JPH05239358A - 熱伝導性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

熱伝導性シリコーンゴム組成物

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JPH05239358A
JPH05239358A JP4463892A JP4463892A JPH05239358A JP H05239358 A JPH05239358 A JP H05239358A JP 4463892 A JP4463892 A JP 4463892A JP 4463892 A JP4463892 A JP 4463892A JP H05239358 A JPH05239358 A JP H05239358A
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JP
Japan
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silicone rubber
rubber composition
heat
parts
equivalent
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Application number
JP4463892A
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English (en)
Inventor
Satoshi Watanabe
聡志 渡辺
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い熱伝導性と良好な耐熱性と加工性を兼備
したシリコーンゴム組成物を提供する。 【構成】 水溶性マグネシウム塩1当量に対しアルカリ
性物質を0.95当量以下で反応させ水酸化マグネシウムを
合成し、造粒乾燥させたものを1100〜1600℃で焼成して
得られた酸化マグネシウムを配合したことを特徴とする
熱伝導性シリコーンゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は優れた耐熱性と熱伝導性と
加工性を有するシリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】近年、電気部品ある
いは電子部品の小型化に伴い、これら部品の作動中に発
生する熱を効率よく放散させることによって、その作動
温度を下げて安定化を図るとともに、部品の熱劣化を防
ぐ必要が益々増大してきている。具体例を挙げて説明す
れば、パワートランジスターやダイオードの如き発熱の
大きい部品に金属類の放熱フィンを取付けることがしば
しば行われるが、それらの組立てに際し両者間の熱伝達
を効率よく行わせるために、電気絶縁性を有するととも
に熱伝導性の良好なゴムシートより成る放熱シートを介
在させることが実施されている。かかる放熱シートは適
度の圧力をかけて取付けられることにより、固体〜固体
面間の空気が排除されるので熱伝達を確実に行わせるこ
とが出来る。前記したように、放熱シートを介在させな
い場合、電気部品や電子部品自体の熱伝導性は重要な特
性になってくる。従来から、硬化してゴム弾性体となる
シリコーンゴム組成物はよく知られており、その耐候
性、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性等の優れた性質を利用
して、電気電子部品のポッティング材、コーティング
材、型取り用等の成形材料、電線用材料等に広く使用さ
れている。また、このシリコーンゴム組成物に各種熱伝
導材料を配合することによって、熱伝導性を付与して用
いることも一般に行われている。熱伝導材料としては、
アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、粉砕石英な
どが知られているが、そのほとんどがモース硬度が高
く、コンパウンディングの際使用する混練機(例えば、
バンバリーやロール、ニーダー)の金属面を削ったり、
シリコーンに高充填した場合ゴム弾性を失わせたり、耐
熱性を低下させるなどの問題があった。酸化マグネシウ
ムも、熱伝導材料として使用されており、モース硬度が
6であり、前述の他の熱伝導材に比べて低く、コンパウ
ンディングの際の問題は生じない。しかし、酸化マグネ
シウムは、水または水蒸気により経時的に水和し、水酸
化マグネシウムに変化するという本質的な欠陥を抱えて
いた。その為、物性や電気特性の劣化・低下が見られ、
安心して使用できる材料とは言い難かった。この対策と
して特開昭61−85474 号に見られるように1600℃以上、
溶融温度未満で焼成する方法が提案されているが、この
方法では酸化マグネシウムの単結晶が破壊され、水また
は水蒸気結晶表面に種々の格子欠陥を生じ、外形が不定
形となり、シリコーンにおいては高充填が不可能という
問題があった。そのため、高い熱伝導性を得られなかっ
た。
【0003】
【発明の目的】本発明は上記課題を解決し、高い熱伝導
性と良好な耐熱性と加工性を兼備したシリコーンゴム組
成物を提供することを目的とする。
