JPH05252901A - ビタミンd補給用食品添加剤 - Google Patents

ビタミンd補給用食品添加剤

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JPH05252901A
JPH05252901A JP4086038A JP8603892A JPH05252901A JP H05252901 A JPH05252901 A JP H05252901A JP 4086038 A JP4086038 A JP 4086038A JP 8603892 A JP8603892 A JP 8603892A JP H05252901 A JPH05252901 A JP H05252901A
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vitamin
squid
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food additive
internal organs
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JP4086038A
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Takatoshi Esashi
隆年 江指
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イカ内臓を利用し、ビタミンDが確実に生体
内で有効に利用することのできる新規ビタミンD補給用
食品添加剤を提供する。 【構成】 イカ内臓を乾燥して得られる粉末を有効成分
とするビタミンD補給用食品。具体的には、イカ内臓を
−80℃前後で凍結し、真空乾燥機にて200μmHg
程度の真空度に至るまで真空凍結乾燥し、これに精製と
うもろこし澱粉等を添加して調製したイカ内臓粉末を用
い、これを錠剤等の適宜の形態に成形して調製されるビ
タミンD補給用食品添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビタミンD補給用食品
添加剤に関する。更に、詳しくは、イカ内臓を乾燥して
得られる粉末を有効成分とするビタミンD補給用食品添
加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンDがカルシウム、リンその他の
栄養素の代謝に影響を与え、骨の構造を維持する点で重
要な役割を果たしていることが知られている。高齢化社
会を迎え、骨粗鬆症などの防止が大きな課題となってい
るが、食生活上の注意としてカルシウムの摂取を増加さ
せること以外の指摘はほとんど見られない。しかし、高
齢化社会においては、カルシウム以外の栄養素の重要性
にもっと注意を向ける必要があると考えられる。とく
に、ビタミンDはわが国の日本食品標準成分表(科学技
術庁編)にも、食品中の含有量の記載がなく、国民が摂
取しにくい栄養素の一つとなっている。
【0003】ところで、従来、ビタミンDを食品添加剤
として使用することも行われているが、実際に、ビタミ
ンDを摂取した場合に、生体内の代謝系に取り込まれそ
の活性が確実に維持されることが重要であって、これ
は、ビタミンD給源自体の性質に依頼するところが大き
く、高ビタミンD含有材料であっても、必ずしもビタミ
ンD給源として有効なものであるとは限らない。従っ
て、有用なビタミンD給源を見い出すことが重要であっ
て、そのためには、単なる分析データだけでは指標には
なり得ず、実際の生体影響試験等に基づく評価があって
はじめてビタミンD給源としての有用性が裏付けられビ
タミンD給源としての意味をもつことになる。
【0004】一方、従来、低利用の動物性海洋バイオマ
スであるイカ内臓中の脂質に、エイコサペンタエン酸
(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等の高級不
飽和脂肪酸が重要な構成成分として存在することが発見
され、このイカ内臓中の脂質から、EPA、DHAを効
率良く、操作上容易に、かつ経済的に安価に抽出分離で
きる方法が提案されている(特開平2−8298号公
報)。
【0005】近年、EPA、DHAは、血栓症、脳梗
塞、心筋梗塞等の虚血性心疾患症を予防する上で有用で
あることが知られ、更に、DHAは脳に於ける代謝速度
を速めるなど、脳内に於けるその働きに対しても大きな
注目が集められているが、前記提案は、これらの抽出源
としてイカ内臓を利用した点で注目されるものである
が、当該文献中には、ビタミンDに関する記載は何もな
されていない。
