JPH0524994A - 強誘電体素子 - Google Patents

強誘電体素子

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JPH0524994A
JPH0524994A JP17845491A JP17845491A JPH0524994A JP H0524994 A JPH0524994 A JP H0524994A JP 17845491 A JP17845491 A JP 17845491A JP 17845491 A JP17845491 A JP 17845491A JP H0524994 A JPH0524994 A JP H0524994A
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JP
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ferroelectric
polarization
thin film
electric field
axis
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JP17845491A
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English (en)
Inventor
Hideo Adachi
日出夫 安達
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐久性が良好であり、クロストロークが発生せ
ず、読みだし時にメモリー状態が破壊されない強誘電体
素子を提供することを目的とする。 【構成】下部電極と、この下部電極の上に形成された強
誘電体薄膜と、この強誘電体薄膜の上に形成された上部
電極とを具備し、前記強誘電体薄膜は、 (Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12- A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,希
土類元素 B=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr m=1,2,3,4,5 なる化学構造式で表され、かつその分極軸は、前記下部
及び上部の両電極面に垂直な方向に対して傾斜している
ことを特徴とする強誘電体素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電効果、焦電効果を
用いたセンサー、トランスデューサ、アクチュエータ、
光学素子、あるいは記憶素子や通信部品として広範な応
用を有する強誘電体薄膜素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、強誘電体は極性の異なる
二つの残留分極状態をとり得る。この性質を利用して、
大容量、不揮発、且つ高速の強誘電体メモリを実現させ
る試みが従来から行われている。
【0003】例えば、図9に示す様な単純マトリックス
電極構造を用いた強誘電体メモリーが比較的古くから提
案されている。同図において、参照数字1…はX方向ア
ドレス線を示す。これらのアドレス線1…はX方向アド
レス回路2に接続されている。また、参照数字3…はY
方向アドレス線を示し、これらY方向アドレス線はY方
向アドレス回路4に接続されている。X方向アドレス線
1…とY方向アドレス線3…とで囲まれた個々の領域は
メモリーセルを構成する。夫々のメモリーセルには、図
示のように強誘電体メモリー素子が形成されている。こ
のような強誘電体メモリーは大容量化、不揮発性化およ
び高速化を実現することが出来るという利点を有する
が、次のような問題点がある。 1 記憶の保持状態が不安定である(耐久性が悪い。) 2 読み出し時に、目的とするセル以外のセルまで破壊
される(クロストークの問題)。 3 読み出されたセルは非書き込み状態に遷移するため
(メモリー状態の破壊)、読み出し後に再書き込みが必
要となる。 以下、上記三つの問題点のそれぞれについて説明する。 <耐久性>
【0004】1の問題は強誘電体メモリに特徴的な現象
であって、未だに充分解決しきれていない。その理由の
1つは、反電界による減極である。即ち、分極により強
誘電体薄膜内部に発生した電荷分布(空間電荷分極電
界)は、分極とは逆方向の反電界を生じる。この反電界
の影響により、残留分極P、及び抗電圧Vcの両者が共
に劣化する。図10は、この減極を説明するための図で
ある。図示のように、分極初期のヒステリシス曲線5
は、減極によって曲線6に変化してしまう。
【0005】別の理由としては、空間電荷分極電界が外
部印加電界にバイアスされるため、印加電界の極性に対
する対称性が悪くなることが考えられる。その結果、図
11に示したように、0V印加時の残留分極Prが実質
的に変化することになる。同図において、曲線7は変化
前のヒステリシス曲線、曲線8は変化後のヒステリシス
