JPH05238936A - カルシトリオールの水性液剤 - Google Patents
カルシトリオールの水性液剤Info
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- JPH05238936A JPH05238936A JP7836592A JP7836592A JPH05238936A JP H05238936 A JPH05238936 A JP H05238936A JP 7836592 A JP7836592 A JP 7836592A JP 7836592 A JP7836592 A JP 7836592A JP H05238936 A JPH05238936 A JP H05238936A
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- Japan
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- calcitriol
- aqueous liquid
- stabilized
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は医薬品として有用な安定化さ
れたカルシトリオールの水性液剤を提供することにあ
る。 【構成】 本発明はカルシトリオール、非イオン性界面
活性剤およびアスコルビン酸またはその塩を含有し、キ
レート化剤を含有しないpH6.5 〜7.8 のカルシトリオ
ールの水性液剤に関する。 【効果】 本発明の水性液剤は、キレート化剤を含まな
いにもかかわらず、被安定化化合物たるカルシトリオー
ルが長期にわって安定に存在でき、かつ、ほとんど黄色
に着色されないものである。
れたカルシトリオールの水性液剤を提供することにあ
る。 【構成】 本発明はカルシトリオール、非イオン性界面
活性剤およびアスコルビン酸またはその塩を含有し、キ
レート化剤を含有しないpH6.5 〜7.8 のカルシトリオ
ールの水性液剤に関する。 【効果】 本発明の水性液剤は、キレート化剤を含まな
いにもかかわらず、被安定化化合物たるカルシトリオー
ルが長期にわって安定に存在でき、かつ、ほとんど黄色
に着色されないものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬品として有用なカル
シトリオールの安定化水性液剤に関する。
シトリオールの安定化水性液剤に関する。
【0002】
【従来技術】活性型ビタミンD3 類のひとつであるカル
シトリオール( すなわち、1α,25−ジヒドロキシコレ
カルシフェロール)は、化学的に不安定であり、特に水
溶液においては速やかに分解することが知られている。
シトリオール( すなわち、1α,25−ジヒドロキシコレ
カルシフェロール)は、化学的に不安定であり、特に水
溶液においては速やかに分解することが知られている。
【0003】活性型ビタミンD3 類の水溶液における安
定化に関しては次の先行文献が知られている。 特開昭62-17 号公報 特公昭61-44845号公報(米国特許4,308,264 号公
報) 国際公開 WO 90/03173 号公報 文献はアラニンやバニリン、リジンの如きアミノ酸に
よる1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 の安定化に関す
るものである。文献およびは、アスコルビン酸また
はその塩とキレート化剤とが共同してビタミンD3 類の
安定化を図ることを内容とするものである。
定化に関しては次の先行文献が知られている。 特開昭62-17 号公報 特公昭61-44845号公報(米国特許4,308,264 号公
報) 国際公開 WO 90/03173 号公報 文献はアラニンやバニリン、リジンの如きアミノ酸に
よる1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 の安定化に関す
るものである。文献およびは、アスコルビン酸また
はその塩とキレート化剤とが共同してビタミンD3 類の
安定化を図ることを内容とするものである。
【0004】更に詳記すれば、文献には次の通り記載
されている。「不活性雰囲気下の存在下にpH6.4 〜7.
8 で非イオン性界面活性剤で水に可溶化され、そしてア
スコルビン酸金属塩とキレート化剤との組合せで安定化
された1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールの
低カルシュウム血症を防止するのに治療上有効な量から
成る1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールの安
定化された水性製薬組成物。」この文献におけるキレ
ート化剤としてはEDTA・2Naが具体的に用いられてい
る。この文献によれば、このような構成をとらない限り
カルシトリオールの水溶液での安定化は達成できないと
されている。
されている。「不活性雰囲気下の存在下にpH6.4 〜7.
