JPH0524374A - 印刷用原版 - Google Patents

印刷用原版

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JPH0524374A
JPH0524374A JP17971491A JP17971491A JPH0524374A JP H0524374 A JPH0524374 A JP H0524374A JP 17971491 A JP17971491 A JP 17971491A JP 17971491 A JP17971491 A JP 17971491A JP H0524374 A JPH0524374 A JP H0524374A
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JP
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JP17971491A
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English (en)
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Yuji Kondo
祐司 近藤
Akihiro Mori
明広 毛利
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、簡便、迅速な乾式処理によりコン
ピュータのデジタル画像情報からレーザー等を用い非接
触でダイレクト製版ができる印刷用原版を提供すること
であり、また、高解像度で耐刷性のよい印刷版を製造で
きる印刷用原版を提供することにある。 【構成】 本発明の印刷用原版は、少くとも無機顔料、
結着剤及び熱溶融性物質を含有する記録層を有する印刷
用原版において、前記記録層に熱膨張性マイクロカプセ
ル及び光熱変換材料を含有することを特徴としており、
この際に上記の光熱変換材料は発熱層に含有させて記録
層を構成する一層としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷用原版に関し、更
に詳しくは、軽印刷分野、特に事務用印刷に好適なレー
ザーダイレクト製版が可能な印刷用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータのメモリに記憶され
ているデジタル信号化された画像情報から直接製版する
ダイレクト製版システムとして、レーザー光を用いた方
式と、サーマルヘッドを用いた方式が知られている。
【0003】レーザー光を用いたダイレクト製版システ
ムとしては、 (1)電子写真法とレーザーのスキャンニング露光を組
み合わせたもの (2)炭酸ガスレーザー等の大出力レーザーのスキャン
ニング露光により樹脂層等を変化させるもの (3)感光性樹脂と銀塩感材の積層されたものにレーザ
ーのスキャンニング露光を行なうもの (4)銀塩感材を用いたいわゆるシルバーマスタータイ
プのもの等がある。
【0004】サーマルヘッドを用いたダイレクト製版シ
ステムとしては、 (5)感熱溶融転写方式、すなわち薄い基板上にワック
スおよび顔料等からなる転写層を設けた転写シートと、
親水層を有する被転写体を重ね合わせ、転写シート側か
らサーマルヘッド等で画像状に加熱し、転写層を被転写
体の親水層上に部分的に転写するもの (6)親水層にワックス等の熱溶融性物質を含有させ、
サーマルヘッド等で熱印字し、画像部を形成するもの等
がある。
【0005】更に、別のシステムとして、放電破壊によ
り製版するシステムも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
前記レーザ光を用いた製版システムにおいて、 (1)の方式では、電子写真法を用いるため帯電、露
光、現像の工程を少なくとも要し、装置が複雑で、大が
かりになる。また乾式現像法は画質が悪く印刷には不向
きであり、一方湿式現像法は労働衛生、危険性の上から
好ましくない。さらに、トナー画像をレジストとして、
非画像部を除去する方式は、さらに湿式工程が増えるた
め、好ましくない。
【0007】(2)の方式は、大出力レーザー自体が大
がかりで、装置が巨大になり、消費エネルギーも大きく
なる。
【0008】(3)の方式は、銀塩感材、感光性樹脂の
現像工程がともに湿式処理であり、上記(1)と同様の
問題を有しており、工程が複雑であり、また版材のコス
トも高いという欠点がある。
【0009】(4)の方式は、(3)の方式と同様に銀
塩を使用するため、コストが高く、かつ湿式現像である
という問題点がある。
【0010】次に、前記サーマルヘッドを用いた製版シ
ステムにおいて、(5)の方式は乾式で処理でき、工程
が簡単であるため装置が小型になり、メンテナンスも不
要であることから、プリンターの用途で広く用いられて
いる。また感熱ヘッドの高密度化への進歩は著しく、印
刷版としても使用できるレベルになりつつある。しかし
感熱溶融転写方式により親水性基板上に画像を転写した
のみでは、印刷版とはならない。それは現状の転写層は
ワックスをバインダーにしており印刷には、強度が不足
しており耐刷性がほとんどないからである。また、ポリ