【0004】
【発明の構成】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、特殊な製造方法で製造された酸化マグネ
シウムをシリコーンに配合させると、選択的、特異的
に、高い熱伝導性と良好な耐熱性及び加工性を有するシ
リコーンゴムを提供できることを見出し、本発明を完成
するに到った。即ち、本発明は水溶性マグネシウム塩1
当量に対しアルカリ性物質を0.95当量以下で反応させ水
酸化マグネシウムを合成し、造粒乾燥させたものを1100
〜1600℃で焼成して得られた酸化マグネシウムを配
合したことを特徴とする熱伝導性シリコーンゴム組成物
である。
【0005】酸化マグネシウム(以下MgO と言う)
は、その製造法(焼成温度)により、軽焼焼成MgO(約 6
00℃〜900 ℃) と死焼焼成MgO(約1100〜1500℃) に大別
される。熱伝導材として供用されるのは後者のMgO であ
る。後者は、約2800℃の融点を有することがその理由と
なっている。本発明に用いられるMgO は死焼焼成法によ
るものであるが、水溶性マグネシウム塩(塩化マグネシ
ウムや硝酸マグネシウムなど)1当量に対し、アルカリ
性物質(水酸化カルシウム、アンモニア、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなど)を、0.95当量以下で、塩化
カルシウム水溶液などの水性媒体中において、比較的低
温(40℃以下)で反応させて、それを加熱(50〜120 ℃
程度)させ水酸化マグネシウムを合成し、これをスプレ
ードライヤー等で造粒乾燥させ、次いでこれを1100〜16
00℃で焼成して製造されたものである。これは通常の死
焼焼成法により製造されたものに比べ、アルカリ性物質
の当量限定や、反応・加熱工程での温度条件で大きな特
異性を有する。本発明に用いられるMgO の更に詳しい製
造法は、特開平2−213314号公報に記載されている通り
であり、又、市販品としても入手できる(商品名「パイ
ロキスマ3320」、「パイロキスマ5301」協和化学工業社
製)。本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、熱伝
導性付与剤が配合された熱伝導性シリコーンゴム組成物
において、前記製造方法で製造された酸化マグネシウム
を用いたことを特徴とするものである。業界通念では、
この様な工程を経て高温焼成された一次粒子径の微細な
酸化マグネシウムをエラストマーに配合すると、粒子同
士が凝集して分散不良を起こし、実用に耐えないとされ
ており、一般の樹脂に配合するには適するもののエラス
トマーには不適と考えられていた。ところが、一般のエ
ラストマーに比べて分子凝集エネルギーが格段に低いシ
リコーンゴムにだけは粒子凝集が見られず、良好なコン
パウンドとなることを本発明者は見出したのである。
【0006】本発明の導電性シリコーゴム組成物は、基
本的には常温または加熱等によって硬化させることによ
りゴム弾性体となる(A)ポリオルガノシロキサン組成
物に、(B)水溶性マグネシウム塩1当量に対し、アル
カリ性物質を0.95当量以下で反応させ水酸化マグネシウ
ムを合成し、造粒乾燥させたものを1100〜1600℃で焼成
して得られた酸化マグネシウムを配合したものである。
配合量は特に問わないが、ポリシロキサンベースポリマ
ー100 重量部に対し、前述のMgO は、10〜1000重量部、
望ましくは 100〜600 重量部である。
【0007】上記(A)成分のポリオルガノシロキサン
組成物は、(a)ポリオルガノシロキサンベースポリマ
ーと、(b)硬化剤と、必要に応じて各種添加剤等とを
均一に分散させたものである。このような組成物に用い
られる各種成分のうち、(a)ポリオルガノシロキサン
ベースポリマーと(b)硬化剤とは、ゴム弾性体を得る
ための反応機構に応じて適宜選択されるものである。そ
の反応機構としては、(1) 有機過酸化物加硫剤による架
橋方法、(2) 縮合反応による方法、(3) 付加反応による
方法等が知られており、その反応機構によって、(a)
成分と(b)成分すなわち硬化用触媒もしくは架橋剤と
の好ましい組合せが決まることは周知である。このよう
な各種の反応機構において用いられる(a)成分のベー
スポリマーとしてのポリオルガノシロキサンにおける有
機基は、1価の置換または非置換の炭化水素基であり、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、ドデシル基のようなアルキル基、フェニル基のよう
なアリール基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプ
ロピル基のようなアラルキル基等の非置換の炭化水素基
や、クロロメチル基、3,3,3 −トリフルオロプロピル基
等の置換炭化水素基が例示される。なお、一般的にはメ
チル基が合成のし易さ等から多用される。
【0008】以下、上記(1) 〜(3) の夫々の反応機構に
おける(a)ポリオルガノシロキサンベースポリマー
と、(b)硬化剤とについて説明する。先ず、上記(1)
の架橋方法を適用する場合においては、通常、(a)成
分のベースポリマーとしては、1分子中のケイ素原子に
