JPH0524354A - 磁気カード - Google Patents

磁気カード

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JPH0524354A
JPH0524354A JP3204805A JP20480591A JPH0524354A JP H0524354 A JPH0524354 A JP H0524354A JP 3204805 A JP3204805 A JP 3204805A JP 20480591 A JP20480591 A JP 20480591A JP H0524354 A JPH0524354 A JP H0524354A
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JP
Japan
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recording layer
layer
heat
acid
magnetic card
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JP3204805A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Hieda
嘉弘 稗田
Yasushi Inoue
泰史 井上
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁気カードの磁気記録層、反射層および反射
層上に設けた可逆性感熱記録層を有する磁気カードにお
いて、特定の官能基を有する樹脂を感熱記録層の樹脂母
材として用いた。 【効果】 特定の樹脂からなる樹脂母材の感熱記録層を
設けたことにより、金属反射層と感熱記録層との界面ハ
クリがなくなり、書換え(印字/消去)型の磁気カードと
しての耐久性が著しく向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリペイドカードなどと
して用いられる磁気カードに関する。さらに詳しくは磁
気的情報の記録再生を行ない得る磁気記録層と、文字、
数字、模様を可逆的に記録、消去できる可逆性感熱性記
録層とをカード基材上に設け、磁気記録層の情報を視覚
的に表示できる複合型の磁気カードに関する。
【0002】
【従来の技術および課題】近年、電話などの通信、各種
交通機関などの運輸、デパートなどの流通関連分野等に
おける代金、料金の支払い手段としてプリペイドカード
が普及しつつあり、代金支払いのいわゆるキャッシュレ
ス化が進みつつある。このような磁気カードの磁気記録
層には金額残高などの必要なデータが記録されている
が、カードの所有者自身はこれを直接に知ることができ
ない。
【0003】このため使用の都度、磁気カードにパンチ
穴をあけて残高の概算を表示する方法、また磁気面とは
反対側のカード面(表側)に感熱発色層を設け、支払の度
に残高をサーマルヘッドで印字する方法、あるいは磁気
面上に金属の蒸着膜を設け、サーマルヘッドにより金属
膜を破壊して下地を露出させ表示を行う方法などが採用
されている。
【0004】しかしながら、磁気カードにパンチ穴をあ
けて残高を表示する方法では、正確な数値を表示するこ
とはできない。また感熱記録層や金属蒸着膜を用いた磁
気カードでは情報の書き換えができないため、磁気カー
ドの面積によって情報量が制限される。特に高額のプリ
ペイドカードの場合には残高が追記しきれず、新しいカ
ードを再発行する必要が生じ、コストアップを招く。
【0005】これに対し情報を可逆的に記録あるいは消
去することができ、繰り返して使用することが可能な感
熱記録材料も提案されている。このような記録材料とし
て、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂中に高級アルコー
ル、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱記録
層を有する記録材料がある(特開昭55−154198
号、特開昭54−119377号および特開平2−13
63号等)。かかる材料は、温度による感熱記録層の透明
度変化により画像の形成、消去を行うものであり、画像
は白地に透明画像として、あるいは無色地に白色画像と
して得られる。すなわち、記録材料をある温度まで上昇
させ常温に戻した時は透明状態を示し、また別の温度ま
で上昇させ常温に戻した時は白濁状態を示す。記録層へ
の記録方法としては、サーマルヘッドが好適に用いら
れ、また消去方法としては熱ロール、ホットスタンプ、
サーマルヘッドなどが好適に用いられる。しかしながら
特開昭55−154198号等に示された材料では常温
に戻した時に透明状態を示す温度領域が極端に狭いた
め、透明状態とするための温度制御が事実上不可能に近
い。従って記録状態が透明である方式、消去状態が透明
である方式のいずれによっても、実用的な記録あるいは
消去ができないといった問題があった。
【0006】この問題を解決するために、本発明者ら
は、有機低分子として炭素数16以上の高級脂肪酸とチ
オジプロピオン酸を併用することにより該透明温度領域
を高温側に移行させると共に透明温度領域を実用的なレ
ベルにまで広げることに成功し、先に特許出願を行った
(特願平2−193399号、特願平2−337380
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】プリペイドカード磁気
