),5.17〜
5.39(2H,m),5.57(2H,m),5.9
5(1H,m) 4)
【0189】
【化50】 前記反応で得られた化合物(680mg,1.49mm
ol)に7.5N 塩化水素−メタノール溶液(10m
l)を加え、室温で一夜撹拌した。反応溶液を減圧下に
濃縮後、残渣をジオキサン(10ml)および水(5m
l)の混合液に溶解し、氷冷下で1N 水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH9に調整しながら、クロロギ酸アリル
(0.24ml,2.26mmol)を滴下した。反応
溶液をさらに同温で30分間撹拌後、減圧下に濃縮し、
残渣を酢酸エチル(70ml)で抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(WakogelTMC−300,1.5%
メタノ−ル−クロロホルム)に付し、(2S,4R)−
N−アリルオキシカルボニル−2−[(E)−3−アリ
ルオキシカルボニルアミノ−1−プロペニル]−4−ヒ
ドロキシピロリジン(440mg,収率:90.5%)
を得た。
【0190】NMR(CDCl3)δ:1.84(1
H,m),2.17(1H,m),3.55(2H,
m),3.79(2H,m),4.32〜4.64(6
H,m),5.12〜5.38(4H,m),5.57
(2H,m),5.90〜6.04(2H,m) 5)
【0191】
【化51】 前記反応で得られた化合物(440mg,1.35mm
ol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液に、窒素
気流中、氷冷下、トリエチルアミン(0.207ml,
1.49mmol)および塩化メタンスルホニル(0.
112ml,1.45mmol)を滴下した。反応混合
物を同温で1時間撹拌後、酢酸エチル(70ml)で抽
出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下に濃縮することにより、(2
S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−1−プ
ロペニル]−4−メタンスルホニルオキシピロリジン
(550mg,収率:100%)を得た。
【0192】NMR(CDCl3)δ:2.05(1
H,m),2.48(1H,m),3.07(3H,
s),3.66(1H,dd,J=12,4Hz),
3.82(2H,m),3.96(1H,br d,J
=12Hz),4.44〜4.72(5H,m),4.
98(1H,m),5.16〜5.42(4H,m),
5.62(2H,m),5.84〜6.06(2H,
m) 6)
【0193】
【化52】 前記反応で得られた化合物(550mg,1.36mm
ol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20m
l)にチオ酢酸カリウム(315mg,2.76mmo
l)およびヨウ化ナトリウム(228mg,1.52m
mol)を加え、窒素気流中、60〜70℃で一夜撹拌
した。反応混合物を酢酸エチル(70ml)で抽出し、
有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー[WakogelTM
−300,ヘキサン−酢酸エチル(3:1)]に付し、
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−アリルオキシカルボニルアミノ−1−プ
ロペニル]−4−アセチルチオピロリジン(397m
g,収率:74.8%)を得た。
【0194】NMR(CDCl3)δ:1.76(1
H,m),2.35(3H,s),2.48(1H,
m),3.26(1H,m),3.82(2H,m),
3.88〜4.14(2H,m),4.42(1H,
m),4.66(4H,m),5.16〜5.40(4
H,m),5.63(2H,m),5.80〜6.04
(2H,m) 7)
【0195】
【化53】 前記反応で得られた化合物(397mg,1.03mm
ol)のメタノール溶液(12ml)に、窒素気流中、
氷冷下で1N 水酸化ナトリウム水溶液(1.09m
l)を滴下し、同温で15分間撹拌した。反応溶液に1
N 塩酸(1.1ml)を加え、減圧下に濃縮後、残渣
を酢酸エチル(70ml)で抽出した。有機層を水、飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に濃縮することにより、標記化合物(360mg,収
率:100%)を得た。
【0196】NMR(CDCl3)δ:1.56〜1.
78(2H,m),2.58(1H,m),3.23
(2H,m),3.82(2H,m),4.06(1
H,m),4.35(1H,m),4.60(4H,
m),5.17〜5.42(4H,m),5.66(2
H,m),5.82〜6.06(2H,m) 参考例2(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−1
−プロペニル]−4−メルカプトピロリジン 1)
【0197】
【化54】 (Z)−3−[(2S,4S)−N−アリルオキシカル
ボニル−4−トリチルチオピロリジン−2−イル]アク
リル酸 メチルエステル[4.0g,7.83mmo
l;特願平2−205984 参考例3−2)の化合
物]のトルエン溶液(80ml)に窒素気流中、−78
℃で水素化ジイソブチルアルミニウム−トルエン溶液
(19.6ml)を滴下し、同温で1時間撹拌後、1.
5時間かけて−10℃に昇温した。反応溶液に酢酸
(3.5ml,61.1mmol)を滴下した後、酢酸
エチル(150ml)で抽出した。有機層を1N 水酸
化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー[Wakogel
TM C−300,ヘキサン−酢酸エチル(3:1)]に
付し、(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−
2−[(Z)−3−ヒドロキシ−1−プロペニル]−4
−トリチルチオピロリジン(1.90g,収率:50.
1%)を得た。
【0198】NMR(CDCl3)δ:1.53(1
H,m),2.17(1H,m),2.64〜3.00
(3H,m),3.68〜3.98(2H,m),4.
24〜4.67(4H,m),5.11〜5.40(3
H,m),5.73〜5.97(2H,m),7.16
〜7.54(15H,m) 2)
【0199】
【化55】 前記反応で得られた化合物(1.90g,3.93mm
ol)を用いて、参考例1−2)と同様の反応を行うこ
とにより、(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニ
ル−2−[(Z)−3−フタルイミド−1−プロペニ
ル]−4−トリチルチオピロリジン(2.39g,収
率:99.4%)を得た。
【0200】NMR(CDCl3)δ:1.53(1
H,m),2.26(1H,m),2.87(2H,
m),5.00〜5.66(4H,m),5.84(1
H,m),7.16〜7.56(15H,m),7.7
5(2H,m),7.87(2H,m) 3)
【0201】
【化56】 前記反応で得られた化合物(2.39g,3.90mm
ol)を用いて、参考例1−3)と同様の反応を行うこ
とにより、(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニ
ル−2−[(Z)−3−(アリルオキシカルボニルアミ
ノ)−1−プロペニル]−4−トリチルチオピロリジン
(1.93g,収率:87.3%)を得た。
【0202】NMR(CDCl3)δ:1.54(1
H,m),2.14(1H,m),2.64〜3.02
(3H,m),3.64〜4.02(3H,m),4.
22〜4.63(5H,m),5.10〜6.02(8
H,m),7.16〜7.56(15H,m) 4)
【0203】
【化57】 前記反応で得られた化合物(902mg,1.59mm
ol)の塩化メチレン溶液(2.5ml)に、窒素気流
中、氷冷下でトリフルオロ酢酸(2.5ml)およびト
リエチルシラン(0.268ml,1.68mmol)
を加え、同温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下に濃
縮し、残渣を酢酸エチル(70ml)で抽出した。有機
層を1M りん酸緩衝液(pH5.5)で2回、飽和食
塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー[WakogelTM C−300,ヘキサン−酢酸
エチル(4:1)]に付し、標記化合物(460mg,
収率:89%)を得た。
【0204】NMR(CDCl3)δ:1.50〜1.
