JPH0525189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 ケーブル端末のバラ線を１本ずつコネクタのハ
ウジングに装着する装置において、コネクタハウ
ジングを搭載するハウジング保持台のバラ線整線
部の歯列およびハウジングの歯列にバラ線を１本
挿入した後、カツターで切断する構造とすること
により、バラ線を１本ずつ人手で、かつ確実にコ
ネクタハウジングに装着可能とする。

〔産業上の利用分野〕

ケーブル端末の各バラ線をコネクタハウジング
に装着する装置には、自動機と手動装置とが有る
が、本考案は手動装置に関する。

〔従来の技術〕

第１１図に示すように、コネクタにケーブル端
末を装着するには、コネクタのハウジング１に、
櫛歯状の歯列２を形成し、その歯３……間の溝４
……にケーブル５のバラ線６……を１本ずつ挿入
し、挟持する構造になつている。このコネクタ
は、歯列２が２列形成されている。

このようにケーブル端末をコネクタハウジング
に装着する装置として、本考案の出願人により、
特願昭61−43318号において、第１２図のような
自動機が提案されている。矢印Ａ方向に往復動す
るテーブル７上に、ハウジング保持台８がセツト
され、その上に上下動するカツタ９が設けられて
いる。テーブル７は、ハウジング１の櫛歯溝４…
…と同じピツチで間欠送りされる。またカツタ９
は、下端９ａに押し込み部とカツタ刃を有してお
り、テーブル７が間欠送りされる毎に、カツタ９
が下降して、ハウジング保持台８上にセツトされ
ているハウジング１の溝４に、１本のバラ線を押
し込むと同時に先端が切り落とされる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような自動機は、大量にコネクタを扱う業
者にとつては、極めて有効であるが、少量しか扱
わない業者にとつては、高価な自動機よりも手動
の装置が望まれる。

本考案の技術的課題は、このような要望に応
え、ケーブル端末のバラ線を手動でコネクタハウ
ジングに装着できる装置を実現することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は本考案によるケーブル装着装置の基本
原理を説明する図である。本考案は、第１１図の
ように、コネクタのハウジング１に形成された２
列の櫛歯列２，２中の互いに対応する位置の櫛歯
溝４，４中に、ケーブル末端のバラ線６を１本ず
つ圧入し挟持させると共に、櫛歯溝４から突出し
たバラ線先端部分を切除するための装置である。

図１に示すように、フレーム１０には、ケーブ
ル本体部５を挟持するクランパ１２と、コネクタ
ハウジング１を保持するハウジング保持台１３が
取り付けられている。

ハウジング保持台１３は、コネクタのハウジン
グ１を、その２列の櫛歯列２，２が外側を向くよ
うに、しかも片方の櫛歯列２とバラ線整線部１６
との間に隙間３５をおいて保持する構造になつて
いる。また、フレーム１０は、前記ハウジング保
持台１３を、ハウジング１の長手方向にスライド
可能に固定する構造になつている。

ハウジング保持台１３には、ハウジング１の前
記の隙間３５側の櫛歯列２と隣接して、かつハウ
ジングの櫛歯３および櫛歯溝４と対応して櫛歯１
４および櫛歯溝１５を有するバラ線整線部１６を
設けてあり、また該櫛歯１４の歯丈がハウジング
の櫛歯３より高くなつている。

押し込み部１９は、１本のバラ線６を２列の櫛
歯列２，２の対応する櫛歯溝４，４中に圧入する
器具であり、第１０図のように、該押し込み部１
９の両側に、ハウジング１の２列の櫛歯列２，２
間の溝部３６に嵌入するガイド突起３１を、該押
し込み部１９と直交するように有している。

そして、押し込み部１９に対し、押し込み動作
方向と相対移動して、ハウジング１の櫛歯列２と
バラ線整線部１６との間の前記隙間３５に進入
し、櫛歯溝４，４中に押し込み後のバラ線端末を
切断するカツター刃１８を有している。

前記のクランパ１２は、ハウジング保持台１３
に対し、バラ線整線部１６とは反対側に配置さ
れ、ケーブル本体部５の先端を、ハウジング保持
台１３のバラ線整線部１６を有しない側に位置決
めして固定するようになつている。