【0006】さらに、イカ内臓を乾燥凍結した微粉末を
海産生物の殻又は骨を乾燥凍結した後微粉化したものに
添加することを特徴とする食品の製造法が提案されてい
る(特開昭57−68745号公報)。
【0007】しかしながら、この方法は、カルシウム給
源として海産生物の殻又は骨を乾燥凍結した後微粉末化
したものを利用し、これに、エイコサペンタエン酸が比
較的多量(10〜15%)に含まれているイカ内臓、特
に肝臓を同様の処理をして添加することにより魚臭の少
ない極めて栄養価に富む食品を簡易に製造することを目
的とするものであり、これらの各提案は、いずれもイカ
内臓を利用するものであるものの、高級脂肪酸であるE
PA、DHA等の給源として着目したものであり、これ
らの文献中には、ビタミンDに関する記載、特に、イカ
内臓をビタミンDの給源として利用することについては
何も記載されていない。イカ内臓の利用については、上
記したように種々知られているものの、実際に利用され
ているのは塩辛程度で、内臓のほとんどは廃棄されてい
るのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏
え、本発明者らはビタミンDが、骨の構造維持に重要な
役割を果たしていることに鑑み、単にビタミンDを多量
に含むだけではなく、食品として摂取した場合に確実に
ビタミンDの生理活性が有効に利用し得るようなビタミ
ンD給源を見い出すべく、種々、検討を重ねた結果、意
外にもイカ内臓を乾燥、特に凍結乾燥して得られた粉末
を用いて製造されるものがビタミンD補給用食品添加剤
として有用であることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち、本発明者らは、各種ビタミンD
給源を検討したところ、イカ内臓に高濃度のビタミンD
が含有されていることを発見した。さらに、イカ内臓を
乾燥粉末状とし、ビタミンD不足状態にある実験動物お
よび正常実験動物に摂取させたところ、ビタミンD欠乏
実験動物の大腿骨強度増強作用が認められ、さらに正常
動物においても血清コレステロール低下作用、燐脂質低
下作用、中性脂質低下作用などがみられた。これらの結
果は、イカ内臓粉末がビタミンDの給源として有用であ
ることを示すとともに、脂質代謝改善作用をももってい
ることを示すものである。
【0010】これらの結果をもとに、イカ内臓乾燥粉末
をそのまま、あるいは、さまざまな粉末(各種でんぷ
ん、各種糖質、タンパク質、食物繊維、海藻粉末、その
他化学合成品など)とともに、栄養補強食品、健康食
品、機能性食品などに活用することが可能であることを
見い出した。
【0011】従って、本発明は、イカ内臓の乾燥粉末を
有効成分とする新規ビタミンD補給用食品添加剤を提供
することを目的とするものである。さらに、本発明は、
イカ内臓を凍結乾燥して得られた粉末を有効成分とする
新規ビタミンD補給用食品添加剤を提供することを目的
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の構成は、以下のとおりのものである。
イカ内臓を乾燥して得られる粉末を有効成分とするビタ
ミンD補給用食品添加剤。
【0013】本発明の構成について説明する。イカ内臓
としては、スルメイカ内臓、コウイカ内臓等が例示され
るがこれに限定されるものではない。先ず、イカ内臓を
摘出し、墨袋を除去後使用するまで凍結する。この凍結
は、−80℃前後で行うことがイカの酵素作用を阻止
し、内臓成分の変質を防ぐので望ましい。この凍結内臓
を乾燥する。乾燥は天日乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等適
宜の乾燥が行なわれる。乾燥条件としては、真空凍結乾
燥が内臓の成分を変質させずに短時間のうちに効率的に
乾燥することができるので望ましい。凍結乾燥は真空度
が200μmHg程度に達するまで16時間程度行い、
水分含量0.5〜3%程度にすることが望ましい。乾燥
終了後直ちに内臓内容物だけを集める。このものをその
ままイカ内臓乾燥粉末として使用することができる。
【0014】このようにして調製されたイカ内臓乾燥粉
末の性質は以下のとおりである。 色・・・・・淡褐色 吸湿性・・・あまりない 保存性・・・脂質の酸化を防止するため、窒素ガスで置
換し、−80℃中に保存する必要有り 味・・・・・生雲丹に似た食味を呈する
【0015】このようにして得られたイカ内臓乾燥粉末
をそのまま、好ましくは種々の食用上無害な担体、例え
ば、各種でんぷん、各種糖類、タンパク質、食物繊維、
油脂類、海藻粉末、その他化学合成品など適宜のものを
加えて、本発明のビタミンD補給用食品添加剤とするこ
