JP3736773B2 - 圧接ハーネス製造装置及び圧接ハーネス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測長ボード上のコネクタ受け具に電線圧接済のコネクタを移動しセットすることで電線の測長を行わせる簡便な圧接ハーネス製造装置及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図17は、特開昭59−217976号公報に記載された従来の圧接ハーネス製造装置を示すものである。
この装置71は、リール72と電線ガイド73を用いた電線供給部と、モータ74と図示しないラック・ピニオンを用いたコネクタ移送部と、コネクタ75内の図示しない端子に電線76を圧接する圧接部77と、移送部で送られたコネクタ75を保持するクランプ部78とで構成される。
【0003】
該モータ74はケーシングレール79に固定され、ケーシングレール79はラックに沿って長手方向に移動する。圧接部77で電線76を圧接された複数のコネクタ75は各ケーシングレール79の移動によって階段状に電線長さを変えられ、電線長の異なる圧接ハーネスが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置においては、コネクタの移動機構が複雑で且つ大掛かりとなると共に、圧接ハーネスの品番変え(段取替え)が面倒であるという懸念があった。
本発明は、上記した点に鑑み、複雑な機構を用いずに簡単にコネクタを所要の電線長さに移動できて、多品種の圧接ハーネスに容易に対応できる圧接ハーネス製造装置及び圧接ハーネス製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、電線引き出し方向に並ぶ一対の櫛歯状の電線圧接ブレードを有する昇降可能なアプリケータと、該一対の電線圧接ブレードに対する一対のコネクタ受け溝と、該一対の電線圧接ブレードの間に位置する電線切断刃とを有するコネクタホルダと、該コネクタホルダ上で開閉自在な櫛歯状の圧接ガイド蓋と、該コネクタホルダに対して電線引き出し方向に位置する測長ボードと、該測長ボード上に固定された複数のコネクタ受け具とを備える第一の製造装置を採用とする。
第一の製造装置において前記コネクタホルダと測長ボードとが電線長手方向に移動可能であり、コネクタホルダのベースと測長ボードとがスライドバーで連結され、測長ボードがコネクタホルダ方向に付勢手段で押圧され、コネクタホルダと測長ボードとの間に、測長ボードに対するストッパが設けられ、該ストッパに測長ボードが当接した状態で該スライドバーの範囲でコネクタホルダが電線引き出し反対方向に移動可能である構造も有効である。
【0006】
また、第一の製造装置を用いた圧接ハーネス製造方法であって、電線引き出し反対方向の一方の前記コネクタ受け溝に複数の短形コネクタをセットし、該短形コネクタに前記電線圧接ブレードで電線を圧接した後、該短形コネクタを取り出して前記測長ボード上のコネクタ受け具に移動させてセットし、その後、前記電線切断刃で該電線を切断しつつ、一方のコネクタ受け溝内の短形コネクタと他方のコネクタ受け溝内の長形コネクタとに前記圧接ブレードで電線を圧接させる第一の製造方法を採用する。
第一の製造方法において、前記コネクタホルダのベースを測長ボードに当接させた状態で電線圧接済の前記短形コネクタをコネクタ受け具にセットし、該コネクタホルダを電線引き出し反対方向に移動させ、ないしは該測長ボードを電線引き出し方向に移動させて電線の弛みをなくした後、前記電線切断刃で該電線を切断しつつ、前記圧接ブレードで各コネクタに電線を圧接させることも有効である。
【0007】
また、電線引き出し方向に並ぶ一対のコネクタテーブルと、該一対のコネクタテーブル上で独立して昇降可能な一対の電線圧接ブレードと、該一対のコネクタテーブルの間を進退可能な電線供給ヘッドとを備える圧接ハーネス製造装置において、該コネクタテーブルに対して電線引き出し方向に測長ボードが配置され、該測長ボード上に複数のコネクタ受け具が固定された第二の製造装置を採用する。第二の製造装置において、前記測長ボードが電線引き出し方向に移動可能である構造も有効である。