面側に感熱層を設ける場合には、安全性と高級感確保の
ために磁気記録層上に隠蔽層として着色層が設けられ
る。このような着色層は磁気記録層から表面までの厚み
の制限のためと金属薄膜とされる。この金属薄膜反射層
に可逆性感熱記録層を設けると、金属との密着性、ぬれ
性が不足し、サーマルヘッド等の加熱手段による記録/
消去のくり返しにより、金属反射層と感熱層の界面で剥
離が生じる。
【0008】本発明の目的は、金属薄膜反射層と感熱記
録層との間の接着性に優れた磁気カードを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、磁気
記録層、反射層および反射層上に設けた可逆性感熱記録
層を有し、該感熱記録層が樹脂母材および該樹脂母材中
に分散された有機低分子物質を含有する磁気カードにお
いて、樹脂母材としてカルボキシル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、アミド基およびスルホン基から選ばれた
少なくとも1種の官能基を有する樹脂を用いたことを特
徴とする磁気カードを提供するものである。
【0010】本発明の磁気カードは金属反射層と配位又
は水素結合の可能な置換基を有する樹脂を感熱性の樹脂
母材として使用することにより、金属反射層との密着性
がよくなり、サーマルヘッド等の加熱手段にて印字/消
去しても金属反射層上の感熱層の剥離が生じない。
【0011】つぎに本発明の磁気カードを図面により具
体的に説明する。図1は磁気カードの磁気記録層側に感
熱記録層を設けた本発明磁気カードの一具体例を示す概
略断面図である。図1において、磁気カードの基材1の
片面には磁気記録層2が設けられる。該磁気記録層2の
上には平滑層3および該平滑層の上の金属薄膜からなる
反射層4が設けられる。該反射層4上には可逆的に情報
の記録、消去の可能な感熱記録層5が設けられる。感熱
記録層5は樹脂母材とこれに分散された有機低分子物質
を含有する。該感熱記録層5のさらに上にはオーバーコ
ート層6が設けられる。なお、図1では感熱記録層5と
オーバーコート層の間にアンカーコート層7が設けられ
ている。
【0012】このように本発明の磁気カードは、基材に
対し磁気記録層と同一面または反対面、あるいは両面の
一部または全面に可逆的に情報の記録、消去の可能な感
熱記録層を有し、肉眼にて磁気情報の内容が判読可能
で、再記録のための書き換え、情報の更新が可能とな
る。
【0013】(磁気カード部材)本発明磁気カードを製
造するには基材上に磁気記録層を設けた従来公知の磁気
カード部材が用いられる。かかる磁気カード部材として
は、プラスチック、ガラス、紙、布、金属等の基材の一
方の面に、磁性材料を含有するマトリックス樹脂を塗工
した従来公知の磁気カード部材が用いられてよい。特に
チタニア分散のポリエステルシートが好ましい。また、
これら磁気記録層を設けるにあたっては、基材上に直接
もしくは下引き層を介してコーティングしてもよいし、
他の基材にあらかじめコーティングして磁気記録層を形
成し、これを接着剤及び粘着剤を用いて基材に貼り合わ
せてもよい。磁気記録層はカード全面もしくはストライ
プ状など一部分に形成されたものであってもよい。
【0014】(平滑層)磁気記録層上に反射層として直
接金属蒸着層を形成した場合には、金属表面の光散乱の
ため蒸着層表面は殆ど白色となる。このため磁気記録層
上に平滑層を設ける。平滑層はアクリル系、ポリエステ
ル系、ウレタン系、エポキシ系等の樹脂を従来公知の塗
工法を用いて形成する。カレンダー法を用いると表面平
滑性が向上し特に好ましい。該樹脂は、熱処理による熱
収縮性を低減させるため従来公知の熱架橋、UV架橋を
行ってもよい。また平滑層の厚みは特に限定されない
が、磁気記録層の凹凸を解消しかつ感熱層の厚みを薄く
しないために、通常0.2μm〜3.0μmが特に好まし
く用いられる。平滑層が不充分であると金属反射層の金
属光沢が失われ、コントラストの低下を招く。
【0015】(反射層)磁気記録層上の金属薄膜からな
る反射層としては、アルミニウム、銀、クロム、ニッケ
ル、金などの材料が用いられる。これらの反射層は真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法な
ど公知の方法により厚さ0.01〜2.0μm、好ましく
は0.03〜1.0μmに形成される。厚みがこれより小
さいと、光が反射層を透過するため下地の磁気記録層の
色が現れ好ましくない。また、磁気記録層の書込み、読
取りは感熱記録層側から行われるため、磁気記録特性を
損なわないためには磁気記録層上に形成される層の厚み
の総計が10μm以下であるのが好ましい。特にこの範
囲内では感熱記録層の厚みが大きいほど高コントラスト
が得られるので、反射層の厚みは高反射率を示す範囲内
で薄いほど好ましい。このような厚みの金属膜を均一に
形成するには、特に真空膜形成法が好ましい。また蒸着
物質としては、高反射率を示し、かつ低コストで薄膜が
形成可能なアルミニウムが特に好ましい。
【0016】(感熱層)反射層の上に設けられる感熱記
録層は主成分である樹脂母材と有機低分子を含有する。
また該樹脂母材は、有機低分子物質を均一に分散保持し
た層を形成するマトリックス樹脂であり、最大透明時の
感熱層の透明度に大きく影響する。このため、樹脂母材
としては、透明性が高く、機械的安定性に優れ、成膜性
のよい樹脂が好ましい。また、金属反射層との密着性向
