JP4221073B2 - 乳剤用保存剤および乳剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を含有する、低濃度の配合量で優れた保存効力をもたらす乳剤用保存剤、並びに該化合物または該化合物を含む乳剤用保存剤を主薬とともに配合した、ヒトに安全に投与できる乳剤に関する。また、本発明はソルビン酸またはその医薬上許容される塩を乳剤中に配合することを含む乳剤の保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
点眼剤、点鼻剤および点耳剤を製剤化する場合、空気中、涙液中、鼻道、外耳道等に存在する微生物による二次汚染を防止する目的で保存剤を配合する。乳剤についても同様である。従来、薬物を乳剤に製剤化する場合には、保存剤として例えばパラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム等が配合されている。しかし乳剤、特に水中油滴型(O/W型)乳剤の形態に製剤化すると、これら従来の保存剤では十分な保存効果が得られないという問題がある。また、分散媒のpHが比較的高い場合には微生物が繁殖しやすいので、保存効果はさらに減衰する。しかし、薬剤の保存性を高めるために保存剤の配合量を増やすと、生体への刺激の増大等の、高濃度の保存剤による副作用を引き起こす可能性がある。
【0003】
このように、薬物を乳剤に製剤化する場合、高い保存性を得るためには保存剤を高濃度に配合する必要があるが、高濃度の保存剤による副作用を避けるためには、その配合量を制限せざるを得ないというジレンマがある。したがって、低濃度の配合量で乳剤に優れた保存効果を与える保存剤の開発が待ち望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低濃度の配合で、乳剤、特に水中油滴型(O/W型)乳剤、就中分散媒のpHが高い水中油滴型乳剤に、優れた保存効果を与え得る化合物および該化合物を含有する乳剤用保存剤を提供することである。また、本発明の他の目的は、該化合物または該保存剤を配合した、保存性に優れ且つヒトに安全に投与し得る乳剤、特に点眼用、点鼻用または点耳用乳剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、乳剤に、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を配合すると、その配合濃度が低濃度であっても乳剤に優れた保存効力を付与し得ることを見い出した。さらに本発明者らは、乳剤のpHが高い場合には、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩に加えてさらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を配合すれば、やはり低濃度の配合で、乳剤においてより優れた保存性が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を含有する乳剤用保存剤、特に、該化合物を0.001〜5(W/V)%、就中0.01〜1(W/V)%の濃度で含有する上記乳剤用保存剤である。また、本発明は該化合物に加えてさらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を含有する上記のいずれかの乳剤用保存剤、特に、エデト酸ナトリウムを0.001〜0.2(W/V)%、就中エデト酸ナトリウムを0.005〜0.1(W/V)%、およびホウ酸を0.001〜10(W/V)%、就中0.01〜5(W/V)%の濃度で含有する上記のいずれかの乳剤用保存剤である。さらに、本発明は点眼用、点鼻用または点耳用の剤形を有する乳剤用の上記のいずれかの保存剤である。
また、別の本発明は、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、あるいは該化合物を含有する乳剤用保存剤を主薬および医薬上許容される担体とともに含有する乳剤、特に、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.001〜5(W/V)%、就中0.01〜1(W/V)%の濃度で含有する上記乳剤である。また、本発明は、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、エデト酸ナトリウムおよびホウ酸を主薬および医薬上許容される担体とともに含有する乳剤、あるいはソルビン酸またはその医薬上許容される塩に加えてさらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を含有する乳剤用保存剤を主薬および医薬上許容される担体とともに含有する乳剤、特に、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.001〜5(W/V)%、就中0.01〜1(W/V)%、エデト酸ナトリウムを0.001〜0.2(W/V)%、就中0.005〜0.1(W/V)%、およびホウ酸を0.001〜10(W/V)%、就中0.01〜5(W/V)%の濃度で含有する上記乳剤である。さらに、本発明は点眼用、点鼻用または点耳用の剤形を有する上記のいずれかの乳剤である。
