JPH05238779A - 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス - Google Patents

電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Info

Publication number
JPH05238779A
JPH05238779A JP3806392A JP3806392A JPH05238779A JP H05238779 A JPH05238779 A JP H05238779A JP 3806392 A JP3806392 A JP 3806392A JP 3806392 A JP3806392 A JP 3806392A JP H05238779 A JPH05238779 A JP H05238779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
glass
layer
radio wave
heat ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3806392A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Takayama
昌也 高山
Nobuyuki Takeuchi
伸行 竹内
Yoshio Asai
祥生 浅井
Hironobu Iida
裕伸 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP3806392A priority Critical patent/JPH05238779A/ja
Publication of JPH05238779A publication Critical patent/JPH05238779A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】透明ガラス基板の片側面に、10〜70nm膜厚のSU
S 酸化物薄膜の第1層と、該層上に30〜70nm膜厚のCr酸
化物薄膜の第2層を被膜積層した電波低反射特性を有す
る熱線遮蔽ガラス。並びに前記第1層の下地層として、
5〜25nm膜厚のCrの窒化物薄膜を、或いは5〜20nm膜厚
のTi又はTa或いはSnの酸化物薄膜をアンダーコートした
もの。更に又これらに5〜30nm膜厚のTi又はTa或いはSn
の酸化物薄膜をオーバーコートしたもの。又前記被膜し
た熱線遮蔽性能膜のシート抵抗値が10KΩ/口以上で、
かつガラス面側からの反射色調がゴールド系色調を呈す
るもの。 【効果】例えばガラスと同程度に電波を効率よく透過さ
せ、高層建築物等に用いてTV映像でのゴースト現象をな
くする等電波障害を防ぎ、しかも断熱性能を有し冷暖房
効果をより向上せしめ、かつガラス面反射色調がゴール
ド系色調、膜面反射色がニュートラル、比較的低透視性
等、より美観を呈し、環境に優しく、高居住性となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽輻射エネルギーを
遮蔽する主として建築物等の窓ガラスに用いる被膜付き
の熱線遮蔽ガラスであって、とりわけ冷暖房効果を向上
せしめるようにできるとともに比較的低い可視光透過率
を有するものであり、しかも電波の透過性が通常すなわ
ち未加工のフロート板ガラス並であって、ビル周囲の住
宅等においてTV画像でのゴースト現象等の電波の障害を
低減でき、さらにとりわけガラス面側からの反射色調が
ゴールド系色調である、特に高層建築用窓ガラスとして
有用な電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスに関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、テレビ電波の受信にあたり、ビルの
反射によるゴースト障害が問題になり、ビルのコンクリ
ート壁などにフェライト電波吸収体を設けることが実用
化されつつあり、一方、省エネや冷暖房効率の向上等か
ら、例えば高層ビルなどの窓ガラスにおいても金属、金
属酸化物などの膜をコーティングしたり、このような膜
を有するフイルムを貼付けた断熱性能などの機能を付与
したものが増加しており、ガラスより電波に対して反射
率が高い膜をコーティングしたり、フイルムを貼付ける
と反射率が例えばかなりの高い値となり、ことにゴール
ド系色調を呈する熱線反射ガラスとしては電波障害は避
けられない面があった。
【0003】例えば、特開昭63ー190742号公報には熱線
反射ガラスの製法について記載されており、ガラス基板
からの反射色調がゴールド色系を得るためには、第1層
であるTiO2層の膜厚が8.5 〜12.5nm、第2層であるTiN
層の膜厚が72〜81nm、第3層であるTiO2層の膜厚が5〜