さらに、第二の製造装置を用いた圧接ハーネス製造方法であって、測長ボード側の一方の前記コネクタテーブルにセットされた複数の短形コネクタに電線の先端部を圧接した後、電線圧接済の該短形コネクタを測長ボード上の前記コネクタ受け具に移動させてセットし、その後、前記電線供給ヘッドの電線挿通孔端と電線供給ヘッド後退方向の前記圧接ブレードの下端部とで該電線を切断しつつ、他方のコネクタテーブル上の長形コネクタに電線を圧接させる第二の製造方法を採用する。
第二の製造方法において前記電線圧接済の短形コネクタを測長ボード上のコネクタ受け具に移動させてセットした後、該測長ボードを電線引き出し方向に移動させて電線の弛みをとることも有効である。
【0008】
以下に作用を説明する。
上記第一の製造装置及び方法においては両圧接ブレードの下降動作で電線がコネクタホルダ上の両方のコネクタに同時に圧接される。圧接の直前に切断刃が両コネクタの間で電線を切断する。コネクタホルダから電線圧接済の後方の短形コネクタを外して前方の測長ボード上のコネクタ受け具に移動しセットすることで、電線の測長すなわち電線の長さ規定が行われる。そして前述の圧接動作で前方の長形コネクタにも電線が圧接される。
【0009】
短形コネクタをコネクタ受け具にセットした後にコネクタホルダないし測長ボードを電線引張方向に移動することで、電線の弛みがとれ、コネクタへの電線の圧接が確実に行われる。第一の製造装置によればコネクタホルダのベースと測長ボードとが当接した状態でコネクタのセットが行われ、コネクタホルダが電線引き出し反対方向に移動して測長ボードがストッパに当接し、コネクタホルダのベースが測長ボードから離間した状態で電線圧接が行われる。
【0010】
第二の製造装置及び方法においては前後の圧接ブレードは別々に駆動される。先ず前方の短形コネクタに前方の圧接ブレードで電線が圧接され、該短形コネクタが測長ボード上のコネクタ受け具にセットされる。次いで測長ボードが電線引張方向に移動して電線の弛みをとり、その状態で後方の長形コネクタに後方の圧接ブレードで電線が圧接される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて説明する。
図1〜12は本発明に係る圧接ハーネス製造装置及び圧接ハーネス製造方法の第一実施例を示すものである。
この電線圧接装置1は、電線引出し方向に並ぶ前後一対の櫛歯状の電線圧接ブレード2,3を有するアプリケータ4と、各圧接ブレード2,3に対応して長形(親)コネクタ5と複数の短形(子)コネクタ6とをそれぞれセット可能で、レール7に沿って前後方向(電線長手方向)に移動可能なコネクタホルダ8と、該コネクタホルダ8上において開閉可能な櫛歯状の圧接ガイド蓋9と、該コネクタホルダ8の前方に設置され、ホルダベース10にスライドバー11を介して前後方向移動可能に連結された測長ボード12と、該測長ボード12上に固定された複数のコネクタ受け具13とを備える。
【0012】
図1において前記圧接ブレード2,3は電線直行方向の複数枚の歯部14を有し、両圧接ブレード2,3は対向してアプリケータ4に固定されている。アプリケータ4は、前記レール7を固定した図示しないベースフレームと一体の門柱に上下方向スライド自在に設けられ、先端のシャンク15で図示しない昇降シリンダに連結される。圧接ブレード2,3の前後には電線押え16,17がアプリケータ4と一体に設けられている。
【0013】
前記コネクタホルダ8はホルダベース10に固定され、ホルダベース10は前記レール7に係合して前後方向に移動可能である。該ホルダベース10の前端には立壁18が設けられ、該立壁18に前記スライドバー11の後端が固定されている。該スライドバー11は、測長ボード12の後端方に垂下形成した垂壁19の孔20を貫通して前方に延びている。該スライドバー11の前端方にはプレート状のばね座21が固定され、該ばね座21と測長ボード12の垂壁19との間に付勢手段としてのコイルばね22が弾設されている。該コイルばね22は垂壁19をホルダベース10の立壁18に向けて付勢押圧している。
【0014】
該測長ボード12は図示しない長手方向のスライド用レールに係合している。コネクタホルダ8は立壁18を測長ボードの垂壁19に当接させて測長ボード19と一体に前進ないしばね付勢のもとで後退可能である。また測長ボード12はホルダベース10に対してスライドバー11の範囲内で長手(前後)方向に移動可能である。
【0015】