78(2H,m),2.62(1H,m),3.10〜
3.42(2H,m),3.74〜4.20(4H,
m),4.58(4H,m),5.16〜6.08(8
H,m) 参考例3(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]−4−メルカプトピロ
リジン 1)
【0205】
【化58】 (2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−1
−プロペニル]−4−トリチルチオピロリジン(1.0
2g,1.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミ
ド溶液(15ml)に窒素気流中、氷冷下で60%水素
化ナトリウム(110mg,2.75mmol)を加
え、同温で40分間撹拌後、ヨウ化メチル(0.45m
l,7.2mmol)を滴下し、室温で一夜撹拌した。
反応混合物を酢酸エチル(70ml)で抽出し、有機層
を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー[WakogelTM C−3
00,ヘキサン:酢酸エチル(3:1)]に付し、(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]−4−トリチルチオピ
ロリジン(791mg,収率:75.4%)を得た。
【0206】NMR(CDCl3)δ:1.50(1
H,m),2.64〜3.04(6H,m),3.66
〜4.64(8H,m),5.10〜5.50(6H,
m),5.90(2H,m),7.16〜7.60(1
5H,m) 2)
【0207】
【化59】 前記反応で得られた化合物(791mg,1.36mm
ol)を用いて、参考例2−4)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(416mg,収率:90.0
%)を得た。
【0208】NMR(CDCl3)δ:1.62(1
H,m),2.60(1H,m),2.93(3H,
s),3.13〜3.38(2H,m),3.73〜
4.40(4H,m),4.54〜4.76(4H,
m),5.14〜5.42(4H,m),5.56(2
H,m),5.92(2H,m) 参考例4(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロ
ペニル]−4−メルカプトピロリジン・トリフルオロ酢
酸塩 1)
【0209】
【化60】 (2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−ヒドロキシ−1−プロペニル]−4−ト
リチルチオピロリジン(3.6g,7.45mmol)
を用いて、参考例1−5)と同様の反応を行うことによ
り、(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2
−[(Z)−3−メタンスルホニルオキシ−1−プロペ
ニル]−4−トリチルチオピロリジン(4.07g,収
率:97.3%)を得た。
【0210】NMR(CDCl3)δ:1.48(1
H,m),2.68〜3.06(6H,m),4.20
〜4.58(4H,m),4.62〜4.98(2H,
m),5.12〜5.22(2H,m),5.60(2
H,m),5.92(1H,m),7.16〜7.54
(15H,m) 2)
【0211】
【化61】 前記反応で得られた化合物(2.03g,3.62mm
ol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(15m
l)にジメチルアミン塩酸塩(890mg,10.9m
mol)および炭酸水素ナトリウム(1.06g,1
2.6mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応
混合物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル(70m
l)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[Wa
kogelTM C−300 3%メタノール−クロロホ
ルム]に付し、(2S,4S)−N−アリルオキシカル
ボニル−2−[(Z)−3−(N,N−ジメチルアミ
ノ)−1−プロペニル]−4−トリチルチオピロリジン
(1.24g,収率:67.2%)を得た。
【0212】NMR(CDCl3)δ:1.48(1
H,m),1.80〜2.40(6H,m),2.64
〜3.15(4H,m),4.22〜4.62(4H,
m),5.06〜5.32(2H,m),5.35〜
5.66(2H,m),5.86(1H,m),7.1
8〜7.57(15H,m) 3)
【0213】
【化62】 前記反応で得られた化合物(1.23g,2.41mm
ol)の塩化メチレン溶液(3.5ml)に窒素気流
中、氷冷下でトリフルオロ酢酸(3.5ml)およびト
リエチルシラン(0.41ml,2.57mmol)を
加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下に
濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
[WakogelTM C−300 3%メタノール−ク
ロロホルム]に付し、標記化合物(640mg,収率:
69.5%)を得た。
【0214】NMR(CDCl3)δ:1.62(1
H,m),2.62(1H,m),2.84(6H,
m),3.12〜3.42(3H,m),3.74〜
4.22(3H,m),4.42〜4.66(2H,
m),5.16〜5.40(2H,m),5.55〜
6.10(3H,m) 参考例5(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(1−ピロリジニル)−1−プロペニ
ル]−4−メルカプトピロリジン・トリフルオロ酢酸塩 1)
【0215】
【化63】 (2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−メタンスルホニルオキシ−1−プロペニ
ル]−4−トリチルチオピロリジン(2.03g,3.
62mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液
(15ml)にピロリジン(0.91ml,10.9m
mol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物を
減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル(70ml)で抽出
した。有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー[WakogelTM
C−300 3%メタノール−クロロホルム]に付し、
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(1−ピロリジニル)−1−プロペニ
ル]−4−トリチルチオピロリジン(1.34g,収
率:69.1%)を得た。
【0216】NMR(CDCl3)δ:1.46(1
H,m),1.56〜2.10(5H,m),2.18
〜2.60(4H,m),2.65〜3.40(5H,
m),4.20〜4.60(3H,m),5.06〜
5.42(3H,m),5.58(1H,m),5.8
4(1H,m),7.16〜7.60(15H,m) 2)
【0217】
【化64】 前記反応で得られた化合物(1.34g,2.5mmo
l)を用いて、参考例4−3)と同様の反応を行うこと
により、標記化合物(513mg,収率:50.3%)
を得た。 参考例6(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]−4−メルカプトピロ
リジン 1)
【0218】
【化65】 窒素気流中、−78℃で塩化オキサリル(7.05m
l,80.8mmol)の塩化メチレン溶液(150m
l)に、ジメチルスルホキシド(8.8ml,124m
mol)の塩化メチレン溶液(25ml)を滴下し、反
応溶液を同温で30分間撹拌した。この混合物に、(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−ヒドロ
キシメチル−4−トリチルチオピロリジン[27.1
g,59.0mmol,特願平2−205984,参考
例3−1)の化合物]の塩化メチレン溶液(130m
l)を滴下し、この反応混合物を同温で30分間撹拌
後、トリエチルアミン(27.1ml,195mmo
l)を加え、更に30分間撹拌した。この反応混合物を
塩化メチレン(200ml)に注ぎ、有機層を希塩酸、
水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧下に濃縮することにより、(2S,4S)
−N−アリルオキシカルボニル−2−ホルミル−4−ト
リチルチオピロリジンの油状残渣を得た。
【0219】窒素気流中、氷冷下で60%水素化ナトリ
ウム(2.42g,60mmol)のテトラヒドロフラ
ン懸濁液(260ml)にエチル ジエチルホスホノア
セタート(14.2g,63.3ml)を加え、同温で
30分間撹拌した。この反応溶液に前記反応で得られた
(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−ホ
ルミル−4−トリチルチオピロリジンのテトラヒドロフ
ラン溶液(100ml)を滴下し、同温で30分間撹拌
した。反応溶液を酢酸エチル(350ml)で抽出し、
有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー[WakogelTM C−3
00 ヘキサン:酢酸エチル(4:1)]に付し、3−
[(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−4−
トリチルチオピロリジン−2−イル]アクリル酸 エチ
ルエステル(28.31g,収率:96.1%)を得
た。
【0220】NMR(CDCl3)δ:1.26(3
H,t,J=8Hz),1.80〜2.20(1H,
m),2.66〜3.50(3H,m),4.18(3
H,m),4.48(2H,m),5.05〜5.34
(2H,m),5.64〜6.00(2H,m),6.