16nmであることが開示されており、また例えば、特開平
1ー208344号公報には金色反射色を有する透明板が記載
されており、ガラス板のような透明板の一方の表面に、
例えば膜厚が36〜47nm程度の窒化チタン膜上に高屈折率
の金属酸化物誘電体膜、特に屈折率が1.9 〜2.6 であ
り、ことにTiO2、SnO2、ZnO 等を付着し、かつ該透明板
の他方の表面からの反射光が金色である透明板が開示さ
れている等が知られている。
【0004】そこで、電波障害を低減したゴールド系色
調を呈する熱線反射ガラスとしての提案がなされてい
る。すなわち、本出願人が既に出願した例えば、特開平
3ー252332号公報には透明なガラス基板の一方の表面に
第1層ならびに第3層として有色誘電体薄膜を積層し、
第2層として表面抵抗が200 Ω/口以上の金属薄膜また
は金属窒化物薄膜を積層して成り、該被膜面の反対側か
ら見た反射色調がブルーあるいはゴールド色である電波
低反射の熱線反射ガラス等を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような、例
えば特開昭63ー190742号公報ならびに特開平1ー208344
号公報等では、ゴールド色を得るために、TiN 層薄膜の
膜厚が比較的厚く、その結果、低抵抗な膜となり、高層
建築物の窓ガラスとして施工した際に、電波反射体とな
って高層建築物と放送局の間にある一般家庭などで見ら
れているTV画像におけるゴースト現象を発現すること
となる。また例えば特開平3ー252332号公報等では、金
属薄膜または金属窒化物薄膜の5〜13nm程度の超薄膜
を、酸化物薄膜等でサンドイッチしたものであって、電
波低反射ガラスではあるものの、表面抵抗が比較的低
く、その電波低反射性能は鉄筋コンクリート以下ではあ
るとは言え、近年のさらなる電波低反射性能に優れるも
のが望まれつつある。
【0006】さらに、金属等の導電性の高い膜について
は、断熱性を高めようとして膜厚を厚くすればするほど
低抵抗となって、電波低反射性能が損なわれることとな
り、逆に膜厚を薄くしたとしても大きな表面抵抗とはな
りにくく、同様に上述の性能が充分得難い等の問題があ
り、ことにガラス面側の反射色調がゴールド色でかつ単
板で使用できる熱線遮蔽ガラス、特に高層建築物用とし
て有用なものとは未だになり得ていないと言わざるを得
ない。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明はこのような点
に鑑みてなされたものであり、特定膜厚で表面抵抗が例
えば少なくとも10MΩ/口以上であるSUS の酸化物薄膜
と、特定膜厚のCrの酸化物薄膜を用い、積層膜構成とす
ることで、可視光透過率等を特定範囲、例えば10〜50%
で任意に調整せしめることを可能とし、さらにはそれら
の膜を巧みに組み合わせることにより、膜面の反射率を
低くしかつ膜面の色調をニュートラル化させ、ガラス面
の反射色調がゴールド系色調であって、しかも電波反射
率をTV電波帯、ことに周波数150MHz付近において約3%
以下とフロートガラス並に低くすることができ、断熱性
能を保持しつつ、耐摩耗性、耐久性、ことに特定酸化物
薄膜や窒化物薄膜をアンダーコートまたは/および特定
酸化物薄膜をオーバーコートしてさらにより頑固に向上
させ、かつ色調を微妙にコントロールできることを可能
とした、単板で充分使用することができる電波低反射特
性を有する熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0008】すなわち、本発明は、透明なガラス基板の
一方の表面に、膜厚が10〜70nmのSUS の酸化物薄膜であ
る第1層と、該第1層の上に、膜厚が30〜70nmのCrの酸
化物薄膜を第2層として被膜積層したことを特徴とする
電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。ならびに前記
第1層の下地層として、前記ガラス基板表面と前記第1
層薄膜の間に、膜厚が5〜25nmのCrの窒化物薄膜を、あ
るいは膜厚が5〜20nmのTiまたはTaあるいはSnの酸化物
薄膜をアンダーコート被膜したことを特徴とする上述し
た電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。
【0009】さらに、前記第2層の上に第3層として、
膜厚が5〜30nmのTiまたはTaあるいはSnの酸化物薄膜を
オーバーコート被膜したことを特徴とする上述した電波
低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。さらにまた前記電
波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスにおいて、前記被
