JPH0525343A - 安定化された塩素含有樹脂組成物 - Google Patents

安定化された塩素含有樹脂組成物

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JPH0525343A
JPH0525343A JP17848991A JP17848991A JPH0525343A JP H0525343 A JPH0525343 A JP H0525343A JP 17848991 A JP17848991 A JP 17848991A JP 17848991 A JP17848991 A JP 17848991A JP H0525343 A JPH0525343 A JP H0525343A
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JP
Japan
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acid
containing resin
acid ester
chlorine
metal
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Application number
JP17848991A
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English (en)
Inventor
Koji Tsuriga
宏二 釣賀
Masashi Harada
原田  昌史
Shigeo Nakano
栄郎 中野
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色性、耐候性に加え、加工時のプレートア
ウト性も著しく改良された、安定化された塩素含有樹脂
組成物の提供。 【構成】 本発明の安定化された塩素含有樹脂組成物
は、塩素含有樹脂に、下記化1で示される一般式(I)
で表される有機亜リン酸エステル金属塩の少なくとも1
種及び下記一般式(II)で表されるカルボン酸エステル
の少なくとも1種を添加してなる。 【化1】 3 COOR4 (II) (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ同一又は
異なる炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アリールアルキル基又はアルキルアリ
ール基を示す。Mはアルカリ土類金属、亜鉛原子又はア
ルミニウム原子を示す。aは1乃至3、bは0乃至2、
cは0又は1を表し、a+b+cは金属の原子価を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定化された塩素含有
樹脂組成物、詳しくは、塩素含有樹脂に、有機亜リン酸
エステル金属塩及びカルボン酸エステルを添加してな
る、安定化された塩素含有樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩素含
有樹脂は、加熱成型加工を行なう際に、主として脱塩化
水素に起因する熱分解を起こしやすく、機械的性質の劣
化、色調の悪化を生じ、著しい不利益をまねく。
【0003】かかる不利益を避けるために、一種又は数
種の熱安定剤を該樹脂に添加し、加工工程における劣化
を抑制する必要がある。
【0004】従来、かかる目的で各種の有機酸又は無機
酸の金属塩、有機錫化合物等を数種組み合わせて使用す
ることが行われており、熱安定性の面ではほぼ満足すべ
き結果が得られている。
【0005】しかしながら、これらの各種金属塩の組み
合わせ、例えば、Cd/Ba系、Ba/Zn系、Ca/Zn系、Ba/
Ca/Zn系等を用いた場合には、着色性、耐候性等の性能
は不十分であった。そこで、各種の安定化助剤、例えば
着色性改良目的でエポキシ化合物、多価アルコール類、
有機燐化合物、有機硫黄化合物、フェノール化合物、β
−ジケトン化合物等、また耐候性改良目的で各種紫外線
吸収剤、ヒンダードアミン系安定剤等の使用が提案され
ているが、まだ十分とは言えず、更に改善する必要があ
った。加えて、近年、より一層加工機の高速化のため加
工温度の高温化が要求され、同時にプレートアウト性も
一段と優れたものが要求され、各種加工助剤の添加が試
みられてきた。
【0006】それらの状況から、熱安定性向上のために
カルボン酸金属塩と有機トリホスファイトの反応物を添
加することが提案され(特公昭51−8980、特開昭
48−29834)、光劣化を改良するため金属のアル
キル亜リン酸エステル塩を添加することが提案され(特
公昭40−940)、耐候性及びプレートアウト改良の
ために特定の置換基を有する亜リン酸エステル塩を添加
することが提案され(特公平1−15822)、熱及び
光による劣化の抑制に加え、プレートアウト性を改良す
るために、ヒンダード構造を有する金属の有機亜リン酸
エステル塩が、提案されている(特公昭64−1106
4)が、その安定化効果は未だ不十分であり、実用上満
足し得るものでなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の現
状を鑑み、種々検討を重ねた結果、塩素含有樹脂に、下
記化2(化1と同じ)で示される一般式(I)で表され
る有機亜リン酸エステル金属塩の少なくとも1種及び下
記化2(化1と同じ)で示される一般式(II)で表され
るカルボン酸エステルの少なくとも1種を添加すること
により、製品の着色性、耐候性の改良に加え、加工時の
プレートアウト性の改良にも著しい効果を奏することを
見出し本発明を完成した。
【0008】
【化2】
【0009】R3 COOR4 (II) (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ同一又
は異なる炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アリールアルキル基又はアルキルアリ
ール基を示す。Mはアルカリ土類金属、亜鉛原子又はア