エステル樹脂やアクリル樹脂をバインダーとした転写層
が既に発表されており、強度は十分であるが、溶融性が
不足しており、被転写体の平滑性が高くなければ、品質
の高い画像が得られない。
【0011】(6)の方式は、スティッキング、カス付
着等が生じると共に記録層である熱印字層に充分な親油
性を付与することができず、このため、これら印刷版で
印刷した印刷物の画像濃度が低くなり、また、画像ムラ
を生じるという問題を惹起し、鮮明な印刷画像が得られ
ないという欠点があった。
【0012】(5)、(6)のサーマルヘッド等の発熱
素子を用いた製版システムについては、種々改良された
ものが発表されているが、いずれにしても、サーマルヘ
ッド等の発熱素子の画像解像度は8本/mmが中心で、
これ以上の解像度を上げることは難しいとされている。
【0013】また、放電破壊により製版するシステムに
ついては、電極針の摩耗が著しいという欠点がある。
【0014】そこで、本発明の課題は、上記種々の問題
点を解決することにあり、簡便、迅速な乾式処理により
コンピュータのデジタル画像情報からレーザー等を用い
非接触でダイレクト製版できる印刷用原版を提供するこ
とであり、また、高解像度で耐刷性の良い印刷版を製造
できる印刷用原版を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意検討した結果、少なくとも無機顔
料、結着剤及び熱溶融性物質を含有する記録層を有する
印刷用原版において、前記記録層、あるいは別層に熱膨
張性マイクロカプセル及び光熱変換材料を含有させるこ
とにより、レーザー光で直接書き込むことができ、レー
ザーで書き込んだ部分が印刷画像部となるという知見に
より、本発明の印刷用原版を完成するに至った。
【0016】まず、本発明の印刷用原版について以下に
説明する。
【0017】本発明の印刷用原版は、少なくとも無機顔
料、結着剤及び熱溶融性物質を含有する記録層を有する
印刷用原版において、前記記録層に熱膨張性マイクロカ
プセル及び光熱変換材料を含有することを特徴としてい
る。
【0018】しかして印刷用原版を構成する各材料を含
有させる態様により、(1)全ての構成材料を一層の記
録層に含有させる、(2)少なくとも無機顔料、結着
剤、熱溶融性物質及び熱膨張性マイクロカプセルを含有
する記録層Aと少なくとも光熱変換材料を含有する発熱
層との二層で構成、(3)少なくとも無機顔料、結着剤
及び熱溶融性物質を含有する記録層(a)と少なくとも
結着剤、熱溶融性物質及び熱膨張性マイクロカプセルを
含有する記録層(b)とからなり、前記記録層(a),
(b)のうち少なくともいずれか一方に光熱変換材料を
含有する二層構成、(4)少なくとも無機顔料、結着剤
及び熱溶融性物質を含有する記録層(a)と少なくとも
結着剤、熱溶融性物質及び熱膨張性マイクロカプセルを
含有する記録層(b)と少なくとも光熱変換材料を含有
する発熱層との三層構成とする特徴を有している。
【0019】さらに、好適な光熱変換材料として、カー
ボンブラックであり、600nm〜1500nmに最大
吸収波長を有する近赤外吸収材料であることを特徴とし
ている。
【0020】次に、本発明の印刷用原版を構成する材料
について説明する。
【0021】本発明の印刷用原版の記録層に含有する熱
膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性樹脂を殻と
し、内部に低沸点溶媒又は空気を含有するマイクロカプ
セルが用いられる。
【0022】このマイクロカプセルの殻となる熱可塑性
樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、あるいは
それらの共重合体、例えば塩化ビニリデン−アクリロニ
トリル共重合体が挙げられる。また殻内に含まれる低沸
点溶媒(発泡剤)としては、プロパン、ブタン、イソブ
タン等が一般的である。
【0023】具体的には、例えば、マイクロカプセルと
しては、例えば日本フェライト(株)製ADCA、AI
BW、DPT、OBSH、TSHや松本油脂製薬(株)
製のF−30、F−50、 General Technology 製カー
ボスフェア、Union Carbide製フェノールバルーン、 Do
w Chemical 製サランミクロスフェア等が挙げられる。
【0024】本発明の印刷用原版の記録層の含有する無
機顔料としては、クレー、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム等が挙げられるが、効果の発現性ある
いは使用感度の点からみて酸化亜鉛を用いることが好ま
しい。本発明の印刷用原版の記録層の含有する結着剤と
しては、従来公知のものが任意に使用され、例えばセル
ロース樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミ
ド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、天然高分子類等があげられ、具体的には、栗田
隆治、石渡次郎、高分子、第17巻、第278頁(19
68年)、宮本晴視、武井秀彦、イメージング、197
(No.8)第9頁等の総説引例の公知材料等が挙げ
られる。
