JPH0624805A - 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス - Google Patents

電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Info

Publication number
JPH0624805A
JPH0624805A JP17863092A JP17863092A JPH0624805A JP H0624805 A JPH0624805 A JP H0624805A JP 17863092 A JP17863092 A JP 17863092A JP 17863092 A JP17863092 A JP 17863092A JP H0624805 A JPH0624805 A JP H0624805A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
layer
thin film
film
heat ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17863092A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Takeuchi
伸行 竹内
Masaya Takayama
昌也 高山
Yoshio Asai
祥生 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP17863092A priority Critical patent/JPH0624805A/ja
Publication of JPH0624805A publication Critical patent/JPH0624805A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】透明なガラス基板の一方の表面上に、膜厚が1
〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜である薄
膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,TiSi,Ta,Zrの窒化物薄
膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも1種以上選択した
薄膜層とを、第1層または第2層として互いに異なるよ
う二層に積層被膜し、該第2層上に最外表層として、膜
厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜した電
波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。並びに前記被膜
した熱線遮蔽性能膜の表面抵抗率が1kΩ/口以上で、
かつガラス面側からの反射色調がブルー系色調を呈する
電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。 【効果】ガラスと同程度に電波を効率よく透過させ、高
層建築物等に用いてTV映像でのゴースト現象をなくする
等電波障害を防ぎ、しかも断熱性能を有し冷暖房効果を
より向上せしめ、かつガラス面反射色調がブルー系色調
でまた必要に応じて膜面反射色をニュートラル化せしめ
ることができ、比較的低透視性等、より美観を呈し、環
境に優しく、高居住性となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽輻射エネルギ−を
遮蔽する主として建築物等の窓ガラスに用いる被膜付き
の熱線遮蔽ガラスであって、とりわけ冷暖房効果を向上
せしめるようにできるとともに比較的低い可視光線透過
率を有するものであり、しかも電波の透過性が通常すな
わち未加工のフロート板ガラス並であって、ビル周囲の
住宅等においてTV画像でのゴ−スト現象等の電波の障
害を低減でき、さらにとりわけガラス面側からの反射色
調がブル−系色調である、特に高層建築用窓ガラスとし
て有用な電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスに関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、テレビ電波の受信にあたり、ビルの
反射によるゴ−スト障害が問題になり、ビルのコンクリ
−ト壁などにフェライト電波吸収体を設けることが実用
化されつつあり、一方、省エネや冷暖房効率の向上等か
ら、例えば高層ビルなどの窓ガラスにおいても金属、金
属酸化物などの膜をコ−ティングしたり、このような膜
を有するフィルムを貼付けた断熱性能などの機能を付与
したものが増加しており、ガラスより電波に対して反射
率が高い膜をコ−ティングしたり、フィルムを貼付ける
と反射率が例えばかなりの高い値となり、ことにブル−
系色調を呈する熱線反射ガラスとしては電波障害は避け
られない面があった。
