JPH0525261A - 耐熱性ポリエステル樹脂 - Google Patents

耐熱性ポリエステル樹脂

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JPH0525261A
JPH0525261A JP18073991A JP18073991A JPH0525261A JP H0525261 A JPH0525261 A JP H0525261A JP 18073991 A JP18073991 A JP 18073991A JP 18073991 A JP18073991 A JP 18073991A JP H0525261 A JPH0525261 A JP H0525261A
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JP
Japan
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mol
heat
acid
structural unit
polyester resin
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JP18073991A
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English (en)
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Mutsumi Maeda
睦 前田
Sumio Ueda
純生 上田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形温度で熱劣化せず、かつハンダ耐熱性を
持つ液晶性ポリエステルを提供する。 【構成】 テレフタル酸(T)、ナフタレンジカルボン
酸(N)、ヒドロキシ安息香酸(H)、4、4’−ビフ
ェノール(BP)、ビスフェノール−A(BA)をモノ
マーとするポリエステルで、特定組成範囲(例えば、
T:N:H:BP:BA=0.4:0.6:3.0:
0.75:0.25)において、融点が330℃以下
で、かつ溶融時に光学異方性を示す耐熱性ポリエステル
樹脂。 【効果】 熱分解温度以下で成形可能で、かつハンダ耐
熱性に優れ、溶融時に光学異方性を示し、かつ、優れた
機械物性を有する。これにより、優れた特性を持った部
品原料を電気・電子等各産業に提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融時に光学異方性を示
し、かつ優れた耐熱性と物性を有する成形物を容易に与
え得る耐熱性ポリエステル樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性に優れる芳香族ポリエステ
ルに関する研究が種々行われている。この中でも、溶融
時に光学的異方性を示す液晶ポリエステル(以下、LC
P)は成形性、高剛性等の機械物性にも優れるため新規
工業材料として特に注目されている。LCPの技術とし
て、例えば、特公昭47−47870号公報にテレフタ
ル酸、ヒドロキノンおよびP−ヒドロキシ安息香酸を共
重合して得る技術が、特開昭49−72393号公報に
ポリエチレンテレフタレートとP−ヒドロキシ安息香酸
を共重合する技術が、特開昭54−77691号公報に
P−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ,2−ナフト
エ酸を共重合する技術が、特開昭60ー51718号公
報にはP−ヒドロキシ安息香酸、フェノキシヒドロキノ
ン、ヒドロキノン、テレフタル酸を共重合してなるLC
Pに関する技術が、また、特公昭63−19530号公
報にはナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、P−ヒ
ドロキシ安息香酸、ヒドロキノンを共重合して得られる
LCPに関する技術が、さらに、特開平3−74428
号公報にはナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、P
−ヒドロキシ安香酸、4,4’−ビフェノール、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ルを共重合して得られるLCPに関する技術が開示され
ている。これらのLCPは溶融時に異方性を示し、かつ
その成形物は耐熱性に優れるものである。
【0003】LCPの重合法に関しては、たとえば特公
昭63ー19530号公報に、ジカルボン酸、芳香族ジ
オールのジエステルおよびP−アセトキシ安息香酸を、
340℃〜380℃の加熱、かつ、減圧条件下で接触さ
せることにより高分子量ポリマーをつくるアシドリシス