測長ボード12の垂壁19の後方には板状のストッパ23が対向して立設固定され、該垂壁19がコイルばね22の付勢力でストッパ23に当接した状態において、ホルダベース10の立壁18と測長ボード12の垂壁19との間に少しの間隔Lが設定されて、コネクタホルダ8は圧接ブレード2,3の直下すなわち圧接位置に位置する。該隙間Lは、短形コネクタ6を測長ボード12上のコネクタ受け具13へ移動させた際の電線28の弛みを除くためのものである。
【0016】
この状態すなわちコネクタホルダ8が圧接位置にある状態において、コネクタホルダ8上の長形コネクタ5と測長ボード12上の短形コネクタ6との間の電線長さが設定されるべく、コネクタ受け具13の位置が定められている。該コネクタ受け具13は測長ボード12上に、短形コネクタ6の数に対応して複数個が長手方向の各位置に配置され、短形コネクタ6から長形コネクタ5までの距離は各短形コネクタ6の導出電線長さに応じて設定されている。各コネクタ受け具13の上壁には短形コネクタ6をセットする凹状の受け穴24が形成されている。
【0017】
前記コネクタホルダ8の前部には、前側電線押え16に対向して電線支持体25が一体的に設けられ、該支持体25の側部にホルダ移動用の水平な駆動シリンダ26が連結されている。該駆動シリンダ26はコネクタホルダ8をホルダベース10ごとレール7に沿って前後にスライド移動させる。電線支持体25上には、電線押え16に対向してフェルト材等の柔軟な電線受け材27が設置されており、電線押え16で電線28を押さえた直後に圧接ブレード2がコネクタ5に電線28を圧接させる。
【0018】
コネクタホルダ8が前方へ移動すると図2の如くホルダベース10の立壁18が測長ボード12の垂壁19に当接して測長ボード12を停止板23から離間させて前方に押し出す。このコネクタホルダ8の前方移動位置においてコネクタホルダ8へのコネクタセットが行われる。
【0019】
該コネクタホルダ8には、両圧接ブレード2,3の間において電線切断刃29が一体に設けられている。該切断刃29は両側上端に直角なエッジ刃30を有し、各圧接ブレード2,3の内側下端のエッジ刃31との摺接動作で電線28を剪断可能である。図1で32は切断された電線カスを示す。
【0020】
該コネクタホルダ8において電線切断刃29の下側には前後にコネクタ受け溝33,34が切欠形成されている。各受け溝33,34は図3の如くコネクタ停止用側壁35を有する。図1で短形コネクタ用受け溝34の後部開口には板ばね36がヒンジ37で開閉自在に設けられ、長形コネクタ用受け溝33の前部開口には係止ピン38が対向して昇降自在に設けられている。
【0021】
該係止ピン38は前下がりの先端傾斜面38aを有し、縦穴39内においてコイルばね40で上昇方向に付勢されて、先端エッジ部38bを長形コネクタ5の前面に接して位置させる。短形コネクタ6は図3の如く一側方のガイド開口部41から受け溝34内に挿入され、板ばね36で係止される。長形コネクタ5(図1)は前方から係止ピン38の先端傾斜面38aを押し下げて受け溝33内に挿入される。
【0022】
前記圧接ガイド蓋9は図4の如く略L字状に形成され、両圧接ブレード2,3(図1)に対向する蓋部42と、該蓋部42から直行方向に垂下してコネクタホルダ8の後端方にピン44で支持される支持部43とを有して、コネクタホルダ8に回動自在に設けられている。該蓋部42と支持部43のほぼ上半部には、図3の如く各圧接ブレード2,3の歯部14と電線28とを挿通可能なスリット孔45が複数形成されている。該蓋部42の先端上部には各スリット孔45に対する横杆部46が設けられ、電線28がスリット孔45から外れ出ないようになっている。
【0023】
電線28は作業者の手で図示しない電線リールから並列なピン間等のガイド部を経て圧接ガイド蓋9のスリット孔45に挿通され、図5の如く圧接ガイド蓋9を閉じた状態で複数本の電線28がコネクタ上に並列に位置する。作業開始時において電線28の先端は図5の如く圧接ガイド蓋9から前方にやや突出して位置させ、コネクタホルダ8には複数の短形コネクタ6のみをセットしておく。コネクタホルダ8へのコネクタのセットは図1においてコネクタホルダ8を測長ボード12側へ移動させたコネクタセット位置で行う。前後方向へのコネクタホルダ8の移動は、図示しない操作ボタンを押して駆動シリンダ26のロッド26aを伸縮させることで行われる。
【0024】