〔作用〕

この装置において、クランパ１２を矢印Ｄ方向
に移動させることで、ケーブル本体５を挟持す
る。そしてハウジング保持台１３にハウジング１
をセツトすると共に、ハウジング１の全長の中央
位置が、ケーブル本体５に最接近するように、フ
レーム１０に対しハウジング保持台１３を矢印Ｂ
方向に移動させ、固定する。次にケーブル端末の
バラ線６を１本ずつハウジング保持台１３のバラ
線整線部１６の溝１５……に挿入する。そして上
からカツタ１７を下降させ、押し込みチツプ１９
でバラ線６をハウジング１の溝４中に押し込む。
カツタ１７を更に押すと、押し込み部１９に対し
カツタ刃１８が下降し、バラ線６のハウジング１
から突出した部分が切り落とされる。すなわちカ
ツタ刃１８が、バラ線整線部１６とハウジング１
の櫛歯列２間のスペーサ１１上に押し込まれ、切
断が行なわれる。このように、本考案によれば、
ハウジング保持台１３に、ハウジング１の隙間３
５側の櫛歯列２と隣接して、バラ線整線部１６を
設けてあり、しかもハウジング保持台１３の櫛歯
１４の歯丈がハウジングの櫛歯３より高くなつて
いるので、バラ線整線部１６とは反対側に設けた
クランパ１２に保持されたケーブル本体部５から
バラ線６を引き出して、バラ線整線部１６の高い
櫛歯１４，１４間に挿入するだけで、バラ線６を
ハウジング１の２列の櫛歯列２，２の対応する櫛
歯溝４，４中に容易にかつ確実に案内できる。

そして、押し込み部１９の両側に、該押し込み
部１９と直交するように、ガイド突起３１を有し
ているので、バラ線整線部１６中に挿入されたバ
ラ線６の上に押し込み部１９を当てると、先ずガ
イド突起３１が、ハウジング１の２列の櫛歯列
２，２間の溝部３６に嵌入し、かつ押し込み部１
９が、２列の対応する櫛歯溝４，４中に嵌入する
ことで、押し込み部１９がハウジング１に対し、
２方向（Ｘ−Ｙ方向）に位置決めされる。そのた
め、続いて押し込み部１９をバラ線６の上に押し
つけるだけで、簡単かつ確実にバラ線６をハウジ
ングの櫛歯溝４，４中に圧入固定できる。

この状態では、バラ線６は、バラ線整線部１６
の櫛歯溝１５とハウジングの櫛歯溝４中に圧入固
定されているので、次にカツター刃１８が、押し
込み部１９に対し相対移動して、ハウジング１の
櫛歯列２とバラ線整線部１６との間の前記隙間３
５に進入することで、櫛歯溝４，４および櫛歯溝
１５中に押し込み固定状態のままバラ線端末が確
実に切断される。

また、このように、バラ線６は、バラ線整線部
１６とハウジング１の櫛歯列２とで保持されるの
で、他に特別のバラ線保持手段を必要とせず、そ
の結果、ケーブル本体部５の先端をハウジング１
に接近させて、バラ線６の部分を極めて短くで
き、特別の後処理を要しない。

このようにして、すべてのバラ線６をハウジン
グ１に圧入し先端を切除すると、切断されたバラ
線先端部は、バラ線整線部１６の櫛歯溝４中に保
持されるか、落下するので、ケーブル本体部５を
クランパ１２から外すとともに、ハウジング１を
ハウジング保持台１３から取り外すだけで、作業
が完了し、後始末も容易である。

〔実施例〕

次に本考案によるケーブル装着装置が実際上ど
のように具体化されるかを実施例で説明する。第
２図〜第６図はバラ線整線装置側の全容を示す図
で、第２図は平面図、第３図は第２図の−断
面図、第４図は右側面図、第５図は正面側から見
た斜視図、第６図は背面側から見た斜視図であ
る。

コ字状のフレーム１０には、その天板１０ａ内
面に沿つて移動する１対のクランプヘツド１２
ａ，１２ｂを有しており、片方のクランプヘツド
１２ｂは、Ｖ字状の窪み１２ｃを有している。左
側のクランプヘツド１２ａと一体のネジ軸２０
が、フレーム１０の側板部に螺合し、ツマミ２１
を回すことで、前後する。なお２２はロツクナツ
トである。右側のクランプヘツド１２ｂは、ツマ
ミ２３と一体のネジ軸２４と螺合している。

左右のツマミ２１，２３を回して、クランプヘ
ツド１２ａ，１２ｂを左右へ移動させることで、
ケーブル本体部５を挟持すると、バラ線６……
が、天板１０ａのＵ字状切り欠き１０ｂから突出
する。

この実施例では、ケーブル端末が通過するＵ字
状切り欠き１０ｂの左右両側に、ハウジング保持
台１３，１３が配設されている。天板１０ａに
は、クランプヘツド１２ａ，１２ｂの往復動方向
と直交する方向にスリツト２５，２５を有してい
る。ハウジング保持台１３，１３に固設されたネ
ジ軸が、このスリツト２５，２５を貫通して、天
板１０ａの下側で位置決めツマミ２６と螺合して
いる。そのため、位置決めツマミ２６をゆるめ
て、ハウジング保持台１３，１３をスリツト２５
の方向に移動させ、位置決めツマミ２６を締めつ
けることで、ハウジング保持台１３上にセツトさ
れたハウジング１の中央位置を、ケーブル本体５
に最接近させる。