【0025】また、水溶性樹脂、水分散性樹脂を使用す
ることもでき、水溶性樹脂としては、例えばグアーガ
ム、ローカストビーンガム、アラビアガム、タラガン
ト、カラギナン、ベクチン、マンナン、デンプン等の植
物系高分子;キサンタンガム、デキストリン、サクシノ
グルカン、カードラン等の微生物系高分子;ゼラチン、
カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子;
メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース系高分子、あるいは可溶性デンプン、カルボキシメ
チルデンプン、メチルデンプン等のデンプン系高分子、
アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩等のア
ルギン酸系高分子、その他多糖類系の誘導体等の半合成
高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリ
マー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミ
ド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリロニトリル等
のビニル系高分子;その他のポリエチレングリコール、
酸化エチレン、酸化プロピレンブロック共重合体等の合
成高分子;特公平2−15383号、特開平2−804
72号、特開平2−105873号、特開平1−238
935号、特開平2−110119号、特開平2−10
7678号、特開平2−72号に記載の親水性高分子
等、更にそのもの自身は疎水性であるが、エッチ液や湿
し水により加水分解あるいは、加水素分解して親水性基
を生成する官能基を含有する樹脂も好ましく、特開平1
−306856号、特開平1−306855号、特開平
1−267093号、特開平1−269593号に記載
の樹脂等を挙げることができる。
【0026】これらの水溶性樹脂を併用する場合には、
耐水化剤を用いることが好ましく、耐水化剤として、例
えばグリオキザール、メラミンホルムアルデヒド樹脂、
尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアミノプラストの初期縮
合物、メチロール化ポリアミド樹脂のような変性ポリア
ミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリ
ン付加物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、変性ポ
リアミドポリイミド樹脂、多価金属塩等が挙げられる。
【0027】また、水分散型樹脂としては例えば、アク
リル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸樹脂、塩化
ビニル樹脂、SBR、メタクリル酸メチル−ブタジエン
共重合体、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、エチレンアイオノマー樹脂等が挙げられる。
【0028】本発明において前記結着剤は、単独もしく
は2種以上併用して用いることもできる。
【0029】本発明の印刷用原版の記録層の含有する熱
溶融性物質としては、50〜200℃で溶融するものが
好ましく、例えば、カルナバワックス、オーリキュリー
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン
ワックス、セレシンワックス、モンタンワックス、キャ
ンデリラワックス、ポリオレフィンワックス、セラック
ろう、チュウハクろう、密ろう、木ろう、低分量ポリエ
チレン、ステアリン酸等の脂肪酸ワックス、ポリエチレ
ングリコールステアレート等のワックス等が挙げられ
る。更に、融点60〜180℃のクマロン−インデン樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノー
ル樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等の熱溶融性物質も
使用できる。
【0030】上記熱溶融性物質は、記録層の塗工液中に
分散して存在させるのであるが、これらの分散粒子はボ
ールミルなどの粉砕機により、0.1〜10ミクロン粒
子径になるまで粉砕することが好ましい。又、熱溶融性
物質は上述のように分散しても、乳化剤を使用してエマ
ルジョンの型にして添加してもかまわない。更に適当な
溶媒を用いて溶解させることも勿論可能である。
【0031】本発明の印刷用原版の記録層の含有する光
熱変換材料としては、光を吸収して熱に変換して放出す
るものであれば特に制限はないが、カーボンブラック、
グラファイトもしくは600nm〜1500nmとりわ
け700nm〜1500nmに最大吸収波長を有する近
赤外吸収剤が好ましく、溶剤に溶解しあるいは微粒子に
分散して使用される。近赤外光吸収剤としては、具体的
には例えば、シアニン色素、スクワリリウム色素、メチ
ン系色素、ナフトキノン系色素、キノンイミン系色素、
キノンジイミン系色素、フタロシアニン色素、ナフタロ
シアニン色素、ジチオール金属錯体色素、アントラキノ