膜した熱線遮蔽性能膜のシート抵抗値が10KΩ/口以上
で、かつ該ガラスのガラス面側からの反射色調がゴール
ド系色調を呈することを特徴とする上述した電波低反射
特性を有する熱線遮蔽ガラスをそれぞれ提供するもので
ある。
【0010】ここで、前記膜厚が10〜70nmのSUS の酸化
物薄膜を第1層とし、該第1層の上に、膜厚が30〜70nm
のCrの酸化物薄膜を第2層として被膜積層したのは、SU
S あるいはCrの酸化物薄膜は、いずれも表面電気抵抗が
10MΩ/口以上の高抵抗であって、電波低反射性能が優
れ、両者を組み合わせても電波低反射、ことにTV電波
帯、特に例えば周波数150MHz付近における電波反射率を
3%以下と通常のフロートガラス並の低反射率を得るこ
とができるためであり、またそれらの膜は純粋には無色
透明ではなく、やや黄色味を帯びているが、その特性を
活かし、前記第1層と前記第2層を巧みに適宜組み合わ
せることで、膜面の反射率を低くし、ガラス面からの反
射色調がゴールド系色調を発現させることを可能とし得
ることができたものであり、しかも断熱機能を保持しつ
つ、膜の密着性を高め耐摩耗性、耐久性、耐薬品性等を
優れたものとし、単板で充分使用できるものとするもの
であるためである。好ましくはSUS の酸化物薄膜の膜厚
は20〜65nm程度、Crの酸化物薄膜の膜厚は35〜60nm程度
である。
【0011】また、前記第1層の下地層として、前記ガ
ラス基板表面と前記第1層薄膜の間に、膜厚が5〜25nm
のCrの窒化物薄膜をアンダーコート被膜したのは、こと
に可視光透過率を例えば10〜50%の範囲内で任意に調整
せしめることを可能とするためであって、電波障害を起
こさない膜厚の範囲内で熱線反射性能を高め、室内の居
住性を考え、膜面の反射率を低減し、膜面の色調をニュ
ートラル化するためであり、好ましくは膜厚は5〜20nm
程度である。また、あるいは下地層として膜厚が5〜20
nmのTiまたはTaあるいはSnの酸化物薄膜をアンダーコー
ト被膜したのは、下地層としてガラスとの密着性に優
れ、指定された膜厚の範囲内で透明である該酸化物薄膜
をアンダーコートすることによって、光学特性を著しく
損なうことなく、その上に積層する第1層および第2層
の積層膜との密着性をも著しく向上せしめ、耐摩耗性、
耐久性等にも優れた膜構成とすることができるためであ
り、好ましくはTiまたはTaあるいはSnの酸化物薄膜の膜
厚は5〜18nm程度である。
【0012】さらにまた、前記第2層の上に第3層とし
て、膜厚が5〜30nmのTiまたはTaあるいはSnの酸化物薄
膜をオーバーコート被膜したことにより、さらに耐久性
等が頑固に向上し、かつガラス面からの反射色調を微妙
にコントロールできることが可能とでき得るものとなる
ものであり、好ましくは10〜25nm程度である。また、前
記被膜した熱線遮蔽性能膜のシート抵抗値が10KΩ/口
以上で、かつ該ガラスのガラス面側からの反射色調がゴ
ールド系色調を呈するものとしたのは、充分な電波低反
射性能を有し、TV映像でのゴースト現象等の電波障害を
より確実に発現しないようにするためであり、またガラ
ス面側からの反射色調がゴールド系色調を呈することに
より、ビル等が意匠性に優れ環境に優しいものとなるた
めである。好ましくは1MΩ/口以上、より好ましくは
1GΩ/口以上である。
【0013】つぎに、ガラス基板としては、無機質はも
ちろん有機質でも透明ガラスであればよく、無色あるい
は着色等でもガラス面側から見た反射色調がゴールド系
色調を得やすいものであればより好ましいものである。
また単板で使用できることはもとより、複層ガラスある
いは合せガラス、強化ガラス等各種板ガラス製品として
使用できることは言うまでもない。
【0014】
【作用】前述したとおり、本発明の電波低反射特性を有
する熱線遮蔽ガラスは、特定膜厚のSUS の酸化物薄膜を
第1層とし、その上に特定膜厚のCrの酸化物薄膜を第2
層として被膜積層し、該第1層と第2層を、さらに特定
膜厚で特定酸化物薄膜あるいは特定窒化物薄膜の下地層
または/および特定膜厚の特定酸化物のオーバーコート
層を適宜巧みに組み合わせるものとしたので、その表面
抵抗値が10kΩ/口以上と高く、可視光透過率を10%〜
50%程度の範囲内で任意にコントロールすることがで
き、しかも膜面からの反射を低くかつその反射色調のニ
ュートラル化を可能にせしめ、とりわけガラス面側から
の反射色調がゴールド系色調を呈することとなり、各薄
膜の密着性を高め、積層した多層膜全体の耐摩耗性なら
びに耐食性が向上し、耐久性に優れ、単板として充分採
用できるものとなることはもちろん、TV帯での電波低反
射性能が格段に優れて通常のフロートガラス並であるこ
とから、高層建築物等に使用されても、その周囲におい
て従来発現していたTV画像におけるゴースト現象等の電