ルミニウム原子を示す。aは1乃至3、bは0乃至2、
cは0又は1を表し、a+b+cは金属の原子価を表
す。)
【0010】以下、本発明の塩素含有樹脂組成物につい
て詳述する。
【0011】上記一般式(I)及び(II)において、R
1 、R2 、R3 及びR4 で表されるアルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、第
三アミル、ヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エ
チルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタ
デシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリア
コンチル等が挙げられる。R1 、R2 、R3及びR4
表されるアルケニル基としては、ビニル、アリル、オレ
イル等が挙げられる。R1 、R2 、R3 及びR4 で表さ
れるアリールアルキル基としては、ベンジル、α−メチ
ルベンジル、α,α−ジメチルベンジル等が挙げられ
る。R1 、R2 、R3 及びR4 で表されるアリール基と
しては、フェニル、ナフチル、ビフェニル等が挙げられ
る。R1 、R2 、R3 及びR4 で表されるアルキルアリ
ール基としては、トリル、キシリル、エチルフェニル、
ブチルフェニル、第三ブチルフェニル、オクチルフェニ
ル、ノニルフェニル、ジノニルフェニル、デシルフェニ
ル、ドデシルフェニル等が挙げられる。
【0012】従って、本発明で用いられる有機亜リン酸
エステル金属塩としては、例えば、以下の化3〜化9で
示される化合物(I−1〜I−7)が挙げられる。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】上記有機亜リン酸エステル金属塩の添加量
は、塩素含有樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部
である。
【0021】また、本発明に用いられるカルボン酸エス
テルとしては、例えば、以下の化10〜化18で示され
る化合物(II−1〜II−9)が挙げられる。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】上記カルボン酸エステルの添加量は、塩素
含有樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜5
重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
【0032】本発明において用いられる有機亜リン酸エ
ステル金属塩は、例えばモノ有機亜リン酸エステルに直
接金属の酸化物、水酸化物又は水素化物を反応させた
り、モノ有機亜リン酸エステルのアルカリ金属塩および
金属ハライドとを反応させることにより製造される。そ
の一例を次の合成例をもって示すが、本発明は下記の合
成例によって制限されるものではない。
【0033】〔合成例1〕I−2 Ca塩[一般式
(I)中、a=2,b=0の化合物]の合成 モノテトラデシルホスファイト55.2gをトルエン1
00ml中に溶解し、攪拌しながら水素化カルシウム4.
2gを少量ずつ加えた後、トルエンを留去し、白色粉末
を得た。
【0034】次に、得られた粉末のIR分析を行ない、
1080cm-1の吸収(P−O−Mの特性吸収)を確認
し、更にCa含有量3.3wt%、P含有量5.2wt
%であることから、I−2 Ca塩(a=2,b=0)
の生成を確認した。また上記粉末は融点測定の結果よ
り、204℃で分解した。
【0035】また、本発明に用いられる一般式(II)で
表されるカルボン酸エステルは、カルボン酸とアルコー
ルによる常法で簡単に製造することができる。
【0036】上記一般式(I)及び(II)の化合物は、
上記のように別々に製造することもできるが、金属カル
ボン酸塩とジ有機亜リン酸エステル(アシドホスファイ
ト)とを反応させることによって、同時に製造すること
もできる。また、金属カルボン酸塩とジ有機亜リン酸エ
ステルとの比率を適宜変更することによって、一般式
(I)において、bが0,1又は2の化合物を合成する
ことができる。
【0037】次に、金属カルボン酸塩とジ有機亜リン酸
エステルから、有機亜リン酸エステル金属塩と有機カル
ボン酸エステルとを同時に得る方法を、合成例をもって
示す。
【0038】〔合成例2〕III −1の合成(III −1〜
9に適用) オクチル酸バリウム10.8g、ビス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト48.8gをトルエン100mlに溶
かし、攪拌しながら除々に昇温して、トルエン還流下で
4時間反応させた。終点は、IR測定における1550
cm-1の吸収(金属石けん)の消失と1740cm-1
吸収(エステルの特性吸収)の成長の停止とにより確認
した。反応終了後、トルエンを留去し、黄褐色の液状生
成物を得た。
【0039】得られた液状生成物にアセトンを加え、よ
く攪拌した後、不溶物をろ別した。不溶物のIR測定か
ら1080cm-1の吸収(P−O−Mの特性吸収)を確
認し、リンの含有率(11.8wt%)及びバリウムの
含有率(5.2wt%)から、I−5 Ba塩(a=
2,b=0、化7の化合物の一つ)であることを確認し
た。次にアセトン溶液の溶媒を留去して残渣についてI
R測定を行なったところ、1740cm-1の吸収(エス
テルの特性吸収)を持ち、このこととガスクロマトグラ
フィーを用いて基準物質と比較した結果とから、II−7
(化16の化合物)であることを確認した。更にそれら
の重量比は、ほぼ1:1、つまりモル比で1:2であっ
た。従って、生成物がIII −1の組成であることを確認
した。
【0040】〔合成例3〕III −10の合成(III −10〜
11に適用) オクチル酸バリウム21.2gとビス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト48.8gとを、トルエン還流下で4