【0003】例えば、特開昭63-190742 号公報には熱線
反射ガラスの製法について記載されており、ガラス基板
からの反射色調がブル−色系を得るためには、第1層で
あるTiO2層の膜厚が5〜10nm、第2層であるTiN 層の膜
厚が25.5〜31.5nm、第3層であるTiO2層の膜厚が12.5〜
17.5nmであることが開示されている。
【0004】また例えば、本出願人が既に出願した特開
平3-208837号公報では単板断熱ガラス板およびその色ガ
ラスを記載しており、ガラス基板からの反射色調がブル
−色系を得るためには、ガラス板のような透明板の−方
の表面に、第1層として膜厚が10〜30nmのSiOxまたはAl
-SiOx 膜、第2層として膜厚が10〜40nmのTiNx膜、第3
層として膜厚が0〜20nmのTiOx膜、第4層として膜厚が
30〜50nmのSiOxまたはAl-SiOx 膜をそれぞれスパッタ法
で成膜してなるものを開示している。
【0005】さらに例えば、本出願人が既に出願した特
開平3-252332号公報では電波低反射の熱線反射ガラスを
記載しており、電波障害を低減したブル−系色調を呈す
る熱線反射ガラスを得るためには、透明なガラス基板の
一方の表面に、第1層ならびに第3層として有色誘電体
薄膜を積層し、第2層として表面抵抗率が200 Ω/□以
上の金属薄膜または金属窒化物薄膜を積層して成り、該
被膜面の反対側から見た反射色調がブル−あるいはゴ−
ルド色であるもの等を開示している。
【0006】
【発明が解決しょうとする問題点】前述したような、例
えば、特開昭63-190742 号公報ならびに特開平3-208837
号公報等ではブル−色を得るためには、TiN 層薄膜の膜
厚が比較的厚く、その結果、低抵抗な膜となり、高層建
築物の窓ガラスとして施工した際に、電波反射体となっ
て高層建築物と放送局の間にある一般家庭で見られてい
るTV画像におけるゴ−スト現象を発現することとな
る。また例えば特開平3-252332号公報等では、金属薄膜
または金属窒化物薄膜の5〜13nm程度の超薄膜を、酸化
物薄膜等でサンドイッチしたものであって、電波低反射
ガラスではあるものの、表面抵抗率が比較的低く、その
電波低反射性能は鉄筋コンクリ−ト以下ではあるとは言
え、近年のさらなる電波低反射性能に優れているものが
望まれつつある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明はこのような点
に鑑みてなされたものであり、特定膜厚で表面抵抗率が
例えば少なくとも1kΩ/□以上である特定した窒化物
薄膜または窒素酸化物薄膜を被膜し、その上に無色透明
な誘電体薄膜を積層することで、光の干渉作用を巧みに
利用することによってブル−系色調を発現させたもので
あって、またさらにブル−系色調を発現させることが可
能な膜に、特定膜厚のCr窒化物または窒素酸化物薄膜
を第1層または第2層として用いる積層膜構成とするこ
とで、可視光透過率等を特定範囲、例えば10〜60%で任
意に調整せしめることを可能とし、さらにはそれらの膜
を巧みに組み合わせることにより、膜面の反射率を低く
しかつ膜面の色調をニュ−トラル化させ、ガラス面の反
射色調がブル−系色調であって、しかも電波反射率をTV
電波帯、ことに周波数150MHz付近において約5%以下と
フロ−トガラス並に低くすることができ、断熱性能を保
持しつつ、ことに特定酸化物をオ−バ−コ−トしている
ので耐摩耗性や耐久性をより頑固に向上せしめるものと
なり、かつ色調を微妙にコントロ−ルできることを可能
とした。単板で充分使用することができる電波低反射特
性を有する熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0008】すなわち、本発明は、透明ガラス基板の−
方の表面に、膜厚が1〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒
素酸化物薄膜である薄膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,Ti
Si,Ta,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なく
とも1種以上選択した薄膜層とを、第1層または第2層
として互いに異なるように二層に積層被膜し、該第2層
上に最外表層として、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの
酸化物薄膜を被膜したことを特徴とする電波低反射特性
を有する熱線遮蔽ガラス。
【0009】ならびに、前記電波低反射特性を有する熱
線遮蔽ガラスにおいて、前記被膜した熱線遮蔽性能膜の
表面抵抗率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側から
の反射色調がブル−系色調を呈することを特徴とする上
述した電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスをそれぞ
れ提供するものである。
【0010】ここで、前記膜厚が1〜25nmのCrの窒化物
薄膜または窒素酸化物薄膜である薄膜層を第1層または
第2層として被膜したのは、ことに可視光線透過率を例
えば10〜60%の範囲内で任意に調整せしめることを可能
とするためであって、膜の密着性を高めかつ電波障害を
膜厚の範囲内で室内の居住性を考え、膜面の反射率を低
減し、膜面の色調をニュ−トラル化するためであり、好
ましくは膜厚は3〜20nm程度である。
【0011】また、前記膜厚が3〜25nmのTi,TiSi,T
a,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも
1種以上選択した薄膜層を第1層または第2層として被
膜したのは、表面抵抗率が1kΩ/□以上であり、かつ
ガラス面からの反射色調がブル−系色調を発現させるこ
とが可能な耐久性に優れる膜であるからであり、好まし
くは膜厚は5〜20nm程度である。
【0012】さらに、前記第2層の上に、最外表層であ
る第3層として、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化
物薄膜を被膜したのは、光の干渉作用を巧みに組み合わ
せることで、ブル−色をより強く効果的に発現させるた
めであり、さらに耐久性等が頑固に向上し、かつガラス
面からの反射色調を微妙にコントロ−ルできることが可
能とでき得るものとなるものであり、好ましくは5〜25
nm程度である。
【0013】さらにまた、前記被膜した熱線遮蔽性能膜
の表面抵抗率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側か
らの反射色調がブル−系色調を呈するものとしたのは、
充分な電波反射性能を有し、TV映像でのゴ−スト現象
等の電波障害をより確実に発現しないようにするためで
あり、またガラス面側からの反射色調がブル−系色調を
呈することによりビル等が意匠性に優れ、かつ環境に優
しいものとなるためである。
【0014】つぎに、ガラス基板としては、無機質はも
ちろん有機質でも透明ガラスであればよく、無色あるい
は着色等でもガラス面側から見た反射色調がブル−系色
調を得やすいものであればより好ましいものである。ま
た単板で使用できることはもとより、複層ガラスあるい
は合せガラス、強化ガラス等各種板ガラス製品として使
用できることは言うまでもない。
【0015】
【作用】前述したとおり、本発明の電波低反射特性を有
する熱線遮蔽ガラスは、特定膜厚のCrの窒化物薄膜また
は窒素酸化物薄膜である薄膜層と、特定膜厚のTi,TiS
i,Ta,Zrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜を少なく
とも1種以上選択した薄膜層とを、第1層または第2層
に互いに異なるよう被膜積層し、該第2層の上に最外表
層として、特定膜厚のTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜
積層し、第1層から第3層を巧みに組み合わせるものと
したものであり、その表面抵抗率が1kΩ/□以上と高
く、可視光線透過率を10〜60%程度の範囲内で任意にコ
ントロ−ルすることができ膜面からの反射を低くかつそ
の反射色調のニュ−トラル化を可能にせしめ、とりわけ
ガラス面側からの反射色調がブル−系色調を呈すること
となり、各薄膜の密着性を高め、積層した多層膜全体の
耐摩耗性ならびに耐食性が向上し、耐久性に優れ、単板
として充分採用できるものとなることはもちろん、TV
帯での電波低反射性能が格段に優れて通常のフロートガ
ラス並であることから、高層建築物等に使用されても、
その周囲において従来発現していたTV画像におけるゴ
−スト現象等の電波障害を低減することができ、さらに
適度の干渉効果でもって熱線反射を持たせて断熱機能を
充分有するものとなって冷暖房の効果を高め、透視性を
適宣抑えてより色調に富むものとすることができる等、
建築物内外の居住性ならびに景観性等環境をより優れた
ものとすることができる、有用な電波低反射特性を有す
る熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0016】なお、電波低反射のため、衛星放送受信等
も可能である。そのため、自動車用のル−フ熱線遮蔽ガ
ラス等として有効である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0018】実施例1 大きさ600mmx600mm 、厚さ約6mm のクリアーガラス (FL
6)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピルアルコールで順
次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロンスパッタリング
装置の真空槽内にセットしてあるCr,Tiのターゲットに
対向して上方を往復できるようセットし、つぎに前記槽