ン系色素、アゾ系色素、トリスアゾ系色素、ピリリウム
塩系色素、アミニウム塩系色素等があり、特にシアニン
色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ジ
チオール金属錯体色素が分子吸光係数が大きく好まし
い。上記光熱変換材料はこれらに限定されるものではな
く、本発明の目的に合致する限りどのような材料でも使
用される。
【0032】なお、カーボンブラックを用いる場合、
0.1〜100μmの平均粒径を持つものが好ましく用
いられる。
【0033】本発明の印刷用原版の記録層はそれ自身で
十分強度を有する場合、支持体を用いずに記録層のみで
形成されるフィルム又はシート状物として用いられる
が、通常、支持体上に形成するのが好ましい。
【0034】支持体としては、支持体上の記録層が強く
接着されるものが好ましく、広範囲の材料から選択する
ことができ、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、鋼等の
金属板;ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート等のプラスチックフィルム、樹脂
コートフィルム;紙、湿潤強化紙、樹脂コート紙、アル
ミニウムや銅の金属箔の張られた紙;ゴム;ガラス;更
にそれらの複合体、例えばゴム弾性層を有した金属板、
プラスチックフィルム、ガラス、紙;アルミニウム、亜
鉛、銅、ニッケル、クロム、鉄等の金属がメッキ、蒸
着、スパッタされた金属板、プラスチックフィルム、ガ
ラス、紙等を用いることができる。また上記支持体と親
水層の接着強度を向上する目的で支持体上にアンカー剤
を塗布する等により支持体と親水層の間に中間層を形成
しても良い。また、印刷枚数にもよるが耐水性を有する
支持体の方が好ましい。
【0035】更に、本発明において、前記必須成分に加
え、必要に応じ塗工液の分散助剤を添加することも可能
である。このような分散助剤としては、例えばナフテン
酸金属塩、脂肪酸及びその金属塩、カチオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤等を挙げ
ることができ、その添加量は塗工液の固形分に対し通常
10重量%以下とするのがよい。
【0036】記録層の含有する各成分の配合比は、結着
剤100重量部に対して、熱膨張性マイクロカプセルは
10重量部〜90重量部、好ましくは30重量部〜80
重量部、熱溶融性物質は0.5重量部〜50重量部、好
ましくは1重量部〜30重量部、更に3重量部〜20重
量部が望ましく、無機顔料は200重量部〜1000重
量部、更に300重量部〜800重量部が好ましい。
【0037】熱膨張性マイクロカプセルの使用割合が上
記範囲より少ない場合、画像部の熱膨張割合が低下し、
画像部の形成能力に影響して画質が劣化する。即ち、印
刷画像濃度が低くなり、又、画像ムラを生じ好ましくな
い。また、上記範囲より多い場合、支持体との接着性、
記録層の凝集力が低下し、耐刷性能が劣化する。
【0038】熱溶融性物質の使用割合が、上記範囲より
少ない場合、印刷画像濃度が低下し、画像ムラを生じ、
また上記範囲より多い場合、印刷時、地汚れが発生する
ので好ましくない。
【0039】無機顔料の使用割合が、上記範囲より少な
い場合、親水性が不足し、印刷時、地汚れが発生し易く
なり、また上記範囲より多い場合、画像部の親油性が充
分にならず、印刷画像の濃度が低下し、画像ムラを生じ
るので好ましくない。
【0040】また、光熱変換材料の使用割合は、その材
料や発熱効率によっても異なるが、結着剤100重量部
に対して、1重量部〜1000重量部程度使用可能であ
るが、10重量部〜80重量部、更に20重量部〜50
重量部が好ましい。
【0041】以上、本発明の印刷用原版の記録層の構成
成分について説明してきたが、前記成分を全て含有する
記録層の一層構成とする必要はない。特に、無機顔料と
光熱変換材料は、別個の層に含有させるのが好ましい。
その理由としては、無機顔料と光熱変換材料を同一層に
含有させると、レーザー等の記録光の照射時に無機顔料
により光が散乱され、光熱変換材料に照射される光量が
減少し、光熱変換効率が悪くなり、発熱量が低下してし
まい、その結果、印刷画像濃度の低下、画像ムラになる
からである。
【0042】上記より、記録層を少なくとも無機顔料、
結着剤、熱溶融性物質及び熱膨張性マイクロカプセルを
含有する記録層(A)と少なくとも光熱変換材料を含有
する発熱層とに分けた二層構成の印刷用原版であっても
良い。
【0043】上記の光熱変換材料を含有する発熱層は、
光熱変換材料によってはそれ自身だけの層とすることも
可能であるし、又、結着剤及び/又は熱溶融性物質を含
有していても構わない。
【0044】この場合の結着剤としては、特に限られる
ものではなく、前記同様の結着剤を使用することができ
るが、例えば、ロジン、マレイン酸樹脂、フマル酸樹
脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、セルロース
系樹脂等が好ましく、なかでもニトロセルロースは結着
機能のほかに自己酸化性を有し発熱機能を果たすこと