結合した有機基のうち、少なくとも2個がビニル、プロ
ペニル、ブテニル、ヘキセニルなどのアルケニル基であ
るポリオルガノシロキサンが用いられる。特に合成の容
易さ、原料の入手のし易さから、上記基の中でもビニル
基が好ましい。また、(b)成分の硬化剤としては、ベ
ンゾイルペルオキシド、2,4 −ジクロロベンゾイルペル
オキシド、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチル
ペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ−t−ブチル
ペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド等の
各種の有機過酸化物加硫剤が用いられ、特に低い圧縮永
久歪みを与えることから、ジクミルペルオキシド、クミ
ル−t−ブチルペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −
ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペ
ルオキシドが好ましい。なお、これらの有機過酸化物加
硫剤は、1種または2種以上の混合物として用いられ
る。(b)成分の硬化剤である有機過酸化物の配合量
は、(a)成分のポリオルガノシロキサンベースポリマ
ー100 重量部に対し0.05〜15重量部の範囲が好ましい。
有機過酸化物の配合量が0.05重量部未満では加硫が十分
に行われず、15重量部を超えて配合してもそれ以上の格
別な効果がないばかりか、得られたシリコーンゴムの物
性に悪影響を与えることがあるからである。
【0009】また、上記(2) の縮合反応を適用する場合
においては、(a)成分のベースポリマーとしては両末
端に水酸基を有するポリオルガノシロキサンが用いられ
る。(b)成分の硬化剤としては、まず架橋剤として、
エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルト
リス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メト
キシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン
等のアルコキシ型;メチルトリアセトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン等のアセトキシ型;メチルトリ
(アセトンオキシム)シラン、ビニルトリ(アセトンオ
キシム)シラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシ
ム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シ
ラン等、およびその部分加水分解物が例示される。ま
た、ヘキサメチル−ビス(ジエチルアミノキシ)シクロ
テトラシロキサン、テトラメチルジブチル−ビス(ジエ
チルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ヘプタメチ
ル(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ペ
ンタメチル−トリス(ジエチルアミノキシ)シクロテト
ラシロキサン、ヘキサメチル−ビス(メチルエチルアミ
ノキシ)シクロテトラシロキサン、テトラメチル−ビス
(ジエチルアミノキシ)−モノ(メチルエチルアミノキ
シ)シクロテトラシロキサンのような環状シロキサン等
も例示される。このように、架橋剤はシランやシロキサ
ン構造のいずれでもよく、またそのシロキサン構造は直
鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。さらに、こ
れらを使用する際には、1種類に限定される必要はな
く、2種以上の併用も可能である。また、(b)成分の
硬化剤のうち、硬化用触媒としては、鉄オクトエート、
コバルトオクトエート、マンガンオクトエート、スズナ
フテネート、スズカプリレート、スズオレエートのよう
なカルボン酸金属塩;ジメチルスズジオレエート、ジメ
チルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジ
ブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレー
ト、ジブチルスズジオレエート、ジフェニルスズジアセ
テート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシ
ド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオ
クチルスズジラウレートのような有機スズ化合物が用い
られる。(b)成分の硬化剤のうち、上記架橋剤の配合
量は(a)成分のベースポリマー100 重量部に対し 0.1
〜20重量部が好ましい。架橋剤の使用量が0.1 重量部未
満では、硬化後のゴムに充分な強度が得られず、また20
重量部を超えると得られるゴムが脆くなり、いずれも実
用に耐え難い。また、硬化用触媒の配合量は(a)成分