上のために、カルボキシル基(−COOH)、ヒドロキ
シル基(−OH)、アミノ基、アミド基およびスルホン
基(−SO3H)を有するモノマーよりなる樹脂が用い
られる。例えばスルホン酸系モノマーとしては、スチレ
ンスルホン酸類、スルホアルキル(メタ)アクリレート
類、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸;カルボン酸
系としては(無水)マレイン酸、イタコン酸、クロトン
酸、アクリル酸等;ヒドロキシル系としては、ビニルア
ルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタ
クリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF、エ
チレングルコール系(メタ)アクリルエステル等;アミ
ン(−N−)系としては、(メタ)アクリルアミド、ジ
メチルアミノ(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)
アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。これらのモノマーの単独重合
体、または2種以上の共重合体が用いられる。本発明磁
気カードの感熱層に用いられる樹脂は、前記各極性基を
有するモノマーの含有量が1〜100%である共重合体
または単独重合体であり、前記極性基を有しない樹脂と
併用してもよい。
【0017】このような極性基を有する樹脂としては、
例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合
体、塩化ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−(酢酸ビニル)
−スチレンスルホン酸共重合体、塩化ビニル−(酢酸ビ
ニル)−エチレングリコール(メタ)アクリレート共重
合体、塩化ビニル−(酢酸ビニル)−エポキシ共重合
体、ポリビニルブチラール樹脂(酢酸ビニル−ビニルブ
チレート−ビニルアルコール)、塩化ビニル−(酢酸ビ
ニル)−アクリル酸アミド等及びホモポリマーとして、
アクリル酸ポリマーポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸アミド、ポリビニルスルホン酸、フェノキシ樹脂、
ポリエステルポリオール樹脂等が挙げられる。
【0018】また、前記極性基を有さない樹脂と混合し
て用いてもよく、このような樹脂としては、ポリ塩化ビ
ニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
アクリレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩
化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;
ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはアクリ
レート−メタクリレート共重合体、シリコーン樹脂、ポ
リスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の熱可塑
性樹脂あるいはその他の熱硬化性樹脂などが挙げられ
る。これらの樹脂は単独で、あるいは二種以上を混合し
て用いることができる。
【0019】有機低分子物質としては、融点30〜20
0℃、特に50〜150℃程度のものが好ましい。この
ような有機低分子物質としてはアルカノール;アルカン
ジオール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカ
ンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;ア
ルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンカルケン;ハロゲ
ンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロ
アルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸ま
たはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム
塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエ
ステル、アミド、またはアンモニウム塩;アリルカルボ
ン酸またはそれらのエステル、アミドまたはアンモニウ
ム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステ
ル、アミド、またはアンモニウム塩;チオアルコール;
チオカルボン酸またはそれらのエステル、アミン、また
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合
して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜6
0、好ましくは10〜38、特に10〜30が好まし
い。エステル中のアルコール基部分は飽和、不飽和のい
ずれであってもよく、またハロゲンで置換されていても
よい。有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、イオウお
よびハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH、−CO