時間反応させた後、トルエンを留去し、黄褐色の液状生
成物を得た。
【0041】更に、得られた液状生成物にアセトンを加
えて分離した。溶解物に関しては〔合成例2〕と同様の
方法で、II−7が理論量生成していることを確認した。
不溶物のIR測定を行なった結果、P−O−Mの特性吸
収が高周波側にシフト(1090cm-1)しており、I
−7 Ba塩(a=b=1)の存在が確認され、生成物
がIII −10の組成であることを確認した。
【0042】以下に合成した化合物を示す。
【0043】
【化19】
【0044】Ba含有量 9.8wt% リン含有量
4.8wt% (但し、生成物100としたとき、以下同様)
【0045】
【化20】
【0046】Ba含有量10.8wt%
リン含有量5.1wt%
【0047】
【化21】
【0048】Ca含有量 3.1wt%
リン含有量4.6wt%
【0049】
【化22】
【0050】Mg含有量 2.0wt%
リン含有量4.8wt%
【0051】
【化23】
【0052】Ba含有量15.2wt%
リン含有量7.7wt%
【0053】
【化24】
【0054】Ca含有量 5.2wt%
リン含有量8.0wt%
【0055】
【化25】
【0056】Ba含有量 9.9wt%
リン含有量4.3wt%
【0057】
【化26】
【0058】Ba含有量10.5wt%
リン含有量4.6wt%
【0059】
【化27】
【0060】Ca含有量 3.1wt%
リン含有量4.8wt%
【0061】
【化28】
【0062】Ba含有量15.2wt%
リン含有量6.8wt%
【0063】
【化29】
【0064】Ca含有量 4.8wt%
リン含有量7.9wt%
【0065】本発明に用いられる塩素含有樹脂としては
次のようなものが挙げられる。例えば、ポリ塩化ビニ
ル、後塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルーエチレ
ン共重合体、塩化ビニループロピレン共重合体、塩化ビ
ニルースチレン共重合体、塩化ビニルーイソブチレン共
重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合体、塩化ビ
ニルースチレンー無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビ
ニル−アルキル、シクロアルキル又はアリールマレイミ
ド共重合体、塩化ビニルースチレンーアクリロニトリル
共重合体、塩化ビニルーブタジエン共重合体、塩化ビニ
ルーイソプレン共重合体、塩化ビニルー塩素化プロピレ
ン共重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデンー酢酸ビニル
三元共重合体、塩化ビニルーアクリル酸エステル共重合
体、塩化ビニルーマレイン酸エステル共重合体、塩化ビ
ニルーメタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニルーア
クリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合
体等の塩素含有樹脂および上記塩素含有樹脂とポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3−メチル
ブテン等のα−オレフィン重合体又はエチレンー酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンープロピレン共重合体等のポリ
オレフィン及びこれらの共重合体、ポリスチレン、アク
リル樹脂、スチレンと他の単量体(例えば無水マレイン
酸、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体、
アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体、メ
タクリル酸エステルーブタジエンースチレン共重合体、
ポリウレタンとのブレンド品等を挙げることができる。
【0066】また、本発明の組成物に、Li,K,N
a,Mg,Sr,Ca,Ba,Zn,Cd,Sn,Pb
等の金属の有機酸塩を併用することにより、安定化効果
が著しく向上する。
【0067】上記金属の有機酸塩を構成する有機酸(有
機酸残基)としては、カルボン酸、フェノール類等が有
用である。
【0068】上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント
酸、カプリル酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキシル
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イ
ソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステア
リン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、エライジン酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレン酸、チオグリコール酸、
メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオ
ン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル
安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第
三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメ
チル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピ
ル安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第
三オクチルサリチル酸等の一価カルボン酸、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイ
ン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコ
ン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、オキシフタル酸、クロル
フタル酸等の二価のカルボン酸あるいはこれらのモノエ
ステル又はモノアマイド化合物、ブタントリカルボン
酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメ
リット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は
四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物等が挙げら
れる。
【0069】また、上記フェノール類としては、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、メチルプロピルフェ
ノール、メチル第三オクチルフェノール、エチルフェノ
ール、イソプロピルフェノール、第三ブチルフェノー
ル、n−ブチルフェノール、ジイソブチルフェノール、
イソアミルフェノール、ジアミルフェノール、イソヘキ
シルフェノール、オクチルフェノール、イソオクチルフ
ェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三オクチ
ルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノー
ル、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、ドデシ
ルフェノール、オクタデシルフェノール、シクロヘキシ
ルフェノール、フェニルフェノール等が挙げられる。
【0070】上記金属の有機酸塩の添加量は、塩素含有
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部が好ま
しく、特に0.1〜5重量物が好ましい。
【0071】また、本発明の組成物に、Li,K,N
a,Mg,Sr,Ca,Ba,Zn,Cd,Sn,Pb
等の金属のハロゲン酸素酸塩を併用することにより、安
定化効果が著しく向上する。
【0072】上記金属のハロゲン酸素酸塩としては、過
塩素酸塩、過沃素酸塩、過臭素酸塩、塩素酸塩、臭素酸
塩、沃素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、亜臭素酸塩
等が挙げられ、これらは無水物であっても含水塩であっ
てもよく、また、アルコール等の溶媒に溶解したものあ
るいはアルコールに溶解後脱水したものであってもよ
い。
【0073】また、上記金属のハロゲン酸素酸塩は、例
えば、特開昭59−140261号公報、特開昭59−
78874号公報及び特開昭59−113636号公報
等に記載されたようなハイドロタルサイト類や珪酸塩鉱
物を過塩素酸等で処理することによって得られるもので
あってもよい。
【0074】上記金属のハロゲン酸素酸塩又は過塩素酸
処理品の添加量は、塩素含有樹脂100重量部に対して
0.0001〜1重量部が好ましく、特に0.01〜1
重量部が好ましい。
【0075】本発明の組成物に、更に有機ホスファイト
化合物及び/又はエポキシ化合物を併用することにより
優れた相乗効果を示す。
【0076】上記有機ホスファイト化合物としては、例
えば、トリフェニルホスフエイト、トリス(2,4−ジ
第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホ
スファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホ
スファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,
2’−メチレンビス(4,6−ジダイサンブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファ
イト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチル
ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイ
ト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッ
ドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、
ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキ
サンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フ
ェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12ー1 5
混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニ
ルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデ
ンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェ
ニル)・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−第
三ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキサ
ンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,
4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフ
ェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・