のベースポリマー100 重量部に対し0.01〜5重量部が好
ましい。これより少ない量では硬化用触媒として不十分
であって、硬化に長時間を要し、また空気との接触面か
ら遠い内部での硬化が不良となる。他方、これよりも多
い場合には、保存安定性が低下してしまう。より好まし
い配合量の範囲としては、0.1 〜3重量部の範囲であ
る。
【0010】上記(3) の付加反応を適用する場合の
(a)成分のベースポリマーとしては、上記(1) におけ
るベースポリマーと同様なものが用いられる。また、
(b)成分の硬化剤としては、硬化用触媒として、塩化
白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯
体、白金黒、白金トリフェニルホスフィン錯体等の白金
系触媒が用いられ、架橋剤として、ケイ素原子に結合し
た水素原子が1分子中に少なくとも平均2個を超える数
を有するポリオルガノシロキサンが用いられる。(b)
成分の硬化剤のうち、硬化用触媒の配合量は、(a)成
分のベースポリマーに対し白金元素量で1〜1000ppm の
範囲となる量が好ましい。硬化用触媒の配合量が白金元
素量として1ppm 未満では、充分に硬化が進行せず、ま
た1000ppm を超えても特に硬化速度の向上等が期待でき
ない。また、架橋剤の配合量は、(a)成分中のアルケ
ニル基1個に対し、架橋剤中のケイ素原子に結合した水
素原子が 0.5〜4.0 個となるような量が好ましく、さら
に好ましくは 1.0〜3.0 個となるような量である。水素
原子の量が 0.5個未満である場合は、組成物の硬化が充
分に進行せずに、硬化後の組成物の硬さが低くなり、ま
た水素原子の量が4.0 個を超えると硬化後の組成物の物
理的性質と耐熱性が低下する。本発明の導電性シリコー
ンゴム組成物において、上記硬化機構およびポリシロキ
サンベースポリマーは特に限定されるものではないが、
導電特性の点からは(3) の付加反応、または(1) の有機
過酸化物加硫によるものが好ましく、またポリシロキサ
ンベースポリマーの重合度は1000以上のもの、いわゆる
ミラブル型と称するものが好ましい。これは、混合時の
剪断応力が適度であるために、配合によって前述の効果
がより発揮されるものと推察される。
【0011】なお、本発明の導電性シリコーンゴム組成
物には、補強性充填剤、耐熱性向上剤、難燃剤等の各種
添加剤を随時付加的に配合してもよい。このようなもの
としては、通常、煙霧質シリカ、沈澱法シリカ、けいそ
う土等の補強性充填剤、酸化アルミニウム、マイカ、ク
レイ、炭酸亜鉛、ガラスビーズ、ポリジメチルシロキサ
ン、アルケニル基含有ポリシロキサン等が例示される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、以下の文中における「部」は、全て「重量部」を示
すものとする。 参考例1 本実施例に用いられている酸化マグネシウムの製造を参
考例として下記に示す。特開平2−213314号公報記載の
方法に準じ、塩化マグネシウム1当量に対し、水酸化カ
ルシウム0.90当量を水中において25℃で反応させる。そ
の反応物と反応液を100 ℃に加熱して、水酸化マグネシ
ウムを得た。これは、平均2次粒子径2μm 以下、BE
T比表面積15〜60m2/g の高分散性微結晶である。これ
をスプレードライヤーで造粒乾燥し、約1400℃で焼成
し、平均粒径1μm の酸化マグネシウム(MgO −1)、
及び平均粒径20μm の酸化マグネシウム(MgO −2)を
得た。
【0013】実施例1、比較例1 末端がトリメチルシリル基で閉塞され、メチルビニルシ
ロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシロキ
サン(重合度約6000)100 部に、熱伝導性充填剤として
前記MgO −1を 350部、ニーダーに仕込み、混練を行っ
てコンパウンドがまとまってから取り出した。これに、
架橋剤として、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ−t−ブチル
パーオキシヘキサン0.5 部を均一に混合し、熱伝導性シ
リコーンゴム組成物を調製した。また比較例1として、
水溶性マグネシウム塩1当量に対しアルカリ性物質1当
量の割合で反応させ、その後の工程は本発明品と同様に
して製造したMgO (比較MgO −A)を同等量用いたもの
を調製した。 実施例2、比較例2〜3 末端がジメチルビニルシリル基であり、メチルビニルシ
ロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシロキ
サン(重合度約6000)100 部に、熱伝導性充填剤として
前記MgO −2を400 部、補強性シリカ・アエロジル130
(商品名、日本アエロジル社製)を10部の割合でニーダ
ーに仕込み、混練を行ってコンパウンドがまとまってか
ら取り出した。これに、架橋剤として、2,5 −ジメチル
−2,5 −ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.5 部を均
一に混合し、熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製し
