JPH05248039A - 窯変調塗膜を有する建築用材及びその製法 - Google Patents

窯変調塗膜を有する建築用材及びその製法

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JPH05248039A
JPH05248039A JP28318791A JP28318791A JPH05248039A JP H05248039 A JPH05248039 A JP H05248039A JP 28318791 A JP28318791 A JP 28318791A JP 28318791 A JP28318791 A JP 28318791A JP H05248039 A JPH05248039 A JP H05248039A
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coating film
coating
cement
kiln
film
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政昭 桝本
Masakatsu Uchida
雅勝 内田
Shuichi Minami
秀一 南
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KANAE TORYO KK
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】セメント系の建築用材の美観を重厚な色合いを
特徴とする様変調塗膜の形成によって高めること。 【構成】 無着色のセメント系の基材の表面に形成され
た凹凸面2に、明度指数L*値が70以下の黒色系の下
塗り塗膜3を凹凸面になるように形成し、この下塗り塗
膜3の上に酸化チタンをコーテングしたマイカを含有す
る上塗り塗膜4を形成し、光の干渉作用を応用して窯変
調を発現するもので、このような建築用材は、セメント
系の基材の表面に形成された凹凸面2に黒色系の塗料を
塗布した後乾燥する下塗り塗膜の形成工程とこの下塗り
塗膜3の上に酸化チタンをコーテングしたマイカを含有
する塗料を塗布した後乾燥する上塗り塗膜の形成工程と
によって製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セメント系基材に窯
変調塗膜を形成した、窯変調塗膜を有する建築用材及び
その製法に関し、例えば、建造物の屋根瓦、外壁材、そ
の他、例えば塀を構築するのに用いる各種のブロック等
に有用な窯変調塗膜を有する建築用材及びその製法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント系の屋根瓦、外壁板、そ
の他塀を構築するのに用いるブロック等の美観を高める
ためにセメント系の基材の表面に各種の無機顔料、有機
顔料を含有する塗料を塗布乾燥して塗膜を形成した建築
用材は、基材が不燃性である点で賞用されているが、一
般に用いられる無機顔料、有機顔料による着色は、多数
の顔料を混ぜても単調なもので、街なみとしての住環境
の美しさは、乏しいものである。すなわち、陶磁器等に
用いられる釉薬によると、投炭の火熱の高低により得ら
れる重厚な色合いは、しばしば窯変色と言われるよう
に、窯の中で釉薬が変化した独特の色調を有するもの
で、無機顔料、有機顔料を含む塗料ではこれまで到底出
し得ないものであった。このような窯変調の色合いをも
った建築用材は、街なみの美観を飛躍的に高め、快適な
住環境の構築に役立つものとしてその造出が待たれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の課題は、窯変調の色合いを簡単に出すことの出来る、
窯変調塗膜を有する新規な建築用材とその製法を提供す
る点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る窯変調
塗膜を有する建築用材は、無着色のセメント系の基材の
表面に形成された凹凸面に、明度指数L*値が70以下
の黒色系の塗膜を凹凸面になるように形成し、この塗膜
の上に酸化チタンをコーテングしたマイカを含有する上
塗り塗膜を形成したことを特徴とするものであり、第2
の発明に係る窯変調塗膜を有する建築用材は、明度度指
数L*値が70以下の黒色系に着色されたセメント系の
基材の表面に凹凸面を形成し、この凹凸面に酸化チタン
をコーテングしたマイカを含有する上塗り塗膜を形成し
たことを特徴とするものであり、第3の発明に係る窯変
調塗膜を有する建築用材の製法は、無着色のセメント系
の基材の表面に形成された凹凸面に黒色系の塗料を塗布
した後乾燥して明度指数L*値70以下の黒色系の塗膜
を凹凸面になるように形成する塗膜の形成工程と、この
