JPH0524326U - 可動式射出台を有する射出成形機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定盤に対し射出装置を水平横断方向に移動
できるようにして、金型毎にスプルゲートの位置が異な
っても、それにノズルを対応させることができるように
した射出成形機を提供する。 【構成】 機台２上の金型取付用の固定盤１のノズル孔
３を水平横断方向に長く形成する。固定盤２と並行に射
出装置６の支持部材７を機台２上に横設する。支持部材
７に台座８を摺動自在に装着する。台座８上に射出装置
６を固定盤１に対し進退自在に取付ける。これにより射
出装置６を台座８と共に水平横断方向に移動することを
可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、合成樹脂の成形に用いる射出成形機の改良に関するものである。 更に詳しくは、固定盤のノズル孔を水平横断方向に長くすることによって、金型 のキャビティの配置およびランナーの設計などを改善することができる可動式射 出台を有する射出成形機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の通常の射出成形機では、ノズル孔が固定盤の中央部に形成されているの で、射出装置は機台上の中央部に設置され、金型取付用の固定盤に対して進退す るのみで、固定盤に対して水平横断方向に動くことはない。 また、射出装置のノズルの先端は、固定盤の中央に設けたノズル孔の反対側に 取付けた金型にノズルタッチするようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の装置における課題は、固定盤のノズル孔の位置が中央部に限 定されており、そのために、固定盤に取付ける金型のゲートの位置も当然金型の 中央部に制限されることである。

【０００４】 このため、従来の金型では、図４（Ａ）に示すように、１個取りの金型２０で はスプルゲート２１の片側にキャビティ２２が設定されることになり、射出圧力 も偏るので、金型に型締力を均等に掛け難くなる。

【０００５】 また、図４（Ｂ）に示すように、２個取りの場合には、キャビティ２２をバラ ンスよく左右に設定できるが、長尺の成形品のときには金型２０は横長に大型化 しなければならない。

【０００６】 この大型化を回避する１つの手段として、図４（Ｃ）のようにキャビティ２２ を上下に並設することも行なわれているが、この場合にはランナー２３が長くな って材料ロスが多くなる。

【０００７】 更に図４（Ｄ）に示すように、４個のキャビティ２２を上下左右にバランスよ く設定することは可能であるが、大きさが異なる複数のキャビティを設けること は、射出圧力に偏りが生ずるという理由から極めて困難であるとされている。

【０００８】 この考案は、上記のような従来の射出成形機における課題を解決するために考 案されたものであって、その目的は、固定盤に対し射出装置を水平横断方向にも 移動できるようにし、金型毎にスプルゲートの位置が異なっても、ノズルの位置 を対応させることができるようにして、金型のスプルゲート位置も成形品の取り 数やキャビティの形状等に応じて、金型の中央部からずらせることができるよう にした新規な射出成形機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するためのこの考案の特徴は、機台上に設けた金型取付用の 固定盤にノズル孔を水平横断方向に長く形成し、その固定盤と並行に射出装置の 支持部材を機台上に横設し、かつその支持部材に台座を摺動自在に装着するとと もに、台座上に射出装置を固定盤に対し進退自在に取付けることによって、射出 装置を台座と共に前記固定盤に対して水平横断方向に移動できるように構成した ことにある。

【００１０】

【作用】

上記構成においては、ノズルをノズル孔に沿って水平横断方向に移動すること ができるから、固定盤に取付ける金型のスプルゲートの位置も、従来のように、 金型の中央部に限定されることなく自由に設計でき、かつ、キャビティも成形品 の取り数や形状、大きさ等に応じて最も合理的に設計することができる。 また、複数のキャビティをバランスよく配置できるので、射出圧力が金型に均 等に作用するようになり、バリ等が生じ難くなるなどの利点があり好適である。

【００１１】

【実施例】

図１に本考案の射出成形機の一例を示す。図中符号１は機台２の上に取付けた 固定盤であり、固定盤１の中央部から右方にノズル孔３が水平横断方向に設けて ある。勿論、二点鎖線で示すように固定盤１の中央部から左方にノズル孔を設け てもよく、横長のノズル孔３の水平方向の位置は特に限定されない。 また、金型５の取付けは従来と同様に行えばよい。例えば、図２（Ａ）に示す ようにロケーティングリング孔４ａを設けるか、あるいは図２（Ｂ）に示すよう な位置決め部材４ｂを更に取り付けて金型の位置出しを行うことができる。

