JPH05251173A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JPH05251173A
JPH05251173A JP3275197A JP27519791A JPH05251173A JP H05251173 A JPH05251173 A JP H05251173A JP 3275197 A JP3275197 A JP 3275197A JP 27519791 A JP27519791 A JP 27519791A JP H05251173 A JPH05251173 A JP H05251173A
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JP
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power supply
voltage
switching element
transformer
magnetron
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JP3275197A
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English (en)
Inventor
Naoyoshi Maehara
直芳 前原
Takahiro Matsumoto
孝広 松本
Shigeru Kusuki
慈 楠木
Kazuho Sakamoto
和穂 坂本
Makoto Mihara
誠 三原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は商用電源を整流した全波整流電圧波
形の電源より電力を受ける高周波加熱装置に関し、マグ
ネトロンの高信頼性を保証しつつ大電波出力を得ること
を目的としたものである。 【構成】 商用電源を全波整流して得られる全波整流様
直流電源18、マグネトロン17、共振コンデンサ5と
スイッチング素子7を含むインバータ19、前記スイッ
チング素子7の制御部、および前記インバータ19の出
力を昇圧して前記マグネトロン17を付勢する昇圧トラ
ンス6を備え、商用電源の瞬時電圧値に応じて前記スイ
ッチング素子7の導通時間を制御するよう前記制御部を
構成し、マグネトロン17のアノードピーク電流を所定
値以下に維持する構成とした。この構成により高信頼性
を保証しつつ大きな電波出力を得るようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジなどの誘電
加熱を利用した高周波加熱装置に関し、さらに詳しくは
その電源装置にインバータを用いてマグネトロンを駆動
する構成の高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような高周波加熱装置は、そ
の電源トランスの小型化、軽量化、あるいは低コスト化
のために様々な構成のものが提案されてきている。
【0003】図12は、従来の高周波加熱装置の回路図
である。図において、商用電源1の電力はダイオードブ
リッジ2により整流され、インダクタ3及び電解コンデ
ンサ4により、単方向電源が形成されている。インダク
タ3と電解コンデンサ4は、インバータの高周波スイッ
チング動作に対するフィルターの役目を果たすと共に大
容量電解コンデンサの採用により、十分平滑度を高めた
直流電源を形成している。
【0004】インバータは、共振コンデンサ5、昇圧ト
ランス6、トランジスタ7、ダイオード8、および駆動
回路9により構成されている。トランジスタ7は駆動回
路9より供給されるベース電流によって所定の周期とデ
ューティー(すなわち、オンオフ時間比)でスイッチン
グ動作するものである。このスイッチング動作により、
昇圧トランス6の一次巻線10には、図13(a)に示
すコレクタ電流Icとダイオード電流Idより成る電流
Icdが流れ、一次巻線10には同図(b)のような高
周波電流IL が流れる。したがって、二次巻線11およ
び三次巻線12には夫々高周波高圧電力および高周波低
圧電力が発生する。この高周波低圧電力はコンデンサ1
3,14およびチョークコイル15,16を介してマグ
ネトロン17のカード端子間に供給され、マグネトロン
17のカソードを所定の温度に加熱する。一方、高周波
高圧電力はアードカソード間に供給され、マグネトロン
17に発振のための高電界を与える。
【0005】この従来の技術は米国特許第4,318,