とができる。これらの担体の一部もしくは全部が、イカ
内臓乾燥粉末の酸化変質を防止する効果の期待される、
ビタミンC、ビタミンE、緑茶エキス等の抗酸化作用を
有する物質であることが好ましい。
【0016】これらのビタミンD補給用食品添加剤の形
態はいずれでもよく、錠剤、カプセル剤、軟カプセル
剤、顆粒、粉粒、粉末等周知の方法によって製造され
る。保存性の点からはカプセル剤、もしくは軟カプセル
剤とすることが好ましい。又、それ以外の形態の場合で
も使用時まで窒素ガス充填あるいは脱酸素剤を添加し密
閉し、好ましくは−80℃前後の低温で保存することに
よりイカ内臓粉末の変質を防ぐことができる。
【0017】粉末形態のビタミンD補給用食品添加剤
は、イカ内臓乾燥粉末をそのまま用いることもできる
が、より好ましくは、例えば、イカ内臓乾燥粉末にビタ
ミンC、緑茶エキス等の酸化防止剤を含有するとうもろ
こしでんぷん等の粉末担体を適量加えて混合することに
より容易に得ることができる。さらに適当な担体と混合
した粉末を打錠することにより錠剤形態とすることもで
きる。
【0018】顆粒剤およびカプセル剤の製法としては、
例えば、イカ内臓乾燥粉末100部に微結晶セルロー
ス、でんぷん、乳糖などの賦形剤のひとつ、もしくは数
種の混合物、40〜100部を加え、さらにイカ内臓乾
燥粉末に対して0.5〜2%のビタミンC、緑茶エキス
などの酸化防止作用を有する物質を加えたでんぷん、メ
チルセルロース、アラビアガムなどの結合剤水溶液(5
〜10%)10〜30部を加え、常法により顆粒を得
る。又、この顆粒をカプセルに充填し、カプセル剤を得
る。さらにカプセル剤の回りにシールをほどこしてもよ
い。
【0019】又、軟カプセル剤の製法としては、例え
ば、イカ内臓乾燥粉末100部に大豆油、小麦胚芽油な
どを100〜600部、硬化剤としてグリセリンモノ脂
肪酸エステル、ミツロー、硬化油のいずれか二つ、もし
くは三つすべてを合わせ100〜300部、さらにビタ
ミンEを酸化防止剤として上記の全体に対して0.5〜
1%を加え、硬化剤の融点以上に加温し、充分均質にな
るように混合した後、室温まで冷却し、常法に従い、ゼ
ラチン被膜を施し軟カプセル剤を得る。
【0020】本発明のビタミンD補給用食品添加剤は、
例えば、適宜の食品に混入して用いられる。具体的に
は、かまぼこ、はんぺん等の練り製品、ソーセージ、佃
煮等の瓶詰製品、魚肉等の缶詰類、ベビーフードのよう
なペースト状食品、醤油、ソース等に添加して用いるこ
とが例示される。また、これを調味料として直接食品に
添加してもよい。さらにまた、ビタミンD補給用食品添
加剤は、そのままの形態、例えば、錠剤、カプセル剤、
軟カプセル剤、顆粒等のまま服用してもよい。本発明で
は、このような直接服用に供するものもビタミンD補給
用食品添加剤という。
【0021】続いて、試験例に基づいてイカ内臓乾燥粉
末の効果をさらに詳細に説明する。実験方法(各試験例
共通)は、以下に従った。
【0022】1)実験動物 フイッシャー系3週齢雄シロネズミを購入し、表1に示
すビタミンD無添加食群(−D20SC飼料)で一週間
予備飼育した後に、実験に供した。
【0023】2)群別 実験動物の群別は、各群の平均体重ができるだけ等しく
なるよう配慮し、以下の4群に分けた。 対照食群 20SC ビタミンD無添加食群 −D20SC ビタミンD無添加食+イカ内臓粉末添加群 −D20SCSQ 対照食+イカ内臓粉末添加群 20SCSQ
【0024】3)飼料組成 各群に給与した飼料の組成は、表1の通りである。−D
20SCのビタミンD量は実測値でゼロである。−D2
0SCSQには、イカ内臓粉末を添加し、ビタミンD量
が対照食群とほぼ等しくなるようにした。また、添加し
たイカ内臓粉末に含まれる脂肪量を差し引き、各飼料の
脂肪量が等しくなる組成とした。20SCSQは−D2
0SCSQのビタミンD量の2倍のビタミンDが含まれ
るようにした。なお、添加したイカ内臓粉末は、前記の
ように調製されたイカ内臓粉末に等量のとうもろこしで
んぷんを加え混合し、ポリエチレン製のリップ付き袋に
入れ、窒素ガスを充填して−80℃で保存したものであ
り、変質を防ぐため飼料中には予め添加することなく毎
日飼料に混合して実験動物に給与した。
【0025】
【表1】
【0026】4)飼育 以上のような群別および飼料組成で連続暗黒の下、温度
23±1℃、湿度55±5%で6週間飼育した。
【0027】5)観察項目 飼育6週間後、断頭により殺し、血清、大腿骨を採取し
た。血清はカルシウム、リン、マグネシウムおよびコレ
ステロール、燐脂質、中性脂肪の含量を、左大腿骨は破
断特性および骨幹部分のハイドロキシブロリン、カルシ
ウム、リン、マグネシウムの含量を測定した。
