JPH0624805A - 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス - Google Patents
電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスInfo
- Publication number
- JPH0624805A JPH0624805A JP17863092A JP17863092A JPH0624805A JP H0624805 A JPH0624805 A JP H0624805A JP 17863092 A JP17863092 A JP 17863092A JP 17863092 A JP17863092 A JP 17863092A JP H0624805 A JPH0624805 A JP H0624805A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- layer
- thin film
- film
- heat ray
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】透明なガラス基板の一方の表面上に、膜厚が1
〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜である薄
膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,TiSi,Ta,Zrの窒化物薄
膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも1種以上選択した
薄膜層とを、第1層または第2層として互いに異なるよ
う二層に積層被膜し、該第2層上に最外表層として、膜
厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜した電
波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。並びに前記被膜
した熱線遮蔽性能膜の表面抵抗率が1kΩ/口以上で、
かつガラス面側からの反射色調がブルー系色調を呈する
電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。 【効果】ガラスと同程度に電波を効率よく透過させ、高
層建築物等に用いてTV映像でのゴースト現象をなくする
等電波障害を防ぎ、しかも断熱性能を有し冷暖房効果を
より向上せしめ、かつガラス面反射色調がブルー系色調
でまた必要に応じて膜面反射色をニュートラル化せしめ
ることができ、比較的低透視性等、より美観を呈し、環
境に優しく、高居住性となる。
〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜である薄
膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,TiSi,Ta,Zrの窒化物薄
膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも1種以上選択した
薄膜層とを、第1層または第2層として互いに異なるよ
う二層に積層被膜し、該第2層上に最外表層として、膜
厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜した電
波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。並びに前記被膜
した熱線遮蔽性能膜の表面抵抗率が1kΩ/口以上で、
かつガラス面側からの反射色調がブルー系色調を呈する
電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。 【効果】ガラスと同程度に電波を効率よく透過させ、高
層建築物等に用いてTV映像でのゴースト現象をなくする
等電波障害を防ぎ、しかも断熱性能を有し冷暖房効果を
より向上せしめ、かつガラス面反射色調がブルー系色調
でまた必要に応じて膜面反射色をニュートラル化せしめ
ることができ、比較的低透視性等、より美観を呈し、環
境に優しく、高居住性となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽輻射エネルギ−を
遮蔽する主として建築物等の窓ガラスに用いる被膜付き
の熱線遮蔽ガラスであって、とりわけ冷暖房効果を向上
せしめるようにできるとともに比較的低い可視光線透過
率を有するものであり、しかも電波の透過性が通常すな
わち未加工のフロート板ガラス並であって、ビル周囲の
住宅等においてTV画像でのゴ−スト現象等の電波の障
害を低減でき、さらにとりわけガラス面側からの反射色
調がブル−系色調である、特に高層建築用窓ガラスとし
て有用な電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスに関す
る。
遮蔽する主として建築物等の窓ガラスに用いる被膜付き
の熱線遮蔽ガラスであって、とりわけ冷暖房効果を向上
せしめるようにできるとともに比較的低い可視光線透過
率を有するものであり、しかも電波の透過性が通常すな
わち未加工のフロート板ガラス並であって、ビル周囲の
住宅等においてTV画像でのゴ−スト現象等の電波の障
害を低減でき、さらにとりわけガラス面側からの反射色
調がブル−系色調である、特に高層建築用窓ガラスとし
て有用な電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスに関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、テレビ電波の受信にあたり、ビルの
反射によるゴ−スト障害が問題になり、ビルのコンクリ
−ト壁などにフェライト電波吸収体を設けることが実用
化されつつあり、一方、省エネや冷暖房効率の向上等か
ら、例えば高層ビルなどの窓ガラスにおいても金属、金
属酸化物などの膜をコ−ティングしたり、このような膜
を有するフィルムを貼付けた断熱性能などの機能を付与
したものが増加しており、ガラスより電波に対して反射
率が高い膜をコ−ティングしたり、フィルムを貼付ける
と反射率が例えばかなりの高い値となり、ことにブル−
系色調を呈する熱線反射ガラスとしては電波障害は避け
られない面があった。
反射によるゴ−スト障害が問題になり、ビルのコンクリ
−ト壁などにフェライト電波吸収体を設けることが実用
化されつつあり、一方、省エネや冷暖房効率の向上等か
ら、例えば高層ビルなどの窓ガラスにおいても金属、金
属酸化物などの膜をコ−ティングしたり、このような膜
を有するフィルムを貼付けた断熱性能などの機能を付与
したものが増加しており、ガラスより電波に対して反射
