JPH0524095B2 - - Google Patents

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JPH0524095B2
JPH0524095B2 JP60061510A JP6151085A JPH0524095B2 JP H0524095 B2 JPH0524095 B2 JP H0524095B2 JP 60061510 A JP60061510 A JP 60061510A JP 6151085 A JP6151085 A JP 6151085A JP H0524095 B2 JPH0524095 B2 JP H0524095B2
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Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は、耐失透性、紫外域から可視域にわた
る光線透過性および均質性に優れ、フリント型の
負の異常部分分散性を有する燐酸塩系光学ガラス
に関する。 「従来の技術」 従来から、光学系の設計、例えば、カメラ用あ
るいは顕微鏡用の対物レンズ等において、広い光
線波長範囲にわたり、二次スペクトルを除去する
ことが要望されている。この要望を満すために
は、アツベ数(νd)と部分分散比(θg・F)の
間に直線的比例関係を示す正常分散ガラスに比べ
部分分散比が小さく、従つて負の異常部分分散値
(−△νd)を示すガラスを使用することが効果的
であることが知られている。 負の異常部分分散性を有するガラスには、米国
特許第2684304号公報において、極めて多量の
PbO成分と実際上極く少量迄のAl2O3成分を含有
させたP2O5−PbO系ガラスが知られているが、
耐失透性が甚だ悪いため、透明なガラスを得るこ
とが極めて困難である。また、特公昭36−16726
号公報において、P2O5−B2O3−PbO−Al2O3
ガラスが知られているが、耐失透性が十分良好で
はないため量産するには適さず、また紫外域から
可視域にかけての光線透過性が悪い。さらに、特
開昭59−3044号公報には、B2O3−Sb2O3−ZnO−
SiO2−Al2O3−ZrO2系ガラスが知られているが、
ガラスは黄色を呈しやすく、また、溶融の際、均
質化し難い。 一方、燐酸塩系ガラスの中には、特公昭38−
8459号公報において、P2O5−B2O3−(PbO/Sb2
O3/Bi2O3等)系ガラスが知られているが、所望
の異常部分分散値を得難いうえ、光線透過性およ
び化学的耐久性に劣る欠点がある。 「発明が解決しようとする問題」 本発明は、上記従来のガラスにみられる諸欠点
を総合的に解消し、フリント領域であるνd=45
〜25の範囲の数値と|−△νd|≧0.1の範囲の負
の異常部分分散値とを維持しつつ、耐失透性、紫
外域から可視域にわたる光線透過性および均質性
に優れた光学硝子を提供することを目的としてい
る。 「問題点を解決するための手段」 本発明者等は、従来の異常部分分散性ガラス等
に関する上述の実状にかんがみ鋭意試験研究を重
ねた結果、P2O5系ガラスに特定含有量のR2O3
分、すなわちSb2O3,Bi2O3およびTl2O3の成分群
から選ばれた一種以上の成分および他のR2O3
分、すなわちY2O3,La2O3,Gd2O3,Yb2O3
Lu2O3,Ga2O3,In2O3およびAl2O3の成分群から
選ばれた一種以上の成分を必須的に共存させるこ
とにより、上記所望の諸特性を有する光学ガラス
が得られることを見出し、本発明をなすに至つ
た。 上記の目的を達成する本発明の負の異常部分分
散性を有する光学ガラスの特徴は、重量%で、 P2O5+GeO2 25〜65%、 ただし、 P2O5 5〜65%、 GeO2 0〜55%、 Sb2O3+Bi2O3+Tl2O3 0.5〜65%、 Sb2O3+Bi2O3+Tl2O3+PbO 34〜74%、 ただし、 Sb2O3 0〜50%、 Bi2O3 0〜25%、 Tl2O3 0〜20%、 PbO 0〜63%、 Y2O3+La2O3+Gd2O3+Yb2O3+Lu2O3+Ga2O3