(燃焼熱1030 cal/g)から最適な材料である。
【0045】本発明の印刷用原版は上記一層構成、二層
構成に限られるものではなく、更に記録層が少なくとも
無機顔料、結着剤及び熱溶融性物質を含有する記録層
(a)と少なくとも結着剤、熱溶融性物質及び熱膨張性
マイクロカプセルを含有する記録層(b)とからなる二
層構成で記録層(a),(b)のうち少なくともいずれ
か一方に光熱変換材料を含有する印刷用原版や、記録層
が前記記録層(a),(b)及び前記発熱層とからなる
三層構成の印刷用原版でもよい。
【0046】ここで、勿論、二層構成、三層構成におい
て、無機顔料を含有する層上に画像部が形成される。更
に三層構成においては、記録層(a),(b),発熱層
の順で積層されるのが好ましい。
【0047】また、発熱層を設けている場合、前記支持
体を用いる際には透明性、平滑性が高く、かつレーザー
等の記録光の波長領域に吸収を示さないこと、更にレー
ザー等の記録光照射時、あるいは光熱変換材料により放
出される熱に対して変形せず、寸法安定性が良好である
ことが望ましく、具体的には例えば、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセルロー
ス誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリエチレン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポ
リ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリルフィルム、ポ
リカーボネートフィルム等が挙げられ、これら単独ある
いは貼り合わせて用いることができる。
【0048】本発明の印刷用原版は前記各必須成分及
び、分散助剤を含む混合物をボールミル、アトライタ
ー、ホモミキサー、グレンミルあるいはサンドミル等の
分散機により分散混合して塗工液を作成し、ついでこの
ものを支持体上に順次ワイヤーバー、ロールコータ等の
従来公知の方法で塗布乾燥し、必要に応じキャレンダー
処理することにより得られるが、これらの方法に限定さ
れるものではない。
【0049】本発明の印刷用原版から印刷版を製造する
には、印刷用原版に対して光熱変換材料の吸収波長領域
を含む光を画像情報に応じてデジタル露光するかあるい
は、マスクを通してアナログ露光すれば良い。
【0050】露光光源としては、可視及び近赤外、赤外
領域にその波長領域をもつものが使用され、ヘリウム−
ネオンレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザ
ー、YAGレーザー、半導体レーザー、キセノンラン
プ、フラシュランプなどが挙げられ、特にレーザーの場
合、700nm〜1500nmの波長を有し、出力が5
〜数百mWの範囲のものが望ましく、半導体レーザー
が、小型、廉価、安全、安定性の面で好ましく使用され
る。
【0051】図1は本発明の印刷用原版を用いた印刷版
の製造方法の一例を示した模式図である。印刷版の製造
方法としては、具体的には、例えば図1に示すように、
レーザーダイオードコリメーターヘッド1から発光させ
たレーザー光は、平行光とされてシャッター2を通過
し、集光レンズ3によって集光され1〜100μmのス
ポットに集光することにより、印刷用原版4上に画像部
5が形成され、印刷版が得られる。
【0052】画像部が形成される理由としては明らかで
はないが、レーザー光の光エネルギーが光熱変換材料に
より熱エネルギーになり、この熱により、熱溶融性物質
及び結着剤が溶融すると同時に、熱膨張性マイクロカプ
セルが数10倍〜100倍に膨張し、更には破裂し、こ
のことにより、版面である無機顔料上に熱溶融性物質、
結着剤あるいは熱膨張性マイクロカプセルが盛り上がっ
てきて、無機顔料を覆うため、版面で優れた親油性を帯
びるためと推定される。ここで熱膨張性マイクロカプセ
ルを含有しない場合でも、熱溶融性物質及び結着剤は溶
融し、版面において親油性を帯びるが、無機顔料を十分
覆い隠せず、印刷画像の濃度の低下、画像ムラが生じ
る。即ち本発明の印刷用原版において、熱膨張性マイク
ロカプセルを含有することが、良好な画像部の形成及び
良好な印刷画像の形成をなし得るのに大変有効である。
一方、非画像部6は無機顔料に被覆されており、画像部
形成後、必要に応じて不感脂化処理をすることにより十
分な親水性を示し、印刷を行なう際、湿し水の供給によ
り、印刷インクが付着せず、良好な印刷物を得ることが
できる。
【0053】また、前記画像部5においては、版面がよ
り十分な親油性を示すことが、良好な印刷には好ましい
条件であり、前記結着剤において、優れた親油性を付与
するために、詳しくは、例えば、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ−t−ブチルス
チレンのようなスチレン系樹脂、低融点ポリアミド樹
脂、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸エステル/ア
クリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニリデン樹脂、ブチラール樹脂、アセター