率が高い膜をコ−ティングしたり、フィルムを貼付ける
と反射率が例えばかなりの高い値となり、ことにブル−
系色調を呈する熱線反射ガラスとしては電波障害は避け
られない面があった。
【0003】例えば、特開昭63-190742 号公報には熱線
反射ガラスの製法について記載されており、ガラス基板
からの反射色調がブル−色系を得るためには、第1層で
あるTiO2層の膜厚が5〜10nm、第2層であるTiN 層の膜
厚が25.5〜31.5nm、第3層であるTiO2層の膜厚が12.5〜
17.5nmであることが開示されている。
反射ガラスの製法について記載されており、ガラス基板
からの反射色調がブル−色系を得るためには、第1層で
あるTiO2層の膜厚が5〜10nm、第2層であるTiN 層の膜
厚が25.5〜31.5nm、第3層であるTiO2層の膜厚が12.5〜
17.5nmであることが開示されている。
【0004】また例えば、本出願人が既に出願した特開
平3-208837号公報では単板断熱ガラス板およびその色ガ
ラスを記載しており、ガラス基板からの反射色調がブル
−色系を得るためには、ガラス板のような透明板の−方
の表面に、第1層として膜厚が10〜30nmのSiOxまたはAl
-SiOx 膜、第2層として膜厚が10〜40nmのTiNx膜、第3
層として膜厚が0〜20nmのTiOx膜、第4層として膜厚が
30〜50nmのSiOxまたはAl-SiOx 膜をそれぞれスパッタ法
で成膜してなるものを開示している。
平3-208837号公報では単板断熱ガラス板およびその色ガ
ラスを記載しており、ガラス基板からの反射色調がブル
−色系を得るためには、ガラス板のような透明板の−方
の表面に、第1層として膜厚が10〜30nmのSiOxまたはAl
-SiOx 膜、第2層として膜厚が10〜40nmのTiNx膜、第3
層として膜厚が0〜20nmのTiOx膜、第4層として膜厚が
30〜50nmのSiOxまたはAl-SiOx 膜をそれぞれスパッタ法
で成膜してなるものを開示している。
【0005】さらに例えば、本出願人が既に出願した特
開平3-252332号公報では電波低反射の熱線反射ガラスを
記載しており、電波障害を低減したブル−系色調を呈す
る熱線反射ガラスを得るためには、透明なガラス基板の
一方の表面に、第1層ならびに第3層として有色誘電体
薄膜を積層し、第2層として表面抵抗率が200 Ω/□以
上の金属薄膜または金属窒化物薄膜を積層して成り、該
被膜面の反対側から見た反射色調がブル−あるいはゴ−
ルド色であるもの等を開示している。
開平3-252332号公報では電波低反射の熱線反射ガラスを
記載しており、電波障害を低減したブル−系色調を呈す
る熱線反射ガラスを得るためには、透明なガラス基板の
一方の表面に、第1層ならびに第3層として有色誘電体
薄膜を積層し、第2層として表面抵抗率が200 Ω/□以
上の金属薄膜または金属窒化物薄膜を積層して成り、該
被膜面の反対側から見た反射色調がブル−あるいはゴ−
ルド色であるもの等を開示している。
【0006】
【発明が解決しょうとする問題点】前述したような、例
えば、特開昭63-190742 号公報ならびに特開平3-208837
号公報等ではブル−色を得るためには、TiN 層薄膜の膜
厚が比較的厚く、その結果、低抵抗な膜となり、高層建
築物の窓ガラスとして施工した際に、電波反射体となっ
て高層建築物と放送局の間にある一般家庭で見られてい
るTV画像におけるゴ−スト現象を発現することとな
る。また例えば特開平3-252332号公報等では、金属薄膜
または金属窒化物薄膜の5〜13nm程度の超薄膜を、酸化
物薄膜等でサンドイッチしたものであって、電波低反射
ガラスではあるものの、表面抵抗率が比較的低く、その
電波低反射性能は鉄筋コンクリ−ト以下ではあるとは言
え、近年のさらなる電波低反射性能に優れているものが
望まれつつある。
えば、特開昭63-190742 号公報ならびに特開平3-208837
号公報等ではブル−色を得るためには、TiN 層薄膜の膜
厚が比較的厚く、その結果、低抵抗な膜となり、高層建
築物の窓ガラスとして施工した際に、電波反射体となっ
て高層建築物と放送局の間にある一般家庭で見られてい
るTV画像におけるゴ−スト現象を発現することとな
る。また例えば特開平3-252332号公報等では、金属薄膜
または金属窒化物薄膜の5〜13nm程度の超薄膜を、酸化
物薄膜等でサンドイッチしたものであって、電波低反射
ガラスではあるものの、表面抵抗率が比較的低く、その
電波低反射性能は鉄筋コンクリ−ト以下ではあるとは言
え、近年のさらなる電波低反射性能に優れているものが
望まれつつある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明はこのような点
に鑑みてなされたものであり、特定膜厚で表面抵抗率が
例えば少なくとも1kΩ/□以上である特定した窒化物
薄膜または窒素酸化物薄膜を被膜し、その上に無色透明
な誘電体薄膜を積層することで、光の干渉作用を巧みに
利用することによってブル−系色調を発現させたもので
あって、またさらにブル−系色調を発現させることが可
能な膜に、特定膜厚のCr窒化物または窒素酸化物薄膜
を第1層または第2層として用いる積層膜構成とするこ
とで、可視光透過率等を特定範囲、例えば10〜60%で任
意に調整せしめることを可能とし、さらにはそれらの膜
を巧みに組み合わせることにより、膜面の反射率を低く
しかつ膜面の色調をニュ−トラル化させ、ガラス面の反
射色調がブル−系色調であって、しかも電波反射率をTV
電波帯、ことに周波数150MHz付近において約5%以下と
フロ−トガラス並に低くすることができ、断熱性能を保
持しつつ、ことに特定酸化物をオ−バ−コ−トしている
ので耐摩耗性や耐久性をより頑固に向上せしめるものと
なり、かつ色調を微妙にコントロ−ルできることを可能
とした。単板で充分使用することができる電波低反射特
性を有する熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
に鑑みてなされたものであり、特定膜厚で表面抵抗率が
例えば少なくとも1kΩ/□以上である特定した窒化物
薄膜または窒素酸化物薄膜を被膜し、その上に無色透明
な誘電体薄膜を積層することで、光の干渉作用を巧みに
利用することによってブル−系色調を発現させたもので
あって、またさらにブル−系色調を発現させることが可
能な膜に、特定膜厚のCr窒化物または窒素酸化物薄膜
を第1層または第2層として用いる積層膜構成とするこ
とで、可視光透過率等を特定範囲、例えば10〜60%で任
意に調整せしめることを可能とし、さらにはそれらの膜
を巧みに組み合わせることにより、膜面の反射率を低く
しかつ膜面の色調をニュ−トラル化させ、ガラス面の反
射色調がブル−系色調であって、しかも電波反射率をTV