た。また、本発明との比較として、最終焼成温度を2000
℃とした以外は上記本発明品の場合と同様にして製造し
たMgO (比較MgO −B)を同量配合した以外は、実施例
2と同様にして熱伝導性シリコーンゴム組成物(比較例
2)を調製した。また、MgO の代わりにアルミナ(商品
名「AS−40」昭和電工社製)を用いたもの(比較例3)
を調製した。
【0014】このようにして得た各熱伝導性シリコーン
ゴム組成物を用いて、以下に示す方法により特性を評価
した。まず、ロール作業性、シーティング性能を確認す
る目的で、ロールにてシート出しして、その様子を評価
した。ロールは、8インチテストロールを用い、ゴム寄
せ板間隔を20cmとし、バンクをロール上に作りつつシー
ティングした。シート厚は、1mmおよび3mmそれぞれに
ついて行い、シーティングできるかどうかを確認した。
又、そのシートにおいて、コンパウンドの分散性を光源
100Wの電球にシートをかざして確認した。シーティン
グできなかったものは、人為的にシートを製造した。ま
た、上記各熱伝導性シリコーンゴム組成物を2mm厚シー
トとし、170 ℃×10分間の条件でプレス加硫を行った
後、二次加硫として 200℃×4時間の条件であと加硫を
行い、常温に戻して24時間経過後に、各ゴムシートの硬
度、引張強さ、伸びを JIS-K6301(加硫ゴム物理試験方
法)に従って測定した。また耐熱試験として、220 ℃×
96時間恒温槽に入れ、室温に戻して、24時間経過後に、
各物性を測定し、耐熱性能の比較とした。さらに、熱伝
導率をQTM 迅速熱伝導率計(商品名、京都電子工業
(株)製)を用いて測定した。これらの評価結果を各組
成物の配合比と併せて表1に示す。
【0015】
【表1】
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】近年、電気部品あるいは電子部品の小型化
に伴い、これら部品の作動中に発生する熱を効率よく放
散させることによって、その作動温度を下げて安定化を
図るとともに、部品の熱劣化を防ぐ必要が増々増大して
きている。具体例を挙げて説明すれば、パワートランジ
スターやダイオードの如き発熱の大きい部品に金属類の
放熱フィンを取付けることがしばしば行われるが、それ
らの組立てに際し両者間の熱伝達を効率よく行わせるた
めに、電気絶縁性を有するとともに熱伝導性の良好なゴ
ムシートより成る放熱シートを介在させることが実施さ
れている。かかる放熱シートは適度の圧力をかけて取付
けられることにより、固体〜固体面間の空気が排除され
るので熱伝達を確実に行わせることが出来る。前記した
ように、放熱シートを介在させない場合、電気部品や電
子部品自体の熱伝導性は重要な特性になってくる。従来
から、硬化してゴム弾性体となるシリコーンゴム組成物
はよく知られており、その耐候性、耐熱性、耐寒性、電
気絶縁性等の優れた性質を利用して、電気電子部品のポ
ッティング材、コーティング材、型取り用等の成形材
料、電線用材料等に広く使用されている。また、このシ
リコーンゴム組成物に各種熱伝導材料を配合することに
よって、熱伝導性を付与して用いることも一般に行われ
ている。熱伝導材料としては、アルミナ、窒化アルミニ
ウム、窒化ホウ素、粉砕石英などが知られているが、そ
のほとんどがモース硬度が高く、コンパウンディングの
際使用する混練機(例えば、バンバリーやロール、ニー
ダー)の金属面を削ったり、シリコーンに高充填した場
合ゴム弾性を失わせたり、耐熱性を低下させるなどの問
題があった。酸化マグネシウムも、熱伝導材料として使
用されており、モース硬度が6であり、前述の他の熱伝
導材に比べて低く、コンパウンディングの際の問題は生
じない。しかし、酸化マグネシウムは、水または水蒸気
により経時的に水和し、水酸化マグネシウムに変化する
という本質的な欠陥を抱えていた。その為、物性や電気
特性の劣化・低下が見られ、安心して使用できる材料と
は言い難かった。この対策として特開昭61−85474 号に
見られるように1600℃以上、溶融温度未満で焼成する方
法が提案されているが、この方法では酸化マグネシウム
の単結晶が破壊され、水または水蒸気結晶表面に種々の
格子欠陥を生じ、外形が不定形となり、シリコーンにお
いては高充填が不可能という問題があった。そのため、
高い熱伝導性を得られなかった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】酸化マグネシウム(以下MgO と言う)は、
その製造法(焼成温度)により、軽焼焼成MgO(約 600℃
〜900 ℃) と死焼焼成MgO(約1100〜1500℃) に大別され
る。熱伝導材として供用されるのは後者のMgO である。
後者は、約2800℃の融点を有することがその理由となっ
ている。本発明に用いられるMgO は死焼焼成法によるも
のであるが、水溶性マグネシウム塩(塩化マグネシウム
や硝酸マグネシウムなど)1当量に対し、アルカリ性物
質(水酸化カルシウム、アンモニア、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなど)を、0.95当量以下で、塩化カ