コネクタセット後は図1の如くコネクタホルダ8をアプリケータ4の直下に移動させ、図6の如く圧接ブレード2,3の下降動作で電線28が切断刃29で剪断され、それと同時に圧接ブレード2,3で短形コネクタ6内の圧接端子47(図1)に圧接接続される。電線28の先端部28aは切り落とされ、同時に一対の圧接ブレード2,3間に前記電線カス32が挟まる。電線カス32はコネクタセット位置においてエアブローや突き出し棒等の図示しない除去手段で取り除かれる。
【0025】
短形コネクタ6に電線28が圧接されたら、図7の如くコネクタホルダ8を矢印イの如くコネクタセット位置に移動し、圧接ガイド蓋9を手で後方に開き、短形コネクタ6をコネクタホルダ8の受け溝34から取り出す。すなわち短形コネクタ6ないし電線28を後方へ引っ張ることにより、板ばね36が撓んで、コネクタ6が後部開口から簡単に脱出する。短形コネクタ6の導出電線28は圧接ガイド蓋9のスリット孔45内で横杆部46により外れなく保持される。
【0026】
次いで図8の如くコネクタホルダ8の前側の受け溝33に長形コネクタ5をセットすると共に後側の受け溝34に新たな短形コネクタ6をセットする。そして図9〜10の如く圧接ガイド蓋9を閉じて、電線圧接済の短形コネクタ6を測長ボード12上のコネクタ受け具13にセットする。コネクタ受け具13への短形コネクタ6の移動に伴い電線28が前方に引き出される。短形コネクタ6の移動すなわち電線28の引き延ばしは手作業で行われる。測長ボード12の長手方向の各位置に設けられたコネクタ受け具13に各短形コネクタ6がセットされることで、各コネクタ6の導出電線長さが規定される(すなわち電線の測長が行われる)。導出電線28は圧接ガイド蓋9のスリット孔45内に位置している。
【0027】
次いで図11の如くコネクタホルダ8を矢印ロの如く圧接位置まで移動させ、前後の圧接ブレード2,3をアプリケータ4で一体に下降させて、複数の短形コネクタ6と一つの長形コネクタ5とにそれぞれ電線28を圧接させる。電線28は各ブレード2,3の間で切断刃29により剪断されると同時に電線28の切断端部が各コネクタ5,6内に押し込まれて各端子47に圧接される。
【0028】
図11においてコネクタホルダ8を圧接位置まで移動させた際に、測長ボード12は図1の如くストッパ23に垂壁19を当接させて停止し、ホルダベース10がL寸法分だけ後退して電線28を引っ張って電線の弛みを吸収する。それにより電線28と圧接端子47との位置ずれがなくなり、確実な圧接が可能となる。なお、測長ボード12を固定式として電線28の弛みを手で後方に引っ張ってなくしてもよいが、作業が面倒である。
【0029】
そして図12の如くコネクタホルダ8をセット位置に移動させ、圧接ガイド蓋9を開いて長形コネクタ5を受け溝33から取り出すと共に、測長ボード12のコネクタ受け具13から短形コネクタ6を取り出して、圧接済のサブハーネスアッシー(圧接ハーネス)が形成される。長形コネクタ5の取り出しは係止ピン38を下げることにより簡単に行われる。またコネクタホルダ8の受け溝34から短形コネクタ6を図7の場合と同様にして取り外す。
【0030】
図8〜12の動作を繰り返し行うことで複数の圧接ハーネスを得る。最後の圧接ハーネスを形成する時は図8において長形コネクタ5のみをセットすればよい。この場合、図12で短形コネクタ用受け溝33の側には切り放しの電線28が残存する。
【0031】
上記実施例においてコネクタ変更を伴うような段取替えには、測長ボード12やコネクタホルダ8等をユニット化して対応することができる。また装置1を専用機化してもよい。さらに電線圧接済の短形コネクタ6を作業者の手ではなく機械的ハンドで測長ボード12上に移動させる構造とすることも可能である。また電線28の弛みをとるためにコネクタホルダ8ではなく測長ボード12を電線引き出し方向に移動させる構造とすることも可能である。
【0032】
図13〜16は、本発明に係る圧接ハーネス製造装置及び方法の第二実施例を示すものである。
この圧接ハーネス製造装置51は、図示しない水平駆動シリンダで前後方向に進退可能な電線供給ヘッド52と、前後一対のコネクタテーブル53,54と、各コネクタテーブル53,54上で昇降可能に配置された圧接ブレード55,56と、前側のコネクタテーブル53の前方に配置された測長ボード57とを備える。
【0033】