法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐熱性
と成形性は互いに相反する性質の物と考えられ、LCP
を耐熱性樹脂として各産業に応用するにあたり、この2
つの性質を好適に両立させることは極めて困難な課題で
ある。すなわち、溶融成形加工する際の成形性に関し、
成形温度、溶融時の流動性、樹脂の化学的安定性に制約
が有る。一般的に成形温度を上げれば樹脂の流動性が上
がり成形性が向上する。しかし、耐熱性樹脂の成形に於
いて、その成形温度が高いために樹脂の熱分解等による
分解ガスの発生や変色が問題になる。通常、ポリエステ
ルを溶融成形する際の成形温度範囲は370℃以下であ
り、これ以上の温度ではポリマーの熱劣化が著しい。さ
らに、樹脂の変色、分解ガス発生を抑制する必要性を考
慮すると、成形温度範囲は350℃以下、好ましくは3
30℃以下であることが望ましい。
【0005】一方、耐熱性に関する一例として、産業上
電気、電子分野で汎用されるハンダ工程では260℃以
上での部品の形状及び機械的強度の安定性が要求されて
いる。 従来のLCP技術に於いて、上述したような良
好な成形性と充分な耐熱性を良好に両立させ、全く問題
なく実用化されたものはない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の単
量体成分を特定の割合で重縮合することにより、良好な
耐熱性と成形性を合わせ持ち、かつ溶融時に光学異方性
を示し優れた流動特性を持つ耐熱性ポリエステル樹脂が
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は下式で表わされる繰り
返し構造単位 (I)40〜85モル%、(II) 2〜28モル%、
(III) 2〜28モル%、(IV) 2〜29モル
%、(V) 1〜28モル% からなり、対数粘度1.0dl/g以上で、融点が27
0℃以上、330℃以下であり、溶融時に光学異方性を
示す耐熱性ポリエステル樹脂に関する。
【0008】
【化2】
【0009】(ここで、(I)、(II)、(II
I)、(IV)、(V)で示される上記単位のモル数を
各々[I]、[II]、[III]、[IV]、[V]
で表わすと、モル%は[I]+[II]+[III]+
[IV]+[V]に対する値である。)本発明は上記の
如き特定の構成単位が特定の構成比からなる耐熱性ポリ
エステル樹脂で、良好な加工性と耐熱性のバランスを実
現したものである。
【0010】本発明のうち、好ましく加工性と耐熱性の
バランスを実現したものは、上記繰り返し構造単位が (I)50〜80モル%、(II) 5〜20モル%、
(III) 5〜20モル%、(IV) 5〜24モル
%、(V) 1〜20モル% からなり、対数粘度が1.0dl/g以上で、融点が2
80℃以上、320℃以下であり、溶融時に光学異方性
を示す耐熱性ポリエステル樹脂であった。
【0011】特に好ましく加工性と耐熱性のバランスを
実現したものは、上記繰り返し構造単位が (I)50〜80モル%、(II) 5〜20モル%、
(III) 5〜20モル%、(IV) 5〜24モル
%、(V) 1〜20モル% からなり、対数粘度が3.0dl/g以上で、融点が2
80℃以上、320℃以下であり、溶融時に光学異方性
を示す耐熱性ポリエステル樹脂である。
【0012】さらに好ましい加工性と耐熱性のバランス
を実現したものは、上記繰り返し構造単位が (I)50〜80モル%、(II) 5〜20モル%、
(III) 5〜20モル%、(IV) 5〜24モル
%、(V) 1〜20モル% からなり、対数粘度が5.0dl/g以上で、融点が2
80℃以上、320℃以下であり、溶融時に光学異方性
を示す耐熱性ポリエステル樹脂である。
【0013】一方、(I)の繰り返し単位からなるホモ
ポリマー、及び(II)と(IV)の繰り返し単位より
なるポリエステルの融点は400℃以上であり単独では
加工性を持たない。また、(I)、(II)、(IV)
の繰り返し単位よりなる芳香族ポリエステルは加工性は
持つが、成形温度が360℃以上であり製品の安定性、
加工上の問題点を充分に解決しているとは言えない。
【0014】本発明で得られる耐熱性ポリエステル樹脂
において、上記構造単位(I)はP−ヒドロキシ安息香
酸もしくはその誘導体より得られる。誘導体の例として
は、P−アセトキシ安息香酸等の酸エステル安息香酸、
P−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル等のP−ヒドロ
キシ安息香酸エステル、P−ヒドロキシ安息香酸クロラ
イド等が挙げられる。
【0015】本発明において、構成単位(I)は得られ
るポリエステル全体の40〜85モル%、好ましくは5
0〜80モル%を占めるものである。構成単位(II)