ハウジング保持台１３，１３は、左右対称形に
なつているため、左側のハウジング保持台１３に
ついて詳述する。図示例では、ハウジング本体２
７の内側（Ｕ字状切り欠き１０ｂ側）に歯の低い
櫛歯列２８が、本体２７の外側（ツマミ２１側）
に歯の高い櫛歯列バラ線整線部１６が配設され、
スペーサ１１と一緒にネジ２９で一体に固定され
ている。

ハウジング保持台１３の本体２７は、両側の櫛
歯列２８，１６より低く、溝状になつている。こ
の本体２７上にハウジング１が挿入セツトされ、
突起３０で位置決めされる。

クランパ１２に固定されたケーブル本体５の各
バラ線６……は、第１図で説明したように、最も
歯丈の高いバラ線整線部１６の溝１５に１本ずつ
挿入される。各溝１５……は、ハウジング１の櫛
歯列２，２の溝４……と対応しているため、バラ
線６をバラ線整線部１６に挿入することで、ハウ
ジング１の櫛歯列２，２の溝上に位置決めされ
る。したがつて、第１図で説明したように、上か
らカツタ１７の押し込みチツプ１９で押圧するこ
とで、バラ線６はハウジング１の櫛歯溝４中に押
し込まれる。

なお図示例のように、ハウジング保持台１３が
２組有る場合は、バラ線６……を２分して、左右
のハウジング保持台１３，１３上のハウジング１
に装着される。

第７図〜第１０図はカツタを示す図である。第
７図はカツタ１７の全容を示す図、第８図はカツ
タ１７の要部断面図、第９図はカツタ刃の正面図
である。３０はグリツプであり、その先にカツタ
１７が固設されている。カツタ刃１８と押し込み
チツプ１９とは、Ｔ字状に配設され、押し込みチ
ツプ１９の左右両側に位置決め用のガイド突起３
１が固設されている。第１０図ａに示すように、
ガイド突起３１の幅ｔは、ハウジング１の２列の
櫛歯列２，２の間隔Ｔより小さい。第８図に示す
ように、押し込みチツプ１９は、カツタ本体３２
のガイド孔３３中に挿入され、かつガイド孔底部
と押し込みチツプ１９間にコイルバネ３４が内蔵
されている。また第９図に示すように、カツタ刃
１８の先端は、Ｕ字状に窪んでおり、その中にバ
ラ線６が入るようになつている。

第１０図ａに示すように、バラ線６がバラ線整
線部１６のガイド用櫛歯溝１５中に挿入された状
態で、カツタ１７の押し込みチツプ１９をバラ線
６上に位置決めする。このとき、押し込みチツプ
１９の両側のガイド突起３１が、ハウジング１の
２列の櫛歯列２，２間の隙間に嵌入するように挿
入すると、押し込みチツプ１９がバラ線６の真上
に位置決めされ、かつカツタ刃１８がハウジング
１の櫛歯列２とバラ線整線部１６間（鎖線位置）
に位置決めされる。この状態でカツタ１７を押し
込むと、押し込みチツプ１９によつてバラ線６が
ハウジング１の２列の櫛歯列２，２の櫛歯溝４中
に押し込まれ、隣接する櫛歯３，３間に挟持され
る。更にカツタ１７を押し込むと、ｂのようにコ
イルバネ３４に抗して押し込みチツプ１９がカツ
タ本体３２中に引つ込むため、カツタ刃１８が相
対的に下降して、ハウジング１の溝４から突出し
た部分が切除される。ｃはバラ線６がハウジング
１の櫛歯溝４に装着完了した状態である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、ハウジング１の
櫛歯列２と隣接して、ハウジング１の櫛歯列２よ
り歯丈の高いバラ線整線部１６を有しているた
め、該バラ線整線部１６の櫛歯溝１５にバラ線６
を挿入するのみで、ハウジング１の櫛歯溝４中に
位置決めされる。続いてカツタ１７をバラ線６上
に押しつけることで、押し込みチツプ１９によつ
てバラ線６がハウジング１の櫛歯溝４に押し込ま
れる。このようにバラ線６が櫛歯溝４に押し込ま
れて固定された状態で、カツタ刃１８のみが更に
下降し、ハウジング１から突出したバラ線先端が
切除されるので、バラ線６の櫛歯溝４への押し込
みとバラ線先端の切除を連続して、ワンタツチで
行なうことができ、作業が簡単である。しかもバ
ラ線６を櫛歯溝４に押し込んで固定してから、カ
ツタ刃１８による切断が行なわれるので、切断が
確実となり、また切断作業の際に、櫛歯溝４から
バラ線６が離脱したり移動するなどの恐れもな
く、手動によるケーブル装着が効果的に行なわれ
る。そのほか、押し込み部１９と直交するよう
に、ガイド突起３１を有しているので、バラ線整
線部１６中に挿入されたバラ線６の上に押し込み
部１９を当てると、ガイド突起３１が、ハウジン
グ１の２列の櫛歯列２，２間の溝部３６に嵌入
し、かつ押し込み部１９が、２列の対応する櫛歯
溝４，４中に嵌入することで、押し込み部１９が
ハウジング１に対し、２方向に位置決めされるた
め、押し込み部１９およびカツター刃１８の位置
決めが正確で、かつ安定して押し込み部１９およ
びカツター刃１８を操作できる。