76(1H,dd,J=15,7Hz),7.14〜
7.58(15H,m) 2)
【0221】
【化66】 前記反応で得られた化合物(28.31g,55.4m
mol)を用いて、参考例2−1)と同様の反応を行う
ことにより、(2S,4S)−N−アリルオキシカルボ
ニル−2−[(E)−3−ヒドロキシ−1−プロペニ
ル]−4−トリチルチオピロリジン(3.4g,収率:
12.7%)を得た。
【0222】NMR(CDCl3)δ:1.56(1
H,m),2.10(1H,m),2.58〜3.10
(3H,m),3.96〜4.16(2H,m),4.
34〜4.60(2H,m),5.08〜5.32(2
H,m),5.48〜5.98(3H,m),7.14
〜7.56(15H,m) 3)
【0223】
【化67】 前記反応で得られた化合物(3.0g,6.2mmo
l)のテトラヒドロフラン溶液(40ml)に、窒素気
流中、氷冷下で塩化メタンスルホニル(0.514m
l,6.64mmol)およびトリエチルアミン(0.
95ml,0.683mmol)を加え、同温で30分
間撹拌後、40%メチルアミン−メタノール溶液(2.
5g)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を減
圧下に濃縮後、酢酸エチル(100ml)で抽出した。
有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をテトラヒド
ロフラン溶液(60ml)に溶解し、氷冷下、トリエチ
ルアミン(0.95ml,6.83mmol)およびア
リルクロロホルマート(0.66ml,6.22mmo
l)を加え、同温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸
エチル(100ml)で抽出し、有機層を水、飽和食塩
水の順に洗浄後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー[WakogelTM C−3
00 ヘキサン:酢酸エチル(3:1)]に付し、(2
S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−1−プロペニル]−4−トリチルチオピ
ロリジン(1.73g,収率:47.9%)を得た。
【0224】NMR(CDCl3)δ:1.55(1
H,m),2.08(1H,m),2.58〜3.44
(6H,m),3.84(2H,m),4.08(1
H,m),4.35〜4.62(4H,m),5.06
〜5.38(4H,m),5.48(2H,m),5.
88(2H,m),7.15〜7.58(15H,m) 4)
【0225】
【化68】 前記反応で得られた化合物(1.73g,2.97mm
ol)を用いて、参考例2−4)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(850mg,収率:84.6
%)を得た。
【0226】NMR(CDCl3)δ:1.70(1
H,m),2.58(1H,m),2.86(3H,
s),3.10〜3.38(2H,m),3.88(2
H,m),4.06(1H,m),4.34(1H,
m),4.45〜4.66(4H,m),5.10〜
5.40(4H,m),5.60(2H,m),5.9
5(2H,m) 参考例7(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(アリオキシカルボニルアミノ)−2−
メチル−1−プロペニル]−4−メルカプトピロリジン 1)
【0227】
【化69】 (2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−ヒ
ドロキシメチル−4−トリチルチオピロリジン(8.1
9g,17.8mmol)およびエチル 2−ジエチル
ホスホノプロピオナート(4.76g,20.0mmo
l)を用いて、参考例6−1)と同様の反応を行うこと
により、3−[(2S,4S)−N−アリルオキシカル
ボニル−4−トリチルチオピロリジン−2−イル]−2
−メチルアクリル酸 エチルエステル(8.58g 収
率:91.6%)を得た。 2)
【0228】
【化70】 前記反応で得られた化合物(8.58g,15.9mm
ol)を用いて、参考例2−1)と同様の反応を行うこ
とにより、(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニ
ル−2−[(Z)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−
プロペニル]−4−トリチルチオピロリジン(1.90
g,収率:24%,低極性化合物)およびE−異性体
(2.26g,収率:28.6%,極性化合物)を得
た。
【0229】Z−異性体(低極性化合物): NMR(CDCl3)δ:1.50(1H,m),1.
80(3H,s),2.17(1H,m),2.62〜
3.02(3H,m),3.62(1H,m),4.0
8(1H,m),4.32〜4.62(4H,m),
5.02(1H,d,J=10Hz),5.12〜5.
34(2H,m),5.88(1H,m),7.15〜
7.60(15H,m) E−異性体(極性化合物): NMR(CDCl3)δ:1.45(1H,m),1.
65(3H,br s),2.02(1H,m),2.
60〜3.34(3H,m),3.97(2H,br
s),4.15〜4.58(3H,m),5.05〜
5.32(3H,m),5.83(1H,m),7.1
4〜7.54(15H,m) 3)
【0230】
【化71】 前記反応で得られたZ−異性体(1.88g,3.78
mmol)を用いて、参考例2−2)と同様の反応を行
うことにより、(2S,4S)−N−アリルオキシカル
ボニル−2−[(Z)−2−メチル−3−フタルイミド
−1−プロペニル]−4−トリチルチオピロリジン
(2.089g,収率:88.2%)を得た。
【0231】NMR(CDCl3)δ:1.40〜1.
76(4H,m),2.70〜4.30(3H,m),
4.04〜4.86(5H,m),5.10〜5.36
(3H,m),5.87(1H,m),7.18〜7.
60(15H,m),7.76(2H,m),7.90
(2H,m) 4)
【0232】
【化72】 前記反応で得られた化合物(2.08g,3.32mm
ol)を用いて、参考例2−3)と同様の反応を行うこ
とにより、(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニ
ル−2−[(Z)−3−アリルオキシカルボニルアミノ
−2−メチル−1−プロペニル]−4−トリチルチオピ
ロリジン(1.26g,収率:65.3%)を得た。
【0233】NMR(CDCl3)δ:1.50(1
H,m),1.72(3H,s),2.10(1H,
m),2.60〜3.06(3H,m),3.80(2
H,m),4.20〜4.68(7H,m),4.96
〜5.40(6H,m),5.92(2H,m),7.
15〜7.58(15H,m) 5)
【0234】
【化73】 前記反応で得られた化合物(640mg,1.1mmo
l)を用いて、参考例2−4)と同様の反応を行うこと
により、標記化合物(326mg,収率:85.9%)
を得た。
【0235】NMR(CDCl3)δ:1.60(1
H,m),1.78(3H,s),2.58(1H,
m),3.08〜3.36(2H,m),3.88(2
H,m),4.02(1H,m),4.44〜4.82
(5H,m),5.10〜5.44(5H,m),5.