【0028】6)統計処理 結果の判定は、等分散性を確認後、t検定により行っ
た。等分散性を示さない群間については、welchの
t検定により判定した。
【0029】試験例1血清カルシウム、リンおよびマグネシウム濃度におよぼ
すイカ内臓粉末の影響 表2に上記実験方法による血清カルシウム、リンおよび
マグネシウム濃度を示した。−D20SCの血清カルシ
ウム濃度は対照群である20SCより明らかに低い状態
であった。しかし、イカ内臓粉末を−D20SCに添加
した−D20SCSQの血清Ca濃度は上昇し、対照群
と有意差を認めなくなった。一方、D20SCSQの血
清カルシウム濃度は正常値を維持した。この結果、イカ
内臓粉末が血清カルシウム濃度を正常に維持する機能を
果たしていることが示された。すなわち、ビタミンDの
給源として有効であることが判明した。血清マグネシウ
ム、リン濃度に関しても同様の結果が得られた。
【0030】
【表2】
【0031】試験例2大腿骨の破断特性におよぼすイカ内臓粉末の影響 イカ内臓粉末添加が骨に対して好ましい影響を与えてい
るか否かを調べるため、左大腿骨の破断特性を測定し
た。結果を表3に示した。ビタミンD不足の−D20S
Cは破断エネルギーがその他の群より低値であった。こ
の結果は、−D20SCの骨が弱く、しなやかさが少な
いことを示している。一方、イカ内臓粉末を添加した−
D20SCSQでは破断エネルギーは対照群と有意差を
認めず、破断エネルギーは−D20SCより高値(P<
0.1)を示した。また、対照食20SCにイカ内臓粉
末を添加してビタミンD量を2倍とした20SCSQの
破断エネルギーは20SCより高値の傾向(P<0.
3)を示し、イカ内臓粉末添加による骨破断特性向上効
果を認めた。この結果、低ビタミンD食に添加したイカ
内臓粉末がビタミンDの給源として有効に働いているこ
とが判明した。
【0032】
【表3】
【0033】試験例3血清脂質におよぼすイカ内臓粉末の影響 表4に血清総コレステロール、燐脂質、中性脂肪の量を
示した。ビタミンD無添加の−D20SCは血清総コレ
ステロールが高値を示し、ビタミンD添加により対照群
と同値となった。さらに、対照食20SCにイカ内臓粉
末を添加すると血清総コレステロール量はその他の群よ
り有意に低値を示した。イカ内臓粉末のビタミンDが効
果を示したと考えられる。また、燐脂質、中性脂肪に関
しては、ビタミンD無添加による影響は認められなかっ
たが、イカ内臓粉末添加により著しい低下作用が認めら
れた。イカ内臓に含まれるビタミンD以外の物質が作用
していると考えられる。
【0034】
【表4】
【0035】以上の試験結果から、ビタミンDの不足し
た低ビタミンD食にイカ内臓粉末を添加すると、血清中
のカルシウム濃度が正常化すること、また、大腿骨の破
断エネルギーを正常化することが判明し、これらのこと
から、イカ内臓粉末がビタミンD給源として優れたもの
であることが確認された。
【0036】また、イカ内臓粉末は、ビタミンD以外に
も、タンパク質、アミノ酸、脂質、糖質、ミネラル、ビ
タミンA、B類等の有用な栄養成分が多く含まれ栄養バ
ランスが良好である。さらに、当該粉末自体生ウニに似
た食味を呈することから、これらの風味を呈する食品の
製造に有効である。
【0037】さらに、試験例3で示されるように、燐脂
質、中性脂肪に関して、イカ内臓粉末添加により著しい
低下作用が認められたが、これは、特定の成分を抽出、
分離しなくても、このまま粉末自体として充分脂質低下
作用を有することが確認された点で、副次的な効果とし
てその有用性は大なるものがある。
【0038】本発明のビタミンD補給用食品添加剤の使
用量は、症状に合わせた摂取量が摂取できるようにすれ
ば良く、特に制限されるものではない。日本人1人1日
あたりビタミンD所要量は、通常、0〜6歳で400
I.U.、6歳以上で100I.U.である。前記試験
例において分析したサンプルは、イカ内臓粉末に同量の
とうもろこしでんぷんが混合してあるので、イカ内臓粉
末はビタミンD約1800I.U./100g含有して
いる。ビタミンD含量に多少のバラつきがあることを見
込んでも、イカ内臓粉末5〜10gの摂取で、1日の所
要量を満たすことができる。しかし、通常の食生活にお
いてもビタミンDは補給しているので、健康食品として
は、所要量の約1割、イカ内臓粉末として0.5〜1g
を摂取するのが望ましい。
【0039】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明をさらに具体
的に説明する。
【0040】実施例1ビタミンD補給用食品添加剤(錠剤)の調製 スルメイカの内臓を摘出し、墨袋を除去し、墨その他の