塗膜の上に酸化チタンをコーテングしたマイカを含有す
る塗料を塗布した後乾燥する上塗り塗膜の形成工程を含
むことを特徴とするものである。
【0005】
【作用】第1の発明と第2の発明におけるセメント系の
基材の表面に形成された、明度指数L*が70以下の黒
色系の、凹凸面と酸化チタンでマイカをコーテングする
ことによる、二色性効果を有するマイカの使用とによ
り、光の干渉が複雑に発生する。そして、このような光
の干渉が複雑に発生するセメント系の基材は、無着色の
セメント系の基材の表面に形成された凹凸面に黒色系の
塗料を塗布した後乾燥して明度指数L*値70以下の黒
色系の塗膜を凹凸面になるように形成する塗膜の形成工
程と、この塗膜の上に酸化チタンをコーテングしたマイ
カを含有する塗料を塗布した後乾燥する上塗り塗膜の形
成工程とによって製造することができるのである。
【0006】
【実施例】以下、この発明を図面を用いて詳しく説明す
る。
【0007】まず、第1の発明に用いられるセメント系
の基材1は無着色のセメント板が用いられ、この表面に
は、ストライプ紋様、エンボス紋様で仕上がった凹凸面
2が形成されている。この凹凸面2にはJIS Z 8
729において規定された明度指数L*が70以下の黒
色系の下塗り塗膜3が形成され、この塗膜3の上には酸
化チタンをコーテングしたマイカを含有する上塗り塗膜
4が形成されている。マイカをコーテングするのに使用
される酸化チタンは耐候性の点でルチルタイプが望まし
い。下塗り塗膜3及び上塗り塗膜4を形成するのに使用
される塗料は、溶剤型塗料あるいは水希釈型塗料等のい
ずれでもよい。ここで上記の塗膜3、4を構成する塗料
について説明すると、溶剤型塗料の溶剤としては、たと
えばトルエン、キシレン等の芳香族、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミル
ケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブ
チルアルコール、セカンダリブチルアルコール等のアル
コール系、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等のエーテ
ルアルコール系、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、酢酸ブチ
ルセロソルブ、酢酸カルビトール、酢酸プロピレングリ
コールモノメチルエーテル等のエステル及びエーテルエ
ステル系などを用いることができ、このような溶剤に溶
解するビヒクル成分としては、アルキド系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン
系樹脂、フッ素系樹脂などを1種または2種以上適宜組
み合わせて用いることができるが、中でもアクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、フッソ系樹脂等
は、耐候性が優れている点で好ましい。
【0008】また、水希釈型塗料中の水溶性塗料とエマ
ルジョン型塗料とを比較すると、セメントを材料とする
基材には、耐薬品性の理由からエマルジョン型塗料が好
ましい。そのビヒクル成分としては、たとえば酢酸ビニ
ルを代表とする酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニルーアクリ
ル、アクリル、スチレンーアクリル、エポキシーアクリ
ル、ウレタンーアクリル、ウレタンースチレンーアクリ
ル等のアクリル系樹脂、シリコン、シリコンーアクリ
ル、シリコンースチレンーアクリル等のシリコン系樹
脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコンーフッ素樹脂
等のフッ素系樹脂等の1種または2種以上の組合せで使
用される。これらのエマルジョン型塗料は常温乾燥型、
加熱乾燥型いずれでのタイプでもよい。エマルジョン型
塗料は一般に上記のビヒクルとして機能する樹脂の成膜
を助ける塗膜形成助剤を使用する。その塗膜形成助剤と
しては、たとえば2、2、4ーとりメチルー1、3ーペ
ンタンジオールモノイソブチレート,ベンジルアルコー
ル等のアルコヘル系、ブチルセルソルブ、メチルカルビ
トール、カルビトール、ブチルカルビトール等のエーテ
ルアルコール系、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カルビト
ール、酢酸ブチルカルビトール等のエーテルエステル
系、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチ
ルベンジルフタレート等のフタレート系の化合物の1種
または2種以上を組み合わせて使用される。