曲線である。他の理由としては、分域壁移動時の内部歪
みにより、内部のマイクロクラック等の構造欠陥が増加
すること等が考えられている。
【0006】但し、現在のところ、記憶保持状態の不安
定性が上記の何れの理由によるものか、或いは更に別の
理由によるものかについての立証は得られていない。し
かし、反電界を小さくすること、分域壁移動時に内部構
造欠陥が発生しにくい理想的な結晶とすることと、或る
閾内部電界(空間電荷分極電界)程度では減極しないよ
うな硬い強誘電体材料を用いることを同時に実施すれ
ば、改善の道が開かれることは容易に推測しうる。しか
し、今迄この具体的手段の実現は困難とされていた。 <クロストーク>
【0007】2の問題について、本出願人は、ダイアッ
ク等のスイッチ素子を併用することにより、クロストー
クの問題を回避できる構造を提案した(特願昭63−1704
71号公報)。この構造により疑似的な方形ヒステリシス
カーブが得られ、1/2 Vc程度の電圧で、目的以外のセ
ルを破壊することなく目的のセルの状態の読み出しが可
能となる。しかし、構造が極めて複雑になるという製造
上の問題点が新たに発生する。
【0008】2のクロストークの問題のもう一つの改善
方法は、図12に示す様なSRAM構造を取ることであ
る。この構造におけるメモリーセルは、フリップフロッ
プ回路9と、二つの強誘電体素子10,11と、二つの
トランジスタ12,13で構成されている。強誘電体素
子10,11はトランジスタ12,13を介してX,Y
アドレス線に接続されるので、クロストークの問題は発
生せず、安定に動作させ易い。しかしこの方法も大容量
メモリ化しにくいし、又製造工程も複雑になるという欠
点を有している。 <読み出しによるメモリー破壊>
【0009】従来の読み出しにおいては、完全に残留分
極の極性を反転させ、この時流れる電流値で記録状態を
読み出す方法が用いられている。この読み出し方法で
は、読み出されたメモリーセルは必然的に破壊メモリと
なり、3の問題を回避できない。なお、電流値の大きい
時には再書き込みをするという方法が一般的であるが、
その分読み出し時間が長くなるという欠点を有してい
る。
【0010】以上、従来の強誘電体メモリーの問題点に
ついて述べたが、このうち1の問題はメモリーに限ら
ず、強誘電体を用いた圧電センサ、トランスデューサ、
焦電センサ等のデバイスにおいて共通の問題点である。
即ち、これらメモリー以外のデバイスについても、1の
問題は特性の経時変化につながる要因であるため改善が
望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、耐久性が良好であり、クロストロ
ークが発生せず、読みだし時にメモリー状態が破壊され
ない強誘電体素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の強誘電
体素子は、下部電極と、この下部電極の上に形成された
強誘電体薄膜と、この強誘電体薄膜の上に形成された上
部電極とを具備する強誘電体素子であって、前記強誘電
体薄膜は、 (Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12- A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,希土類
元素 B=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr m=1,2,3,4,5 なる化学構造式で表され、かつa軸配向しており、前記
下部及び上部の両電極面に垂直な方向に対して傾斜して
いる。
【0013】前記上部電極は、Pt,Au,Al及びN
iからなる群から選択される1種の金属から実質的にな
る単層構造、またはCr,Ti,Mo及びWのからなる
群から選択される少なくとも1種の下地層及びPt,A
u,Al及びNiからなる群から選択される少なくとも
1種の上層からなる2層構造を有することが好ましい。
また、前記下部電極および上部電極は、複数のストライ
プ状電極からなり、且つ互いに直交して配列された2次
元配列構造を有することが好ましい。本発明者は、上述
の問題点を解決するために、強誘電体の分極現象につい
て次のような考察を行ない、この考察に基づいて本発明
をなすに至った。
【0014】図1(A)のヒステリシス曲線に示される
ように、強誘電体には正負の残留分極値(±Pr)が存
在する。この二つの残留分極値は、図1(B)のポテン
シャル図に示すように、二つの安定な分極状態(結晶の
変位状態)T1 ,T2 に対応する。この二つの分極状態
1 ,T2 間の遷移は、外部電界によって誘起される。
【0015】分極量Pは、単位格子内に存在する永久双
極子の電界方向における余弦値の体積積分である。この
値は単結晶であるか又は多結晶であるかに依存して決定
され、また結晶の対称性や、配向方向および分極軸の方
向等によっても決定される。分極量の変化のしかたも、