80〜6.16(3H,m) 参考例8(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2
−メチル−1−プロペニル]−4−メルカプトピロリジ
1)
【0236】
【化74】 (2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペニ
ル]−4−トリチルチオピロリジン(2.24g,4.
5mmol)を用いて、参考例2−2)、3)と同様の
反応を行うことにより、(2S,4S)−N−アリルオ
キシカルボニル−2−[(E)−3−アリルオキシカル
ボニルアミノ−2−メチル−1−プロペニル]−4−ト
リチルチオピロリジン(1.48g,収率:56.7
%)を得た。
【0237】NMR(CDCl3)δ:1.46(1
H,m),1.64(3H,s),2.02(1H,
m),2.62〜3.40(3H,m),3.68(2
H,m),4.12〜4.72(6H,m),5.08
〜5.40(5H,m),5.88(2H,m),7.
14〜7.52(15H,m) 2)
【0238】
【化75】 前記反応で得られた化合物(860mg,1.45mm
ol)を用いて、参考例2−4)と同様の反応を行うこ
とにより、標記化合物(463mg,収率:90.8
%)を得た。
【0239】NMR(CDCl3)δ:1.47〜1.
82(4H,m),2.57(1H,m),3.10〜
3.36(2H,m),3.72(2H,m),4.0
2(1H,m),4.40〜4.66(5H,m),
5.12〜5.40(5H,m),5.78〜6.04
(2H,m) 参考例9(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−4−メ
ルカプトピロリジン
【0240】
【化76】 (2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(Z)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2
−メチル−1−プロペニル]−4−トリチルチオピロリ
ジン(600mg,1.03mmol)を用いて、参考
例3−1)、2)と同様の反応を行うことにより、標記
化合物(308mg,収率:84.6%)を得た。
【0241】NMR(CDCl3)δ:1.48〜1.
75(4H,m),2.76(1H,m),2.88
(3H,br s),3.22(2H,m),3.76
〜4.32(4H,m),4.44〜4.70(4H,
m),5.15〜5.42(5H,m),5.92(2
H,m) 参考例10(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メ
チルアミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−4−メ
ルカプトピロリジン
【0242】
【化77】 (2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[(E)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2
−メチル−1−プロペニル]−4−トリチルチオピロリ
ジン(600mg,1.03mmol)を用いて、参考
例3−1)、2)と同様の反応を行うことにより、標記
化合物(295mg,収率:81.0%)を得た。
【0243】NMR(CDCl3)δ:1.46〜1.
75(4H,m),2.60(1H,m),2.82
(3H,s),3.25(2H,m),3.86(2
H,m),4.04(1H,m),4.46〜4.68
(5H,m),5.14〜5.42(5H,m),5.
92(2H,m) 参考例11(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[1−[(N−アリルオキシカルボニルアミノ)メチ
ル]ビニル]−4−メルカプトピロリジン 1)
【0244】
【化78】 (2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[1−
(ヒドロキシメチル)ビニル]ピロリジン[2.45
g,6.9mmol;特願平3−263270 参考例
5−4)の化合物]のテトラヒドロフラン溶液(25m
l)に、0℃でフタルイミド(1.77g,12.0m
mol)、トリフェニルホスフィン(2.75g,1
0.5mmol)およびアゾジカルボン酸ジエチルエス
テル(1.65ml,10.5mmol)を加え、同温
で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣を酢酸
エチル(15ml)、ヘプタン(15ml)の混合溶媒
に溶解し、一晩放置した。析出固体を濾別し、ヘプタン
−酢酸エチル(2:1)で洗浄した。濾液と洗液をあわ
せて減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー[WakogelTM C−300,ヘプタ
ン:酢酸エチル(4:1)]に付し、(2S,4R)−
N−tert−ブトキシカルボニル−4−tert−ブ
チルジメチルシロキシ−2−[1−(フタルイミドメチ
ル)ビニル]ピロリジン(2.85g,収率84%)を
得た。
【0245】NMR(CDCl3)δ:0.05(6
H,s),0.87(9H,s),1.39(9H,
s),2.07(2H,m),3.51(2H,br
s),4.10〜4.27(2H,m),4.37(2
H,m),4.83(1H,brs),4.99(1
H,br s),7.65〜7.90(4H,m) 2)
【0246】
【化79】 (2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[1−
(フタルイミドメチル)ビニル]ピロリジン(2.85
g,5.86mmol)のエタノール溶液(40ml)
にヒドラジン・一水和物(0.85ml,17.6mm
ol)を室温で加え、同温で一晩撹拌した。反応混合物
を濾別、エタノールで洗浄し、濾液と洗液をあわせて減
圧下留去した。残渣に酢酸エチル、8%アンモニア水を
加え、分液後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減
圧下留去し、2.11gの油状物を得た。この油状物の
乾燥塩化メチレン溶液(30ml)にアリルクロロホル
マート(1.92ml,18mmol)およびトリエチ
ルアミン(3.34ml,24mmol)を0℃で加
え、同温で一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー[Wakogel
TM C−300,ヘプタン:酢酸エチル(4:1)]に
付し、(2S,4R)−2−[1−[(N−アリルオキ
シカルボニルアミノ)メチル]ビニル]−N−tert
−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメチル
シロキシピロリジン(2.15g,収率:82%)を得
た。
【0247】NMR(CDCl3)δ:0.04(6
H,s),0.86(9H,s),1.42(9H,
s),1.86(1H,m),2.06(1H,m),
3.46(2H,m),3.76(2H,m),4.3
2(1H,m),4.42(1H,m),4.60(2
H,br d),5.00(2H,br s),5.1
2〜5.38(3H,m),5.92(1H,m) 3)
【0248】
【化80】 (2S,4R)−2−[1−[(N−アリルオキシカル
ボニルアミノ)メチル]ビニル]−N−tert−ブト
キシカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキ
シピロリジン(2.15g,4.88mmol)に0℃
で3N塩化水素/メタノール溶液を加え、室温で3時間
撹拌した。反応溶液を減圧下留去し、粗製の(2S,4
R)−2−[1−[(N−アリルオキシカルボニルアミ
ノ)メチル]ビニル]−4−ヒドロキシピロリジン・一
塩酸塩(1.14g)を得た。
【0249】NMR(D2O)δ:2.03〜2.35
(2H,m),3.29(1H,br d),3.60
(1H,m),3.83(2H,br s),4.36
(1H,m),4.55(2H,br d),4.69
(2H,br s),5.15〜5.23(4H,
m),5.93(1H,m) 4)
【0250】
【化81】 (2S,4R)−2−[1−[(N−アリルオキシカル
ボニルアミノ)メチル]ビニル]−4−ヒドロキシピロ
リジン・一塩酸塩(1.14g,4.4mmol)をジ
オキサン(15ml)、水(10ml)に加えた。この
混合物に、0℃で3N水酸化ナトリウム水溶液でpHを
8〜9に調整しながら、アリルクロロホルマート(0.