【0009】そして、塗料によって明度指数L*70以
下の塗膜3を与える着色剤としては、たとえばカーボン
ブラック、シャニンブルー、シャニングリーン、キナク
リドンレッド、ベンツイミダゾロンイエロー等の有機顔
料、及び酸化チタン、酸化鉄ブラック、酸化鉄レッド、
酸化鉄イエロー、及びブラック、ブルー、グリーン、レ
ッド、イエローの各色を呈する焼成顔料の1種または2
種以上の組合せによって得られる。
【0010】このような塗料を使用して得られた凹凸面
2の上の明度指数L*が70以下の塗膜3の上の塗膜4
が、前記の如く窯変調であるためには、酸化チタンをコ
ーテングした二色性効果をもつ干渉色のマイカを1種ま
たは2種以上含むことを必須とし、その配合量は塗料1
00重量部(以下単に部と記す)に対して0.1〜1
0.0部が望ましい。この範囲の下限よりも少なくて
も、また、上限を越えても窯変調の発現は困難である。
【0011】以下、このような下塗りの塗膜3と上塗り
の塗膜4によって窯変調塗膜が形成される理由を述べ
る。一般に自然色(白色光)の可視光域スペクトル(4
00nm〜760nm)のある波長領域を物体が吸収
し、他の波長領域を反射することによって色が出現する
ことは周知の事実である。たとえば光スペクトルの全領
域にわたって吸収のあの場合は、黒色となり、逆に全反
射の場合は、白色となる。このように顔料を塗料に混入
したときの色は、可視光スペクトルの吸収によって決ま
り、同時に反射、散乱、透過等の現象が総合的に絡み合
って、人間の目に色、艶、透明等の表面性状として映
る。
【0012】本発明にあっては、酸化チタンをコーテン
グしたマイカのもつ反射光の干渉現象によって色彩が生
ずるものであり、酸化チタンの膜厚によって吸収、反射
する光の波長領域が異なるので、これらの異なる反射光
の波長領域の干渉により、重厚感の高い色合いを特徴と
する窯変調の塗膜を構成することができるのである。た
とえば、酸化チタンの膜厚により入射光の一部の緑色成
分が反射し、その補色の赤色成分が透過する二色性効果
をもつマイカを使用すると、下塗り塗膜3が全反射の白
色の場合は透過成分である補色の赤色が、この下塗りの
塗膜3において反射され、この反射光は元来反射した緑
色に加わるので、ここで目的とする窯変調の効果は低減
される。一方、下塗りの塗膜3が黒色の場合は、透過し
た補色の赤色成分が下塗りの塗膜3に吸収されるので反
射光の色を認識する。
【0013】このように下地の凹凸面2と下塗り塗膜3
を黒色系の色調と上塗り塗膜4を構成する二色性効果を
有するマイカの使用とにより、光の干渉が複雑に発生
し、その結果窯変調の塗膜を構成することができるので
ある。
【0014】以下、この発明に係る製法を中心にした実
施例を挙げる。 −実施例1〜3− 表面に高さが1mmで頂点間の間隔が10mmの凹凸条
を有する縞面2を有する、アスベスト入りのセメント板
をセメント系の基材1として用いた。この基材1を予熱
し、板温40°〜60℃に調整し、凹凸面2上に黒色顔
料を含むアクリルエマルジョン塗料(カナエ塗料(株)
製 商標UFKSトップ)を塗布し,表1に示す明度指
数L*を有する下塗りの塗膜3を形成した。これらの下
塗りの塗膜3の上にさらにアクリルエマルジョン型塗料
(カナエ塗料(株)製 商標UFKトップクリヤ−)1
00部に対して酸化チタンをコーテングした2色性のマ
イカとしてゴールド(メイク社製 商標イリオジン20
5)、レッド(メイク社製商標イリオジン215)、ブ
ラウン(メイク社製 商標イリオジン217)、バイオ
レット(メイク社製 商標イリオジン219)、ブルー
(メイク社製 商標イリオジン225)、グリーン(メ
イク社製 商標イリオジン235)をそれぞれ各2部調
合した塗料を塗布し、120℃で10分乾燥して上塗り
の塗膜4を形成し、塗膜を有するセメント板を得た。
【0015】−比較例− 実施例1〜3と同一のセメント系の基材1に黒色系顔料
を全く含まないアクリルエマルジョン塗料(カナエ塗料
(株)製 商標UFKSトップ)を塗布し、表1に示す
明度指数L*を有する下塗りの塗膜を形成した。この塗
膜の上に実施例と同一の塗料を同一の条件で塗布し、上
塗りの塗膜を形成した。
【0016】上記の実施例と比較例に係るセメント板の
塗膜を視覚で比較すると、下塗りの塗膜3の明度指数L
*値が70以下好ましくは50以下の実施例では、表1
に示す如く、それぞれのマイカにおいて一般に顔料によ
って直接的に出現する単調な色合いとは似ても似つかな
い、高熱に火熱された釉薬によって初めて出現する一種
独特の重厚な色合いを特徴とする窯変調となった。
【0017】
【表1】
【0018】なお、は窯変調の優れた塗膜を示し、×は
窯変調に欠ける塗膜を示す。 −実施例4− セメントが未硬化状態にあるグリーンシート上に顔料を