波障害を低減することができ、さらに適度の干渉効果で
もって熱線反射を持たせて断熱機能を充分有するものと
なって冷暖房の効果を高め、透視性を適宜抑えてより色
調に富むものとすることができる当、建築物内外の居住
性ならびに景観性等環境をより優れたものとすることが
できる、有用な電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
を提供するものである。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0016】実施例1 大きさ 600mmx600 mm、厚さ6mmのクリアーガラス(Fl
6)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピルアルコールで
順次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロンスパッタリン
グ装置の真空槽内にセットしてあるSUS とCrのターゲッ
トに対向して上方を往復できるようセットし、つぎに前
記槽内を真空ポンプで約5x10-6Torr以下までに脱気し
た後、該真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の流量比は
1:1から0:1の範囲にあればよい。)を導入して真
空度を約2x10-3Torrに保持し、前記SUS のターゲット
に約1.5kw の電力を印加し、O2ガスによるDCマグネトロ
ン反応スパッタの中を、前記SUS ターゲット上方におい
てスピード約300mm /min で前記板ガラスを搬送するこ
とによって約10nm厚さのSUSOx 薄膜を第1層として成膜
した。成膜が完了した後、SUS ターゲットへの印加を停
止する。
【0017】次に、板ガラスを前記真空槽中においたま
ま、前記Crターゲットに約2.2kw の電力を印加し、O2
ス(但し、ArとO2の流量比は1:1から0:1の範囲に
あればよい。)によるDCマグネトロン反応スパッタの中
を、前記Crターゲット上方においてスピード約 70mm /
min で搬送することにより、前記板ガラスのSUSOx 成膜
表面に約70nm厚さの CrOX 薄膜を第2層として成膜積層
した。成膜が完了した後、Crターゲットへの印加を停止
する。
【0018】得られた2層膜を有する電波低反射特性を
有する熱線遮蔽ガラスについて、可視光透過率(380 〜
780nm )、可視光反射率(380 〜780nm )ならびに日射
透過率(340 〜1800nm)については 340型自記分光光度
計(日立製作所製)とJISZ8722、JISR3106によってそれ
ぞれその光学的特性を求めた。さらにテーバー試験によ
るヘーズ(曇り具合)値の変化量(△H%)について
は、テーバー試験機(MODEL 503 、TYBER 社製)に膜面
を上にした10cm角の試験片をセットし、膜面に荷重500g
のかかった摩耗輪(CSー10F )が2箇所で当たるように
なっているもので、300 回回転した後、ヘーズメーター
(日本電色工業製、NDH-20D )によって測定し、試験前
の測定値と対比し、その変化量(△H%)をもって表し
た数値である。
【0019】次に、耐薬品性のうち耐酸試験について
は、常温で1規定の HCl溶液中に前記試験片を約6時間
浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断したものであり、
耐アルカリ試験については、常温で1規定のNaOH溶液に
試験片を約6時間浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断
したものであり、それぞれ○印はほとんど劣化が見られ
なかったもの、×印は劣化が明らかに目立ったものであ
る。
【0020】さらに表面抵抗については、105 Ω/口以
下のものは四探針抵抗測定装置RT-8(NAPSON社製)によ
って、105 Ω/口〜105 MΩ/口のものは三菱油化製表
面高抵抗計(HIRESTA HTー210 )によって測定したもの
である。
【0021】またさらに、電波反射率については、大型
導波管法によって測定することで得た。表1より明らか
なように、従来の熱線反射ガラスとほぼ同等の断熱性能
を示し、優れた居住性をもって、耐摩耗性、耐食性、耐
候性、耐久性を有し、電波を充分透過するものであっ
て、電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスとして高層
建築物等の窓ガラスに有用なものとなり、ことにガラス
面側からの反射色調がゴールド系色調で所期のめざすも
のを得た。
【0022】実施例2〜14 実施例1と同様の方法で、表1に示す2層膜乃至4層膜
およびその各膜厚を得て、その膜構成において実施例1
で示した測定法等によって同様の評価手段で行い、その