同様にこれらの状況によって変わってくる。
【0016】そこで、一つの永久双極子に電界が印加さ
れた場合について考察する。図2(A)は、印加された
電界22の方向が分極(永久双極子)21の方向に一致
している場合である。図示のように、分極21の方向が
+Z方向で、印加電界22の方向は−Z方向である。こ
のように印加電界22が双極子21の方向と逆向きであ
れば、双極子は180 °逆向きに反転して電界方向に揃う
(21′)(180 °分極反転)。
【0017】これに対して図2(B)は、分極21の方
向と印加電界22の方向とが一致せず、傾きθ(=90
°)を有している場合を示している。この場合、双極子
はθ=0に近づくように他の安定な方向をさがし、その
方向になる様に回転する(21′)(90°分極回転)。
この図では90°回転する場合を示しているが、結晶の対
称性や配向性によっては、90°以外の回転もありうるこ
とは容易に推察される。一方、印加電界22の方向にい
かなる分極軸をも持たない場合には、遷移後の分極2
1′の方向が電界方向に揃っていることがない。
【0018】上記のように、双極子の複数の安定状態間
の遷移は、反転によるか、回転によるかの二通りあるこ
とがわかる。この二通りの遷移のしかたを比較すると、
反転による場合は遷移の前後で対称性が保持されるか
ら、周囲に生じる歪は小さい。これに対して回転の場合
は、遷移によって対称性が破壊されるから、周囲に大き
な歪を誘起するという大きな差がある。また、反転によ
る分極は急に起るのに対して、回転による分極は比較的
ゆるやかに起ると言える。これを別の観点から見ると、
振幅およびパルス幅が同一の電界を印加した場合には、
反転遷移よりも回転遷移の方が復元性が大きいという考
え方につながる。本発明者はこの点に着眼した。
【0019】即ち、分極状態間の遷移が回転のみによっ
て起るようにすれば、一定の振幅EA とパルス幅TP
有する電界を印加することにより僅かに分極回転を生じ
させ、且つ該電界パルスを除去することにより再び元の
安定点に戻るはずである。そして、分極軸が電界方向に
一致せず、電界方向に対してある角度を持って配向して
いれば、分極回転のみを利用することが出来ると考え
た。より具体的にいえば、上部電極と下部電極との間
に、電極面と垂直な方向に対して分極軸が一定の角度を
持つように配向した強誘電体層を設ける。そして、両電
極間に、ある値以上の電圧Vapを印加すれば、その極性
に応じて+Pr又は−Prの何れかの分極状態に設定で
きる。また、Vapよりかなり小さい1/2 Vc程度以下の
電圧を印加すれば、分極回転に伴って変位電流が流れて
読み出しができ、その後に電圧を解除すれば再び元の状
態に戻る。即ち、非破壊読み出しが可能になる。これに
よってクロストークの問題は解決され、また耐久性を向
上させることにもつながるから、既述した従来の問題点
は全て解決されることになる。
【0020】尚、先に、このように分極回転を用いると
いう方法は回転双極子の周囲に大きな歪を発生し構造的
破壊をもたらすことを記した。このことは本発明が素子
の劣化を招き、好ましくはないように見えるが、実用上
そうではないことを強誘電体メモリを例に取って以下に
説明する。
【0021】今、目的のセル“0”を書き込むために電
圧Vを印加すると、他のセルには0.5Vの電圧がかか
る。この電圧によっては分極回転前の所まで行っても、
ポテンシャルの山を越えないため、書き込み電圧が0V
に戻ると元の安定状態に復帰する。即ち、格子構造の変
化を来さないので材料の劣化にはつながらない。
【0022】一方、目的のセルの記憶状態を読み出す時
は、目的のセルに0.5Vの電圧がかかるようにする。
このようにすると目的のセル自身記憶状態が破壊されな
いし、他の非選択セルに加わる電圧も更に小さくなり、
益々、劣化を生ずることなく安定した動作が出来るよう
になる。
【0023】本発明者らは以上のような考え方に基づい
て先に提案を行なった。それによると電界方向に対して
一定の角度をもつように分極軸を配向させるためには以
下に示す2つの手段が可能である。
【0024】1つの方法は、分極軸が結晶軸(10
0),(010),(001)に合致している結晶にお
いて、結晶軸(100),(010),(001)が電
極面に垂直な方向に対して一定の角度を有するように、
例えば(110)或いは(111)に結晶配向させる方
法である。他の1つの方法は、分極軸が結晶軸とズレて
いる結晶を、結晶軸に沿って配向させる方法である。
【0025】これらの何れの方法においても、+Pr,
−Prに対応した2つの分極安定状態だけが存在し、そ
の中間的な安定状態が無い方が、読出し電圧を解除した
後に元の状態に戻り易い。中間的な安定状態は分極軸の
数が多かったり、結晶の配向性がランダム(多結晶)で
あるときに惹起され易い。従って、分極が少なく、少く
とも一定の方向に対しては配向性が良好な単結晶を用い
るのが望ましい。このような条件を満足し得るのは、A
BO3 型ペロブスカイト構造を有する(Pb