2〜3%含有するカラーセメント層(200〜500μ
m)を形成し、これをプレスにより、表面に高さが1m
mで頂点間の間隔が10mmの凹凸面2を形成し、さら
に24時間湿室で一次養生し、その後オートクレーブで
12〜18時間二次養生して得た明度指数L*が70の
セメント板を基材1とし、この基材1に実施例1の上塗
りの塗膜4を形成した塗料と同一の塗料を塗布し、12
0℃で10分乾燥し塗膜を有するセメント板を得た。こ
の塗膜も実施例1〜3と同様に、一種独特の重厚な色合
いを特徴とする窯変調であった。
【0019】
【発明の効果】セメント系の基材の表面に形成された、
明度指数L*が70以下の黒色系の、凹凸面と酸化チタ
ンでマイカをコーテングすることによる、二色性効果を
有するマイカの使用とにより、釉薬を使用することなく
簡単に窯変調の重厚な色合いを有する建築用材を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係り、窯変調塗膜を有するセ
メント板の断面斜視図である。
【符号の説明】
1 基材 2 凹凸面 3 下塗り塗膜 4 上塗り塗膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【作用】第1の発明と第2の発明におけるセメント系の
基材の表面に形成された、明度指数L*値が70以下の
黒色系の、凹凸面と酸化チタンでマイカをコーテングす
ることによる、二色性効果を有するマイカの使用とによ
り、光の干渉が複雑に発生する。そして、このような光
の干渉が複雑に発生するセメント系の基材は、無着色の
セメント系の基材の表面に形成された凹凸面に黒色系の
塗料を塗布した後乾燥して明度指数L*値70以下の黒
色系の塗膜を凹凸面になるように形成する塗膜の形成工
程と、この塗膜の上に酸化チタンをコーテングしたマイ
カを含有する塗料を塗布した後乾燥する上塗り塗膜の形
成工程とによって製造することができるのである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】まず、第1の発明に用いられるセメント系
の基材1は無着色のセメント板が用いられ、この表面に
は、ストライプ紋様、エンボス紋様で仕上がった凹凸面
2が形成されている。この凹凸面2にはJIS Z 8
729において規定された明度指数L*値が70以下の
黒色系の下塗り塗膜3が形成され、この塗膜3の上には
酸化チタンをコーテングしたマイカを含有する上塗り塗
膜4が形成されている。マイカをコーテングするのに使
用される酸化チタンは耐候性の点でルチルタイプが望ま
しい。下塗り塗膜3及び上塗り塗膜4を形成するのに使
用される塗料は、溶剤型塗料あるいは水希釈型塗料等の
いずれでもよい。ここで上記の塗膜3、4を構成する塗
料について説明すると、溶剤型塗料の溶剤としては、た
とえばトルエン、キシレン等の芳香族、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミ
ルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン系、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、セカンダリブチルアルコール等のア
ルコール系、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等のエー
テルアルコール系、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、酢酸ブチ
ルセロソルブ、酢酸カルビトール、酢酸プロピレングリ
コールモノメチルエーテル等のエステル及びエーテルエ
ステル系などを用いることができ、このような溶剤に溶
解するビヒクル成分としては、アルキド系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン
系樹脂、フッ素系樹脂などを1種または2種以上適宜組
み合わせて用いることができるが、中でもアクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、フッソ系樹脂等
は、耐候性が優れている点で好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、水希釈型塗料中の水溶性塗料とエマ
ルジョン型塗料とを比較すると、セメントを材料とする
基材には、耐薬品性の理由からエマルジョン型塗料が好
ましい。そのビヒクル成分としては、たとえば酢酸ビニ
ルを代表とする酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニルーアクリ
ル、アクリル、スチレンーアクリル、エポキシーアクリ