1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト等が
挙げられる。
【0077】上記有機ホスファイト化合物の添加量は、
塩素含有樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量
部が好ましく、特に0.1〜3重量部とするのが好まし
い。
【0078】また、上記エポキシ化合物としては、エポ
キシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化魚油、
エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化牛脂
油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油、エ
ポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシステアリン酸
メチル,−ブチル,−2−エチルヘキシル又は−ステア
リル、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、
3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、
エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノール−Aジグリ
シジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイ
ド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エ
ポキシシクロヘキシル−6−メチルエポキシシクロヘキ
サンカルボキシレート等が挙げられる。
【0079】上記エポキシ化合物の添加量は、塩素含有
樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部が好
ましく、特に0.5〜10重量部とするのが好ましい。
【0080】本発明の組成物には、フタル酸エステル系
可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可
塑剤又ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、
塩素系可塑剤、その他の可塑剤等を用途に応じて適宜使
用できる。
【0081】本発明の組成物に、更にペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニ
トール、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリト
ールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエ
タスリトール)アジペート、グリセリン、トリス(2ー
ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の多価アルコー
ル化合物、また、デヒドロ酢酸、ジベンゾイルメタン、
ステアロイルベンゾイルメタン、カルボキシメチルベン
ゾイルメタン等のβージケトン化合物等の安定化助剤を
併用することによりその安定性を更に改善することがで
きる。
【0082】本発明の組成物には、他に合成ハイドロタ
ルサイト類、及びこれらのマグネシウムの一部を亜鉛で
置換した亜鉛変成ハイドロタルサイト類あるいはこれら
の結晶水をのぞいたもの、リン酸カルシウム、リン酸マ
グネシウム、その他無機化合物も用途に応じて適宜使用
可能である。
【0083】また、本発明の組成物に、光安定剤を添加
するならば、光安定性を向上させ得るので、使用目的に
応じて適宜これらを選択し使用することが可能である。
これらにはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、
サリシレート系、置換アクリルニトリル系、ヒンダード
アミン系、各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケ
ル又はクロムの塩又はキレート類等が包含される。
【0084】その他必要に応じて、本発明の組成物には
例えば架橋剤、充填剤、顔料、発泡剤、帯電防止剤、防
曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃
剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、光劣化剤、非金属安定
剤、加工助剤、離型剤等を包含させることができる。
【0085】
【実施例】次に、実施例によって本発明の組成物の安定
化効果を具体的に示す。しかしながら、本発明は、次に
挙げられた実施例によって限定されるものではない。
【0086】〔実施例1〕次の配合物を用い、ロールで
混練し、次いでプレス加工を行ない厚さ1mmのシートを
作成し、その初期着色性(シート着色)を10段階評価
し、190℃のオーブンでの熱安定性試験を行なった。
また、混練ロールで厚さ0.1mmのフィルムを作成し、
屋外暴露によるフィルムの耐侯性試験、伸び残率の試験
を行なった。
【0087】耐候性試験は、屋外暴露10ケ月および2
0ケ月後のフィルムの表面状態を観察し、その評価基準
を10段階に表した。1はほとんど変色なしの状態を示
し、10は黒褐色の状態であることを示す。初期着色性
の評価基準もこれに準ずる。
【0088】また、伸び残率は、屋外暴露1年後のフィ
ルムを暴露前の伸びと比較して残率(%)で示した。
【0089】その結果を表1に示す。
【0090】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(重合度1450) 100 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 トリクレジルホスフェート 5 エポキシ化アマニ油脂肪酸オクチル 2 Znステアレート 0.5 Caステアレート 0.3 テトラ(C12-15 混合アルキル) ビスフェノールAジホスファイト 0.8 ソルビタンモノパルミテート 1.5 メチレンビスステアリン酸アミド 0.5 オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t− ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 0.1 試験化合物 表1