電波帯、ことに周波数150MHz付近において約5%以下と
フロ−トガラス並に低くすることができ、断熱性能を保
持しつつ、ことに特定酸化物をオ−バ−コ−トしている
ので耐摩耗性や耐久性をより頑固に向上せしめるものと
なり、かつ色調を微妙にコントロ−ルできることを可能
とした。単板で充分使用することができる電波低反射特
性を有する熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0008】すなわち、本発明は、透明ガラス基板の−
方の表面に、膜厚が1〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒
素酸化物薄膜である薄膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,Ti
Si,Ta,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なく
とも1種以上選択した薄膜層とを、第1層または第2層
として互いに異なるように二層に積層被膜し、該第2層
上に最外表層として、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの
酸化物薄膜を被膜したことを特徴とする電波低反射特性
を有する熱線遮蔽ガラス。
方の表面に、膜厚が1〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒
素酸化物薄膜である薄膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,Ti
Si,Ta,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なく
とも1種以上選択した薄膜層とを、第1層または第2層
として互いに異なるように二層に積層被膜し、該第2層
上に最外表層として、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの
酸化物薄膜を被膜したことを特徴とする電波低反射特性
を有する熱線遮蔽ガラス。
【0009】ならびに、前記電波低反射特性を有する熱
線遮蔽ガラスにおいて、前記被膜した熱線遮蔽性能膜の
表面抵抗率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側から
の反射色調がブル−系色調を呈することを特徴とする上
述した電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスをそれぞ
れ提供するものである。
線遮蔽ガラスにおいて、前記被膜した熱線遮蔽性能膜の
表面抵抗率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側から
の反射色調がブル−系色調を呈することを特徴とする上
述した電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスをそれぞ
れ提供するものである。
【0010】ここで、前記膜厚が1〜25nmのCrの窒化物
薄膜または窒素酸化物薄膜である薄膜層を第1層または
第2層として被膜したのは、ことに可視光線透過率を例
えば10〜60%の範囲内で任意に調整せしめることを可能
とするためであって、膜の密着性を高めかつ電波障害を
膜厚の範囲内で室内の居住性を考え、膜面の反射率を低
減し、膜面の色調をニュ−トラル化するためであり、好
ましくは膜厚は3〜20nm程度である。
薄膜または窒素酸化物薄膜である薄膜層を第1層または
第2層として被膜したのは、ことに可視光線透過率を例
えば10〜60%の範囲内で任意に調整せしめることを可能
とするためであって、膜の密着性を高めかつ電波障害を
膜厚の範囲内で室内の居住性を考え、膜面の反射率を低
減し、膜面の色調をニュ−トラル化するためであり、好
ましくは膜厚は3〜20nm程度である。
【0011】また、前記膜厚が3〜25nmのTi,TiSi,T
a,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも
1種以上選択した薄膜層を第1層または第2層として被
膜したのは、表面抵抗率が1kΩ/□以上であり、かつ
ガラス面からの反射色調がブル−系色調を発現させるこ
とが可能な耐久性に優れる膜であるからであり、好まし
くは膜厚は5〜20nm程度である。
a,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも
1種以上選択した薄膜層を第1層または第2層として被
膜したのは、表面抵抗率が1kΩ/□以上であり、かつ
ガラス面からの反射色調がブル−系色調を発現させるこ
とが可能な耐久性に優れる膜であるからであり、好まし
くは膜厚は5〜20nm程度である。
【0012】さらに、前記第2層の上に、最外表層であ
る第3層として、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化
物薄膜を被膜したのは、光の干渉作用を巧みに組み合わ
せることで、ブル−色をより強く効果的に発現させるた
めであり、さらに耐久性等が頑固に向上し、かつガラス
面からの反射色調を微妙にコントロ−ルできることが可
能とでき得るものとなるものであり、好ましくは5〜25
nm程度である。
る第3層として、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化
物薄膜を被膜したのは、光の干渉作用を巧みに組み合わ
せることで、ブル−色をより強く効果的に発現させるた
めであり、さらに耐久性等が頑固に向上し、かつガラス
面からの反射色調を微妙にコントロ−ルできることが可
能とでき得るものとなるものであり、好ましくは5〜25
nm程度である。
【0013】さらにまた、前記被膜した熱線遮蔽性能膜
の表面抵抗率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側か
らの反射色調がブル−系色調を呈するものとしたのは、
充分な電波反射性能を有し、TV映像でのゴ−スト現象
等の電波障害をより確実に発現しないようにするためで
あり、またガラス面側からの反射色調がブル−系色調を
呈することによりビル等が意匠性に優れ、かつ環境に優
しいものとなるためである。
の表面抵抗率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側か
らの反射色調がブル−系色調を呈するものとしたのは、
充分な電波反射性能を有し、TV映像でのゴ−スト現象
等の電波障害をより確実に発現しないようにするためで
あり、またガラス面側からの反射色調がブル−系色調を
呈することによりビル等が意匠性に優れ、かつ環境に優