はテレフタル酸もしくはその誘導体より得られる。誘導
体の例としては、テレフタル酸ジフェニルエステル等の
アルコールエステル等が挙げられる。本発明において、
構成単位(II)は得られるポリエステル全体の2〜2
8モル%、好ましくは5〜20モル%を占めるものであ
る。
【0016】構成単位(III)はナフタレンジカルボ
ン酸もしくはその誘導体より得られる。誘導体の例とし
ては、ナフタレンジカルボン酸ジフェニルエステル等の
アルコールエステル等が挙げられる。本発明において、
構成単位(III)は得られるポリエステル全体の2〜
28モル%、好ましくは5〜20モル%を占めるもので
ある。 構成単位(IV)は4,4’−ビフェノールも
しくはその誘導体より得られる。誘導体の例としては、
4,4’−ジアセトキシビフェニル等の酢酸エステル等
が挙げられる。本発明において、構成単位(IV)は得
られるポリエステル全体の2〜29モル%、好ましくは
5〜24モル%を占めるものである。
【0017】構成単位(V)はビスフェノール−A、ま
たはそれらの誘導体より得られる。誘導体の例として
は、2、2’−ビス(4−アセトキシフェニル)プロパ
ン等の酢酸エステル等が挙げられる。本発明において、
構成単位(V)は得られるポリエステル全体の1〜28
モル%、好ましくは1〜20モル%を占めるものであ
る。
【0018】構成単位(I)の占める割合が、40モル
%未満でも、85モル%を超える場合でもポリエステル
の融点は330℃より高くなり成形性に問題が生ずる。
構成単位(II)の占める割合が、2モル%未満の場合
も、28モル%を超える場合もポリエステルの融点は3
30℃より高くなり成形性が悪くなる。また、構成単位
(III)の占める割合が、2モル%未満でも、28モ
ル%を超える場合でもポリエステルの融点は330℃よ
り高くなり成形性に問題を生ずる。さらに、構成単位
(IV)の占める割合が、2モル%未満では耐熱性は2
50℃になることがあり、29モル%以上の場合ではポ
リエステルの融点が330℃より高くなり成形性が悪影
響を及ぼす。また、構成単位(V)の占める割合が、2
8モル%を超える場合では溶融時に光学異方性を示さず
成形性に問題を生ずる。
【0019】本発明の耐熱性ポリエステル樹脂は、以下
の実施例に示すアシドリシス方によって製造することが
できる。構成単位(II)のモル数[II]と構成単位
(III)のモル数[III]との和と構成単位(I
V)のモル数[IV]と構成単位(V)のモル数[V]
の和は理論上等しく、本発明では実質的にこの誤差が
0.5%以下になるよう実施した。
【0020】本発明における耐熱性ポリエステル樹脂が
通常、必要とされる機械強度を保つためには、対数粘度
は1.0dl/g以上が必要であり、好ましくは3.0
dl/g以上、さらに好ましくは5.0dl/g以上で
ある。なお、成形時には本発明の耐熱性ポリエステル樹
脂に対し、ガラス繊維、炭素繊維、アスベストなどの強
化剤、充填剤、核剤、顔料、滑剤、離型剤、安定剤、酸
化防止剤、可塑剤および難燃剤などの添加剤や他の熱可
塑性樹脂を添加して、成形品に所望の特性を付与するこ
とができる。
【0021】また、本発明の耐熱性ポリエステル樹脂か
ら得られる成形体は、その用途が限定されない。一般的
な電子部品や構造材料の他、IC封止剤やスピーカー振
動版、磁性体にも好ましく用いることが可能である。こ
のように得られた成形品は、熱処理によって強度を増加
させることが可能で、多くの場合弾性率をも増加させる
ことができる。この熱処理は、成形品を不活性ガス雰囲
気(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、水蒸気等)
中、または、酸素含有雰囲気(例えば、空気)中、また
は、減圧下において原料ポリマーの融点以下の温度で熱
処理する事によって行うことができる。
【0022】本発明の耐熱性ポリエステル樹脂から得ら
れる成形品は、その平行な分子配向に起因して良好な光
学異方性と耐熱性を有し、機械的性質および溶融時の流
動性が極めて優れている。
【0023】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限
定される物ではない。本発明ではアシドリシス法により
LCPを重合法した。すなわち、テレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、4,4’−ジアセトキシビフェニ
ル、2,2’−ジ(4−アセトキシフェニル)プロパン
およびP−アセトキシ安息香酸を、260℃〜350℃
の常圧加熱条件下で接触させることにより重合を進行さ
せ、その後減圧し,重合系の圧力を0.1mmHgまで下
げ、さらに高分子量化する方法を用いた。この方法では