【００１２】 符号６は機台２の上に設けた射出装置で、上記固定盤１と並行にして機台上に 横設した一対のシャフトからなる支持部材７，７に、台座８を摺動自在に装着し てある。 この射出装置６は、台座８の上面に設けた縦方向の案内部材９に、射出筒１０ と駆動装置１１とを備えた装置本体１２の下部を嵌合して、固定盤１に対し進退 自在に設けられ、その台座８と共に水平横断方向に移動できる。

【００１３】 この射出装置６の水平横断方向の移動により、射出筒先端のノズル１３もノズ ル孔３に沿って移動し、固定盤１に取付けた上記金型５のスプルゲート５ａに、 ノズル孔３よりノズルタッチさせることができる。なお、図中１４はタイバーで ある。

【００１４】 この考案は、上述のように、固定盤１のノズル孔３を水平横断方向に長く形成 し、その固定盤１と並行に射出装置６の支持部材７を機台２上に横設し、その支 持部材７に台座８を摺動自在に装着するとともに、台座８上に射出装置６を固定 盤１に対し進退自在に取付け、射出装置６を台座８と共に水平横断方向に移動可 能に構成したものであり、図３（Ａ）から（Ｄ）に示すように、金型５のスプル ゲート５ａの位置もこれまでのように金型５の中央部に限定されることなく、キ ャビティ１５も、成形品の取り数や、形状、大きさなどに応じて最も合理的に設 計することができる。

【００１５】 例えば、図３（Ａ）に示すように、１個取りの場合には、スプルゲート５ａを 横にずらせてキャビティ１５を金型の中央部に設定できる。

【００１６】 また、図３（Ｂ）に示すように、２つのキャビティ１５を上下に並設すること ができる。キャビティ１５が長尺の成形品を得るためのものである場合には、図 ３（Ｃ）に示すように、スプルゲート５ａの設定位置をずらせることにより、金 型５自体をことさらに横長に形成することなく、また、ランナー１７も長くせず に、その目的を達成することができる。

【００１７】 さらに、図３（Ｄ）に示すように、大きさが異なるキャビティ１５および１６ の設定も容易に行なうことができる。

【００１８】

【考案の効果】

上記のように、どのようなキャビティでも、金型５の面に対して偏りなく設定 できるので、本考案は下記のような効果を奏する。 金型のキャビティの配置が合理化され、設計の標準化を図ることができる。 成形品の取り数、大きさ、形状等が異なっても、キャビティをバランスよく 設定でき、従って金型の小型化ができるので、金型製作の費用を節減できる。 キャビティをバランスよく設定することができるので、射出圧力に偏りがな く、型締が均等に行なわれる結果、成形状態が極めて良好な成形品が得られ、ま たランナーを短く設計できるため、材料のロスが少なく、成形品の歩留りがよく なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の射出成形機の実施例の要部斜視図で
ある。

【図２】射出成形機の固定盤の金型取付側の態様を示す
斜視図である。

【図３】本考案の金型におけるスプルゲートおよびキャ
ビティの設定状態の説明図である。

【図４】従来の金型のスプルゲートおよびキャビティの
設定状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 固定盤 ２ 機台 ３ ノズル孔 ５ 金型 ５ａ スプルゲート ６ 射出装置 ７ 支持部材 ８ 台座 １０ 射出筒 １２ 装置本体 １３ ノズル １５ キャビティ １６ キャビティ １７ ランナー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機台の上に設けた金型取付用の固定盤に
   ノズル孔を水平横断方向に長く形成し、その固定盤と並
   行に射出装置の支持部材を機台上に横設し、かつ支持部
   材に台座を摺動自在に装置するとともに、台座上に射出
   装置を固定盤に対し進退自在に取付け、射出装置を台座
   と共に水平横断方向に移動可能に構成したことを特徴と
   する射出成形機。