本発明は、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を、乳剤の保存に有効で且つ医薬上許容される濃度で乳剤中に配合することを含む乳剤の保存方法、特に、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.001〜5(W/V)%、就中0.01〜1(W/V)%の濃度で配合することを特徴とする上記方法である。また、本発明は、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、エデト酸ナトリウムおよびホウ酸を、乳剤の保存に有効で且つ医薬上許容される濃度で乳剤中に配合することを含む乳剤の保存方法、特に、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.001〜5(W/V)%、就中0.01〜1(W/V)%、エデト酸ナトリウムを0.001〜0.2(W/V)%、就中0.005〜0.1(W/V)%、およびホウ酸を0.001〜10(W/V)%、就中0.01〜5(W/V)%の濃度で配合することを特徴とする上記方法である。また、本発明は該乳剤が点眼用、点鼻用または点耳用の剤形を有することを特徴とする上記のいずれかの乳剤の保存方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の乳剤用保存剤は、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を含有する。本発明で使用できるソルビン酸の医薬上許容される塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩等が挙げられる。
【0008】
本発明の乳剤用保存剤をpH6.0以上の乳剤に配合する場合、当該乳剤用保存剤はソルビン酸またはその医薬上許容される塩に加えてさらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を含有することが好ましい。
【0009】
本発明の乳剤用保存剤におけるソルビン酸またはその医薬上許容される塩の含有濃度は、0.001〜5(W/V)%、好ましくは0.01〜1(W/V)%である。また、エデト酸ナトリウムおよびホウ酸をさらに含有する場合、エデト酸ナトリウムの含有濃度は0.001〜0.2(W/V)%、好ましくは0.005〜0.1(W/V)%であり、ホウ酸の含有濃度は0.001〜10.0(W/V)%、好ましくは0.01〜5.0(W/V)%である。
【0010】
本発明の乳剤用保存剤には、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩の他に、例えば、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等の乳化剤、酢酸ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム等の緩衝剤、塩化ナトリウム、グリセリン等の等張化剤等を配合することができる。
【0011】
本発明の乳剤用保存剤の調製は、公知の手法を用いて行えばよい。例えば、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を滅菌精製水または水性溶媒に溶解させる。この溶液に、必要に応じてさらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を溶解させ、さらに必要に応じて上述した添加物を配合することにより調製することができる。
【0012】
本発明の乳剤用保存剤は、乳剤であれば特に限定されることなくいずれの乳剤にも配合することができる。水中油滴型(O/W型)乳剤に用いる場合は該保存剤は分散媒となり、油中水滴型(W/O)型乳剤に用いる場合は該保存剤は分散相となる。
【0013】
本発明の乳剤用保存剤は、水中油滴型(O/W型)乳剤等、各種のタイプの乳剤において、配合濃度が低くても優れた保存効力を与えることができる。このため本発明の乳剤用保存剤を乳剤に配合することにより、保存性が高く、また保存剤の含有濃度が低いため保存剤による副作用が極めて少ない乳剤を提供することができる。
【0014】
本発明の乳剤は、主薬とともに、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、あるいは上記の乳剤用保存剤を含むものであれば、その用途は特に限定されないが、例えば治療上有用な乳剤である。主薬となる薬物にも特に制限はなく、ステロイド性抗炎症薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗生物質、抗ウイルス剤、脂溶性ビタミン等の種々の薬物あるいはそれらの組み合わせが例示される。
【0015】
本発明の乳剤におけるソルビン酸またはその医薬上許容される塩の含有濃度は、0.001〜5(W/V)%、好ましくは0.01〜1(W/V)%である。また、エデト酸ナトリウムおよびホウ酸をさらに含有する場合、エデト酸ナトリウムの含有濃度は0.001〜0.2(W/V)%、好ましくは0.005〜0.1(W/V)%であり、ホウ酸の含有濃度は0.001〜10.0(W/V)%、好ましくは0.01〜5.0(W/V)%である。
【0016】
本発明の乳剤において、主薬となる薬物の含有量は、各薬物の種類によって異なるが、例えばステロイド性抗炎症薬を有効成分として含有する本発明乳剤の場合、その含有濃度は0.001〜5(W/V)%程度、好ましくは0.005〜1(W/V)%程度、さらに好ましくは0.01〜0.5(W/V)%程度である。
【0017】
本発明の乳剤に含まれる油の種類としては、低毒性、低刺激性のもの、特に眼、鼻、耳等に対して適用可能なものであることが好ましく、その例としては、ヒマシ油、落花生油、綿実油、大豆油、オリーブ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、オレイン酸等が挙げられる。
【0018】
本発明の乳剤には、乳化安定性を高めるために乳化剤として非イオン界面活性剤を配合することができる。非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンモノステアレート等)が挙げられる。
【0019】
本発明の乳剤には緩衝剤を配合することができる。緩衝剤の例としては、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二カリウム等のリン酸塩、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸塩、ホウ酸およびその塩、クエン酸およびその塩等が挙げられる。
【0020】
本発明の乳剤には等張化剤を配合することができる。等張化剤の例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール等が挙げられる。