ル樹脂、ポリビニルトルエン等が好ましく、更に、版面
に特に優れた親油性を付与するためには、ポリスチレ
ン、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリアク
リル酸エステル、アクリル酸エステル/アクリル酸エス
テル共重合体、及び低融点ポリアミド樹脂を用いること
が好ましく、また、環球法による軟化点又は融点が15
0℃以下のものが好ましい。
【0054】上記のようにして製造された印刷版を用い
て、湿し水と親油性インクによる平版印刷を行なうこと
ができる。この場合、使用される印刷装置としては、例
えば、平版印刷機を用いることができ、軽印刷分野で用
いられる卓上型、床上型のオフセット印刷機が適してい
るが、これに限られるものではない。
【0055】以下に図面を用いて本発明の印刷版製造方
法により製造された印刷版を用いた印刷装置の一例につ
いて説明する。
【0056】図2は本発明の印刷用原版から製造された
印刷版を用いて印刷を行なう際に用いる印刷装置の一例
を示した側面図である。
【0057】図2に示す印刷装置では、本発明の印刷版
製造方法により製造された印刷版12が版胴11に取り
付けられている。取り付け方法としては、通常のオフセ
ット印刷機に採用されているチャックを用いたものでよ
いがこれに限らない。
【0058】印刷版12には、インク供給手段によりイ
ンクが供給される。図2に示す例では、インク供給手段
として複数のインク供給ローラ18が用いられており、
これら複数のインク供給ローラ18によりインクつぼ1
0内のインク9が印刷版12上に供給される。
【0059】インク9として親油性のインクを用い、印
刷版12にインク9を供給するのに先立ち、湿し水7を
供給する。すなわち、版胴11の矢印A方向の回転によ
り、版胴11にはまず湿し水7が供給され、その後イン
ク9が供給される。
【0060】このようにすることにより、印刷版12の
非画像部分では、湿し水7が保持されインク9が付着し
ない。一方、印刷版12の画像部分では、湿し水7がは
じかれインク9が付着する。湿し水7は、複数の湿し水
供給ローラ17により湿し水だめ8から印刷版12に供
給される。
【0061】印刷版12には、版胴11とは逆方向に回
転するブランケット胴13が接し、ブランケット胴13
には更に転写手段である圧胴16が接している。圧胴1
6はブランケット胴13とは逆方向に回転する。こうし
て印刷版12上のインクは、まずブランケット胴13上
に転移し、その後ブランケット胴13と圧胴16の間を
通過する被記録体15上に転移して印刷が完了する。
【0062】紙、プラスチック等の被記録体15は、カ
セット19に収納され、コロ14により一枚ずつカセッ
ト19から送り出される。印刷の終了した被記録体15
はトレイ20に排出される。
【0063】インク供給ローラ18の本数については特
に限定はなく、インクの練り具合やインク層の厚みを考
慮して、4〜20本程度である。また湿し水供給ローラ
17も本数に限定はなく、2〜10本程度である。
【0064】場合によっては、ブランケット胴13を設
けずに印刷版12上のインクを直接被記録体15に転移
しても良いが、版の耐久性、ラフ紙(平滑性の悪い紙)
への印刷を考えた場合、ブランケット胴13を介したい
ゆゆるオフセット印刷が好ましい。
【0065】図2に示した例では、インク供給手段と湿
し水供給手段とが別個に設けられているが、インク供給
ローラ18上に湿し水を供給してインクと湿し水を同時
に印刷版12上に供給することもできる。このようにす
ると装置が小型になるため、卓上型のオフセット印刷機
として使用できる。
【0066】以上、輪転式の印刷装置について説明した
が、本発明の製造方法による平版印刷版を用いた印刷装
置は、これに限るものでなく、例えば、平台式の印刷装
置としてもよい。平台式の印刷装置とは、印刷版装着部
分(図2で言えば版胴11にあたるもの)が、平台にな
っているものである。
【0067】図2で示した例のような印刷では、通常の
平版印刷の不感脂化処理と同様に、あらかじめ印刷版の
非画像部分に湿し水、水、あるいは通常のエッチ液等を
付与し、版を保水状態にしてから版胴に取り付け、印刷
を行なうことが好ましい。また、版を版胴に取り付けて
から保水状態にして印刷を行なうことも可能である。
【0068】本発明の印刷方法においては、上記に述べ
てきたように、親油性インクが用いられるが、親油性イ
ンクとは、染顔料、油、樹脂、溶媒、可塑剤などから構
成されるインクである。油としては、植物油、加工油、
鉱油などを挙げることができる。樹脂としては、ロジ
ン、セラック等の天然樹脂や、フェノール系、ケトン系
などの合成樹脂などを挙げることができる。溶媒として
は、インクが含有する樹脂に対する適正な溶解力、希釈
力を有し、所望の蒸発速度を有し、インク全体に必要な
粘度と流動性を与えることができる溶媒が好ましい。そ
のような溶媒として、例えばn−ヘキサン等の脂肪族炭
化水素、シクロヘキサン、トルエン等の芳香族炭化水
素、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル、メチルアル
コール、エチルアルコール等のアルコール、アセトン、