8 で非イオン性界面活性剤で水に可溶化され、そしてア
スコルビン酸金属塩とキレート化剤との組合せで安定化
された1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールの
低カルシュウム血症を防止するのに治療上有効な量から
成る1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールの安
定化された水性製薬組成物。」この文献におけるキレ
ート化剤としてはEDTA・2Naが具体的に用いられてい
る。この文献によれば、このような構成をとらない限り
カルシトリオールの水溶液での安定化は達成できないと
されている。
【0005】また、文献には次の通り記載されてい
る。「非イオン性界面活性剤で水に可溶化され、クエン
酸,酒石酸及びそれらの金属塩からなる群から選ばれる
一種又は二種以上のキレート化剤と、抗酸化剤とで安定
化された活性型ビタミンD3 類の水性液剤。」すなわ
ち、この文献の発明は文献の発明の改良発明に該当
する。ここにおける抗酸化剤としては、主としてアスコ
ルビン酸またはその塩が用いられており、被安定化物質
としてはカルシトリオールとは異なる1α,24−ジヒド
ロキシコレカルシフェロールが実施例に記載されてい
る。この文献では、EDTA・2Naの代わりにクエン酸ナ
トリウムの如きキレート化剤を用いれば活性型ビタミン
D3類がより一層安定化されるとされている。
る。「非イオン性界面活性剤で水に可溶化され、クエン
酸,酒石酸及びそれらの金属塩からなる群から選ばれる
一種又は二種以上のキレート化剤と、抗酸化剤とで安定
化された活性型ビタミンD3 類の水性液剤。」すなわ
ち、この文献の発明は文献の発明の改良発明に該当
する。ここにおける抗酸化剤としては、主としてアスコ
ルビン酸またはその塩が用いられており、被安定化物質
としてはカルシトリオールとは異なる1α,24−ジヒド
ロキシコレカルシフェロールが実施例に記載されてい
る。この文献では、EDTA・2Naの代わりにクエン酸ナ
トリウムの如きキレート化剤を用いれば活性型ビタミン
D3類がより一層安定化されるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、カルシトリオール含有水性液剤において、
キレート化剤を用いることなく安定化され、かつ、黄色
に着色しない水性液剤を開発することにある。
する課題は、カルシトリオール含有水性液剤において、
キレート化剤を用いることなく安定化され、かつ、黄色
に着色しない水性液剤を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルシトリオ
ール、非イオン性界面活性剤およびアスコルビン酸また
はその塩を含有し、キレート化剤を含有しないpH6.5
〜7.8 のカルシトリオールの水性液剤に関する。
ール、非イオン性界面活性剤およびアスコルビン酸また
はその塩を含有し、キレート化剤を含有しないpH6.5
〜7.8 のカルシトリオールの水性液剤に関する。
【0008】カルシトリオールは、最終水性製剤におい
て0.5 〜12μg/ml、好ましくは1〜5μg/mlの濃度と
なるような量が用いられる。
て0.5 〜12μg/ml、好ましくは1〜5μg/mlの濃度と
なるような量が用いられる。
【0009】非イオン性界面活性剤はカルシトリオール
の可溶化剤として機能するものであればいずれでもよ
い。その例としては、ポリオキシエチレン(20)ソルビタ
ンモノラウレート(ポリソルベート20)およびポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノオレート(ポリソルベー
ト80)の如きポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(日光ケミ
カル社のHCO−60)の如きポリエチレン硬化ヒマシ油
誘導体類、セスキオレイン酸ソルビタン(日光ケミカル
社のSO−15R)の如きソルビタン脂肪酸エステル
類、モノステアリン酸グリセリン(日光ケミカル社のM
GS−ASE)の如きグリセリン脂肪酸エステル類など
が挙げられ、ポリソルベート20や同80、HCO−60が好
適である。非イオン性界面活性剤の量は、カルシトリオ
ールを水に可溶化するに足る量が用いられ、具体的には
最終水性液剤の10W/V %(以下、%という)以下、好ま
しくは0.1 〜2%の範囲内から選択される。
の可溶化剤として機能するものであればいずれでもよ
い。その例としては、ポリオキシエチレン(20)ソルビタ
ンモノラウレート(ポリソルベート20)およびポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノオレート(ポリソルベー
ト80)の如きポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(日光ケミ
カル社のHCO−60)の如きポリエチレン硬化ヒマシ油
誘導体類、セスキオレイン酸ソルビタン(日光ケミカル
社のSO−15R)の如きソルビタン脂肪酸エステル
類、モノステアリン酸グリセリン(日光ケミカル社のM
GS−ASE)の如きグリセリン脂肪酸エステル類など
が挙げられ、ポリソルベート20や同80、HCO−60が好
適である。非イオン性界面活性剤の量は、カルシトリオ
ールを水に可溶化するに足る量が用いられ、具体的には
最終水性液剤の10W/V %(以下、%という)以下、好ま
しくは0.1 〜2%の範囲内から選択される。
【0010】アスコルビン酸またはその塩は、カルシト
リオールの安定化剤として機能する。アスコルビン酸の
塩としては、ナトリウム塩の如き金属塩が好適である。
アスコルビン酸またはその塩の配合量が多いと水性液剤
が時間の経過とともに黄色に着色し、少ないとカルシト
リオールの安定化効果が低下する。従って、その量はあ
る程度限定された範囲内から選択される。一般的には1
%以下、好ましくは0.05〜0.25 %、特に好ましくは0.