しいものとなるためである。
【0014】つぎに、ガラス基板としては、無機質はも
ちろん有機質でも透明ガラスであればよく、無色あるい
は着色等でもガラス面側から見た反射色調がブル−系色
調を得やすいものであればより好ましいものである。ま
た単板で使用できることはもとより、複層ガラスあるい
は合せガラス、強化ガラス等各種板ガラス製品として使
用できることは言うまでもない。
ちろん有機質でも透明ガラスであればよく、無色あるい
は着色等でもガラス面側から見た反射色調がブル−系色
調を得やすいものであればより好ましいものである。ま
た単板で使用できることはもとより、複層ガラスあるい
は合せガラス、強化ガラス等各種板ガラス製品として使
用できることは言うまでもない。
【0015】
【作用】前述したとおり、本発明の電波低反射特性を有
する熱線遮蔽ガラスは、特定膜厚のCrの窒化物薄膜また
は窒素酸化物薄膜である薄膜層と、特定膜厚のTi,TiS
i,Ta,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なく
とも1種以上選択した薄膜層とを、第1層または第2層
に互いに異なるよう被膜積層し、該第2層の上に最外表
層として、特定膜厚のTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜
積層し、第1層から第3層を巧みに組み合わせるものと
したものであり、その表面抵抗率が1kΩ/□以上と高
く、可視光線透過率を10〜60%程度の範囲内で任意にコ
ントロ−ルすることができ膜面からの反射を低くかつそ
の反射色調のニュ−トラル化を可能にせしめ、とりわけ
ガラス面側からの反射色調がブル−系色調を呈すること
となり、各薄膜の密着性を高め、積層した多層膜全体の
耐摩耗性ならびに耐食性が向上し、耐久性に優れ、単板
として充分採用できるものとなることはもちろん、TV
帯での電波低反射性能が格段に優れて通常のフロートガ
ラス並であることから、高層建築物等に使用されても、
その周囲において従来発現していたTV画像におけるゴ
−スト現象等の電波障害を低減することができ、さらに
適度の干渉効果でもって熱線反射を持たせて断熱機能を
充分有するものとなって冷暖房の効果を高め、透視性を
適宣抑えてより色調に富むものとすることができる等、
建築物内外の居住性ならびに景観性等環境をより優れた
ものとすることができる、有用な電波低反射特性を有す
る熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
する熱線遮蔽ガラスは、特定膜厚のCrの窒化物薄膜また
は窒素酸化物薄膜である薄膜層と、特定膜厚のTi,TiS
i,Ta,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なく
とも1種以上選択した薄膜層とを、第1層または第2層
に互いに異なるよう被膜積層し、該第2層の上に最外表
層として、特定膜厚のTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜
積層し、第1層から第3層を巧みに組み合わせるものと
したものであり、その表面抵抗率が1kΩ/□以上と高
く、可視光線透過率を10〜60%程度の範囲内で任意にコ
ントロ−ルすることができ膜面からの反射を低くかつそ
の反射色調のニュ−トラル化を可能にせしめ、とりわけ
ガラス面側からの反射色調がブル−系色調を呈すること
となり、各薄膜の密着性を高め、積層した多層膜全体の
耐摩耗性ならびに耐食性が向上し、耐久性に優れ、単板
として充分採用できるものとなることはもちろん、TV
帯での電波低反射性能が格段に優れて通常のフロートガ
ラス並であることから、高層建築物等に使用されても、
その周囲において従来発現していたTV画像におけるゴ
−スト現象等の電波障害を低減することができ、さらに
適度の干渉効果でもって熱線反射を持たせて断熱機能を
充分有するものとなって冷暖房の効果を高め、透視性を
適宣抑えてより色調に富むものとすることができる等、
建築物内外の居住性ならびに景観性等環境をより優れた
ものとすることができる、有用な電波低反射特性を有す
る熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0016】なお、電波低反射のため、衛星放送受信等
も可能である。そのため、自動車用のル−フ熱線遮蔽ガ
ラス等として有効である。
も可能である。そのため、自動車用のル−フ熱線遮蔽ガ
ラス等として有効である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0018】実施例1 大きさ600mmx600mm 、厚さ約6mm のクリアーガラス (FL
6)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピルアルコールで順
次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロンスパッタリング
装置の真空槽内にセットしてあるCr,Tiのターゲットに
対向して上方を往復できるようセットし、つぎに前記槽
内を真空ポンプで5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、前記Crのターゲットに約1.2kw の電力を印
加し、N2ガスによるDCマグネトロン反応スパッタの中
を、前記Crターゲット上方においてスピ−ド約437mm/mi
n で前記板ガラスを搬送することによって約10nm厚さの
CrNx薄膜を第1層として成膜した。成膜が完了した後、
Crターゲットへの印加を停止する。
6)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピルアルコールで順
次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロンスパッタリング
装置の真空槽内にセットしてあるCr,Tiのターゲットに
対向して上方を往復できるようセットし、つぎに前記槽
内を真空ポンプで5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、前記Crのターゲットに約1.2kw の電力を印
加し、N2ガスによるDCマグネトロン反応スパッタの中
を、前記Crターゲット上方においてスピ−ド約437mm/mi
n で前記板ガラスを搬送することによって約10nm厚さの
CrNx薄膜を第1層として成膜した。成膜が完了した後、
Crターゲットへの印加を停止する。
【0019】次に、板ガラスを前記真空槽内に置いたま
ま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、Tiターゲットに約1.3kw の電力を印加し、
