JPH0524821B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、FW法によるFRP製積層曲り管の
成形方法に関するものである。

［従来の技術］ FRP製の曲り管、例えばエルボの成形方法と
して、従来は、 １） 短繊維を用いた押出し射出成形法。

２） FRP製直管を斜めに切断し、継ぎ合わせ
るえび継ぎ法。

３） 曲管芯金に手作業でFRP層を積層し成形
するハンドレイアツプ法。

４） 曲管芯金を軸芯回りに回転させロービング
（繊維）を巻き付ける方法。

等が行なわれていた。

［解決しようとする問題点］ しかし、上記従来技術には、それぞれ次のよう
な問題がある。

１） 短繊維の集合であり、補強繊維の持つてい
る引張り強さが有効に生かされないので、充分
な強度が得られない。

２） 継ぎ目において繊維が不連続であるため、
上から補強巻をしても強度が低下する。

３） 手作業であり、生産性が悪く、コストが高
い。

４） 直管等の軸対称形を巻く場合と違つて、曲
り管の管軸が回転軸と一致しないため、機械化
が困難で、手巻きが主流である。そのため、均
一に巻くことが難しく、また繊維が主として周
方向に入るため、フープ強度は大きいが、軸方
向強度が小さい等の問題がある。

この発明は、上記のような問題点を解消できる
ようにしたFRP製積層曲り管の成形方法を提供
することを目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ この発明のFRP製積層曲り管の成形方法は、
成形すべき曲り管の左右両端から管軸と斜めに交
差し、且つ繊維が滑ることなく巻ける多数の巻き
線に沿つて繊維を巻くに際し、左右からの繊維の
交差部が曲り管の管軸に直行する断面に対し左右
対称となるように巻くことを特徴とするものであ
る。

［作用］ 左右からの繊維の交差部が曲り管の管軸に直行
する断面に対し左右対称になつているので、曲り
管の任意断面の弾性主軸が管周、管軸方向と一致
した理想的な曲り管を得ることができる。繊維の
巻き方に規則性があるので、巻き方の開発が容易
であり、また自動化も容易である。

［実施例］ 曲がり管、例えば90゜エルボについて第１図に
より説明する。

第１図ａ図に示す90゜エルボについて、例えば
左端の腹ａから入りエルボ上に滑ることなく、張
力を掛けて巻かれて右端のｂに達する繊維の巻き
線１を求める。次に、第１図ｂに示すように、上
記ａ点に対応する右端のa′点から、上記ｂ点に対
応する左端b′点に達する巻き線２を求める。これ
ら２つの巻き線１，２は、第１図ｃに示すよう
に、エルボの中央断面上で交差する。そして、巻
き線１，２は中央断面に対して左右対称になるの
で、両巻き線の中央断面への入射角α及び出射角
βは、第１図ｄに示すように、すべて等しくな
る。従つて、両巻き線上に巻かれる繊維のペアを
考えると、その弾性主軸は中央断面においては、
第１図ｅに示すように、管周方向、管軸方向と一
致することになる。ところで、90゜エルボはドー
ナツ状の管の１／４と考えることができる。そこ
で、第１図ｆに示すように、ドーナツ状の管上で
１／４に切断する位置をずらして考えると、ずら
す前に中央断面で成り立つていた状態は、ずらし
た後の中央断面からずれた他の断面で成り立つこ
とになる。それ故に、曲り管の管軸に直行する断
面に対し左右対称な巻き線に沿つて繊維を巻くこ
とにより、曲り管上の任意の点において弾性主軸
を管軸方向と管周方向に一致させることができ
る。。

そして、１つの巻き線に沿つて巻かれ、エルボ
の他端に達した繊維を、折り返して逆方向に巻く
ために、90゜エルボ芯金の端部に、例えば半球状
の突起部を設けておき、他端に来た繊維をこの半
球状の突起部の上に巻き付け、方向転換しつつ、
次の巻き線の起点位置にずらして、逆方向から巻
く。この操作を繰り返すことにより、繊維を連続
的にかつ円滑に巻くことができる。

第２図ａ、ｂに、曲り管の中央断面対し左右対
称なそれぞれ異なる巻き線をコンピユータを用い
て図示した例を示す。第３図に完成品を模式化し
て示す。

なお、上記実施例は90゜エルボに付いて説明し
てあるが、45゜エルボそのた他のエルボにも適用
できる。またエルボ端部に直管またはレジユーサ
等のついた付のエルボにも適用できる。さらに、
各種のベンド管にも適用できる。

また、上記実施例はエルボの１端から入つた巻
き線がエルボを１周して他端からでる場合に付い
て主として説明したが、例えば２周または半周
（180゜）等任意の角度回つて出るようにしてもよ
い。

また、エルボのように同一平面内で曲がつてい
る場合だけでなく、３次元的に曲がつている管に
ついても、これを２次元の曲り管に分解して巻き
線を求め、これを組合せることにより３次元曲り
管にも適用することができる。

また、上記実施例はFRP管に付いて説明して
あるが、繊維の巻き方という面で共通するFRM
管にも適用することができる。

［発明の効果］ この発明のFRP製積層曲り管の成形方法は上
記のよなもので、曲り管の左右からの繊維の交差
部が曲り管の管軸に直行する断面に対し左右対称
に巻くことにより、曲り管上の任意の点における
弾性主軸が管軸、管周方向と一致した理想的な
FRP製積層曲り管を得ることができる。また、
巻き方に規則性があるので、FW機を用い、コン
ピユータで計算した数値データを基に巻けば自動
化が可能で、能率よく高精度、低コストのFRP
製積層曲り管の製造が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｆは本発明方法の考え方を示す説明
図、第２図ａ，ｂはそれぞれ異なる巻き線をコン
ピユータを用いて求めたものの説明図、第３図は
完成品の模式図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 成形すべき曲り管の左右両端から管軸と斜め
   に交差し、且つ繊維が滑ることなく巻ける多数の
   巻き線に沿つて繊維を巻くに際し、左右からの繊
   維の交差部が曲がり管の管軸に直行する断面に対
   し左右対称となるように巻くことを特徴とする
   FRP製積層曲り管の成形方法。