1+a-XX )(Zr1-Y-2 TiY Z )O3 +bMeO
系の化合物を正方晶で用いる場合と、(Bi2 2 2+
(Am-1 m 3m+12-で表わされる化合物をc軸配向
させて用いる場合とに相当することを、本発明者らは、
先の提案で示している。
【0026】しかしながら、c軸配向膜は残留分極が小
さく、そのため、センサーとして用いたときの感度は大
きく取れない。また強誘電体メモリーとしたときには読
み出し感度が悪いといった問題があることが分かった。
本発明はこのような問題を解決するものである。
【0027】図13(A)、(B)、図14を参照し、
(Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12-で表される化
合物をa軸配向させて用いる場合について説明する。こ
の化合物は、図13(A)、(B)に示したような結晶
構造を有している。その分極軸は、a軸およびc軸を含
む面内において、a軸から±5度傾いた方向にある。従
って、図14に示したように、a軸配向させた結晶に対
してa軸方向に電界を印加することにより、分極反転ま
たは回転を促すことができる。この時のヒステリシス特
性を図6に示す。
【0028】このヒステリシス特性を分極量と自由エネ
ルギーとの関係で見ると図7のように書ける。即ち、A
(a軸方向に電界印加)の時はポテンシャルの高さが高
く、ミニマム間の距離が長い。図7(A)は印加電圧が
0の時、(B)は印加電圧5Vを印加した時のようすで
ある。a軸方向電圧印加の場合、電圧0.5Vの印加で
もポテンシャルの山が残っていてVを0に戻すと、元の
安定点に戻る(ロ−ルバック)。図7のポテンシャルの
形が180 度分極反転に依るものが90度分極回転に依るも
のかというと一律には言えないが、ポテンシャルのピー
クが高いということは安定状態の変化を抑制すると言う
ことである。従って、例えば、状態が変化することによ
って大きな歪を発生するような場合が考えられる。これ
は180 度分極反転より、90度分極回転に相当する。90度
分極回転(分域壁移動)がa軸方向の電界印加でどの様
に起こっているのか直感的に図3(2),(5),
(6),(9),(10),(11),(12),(1
3),(14),(15),(16),(17),(1
8)に示した。これらが90度分域壁移動に関係すること
はすぐ分かる。これらの図よりa軸に沿って90°分域壁
のできる確率の方が、180 °分域壁のできる確率より高
いことがわかる。
【0029】(Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12-
で表わされる化合物をa軸配向させて用いる場合、その
分極軸は、a軸およびc軸を含む面内において、a軸か
ら±5度傾いた方向にある。従って、a軸配向させた結
晶に対してa軸方向に電界を印加することにより、分極
回転を促すことができる。一方c軸方向への電界印加で
はこの電界Eによって他の安定点にかわる。(デストラ
クティブ)。図8はこの様子をもう少し分かりやすくま
とめたものである。
【0030】いま強誘電体の分極状態が“1”にあった
とする。この状態に種々の大きさの電界Eを印加する
と、その大きさと、180 度分極(双極子)か、90度分極
(双極子)かによって、最初の安定点に戻るか(ロ−ル
バック)か他の安定点に移るかが決定される。従って、
読みだしでは90度分極に対し、E<Ec90を印加し、書
き込みはE>Ec90を印加すればNDROが可能となる。こ
のように考えるとa軸が基板面に垂直になるような配向
をさせることが望ましい。
【0031】また、本発明によれば、使用される上部電
極は、Pt,Au,Al及びNiからなる群から選択さ
れる1種の金属から実質的になる単層構造、またはC
r,Ti,Mo及びWのからなる群から選択される少な
くとも1種の下地層及びPt,Au,Al及びNiから
なる群から選択される少なくとも1種の上層からなる2
層構造を有する。このような上部電極を用いることによ
り、その上に形成される強誘電体薄膜がa軸配向しやす
くなる。さらにこのような下地層を用いると、強誘電体
薄膜と上部電極との定着性が良くなる。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。 実施例1
【0033】図4は、本発明の一実施例に係る強誘電体
素子を示す断面図である。図4において、参照数字41
は基板を示す。基板41は、例えば石英ガラス、NA-40
(ノンアルカリ高耐熱性ガラス:HOYA製)、酸化マ
グネシウム(MgO)、サファイア、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO3 )、シリコン(Si)、ガリウム
砒素(GaAs)、ガリウムアルミニウム砒素(GaA
lAs)等から構成される。基板41が導電性である場
合(Si,GaAs,GaAlAs)は、基板41上
に、例えば酸化珪素(SiO2 )、窒化珪素(Si3
4 )等からなる絶縁層42をスパッタ、CVD等の手段