前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約397mm/minで
前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガラスの
CrNx薄膜表面上に約5nm 厚さのTiNx薄膜を第2層として
積層成膜し、成膜が完了した後、Tiターゲットへの印加
を停止する。
ま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、Tiターゲットに約1.3kw の電力を印加し、
前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約397mm/minで
前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガラスの
CrNx薄膜表面上に約5nm 厚さのTiNx薄膜を第2層として
積層成膜し、成膜が完了した後、Tiターゲットへの印加
を停止する。
【0020】さらに板ガラスを前記真空槽内に置いたま
ま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、Tiターゲットに約1.9kw の電力を印加し、
前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約37mm/minで前
記板ガラスを搬送することによって、前記板ガラスのTi
Nx薄膜表面上に約30nm厚さのTiOx薄膜を第3層として積
層成膜した。成膜が完了した後、Tiターゲットへの印加
を停止する。
ま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、Tiターゲットに約1.9kw の電力を印加し、
前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約37mm/minで前
記板ガラスを搬送することによって、前記板ガラスのTi
Nx薄膜表面上に約30nm厚さのTiOx薄膜を第3層として積
層成膜した。成膜が完了した後、Tiターゲットへの印加
を停止する。
【0021】得られた3層膜を有する電波低反射特性を
有する熱線遮蔽ガラスについて、可視光透過率(380nm〜
780nm)、可視光反射率(380nm〜780nm)ならびに日射透過
率(340nm〜1800nm) についてはU-4000型自記分光光度計
(日立製作所製)とJISZ8722、JISR3106によってそれぞ
れの光学的特性を求めた。さらにテ−バ−試験によるヘ
−ズ(曇り具合)値の変化量(△H%)については、テ
−バ−試験機(MODEL503 、TYBER 社製)に膜面を上に
した10cm角の試験片をセットし、膜面に荷重500gのかか
った摩耗輪(CS-10F)が2箇所で当たるようになっている
もので、300 回回転した後、ヘーズメーター(日本電色
工業製、NDH-20D )によって測定し、試験前の測定値と
対比し、その変化量(△H%)をもって表した数値であ
る。
有する熱線遮蔽ガラスについて、可視光透過率(380nm〜
780nm)、可視光反射率(380nm〜780nm)ならびに日射透過
率(340nm〜1800nm) についてはU-4000型自記分光光度計
(日立製作所製)とJISZ8722、JISR3106によってそれぞ
れの光学的特性を求めた。さらにテ−バ−試験によるヘ
−ズ(曇り具合)値の変化量(△H%)については、テ
−バ−試験機(MODEL503 、TYBER 社製)に膜面を上に
した10cm角の試験片をセットし、膜面に荷重500gのかか
った摩耗輪(CS-10F)が2箇所で当たるようになっている
もので、300 回回転した後、ヘーズメーター(日本電色
工業製、NDH-20D )によって測定し、試験前の測定値と
対比し、その変化量(△H%)をもって表した数値であ
る。
【0022】次に、耐薬品性のうち耐酸試験について
は、常温で1規定のHcl 溶液中に前記試験片を約6時間
浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断したものであり、
耐アルカリ試験については、常温で1規定のNaOH溶液中
に試験片を約6時間浸漬した後、膜の劣化状態を見てJI
SR3221により判断したものであり、それぞれ○印はほと
んど劣化が見られなかったもの、×印は劣化が明らかに
目立ったものである。
は、常温で1規定のHcl 溶液中に前記試験片を約6時間
浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断したものであり、
耐アルカリ試験については、常温で1規定のNaOH溶液中
に試験片を約6時間浸漬した後、膜の劣化状態を見てJI
SR3221により判断したものであり、それぞれ○印はほと
んど劣化が見られなかったもの、×印は劣化が明らかに
目立ったものである。
【0023】さらに表面抵抗率については、105 Ω/□
以下のものは四探針抵抗測定装置RT-8(NAPSON社製)に
よって、105 Ω/□〜105 MΩ/□のものは三菱油化製
表面高抵抗計(HIRESTA HT-210)によって測定したもの
である。
以下のものは四探針抵抗測定装置RT-8(NAPSON社製)に
よって、105 Ω/□〜105 MΩ/□のものは三菱油化製
表面高抵抗計(HIRESTA HT-210)によって測定したもの
である。
【0024】またさらに、電波反射率については、大型
導波管法によって測定することで得た。表1より明らか
なように、従来の熱線反射ガラスとほぼ同等の断熱性能
を示し、優れた居住性をもって、耐摩耗性、耐食性、耐
候性、耐久性を有し、電波を充分透過するものであっ
て、電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスとして高層
建築物等の窓ガラスに有用なものとなり、ことにガラス
面側からの反射色調がブル−系色調で所期のめざすもの
を得た。
導波管法によって測定することで得た。表1より明らか
なように、従来の熱線反射ガラスとほぼ同等の断熱性能
を示し、優れた居住性をもって、耐摩耗性、耐食性、耐
候性、耐久性を有し、電波を充分透過するものであっ
て、電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスとして高層
建築物等の窓ガラスに有用なものとなり、ことにガラス
面側からの反射色調がブル−系色調で所期のめざすもの
を得た。
【0025】実施例2 実施例1と同様の方法で、処理したガラスを使用し、DC
マグネトロンスパッタリング装置内の真空槽内にCr、Ti
Si、Tiのターゲットをセットし、前記槽内を真空ポンプ