付着物を取り除いたもの1000gを−80℃で凍結し
た後、真空乾燥機で凍結乾燥し、真空度が200μmH
gとなるまで乾燥を続け、水分含量0.5〜3%の乾燥
物500gを得た。
【0041】乾燥終了後、直ちにこの内臓乾燥粉末35
0gに、精製とうもろこしでんぷんを等重量加え、さら
に緑茶エキスを1%加え、均一になるように混合し、粉
末状のビタミンD補給用食品添加剤を得た。このものを
ポリエチレン製のリップ付き袋に入れ、窒素ガスを充分
に充填して−80℃に保存した。
【0042】実施例2 実施例1で得た粉末状のビタミンD補給用食品添加剤
を、打錠機により錠剤の形態に打錠して目的のビタミン
D補給用食品添加剤を錠剤として調製した。
【0043】実施例3ビタミンD補給用添加剤にて強化したフィッシュソーセ
ージの製造 マグロ肉100重量部、食塩3重量部を加えて混捏し、
これに砂糖1重量部、前記実施例1で調製したビタミン
D補給用添加剤、グルタミン酸、でんぷん、香辛料、防
腐剤、木酢液、ビタミンA等を少量加え、さらにショー
トニングオイルを加え、ケーシングに充填密封し、85
〜88℃の熱湯に50分間浸漬して加熱殺菌し、冷却を
行ってビタミンD強化フィッシュソーセージを得た。
【0044】実施例4ビタミンD強化カマボコの製造 冷凍の魚肉スリ身を解凍し、これにでんぷんを加えて充
分混捏した魚肉スリ身に前記実施例1で調製したビタミ
ンD補給用添加剤を少量加え、常法により成形、蒸熱処
理して、ビタミンD強化カマボコ製品を製造した。実施
例1で調製したビタミンD補給用添加剤の添加量を増加
することによって、生雲丹様風味を呈するカマボコ製品
が得られた。
【0045】実施例5 イカ内臓乾燥粉末100部にコーンスターチ60部、さ
らにイカ内臓乾燥粉末に対して1%のビタミンCを加え
た5%コーンスターチ水溶液を適量加えて、常法により
顆粒状のビタミンD補給用食品添加剤を得た。
【0046】実施例6 実施例5で調製した顆粒をカプセルに充填しカプセル剤
を得た。
【0047】実施例7 イカ内臓乾燥粉末100部に小麦胚芽油400部、硬化
油200部、およびビタミンEを全体の0.7%を加
え、硬化油の融点以上に加温して充分均質になるよう混
合し、室温まで冷却した後、常法に従いゼラチン被膜を
施し、軟カプセル剤を得た。
【0048】
【発明の効果】本発明は、これまで利用価値の低かった
天然のイカ内臓を給源として製造される新規ビタミンD
補給用食品添加剤に関するものであり、安価でかつ安全
性の高い添加剤を提供できる利点を有する。
【0049】また、本発明のビタミンD補給用食品添加
剤は、特に、ビタミンDの不足した低ビタミンD食に添
加した場合、血清中のカルシウム濃度が正常化し、ま
た、大腿骨の破断エネルギーを正常化する等、その有効
性は著しく高いものである。
【0050】さらに、ビタミンD以外にも有用な成分を
多く含み、栄養バランスが良く、特に、ビタミンDの有
効な補給作用に加え、そのままでも充分な脂質低下作用
を有すること、生ウニに似た食味を呈すること等から、
食品添加剤としての有用性はきわめて高いものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イカ内臓を乾燥して得られる粉末を有効
    成分とするビタミンD補給用食品添加剤。
  2. 【請求項2】 乾燥が凍結乾燥によるものである請求項
    1記載の食品添加剤。
JP4086038A 1992-03-09 1992-03-09 ビタミンd補給用食品添加剤 Pending JPH05252901A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3807926A1 (de) * 1988-03-10 1989-09-21 Hoelter Heinz Verfahren zur schadstoffarmen beheizung von koksoefen und koksofen zur durchfuehrung des verfahrens
DE3911295A1 (de) * 1988-04-24 1989-11-09 Still Otto Gmbh Verfahren und vorrichtung zur minderung des stickoxidgehaltes von rauchgasen aus verkokungsofenbatterien
JP2003518509A (ja) * 1999-12-23 2003-06-10 アベンティス・アニマル・ニユートリシヨン・エス・エー 粒状ビタミン組成物

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