165号に示されており、インバータの電源は直流電圧
であり、コンデンサ4は十分大きな容量であることが必
要である。また、インバータの動作についても詳細に示
されており、図13(a)、(b)に示したIcdおよ
びIL 、並びに同図(c)に示すようなコンデンサ電流
Icが流れることにより、同図(d)のようなマグネト
ロン17のアノード電流IA が流れ、マグネトロン17
が発振し誘電加熱が可能になることが示されている。こ
のような構成でトランジスタ7を20KHz以上の高周
波でスイッチング動作させると、商用周波数のままで昇
圧してマグネトロンを駆動する場合に比べ、昇圧トラン
スの重量、サイズを数分の一から十数分の一に減少させ
ることができ、高周波加熱装置の電源部の小型化および
低コスト化が可能であるという特長があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電源装置は、次のような課題を有するもので
あった。
【0007】マグネトロン17のアノード電流IA は、
図13(d)に示すようにそのピーク値が大きく、かつ
立ち上りの急峻な電流波形とならざるを得なかった。こ
れはトランジスタ7が導通している期間に一次巻線10
に蓄積されたエネルギーを非導通期間に放出してマグネ
トロン17に高圧エネルギーを与えるいわゆるフライバ
ック型コンバータ型式の回路構成であること、および、
高周波スイッチング動作により商用周波数電圧を変調し
てマグネトロン17を駆動することとによるものであ
る。特に、後者による影響は大きく、直流電源電圧(す
なわちコンデンサ4の電圧)のリップル電圧が大きい場
合、所定のマグネトロン17の出力(すなわち所定のア
ノード電流IA の平均値)を得るためにどうしても大き
なピーク電流を持つIA を流すことが必要になってくる
ので、従来は、コンデンサ4の容量値を十分大きくし、
A の立ち上りスピードを遅くすると共にそのピーク値
が許容値を越えないようにしていた。このためコンデン
サ4が大型化高価格化してしまうという欠点があった。
また、コンデンサ4の容量を小さく押さえようとすると
十分大きなマグネトロンの電波出力が得られなかった。
さらに、IA の許容最大値を越えた状態でマグネトロン
を駆動すると、マグネトロンのカソードの持つエミッシ
ョン能力(熱電子放出能力)を越えてしまうため、いわ
ゆるエミッション不足によるモーディング現象が生じ易
く、このためその寿命が著しく低下し、場合によっては
寿命が百分の一以下になってしまうという欠点があっ
た。また、立ち上りの急峻な電流IA を流すことも、同
様にモーディング現象が発生し易くなり、著しい信頼性
の低下をひき起こさざるを得なかった。このような理由
のために、商用電源より電力を得、かつ、比較的低い平
滑度(すなわち全波整流様波形の電圧)の直流電源でイ
ンバータを動作させ、たとえば600W〜700W以上
の大きなマグネトロンの電波出力を得、しかも長寿命、
高信頼性を保証することができる高周波加熱装置を実現
することは極めて困難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の構成より成るものである。すなわち、
食品などの被加熱物をマイクロ波加熱するマグネトロン
と、マグネトロンに高圧電力を供給する漏洩型の昇圧ト
ランスと、昇圧トランスと共振回路を形成する共振コン
デンサおよび前記共振回路にエネルギーを与えるスイッ
チング素子より成るインバータ回路と、スイッチング素
子を制御する制御部と、商用電源より電力を得てインバ
ータ回路に商用電源電圧を全波整流した波形に近い電圧
波形の電圧を与える全波整流様直流電源とを備え、前記
昇圧トランスの漏洩インダクタンスを通常のトランスよ
り大きくし、かつ、商用電源の瞬時電圧に応じてスイッ
チング素子の導通時間を制御するよう制御部を構成した
ものである。
【0009】また、食品などの被加熱物をマイクロ波加
熱するマグネトロンと、マグネトロンに高圧電力を供給
する漏洩型の昇圧トランスと、昇圧トランスと共振回路
を形成する共振コンデンサおよび前記共振回路にエネル
ギーを与えるスイッチング素子より成るインバータ回路
と、スイッチング素子を制御する制御部と、商用電源よ
り電力を得てインバータ回路に商用電源電圧を全波整流
した波形に近い電圧波形の電圧を与える全波整流様直流
電源とを備え、前記昇圧トランスの漏洩インダクタンス
を通常のトランスより大きくし、かつ、少なくとも前記
商用電源の瞬時電圧の最大値近傍で前記スイッチング素