ル、ウレタンーアクリル、ウレタンースチレンーアクリ
ル等のアクリル系樹脂、シリコン、シリコンーアクリ
ル、シリコンースチレンーアクリル等のシリコン系樹
脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコンーフッ素樹脂
等のフッ素系樹脂等の1種または2種以上の組合せで使
用される。これらのエマルジョン型塗料は常温乾燥型、
加熱乾燥型いずれでのタイプでもよい。エマルジョン型
塗料は一般に上記のビヒクルとして機能する樹脂の成膜
を助ける塗膜形成助剤を使用する。その塗膜形成助剤と
しては、たとえば2、2、4ートリメチルー1、3ーペ
ンタンジオールモノイソブチレート,ベンジルアルコー
ル等のアルコール系、ブチルセルソルブ、メチルカルビ
トール、カルビトール、ブチルカルビトール等のエーテ
ルアルコール系、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カルビト
ール、酢酸ブチルカルビトール等のエーテルエステル
系、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチ
ルベンジルフタレート等のフタレート系の化合物の1種
または2種以上を組み合わせて使用される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】そして、塗料によって明度指数L*値70
以下の塗膜3を与える着色剤としては、たとえばカーボ
ンブラック、シャニンブルー、シャニングリーン、キナ
クリドンレッド、ベンツイミダゾロンイエロー等の有機
顔料、及び酸化チタン、酸化鉄ブラック、酸化鉄レッ
ド、酸化鉄イエロー、及びブラック、ブルー、グリー
ン、レッド、イエローの各色を呈する焼成顔料の1種ま
たは2種以上の組合せによって得られる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】このような塗料を使用して得られた凹凸面
2の上の明度指数L*値が70以下の塗膜3の上の塗膜
4が、前記の如く窯変調であるためには、酸化チタンを
コーテングした二色性効果をもつ干渉色のマイカを1種
または2種以上含むことを必須とし、その配合量は塗料
100重量部(以下単に部と記す)に対して0.1〜1
0.0部が望ましい。この範囲の下限よりも少なくて
も、また、上限を越えても窯変調の発現は困難である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】以下、このような下塗りの塗膜3と上塗り
の塗膜4によって窯変調塗膜が形成される理由を述べ
る。一般に自然色(白色光)の可視光域スペクトル(4
00nm〜760nm)のある波長領域を物体が吸収
し、他の波長領域を反射することによって色が出現する
ことは周知の事実である。たとえば光スペクトルの全領
域にわたって吸収のあ場合は、黒色となり、逆に全反
射の場合は、白色となる。このように顔料を塗料に混入
したときの色は、可視光スペクトルの吸収によって決ま
り、同時に反射、散乱、透過等の現象が総合的に絡み合
って、人間の目に色、艶、透明等の表面性状として映
る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】以下、この発明に係る製法を中心にした実
施例を挙げる。 −実施例1〜3− 表面に高さが1mmで頂点間の間隔が10mmの凹凸条
を有する凹凸面2を有する、アスベスト入りのセメント
板をセメント系の基材1として用いた。この基材1を予
熱し、板温40°〜60℃に調整し、凹凸面2上に黒色
顔料を含むアクリルエマルジョン塗料(カナエ塗料
(株)製 商標UFKSトップ)を塗布し,表1に示す
明度指数L*値を有する下塗りの塗膜3を形成した。こ
れらの下塗りの塗膜3の上にさらにアクリルエマルジョ
ン型塗料(カナエ塗料(株)製 商標UFKトップクリ
ヤ−)100部に対して酸化チタンをコーテングした
色性のマイカとしてゴールド(メルク社製 商標イリオ
ジン205)、レッド(メルク社製 商標イリオジン2
15)、ブラウン(メルク社製 商標イリオジン21
7)、バイオレット(メルク社製 商標イリオジン21
9)、ブルー(メルク社製商標イリオジン225)、グ
リーン(メルク社製 商標イリオジン235)をそれぞ
れ各2部調合した塗料を塗布し、120℃で10分乾燥
して上塗りの塗膜4を形成し、塗膜を有するセメント板
を得た。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】−比較例− 実施例1〜3と同一のセメント系の基材1に黒色系顔料
を全く含まないアクリルエマルジョン塗料(カナエ塗料
(株)製 商標UFKSトップ)を塗布し、表1に示す