また、バラ線整線部１６の櫛歯１４の存在しな
い側でクランパ１２に保持されたケーブル本体部
５から、バラ線６をハウジング１の２列の櫛歯溝
４，４およびバラ線整線部１６の櫛歯溝１５へと
案内して、バラ線整線部１６とハウジング１の櫛
歯列２とで保持させるので、他に特別のバラ線保
持手段を必要とせず、その結果、ケーブル本体部
５の先端をハウジング１に接近させて、バラ線６
の部分を短くできる。

このように、切除されるバラ線先端部を保持す
るバラ線整線部１６以外に、バラ線を保持する手
段は必要ないため、すべてのバラ線を圧入し、切
断した後は、ケーブル本体部５をクランパ１２か
ら外すとともに、ハウジング１をハウジング保持
台１３から取り外すだけで済み、作業後の後始末
も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるケーブル装着装置の基本
原理を説明する斜視図、第２図〜第６図は本考案
によるケーブル装着装置の全容を示す図、第７図
〜第１０図はカツタおよびその使用状態を示す
図、第１１図はコネクタハウジングにバラ線が装
着された状態の斜視図、第１２図は従来の自動ケ
ーブル装着機の側面図である。 図において、１はコネクタのハウジング、２は
櫛歯列、３は櫛歯、４は櫛歯溝、５はケーブル本
体、６はバラ線、１２はクランパ、１３はハウジ
ング保持台、１４は櫛歯、１５は櫛歯溝、１６は
バラ線整線部、１１はスペーサ、１７はカツタ、
１８はカツタ刃、１９は押し込みチツプをそれぞ
れ示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コネクタのハウジング１に形成された２列の櫛
   歯列２，２中の互いに対応する位置の櫛歯溝４，
   ４の中に、ケーブル末端のバラ線６を１本ずつ圧
   入し挟持させると共に、櫛歯溝４から突出したバ
   ラ線先端部分を切除するケーブル装着装置であつ
   て、 コネクタのハウジング１を、その２列の櫛歯列
   ２，２が外側を向くように、しかも片方の櫛歯列
   ２とバラ線整線部１６との間に隙間３５をおいて
   保持するハウジング保持台１３と、 該ハウジング保持台１３を、ハウジング１の長
   手方向にスライド可能に固定するフレーム１０と
   を有し、 該ハウジング保持台１３には、ハウジング１の
   前記の隙間３５側の櫛歯列２と隣接して、かつハ
   ウジングの櫛歯３および櫛歯溝４と対応して櫛歯
   １４および櫛歯溝１５を有するバラ線整線部１６
   を設けると共に、該櫛歯１４の歯丈をハウジング
   の櫛歯３より高くしたこと、 １本のバラ線６を２列の櫛歯列２，２の櫛歯溝
   ４，４中に圧入する押し込み部１９の両側に、ハ
   ウジング１の２列の櫛歯列２，２間の溝部３６に
   嵌入するガイド突起３１を、該押し込み部１９と
   直交するように設けたこと、 該押し込み部１９に対し、押し込み動作方向と
   相対移動して、ハウジング１の櫛歯列２とバラ線
   整線部１６との間の前記隙間３５に進入し、櫛歯
   溝４，４中に押し込み後のバラ線端末を切断する
   カツター刃１８を有していること、 ケーブル本体部５の先端を、ハウジング保持台
   １３のバラ線整線部１６を有しない側に位置決め
   して固定するクランパ１２を、ハウジング保持台
   １３に対しバラ線整線部１６とは反対側に配置
   し、前記フレーム１０に取り付けたこと、 を特徴とするケーブル装着装置。