1 %前後の範囲内から選ばれる。
リオールの安定化剤として機能する。アスコルビン酸の
塩としては、ナトリウム塩の如き金属塩が好適である。
アスコルビン酸またはその塩の配合量が多いと水性液剤
が時間の経過とともに黄色に着色し、少ないとカルシト
リオールの安定化効果が低下する。従って、その量はあ
る程度限定された範囲内から選択される。一般的には1
%以下、好ましくは0.05〜0.25 %、特に好ましくは0.
1 %前後の範囲内から選ばれる。
【0011】本発明の水性液剤のpHは、6.5 〜7.8 、
好ましくは6.8 〜7.5 、特に好ましくは7.0 〜7.2 の範
囲に調整される。
好ましくは6.8 〜7.5 、特に好ましくは7.0 〜7.2 の範
囲に調整される。
【0012】このほか本発明の水性液剤には等張化剤た
る塩化ナトリウムや緩衝化剤、着色防止剤たるピロ亜硫
酸ナトリウムなどが適宜溶解される。ピロ亜硫酸ナトリ
ウムは、1%以下、好ましくは0.005 〜0.7 %、特に好
ましくは0.05〜0.4 %の範囲の濃度で使用される。
る塩化ナトリウムや緩衝化剤、着色防止剤たるピロ亜硫
酸ナトリウムなどが適宜溶解される。ピロ亜硫酸ナトリ
ウムは、1%以下、好ましくは0.005 〜0.7 %、特に好
ましくは0.05〜0.4 %の範囲の濃度で使用される。
【0013】次に本発明の水性液剤の製造法について説
明する。まず、非イオン性界面活性剤の必要量をとり、
これに一定量のカルシトリオールを溶解せしめる。非イ
オン性界面活性剤が常温で固体であるときは溶融して用
いる。別に、蒸留水を用意し、これに前記カルシトリオ
ール溶液およびアスコルビン酸ナトリウムを加え、ゆっ
くり攪拌して均一な溶液となす。この際、所望により等
張化剤、緩衝化剤、黄色着色防止剤などを溶解する。こ
の水溶液のpHを常法により6.5 〜7.8 に調節して本発
明の水性液剤を製造することができる。この溶液は必要
に応じて無菌濾過あるいは加熱滅菌をしてアンプルのよ
うな容器、好ましくは着色あるいは遮光容器に充填され
る。最も好ましい製造方法は、全工程を不活性雰囲気下
で行い、かつ、液体材料は煮沸・冷却・減圧などの手段
により溶存酸素を可能な限り排出し、そして容器に充填
後は容器内の空気を不活性気体で置換することである。
このように処理することにより水性液剤中の溶存酸素
は、およそ1ppm 以下となる。
明する。まず、非イオン性界面活性剤の必要量をとり、
これに一定量のカルシトリオールを溶解せしめる。非イ
オン性界面活性剤が常温で固体であるときは溶融して用
いる。別に、蒸留水を用意し、これに前記カルシトリオ
ール溶液およびアスコルビン酸ナトリウムを加え、ゆっ
くり攪拌して均一な溶液となす。この際、所望により等
張化剤、緩衝化剤、黄色着色防止剤などを溶解する。こ
の水溶液のpHを常法により6.5 〜7.8 に調節して本発
明の水性液剤を製造することができる。この溶液は必要
に応じて無菌濾過あるいは加熱滅菌をしてアンプルのよ
うな容器、好ましくは着色あるいは遮光容器に充填され
る。最も好ましい製造方法は、全工程を不活性雰囲気下
で行い、かつ、液体材料は煮沸・冷却・減圧などの手段
により溶存酸素を可能な限り排出し、そして容器に充填
後は容器内の空気を不活性気体で置換することである。
このように処理することにより水性液剤中の溶存酸素
は、およそ1ppm 以下となる。
【0014】かくして得られる本発明の水性液剤は非経
口剤(なかんずく注射剤)や経口剤として用いられる。
口剤(なかんずく注射剤)や経口剤として用いられる。
【0015】
【発明の効果】本発明の水性液剤はキレート化剤を含ま
ないにもかかわらず、被安定化化合物たるカルシトリオ
ールが長期にわたって安定に存在でき、かつ、ほとんど
黄色に着色されないものである。
ないにもかかわらず、被安定化化合物たるカルシトリオ
ールが長期にわたって安定に存在でき、かつ、ほとんど
黄色に着色されないものである。
【0016】