結果を表1に示す。
【0023】得られた2〜4層膜を有する電波低反射特
性を有する熱線遮蔽ガラスは、実施例1と同様に優れた
所期の光学特性等各物性を示した。なお、TiO x 薄膜に
ついてはDCマグネトロン反応スパッタ装置でTiターゲッ
トを用い、同真空度、前記O2ガス、印加電力1.9kw にお
いて、例えば板ガラス搬送スピード約56mm/min で膜厚
約20nmのTiO x 薄膜を得た。またTaO x 薄膜については
同装置でTaターゲットを用い、同真空度、O2ガス、印加
電力1.3kw において、例えば板ガラス搬送スピード約56
mm/min で膜厚約15nmのTaO x 薄膜を得た。またSnO X
薄膜についてはDCマグネトロン反応スパッタ装置でSnタ
ーゲットを用い、同真空度、前記O2ガス、印加電力1.0k
w 、例えば板ガラス搬送スピード約144mm /min で膜厚
約20nmのSnO X 薄膜を得た。
【0024】また、CrN x 薄膜については同装置でCrタ
ーゲットを用い、同真空度、N2ガス、印加電力約1.2kw
において、例えば板ガラス搬送スピード約175mm /min
で膜厚約25nmのCrN x 薄膜を得た。
【0025】比較例1〜3 実施例1と同様に処理したガラスを用い、同装置にSUS
ターゲットを2本セットし、真空槽内を約5x10-6Torr
以下に脱気した後、該真空槽内にO2ガスを導入し、真空
度を約2x10-3Torrに保持し、前記SUS のターゲットに
約1.5kw の電力を印加し、板ガラス搬送スピード約150m
m /min で膜厚約20nmのSUSOX 薄膜を第1層として成膜
した。次いでもう一方のSUS ターゲットを使用し、Arガ
ス圧約2x10-3Torrで印加電力約1.0kw において、板ガ
ラス搬送スピード約600mm /minで膜厚約5nmのSUS 薄
膜を得た。さらに第1層と同様にして板ガラス搬送スピ
ード約100mm /min で膜厚約30nmのSUSOX 薄膜を第3層
として成膜積層した。
【0026】また、CrO X 薄膜については、前記実施例
と同様の方法で板ガラス搬送スピードを所望の膜厚とな
るよう調整して得た。このような方法によって、表1に
示すような2〜3層の積層膜を得、その膜構成におい
て、実施例1に示したと同様の測定法、同様の評価手段
で行い、その結果を表1にそれぞれ示す。
【0027】それぞれ、各実施例に比して、従来の熱線
反射ガラスであるこれらにおいては、例えば表面抵抗値
が低く、320 Ω/口以下であって、電波反射率も9%以
上となり、建築物の鉄筋コンクリートの電波反射率より
悪く、建築物の周辺に電波障害を発現し易いものまたは
するものである。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定膜厚のSUS 酸化物薄膜と特定膜厚のCr酸化物
薄膜である高表面電気抵抗を有する薄膜を特異に適宜巧
みに組み合わせて積層膜に構成せしめ、さらに特定膜厚
の特定酸化物薄膜あるいは特定窒化物薄膜のアンダーコ
ートまたは/および特定膜厚の特定酸化物薄膜のオーバ
ーコートをするようにしたことにより、断熱ガラスであ
って、耐摩耗性、耐食性ならびに耐久性に優れ、電波透
過がよく、通常のフロートガラス並の電波低反射率であ
り、高層建築物周辺に対し電波障害を発現するようなこ
ともなく、ガラス面側からの反射色調がゴールド系色調
を呈する居住性のよい、単板ガラスはもちろん合せガラ
スあるいは複層ガラス等として使用し得る、有用な電波
低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスを効率よく提供する
ものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なガラス基板の一方の表面に、膜厚が
    10〜70nmのSUS の酸化物薄膜である第1層と、該第1層
    の上に、膜厚が30〜70nmのCrの酸化物薄膜を第2層とし
    て被膜積層したことを特徴とする電波低反射特性を有す
    る熱線遮蔽ガラス。
  2. 【請求項2】前記第1層の下地層として、前記ガラス基
    板表面と前記第1層薄膜の間に、膜厚が5〜25nmのCrの
    窒化物薄膜を、あるいは膜厚が5〜20nmのTiまたはTaあ
    るいはSnの酸化物薄膜をアンダーコート被膜したことを
    特徴とする請求項1記載の電波低反射特性を有する熱線
    遮蔽ガラス。
  3. 【請求項3】前記第2層の上に第3層として、膜厚が5
    〜30nmのTiまたはTaあるいはSnの酸化物薄膜をオーバー
    コート被膜したことを特徴とする請求項1あるいは2記
    載の電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。