ルシウム水溶液などの水性媒体中において、比較的低温
(40℃以下)で反応させて、それを加熱(50〜120 ℃程
度)させ水酸化マグネシウムを合成し、これをスプレー
ドライヤー等で造粒乾燥させ、次いでこれを1100〜1600
℃で焼成して製造されたものである。これは通常の死焼
焼成法により製造されたものに比べ、アルカリ性物質の
当量限定や、反応・加熱工程での温度条件で大きな特異
性を有する。本発明に用いられるMgO の更に詳しい製造
法は、例えば特開平2−212314号公報に記載されてお
り、又、市販品としても入手できる(商品名「パイロキ
スマ3320」、「パイロキスマ5301」協和化学工業社
製)。本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、熱伝
導性付与剤が配合された熱伝導性シリコーンゴム組成物
において、前記製造方法で製造された酸化マグネシウム
を用いたことを特徴とするものである。業界通念では、
この様な工程を経て高温焼成された一次粒子径の微細な
酸化マグネシウムをエラストマーに配合すると、粒子同
士が凝集して分散不良を起こし、実用に耐えないとされ
ており、一般の樹脂に配合するには適するもののエラス
トマーには不適と考えられていた。ところが、一般のエ
ラストマーに比べて分子凝集エネルギーが格段に低いシ
リコーンゴムにだけは粒子凝集が見られず、良好なコン
パウンドとなることを本発明者は見出したのである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明の熱伝導性シリコーゴム組成物は、
基本的には常温または加熱等によって硬化させることに
よりゴム弾性体となる(A)ポリオルガノシロキサン組
成物に、(B)水溶性マグネシウム塩1当量に対し、ア
ルカリ性物質を0.95当量以下で反応させ水酸化マグネシ
ウムを合成し、造粒乾燥させたものを1100〜1600℃で焼
成して得られた酸化マグネシウムを配合したものであ
る。配合量は特に問わないが、ポリシロキサンベースポ
リマー100 重量部に対し、前述のMgO は、10〜1000重量
部、望ましくは 100〜600 重量部である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】上記(3) の付加反応を適用する場合の
(a)成分のベースポリマーとしては、上記(1) におけ
るベースポリマーと同様なものが用いられる。また、
(b)成分の硬化剤としては、硬化用触媒として、塩化
白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯
体、白金黒、白金トリフェニルホスフィン錯体等の白金
系触媒が用いられ、架橋剤として、ケイ素原子に結合し
た水素原子が1分子中に少なくとも平均2個を超える数
を有するポリオルガノシロキサンが用いられる。(b)
成分の硬化剤のうち、硬化用触媒の配合量は、(a)成
分のベースポリマーに対し白金元素量で1〜1000ppm の
範囲となる量が好ましい。硬化用触媒の配合量が白金元
素量として1ppm 未満では、充分に硬化が進行せず、ま
た1000ppm を超えても特に硬化速度の向上等が期待でき
ない。また、架橋剤の配合量は、(a)成分中のアルケ
ニル基1個に対し、架橋剤中のケイ素原子に結合した水
素原子が 0.5〜4.0 個となるような量が好ましく、さら
に好ましくは 1.0〜3.0 個となるような量である。水素
原子の量が 0.5個未満である場合は、組成物の硬化が充
分に進行せずに、硬化後の組成物の硬さが低くなり、ま
た水素原子の量が4.0 個を超えると硬化後の組成物の物
理的性質と耐熱性が低下する。本発明の熱伝導性シリコ
ーンゴム組成物において、上記硬化機構およびポリシロ
キサンベースポリマーは特に限定されるものではない
が、熱伝導特性の点からは(3) の付加反応、または(1)
の有機過酸化物加硫によるものが好ましく、またポリシ
ロキサンベースポリマーの重合度は1000以上のもの、い
わゆるミラブル型と称するものが好ましい。これは、混
合時の剪断応力が適度であるために、配合によって前述
の効果がより発揮されるものと推察される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】なお、本発明の熱伝導性シリコーンゴム組
成物には、補強性充填剤、耐熱性向上剤、難燃剤等の各
種添加剤を随時付加的に配合してもよい。このようなも
のとしては、通常、煙霧質シリカ、沈澱法シリカ、けい
そう土等の補強性充填剤、酸化アルミニウム、マイカ、
クレイ、炭酸亜鉛、ガラスビーズ、ポリジメチルシロキ
サン、アルケニル基含有ポリシロキサン等が例示され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性マグネシウム塩1当量に対しアル
    カリ性物質を0.95当量以下で反応させ水酸化マグネシウ
    ムを合成し、造粒乾燥させたものを1100〜1600℃で焼成
    して得られた酸化マグネシウムを配合したことを特徴と
    する熱伝導性シリコーンゴム組成物。
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