でコートした後、その上に下部電極43をスパッタ、C
VD、真空蒸着、イオンプレーティング等の手段で付着
させる。一方、基板41が導電性をもたない場合(石英
ガラス、NA-40、MgO、サファイア、SrTiO3
には、該基板上に下部電極43を直接コ−トすることが
出来る。
【0034】この実施例では、基板として[100]面
を有するSiを用い、これを表面酸化してSiO2 膜4
2を形成し、更にこれを700 ℃に加熱しながら白金(P
t)をスパッタすることにより(100)配向したPt
からなる下部電極43を形成した。この下部電極43上
に、金属アルコキシド溶液をスピンコートした。この溶
液は、コーティング後に熱処理を施すことによって、下
記化学式で表される組成を有するものとなる。 (Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12- 但し、上記の化学式において、 A:Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,Kの何れ
か、 B:Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Crの
何れか、 m:A,Bの価数によってM=1,2,3,4,5
【0035】金属アルコキシド溶液をスピンコートした
後、250 ℃で乾燥した。更に、空気中又は酸素ガス中に
おいて、450 ℃〜800 ℃で10分〜120 分熱処理を行なっ
た。これを1サイクルとし、該処理サイクルを5〜10回
繰り返すことにより、厚さ約1μmの強誘電体薄膜を得
た。
【0036】なお、この実施例ではスピンコート用出発
液として金属アルコキシドを用いたが、アセチルアセト
ン金属塩や、ナフテン酸またはオクチル酸金属石鹸を出
発液としてスピンコートしても、同様に強誘電体薄膜4
4を成膜することができる。このようにして得られた強
誘電体薄膜44は、スピンコート、乾燥、熱処理の全工
程を工夫することによって、Pt電極と同方向にa軸配
向させることができる。しかし、面方向には一般に多結
晶である。
【0037】この配向した強誘電体薄膜44の上に、密
着性を良くする為にTi,Mo,Cr,Wの何れかを真
空蒸着、スパッタ等で下地コートした後、その上にA
u,Pt,Ag,Ni,Alの何れかを真空蒸着または
スパッタ等で付着させることにより、上部電極45を形
成した。上部電極45の密着性を問題にしないのであれ
ば、下地コートは省略してもよい。
【0038】以上のようにして得られた強誘電体セル4
6は、下部電極43及び上部電極45の間に印加する電
圧によって、分極軸に対して一定の角度で電界を及ぼす
ことができる。上部電極45から下部電極43へ向かう
抗電圧以上の電圧をかけると、全体として印加電界の向
きに向いた残留分極が得られる。また、下部電極43か
ら上部電極45に向かう抗電圧以上の電圧を印加する
と、その向きに向いた残留分極が得られる。この2つの
状態をそれぞれ“1”,“0”の状態に対応させること
により、メモリーの書き込みができる。一方、抗電圧V
cよりかなり小さい電圧を印加して残留分極を回転さ
せ、回転によって生ずる変位電流の大きさを検出するこ
とにより、“1”の状態か“0”の状態かの検出、即ち
読み出しを行なうことができる。 実施例2
【0039】図5は、本発明の他の実施例に係る強誘電
体素子を示す断面図である。この実施例では、実施例1
の単一セルが2次元に配列する様に、下部ストライプ状
電極531 ,532 …と、上部ストライプ状電極5
1 ,552 …を直交する様に配置したものである。参
照数字51は基板、52は絶縁膜、54は強誘電体層を
それぞれ示す。強誘電体層54の分極回転を書き込み及
び読み出しに利用するために、強誘電体薄膜層は、実施
例1で説明したようにa軸配向している。
【0040】なお、図5に示した強誘電体メモリのため
の制御回路としては、本出願人が先に提案したもの(特
願昭63−321639号、第23図〜第28図)を利用するこ
とが出来る。
【0041】基本的には、アクセス回路を用いて下部ス
トライプ状電極群531 ,532 …のうちの1本と、上
部ストライプ状電極群551 ,552 …のうちの1本と
を選択することにより、強誘電体2次元配列素子のうち
の1つのセルを選択する。この選択されたセルに対し、
該セルが正負何れかの残留分極状態になるような極性と
大きさを有する電圧Vapを印加する。即ち、選択された
一組のストライプ状電極の夫々に、+Vap/2,−Vap
/2、或いは−Vap/2,+Vap/2を印加することに
より、2値のいずれかの状態になる様に設定(書込み)
する。また、何れの状態にあるかを検出するために、書
込み時と同様にアクセス回路を用い、目的としたセルを
選択し、該セルに抗電圧Vc以下の電圧を印加する。即
ち、選択された一組のストライプ状電極の夫々に対し
て、+Vc/4以下、−Vc/4以下の電圧を印加す
る。そのときに両ストライプ電極間に流れる電流の大き