+In2O3+Al2O3 1〜15%、 ただし、 Y2O3 0〜10%、 La2O3 0〜10%、 Gd2O3 0〜15%、 Yb2O3 0〜10%、 Lu2O3 0〜10%、 Ga2O3 0〜10%、 In2O3 0〜15%、 Al2O3 0〜5%、 Li2O+Na2O+K2O+Cs2O 0〜10%、 MgO+CaO+SrO+BaO 0〜20%、 ZnO 0〜20%、 As2O3 0〜10%、 および上記金属酸化物成分と置換した弗化物成分
のF2としての合計 0〜10% を含有するところにある。 つぎに、上記各成分の組成範囲を限定した理由
について述べる。 P2O5および添加成分としてのGeO2の各成分
は、本発明のガラスの主要なガラス形成酸化物で
あり、これらの成分の合計は、ガラスの安定性維
持のため、25%以上含有させる必要があり、30%
以上であれば一層好ましいが、65%を超えると所
定のνd値が得られなくなる。ただし、P2O5成分
は、その量が5%未満ではガラスが不安定とな
り、かつ着色性が増す。また、GeO2成分は、ガ
ラス化範囲を広げる効果があるが、その量が55%
を超えると所定の△νd値を得難くなるとともに
ガラスの溶融性が急に悪化するので好ましくな
い。 本発明のガラスにおいて、Sb2O3,Bi2O3およ
びTl2O3の各成分は、いずれも負の△νd値を増大
させるとともにガラスを安定化させる効果が顕著
であることをみいだされた重要な成分であるが、
これらの効果を発揮させるためには、これらの成
分の一種または二種以上の合計量は0.5〜65%の
範囲でなければならない。ただし、これらの成分
は、本発明のガラスの所定の△νd値及びνd値を
維持させるため、任意成分であるPbO成分との合
計量で34〜74%の範囲になければならない。この
際、Sb2O3が50%をBi2O3が25%をTl2O3が20%を
またPbOが63%を超えるとガラスはいずれも負の
△νd値を示し難くなるとともに紫外域の透過率
が低下しやすくなり、さらにPbOの場合はガラス
の耐摩耗性が過小となりやすくなる。本発明のガ
ラスにおいて、Y2O3,La2O3,Gd2O3,Yb2O3
Lu2O3,Ga2O3,In2O3およびAl2O3の各成分は、
ガラスの安定性および化学的耐久性の向上に効果
がある。これらの効果を発揮させるためには、こ
れらの成分の一種または二種以上の合計量は1〜
15%の範囲でなければならない。ただし、Y2O3
La2O3,Yb2O3およびLu2O3はそれぞれ10%をま
たGd2O3は15%を超えるといずれもガラスはかえ
つて不安定になりやすい。また、Ga2O3,In2O3
およびAl2O3の各成分がそれぞれ10%,15%およ
び5%を超えるといずれも負の△νd値を得難く
なり、しかもGa2O3とAl2O3の場合はガラスを不
安定にするとともに溶融性を悪化させ、In2O3
場合はガラスを着色しやすくする。 以下に述べる成分は、屈折率(Νd),νd,θg・
fおよび△νdの値を調整したり、耐失透性およ
び化学耐久性等の改善のため、本発明のガラス
に、必要に応じ、添加することができる。 すなわち、Li2O,Na2O,K2OおよびCs2Oの
各成分は、ガラスの溶融性改善のため、これらの
成分の一種または二種以上の合計を所定の△νd
値と安定性とを維持し得る範囲において10%ま
で、好ましくは5%まで添加できる。MgO,
CaO,SrO,BaOおよびZnOの各成分は、光学恒
数の調整のため、これらの成分の一種または二種
以上の合計をガラスの化学的耐久性や所定の△
νd値およびνd値を維持し得る範囲において20%
まで、このましくは10%まで添加し得る。As2O3
成分は、10%までならばガラスに潮解性を与える
ことなく添加することができる。また、ガラスの
光学恒数の調整と化学的耐久性改善のため、上記
金属酸化物の一種以上の成分の一部または全部と
置換した弗化物成分のF2としての合計量を10%
まで添加することができる。 なお、B2O3成分は、本発明のガラスの紫外域
における光線透過性を悪化させるので好ましい成
分ではないが、必要に応じ、数%程度含有させて
もさしつかえない。Ta2O5,Nb2O5,WO3
TeO2およびTiO2の各成分は、本発明のガラスを
着色する傾向を有するので好ましくないが、必要
に応じ、それぞれ数%程度含有させてもさしつか
えない。さらに、SiO2およびZrO2成分は、本発