63ml,6mmol)を滴下した。滴下後、同温で1
0分間撹拌し、反応混合物を減圧下留去し、酢酸エチル
(80ml)で抽出、飽和炭酸水素ナトリウム(40m
l)、飽和食塩水(30ml)で洗浄、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、減圧下留去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー[WakogelTM
−300,ヘプタン:酢酸エチル(1:1)〜酢酸エチ
ル]に付し、(2S,4R)−N−アリルオキシカルボ
ニル−2−[1−[(N−アリルオキシカルボニルアミ
ノ)メチル]ビニル]−4−ヒドロキシピロリジン
(1.1g,収率:80%)を得た。
【0251】NMR(CDCl3)δ:2.00(1
H,m),2.20(1H,m),3.60〜4.00
(4H,m),4.60(4H,d,J=6Hz),
5.00〜5.64(4H,m),5.94(2H,
m) 5)
【0252】
【化82】 (2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[1−[(N−アリルオキシカルボニルアミノ)メチ
ル]ビニル]−4−ヒドロキシピロリジン(892m
g,2.87mmol)の塩化メチレン溶液(10m
l)に、0℃で塩化メタンスルホニル(0.29ml,
3.73mmol)およびトリエチルアミン(0.68
ml,4.88mmol)を加え、同温で15分間撹拌
した。反応溶液にクロロホルム(40ml)を加え、希
塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(W
akogelTM C−300,酢酸エチル)に付し、
(2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[1−[(N−アリルオキシカルボニルアミノ)メチ
ル]ビニル]−4−メタンスルホニルオキシピロリジン
(943mg,収率:84%)を得た。
【0253】NMR(CDCl3)δ:2.14(1
H,m),2.56(1H,m),3.06(3H,
s),3.62〜3.94(3H,m),4.04(1
H,m),4.40(4H,br s),5.10(2
H,br s),5.16〜5.40(5H,m),
5.92(2H,m) 6)
【0254】
【化83】 (2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[1−[(N−アリルオキシカルボニルアミノ)メチ
ル]ビニル]−4−メタンスルホニルオキシピロリジン
(943mg,2.43mmol)のジメチルホルムア
ミド溶液(15ml)に、窒素気流下、チオ酢酸カリウ
ム(560mg,4.9mmol)およびヨウ化カリウ
ム(475mg,3.16mmol)を加え、70℃で
3.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(100
ml)を加え、水(40ml)、飽和食塩水(40m
l)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下留去
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー[WakogelTM C−300,ヘプタン:酢酸
エチル(2:1)]に付し、(2S,4S)−4−アセ
チルチオ−N−アリルオキシカルボニル−2−[1−
[(N−アリルオキシカルボニルアミノ)メチル]ビニ
ル]ピロリジン(831mg,収率:92%)を得た。
【0255】NMR(CDCl3)δ:1.86(1
H,m),2.14(3H,s),2.64(1H,
m),3.28(1H,m),3.70〜4.04(4
H,m),4.20(1H,m),4.42(1H,
t,J=8Hz),4.58(4H,d,J=7H
z),5.09(2H,br s),5.22〜5.4
2(4H,m),5.94(2H,m) 7)
【0256】
【化84】 (2S,4S)−4−アセチルチオ−N−アリルオキシ
カルボニル−2−[1−[(N−アリルオキシカルボニ
ルアミノ)メチル]ビニル]ピロリジン(622mg,
1.68mmol)のメタノール溶液(6ml)に、0
℃で1N水酸化ナトリウム水溶液(2.0ml)を加
え、同温で15分間撹拌した。この反応混合物に1N塩
酸(2.1ml)を加え、pHを4とした後、減圧下留
去した。残渣に酢酸エチル(50ml)および水(20
ml)を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下留去し、粗製の(2S,4
S)−N−アリルオキシカルボニル−2−[1−[(N
−アリルオキシカルボニルアミノ)メチル]ビニル]−
4−メルカプトピロリジン(530mg,収率:96
%)を得た。 参考例12(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[1−[(N−アリルオキシカルボニル−N−メチルア
ミノ)メチル]ビニル]−2−メルカプトピロリジン 1)
【0257】
【化85】 (2S,4R)−2−[1−[(N−アリルオキシカル
ボニルアミノ)メチル]ビニル]−N−tert−ブト
キシカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキ
シピロリジン(5.42g,12.3mmol)のDM
F溶液(80ml)に0℃で60%水素化ナトリウム
(980mg,25mmol)を加え同温で25分間撹
拌した後、ヨウ化メチル(1.56ml,25mmo
l)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に水(1
00ml)を加え酢酸エチル(450ml)で抽出し、
有機層を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで
乾燥、減圧濃縮し、粗製の(2S,4R)−2−[1−
[(N−アリルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)
メチル]ビニル]−N−tert−ブトキシカルボニル
−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリジン
(6.0g)を得た。
【0258】NMR(CDCl3)δ:0.04(6
H,s),0.85(9H,s),1.41(9H,
s),2.88(3H,s),4.58(2H,br
s),4.80(1H,br s),4.96(1H,
br s),5.10〜5.32(2H,m),5.9
0(1H,m) 2)
【0259】
【化86】 前記反応で得られた化合物(6.0g)に4.8N塩化
水素/メタノール溶液(40ml)を加え室温で一晩撹
拌した。反応溶液を減圧濃縮後、残渣にクロロホルム
(20ml×2)を加え濃縮した。残渣に水(30m
l)、ジオキサン(60ml)を加え、氷冷下、1N水
酸化ナトリウムでpHを9〜10に調整しながらクロロ
炭酸アリル(1.35ml,12.9mmol)を滴下
し、同温で20分間撹拌した。反応液を酢酸エチル(2
50ml)で抽出し、有機層を水(80ml×2)、飽
和食塩水(80ml×2)で洗浄、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー[WakogelTM C−300,ヘプタ
ン:酢酸エチル(2:1)→酢酸エチル]に付し、(2
S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−2−[1−
[(N−アリルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)
メチル]ビニル]−4−ヒドロキシピロリジン(3.0
9g,収率:80.9%)を得た。
【0260】NMR(CDCl3)δ:1.94(1
H,m),2.21(1H,m),2.91(3H,b
r s),4.43〜4.60(6H,m),4.87
(1H,br s),5.01(1H,s),5.10
〜5.40(4H,m),5.92(2H,m) 3)
【0261】
【化87】 前記反応で得られた化合物(3.09g,9.5mmo
l)の塩化メチレン溶液(40ml)に、氷冷下、トリ
エチルアミン(1.86ml,13.3mmol)、塩
化メタンスルホニル(0.88ml,11.4mmo
l)を加え、同温で15分間撹拌した。反応溶液にクロ
ロホルム(100ml)を加え、希塩酸、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー[WakogelTM C−300,ヘ
プタン:酢酸エチル(1:2)]に付し、3.0gの油
状物を得た。得られた油状物(3.0g)のDMF溶液
(30ml)にチオ酢酸カリウム(2.53g,22.