【実施例】次に実施例ならびに試験例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。実施例1〜5ならびにAおよびB 処 方
をさらに具体的に説明する。実施例1〜5ならびにAおよびB 処 方
【0017】
【表1】 *表中の量は最終水性液剤1mlあたりの量を示す。 **ポリソルベート20 ***アスコルビン酸Na
【0018】調製法 窒素雰囲気下でポリソルベート20の所定量を溶融(60
℃) し、これにカルシトリオールの所定量を加え、ゆっ
くり攪拌して均一な溶液となった後に室温に冷却する。
注射用蒸留水を煮沸し、冷却する。これに前記カルシト
リオール溶液および所定量の残余成分を加え、窒素雰囲
気下でゆっくり攪拌し、均一な溶液となし、その一部に
ついてpHをチェック(pH7.1 )する。溶液を無菌濾
過し、1.25ml容量の褐色アンプルに1mlづつ充填し、ア
ンプルの頭部空間部の空気を窒素ガスで置換し、アンプ
ルを熔封し、目的の水性液剤を得る。
℃) し、これにカルシトリオールの所定量を加え、ゆっ
くり攪拌して均一な溶液となった後に室温に冷却する。
注射用蒸留水を煮沸し、冷却する。これに前記カルシト
リオール溶液および所定量の残余成分を加え、窒素雰囲
気下でゆっくり攪拌し、均一な溶液となし、その一部に
ついてpHをチェック(pH7.1 )する。溶液を無菌濾
過し、1.25ml容量の褐色アンプルに1mlづつ充填し、ア
ンプルの頭部空間部の空気を窒素ガスで置換し、アンプ
ルを熔封し、目的の水性液剤を得る。
【0019】試験例1 アスコルビン酸またはその塩の最適濃度を検討するため
に実施例1〜4で得た水性液剤を含むアンプルを遮光下
に40℃で3ケ月間放置し、カルシトリオールの残存率
(%) および着色度(430nm における吸光度) を調べ、表
2の結果を得た。なお、カルシトリオールの定量は高速
液体クロマトグラフィー法により定量した。
に実施例1〜4で得た水性液剤を含むアンプルを遮光下
に40℃で3ケ月間放置し、カルシトリオールの残存率
(%) および着色度(430nm における吸光度) を調べ、表
2の結果を得た。なお、カルシトリオールの定量は高速
液体クロマトグラフィー法により定量した。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示すようにアスコルビン酸ナトリウ
ムの濃度が少なくとも0.05%以上であれば、40℃で少な
くとも3ケ月にわたってカルシトリオールが安定化され
る。アスコルビン酸ナトリウム濃度が高くなるにつれて
着色する傾向がある。しかし、アスコルビン酸ナトリウ
ム濃度が1%である実施例4の水性液剤を40℃で3ケ月
間放置したときの着色度は、0.154 に過ぎず、これは僅
かな着色(黄色)と評価される。以上から、アスコルビ
ン酸またはその塩の濃度は、1%以下、好ましくは0.05
〜0.25%、特に好ましくは0.1 %前後の範囲から選択さ
れる。
ムの濃度が少なくとも0.05%以上であれば、40℃で少な
くとも3ケ月にわたってカルシトリオールが安定化され
る。アスコルビン酸ナトリウム濃度が高くなるにつれて
着色する傾向がある。しかし、アスコルビン酸ナトリウ
ム濃度が1%である実施例4の水性液剤を40℃で3ケ月
間放置したときの着色度は、0.154 に過ぎず、これは僅
かな着色(黄色)と評価される。以上から、アスコルビ
ン酸またはその塩の濃度は、1%以下、好ましくは0.05
〜0.25%、特に好ましくは0.1 %前後の範囲から選択さ
れる。
【0022】試験例2 ピロ亜硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリムまたはEDTA・
2 Naとアスコルビン酸ナトリウムとの組合せ効果をみる
ために実施例4,5,A,およびBで得た水性液剤を含
むアンプルを遮光下に40℃で3ケ月間放置し、カルシト
リオールの残存率および着色度を試験例1と同様にして
調べ、表3の結果を得た。
2 Naとアスコルビン酸ナトリウムとの組合せ効果をみる
ために実施例4,5,A,およびBで得た水性液剤を含