内を真空ポンプで5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、前記Crのターゲットに約1.2kw の電力を印
加し、N2ガスによるDCマグネトロン反応スパッタの中
を、前記Crターゲット上方においてスピ−ド約437mm/mi
n で前記板ガラスを搬送することによって約10nm厚さの
CrNx薄膜を第1層として成膜した。成膜が完了した後、
Crターゲットへの印加を停止する。
【0019】次に、板ガラスを前記真空槽内に置いたま
ま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、Tiターゲットに約1.3kw の電力を印加し、
前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約397mm/minで
前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガラスの
CrNx薄膜表面上に約5nm 厚さのTiNx薄膜を第2層として
積層成膜し、成膜が完了した後、Tiターゲットへの印加
を停止する。
【0020】さらに板ガラスを前記真空槽内に置いたま
ま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、該
真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の流量比は1:1 から0:
1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3To
rrに保持し、Tiターゲットに約1.9kw の電力を印加し、
前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約37mm/minで前
記板ガラスを搬送することによって、前記板ガラスのTi
Nx薄膜表面上に約30nm厚さのTiOx薄膜を第3層として積
層成膜した。成膜が完了した後、Tiターゲットへの印加
を停止する。
【0021】得られた3層膜を有する電波低反射特性を
有する熱線遮蔽ガラスについて、可視光透過率(380nm〜
780nm)、可視光反射率(380nm〜780nm)ならびに日射透過
率(340nm〜1800nm) についてはU-4000型自記分光光度計
(日立製作所製)とJISZ8722、JISR3106によってそれぞ
れの光学的特性を求めた。さらにテ−バ−試験によるヘ
−ズ(曇り具合)値の変化量(△H%)については、テ
−バ−試験機(MODEL503 、TYBER 社製)に膜面を上に
した10cm角の試験片をセットし、膜面に荷重500gのかか
った摩耗輪(CS-10F)が2箇所で当たるようになっている
もので、300 回回転した後、ヘーズメーター(日本電色
工業製、NDH-20D )によって測定し、試験前の測定値と
対比し、その変化量(△H%)をもって表した数値であ
る。
【0022】次に、耐薬品性のうち耐酸試験について
は、常温で1規定のHcl 溶液中に前記試験片を約6時間
浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断したものであり、
耐アルカリ試験については、常温で1規定のNaOH溶液中
に試験片を約6時間浸漬した後、膜の劣化状態を見てJI
SR3221により判断したものであり、それぞれ○印はほと
んど劣化が見られなかったもの、×印は劣化が明らかに
目立ったものである。
【0023】さらに表面抵抗率については、105 Ω/□
以下のものは四探針抵抗測定装置RT-8(NAPSON社製)に
よって、105 Ω/□〜105 MΩ/□のものは三菱油化製
表面高抵抗計(HIRESTA HT-210)によって測定したもの
である。
【0024】またさらに、電波反射率については、大型
導波管法によって測定することで得た。表1より明らか
なように、従来の熱線反射ガラスとほぼ同等の断熱性能
を示し、優れた居住性をもって、耐摩耗性、耐食性、耐
候性、耐久性を有し、電波を充分透過するものであっ
て、電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスとして高層
建築物等の窓ガラスに有用なものとなり、ことにガラス
面側からの反射色調がブル−系色調で所期のめざすもの
を得た。
【0025】実施例2 実施例1と同様の方法で、処理したガラスを使用し、DC
マグネトロンスパッタリング装置内の真空槽内にCr、Ti
Si、Tiのターゲットをセットし、前記槽内を真空ポンプ
で5x10-6Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にN2
ス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から0:1 の範囲にあれ
ばよい。)を導入して実施例1と同真空度、同N2ガス、
同印加電力にて、DCマグネトロン反応スパッタの中を、