明度指数L*値を有する下塗りの塗膜を形成した。この
塗膜の上に実施例と同一の塗料を同一の条件で塗布し、
上塗りの塗膜を形成した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】上記の実施例と比較例に係るセメント板の
塗膜を視覚で比較すると、下塗りの塗膜3の明度指数L
*値が70以下好ましくは50以下の実施例1、2
は、表1に示す如く、それぞれのマイカにおいて一般に
顔料によって直接的に出現する単調な色合いとは似ても
似つかない、高熱に火熱された釉薬によって初めて出現
する一種独特の重厚な色合いを特徴とする窯変調となっ
た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【表1】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】なお、◎は窯変調が特に優れた塗膜を示
し、○は窯変調が優れた塗膜を示し、×は窯変調に欠け
る塗膜を示す。 −実施例4− セメントが未硬化状態にあるグリーンシート上に黒色系
顔料を2〜3%含有するカラーセメント層(200〜5
00μm)を形成し、これをプレスにより、表面に高さ
が1mmで頂点間の間隔が10mmの凹凸条を有する凹
凸面2を形成し、さらに24時間湿室で一次養生し、そ
の後オートクレーブで12〜18時間二次養生して得た
明度指数L*値が70のセメント板を基材1とし、この
基材1に実施例1の上塗りの塗膜4を形成した塗料と同
一の塗料を塗布し、120℃で10分乾燥し塗膜を有す
るセメント板を得た。この塗膜も実施例1〜3と同様
に、一種独特の重厚な色合いを特徴とする窯変調であっ
た。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【発明の効果】セメント系の基材の表面に形成された、
明度指数L*値が70以下の黒色系の、凹凸の縞面と酸
化チタンでマイカをコーテングすることによる、二色性
効果を有するマイカの使用とにより、釉薬を使用するこ
となく簡単に窯変調の重厚な色合いを有する建築用材を
提供することができる。、艶、透明等の表面性状として
映る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 秀一 大阪府大阪市鶴見区放出東1丁目6番13号 カナエ塗料株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無着色のセメント系の基材の表面に形成さ
    れた凹凸面に、明度指数L*値が70以下の黒色系の塗
    膜を凹凸面になるように形成し、この塗膜の上に酸化チ
    タンをコーテングしたマイカを含有する上塗り塗膜を形
    成したことを特徴とする窯変調塗膜を有する建築用材。
  2. 【請求項2】明度度指数L*値が70以下の黒色系に着
    色されたセメント系の基材の表面に凹凸の縞面を形成
    し、この凹凸面に酸化チタンをコーテングしたマイカを
    含有する上塗り塗膜を形成したことを特徴とする窯変調
    塗膜を有する建築用材。
  3. 【請求項3】無着色のセメント系の基材の表面に形成さ
    れた凹凸面に黒色系の塗料を塗布した後乾燥して明度指
    数L*値が7以下の黒色系の塗膜を凹凸面になるように
    形成する塗膜の形成工程と、この塗膜の上に酸化チタン
    をコーテングしたマイカを含有する塗料を塗布した後乾
    燥する上塗り塗膜の形成工程を含むことを特徴とする窯
    変調塗膜を有する建築用材の製法。
JP28318791A 1991-10-29 1991-10-29 窯変調塗膜を有する建築用材及びその製法 Expired - Lifetime JP2882615B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006090061A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Matsushita Electric Works Ltd 化粧パネル
JP2012158871A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Pgs Home Co Ltd 遮熱通熱塗膜

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JP2006090061A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Matsushita Electric Works Ltd 化粧パネル
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