で5x10-6Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にN2ガ
ス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:1 の範囲にあれ
ばよい。)を導入して実施例1と同真空度、同N2ガス、
同印加電力にて、DCマグネトロン反応スパッタの中を、
前記Crのターゲット上方においてスピ−ド約291mm/min
で前記板ガラスを搬送することによって約15nm厚さのCr
Nx薄膜を第1層として成膜した。
マグネトロンスパッタリング装置内の真空槽内にCr、Ti
Si、Tiのターゲットをセットし、前記槽内を真空ポンプ
で5x10-6Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にN2ガ
ス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:1 の範囲にあれ
ばよい。)を導入して実施例1と同真空度、同N2ガス、
同印加電力にて、DCマグネトロン反応スパッタの中を、
前記Crのターゲット上方においてスピ−ド約291mm/min
で前記板ガラスを搬送することによって約15nm厚さのCr
Nx薄膜を第1層として成膜した。
【0026】次に前記板ガラスを前記真空槽内に置いた
まま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、
該真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から
0:1の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3T
orrに保持し、TiSiターゲットに約1.4kw の電力を印加
し、前記TiSiターゲット上方においてスピ−ド約160mm/
min で前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガ
ラスのCrNx薄膜表面上に約15nm厚さのTiSixNy 薄膜を第
2層として積層成膜した。
まま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、
該真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から
0:1の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3T
orrに保持し、TiSiターゲットに約1.4kw の電力を印加
し、前記TiSiターゲット上方においてスピ−ド約160mm/
min で前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガ
ラスのCrNx薄膜表面上に約15nm厚さのTiSixNy 薄膜を第
2層として積層成膜した。
【0027】さらに前記板ガラスを前記真空槽内に置い
たまま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した
後、該真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の流量比は1:1
から0:1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x
10-3Torrに保持し、Tiターゲットに約1.9kw の電力を印
加し、前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約222mm/
min で前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガ
ラスのTiSixNy 薄膜表面上に約5nm 厚さのTiOx薄膜を第
3層として積層成膜した。
たまま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した
後、該真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の流量比は1:1
から0:1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x
10-3Torrに保持し、Tiターゲットに約1.9kw の電力を印
加し、前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約222mm/
min で前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガ
ラスのTiSixNy 薄膜表面上に約5nm 厚さのTiOx薄膜を第
3層として積層成膜した。
【0028】表1に示すように、得られた3層膜を有す
る電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスは、その膜構
成において実施例1で示した測定法等によって同様の評
価手段で行ない、その結果は実施例1と同様に優れた所
期の光学特性等各物性を示すものであった。
る電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスは、その膜構
成において実施例1で示した測定法等によって同様の評
価手段で行ない、その結果は実施例1と同様に優れた所
期の光学特性等各物性を示すものであった。
【0029】実施例3〜9 前記実施例と同様の方法で、表1に示す3層膜の各膜厚
を得て、その膜構成において実施例1で示した測定法等
によって同様の評価手段で行ない、その結果を表1に示
す。
を得て、その膜構成において実施例1で示した測定法等
によって同様の評価手段で行ない、その結果を表1に示
す。
【0030】得られた3層膜を有する電波低反射特性を
有する熱線遮蔽ガラスは、実施例1と同様に優れた所期
の光学特性等各物性を示すものであった。なお、TaNx薄
膜についてはDCマグネトロン反応スパッタ装置でTaター
ゲットを用い、同真空度、N2ガス、印加電力1.7kw にお
いて、例えば板ガラス搬送スピ−ド約500mm/min で膜厚
約3nm のTaNx薄膜を得た。またZrNx薄膜についてはDCマ
グネトロン反応スパッタ装置でZrターゲットを用い、同
真空度、N2ガス、印加電力1.5kw において、例えば板ガ
ラス搬送スピ−ド約150mm/min で膜厚約10nmのZrNx薄膜
を得た。
有する熱線遮蔽ガラスは、実施例1と同様に優れた所期
の光学特性等各物性を示すものであった。なお、TaNx薄
膜についてはDCマグネトロン反応スパッタ装置でTaター
ゲットを用い、同真空度、N2ガス、印加電力1.7kw にお
いて、例えば板ガラス搬送スピ−ド約500mm/min で膜厚