【0021】
本発明の乳剤には、他に安定化剤、抗酸化剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤等の各種添加剤を配合することができる。抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸およびその塩、トコフェロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピルビン酸およびその塩等が挙げられる。キレート剤の例としては、エデト酸ナトリウム、クエン酸およびその塩等が挙げられる。pH調整剤の例としては、塩酸、リン酸、酢酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水等が挙げられる。本発明の乳剤のpHは2.5〜8.5が好ましい。
【0022】
本発明の乳剤中の分散相粒子のメディアン径としては5〜0.0001μmが好ましく、さらに好ましくは1〜0.001μmである。
本発明の乳剤は公知の手法を用いて調製することができる。すなわち、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、および必要に応じてエデト酸ナトリウムおよびホウ酸、並びに主薬が水溶性の場合はさらに主薬を水または水性溶媒中に溶解させて水相とし、該水相と、別に調製した(主薬が脂溶性の場合は主薬を溶解した)油相とを乳化することにより調製される。必要に応じてさらに乳化剤および他の添加物を水相および/または油相に添加することもできる。
【0023】
より具体的には、例えば水中油滴型乳剤の場合、水に、ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、および必要に応じてさらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸、さらに必要に応じて上記の添加剤や乳化剤を添加し、pH調整剤を用いてpH2.5〜8.5に調整した後、主薬となる薬物を溶解した油を添加して乳化物とすることにより調製することができる。均一に乳化を行うために、ミキサー、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、高圧ホモジナイザー等の公知の手段を使用することができる。
【0024】
あるいは本発明の乳剤は、予め調製された本発明の乳剤用保存剤、すなわちソルビン酸またはその医薬上許容される塩、および必要に応じてさらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を含有する乳剤用保存剤中に、必要に応じて乳化剤および他の添加物、さらに主薬が水溶性の場合は主薬を溶解させて水相とし、これとは別に、油に必要に応じて乳化剤および他の添加物、さらに主薬が脂溶性の場合は主薬を溶解させて油相とし、該水相と該油相とを公知の手段を用いて乳化することにより調製することもできる。
【0025】
本発明の乳剤は、眼、鼻または耳に対する局所投与用の乳剤として用いることが好ましく、さらに点眼用、点鼻用または点耳用の剤形に製剤化して用いることが好ましい。
【0026】
本発明の乳剤は、低濃度でも優れた保存効力を発揮する保存剤を含有しているため保存性が高く、また保存剤の含有濃度が低いため保存剤による副作用が極めて少ない。
【0027】
【実施例】
以下に、実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0028】
Figure 0004221073
滅菌精製水を約70℃に加温し、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウムおよびソルビン酸を加えて溶かし、pHを水酸化ナトリウムで5.0に調整した。この液をホモミキサーで攪拌しながら、約70℃に加温したヒマシ油を加えて粗乳化物を得た。この粗乳化物をマイクロフルイダイザーで処理して分散相粒子をさらに微粒子化し、ろ過滅菌して乳化物を得た。
【0029】
Figure 0004221073
滅菌精製水を約70℃に加温し、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ホウ酸およびエデト酸ナトリウムを加えて溶かし、pHを水酸化ナトリウムで6.0に調整し水相とした。別に、ヒマシ油を約70℃に加温し、パルミチン酸レチノールを加えて溶かして油相を得た。約70℃に加温した水相をホモミキサーで攪拌しながら加温した(約70℃)油相を加えて粗乳化物を得た。この粗乳化物をマイクロフルイダイザーで処理して分散相粒子をさらに微粒子化し、ろ過滅菌して乳化物を得た。
【0030】
Figure 0004221073
滅菌精製水を約70℃に加温し、ポリソルベート80、濃グリセリン、イプシロンアミノカプロン酸およびソルビン酸を加えて溶かし、pHを塩酸で5.0に調整し水相とした。別に、ヒマシ油を約70℃に加温し、酢酸トコフェロールを加えて溶かして油相を得た。約70℃に加温した水相をホモミキサーで攪拌しながら加温した(約70℃)油相を加えて粗乳化物を得た。この粗乳化物をマイクロフルイダイザーで処理して分散相粒子をさらに微粒子化し、ろ過滅菌して乳化物を得た。
【0031】
Figure 0004221073
滅菌精製水を約70℃に加温し、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ホウ酸およびエデト酸ナトリウムを加えて溶かし、pHを水酸化ナトリウムで3.0に調整し水相とした。別に、ヒマシ油を約70℃に加温し、ピノレキシンを加えて溶かして油相を得た。約70℃に加温した水相をホモミキサーで攪拌しながら加温した(約70℃)油相を加えて粗乳化物を得た。この粗乳化物をマイクロフルイダイザーで処理して分散相粒子をさらに微粒子化し、ろ過滅菌して乳化物を得た。
【0032】
Figure 0004221073
ソルビン酸の代わりに塩化ベンザルコニウムを用い、水酸化ナトリウムの代わりに塩酸でpHを調整する以外は実施例1と同様にして、上記処方の乳化物を得た。