子の導通時間を制御するよう制御部を構成したものであ
る。
【0010】さらに、制御部を、商用電源の瞬時電圧を
検知する電源電圧検知手段と、スイッチグ素子の動作状
態を制御する駆動回路と、瞬時電圧補正手段とで構成
し、電源電圧検知手段の信号により瞬時電圧補正手段が
少なくとも商用電源の瞬時電圧の最大値近傍でスイッチ
ング素子の導通時間を制御するよう駆動回路に指令を与
える構成としたものである。
【0011】さらにまた、スイッチング素子の導通時間
が商用電源瞬時電圧の最大値近傍で極小値にあるよう瞬
時電圧補正手段が駆動回路を制御する構成としたもので
ある。
【0012】そして、制御部の電源を商用電源から得、
制御部に供給される電源の瞬時値に応じて瞬時電圧補正
手段が駆動回路に指令を与え、スイッチング素子の動作
状態を制御する構成としたものである。
【0013】そしてまた、昇圧トランスと1個のスイッ
チング素子を直列に接続し、全波整流様直流電源に並列
に接続する構成としたものである。
【0014】
【作用】本発明は上記構成によって以下に述べるような
作用を果たすものである。
【0015】すなわち、マグネトロンと、昇圧トランス
と、共振コンデンサおよびスイッチング素子より成るイ
ンバータ回路と、制御部と、全波整流様直流電源とを備
え、昇圧トランスの漏洩インダクタンスを通常のトラン
スより大きくし、かつ、商用電源の瞬時電圧に応じてス
イッチング素子の導通時間を制御するよう制御部を構成
することにより、漏洩インダクタンスが、マグネトロン
のアノード電流の立ち上りスピードを抑制し、かつ、商
用電源の瞬時電圧値に応じて昇圧トランスに供給するエ
ネルギーの大きさを任意に調節するものである。そして
これにより、マグネトロンの動作状態を高周波スイッチ
ング動作に対して安定に保ち、しかも電源電圧の瞬時値
にかかわらず常に良好に維持し、信頼性の低下を生ずる
ことなく大電波出力動作を実現する作用を果たすもので
ある。
【0016】また、マグネトロンと、昇圧トランスと、
共振コンデンサおよびスイッチング素子より成るインバ
ータ回路と、制御部と、全波整流様直流電源とを備え、
昇圧トランスの漏洩インダクタンスを通常のトランスよ
り大きくし、かつ、少なくとも前記商用電源の瞬時電圧
の最大値近傍で前記スイッチング素子の導通時間を制御
するよう制御部を構成することにより、漏洩インダクタ
ンスがマグネトロンのアノード電流の立ち上りスピード
を抑制し、かつ、商用電源の瞬時電圧の最大値近傍で昇
圧トランスに供給するエネルギーの大きさを調節し、高
周波スイッチング動作に対して安定に保ち、しかも、商
用電源の瞬時電圧が最大値に近い電圧の時でもマグネト
ロンの動作状態を良好な状態に保って、大電波出力動作
を実現し、かつ、高信頼性を確保する作用を果たすもの
である。
【0017】さらに、電源電圧検知手段の信号により瞬
時電圧補正手段が少なくとも商用電源の瞬時電圧の最大
値近傍でスイッチング素子の導通時間を制御するよう駆
動回路に指令を与える構成とすることにより、特にマグ
ネトロンの寿命低下に大きく関係する商用電源電圧の最
大値近傍で、その瞬時電圧値に応じて昇圧トランスに供
給するエネルギーの大きさを調節する作用を果たすもの
である。
【0018】さらにまた、スイッチング素子の導通時間
が商用電源瞬時電圧の最大値近傍で極小値になるよう瞬
時電圧補正手段が駆動回路を制御する構成とすることに
より、特にマグネトロンの寿命低下に大きく関係する商
用電源電圧の最大値近傍で、その瞬時電圧値に応じて極
めてスムーズに昇圧トランスに供給するエネルギーの大
きさを調節し、商用電源から供給されるエネルギーの大
きさ(すなわち商用電源からの入力電流)に不連続性を
生じることなく瞬時電圧値に応じた昇圧トランスへの供
給エネルギーの大きさの調節を行う作用を果たすもので
ある。
【0019】そして、制御部の電源を商用電源から得、
制御部に供給される電源の瞬時値に応じて瞬時電圧補正
手段が駆動回路に指令を与え、スイッチング素子の動作
状態を制御する構成とすることにより、制御部の近傍か
ら商用電源の瞬時電圧値を検知し、ノイズの混入が生じ
難くかつ検知信号の処理が容易な構成を実現する作用を
果たすものである。
【0020】そしてまた、昇圧トランスと1個のスイッ
チング素子を直列に接続し、全波整流様直流電源に並列
に接続する構成とすることにより、非常に簡単でコンパ
クトなインバータ回路構成でありながら、マグネトロン
の動作状態を電源電圧の瞬時値にかかわらず常に良好に
維持し、マグネトロンの寿命の低下等の不都合を生じる