メチルエチルケトン等のケトン、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグ
リコール、グリコールエーテル、グリコールエーテルエ
ステル等の各種溶媒を使用することができる。また、所
望の特性に合わせて、これらを混合して使用することも
できる。可塑剤は、インクの乾燥皮膜に可撓性、柔軟
性、耐寒性を付与するものであり、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル、アジピン
酸、クエン酸などのエステル、塩化パラフィン、ヒマシ
油、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などが用
いられる。
【0069】染顔料としては、例えば、酸化チタン、カ
ーボンブラック、ブロンズ粉、ジアゾイエロー、フタロ
シアニンブルーなどの無機または有機顔料などを挙げる
ことができる。また、染顔料以外の粉体状着色現像剤と
しては、例えばポリスチレン等の高分子化合物中に染顔
料や金属粉を分散させた粉体などを使用できる。上記染
顔料およびその他の粉体状着色現像剤の平均粒径は、望
ましくは0.1μm〜20μmであり、好ましくは1μ
m〜5μmである。
【0070】また、これらインクと印刷版との適合性等
を考慮して、必要に応じ重合体中に光変色防止剤、固体
溶媒、界面活性剤、帯電防止剤などを適当に添加しても
良い。
【0071】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、これら実施例のみに限定されるものではない。
また以下の記載における「部」は重量部である。実施例1 塩素化ポリエチレン(商品名スーパークロン907LTA、 10部 山陽国策パルプ(株)製) カーボンブラック 3部 メチルエチルケトン 70部 テトラヒドロフラン 30部 上記組成からなる液をペイントシェーカーで良く分散混
合させ、ポリエチレンテレフタレートフィルム(100
μm厚、商品名ルミラーT、東レ(株)製)上に固形分
として1.0g/m2 になるようにワイヤーバーを用い
て塗工乾燥し、発熱層を形成し、次いで、 酸化亜鉛(商品名サゼックス#2000、堺化学(株)製) 100部 シリコーン樹脂(商品名KR−211、信越化学工業(株)製) 30部 ポリエチレンワックス(商品名三井ハイワックス110、 5部 三井石油化学(株)製) 熱膨張性マイクロカプセル(商品名マツモトマイクロ 15部 スフェアーF−30、松本油脂製薬(株)製) トルエン 150部 からなる組成液をペイントシェーカーで良く溶解分散さ
せ、前記発熱層上に固形分10g/m2 となるようにワ
イヤーバーを用いて塗工乾燥し、記録層を形成した後、
スーパーカレンダー処理をして本発明の印刷用原版を得
た。ここで、発熱層の塩素化ポリエチレンはトルエンに
溶解するため、印刷用原版内において発熱層と記録層の
境界は明確ではないが、何ら差しつかえはない。
【0072】この印刷版に対して、ポリエチレンテレフ
タレート側から、半導体レーザー(中心波長830n
m、出力30mW)を用いて、集光レンズにより集光さ
れた1.5μmのレーザースポットを画像データに従っ
て照射したところ、照射部は熱溶融性物質、結着剤、熱
膨張性物質が溶融し、版面で、無機顔料である酸化亜鉛
を覆い、親油性となり、画像部が形成され、印刷版が得
られた。
【0073】更に、この印刷版を、エッチ液(商品名プ
リントピアBSDエッチ液、(株)文祥堂製)を用い、
不感脂化処理した後、卓上型オフセット印刷機(商品名
プリントピアBP7200−II、(株)文祥堂製)の版
胴に取りつけ親油性インク(商品名BSDニューラバ
ー、(株)文祥堂製)と湿し水(上記エッチ液を水で希
釈したもの)を用いて印刷を行なったところ、インク着
肉性が良く地汚れのない切れの良い印刷画像が1500
枚以上得られた。実施例2 アクリル樹脂(商品名ダイヤナールBR−85、 30部 積水化学工業(株)製) 近赤外吸収染料(1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチル 5部 アミノフェニル)−1,5−ペンタジエニウムパークロレート、 キヤノン(株)製) メチルイソブチルケトン 100部 上記組成からなる液を100μmのポリカーボネートフ
ィルム(商品名パンライト、帝人化成(株)製)上に乾
燥膜厚2〜3μmになるようにワイヤーバーを用いて塗
工乾燥し、発熱層を形成し、次いで、 ポリビニルアルコール(商品名クラレポバール117、 2部 クラレ(株)製) SBR(商品名ポリラック−750、濃度48%、 10部 三井東圧化学工業(株)製) パラフィンワックスエマルジョン(商品名セロゾール428、 1.5部 濃度50%、中京社油脂(株)製) 熱膨張性マイクロカプセル(商品名マツモトマイクロカプセル 30部 F−30、松本油脂製薬(株)製) からなる液をペイントシェーカーにて分散混合し、固形
部3〜5g/m2 になるように上記発熱層上にワイヤー
バーを用いて塗工乾燥し、記録層(b)を形成し、更
に、 アクリル樹脂(商品名ダイヤナールLR−485、 30部 三菱レイヨン(株)製) 酸化亜鉛(商品名サゼックス#2000、堺化学(株)製) 120部 ステアリン酸アミド 5部 トルエン 300部 からなる液をペイントシェーカーにて分散混合し、固形