明のガラスの溶融性を悪化させるが、それぞれ3
%および2%程度含有させることができる。 「実施例」 つぎに、本発明にかかる異常部分分散性ガラス
の実施組成例(No.1〜No.42)とこれらのガラスの
光学恒数(Νd,νd,θg・F,△νd)とともに表
−1に示した。また、これらとほぼ同等の光学恒
数を有する前記公知のP2O5−PbO系ガラスの比
較組成例(No.〜No.)を表−2に同様に示し
た。なお、△νd値は正常分散ガラスの標準とし
て選出された光学ガラスF2およびK7を用い、こ
れらのガラスのνd−θg・F座標上の2点を結ぶ
直線からの偏差で表わしている。 表−1および表−2には、各ガラスについて、
失透試験結果を示した。この失透試験は、白金製
の50c.c.ポツトに予め溶解して得た急冷ガラス試料
各80grを入れて、電気炉中で各ガラスの溶融性の
難易度に応じて、約900〜1250℃の温度で2時間
溶融した後、降温し、各試料を850℃および750℃
でそれぞれ1時間保温した後、炉外に取り出して
失透の有無を裸眼により観察したもので、その結
果、失透が認められないものを○印で、また失透
が多量に認められるものを×印で示した。表にみ
られるとおり、本説明の実施組成例のガラスは、
比較例(No.〜)のガラスが失透を生じたのに
対し、いずれもクリアーであり、耐失透性の改善
効果が明瞭である。 また、本発明の実施例のガラスの着色度(厚さ
10mmの対面研磨試料の光線透過率が80%を示す波
長(単位;nm)をもつて表わす)は、いずれも
約280〜390の範囲にあつて無色透明であり、優れ
た光線透過性を示している。さらに、日本光学硝
子工業会規格による粉末法の耐酸性試験結果は、
いずれも1〜3級であり、優れた化学的耐久性を
有している。 本発明の実施組成例のガラスは、いずれも白金
坩堝等の溶融装置を用いて、各種金属の燐酸塩、
硝酸塩、炭酸塩、酸化物および弗化物等からなる
混合原料を約850〜1200℃で溶融して攪拌均質化
し、ついで降温して、金型に鋳込んだりプレスし
たりした後、徐冷することにより容易に製造する
ことができる。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 「発明の効果」 上述のとおり、本発明の異常部分分散性光学ガ
ラスは、特定含有量の二群のR2O3成分からそれ
ぞれ選ばれた成分を含有させたP2O5系ガラスで
あるから、所定の△νd値とνd値とを維持しつつ、
従来のガラスに比べ、耐失透性、均質性、光線透
過性および化学的耐久性を総合的に改善すること
ができる。従つて、種々の用途の光学材料とし
て、また優れた光線透過性能が要求される紫外線
用窓ガラスや高エネルギー粒子の全吸収カウンタ
ー用ガラス等として量産し、役立たせることがで
きるので、産業上有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で、 P2O5+GeO2 25〜65%、 ただし、 P2O5 5〜65%、 GeO2 0〜55%、 Sb2O3+Bi2O3+Tl2O3 0.5〜65%、 Sb2O3+Bi2O3+Tl2O3+PbO 34〜74%、 ただし、 Sb2O3 0〜50%、 Bi2O3 0〜25%、 Tl2O3 0〜20%、 PbO 0〜63%、 Y2O3+La2O3+Gd2O3+Yb2O3+Lu2O3+Ga2O3
    +In2O3+Al2O3 1〜15%、 ただし、 Y2O3 0〜10%、 La2O3 0〜10%、 Gd2O3 0〜15%、 Yb2O3 0〜10%、 Lu2O3 0〜10%、 Ga2O3 0〜10%、 In2O3 0〜15%、 Al2O3 0〜5%、 Li2O+Na2O+K2O+Cs2O 0〜10%、 MgO+CaO+SrO+BaO 0〜20%、 ZnO 0〜20%、 As2O3 0〜10%、 および上記金属酸化物成分と置換した弗化物成分
    のF2としての合計 0〜10% を含有することを特徴とする異常部分分散性光学
    ガラス。
JP60061510A 1985-03-26 1985-03-26 異常部分分散性光学ガラス Granted JPS61251537A (ja)

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