OH、−CONH、−COOR、−NH−、−NH2
−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物
であることが好ましい。
【0020】更に具体的にはこれら化合物にはラウリン
酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、ア
ラキン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸メ
チル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸オクタ
デシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン酸テトラ
デシル、ベヘン酸ドコシル等の高級脂肪酸のエステル; C1633−O−C1633、C1633−S−C1633 1637−S−C1937、C1225−S−C1225 1939−S−C1939、C1225−S−S−C1225 O(CH2CH2OCOC11232、O(CH2CH2OCOC17352 O(CH2CH2COO(CH215CH(CH3)CH2CH22 S(CH2CH2OCOC12252、S(CH2CH2COOC18372 S(CH2CH2COO(CH215CH(CH3)CH2CH32 NH(CH2CH2OCOC18372 NH(CH2CH2COO(CH213CH(CH3)CH2CH32 等のエーテルまたはチオエーテル等がある。
【0021】また、透明温度領域を高温側へ拡大し、実
用的にサーマルヘッド等で透明消去を行うには、炭素数
16以上の高級脂肪酸の少なくとも1種と、チオジプロ
ピオン酸:S(CH2CH2COOH)2 で代表される一般
式:HOOC(CH2m−S−(CH2nCOOHで示
されるスルフィドとの組み合わせが用いられる。前記高
級脂肪酸とスルフィドを組み合わせることにより従来公
知の可逆性感熱記録材料よりも消去(透明化)温度が高
温度側に移動し、かつ透明温度領域が広がる。
【0022】かかる炭素数16以上の高級脂肪酸の具体
例としては、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、
ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン
酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリ
シン酸、2−ヘキサデセン酸、トランス−3−ヘキサデ
セン酸、2−ヘプタデセン酸、トランス−2−オクタデ
セン酸、シス−2−オクタデカン酸、トランス−4−オ
クタデセン酸、シス−6−オクタデセン酸、エライジン
酸、バセニン酸、トランス−ゴンドイン酸、エルカ酸、
セラコレイン酸、トランス−セラコレイン酸、トランス
−8,トランス−10−オクタデカジエン酸、リノエラ
イジン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステア
リン酸、プソイドエレオステアリン酸、12,20−ヘ
ンエイコサジエン酸等が挙げられる。これらは単独で又
は2種以上混合して使用してよい。
【0023】前記スルフィドの具体例としては(1,1
´−ジカルボキシ)ジメチルスルフィド、(2,2´−
ジカルボキシ)ジエチルスルフィド(チオジプロピオン
酸)、(3,3´−ジカルボキシ)ジプロピルスルフィ
ド、(1,2´−ジカルボキシ)メチルエチルスルフィ
ド、(1,3´−ジカルボキシ)メチルプロピルスルフ
ィド、(1,4´−ジカルボキシ)メチルブチルスルフ
ィド、(2,3´−ジカルボキシ)エチルプロピルスル
フィド、(2,4´−ジカルボキシ)エチルブチルスル
フィド、(5,5´−ジカルボキシ)ジペンチルスルフ
ィド等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合
して使用してもよい。
【0024】また、前記高級脂肪酸とチオジプロピオン
酸などの前記スルフィドとの配合割合は重量比で90:
10〜10:90、好ましくは85:15〜50:50
である。前記の範囲よりスルフィドが少ないと透明温度
領域(幅)が充分でなく、一方、多いとコントラストが
著しく低下する。
【0025】感熱記録層中の有機低分子物質と樹脂母材
との配合割合は有機低分子物質100重量部に対して、
樹脂母材50〜1600重量部程度が好ましく、100
〜500重量部が特に好ましい。
【0026】母材の配合量が50重量部未満である場合
は、有機低分子物質を母材中に安定に保持した膜を形成
することが困難となる。一方、母材が1600重量部を
越えると置換により白濁する有機低分子物質の量が少な
いため、書き込まれた記録情報を鮮明に読み取ることが
できず記録材料として好ましくない。なお、有機低分子
物質は母材中に均一に分散していて、しかも充分に固定
されていることが好ましく、母材と一部相溶していても
よい。
【0027】また、感熱記録層にはその性能を阻害しな
い範囲で種々の添加剤を加えてもよい。例えば、リサイ
クル性を更に向上し得るように界面活性剤を用いてもよ
い。かかる目的で用いられる界面活性剤の具体例として
は多価アルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール
高級アルキルエーテル;多価アルキルエーテル高級脂肪