約3nm のTaNx薄膜を得た。またZrNx薄膜についてはDCマ
グネトロン反応スパッタ装置でZrターゲットを用い、同
真空度、N2ガス、印加電力1.5kw において、例えば板ガ
ラス搬送スピ−ド約150mm/min で膜厚約10nmのZrNx薄膜
を得た。
【0031】また、CrNxOy薄膜については同装置でCrタ
ーゲットを用い、同真空度、Ar/N2=1/99%ガス、印加電
力1.2kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約264m
m/min で膜厚約15nmのCrNxOy薄膜を得た。
ーゲットを用い、同真空度、Ar/N2=1/99%ガス、印加電
力1.2kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約264m
m/min で膜厚約15nmのCrNxOy薄膜を得た。
【0032】さらに、TaOx薄膜については同装置でTaタ
ーゲットを用い、同真空度、O2ガス、印加電力1.0kw に
おいて、例えば板ガラス搬送スピ−ド約42mm/minで膜厚
約20nmのTaOx薄膜を得た。またTiSixOy 薄膜については
同装置でTiSiターゲットを用い、同真空度、O2ガス、印
加電力1.0kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約
138mm/min で膜厚約10nmのTiSixOy 薄膜を得た。
ーゲットを用い、同真空度、O2ガス、印加電力1.0kw に
おいて、例えば板ガラス搬送スピ−ド約42mm/minで膜厚
約20nmのTaOx薄膜を得た。またTiSixOy 薄膜については
同装置でTiSiターゲットを用い、同真空度、O2ガス、印
加電力1.0kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約
138mm/min で膜厚約10nmのTiSixOy 薄膜を得た。
【0033】
【表1】
【0034】比較例1〜5 実施例1と同様に処理したガラスを用い、同装置にSUS
ターゲットを2本セットし、真空槽内を約5x10-6Torr以
下に脱気した後、該真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の
流量は1:1 から0:1 の範囲にあればよい。)を導入し、
真空度を2x10-3Torrに保持し、前記ターゲットに約1.5k
w の電力を印加し、板ガラス搬送スピ−ド約300mm/min
で膜厚約10nmのSUSOx 薄膜を第1層として成膜した。次
いでもう一方のSUS ターゲットを使用し、Arガス圧約2x
10-3Torrで印加電力約1.0kw において、板ガラス搬送ス
ピ−ド約500mm/min で膜厚約6nm のSUS 薄膜を得た。さ
らに第1層と同様にして板ガラス搬送スピ−ド約100mm/
min で膜厚約30nmのSUSOx薄膜を第3層として積層成膜
した。
ターゲットを2本セットし、真空槽内を約5x10-6Torr以
下に脱気した後、該真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の
流量は1:1 から0:1 の範囲にあればよい。)を導入し、
真空度を2x10-3Torrに保持し、前記ターゲットに約1.5k
w の電力を印加し、板ガラス搬送スピ−ド約300mm/min
で膜厚約10nmのSUSOx 薄膜を第1層として成膜した。次
いでもう一方のSUS ターゲットを使用し、Arガス圧約2x
10-3Torrで印加電力約1.0kw において、板ガラス搬送ス
ピ−ド約500mm/min で膜厚約6nm のSUS 薄膜を得た。さ
らに第1層と同様にして板ガラス搬送スピ−ド約100mm/
min で膜厚約30nmのSUSOx薄膜を第3層として積層成膜
した。
【0035】また、SnOx薄膜については、前記実施例と
同様の方法で板ガラス搬送スピ−ドを所望の膜厚となる
ように調整して得た。またTiNx薄膜については、同装置
でTiターゲットを用い、同真空度、N2ガス、印加電力約
1.5kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約100 mm
/minで膜厚約30nmのTiNx薄膜を得た。
同様の方法で板ガラス搬送スピ−ドを所望の膜厚となる
ように調整して得た。またTiNx薄膜については、同装置
でTiターゲットを用い、同真空度、N2ガス、印加電力約
1.5kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約100 mm
/minで膜厚約30nmのTiNx薄膜を得た。
【0036】このような方法によって、表2に示すよう
な1〜3層の積層膜を得、その膜構成において、実施例
1と同様の測定法、同様の評価手段で行ない、その結果
を表2にそれぞれ示す。
な1〜3層の積層膜を得、その膜構成において、実施例
1と同様の測定法、同様の評価手段で行ない、その結果
を表2にそれぞれ示す。
【0037】それぞれ、各実施例に比して、従来の熱線
反射ガラスであるこれらにおいては、例えば表面抵抗率
が低く、280Ω/□以下であって、電波反射率も14%
以上となり、従来のフロ−トガラスの電波反射率より悪
く、建築物の周辺に電波障害を発現し易いものまたは発
現するものである。
反射ガラスであるこれらにおいては、例えば表面抵抗率
が低く、280Ω/□以下であって、電波反射率も14%
以上となり、従来のフロ−トガラスの電波反射率より悪
く、建築物の周辺に電波障害を発現し易いものまたは発
現するものである。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定膜厚の高表面抵抗率を有するCr窒化物または
窒素酸化物薄膜と、特定膜厚の高表面抵抗率を有するT
i,Ta,Zr,TiSi窒化物または窒素酸化物薄膜とを第
1,2層に配し、特定膜厚のTi,Ta,TiSi酸化物薄膜を
最外表層に被膜積層し、特異に適宣巧みに組合せること
で構成せしめたことにより、断熱ガラスであって、耐摩
耗性、耐食性ならびに耐久性に優れ、適宣膜面の反射色
調をニュ−トラル化することができ、電波透過がよく、
通常のフロ−トガラス並の電波低反射率であり、高層建
築物周辺に対し電波障害を発現するようなこともなく、
ガラス面側からの反射色調がブル−系色調を呈する居住
性のよい、単板ガラスはもちろん合わせガラスあるいは
複層ガラス等として使用し得る、有用な電波低反射特性
を有する熱線遮蔽ガラスを効率よく提供するものであ
る。
法で、特定膜厚の高表面抵抗率を有するCr窒化物または
窒素酸化物薄膜と、特定膜厚の高表面抵抗率を有するT
i,Ta,Zr,TiSi窒化物または窒素酸化物薄膜とを第