該電線供給ヘッド52とコネクタテーブル53,54及び圧接ブレード55,56は特願平7−15744号で本出願人により提案済である。測長ボード57は新規なものであり、前例同様のコネクタ受け具59を有する。測長ボード57は固定あるいは電線58の弛みをとるために電線引出し方向(前方)に図示しないエアシリンダ等のアクチュエータでわずかに移動可能な構造としてもよい。その場合、ハーネスの長さは測長ボード57が移動した状態で決まるようにコネクタ受け具59の位置を設定する。
【0034】
前記電線供給ヘッド52は複数の並列な電線挿通孔60を有し、両側の水平なガイドバー61をコイルばね62の付勢のもとでベースヘッド63にスライド自在に係合させ、図13,14の如く前方のコネクタテーブル53に突き当たった際に後退して電線58の先端部58aを突出させてテーブル53上の複数の短形コネクタ64の直上に位置させる。コネクタテーブル53は側方を切欠されたコネクタ受け溝66を有し、短形コネクタ64を置き去りにして側方へ移動可能である。なおコネクタテーブル53を移動しない構造としてもよい。図13で短形コネクタ64上に位置した電線58は圧接ブレード55の下降によりコネクタ64内の圧接端子67に圧接される。
【0035】
次いで圧接ブレード55が上昇し、電線供給ヘッド52が後退して後方のコネクタテーブル54上に位置する。そして図15,16の如く電線圧接済の各短形コネクタ64を測長ボード57上のコネクタ受け具59に作業者の手ないし図示しない機械的ハンドによりセットする。それにより電線58が前方へ引きだされて測長(長さ規定)される。最後に図16で後方の圧接ブレード56が下降して、電線58を切断すると同時に、切断端部を長形コネクタ65内の圧接端子67に圧接接続させて、圧接ハーネスを得る。圧接ブレード56の下端部56aと電線供給ヘッド52の挿通孔端60aは切断刃を兼ねている。
圧接ハーネスの形状を変更する際は、測長ボード57上のコネクタ受け具59の位置を変えるか、他の測長ボードユニットと交換する。
【0036】
【発明の効果】
以上の如くに、本発明によれば、電線圧接済の複数の短形コネクタを手で測長ボード上の各コネクタ受け具にセットするという簡単な操作で、各短形コネクタの導出電線長さを各種長さに規定することができる。従って装置が簡素化し、測長ボード上のコネクタ受け具の位置変えや測長ボードのユニット交換等により少量多種生産にも簡単に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧接ハーネス製造装置の第一実施例を示す要部を断面した側面図である。
【図2】コネクタセット位置における測長ボードとホルダベースの当接状態を示す側面図である。
【図3】圧接ガイド蓋を開けた状態の平面図である。
【図4】同じく圧接ガイド蓋を開けた状態の側面図である。
【図5】圧接ガイド蓋を閉じた状態の平面図である。
【図6】短形コネクタに電線を圧接した状態の側面図である。
【図7】電線圧接済の短形コネクタをコネクタホルダから取り出した状態の側面図である。
【図8】コネクタホルダに短形及び長形コネクタをセットした状態の側面図である。
【図9】取り出した短形コネクタを測長ボードに移動させる状態の側面図である。
【図10】同じく短形コネクタを測長ボード上のコネクタ受け具にセットした状態の平面図である。
【図11】コネクタホルダを圧接位置に移動して両コネクタに電線を圧接した状態の側面図である。
【図12】電線圧接にコネクタを取り出す状態の側面図である。
【図13】本発明に係る圧接ハーネス製造装置の第二実施例(短形コネクタに電線を圧接した状態)を示す平面図である。
【図14】同じく側面図である。
【図15】電線圧接済の短形コネクタを測長ボード上のコネクタ受け具に移動しセットした状態の平面図である。
【図16】測長ボードを電線引張方向に移動した後、長形コネクタに電線を圧接する状態の側面図である。
【図17】従来の圧接ハーネス製造装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
2,3,55,56 圧接ブレード
4 アプリケータ
5,65 長形コネクタ
6,64 短形コネクタ
8 コネクタホルダ
9 圧接ガイド蓋
10 ホルダベース
11 スライドバー
12,57 測長ボード
13,59 コネクタ受け具
22 コイルばね(付勢手段)
23 ストッパ
29 電線切断刃
33,34 コネクタ受け溝
52 電線供給ヘッド
53,54 コネクタテーブル
Claims (8)