むアンプルを遮光下に40℃で3ケ月間放置し、カルシト
リオールの残存率および着色度を試験例1と同様にして
調べ、表3の結果を得た。
【0023】
【表3】
【0024】表3に示すように、いずれの水性液剤もカ
ルシトリオールの残存率においては満足できるものであ
った。実施例4の水性液剤に0.3 %のピロ亜硫酸ナトリ
ウムを更に加えたものが実施例5の水性液剤であるが、
これの40℃, 3ケ月放置後の着色度は、実施例4の場合
よりも著しく改善されている。すなわち、ピロ亜硫酸ナ
トリウムは黄色着色防止剤として有用である。実施例A
およびBの3ケ月間放置後の着色度は、それぞれ0.204
および0.173 であり、やや高度に着色されている。すな
わち、クエン酸ナトリウムやEDTA・2Na の如きキレート
化剤の添加は、着色防止効果につながらない。
ルシトリオールの残存率においては満足できるものであ
った。実施例4の水性液剤に0.3 %のピロ亜硫酸ナトリ
ウムを更に加えたものが実施例5の水性液剤であるが、
これの40℃, 3ケ月放置後の着色度は、実施例4の場合
よりも著しく改善されている。すなわち、ピロ亜硫酸ナ
トリウムは黄色着色防止剤として有用である。実施例A
およびBの3ケ月間放置後の着色度は、それぞれ0.204
および0.173 であり、やや高度に着色されている。すな
わち、クエン酸ナトリウムやEDTA・2Na の如きキレート
化剤の添加は、着色防止効果につながらない。
【0025】試験例3 クエン酸ナトリウムまたはEDTA・2 Naとアスコルビン酸
ナトリウムとの組合せ効果をみるために実施例2,4,
A,BおよびCで得た水性液剤を含むアンプルを遮光下
に60℃で2ケ月間にわたって放置し、カルシトリオール
の残存率および着色度を試験例1と同様にして調べ、表
4の結果を得た。
ナトリウムとの組合せ効果をみるために実施例2,4,
A,BおよびCで得た水性液剤を含むアンプルを遮光下
に60℃で2ケ月間にわたって放置し、カルシトリオール
の残存率および着色度を試験例1と同様にして調べ、表
4の結果を得た。
【0026】
【表4】
【0027】表4に示すようにカルシトリオールの残存
率は、実施例2、4、AおよびBにおいて差がない。実
施例Cの結果は、クエン酸ナトリウム単独ではカルシト
リオールの安定化効果が全く認められないことを明らか
にしている。60℃、2ケ月放置後において、実施例2の
場合はやや高度に着色されており、実施例4の場合は高
度に着色されており、実施例AおよびBの場合は極めて
高度に着色されている。このようにクエン酸ナトリウム
やEDTA・2Na の如きキレート化剤に着色防止効果は認め
られない。
率は、実施例2、4、AおよびBにおいて差がない。実
施例Cの結果は、クエン酸ナトリウム単独ではカルシト
リオールの安定化効果が全く認められないことを明らか
にしている。60℃、2ケ月放置後において、実施例2の
場合はやや高度に着色されており、実施例4の場合は高
度に着色されており、実施例AおよびBの場合は極めて
高度に着色されている。このようにクエン酸ナトリウム
やEDTA・2Na の如きキレート化剤に着色防止効果は認め
られない。
【0028】試験例4 クエン酸ナトリウムまたはEDTA・2 Naとアスコルビン酸
ナトリウムとの組合せ効果をみるために実施例2,4,
A,およびBで得た水性液剤を含むアンプルを遮光下に
121 ℃で20分間にわたって放置(加熱滅菌条件)し、カ
ルシトリオールの残存率および着色度を試験例1と同様
にして調べ、表5の結果を得た。
ナトリウムとの組合せ効果をみるために実施例2,4,
A,およびBで得た水性液剤を含むアンプルを遮光下に
121 ℃で20分間にわたって放置(加熱滅菌条件)し、カ
ルシトリオールの残存率および着色度を試験例1と同様
にして調べ、表5の結果を得た。
【0029】
【表5】
【0030】表5に示すように、いずれの水性液剤もカ
ルシトリオールの残存率において差はなく、カルシトリ
オールは十分に安定化されている。121 ℃、20分間放置
後において、実施例2および4の場合は着色度に問題は