【0033】
Figure 0004221073
ソルビン酸の代わりにグルコン酸クロルヘキシジンを用い、水酸化ナトリウムの代わりに塩酸でpHを調整する以外は実施例1と同様にして、上記処方の乳化物を得た。
【0034】
Figure 0004221073
ソルビン酸の代わりにパラオキシ安息香酸メチルおよびパラオキシ安息香酸プロピルを用い、水酸化ナトリウムの代わりに塩酸でpHを調整する以外は実施例1と同様にして、上記処方の乳化物を得た。
【0035】
試験例1
保存効力試験 (1)
上記実施例1および比較例1〜3の処方の乳化物について、第十三改正日本薬局方に従い、保存効力試験を行った。
その結果を表1〜表4に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004221073
【0037】
【表2】
Figure 0004221073
【0038】
【表3】
Figure 0004221073
【0039】
【表4】
Figure 0004221073
【0040】
以上の結果より、ソルビン酸を含有する実施例1の処方の乳化物においてのみ2週間目には細菌が死滅し、真菌の増殖も認められず、日局に適合したことから、優れた保存効力を有することが示された。
【0041】
Figure 0004221073
ソルビン酸に加えてエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を添加する以外は実施例1と同様にして、上記処方の乳化物を得た。
【0042】
試験例2
保存効力試験 (2)
上記実施例5の処方の乳化物について、試験例1と同様の方法で保存効力試験を行った。
その結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
Figure 0004221073
【0044】
表5からわかるように、pH6.0において、ソルビン酸、ホウ酸、エデト酸ナトリウムを含有する実施例5の処方の乳化物では2週間目には細菌が死滅し、真菌の増殖も認められず、日局に適合したことから、優れた保存効力を有することが示された。
【0045】
Figure 0004221073
ヒマシ油の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いる以外は実施例1と同様にして上記処方の乳化物を調製した。
【0046】
Figure 0004221073
ヒマシ油の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いる以外は比較例1と同様にして上記処方の乳化物を調製した。
【0047】
試験例3
保存効力試験 (3)
上記実施例6および比較例4の処方の乳化物について、試験例1と同様の方法で保存効力試験を行った。
その結果を表6および表7に示す。
【0048】
【表6】
Figure 0004221073
【0049】
【表7】
Figure 0004221073
【0050】
以上の結果より、油の種類が中鎖脂肪酸トリグリセリドの場合でも、ソルビン酸を含有する実施例6の処方の乳化物において、1週間目には細菌が死滅し、真菌の増殖も認められず、日局に適合したことから優れた保存効力を有することが示された。
【0051】
【発明の効果】
本発明の乳剤用保存剤は、その配合濃度が低くても、水中油滴型(O/W型)乳剤等の乳剤に優れた保存効力を付与し得るので、保存性が高く且つ保存剤による副作用が少ない乳剤を提供することができる。また、さらにエデト酸ナトリウムおよびホウ酸を配合することにより、高いpHを有する乳剤においても、低濃度で高い保存性を得ることができる。

Claims (10)

  1. ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、エデト酸ナトリウムとホウ酸を、主薬および医薬上許容される担体とともに含有する乳剤。
  2. ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.001〜5(W/V)%の濃度、エデト酸ナトリウムを0.001〜0.2(W/V)%の濃度およびホウ酸を0.001〜10(W/V)%の濃度で含有する請求項1記載の乳剤。
  3. ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.01〜1(W/V)%の濃度、エデト酸ナトリウムを0.005〜0.1(W/V)%の濃度およびホウ酸を0.01〜5(W/V)%の濃度で含有する請求項1記載の乳剤。
  4. 点眼用、点鼻用または点耳用の剤形を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乳剤。
  5. pHが2.5〜8.5である請求項1〜4のいずれかに記載の乳剤。
  6. ソルビン酸またはその医薬上許容される塩、エデト酸ナトリウムとホウ酸を、乳剤の保存に有効で且つ医薬上許容される濃度で乳剤中に配合することを含む乳剤の保存方法。
  7. ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.001〜5(W/V)%の濃度、エデト酸ナトリウムを0.001〜0.2(W/V)%の濃度およびホウ酸を0.001〜10(W/V)%の濃度で配合することを特徴とする請求項記載の方法。
  8. ソルビン酸またはその医薬上許容される塩を0.01〜1(W/V)%の濃度、エデト酸ナトリウムを0.005〜0.1(W/V)%の濃度およびホウ酸を0.01〜5(W/V)%の濃度で配合することを特徴とする請求項記載の方法。
  9. 該方法が、点眼用、点鼻用または点耳用の剤形を有する乳剤の保存方法である請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 乳剤のpHが2.5〜8.5である請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
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