酸エステル、高級アルコール、高級アルキルフェノー
ル、高級脂肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミ
ド、油脂又はポリプロピレングリコールの低級オレフィ
ンオキサイド付加物;アセチレングリコール;高級アル
キルベンゼンスルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;
芳香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スル
ホン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エ
ステルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長
鎖アルキルアクリレート;アクリル系オリゴマー;ポリ
長鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレ
ート−アミン含有モノマー共重合体;スチレン−無水マ
レイン酸共重合体;オレフィン−無水マレイン酸共重合
体等が挙げられる。かかる界面活性剤を配合することに
より感熱記録材料の繰り返し使用が可能となり、かつ最
大透明状態を示す温度範囲が拡大する。
【0028】最大透明状態に維持される温度範囲を広げ
る他の添加剤としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ
−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸ト
リクレジル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチ
ルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベン
ジル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシ
ル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸
ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジエチレングリコールベ
ンゾエート、トリエチレングリコール−2−エチルブチ
ラート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノ
ール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、ア
セチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
【0029】なお、これらの配合割合は有機低分子物質
100重量部に対して1〜80重量部程度であるのが好
ましい。
【0030】(感熱記録層の形成)感熱記録層の形成に
用いる調製液は種々の方法によって調製することができ
る。例えば前記の樹脂母材および有機低分子物質の混合
溶液を調製してもよく、また有機低分子物質のうち少な
くとも1種を溶解しない溶剤を用いて樹脂母材の溶液を
調製し、この溶液に有機低分子物質を微粒子状に分散
し、さらに高沸点溶剤を溶解した分散液を調製してもよ
い。これらを接着層上に塗布し、乾燥して感熱記録層を
形成する。
【0031】感熱記録層を金属反射層上に形成するに
は、マトリックス材に使用した重合体に公知の方法、例
えば種々の塗工方法を用いればよい。
【0032】感熱記録層の形成に用いられる溶剤は、母
材及び有機低分子物質の種類によって種々選択されてよ
いが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭
素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
なお、分散液を使用した場合だけでなく、溶液を使用し
た場合も得られる感熱記録層中では有機低分子物質は微
粒子として析出し分散状態で存在する。
【0033】前記の感熱記録層を磁気カード部材の上に
設けるには、樹脂母材として用いる重合体に公知の成形
方法がいずれも用いられてよい。例えば、調製液をプラ
スチック、ガラス板、金属板、紙、布等の他の支持体上
に塗布し、乾燥して感熱記録層を形成し、これを接着
剤、粘着剤等を用いて前記磁気カード部材に張り付けて
もよい。また、種々の塗工方法を用いて磁気カード部材
上に感熱記録層を設けてもよい。磁気記録層、保護層、
感熱記録層、オーバーコート層などの各層は互いに直
接、または間接に設けられてよい。
【0034】感熱記録層の膜厚は1〜20μmが好まし
く、これより厚くなると感熱度が低下し、また1μm未
満ではコントラスト(白濁度)が低下する。特に厚さ1
0μm以下が好ましい。これより厚くなると、磁気記録
の書込み、読取りが困難となり好ましくない。
【0035】感熱記録層の上には更に、記録、消去時の
感熱記録層の劣化、消去時の打痕、記録時のスティッキ
ングを防止するためにオーバーコート層を設けることも
でき、リサイクル性の面で好ましい。該オーバーコート
層としては、シリコーン系、アクリル系、フッ素系、エ
ポキシ系等の有機物質または耐熱性ポリマー、あるいは
SiO2、SiO、MgO、ZnO、TiO2、Al23、A
lN、Ta25等の無機物質等が挙げられる。このよう
なオーバーコート層は従来公知の塗工または真空蒸着法
などにより形成され、有機物質の場合厚みは0.1〜5.