1,2層に配し、特定膜厚のTi,Ta,TiSi酸化物薄膜を
最外表層に被膜積層し、特異に適宣巧みに組合せること
で構成せしめたことにより、断熱ガラスであって、耐摩
耗性、耐食性ならびに耐久性に優れ、適宣膜面の反射色
調をニュ−トラル化することができ、電波透過がよく、
通常のフロ−トガラス並の電波低反射率であり、高層建
築物周辺に対し電波障害を発現するようなこともなく、
ガラス面側からの反射色調がブル−系色調を呈する居住
性のよい、単板ガラスはもちろん合わせガラスあるいは
複層ガラス等として使用し得る、有用な電波低反射特性
を有する熱線遮蔽ガラスを効率よく提供するものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 透明ガラス基板の一方の表面に、膜厚が
1〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜である
薄膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,TiSi,Ta,Zrの窒化物
薄膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも1種以上選択し
た薄膜層とを、第1層または第2層として互いに異なる
ように二層に積層被膜し、該第2層上に最外表層とし
て、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜
したことを特徴とする電波低反射特性を有する熱線遮蔽
ガラス。 - 【請求項2】 前記電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガ
ラスにおいて、前記被膜した熱線遮蔽性能膜の表面抵抗
率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側からの反射色
調がブル−系色調を呈することを特徴とする請求項1記
載の電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17863092A JPH0624805A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17863092A JPH0624805A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0624805A true JPH0624805A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16051823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17863092A Pending JPH0624805A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0624805A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8124690B2 (en) | 2006-09-13 | 2012-02-28 | Kaneka Corporation | Moisture curable polymer having SiF group, and curable composition containing the same |
-
1992
- 1992-07-06 JP JP17863092A patent/JPH0624805A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8124690B2 (en) | 2006-09-13 | 2012-02-28 | Kaneka Corporation | Moisture curable polymer having SiF group, and curable composition containing the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5073451A (en) | Heat insulating glass with dielectric multilayer coating | |
JP3392000B2 (ja) | 断熱ガラス | |
JPH06263486A (ja) | 熱線遮蔽ガラス | |
JPH0624805A (ja) | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス | |
JP3211986B2 (ja) | グレー色電波透過型熱線遮蔽ガラス | |
JPH05294674A (ja) | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス | |
JP2925040B2 (ja) | 電波低反射着色ガラス | |
JPH04243935A (ja) | 電波低反射の熱線反射ガラスおよびその製法 | |
JPH05238778A (ja) | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス | |
JP2003002691A (ja) | 低反射基板およびその製造方法 | |
JPH07291668A (ja) | 電波透過型熱線遮蔽ガラス | |
JPH0664940A (ja) | 電波透過型熱線遮蔽ガラス | |
KR970000383B1 (ko) | 열선반사 유리 및 그 제조방법 | |
JPH07291670A (ja) | 可視光低反射型熱線遮蔽ガラス | |
JP2528520B2 (ja) | 単板断熱ガラス | |
JPH0632635A (ja) | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス | |
JPH05238779A (ja) | 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス | |
JPH0648778A (ja) | 電波透過型熱線反射ガラス | |
JPH04300227A (ja) | TiSiN系薄膜被覆ガラス | |
JPH0764598B2 (ja) | 赤外線遮断ガラス | |
JPH1045434A (ja) | 自動車用電波透過型断熱ガラス | |
JP2856683B2 (ja) | 電波透過型熱線遮蔽ガラス | |
JPH03252332A (ja) | 電波低反射の熱線反射ガラス | |
JP2862452B2 (ja) | 電波透過特性を有する熱線反射ガラス | |
JPH07291671A (ja) | 電波透過型の熱線遮蔽ガラス |