ことなく大電波出力を得ることを可能とする作用を果た
すものである。
【0021】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0022】図1は本発明の一実施例を示す高周波加熱
装置の回路図であり、図12と同符号のものは相当する
構成要素であり詳しい説明を省略する。
【0023】図1において、商用電源1の電力は全波整
流様直流電源に送られ、インバータ(インバータ回路)
19に送られる。全波整流様直流電源18を構成するコ
ンデンサ4は図12の従来例に示した平滑コンデンサと
違いフィルムコンデンサで構成され、その容量値は非常
に小さいものである。このため小型低コストであるかわ
りに、その端子間電圧はダイオードブリッジ2で商用電
源を整流した波形とほとんど酷似した全波整流様波形と
なっている。インバータ19は半導体スイッチング素子
7などより成り、昇圧トランス6を付勢してマグネトロ
ン17に高圧電力およびカソード加熱用低圧電力を供給
するものである。
【0024】トランジスタ7、昇圧トランス6の一次巻
線10、共振コンデンサ5、およびマグネトロン17に
流れる電流は、それぞれ図2(a)、(b)、(c)、
および(d)のようになり、いわゆる一石式電圧共振型
インバータとして動作する。トランジスタ7の電流Ic
dおよびマグネトロンの電流IA の位相関係から明らか
なように、このインバータ回路はフォーワード型コンバ
ータの動作をしている。このため、従来のようなフライ
バック型コンバータの動作の場合よりもマグネトロン1
7のアノード電流IA を小さくし易い回路構成となって
いる。特に、第2図(d)に示すように、IA の波形は
その立ち上りスピードが低く押えられている。これは、
昇圧トランス6の1次2次巻線間の結合度が通常のトラ
ンスより低く、したがって、漏洩インダクタンスが大き
くなっているためである。すなわち漏洩インダクタンス
を大きくすることにより、マグネトロン17からみた電
源側インピーダンスが高くなり、定電流源的作用を果た
すので、IA の立ち上りスピードを低く押えることがで
きる。なお、図2(e)は、マグネトロン17のアノー
ドカソード間電圧である。
【0025】図3は図1の高周波加熱装置の高圧回路の
構成を示す回路図あって、トランジスタ7が導通してい
る期間にマグネトロン17の電流IA が流れるような昇
圧トランス6の極性となってフォーワード型コンバータ
の回路構成となっている。図4は図3の一次側換算の等
価回路図であり、L1、Kはそれぞれ昇圧トランス6の
一次巻線自己インダクタンスおよび一次二次巻線間の結
合係数である。DM、ZDM、RMはマグネトロン17
を表す等価回路であり、図5に示したマグネトロンの非
線形な特性を表している。昇圧トランス6が漏洩型トラ
ンスで構成されているのは、リーケージインダクタンス
2(1−k)L1を通常のトランスよりかなり大きな値
とし、昇圧トランスの二次側から一次側を見たインピー
ダンスZiを高め、定電流的作用を昇圧トランス6に持
たせるためである。これにより、マグネトロン17の低
ダイナミックインピーダンス性をカバーして、高周波動
作に伴うアノード電流IA の急峻な立ち上りを抑制する
ことによる。マグネトロン17の安定な発振動作とイン
バータ回路19の安定な共振動作を実現することができ
る。図4におけるコンデンサCH は、図1におけるコン
デンサ13,14,20の等価コンデンサであり、この
コンデンサCH が無い時生じる図6のような異常高電圧
(−12kV)の発生を防止するものである。図7およ
び図8にマグネトロン電流IA 、コンデンサ電流ICH
および昇圧トランスの電流IL の相互関係を示すよう
に、ICHが流れることにより、マグネトロン17が逆バ
イアスされた時発生する電圧VK を比較的小さく押さえ
る作用を果たしている。そして、図8はコンデンサCH
が適正な値でないVAKが大きくなることを説明する図で
あり、コンデンサCH の値が小さいと、図中の一点鎖線
のようにVAKは比較的低いVAK1 からVAK2 となること
を示している。
【0026】図9を参照して本発明の第2の要部を説明
する。図1におけるコンデンサ4の電圧Vc4は、前述
したようにその容量値が小さいので、図9(a)に示す
ように全波整流様の電圧波形となる。したがって、全波
整流様直流電源18の出力波形はこのような電圧波形と
なる。したがって、マグネトロン17の電波出力が大き
く、たとえば600W〜700W以上の電波出力の場