0μm、好ましくは0.5〜3μmである。厚みがこれ
以下ではオーバーコートによる効果がうすく、またこれ
以上では感熱記録層の厚みを薄くしてコントラスト低下
を招くことになり共に好ましくない。なおオーバーコー
ト層に有機物質を用いる場合に、該有機物質あるいは溶
剤の選び方によっては感熱記録層の樹脂母材または有機
低分子を溶解し、リサイクル性を低下あるいは消滅させ
ることがあるため注意を要する。このような場合には、
図1に示すように感熱記録層5とオーバーコート層6の
間に更にアンカーコート層7を設ける必要がある。ま
た、有機物質をオーバーコート層とする場合、スティッ
キング防止のため有機ビーズ、無機物等の微粉末を添加
してもよい。オーバーコート層に無機物質を用いる場合
には、該層が厚すぎると(1.0μm以上)クラックを
生じる恐れがあり共に注意を要する。
【0036】
【実施例】つぎに本発明の磁気カードを実施例を挙げて
さらに具体的に説明する。なお以下に部とあるのは重量
部を意味する。
【0037】[実施例1]磁気シート(2750エルス
テッド)の磁気記録層上に熱硬化型ポリエステル樹脂
(平均分子量20000)を塗布し、加熱乾燥して2μ
mの平滑層を設けた。次いでその上に真空蒸着法にて
0.05μmのAl反射層を形成した。更に、Al反射
層上に、下記配合の感熱記録層を塗布し、加熱乾燥後
5.0μmの感熱層を形成した。
【0038】 成 分 重量部 ベヘン酸 0.7 チオジプロピオン酸 0.3 塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸変性共重合体 2.0 (日本ゼオン(株)製 110A) テトラヒドロフラン 14.0 [実施例2]感熱層の樹脂として、フェノキシ樹脂(U
CC社 PKHH)を用いた以外は、実施例1と同様に
して磁気カードを作成した。
【0039】[実施例3]感熱層の樹脂として塩化ビニ
ル−アクリル酸エステルヒドロキシル基変性共重合体
(セキスイ社製 E−C110)を用いた以外は、実施
例1と同様にして磁気カードを製造した。
【0040】[比較例1]感熱層ポリマーとして塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体(UCC社製,VYHH)を
用いた以外は実施例1と同様にして磁気カードを作成し
た。
【0041】[比較例2]感熱層ポリマーとして、ポリ
塩化ビニルを用いた以外は実施例1と同様にして磁気カ
ードを作成した。
【0042】[比較例3]感熱層ポリマーとして、ポリ
メタクリル酸メチルとした以外は実施例1と同様にして
磁気カードを作成した。
【0043】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 密着性試験 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 100/100(剥離なし) 〃 2 100/100( 同上 ) 〃 3 100/100( 同上 ) ───────────────────────────── 比較例1 0/100(テープ剥離Al層上) 〃 2 0/100( 同 上 ) 〃 3 0/100( 同 上 ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 密着性試験:基盤目セロテープ剥離試験JISK−5400に準じた。
【0044】
【発明の効果】特定の樹脂を感熱層樹脂として使用する
ことで、金属反射層と感熱層との界面剥離がなくなり、
書換え(印字/消去)型の磁気カードとして、繰り返し
耐久性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明磁気カードの一具体例の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1:基材 2:磁気記録層 3:平滑層 4:反射層 5:感熱記録層 6:オーバーコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/80 7303−5D 8623−5L G06K 19/00 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録層、反射層および反射層上に設
    けた可逆性感熱記録層を有し、該感熱記録層が樹脂母材
    および該樹脂母材中に分散された有機低分子物質を含有
    する磁気カードにおいて、樹脂母材として感熱記録層中
    に金属と配位または水素結合の可能な置換基を有する樹
    脂を用いたことを特徴とする磁気カード。
  2. 【請求項2】 金属と配位または水素結合の可能な置換
    基を有する樹脂が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
    アミノ基、アミド基およびスルホン基から選ばれた少な
    くとも1種の官能基を有する樹脂である請求項1記載の
    磁気カード。
  3. 【請求項3】 有機低分子物質が炭素数16以上の高級
    脂肪酸の少なくとも1種および式:HOOC(CH2m
    −S−(CH2nCOOH[式中、mおよびnは各々別
    個に1〜5の整数を意味する]で示されるスルフィドを
    含有する請求項1記載の磁気カード。
  4. 【請求項4】 可逆性感熱記録層を磁気記録層側の面の
    一部または全面に設けた請求項1記載の磁気カード。
  5. 【請求項5】 可逆性感熱記録層を磁気記録層と反対側
    の面の一部または全面に設けた請求項1記載の磁気カー
    ド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035219A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Dainippon Ink & Chem Inc 磁気ラベル及び磁気ラベルを用いて製造された磁気記録媒体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035219A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Dainippon Ink & Chem Inc 磁気ラベル及び磁気ラベルを用いて製造された磁気記録媒体
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