2mmol)を加え、窒素気流下、70℃で4時間撹拌
した。反応混合物に酢酸エチル(250ml)を加え、
水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー[WakogelTM C−30
0,ヘプタン:酢酸エチル(2:1→1:1)]に付
し、(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−アリルオ
キシカルボニル−2−[1−[(N−アリルオキシカル
ボニル−N−メチルアミノ)メチル]ビニル]ピロリジ
ン(3.3g,収率:90%)を得た。
【0262】NMR(CDCl3)δ:1.91(1
H,m),2.31(3H,s),2.62(1H,
m),2.88(3H,br s),3.26(1H,
m),3.63(1H,m),3.89(1H,m),
4.17(1H,m),4.34(1H,m),4.5
8(4H,m),4.93(1H,br s),5.0
6(1H,br s),5.15〜5.36(4H,
m),5.88(2H,m) 4)
【0263】
【化88】 前記反応で得られた化合物(3.3g,8.6mmo
l)のメタノール溶液(30ml)に0℃で1N水酸化
ナトリウム(8.7ml)を滴下し、10分間撹拌した
後、同温で1N塩酸(9.0ml)を滴下した。反応混
合物を濃縮後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、
無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、粗製の標記化
合物(2.87g)を得た。 参考例13(2S,4S)−N−アリルオキシカルボニル−2−
[2−(N−アリルオキシカルボニル−N−メチルアミ
ノ)アリル]−4−メルカプトピロリジン 1)
【0264】
【化89】 ジメチルスルホキシド(2.5ml,35mmol)の
塩化メチレン溶液(40ml)に−70℃でオキサリル
クロリド(1.58ml,18.5mmol)を滴下
し、同温で30分間撹拌した。(2S,4R)−4−t
ert−ブチルジメチルシロキシ−N−tert−ブト
キシカルボニル−2−(2−ヒドロキシエチル)ピロリ
ジン(3.7g,10.3mmol)の塩化メチレン溶
液(10ml)を滴下し、同温で30分間撹拌した。ト
リエチルアミン(10ml,72mmol)を滴下し、
室温まで昇温した。反応液に水を加え、有機層を希塩
酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[W
akogelTM C−300,ヘプタン:酢酸エチル
(4:1)]に付し、(2S,4R)−4−tert−
ブチルジメチルシロキシ−N−tert−ブトキシカル
ボニル−2−(2−ホルミルエチル)ピロリジン(3.
14g,収率:85%)を得た。
【0265】NMR(CDCl3)δ:0.04(6
H,s),0.85(9H,s),1.44(9H,
s),1.66(1H,m),1.92(1H,m),
2.00(2H,m),2.42(2H,m),3.2
2〜3.60(2H,m),3.95(1H,m),
4.31(1H,m),9.74(1H,s) 2)
【0266】
【化90】 前記反応で得られた化合物(3.14g,8.8mmo
l)の塩化メチレン溶液(40ml)にトリエチルアミ
ン(2.7ml,19.4mmol)、N,N−ジメチ
ルメチレンアンモニウムクロリド(1.65g,17.
6mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を
水、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[Wako
gelTM C−300,ヘプタン:酢酸エチル(4:
1)]に付し、(2S,4R)−4−tert−ブチル
ジメチルシロキシ−N−tert−ブトキシカルボニル
−2−(2−ホルミルアリル)ピロリジン(2.33
g,収率:71%)を得た。
【0267】NMR(CDCl3)δ:0.03(6
H,s),0.84(9H,s),1.46(9H,
s),2.40(1H,m),2.68(1H,m),
3.24〜3.48(2H,m),4.03(1H,
m),4.30(1H,m),6.06(1H,s),
6.32(1H,m),9.53(1H,m) 3)
【0268】
【化91】 前記反応で得られた化合物(2.33g,6.3mmo
l)のメタノール溶液(25ml)に、0℃で塩化セリ
ウム・7水和物(2.35g,6.3mmol)のメタ
ノール溶液(10ml)を加え、同温で水素化ホウ素ナ
トリウム(240mg,6.3mmol)を加えて10
分間撹拌した。反応液に水(10ml)を加え、減圧濃
縮し、残渣を酢酸エチルで抽出、有機層を希塩酸、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー[WakogelTM C−
300,ヘプタン:酢酸エチル(3:1)]に付し、
(2S,4R)−4−tert−ブチルジメチルシロキ
シ−N−tert−ブトキシカルボニル−2−[2−
(ヒドロキシメチル)アリル]ピロリジン(2.24
g,収率:95%)を得た。
【0269】NMR(CDCl3)δ:0.06(6
H,s),0.87(9H,s),1.45(9H,
s),3.25〜3.44(2H,m),4.11(3
H,m),4.37(1H,m),4.82(1H,
m),5.01(1H,m) 4)
【0270】
【化92】 前記反応で得られた化合物(2.24g,6.0mmo
l)の塩化メチレン溶液(30ml)に、氷冷下、トリ
エチルアミン(1.18ml,8.44mmol)、塩
化メタンスルホニル(0.56ml,7.25mmo
l)を滴下し、同温で15分間撹拌した。反応液を水、
希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得
られた油状物のメタノール溶液(100ml)に40%
メチルアミン/メタノール溶液(30ml)を加え、室
温で一晩撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をクロ
ロホルム(70ml)で抽出、有機層を1.5N水酸化
ナトリウム(40ml)、飽和食塩水(30ml)で洗
浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、粗製の
(2S,4R)−4−tert−ブチルジメチルシロキ
シ−N−tert−ブトキシカルボニル−2−[2−
(N−メチルアミノメチル)アリル]ピロリジン(2.
24g)を得た。
【0271】NMR(CDCl3)δ:0.04(6
H,s),0.85(9H,s),1.45(9H,
s),2.40(3H,s),3.14(2H,m),
3.20〜3.40(2H,m),3.95〜4.15
(1H,m),4.83(1H,s),4.96(1
H,s) 5)
【0272】
【化93】 前記反応で得られた化合物(2.24g,5.8mmo
l)の塩化メチレン溶液(40ml)に、氷冷下、トリ
エチルアミン(1.13ml,8.1mmol)、クロ
ロ炭酸アリル(0.74ml,7.0mmol)を加
え、同温で30分間撹拌した。反応液を希塩酸、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー[WakogelTM C−3
00,ヘプタン:酢酸エチル(3:1)]に付し、(2
S,4R)−2−[2−(N−アリルオキシカルボニル
−N−メチルアミノメチル)アリル]−4−tert−
ブチルジメチルシロキシ−N−tert−ブトキシカル
ボニルピロリジン(2.46g,収率:90%)を得
た。
【0273】NMR(CDCl3)δ:0.04(6
H,s),0.86(9H,s),1.45(9H,
s),1.71〜2.08(3H,m),2.50〜
2.70(1H,m),2.88(3H,s),3.3
7(2H,m),3.72〜4.20(4H,m),
4.32(1H,m),4.59(2H,m),4.8
8(2H,m),5.10〜5.38(2H,m),
5.91(1H,m) 6)
【0274】
【化94】 前記反応で得られた化合物(2.46g,5.2mmo
l)に室温で3N塩化水素/メタノール溶液を加え、一
晩撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水(20m
l)、ジオキサン(40ml)を加え、氷冷下、水酸化
ナトリウム水溶液でpHを9〜10に調整しながらクロ
ロ炭酸アリル(0.67ml,6.3mmol)を滴下
し、同温で10分間撹拌した。反応液を酢酸エチル(1
50ml)で抽出、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー[WakogelTM
C−300,ヘプタン:酢酸エチル(2:1)→酢酸エ
チル]に付し、(2S,4R)−N−アリルオキシカル
ボニル−2−[2−(N−アリルオキシカルボニル−N
−メチルアミノメチル)アリル]−4−ヒドロキシピロ
リジン(1.41g,収率:79%)を得た。
【0275】NMR(CDCl3)δ:1.72〜2.
