JPH05246688A - 大型構造物反転用天井クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単でクレーンの高さを低くし、据付
工事及びメンテナンスを容易とする。 【構成】 所定の距離間隔を設けて設置された第１〜第
４のガーダ11〜14と、各ガーダ11〜14を一体に結合する
一対のサドル20と、第１、第２のガーダ11、12に横行可
能に載置された第１のクラブ31と、第２、第３のガーダ
12、13に横行可能に載置された第２のクラブ32と、第
３、第４のガーダ13、14に横行可能に載置された第３の
クラブ33とを有している。前記サドル20は、第１、第２
のガーダ11、12を結合した第１のサドル部21と、第３、
第４のガーダ13、14を結合した第２のサドル部22が延伸
して結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、橋梁等の大型構造物を
反転する天井クレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、製缶工場等で橋梁鉄骨等の大型構
造物の反転作業をする天井クレーンとして、図５に示す
ような親子クラブ式天井クレーン（以下、『従来型クレ
ーン』とする）が用いられている。

【０００３】図５は従来型クレーンの構造を説明する図
面であって、同図（Ａ）は従来型クレーンの側面図、同
図（Ｂ）は従来型クレーンの正面図である。図におい
て、50は親クラブ、51は子クラブで、同じガーダ52にそ
れぞれ横行可能に載置されている。親クラブ50には図外
の巻上装置によって昇降する吊ビーム501 と、吊ビーム
501 に回動可能に取り付けられたフック502 と、図外の
クラブ給電装置を含む横行装置が設けられている。503
はワイヤロープである。

【０００４】子クラブ51は、高脚部510 を有しており、
親クラブ50を跨ぐようにしてガーダ52に載置されてお
り、図外の巻上装置によって昇降する吊ビーム511 と、
吊ビーム511 に回動可能に取り付けられたフック512
と、図外のクラブ給電装置を含む横行装置が設けられて
いる。513 はワイヤロープである。

【０００５】ガーダ52は２本からなり、サドル53によっ
て一体に固定されている。531 は走行ホイルである。

【０００６】大型構造物60は、親クラブ50のフック502
と子クラブ51のフック512 に吊下げられる。ついで、フ
ック502 を巻き上げながら図示矢印方向に横行させ、子
クラブ51はフック512 を巻下げながら図示黒矢印方向に
横行させる。子クラブ51が親クラブ50を跨いだ時点で両
者の巻上装置を逆駆動させることにより、大型構造物60
が反転されるようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来型クレーンにおいては、子クラブ51が親クラブ50
を跨ぐように構成されているため、クレーン高さＨが非
常に高くなり、かつ構造が複雑となる。従って、既存建
屋内ではクレーン高さが建物限界寸法に納まらず設置し
難いという問題点があった。

【０００８】また、子クラブ51が親クラブ50を跨いで横
行するため、天井クレーン本体の重量や寸法の制約を受
け、ガーダに設置する歩道等の安全スペースを十分確保
させることが難しいという難点もあった。

【０００９】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、構造が簡単でクレーンの高さを低くし、据付工事及
びメンテナンスを容易にした新規な大型構造物反転用天
井クレーンを提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る大型構造物
反転用天井クレーンは、所定の距離間隔を設けて設置さ
れた第１、第２、第３、第４の４本よりなるガーダと、
前記各ガーダを一体に結合する一対のサドルと、第１の
ガーダと第２のガーダとに横行可能に載置された第１の
クラブと、第２のガーダと第３のガーダとに横行可能に
載置された第２のクラブと、第３のガーダと第４のガー
ダとに横行可能に載置され第１のクラブと同調運転可能
な第３のクラブとを有しており、かつ前記サドルは第１
のガーダと第２のガーダとを結合した第１のサドル部
と、第３のガーダと第４のガーダとを結合した第２のサ
ドル部とをそれぞれ延伸して接合されている。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る大型構造
物反転用天井クレーン (以下、『本発明クレーン』とす
る) の一実施例を説明する。図１は本発明クレーンの側
面図、図２は本発明クレーンの正面図、図３は本発明ク
レーンの平面図、図４は本発明クレーンの動作を説明す
る正面図である。

【００１２】本発明クレーンは、４本のガーダ10と、一
対のサドル20と、３台のクラブ30とを具備している。

【００１３】ガーダ10は、第１のガーダ11と、第２のガ
ーダ12と、第３のガーダ13と、第４のガーダ14との４本
で構成されており、所定の距離間隔を設けてそれぞれ平
行に配置されている。なお、ガーダ10は、総称する場合
にのみ使用するものとする。

【００１４】第１のガーダ11は、主桁と補桁とを一体に
した箱状に形成され、上面の内側端縁近傍にスパン方向
に横行レール111 が取り付けられている。第２のガーダ
12は、２本の主桁を一体にした箱状に形成され、上面の
内外端縁近傍に第１の横行レール121 と第２の横行レー
ル122 とが所定距離間隔をもって前記横行レール111に
平行して取り付けられている。

【００１５】第３のガーダ13は、第２のガーダ12と同様
に構成されており、第１の横行レール131 と第２の横行
レール132 とが取り付けられている。第４のガーダ14
は、第１のガーダ11と略同様に構成されており、上面の
内側端縁近傍に横行レール141が取り付けられている。
図中15は運転台、16は集電装置をそれぞれ示している。