重合時に副生する酢酸を測定する事で重合率を定量でき
る。本発明では、常圧重合で重合率を98%以上まで上
げた後、減圧重合に移行した。以下に述べるすべての実
施例において、常圧重合時に理論量にたいして98%以
上の酢酸留出が観測され、さらに、重合中に昇華物の量
がモノマー仕込み量に対して0.3重量%以下であった
ので、定量的に重合が進行したと判断できる。また、最
終生成LCPの対数粘度は減圧重合の条件で変化する。
【0024】なお、本発明でいうポリマーの対数粘度
ηinh は、0.1g/dlのペンタフルオロフェノ
ールを溶媒とするポリマー溶液について60℃で測定し
た溶液粘度をもとに次式に従い算出した値である。測定
には20℃における水の落下時間(装置中の規定位置間
を溶液が通過するのに要する時間)が60秒のウベロー
デ型粘度測定装置を用いた。 ηinh = ln(ηr/c) ηr = t/t0 但し、lnは自然対数、tはポリマー溶液の落下時間、
0 は溶媒の落下時間、cはポリマー溶液の濃度(g/
dl)である。
【0025】融点、凝固点は Perkin - Elmar 社製 DSC
7 示差熱走査型熱量計を用い、昇降温速度20℃/分で
測定した。実施例では測定温度はすべて0℃〜350℃
の間で行った。この間で3回昇降温し、3回目の昇温時
の測定曲線の頂点を融点、降温時の測定曲線の頂点を凝
固点とした。測定に用いたサンプルの重量は4.9〜
5.1mgに調整した。
【0026】FANUC 社製 AUTOSHOT C series MODEL 15A
射出成形機を用いて、通常の方法で成形片を作成した。
溶融時の光学異方性は Linkam 社製 TH-600PM 型顕微鏡
用加熱・冷却装置付きの偏光顕微鏡を用いて観察した。
引張強度、引張破断伸度、曲げ強度、曲げ弾性率は島津
製作所社製オートグラフ AG-5000D精密万能試験機を用
いて測定した。
【0027】ハンダ耐熱性の評価はJIS C5034 表1のB
条件に準じて260℃のハンダ浴に10秒間浸漬するこ
とにより行った。
【0028】
【実施例1】攪拌翼、酢酸留出口、乾燥窒素導入口、減
圧口を備えた容積1.5リットルのガラス製反応器に、 2,6−ナフタレンジカルボン酸 129.71g(12モル%) テレフタル酸 66.48g( 8モル%) アセトキシ安息香酸 540.48g(60モル%) 4、4’−ジアセトキシビフェニル 202.71g(15モル%) 2,2’−ジ(4−アセトキシフェニル)プロパン78.09g( 5モル%) を仕込、減圧、乾燥窒素置換を3回繰り返した後、乾燥
窒素を系内に常に流通させながら反応器を260℃のウ
ッドメタル浴に浸漬し、モノマーが一部融解した後、攪
拌を開始した。その後、3時間かけてウッドメタル浴の
温度を350℃まで昇温した。この時点で、理論量に対
し98.8%の酢酸留出量が確認できた。次いで、1時
間かけ内圧を常圧から0.1mmHgまで減圧し、さら
に、この条件を1時間保ち重合反応を完結させた。重合
中に生じた昇華物の総量は0.8g(モノマー仕込み量
に対し0.079%)であった。
【0029】反応完結後、ガラス製反応器を破壊し、得
られたポリマーを取り出し、回転式切削機で2〜5cm角
に切削した後、粉砕機で5mm角以下に粉砕した。粉砕し
たポリマーから、カッターを用い小片を切り出し、これ
を用いて溶液粘度を測定した結果、 対数粘度 5.2dl/g であった。
【0030】 さらに、同じ小片の融点、凝固点を測定した結果、 融点 310℃ 凝固点 280℃ であった。また、偏光顕微鏡観察を行った結果、305
℃以上の温度にて溶融時に光学異方性が観測された。
【0031】次いで、このポリマーに40wt%のガラス
繊維を添加し、バレル温度320℃に調製した池貝鉄工
社製PCM−30押出機を用いて混練、造粒した。ここ
で得たペレットをバレル温度320℃に調整した射出成
形機を用い試験片に成形し、その試験片の引張試験、曲
げ試験をおこなった。その結果、 引張強度 1470kg/cm2 引張伸度 4.0% 曲げ強度 1770kg/cm2 曲げ弾性率 124000kg/cm2 であった。
【0032】同じ成形片を用いて、ハンダ耐熱(260
℃、10秒間)を測定したが外観の変化はなかった。
【0033】
【実施例2】実施例1と同様のガラス製反応器に、 2,6−ナフタレンジカルボン酸 129.71g(12モル%) テレフタル酸 66.48g(8モル%) アセトキシ安息香酸 540.48g(60モル%) 4、4’−ジアセトキシビフェニル 135.14g(10モル%) 2,2’−ジ(4−アセトキシフェニル)プロパン156.19g(10モル% )を仕込み、減圧、乾燥窒素置換を3回繰り返した後、
乾燥窒素を系内に常に流通させながら反応器を260℃
のウッドメタル浴に浸漬し、モノマーが一部融解した