合、同図(b)のようなマグネトロンのアノード電流I
A が流れ、そのピーク電流値はマグネトロン17のカソ
ードに許される最大ピーク電流IAPを越えてしまうこと
となる。すなわち、図9(a)および(b)より明らか
なように、大きなマグネトロンの電波出力を得ようとす
ると商用電源の瞬時値が最大値となる近傍で最大許容値
APを越えるIA が流れる結果となり、マグネトロンの
エミッション不足によるモーディングが発生してカソー
ドの劣化が生じ、著しい信頼性の低下を引き起こす結果
となるものである。そこで本発明では、図1に示すよう
に、駆動回路9、瞬時電圧補正手段22、電源電圧検知
手段21より成る制御部の電源を供給するトランスTを
介して商用電源1の瞬時電圧を電源電圧検知手段21に
より検知する構成となっている。そして、この電源電圧
検知手段21の検知信号に基づいて、瞬時電圧補正手段
22は駆動回路9によるトランジスタ7の導通時間to
nを制御する構成となっている。すなわち、瞬時電圧補
正手段22は、駆動回路9により制御されるトランジス
タ7の導通時間tonを、図9(c)に示すように、商
用電源瞬時電圧の最大値近傍で減少させるよう制御する
のである。導通時間tonは図10に示すようにトラン
ジスタ7に電流が流れている時間であり、このtonに
より昇圧トランス6の電圧VL は図11に示すように変
化する。すなわちtonを調節することにより、昇圧ト
ランス6(したがって共振回路)に供給されるエネルギ
ーの大きさを調節することができる。
【0027】図より明らかなように、tonは商用電源
瞬時電圧の最大値近傍で極小値となるよう制御されるの
で、マグネトロンは、同図(d)に示すように、アノー
ド電流IA が最大許容値IAP以下に維持されながら70
0Wもしくはそれ以上の大電波出力を発生することがで
きる。そして、このようにtonを制御することによっ
て、商用電源からの入力電力、すなわち入力電流の瞬時
的変化をスムーズに行い、しかも、瞬時電圧の最大値近
傍でIAPを越さないIA となるよう制御することができ
る。つまり、商用電源の瞬時電圧の最大値近傍でton
が極小値となるよう制御することにより、入力電流の瞬
時的変化のスムーズさを維持して安定なインバータ動作
を保ちつつ、同図(d)のようなIA となるよう制御す
ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高周波加熱
装置は、以上に述べる効果を有するものである。
【0029】すなわち、マグネトロン、昇圧トランス、
共振コンデンサおよびスイッチング素子より成るインバ
ータ回路、制御部、および全波整流様直流電源を備え、
昇圧トランスの漏洩インダクタンスを通常のトランスよ
り大きくすると共に、商用電源の瞬時電圧に応じてスイ
ッチング素子の導通時間を制御するよう制御部を構成す
ることにより、高周波スイッチング動作に対するアノー
ド電流の立ち上りスピードを押えると共に、商用電源の
瞬時電圧値に応じて昇圧トランスに供給するエネルギー
の大きさを任意に調節することができる。この結果、マ
グネトロンが高周波スイッチング動作に対して安定に発
振を開始し、しかも電源電圧の瞬時値の如何にかかわら
ず常に良好に発振動作を維持でき、過大なアノード電流
が流れる事によるカソード表面の劣化、モーディング現
象等によるカソードの劣化、あるいは過大な損失の発生
による発熱などの不都合による信頼性の低下を生ずるこ
となく大電波出力動作を実現することができる。したが
って高周波スイッチング動作を行い、かつ、全波整流様
直流電源でありながら大きな電波出力が可能であり、し
かも、高い信頼性を保証することができる高周波加熱装
置を提供することができる。
【0030】また、マグネトロン、昇圧トランス、共振
コンデンサおよびスイッチング素子より成るインバータ
回路、制御部、および全波整流様直流電源を備え、昇圧
トランスの漏洩インダクタンスを通常のトランスより大
きくすると共に、少なくとも前記商用電源の瞬時電圧の
最大値近傍で前記スイッチング素子の導通時間を制御す
るよう制御部を構成することにより、高周波スイッチン
グ動作に対するアノード電流の立ち上りスピードを押
え、かつ、商用電源の瞬時電圧の最大値近傍で昇圧トラ
ンスに供給するエネルギーの大きさを調節し、商用電源
の瞬時電圧が最大値に近い電圧の時でも、高周波スイッ
チング動作でありながら、マグネトロンの動作状態を良
好な状態に保ち、過大なアノード電流によるカソードの
劣化、モーディング現象等あるいは過大な発熱などの不