ないが、実施例AおよびBの場合はやや高度に着色され
ている。
ルシトリオールの残存率において差はなく、カルシトリ
オールは十分に安定化されている。121 ℃、20分間放置
後において、実施例2および4の場合は着色度に問題は
ないが、実施例AおよびBの場合はやや高度に着色され
ている。
【0031】以上の試験例1〜4に示すように本発明の
水性液剤中のカルシトリオールは安定化されており、し
かも黄色に着色することもなく、加熱滅菌条件(121 ℃
20分間)にも耐え得るのである。これに対してアスコル
ビン酸ナトリウムのほかにクエン酸ナトリウムやEDTA・
2Na の如きキレート化剤を添加した従来の処方物(実施
例AやBの場合)では、カルシトリオールは安定化され
ているものの黄色に着色する。EDTA・2Na やクエン酸ナ
トリウムの如きキレート化剤は、むしろ着色を増幅す
る。
水性液剤中のカルシトリオールは安定化されており、し
かも黄色に着色することもなく、加熱滅菌条件(121 ℃
20分間)にも耐え得るのである。これに対してアスコル
ビン酸ナトリウムのほかにクエン酸ナトリウムやEDTA・
2Na の如きキレート化剤を添加した従来の処方物(実施
例AやBの場合)では、カルシトリオールは安定化され
ているものの黄色に着色する。EDTA・2Na やクエン酸ナ
トリウムの如きキレート化剤は、むしろ着色を増幅す
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 カルシトリオール、非イオン性界面活性
剤およびアスコルビン酸またはその塩を含有し、キレー
ト化剤を含有しないpH6.5 〜7.8 のカルシトリオール
の水性液剤。 - 【請求項2】 アスコルビン酸またはその塩の濃度が1
W/V %以下である請求項1記載の水性液剤。 - 【請求項3】 不活性雰囲気下にある請求項1記載の水
性液剤。 - 【請求項4】 等張化剤および緩衝化剤を含む請求項1
〜3項の内の一項記載の水性液剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7836592A JPH05238936A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | カルシトリオールの水性液剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7836592A JPH05238936A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | カルシトリオールの水性液剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05238936A true JPH05238936A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=13659982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7836592A Pending JPH05238936A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | カルシトリオールの水性液剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05238936A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996036340A1 (en) * | 1995-05-19 | 1996-11-21 | Abbott Laboratories | STABLE AQUEOUS FORMULATIONS OF 1α,25-DIHYDROXYCHOLECALCIFEROL FOR PARENTERAL ADMINISTRATION |
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