後、攪拌を開始した。その後、3.5時間かけてウッド
メタル浴の温度を360℃まで昇温した。この時点で、
理論量に対し99.0%の酢酸留出量が確認できた。次
いで、1.5時間かけ内圧を常圧から0.1mmHgま
で減圧し、さらに、この条件を1時間保ち重合反応を完
結させた。重合中に生じた昇華物の総量は1g以下であ
った。
【0034】実施例1と同様にポリマーを取り出し、後
処理を行い、実施例1と同様の測定評価を行った。その
結果、 対数粘度 5.8dl/g 融点 315℃ 凝固点 287℃ であった。
【0035】また、偏光顕微鏡観察を行った結果、30
9℃以上の温度にて溶融時に光学異方性が観測された。
さらに、このポリマーに40wt%のガラス繊維を添加し
た後、実施例1と同様の条件で混練、造粒し、これを射
出成形機を用い試験片に成形し、引張試験、曲げ試験を
おこなった。
【0036】その結果、 引張強度 1080kg/cm2 引張伸度 2.8% 曲げ強度 980kg/cm2 曲げ弾性率 95200kg/cm2 であった。
【0037】同じ成形片を用いて、ハンダ耐熱(260
℃、10秒間)を測定したが外観の変化はなかった。
【0038】
【実施例3】実施例1と同様のガラス製反応器に、 2,6−ナフタレンジカルボン酸 129.71g(12モル%) テレフタル酸 66.48g( 8モル%) アセトキシ安息香酸 540.48g(60モル%) 4、4’−ジアセトキシビフェニル 162.15g(12モル%) 2,2’−ジ(4−アセトキシフェニル)プロパン124.95g(8モル%) を仕込み、減圧、乾燥窒素置換を3回繰り返した後、乾
燥窒素を系内に常に流通させながら反応器を260℃の
ウッドメタル浴に浸漬し、モノマーが一部融解した後、
攪拌を開始した。その後、4時間かけてウッドメタル浴
の温度を360℃まで昇温した。この時点で、理論量に
対し98.7%の酢酸留出量が確認できた。次いで、1
時間かけ内圧を常圧から0.1mmHgまで減圧し、さ
らに、この条件を1時間保ち重合反応を完結させた。重
合中に生じた昇華物の総量は1g以下であった。
【0039】実施例1と同様にポリマーを取り出し、後
処理を行い、実施例1と同様の測定評価を行った。その
結果、 対数粘度 6.1dl/g 融点 308℃ 凝固点 285℃ であった。
【0040】また、偏光顕微鏡観察を行った結果、30
7℃以上の温度にて溶融時に光学異方性が観測された。
さらに、このポリマーに40wt%のガラス繊維を添加し
た後、実施例1と同様の条件で混練、造粒し、これを射
出成形機を用い試験片に成形し、引張試験、曲げ試験を
おこなった。
【0041】その結果、 引張強度 1150kg/cm2 引張伸度 3.6% 曲げ強度 1080kg/cm2 曲げ弾性率 99800kg/cm2 であった。
【0042】同じ成形片を用いて、ハンダ耐熱(260
℃、10秒間)を測定したが外観の変化はなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、電気、電子分野で汎用
されるハンダ工程の必要な分野に応用する上で問題のな
い耐熱性と成形性をかねそなえたLCPが得られる。す
なわち、融点が270℃以上、330℃以下で、260
℃以上の耐ハンダ性を示し、部品の形状及び機械的強度
の安定性に優れ、各産業に実用可能なLCPを提供する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式で表わされる繰り返し構造単位 (I)40〜85モル%、(II) 2〜28モル%、
    (III) 2〜28モル%、(IV) 2〜29モル
    %、(V) 1〜28モル% からなり、対数粘度1.0dl/g以上で、融点が27
    0℃以上、330℃以下であり、溶融時に光学異方性を
    示す耐熱性ポリエステル 【化1】 (ここで、(I)、(II)、(III)、(IV)、
    (V)で示される上記単位のモル数を各々[I]、[I
    I]、[III]、[IV]、[V]で表わすと、モル
    %は[I]+[II]+[III]+[IV]+[V]
    に対する値である。)
  2. 【請求項2】 繰り返し構造単位 (I)50〜80モル%、(II) 5〜20モル%、
    (III) 5〜20モル%、(IV) 5〜24モル
    %、(V) 1〜20モル% からなり、対数粘度1.0dl/g以上で、融点が28
    0℃以上、320℃以下である請求項1記載の耐熱性ポ
    リエステル樹脂。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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