都合による信頼性の低下を生ずることなく大電波出力動
作を実現することができる。したがって高周波スイッチ
ング動作で、かつ、全波整流様直流電源でありながら大
電波出力が可能で、しかも、高い信頼性を保証できる高
周波加熱装置を実現することができる。
【0031】さらに、瞬時電圧補正手段が少なくとも商
用電源の瞬時電圧の最大値近傍でスイッチング素子の導
通時間を制御するよう駆動回路に指令を与える構成とす
ることにより、特にマグネトロンの寿命低下に大きく関
係する商用電源電圧の最大値近傍で、昇圧トランスに供
給するエネルギーの大きさを電源電圧検知手段の信号に
基づき確実に調節することができ、全波整流様直流電源
でありながら大電波出力が可能で、しかも、高い信頼性
を保証できる高周波加熱装置を確実に実現することがで
きる。
【0032】さらにまた、スイッチング素子の導通時間
が商用電源瞬時電圧の最大値近傍で極小値になるよう瞬
時電圧補正手段が駆動回路を制御する構成とすることに
より、特にマグネトロンの寿命低下に大きく関係する商
用電源電圧の最大値近傍で、その瞬時電圧値に応じて極
めてスムーズに昇圧トランスに供給するエネルギーの大
きさを調節し、商用電源から供給されるエネルギーの大
きさ(すなわち商用電源からの入力電源)に不連続性を
生じることなく瞬時電圧値に応じた昇圧トランスへの供
給エネルギーの大きさの調節を行なうことができ、全波
整流様直流電源でありながら大電波出力が可能であり、
高い信頼性を保証できる上に、商用電源からの供給電流
の瞬時的変化がスムーズであり高周波成分や高周波ノイ
ズの発生が少ない高周波加熱装置を提供することができ
る。
【0033】そして、制御部の電源を商用電源から得、
制御部に供給される電源の瞬時値に応じて瞬時電圧補正
手段が駆動回路に指令を与え、スイッチング素子の動作
状態を制御する構成とすることにより、制御部の近傍か
ら商用電源の瞬時電圧値を検知しているためノイズの混
入が生じ難くかつ検知信号の処理が容易な構成でありな
がら、全波整流様直流電源から電力を得つつ大電波出力
が可能であり、しかも、高い信頼性を保証できる高周波
加熱装置を実現することができる。
【0034】そしてまた、昇圧トランスと1個のスイッ
チング素子を直列に接続し、全波整流様直流電源に並列
に接続する構成とすることにより、非常に簡単でコンパ
クトなインバータ回路構成でありながら、マグネトロン
の動作状態を電源電圧の瞬時値にかかわらず常に良好に
維持し、マグネトロンの寿命の低下等の不都合を生じる
ことなく大電波出力を得ることが可能な高周波加熱装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の高周波加熱装置の電源装置
の回路図
【図2】(a)同高周波加熱装置の電源装置のトランジ
スタ電流波形図 (b)同高周波加熱装置の電源装置のトランス電流波形
図 (c)同高周波加熱装置の電源装置の共振コンデンサ電
流波形図 (d)同高周波加熱装置の電源装置のマグネトロンのア
ノード電流波形図 (e)同高周波加熱装置の電源装置のマグネトロンのア
ノード電圧波形図
【図3】同高周波加熱装置の電源装置の高圧回路動作説
明図
【図4】同高周波加熱装置の電源装置の高圧回路の等価
回路図
【図5】マグネトロンの動作電圧電流特性図
【図6】マグネトロンの異常電圧波形図
【図7】マグネトロンと高圧コンデンサの電流ベクトル
【図8】高圧コンデンサの作用説明図
【図9】(a)同高周波加熱装置の電源装置のコンデン
サ4の電圧波形図 (b)同高周波加熱装置の電源装置の本発明を実施しな
い場合のアノード電流波形図 (c)同高周波加熱装置の電源装置の半導体スイッチの
導通時間変化図 (d)同高周波加熱装置の電源装置の半導体スイッチの
導通時間変化時のマグネトロンのアノード電流波形図
【図10】同高周波加熱装置の電源装置の半導体スイッ
チの導通時間tonを示す図
【図11】同高周波加熱装置の電源装置の半導体スイッ
チの導通時間tonに対する昇圧トランスの出力電圧特
性図
【図12】従来の高周波加熱装置の電源装置の回路図
【図13】(a)同高周波加熱装置の電源装置のトラン
ジスタ電流波形図 (b)同高周波加熱装置の電源装置のトランス電流波形
図 (c)同高周波加熱装置の電源装置の共振コンデンサ電
流波形図 (d)同高周波加熱装置の電源装置のマグネトロンのア
ノード電流波形図
【符号の説明】
5 共振コンデンサ 6 昇圧トランス 7 スイッチング素子 9 駆動回路 17 マグネトロン 18 全波整流様直流電源 19 インバータ回路 21 電源電圧検知手段 22 瞬時電圧補正手段