【0091】 #:配合量は金属含有量(モル)が同一となるようにし
た。また、表中、配合量は重量部で示した。
【0092】〔実施例2〕次の配合物を用い、〔実施例
1〕と同様にして、初期着色性を確認し、熱安定性の試
験を行った。耐候性試験に関しては、屋外暴露10か月
後の表面状態をチェックした。
【0093】その結果を表2に示す。
【0094】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 トリクレジルホスフェート 5 ビスフェノールAジグリシジルエーテル 2 Znステアレート 0.5 Caステアレート 0.3 テトラ(C12-15 混合アルキル) ビスフェノールAジホスファイト 0.8 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 1.5 メチレンビスステアリン酸アミド 0.5 過塩素酸ナトリウム 0.05 試験化合物 表2
【0095】
【0096】〔実施例3〕次の配合物を用い、混練ロー
ルで厚さ1mmのシートを作成し、190℃における熱安
定性試験、また、初期着色性及びプレートアウト性の試
験を行なった。また同時にウエザロメーターによる耐候
性試験を行なった。但し、プレートアウト価はウオッチ
ングレッド法によるプレートアウトした色素のppm であ
る。
【0097】その結果を表3に示す。
【0098】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 エポキシ化大豆油 2 モノオクチルジフェニルホスファイト 0.5 Znステアレート 0.5 Baステアレート 0.8 DHT−4A*1 0.05 試験化合物 表3 *1 協和化学(株)製ハイドロタルサイト
【0099】
【0100】〔実施例4〕次の配合物を用い、熱安定
性、プレートアウト性及び耐侯性について〔実施例3〕
と同様の試験を行なった。
【0101】その結果を表4に示す。
【0102】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 ホワイトンSB*2 25 エポキシ化大豆油 2 モノオクチルジフェニルホスファイト 0.5 Baステアレート 0.8 アルカマイザー4*3 0.05 過塩素酸バリウム 0.05 試験化合物 表4 *2 白石カルシウム(株)製重質炭酸カルシウム *3 協和化学(株)製亜鉛変成ハイドロタルサイト
【0103】
【0104】〔実施例5〕次の配合物を用い、混練ロー
ルで厚さ1mmのシートを作成し、初期着色性を確認し
た。また、そのシートを金型にセットし、ウレタンフォ
ーム用ポリオールとポリイソシアネートを攪拌して素早
く金型に流し込みウレタンフォーム層を形成させ、ウレ
タン裏打ちシート(ウレタンフォーム層10mm)を形成
した。
【0105】このウレタン裏打ちシートを用い、110
℃×400時間熱老化させた後の着色(熱老化性)およ
びブラックパネル温度83℃のフェードメーター中で6
00時間照射後の着色(耐候性)を観察し、1(着色な
し)〜10(著しく着色)の10段階で表示した。(表
中には、「フェードメーター」として示す。)
【0106】その結果を表5に示す。
【0107】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 エポキシ化大豆油 2 モノオクチルジフェニルホスファイト 0.5 Znステアレート 0.2 I−3 Zn塩(a=2,b=0) 0.3 Caステアレート 0.8 DHT−4A 0.05 過塩素酸ナトリウム 0.05 試験化合物 表5
【0108】
【0109】塩素含有樹脂の耐候性、着色性およびプレ
ートアウト性は、有機亜リン酸エステル金属塩又はカル
ボン酸エステルの一方のみを添加しても大幅な向上は認
められない。しかし、これらを両方とも含有することに
より、各々単独で添加した場合からは予測できないよう
な、大きな効果をしめした。
【0110】
【発明の効果】本発明の安定化された塩素含有樹脂組成
物は、着色性、耐候性に加え、加工時のプレートアウト
性も著しく改良されたものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 塩素含有樹脂に、下記化1で示される一
    般式(I)で表される有機亜リン酸エステル金属塩の少
    なくとも1種及び下記化1で示される一般式(II)で表
    されるカルボン酸エステルの少なくとも1種を添加して
    なる安定化された塩素含有樹脂組成物。 【化1】 3 COOR4 (II) (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ同一又
    は異なる炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル
    基、アリール基、アリールアルキル基又はアルキルアリ
    ール基を示す。Mはアルカリ土類金属、亜鉛原子又はア
    ルミニウム原子を示す。aは1乃至3、bは0乃至2、
    cは0又は1を表し、a+b+cは金属の原子価を表
    す。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5807913A (en) * 1995-12-08 1998-09-15 Nok Corporation Acrylic rubber composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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