JPH0524352Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、打球方向性の優れたゴルフボールに
関するものである。

（従来の技術） 一般にパツテイング時などのゴルフボール打球
時において、ゴルフボール飛び出し方向はインパ
クト時のフエース向きと、スイング軌道によりほ
ぼ決定される。

そして、ゴルフボールとパターやウツドなどの
打球面との接触時間に依存してフエース向きとス
イング軌道は打球の方向性に影響を与える。即
ち、この接触時間が短いと、打球されたゴルフボ
ールの方向性はフエース向きに支配され、反対に
接触時間が長いとスイング軌道に支配される。

従つて、ゴルフプレーヤーが、打球の方向性を
向上させるためには、ゴルフボールとパターやウ
ツドなどの打球面との接触時間が比較的長時間に
及ぶスイング軌道を調整する方が容易である。

従来のゴルフボールは、ボールの表皮部（カバ
ー部）から比較的硬い材料（アイオノマー樹脂、
バラタゴムなど）で構成されているため、ゴルフ
ボールとパターやウツドなどの打球面の接触時間
が短く、たとえばスイング軌道が適正であつて
も、フエース向きの影響力が大きく作用して方向
性の悪い打球となつてしまう。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、前記した従来のゴルフボールの欠
点、特に打球の方向性を調整することが困難なゴ
ルフボールに鑑みなされたものであり、打球時に
おいてゴルフボールとパターやウツドなどの打球
面との接触時間を可能な限り長く維持させること
により、ボールの方向性を調整しやすくしたゴル
フボールを提供しようとするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案を概説すれば、本考案は内部の球状のコ
ア部を被覆する表皮部からなるゴルフボールにお
いて、前記表皮部をコア部の構成部材より粘性の
高い部材で構成したことを特徴とするゴルフボー
ルに関するものである。

以下、本考案の構成を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、本考案の第１実施例のゴルフボール
１の縦断面図であり、ゴルフボール１は中心部に
球状の高弾性ゴム材より構成されるコア部２、該
コア部２を被覆して外皮を形成する表皮部３から
構成されている。本考案において、表皮部３に、
コア部２を構成する材料より、より粘性の高い材
料を用いることに特徴がある。

この構成により、打球時においてゴルフボール
１とパターやウツドなどの打球面との接触時間を
従来のゴルフボールのものより長く維持すること
ができ、これによりゴルフボールの方向性をスイ
ング軌道に支配させ方向性を出しやすくすること
ができる。

第１図のものは、前記した如く、コア部２と表
皮部３の２層構造、いわゆる２ピースボールであ
り、表皮部３にはデインプルが形成されている。

コア部２と表皮部３を構成する材料は、反発弾
性などボールの飛距離を出すのに好ましい材料を
コア部２に、またパターやウツドなどの打球面に
粘性効果のある材料を表皮部３に使用する。

前記した粘性効果のある材料とは、動的粘弾性
測定器で測定して、動的粘弾性率（損失係数）を
表わすtanδの値がおよそ0.2以上の値を有するも
のであればよい。（tanδの値とは損失弾性率E′と
貯蔵弾性率E″との比（E′／E″）であり、粘性の
尺度となる。） コア部２に使用されるこの種の材料として、
1.4−シスポリブタジエン、スチレン−ブタジエ
ンゴム、天然ゴム、あるいはこれらを混合したも
のなどの高い弾性を有する材料が用いられる。

表皮部３に使用される材料として、 ● 発砲ポリウレタン、発砲ポリスチレンなどの
発砲材料、 ● ウレタン系材料（三進興産（株）社製、ソル
ボセンイ）、シリコン系のアルフアーゲル（キ
ユービツクエンジニアリング社製）、 などの前記コア部を構成する材料に比較して、
粘性の高い材料が用いられる。

第２図は本考案の第２実施例のゴルフボール１
の縦断面図であり、これはコア部２、コア部２と
表皮部３との間に形成された系ゴム層２′、及び
表皮部３の３層構造、いわゆる３ピースボールで
ある。このゴルフボールの表皮部３にもデインプ
ルが形成されている。

コア部２と表皮部３の構成材料は、前記第１実
施例で説明した材料を適宜、組合せて使用され
る。

本考案のゴルフボールは、本考案の要旨を超え
ない限り、前記第１図〜第２図に基づいて説明し
た構成のものに限定されないことはいうまでもな
い。

〔考案の効果〕

本考案のゴルフボールには、次のような優れた
効果がある； (i) ゴルフボールの表皮部が、コア部と比較して
比較的粘性の高い材料で構成されているため、
ゴルフボールとパターの打球面との接触時間を
長く維持することができ、ボールの方向性がス
イング軌道に支配されるようになり、ボールの
方向性を調整しやすい。

(ii) テイーシヨツトにおいても、前記（）と同
様、ゴルフボールとウツドなどの打球面との接
触時間が長くなるため、ボールの方向性を調整
しやすい。

(iii) ゴルフボールの表皮部のみが粘弾性材料で、
また内部が高反発弾性の材料で構成されるた
め、ゴルフボールの反発特性は従来のものと同
じであり、飛距離の低下を招くことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例のゴルフボール
の縦断面図であり、第２図は本考案の第２実施例
のゴルフボールの縦断面図である。 １……ゴルフボール、２……コア部、２′……
糸ゴム層、３……表皮部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内部の球状のコア部と、該コア部を被覆する
   表皮部からなるゴルフボールにおいて、 (i) 前記コア部を1.4−シスポリブタジエン、
   スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、及び
   これらの混合物から選ばれた高弾性ゴムで構
   成し、 (ii) 前記表皮部を動的粘弾性率（損失係数）
   tanδ［tanδ＝（損失弾性率）／（貯蔵弾性率）］
   が0.2以上の高粘弾性材料で構成すること、
   を特徴とするゴルフボール。 ２ 表皮部が、ウレタン系樹脂、ポリスチレン樹
   脂、またはシリコン系樹脂から選ばれた高粘弾
   性材料で構成されるものである実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載のゴルフボール。 ３ コア部と表皮部の中間に、糸ゴム層を形成し
   たものである実用新案登録請求の範囲第１項ま
   たは第２項に記載のゴルフボール。