フロントページの続き (72)発明者 坂本 和穂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三原 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品などの被加熱物をマイクロ波加熱する
    マグネトロンと、前記マグネトロンに高圧電力を供給す
    る漏洩型の昇圧トランスと、前記昇圧トランスと共振回
    路を形成する共振コンデンサおよび前記共振回路にエネ
    ルギーを与えるスイッチング素子より成るインバータ回
    路と、前記スイッチング素子を制御する制御部と、商用
    電源より電力を得て前記インバータ回路に商用電源電圧
    を全波整流した波形に近い電圧波形の電圧を与える全波
    整流様直流電源とを備え、前記昇圧トランスの漏洩イン
    ダクタンスを通常のトランスより大きく構成し、かつ、
    前記商用電源の瞬時電圧に応じて前記スイッチング素子
    の導通時間を制御するよう前記制御部を構成した高周波
    加熱装置。
  2. 【請求項2】食品などの被加熱物をマイクロ波加熱する
    マグネトロンと、前記マグネトロンに高圧電力を供給す
    る漏洩型の昇圧トランスと、前記昇圧トランスと共振回
    路を形成する共振コンデンサおよび前記共振回路にエネ
    ルギーを与えるスイッチング素子より成るインバータ回
    路と、前記スイッチング素子を制御する制御部と、商用
    電源より電力を得て前記インバータ回路に商用電源電圧
    を全波整流した波形に近い電圧波形の電圧を与える全波
    整流様直流電源とを備え、前記昇圧トランスの漏洩イン
    ダクタンスを通常のトランスより大きく構成し、かつ、
    少なくとも前記商用電源の瞬時電圧の最大値近傍で前記
    スイッチング素子の導通時間を制御するよう前記制御部
    を構成した高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】制御部を、商用電源の瞬時電圧を検知する
    電源電圧検知手段と、スイッチング素子の動作状態を制
    御する駆動回路と、瞬時電圧補正手段とで構成し、前記
    電源電圧検知手段の信号により前記瞬時電圧補正手段が
    少なくとも前記商用電源の瞬次電圧の最大値近傍で前記
    スイッチング素子の導通時間を制御するよう前記駆動回
    路に指令を与える構成とした請求項1または2記載の高
    周波加熱装置。
  4. 【請求項4】スイッチング素子の導通時間が商用電源の
    瞬時電圧の最大値近傍で極小値になるよう制御する構成
    とした請求項2または3記載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】制御部の電源を商用電源から得る構成と
    し、前記制御部に供給される商用電源の瞬時値に応じて
    瞬時電圧補正手段が駆動回路に指令を与え、スイッチン
    グ素子の動作状態を制御する構成とした請求項1または
    2記載の高周波加熱装置。
  6. 【請求項6】昇圧トランスと1個のスイッチング素子を
    直列に接続し、全波整流様直流電源に並列に接続する構
    成とした請求項1または2記載の高周波加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113923812A (zh) * 2021-10-29 2022-01-11 广东美的厨房电器制造有限公司 微波加热装置、控制方法和存储介质
CN113923812B (zh) * 2021-10-29 2024-05-31 广东美的厨房电器制造有限公司 微波加热装置、控制方法和存储介质

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JPS625589A (ja) * 1985-06-28 1987-01-12 松下電器産業株式会社 高周波加熱装置
JPH0415599A (ja) * 1990-05-10 1992-01-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ウラン水溶液中のセシウムの分離方法

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