- 電線引き出し方向に並ぶ一対の櫛歯状の電線圧接ブレードを有する昇降可能なアプリケータと、該一対の電線圧接ブレードに対する一対のコネクタ受け溝と、該一対の電線圧接ブレードの間に位置する電線切断刃とを有するコネクタホルダと、該コネクタホルダ上で開閉自在な櫛歯状の圧接ガイド蓋と、該コネクタホルダに対して電線引き出し方向に位置する測長ボードと、該測長ボード上に固定された複数のコネクタ受け具とを備えることを特徴とする圧接ハーネス製造装置。
- 前記コネクタホルダと測長ボードとが電線長手方向に移動可能であり、コネクタホルダのベースと測長ボードとがスライドバーで連結され、測長ボードがコネクタホルダ方向に付勢手段で押圧され、コネクタホルダと測長ボードとの間に、測長ボードに対するストッパが設けられ、該ストッパに測長ボードが当接した状態で該スライドバーの範囲でコネクタホルダが電線引き出し反対方向に移動可能であることを特徴とする請求項1記載の圧接ハーネス製造装置。
- 請求項1記載の圧接ハーネス製造装置を用いた圧接ハーネス製造方法であって、電線引き出し反対方向の一方の前記コネクタ受け溝に複数の短形コネクタをセットし、該短形コネクタに前記電線圧接ブレードで電線を圧接した後、該短形コネクタを取り出して前記測長ボード上のコネクタ受け具に移動させてセットし、その後、前記電線切断刃で該電線を切断しつつ、一方のコネクタ受け溝内の短形コネクタと他方のコネクタ受け溝内の長形コネクタとに前記圧接ブレードで電線を圧接させることを特徴とする圧接ハーネス製造方法。
- 前記コネクタホルダのベースを測長ボードに当接させた状態で電線圧接済の前記短形コネクタをコネクタ受け具にセットし、該コネクタホルダを電線引き出し反対方向に移動させ、ないしは該測長ボードを電線引き出し方向に移動させて電線の弛みをなくした後、前記電線切断刃で該電線を切断しつつ、前記圧接ブレードで各コネクタに電線を圧接させることを特徴とする請求項3記載の圧接ハーネス製造方法。
- 電線引き出し方向に並ぶ一対のコネクタテーブルと、該一対のコネクタテーブル上で独立して昇降可能な一対の電線圧接ブレードと、該一対のコネクタテーブルの間を進退可能な電線供給ヘッドとを備える圧接ハーネス製造装置において、該コネクタテーブルに対して電線引き出し方向に測長ボードが配置され、該測長ボード上に複数のコネクタ受け具が固定され、前記電線供給ヘッドの電線挿通孔端と電線供給ヘッド後退方向の前記圧接ブレードの下端部とが電線切断刃を兼ねることを特徴とする圧接ハーネス製造装置。
- 前記測長ボードが電線引き出し方向に移動可能であることを特徴とする請求項5記載の圧接ハーネス製造装置。
- 請求項5記載の圧接ハーネス製造装置を用いた圧接ハーネス製造方法であって、測長ボード側の一方の前記コネクタテーブルにセットされた複数の短形コネクタに電線の先端部を圧接した後、電線圧接済の該短形コネクタを測長ボード上の前記コネクタ受け具に移動させてセットし、その後、前記電線供給ヘッドの電線挿通孔端と電線供給ヘッド後退方向の前記圧接ブレードの下端部とで該電線を切断しつつ、他方のコネクタテーブル上の長形コネクタに電線を圧接させることを特徴とする圧接ハーネス製造方法。
- 前記電線圧接済の短形コネクタを測長ボード上のコネクタ受け具に移動させてセットした後、該測長ボードを電線引き出し方向に移動させて電線の弛みをとることを特徴とする請求項7記載の圧接ハーネス製造方法。
Priority Applications (1)
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JP20334395A JP3736773B2 (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 圧接ハーネス製造装置及び圧接ハーネス製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20334395A JP3736773B2 (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 圧接ハーネス製造装置及び圧接ハーネス製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0950720A JPH0950720A (ja) | 1997-02-18 |
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