分10g/m2になるように上記記録層(b)上にワイ
ヤーバーを用いて塗工乾燥し、記録層(a)を形成し、
本発明の印刷用原版を得た。
【0074】そして、この原版から実施例1と同様にし
て印刷版を作製し、この印刷版12を実施例1と同様に
不感脂化処理した後、図2の印刷装置の版胴11に装着
し、インクつぼ10、湿し水だめ8に実施例1で用いた
インク、湿し水をそれぞれ入れ、印刷装置を稼動させた
ところ、まず湿し水7が版上に湿し水供給ローラ17を
介して供給され、次いでインク9が版上にインク供給ロ
ーラ18を介して供給され、非画像部にはインクが付着
しなかったが、親油性の画線部にはインクが付着した。
そして、この版(版胴)をブランケット胴13と接触さ
せることにより、インクがブランケット胴13に転写付
着し、更にカセットからコロ14により搬送されて来た
普通紙がブランケット胴13と圧胴16の間を通過する
際にインクがブランケット胴13より転写され、トレイ
20に排出され、印刷物を得た。ここで印刷速度は、1
20枚/分であった。上記印刷により実施例1同様の地
汚れのない良好な黒色印刷画像が1500枚以上得られ
た。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明の印刷用原版
によれば、カーボンブラック、近赤外吸収材料等の光熱
変換材料を含有しているので、レーザーを用いた高解像
度、非接触のダイレクト製版が乾式処理で、簡便、迅速
にできるという効果がある。
【0076】また、熱膨張性カプセルを原版中に含有し
ているので、版面の画像部の親油性を十分満たすことが
でき、印刷画像の濃度を十分得ることができ、良好な印
刷物を得ることができる。
【0077】更に、画像部を形成する熱溶融性物質、結
着剤、熱膨張性マイクロカプセルは、原版内部の同一材
料と溶融固着しているので耐刷性に優れるという効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用原版を用いた印刷版の製造方法
の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の印刷用原版から製造された印刷版を用
いて印刷を行なう際に用いる印刷装置の一例を示す側面
図である。
【符号の説明】
1 レーザーダイオードコリメータヘッド 2 シャッター 3 集光レンズ 4 印刷用原版 5 画像部 6 非画像部 7 湿し水 8 湿し水だめ 9 インク 10 インクつぼ 11 版胴 12 印刷版 13 ブランケット胴 14 コロ 15 被記録体 16 圧胴 17 湿し水供給ローラ 18 インク供給ローラ 19 カセット 20 トレイ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも無機顔料、結着剤及び熱溶融
    性物質を含有する記録層を有する印刷用原版において、
    前記記録層に熱膨張性マイクロカプセル及び光熱変換材
    料を含有することを特徴とする印刷用原版。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録層が、少なくとも無
    機顔料、結着剤、熱溶融性物質及び熱膨張性マイクロカ
    プセルを含有する記録層(A)と、少なくとも光熱変換
    材料を含有する発熱層とからなることを特徴とする請求
    項1の印刷用原版。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の記録層が、少なくとも無
    機顔料、結着剤及び熱溶融性物質を含有する記録層
    (a)と少なくとも結着剤、熱溶融性物質及び熱膨張性
    マイクロカプセルを含有する記録層(b)とからなり、
    前記記録層(a),記録層(b)のうち少なくともいず
    れか一方に光熱変換材料を含有することを特徴とする請
    求項1の印刷用原版。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の記録層が、少なくとも無
    機顔料、結着剤及び熱溶融性物質を含有する記録層
    (a)と少なくとも結着剤、熱溶融性物質及び熱膨張性
    マイクロカプセルを含有する記録層(b)と少なくとも
    光熱変換材料を含有する発熱層とからなることを特徴と
    する請求項1の印刷用原版。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4に記載の光熱変換材
    料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1
    〜請求項4の印刷用原版。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4に記載の光熱変換材
    料が600nm〜1500nmに最大吸収波長を有する
    近赤外吸収材料であることを特徴とする請求項1〜請求
    項4の印刷用原版。
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