【００１６】サドル20は一対からなり、第１のガーダ11
と第２のガーダ12とを結合する第１のサドル部21と、第
３のガーダ13と第４のガーダ14とを結合する第２のサド
ル部22とからなっている。前記サドル20は、第１のサド
ル部21と第２のサドル部22との相対向する端部21Ａ、22
Ａをそれぞれ所定の距離間隔をもって延伸し、その中央
部分がピンジョイント23によって一体に接合されてい
る。図中24、25は走行ホイル、26は走行レールである。

【００１７】クラブ30は、第１のクラブ31と、第２のク
ラブ32と、第３のクラブ33との３台で構成されている。
第１のクラブ31は、同じ定格荷重を有しており、２組の
巻上装置と、図外の１組の横行装置とを備えている。

【００１８】巻上装置は、互いに作用方向が逆である他
は同じ構造で巻上ドラム311 、フックシーブ312 、イコ
ライザシーブ313 、吊ビーム314 、主フック315 、補フ
ック316 、横行ホイル317 を含んでいる。図中318 はワ
イヤロープである。

【００１９】前記第１のクラブ31は、第１のガーダ11に
取り付けた横行レール111 と、第２のガーダ12に取り付
けた第１の横行レール121 とに横行自在に載置されてい
る。第２のクラブ32は巻上装置と図外の横行装置とを備
えている。

【００２０】巻上装置は２個の主巻上ドラム321 、補巻
上ドラム322 、吊ビーム323 、主フック324 、補フック
325 、補巻用フック326 を含んでいる。図中327 、328
はワイヤロープである。前記第２のクラブ32は、第２の
ガーダ12に取り付けた第２の横行レール122 と、第３の
ガーダ13に取り付けた第１の横行レール131 とに横行自
在に載置される。

【００２１】第３のクラブ33は、第１のクラブ31と同一
の定格荷重を有し、同一構造であって、吊ビーム331 を
含んでおり、第３のガーダ13に取り付けた第２の横行レ
ール132 と第４のガーダ14に取り付けた横行レール141
とに横行自在に載置されている。

【００２２】前記第１のクラブ31の吊ビーム314 と、第
３のクラブ33の吊ビーム331 とは並行するように、また
前記吊ビーム314 、331 と第２のクラブ32の吊ビーム32
3 とは互いに直交するように各クラブ31〜33が構成され
ており、大型構造物を吊り上げ易いように考慮されてい
る。図中319 、329 、332 はクラブ給電装置である。

【００２３】図４に示すように、大型構造物60の一端を
第１、第３のクラブ31、33で、他端を第２のクラブ32で
吊り上げた状態で、第１、第３のクラブ31、33を同調し
て巻き上げながら、白矢印方向に横行させるとともに、
第２のクラブ32を巻下げつつ黒矢印方向に横行させ、両
者がすれ違ったときにそれぞれ巻上動作を逆にすること
により、大型構造物60が反転する。

【００２４】本発明クレーンでは、２台のクラブ31、33
で大型構造物60を共吊りするので、吊り荷が安定し、作
業の安全性が高い。

【００２５】本実施例においては、第１、第３のクラブ
31、33が第２のクラブ32とすれ違うように構成されてい
るので、クレーンの高さを低くすることができる。ま
た、第１、第３のクラブ31、33は連動、単独運転の切換
可能に構成されているので、大型構造物の反転作業はも
とより旋回作業等効率良く種々利用することができる。
なお、第１、第３のクラブ31、33は同調運転が可能であ
ればよく、必ずしも同一構造でなくともよい。

【００２６】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明クレーン
は、４本のガーダと、４本のガーダを結合する一対のサ
ドルと、４本のガーダに横行可能に載置された３台のク
ラブとを有し、前記サドルは第１と第２のガーダとをつ
なぐ第１のサドル部と、第３と第４のガーダとをつなぐ
第２のサドル部との相対向する端部をそれぞれ延伸して
中央部分で接合している。従って構成が簡単でクレーン
の高さを低くしたので、歩道等の安全スペースが確保で
き、据付工事及びメンテナンスがし易いという利点があ
る。また、大型構造物の反転、旋回作業等作業面で種々
利用できるほか、既存建屋に新しく設置する場合に建物
限界寸法に納まるので、建屋の改造等を要せず、大変都
合がよいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明クレーンの側面図である。

【図２】本発明クレーンの正面図である。

【図３】本発明クレーンの平面図である。

【図４】本発明クレーンの動作を説明する正面図であ
る。

【図５】従来型クレーンの構造を説明する図面であっ
て、同図（Ａ）は従来型クレーンの側面図、同図（Ｂ）
は従来型クレーンの正面図である。

【符号の説明】

10 ガーダ 11 第１のガーダ 12 第２のガーダ 13 第３のガーダ 14 第４のガーダ 20 サドル 21 第１のサドル部 22 第２のサドル部 23 ピンジョイント 30 クラブ 31 第１のクラブ 32 第２のクラブ 33 第３のクラブ

【手続補正書】

【提出日】平成４年４月１７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図４】

【図３】

【図５】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の距離間隔を設けて設置された第
   １、第２、第３、第４の４本よりなるガーダと、前記各
   ガーダを一体に結合する一対のサドルと、第１のガーダ
   と第２のガーダとに横行可能に載置された第１のクラブ
   と、第２のガーダと第３のガーダとに横行可能に載置さ
   れた第２のクラブと、第３のガーダと第４のガーダとに
   横行可能に載置され第１のクラブと同調運転可能な第３
   のクラブとを具備しており、かつ前記サドルは第１のガ
   ーダと第２のガーダとを結合した第１のサドル部と、第
   ３のガーダと第４のガーダとを結合した第２のサドル部
   とをそれぞれ延伸して接合されていることを特徴とする
   大型構造物反転用天井クレーン。