さをモニターすることにより、読出しを行なうことが出
来る。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の強誘電体
素子は、強誘電体薄膜の結晶をa軸配向させ、a軸方向
に電極を印加し、分極の回転によって書込み及び読み出
しを行なう。これにより、 1 記憶保持状態が不安定(耐久性が悪い) 2 クロストークの問題 3 破壊メモリとなる。
【0043】といった強誘電体メモリの実用化を妨げて
きた問題をすべて解決でき、耐久性が良好で、非破壊、
不揮発性、大容量、且つ高速スイッチング性の強誘電体
メモリを実現できる。
【0044】加えて、上記1についての改善は単にメモ
リー素子にとどまらず、通常の小信号を利用するセンサ
ー、トランスデューサ、通信部品における耐久性(経時
変化)の改善にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における技術思想を説明するための図。
【図2】本発明における技術思想を説明するための図。
【図3】本発明における技術思想を説明するための図。
【図4】本発明の一実施例に係る強誘電体メモリーを示
す断面図。
【図5】本発明の他の実施例に係る強誘電体2次元配列
メモリーを一部断面で示す斜視図。
【図6】本発明における技術思想を説明するための図。
【図7】本発明における技術思想を説明するための図。
【図8】本発明における技術思想を説明するための図。
【図9】従来の強誘電体メモリーを示す回路図。
【図10】従来の強誘電体メモリーの問題点を説明する
ための図。
【図11】従来の強誘電体メモリーの問題点を説明する
ための図。
【図12】従来の他の強誘電体メモリーを示す回路図。
【図13】本発明における技術思想を説明するための
図。
【図14】本発明における技術思想を説明するための
図。
【符号の説明】
21,21′…分極、22…外部電界、23…永久双端
子、24…上部電極、25…下部電極、31,41,5
1…基板、32,42,52…絶縁膜、33,43,5
3…下部電極、34,44,54…強誘電体薄膜、3
5,45,55…上部電極、36,46…強誘電体メモ
リーセル、37,38,47,48…分極軸。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部電極と、この下部電極の上に形成さ
    れた強誘電体薄膜と、この強誘電体薄膜の上に形成され
    た上部電極とを具備する強誘電体素子であって、前記強
    誘電体薄膜は、 (Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12- A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,希土類
    元素 B=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr m=1,2,3,4,5 なる化学構造式で表され、かつa軸配向していることを
    特徴とする強誘電体素子。
  2. 【請求項2】 前記上部電極は、Pt,Au,Al及び
    Niからなる群から選択される1種の金属から実質的に
    なる単層構造、またはCr,Ti,Mo及びWのからな
    る群から選択される少なくとも1種の下地層及びPt,
    Au,Al及びNiからなる群から選択される少なくと
    も1種の上層からなる2層構造を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の強誘電体素子。
  3. 【請求項3】 前記下部電極および上部電極は、複数の
    ストライプ状電極からなり、且つ互いに直交して配列さ
    れた2次元配列構造を有することを特徴とする請求項1
    に記載の強誘電体素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0781736A3 (en) * 1995-12-27 1997-09-10 Sharp Kk Thin ferroelectric layer, substrate covered with a thin ferroelectric layer, arrangement with a capacitor structure and method for producing a thin ferroelectric layer
EP0795898A2 (en) * 1996-03-13 1997-09-17 Hitachi, Ltd. Ferroelectric element and method of producing the same
JP2014178247A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Seiko Epson Corp センサー

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