  4. 【請求項4】前記電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラ
    スにおいて、前記被膜した熱線遮蔽性能膜のシート抵抗
    値が10KΩ/口以上で、かつ該ガラスのガラス面側から
    の反射色調がゴールド系色調を呈することを特徴とする
    請求項1乃至3記載の電波低反射特性を有する熱線遮蔽
    ガラス。
JP3806392A 1992-02-25 1992-02-25 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス Pending JPH05238779A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3806392A JPH05238779A (ja) 1992-02-25 1992-02-25 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3806392A JPH05238779A (ja) 1992-02-25 1992-02-25 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05238779A true JPH05238779A (ja) 1993-09-17

Family

ID=12515041

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3806392A Pending JPH05238779A (ja) 1992-02-25 1992-02-25 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05238779A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174141A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Koito Mfg Co Ltd 装飾部材の表面被膜方法および装飾部材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174141A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Koito Mfg Co Ltd 装飾部材の表面被膜方法および装飾部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5073451A (en) Heat insulating glass with dielectric multilayer coating
JPH02225346A (ja) 熱線反射ガラス
JPS63206333A (ja) 単板熱線反射ガラス
JP3392000B2 (ja) 断熱ガラス
JPH10139491A (ja) 低反射濃色グレ−ガラス
JPH06263486A (ja) 熱線遮蔽ガラス
JP3211986B2 (ja) グレー色電波透過型熱線遮蔽ガラス
JPH05294674A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JPH05238778A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JPH05238779A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JP2003002691A (ja) 低反射基板およびその製造方法
JPH04243935A (ja) 電波低反射の熱線反射ガラスおよびその製法
JP2925040B2 (ja) 電波低反射着色ガラス
JPS6062558A (ja) 太陽エネルギ−をコントロ−ルするための製品およびその製造法
JP2528520B2 (ja) 単板断熱ガラス
JPH07291668A (ja) 電波透過型熱線遮蔽ガラス
JPH0664940A (ja) 電波透過型熱線遮蔽ガラス
JPH07291670A (ja) 可視光低反射型熱線遮蔽ガラス
JP2811917B2 (ja) 熱線遮蔽ガラス
JPH0624805A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JPH02901A (ja) 耐久性の優れた光学体
JPH02164744A (ja) 耐久性の優れた熱線反射性を有する光学体
JPH0632635A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JPH0648778A (ja) 電波透過型熱線反射ガラス
JP2856683B2 (ja) 電波透過型熱線遮蔽ガラス