24(3H,m),2.55〜2.85(1H,m),
2.86(3H,s),3.40〜3.72(2H,
m),3.84(2H,m),4.17(1H,m),
4.40(1H,m),4.58(4H,m),4.8
9(2H,br s),5.10〜5.38(4H,
m),5.90(2H,m) 7)
【0276】
【化95】 前記反応で得られた化合物(1.41g,4.17mm
ol)の塩化メチレン溶液(30ml)に氷冷下トリエ
チルアミン(0.81ml,5.9mmol)、塩化メ
タンスルホニル(0.39ml,5.0mmol)を加
え、同温で10分間撹拌した。反応溶液を希塩酸、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた油状物
のDMF溶液(30ml)にチオ酢酸カリウム(1.4
2g,12.5mmol)を加え、窒素気流下70℃で
3時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水、
飽和食塩水で有機層を洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー[WakogelTM C−300,ヘプタン:
酢酸エチル(2:1→1:1)]に付し、(2S,4
S)−4−アセチルチオ−N−アリルオキシカルボニル
−2−[2−(N−アリルオキシカルボニル−N−メチ
ルアミノメチル)アリル]ピロリジン(1.36g,収
率:82%)を得た。
【0277】NMR(CDCl3)δ:1.62〜1.
80(1H,m),2.02〜2.18(1H,m),
2.32(3H,s),2.86(3H,s),3.2
1(1H,m),3.86(3H,m),4.10(2
H,m),4.58(4H,br s),4.90(2
H,br s),5.10〜5.38(4H,m),
5.90(2H,m) 8)
【0278】
【化96】 前記反応で得られた化合物(1.36g,3.43mm
ol)のメタノール溶液(10ml)に、氷冷下、1N
水酸化ナトリウム(3.5ml)を滴下し、同温で10
分間撹拌した。1N塩酸(3.7ml)を0℃で加え、
反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮し、粗製の標記化合物(1.22g)を得
た。
【0279】
【発明の効果】本発明の化合物は、文献未記載の新規化
合物であり、感受性・耐性のグラム陽性菌およびグラム
陰性菌に対する強い抗菌力、β−ラクタマーゼおよびD
HP−Iに対する優れた安定性を有するので、抗菌剤と
して有用である。 特許出願人 萬有製薬株式会社
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛嶋 良輔 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、R3は水素原子または低級アルキル基、
    4、R5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンス
    ルホニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル
    基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または
    基:−X−N(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8
    は同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基またはR7およびR8が隣接
    する窒素原子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原
    子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる複
    素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい複
    素環基を形成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該
    複素環上の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基
    を形成していてもよい)、Xは置換基を有していてもよ
    い低級アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくと
    も一方は基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは
    前記の意味を有する)、Yは低級アルキレン基または単
    結合を示す]で表される化合物またはその医薬として許
    容される塩またはエステル。
  2. 【請求項2】一般式 【化2】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、R3は水素原子または低級アルキル基、
    4、R5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンス
    ルホニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル
    基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または
    基:−X−N(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8
    は同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基またはR7およびR8が隣接
    する窒素原子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原
    子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる複
    素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい複
    素環基を形成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該
    複素環上の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基
    を形成していてもよい)、Xは置換基を有していてもよ
    い低級アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくと
    も一方は基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは
    前記の意味を有する)を示す]で表される請求項1記載
    の化合物またはその医薬として許容される塩またはエス
    テル。
  3. 【請求項3】一般式 【化3】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、R3は水素原子または低級アルキル基、
    4、R5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンス
    ルホニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル
    基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または
    基:−X−N(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8
    は同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基またはR7およびR8が隣接
    する窒素原子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原
    子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる複
    素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい複
    素環基を形成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該
    複素環上の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基
    を形成していてもよい)、Xは置換基を有していてもよ
    い低級アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくと
    も一方は基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは
    前記の意味を有する)、Wは低級アルキレン基を示す]
    で表される請求項1記載の化合物またはその医薬として
    許容される塩またはエステル。
  4. 【請求項4】R5またはR6が基:−(CH2n−N(R
    70)R80[ここにおいて、R70およびR80は同一または
    異なって、水素原子または低級アルキル基を示すか、R
    70およびR80は隣接する窒素原子と共に3員ないし8員
    の複素環基を形成し、nは1ないし4の整数を示す]で
    ある請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】R5またはR6が基:−CH2−N(R77
    88[ここにおいて、R77およびR88は同一または異な
    って、水素原子または低級アルキル基を示すか、R77
    よびR88は隣接する窒素原子と共に4員ないし6員の複
    素環基を形成する]である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】R5およびR6が水素原子である請求項1記
    載の化合物。
  7. 【請求項7】R5またはR6が基:−CH2−NH2、−C
    2−NH CH3または−CH2−N(CH32である請
    求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】(5R,6S)−2−[(2S,4S)−
    2−[(E)−3−アミノ−1−プロペニル]ピロリジ
    ン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエ
    チル]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
    [(E)−3−アミノ−1−プロペニル]ピロリジン−
    4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
    ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
    ルボン酸、(5R,6S)−2−[(2S,4S)−2
    −[(Z)−3−アミノ−1−プロペニル]ピロリジン
    −4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
    ル]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
    [(Z)−3−アミノ−1−プロペニル]ピロリジン−
    4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
    ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
    ルボン酸、(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロ
    キシエチル]−2−[(2S,4S)−2−[(Z)−
    3−(N−メチルアミノ)−1−プロペニル]ピロリジ
    ン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−
    カルボン酸、(1R,5S,6S)−6−[(R)−1
    −ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
    S)−2−[(Z)−3−(N−メチルアミノ)−1−
    プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバ
    ペン−2−エム−3−カルボン酸、(5R,6S)−2
    −[(2S,4S)−2−[(Z)−3−(N,N−ジ
    メチルアミノ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イ
    ルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
    −カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(1R,5
    S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(Z)−3
    −(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロペニル]ピロ
    リジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキ
    シエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−
    3−カルボン酸、(5R,6S)−6−[(R)−1−
    ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−
    [(Z)−3−(1−ピロリジニル)−1−プロペニ
    ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
    −エム−3−カルボン酸、(1R,5S,6S)−6−
    [(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
    [(2S,4S)−2−[(Z)−3−(1−ピロリジ
    ニル)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]
    −1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(5
    R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
    2−[(2S,4S)−2−[(E)−3−(N−メチ
    ルアミノ)−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチ
    オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
    エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
    [(E)−3−(N−メチルアミノ)−1−プロペニ
    ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
    −エム−3−カルボン酸、(5R,6S)−2−[(2
    S,4S)−2−[(Z)−3−アミノ−2−メチル−
    1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−
    [(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン−
    2−エム−3−カルボン酸、(1R,5S,6S)−2
    −[(2S,4S)−2−[(Z)−3−アミノ−2−
    メチル−1−プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]
    −6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
    −1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(5
    R,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(E)−3
    −アミノ−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン−
    4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
    ル]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
    [(E)−3−アミノ−2−メチル−1−プロペニル]
    ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒド
    ロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エ
    ム−3−カルボン酸、(5R,6S)−6−[(R)−
    1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−
    [(Z)−3−(N−メチルアミノ)−2−メチル−1
    −プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カル
    バペン−2−エム−3−カルボン酸、(1R,5S,6
    S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
    [(2S,4S)−2−[(Z)−3−(N−メチルア
    ミノ)−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン−4
    −イルチオ]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
    −3−カルボン酸、(5R,6S)−6−[(R)−1
    −ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−
    [(E)−3−(N−メチルアミノ)−2−メチル−1
    −プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カル
    バペン−2−エム−3−カルボン酸、(1R,5S,6
    S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
    [(2S,4S)−2−[(E)−3−(N−メチルア
    ミノ)−2−メチル−1−プロペニル]ピロリジン−4
    −イルチオ]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
    −3−カルボン酸、(5R,6S)−2−[(2S,4
    S)−2−[1−(アミノメチル)ビニル]ピロリジン
    −4−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
    ル]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
    [1−(アミノメチル)ビニル]ピロリジン−4−イル
    チオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
    メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
    ル]−2−[(2S,4S)−2−[1−[(N−メチ
    ルアミノ)メチル]ビニル]ピロリジン−4−イルチ
    オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (1R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ
    エチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
    [1−[(N−メチルアミノ)メチル]ビニル]ピロリ
    ジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3
    −カルボン酸、(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒ
    ドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−[2−
    [(N−メチルアミノ)メチル]アリル]ピロリジン−
    4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カル
    ボン酸または(1R,5S,6S)−6−[(R)−1
    −ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
    S)−2−[2−[(N−メチルアミノ)メチル]アリ
    ル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
    −エム−3−カルボン酸である請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】(1R,5S,6S)−6−[(R)−1
    −ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
    S)−2−[(E)−3−(N−メチルアミノ)−1−
    プロペニル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバ
    ペン−2−エム−3−カルボン酸である請求項1記載の
    化合物。
  10. 【請求項10】一般式[I]で表される化合物の立体配
    置が、(5R,6S,8R)または(1R,5S,6
    S,8R)である請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】一般式 【化4】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R9は水素原子
    またはヒドロキシ基の保護基、R20は水素原子またはカ
    ルボキシル基の保護基を示す]で表される化合物または
    その反応性誘導体と一般式 【化5】 [式中、R30は水素原子、低級アルキル基またはイミノ
    基の保護基、R40、R50およびR60は、水素原子、シア
    ノ基、メタンスルホニル基、置換基を有していてもよい
    低級アルキル基、置換基を有していてもよいカルバモイ
    ル基または基:−X1−N (R71)R81{ここにおい
    て、R71およびR81は同一または異なって、水素原子、
    置換基を有していてもよい低級アルキル基もしくはアミ
    ノ基の保護基またはR71およびR81が隣接する窒素原
    子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原子、酸素原
    子および硫黄原子からなる群より選ばれる複素原子と共
    に3員ないし8員の置換されていてもよい複素環基を形
    成し(但し、X1に隣接する窒素原子または該複素環上
    の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基を形成し
    ていてもよい)、X1は置換基を有していてもよい低級
    アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくとも一方
    は基:−X1−N(R71)R81(R71、R81およびX1
    前記の意味を有する)、Yは低級アルキレン基または単
    結合を示す(但し、低級アルキル基、複素環基および低
    級アルキレン基の置換基ならびにカルバモイル基および
    複素環上のイミノ基は必要に応じ、保護されていてもよ
    い)]で表される化合物とを反応させて、一般式 【化6】 [式中、R1、R9、R20、R30、R40、R50およびR60
    は前記の意味を有する]で表される化合物とし、要すれ
    ば、一般式[IV]の化合物の保護基を除去することを
    特徴とする、一般式 【化7】 [式中、R2は水素原子または陰電荷、R3は水素原子ま
    たは低級アルキル基、R4、R5およびR6は、水素原
    子、シアノ基、メタンスルホニル基、置換基を有してい
    てもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいカ
    ルバモイル基または基:−X−N(R7)R8{ここにお
    いて、R7およびR8は同一または異なって、水素原子も
    しくは置換基を有していてもよい低級アルキル基または
    7およびR8が隣接する窒素原子、要すれば当該窒素原
    子に加えて、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からな
    る群より選ばれる複素原子と共に3員ないし8員の置換
    されていてもよい複素環基を形成し(但し、Xに隣接す
    る窒素原子または該複素環上の他の窒素原子のいずれか
    一方はアンモニオ基を形成していてもよい)、Xは置換
    基を有していてもよい低級アルキレン基を示す}を示
    し、それらの少なくとも一方は基:−X−N(R7)R8
    (R7、R8およびXは前記の意味を有する)、Yは低級
    アルキレン基または単結合を示し、R1は前記の意味を
    有する]で表される化合物またはその医薬として許容さ
    れる塩またはエステルの製造法。
  12. 【請求項12】一般式 【化8】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、R3は水素原子または低級アルキル基、
    4、R5およびR6は、水素原子、シアノ基、メタンス
    ルホニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル
    基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または
    基:−X−N(R7)R8{ここにおいて、R7およびR8
    は同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基またはR7およびR8が隣接
    する窒素原子、要すれば当該窒素原子に加えて、窒素原
    子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる複
    素原子と共に3員ないし8員の置換されていてもよい複
    素環基を形成し(但し、Xに隣接する窒素原子または該
    複素環上の他の窒素原子のいずれか一方はアンモニオ基
    を形成していてもよい)、Xは置換基を有していてもよ
    い低級アルキレン基を示す}を示し、それらの少なくと
    も一方は基:−X−N(R7)R8(R7、R8およびXは
    前記の意味を有する)、Yは低級アルキレン基または単
    結合を示す]で表される化合物またはその医薬として許
    容される塩またはエステルを有効成分とする抗菌剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR970010745A (ko) * 1995-08-22 1997-03-27 유충식 (2s,4s)-2-[(e)-3-(메탄설포닐아미노프로펜)-1-일]-4-머르캅토피롤리딘 유도체의 제조방법

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