前記Crのターゲット上方においてスピ−ド約291mm/min
で前記板ガラスを搬送することによって約15nm厚さのCr
Nx薄膜を第1層として成膜した。
【0026】次に前記板ガラスを前記真空槽内に置いた
まま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した後、
該真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比は1:1 から
0:1の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x10-3T
orrに保持し、TiSiターゲットに約1.4kw の電力を印加
し、前記TiSiターゲット上方においてスピ−ド約160mm/
min で前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガ
ラスのCrNx薄膜表面上に約15nm厚さのTiSixNy 薄膜を第
2層として積層成膜した。
【0027】さらに前記板ガラスを前記真空槽内に置い
たまま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに脱気した
後、該真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2の流量比は1:1
から0:1 の範囲にあればよい。)を導入して真空度を2x
10-3Torrに保持し、Tiターゲットに約1.9kw の電力を印
加し、前記Tiターゲット上方においてスピ−ド約222mm/
min で前記板ガラスを搬送することによって、前記板ガ
ラスのTiSixNy 薄膜表面上に約5nm 厚さのTiOx薄膜を第
3層として積層成膜した。
【0028】表1に示すように、得られた3層膜を有す
る電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラスは、その膜構
成において実施例1で示した測定法等によって同様の評
価手段で行ない、その結果は実施例1と同様に優れた所
期の光学特性等各物性を示すものであった。
【0029】実施例3〜9 前記実施例と同様の方法で、表1に示す3層膜の各膜厚
を得て、その膜構成において実施例1で示した測定法等
によって同様の評価手段で行ない、その結果を表1に示
す。
【0030】得られた3層膜を有する電波低反射特性を
有する熱線遮蔽ガラスは、実施例1と同様に優れた所期
の光学特性等各物性を示すものであった。なお、TaNx薄
膜についてはDCマグネトロン反応スパッタ装置でTaター
ゲットを用い、同真空度、N2ガス、印加電力1.7kw にお
いて、例えば板ガラス搬送スピ−ド約500mm/min で膜厚
約3nm のTaNx薄膜を得た。またZrNx薄膜についてはDCマ
グネトロン反応スパッタ装置でZrターゲットを用い、同
真空度、N2ガス、印加電力1.5kw において、例えば板ガ
ラス搬送スピ−ド約150mm/min で膜厚約10nmのZrNx薄膜
を得た。
【0031】また、CrNxOy薄膜については同装置でCrタ
ーゲットを用い、同真空度、Ar/N2=1/99%ガス、印加電
力1.2kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約264m
m/min で膜厚約15nmのCrNxOy薄膜を得た。
【0032】さらに、TaOx薄膜については同装置でTaタ
ーゲットを用い、同真空度、O2ガス、印加電力1.0kw に
おいて、例えば板ガラス搬送スピ−ド約42mm/minで膜厚
約20nmのTaOx薄膜を得た。またTiSixOy 薄膜については
同装置でTiSiターゲットを用い、同真空度、O2ガス、印
加電力1.0kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約
138mm/min で膜厚約10nmのTiSixOy 薄膜を得た。
【0033】
【表1】
【0034】比較例1〜5 実施例1と同様に処理したガラスを用い、同装置にSUS
ターゲットを2本セットし、真空槽内を約5x10-6Torr以
下に脱気した後、該真空槽内にO2ガス(但し、ArとO2
流量は1:1 から0:1 の範囲にあればよい。)を導入し、
真空度を2x10-3Torrに保持し、前記ターゲットに約1.5k
w の電力を印加し、板ガラス搬送スピ−ド約300mm/min
で膜厚約10nmのSUSOx 薄膜を第1層として成膜した。次
いでもう一方のSUS ターゲットを使用し、Arガス圧約2x
10-3Torrで印加電力約1.0kw において、板ガラス搬送ス
ピ−ド約500mm/min で膜厚約6nm のSUS 薄膜を得た。さ
らに第1層と同様にして板ガラス搬送スピ−ド約100mm/
min で膜厚約30nmのSUSOx薄膜を第3層として積層成膜
した。
【0035】また、SnOx薄膜については、前記実施例と
同様の方法で板ガラス搬送スピ−ドを所望の膜厚となる
ように調整して得た。またTiNx薄膜については、同装置
でTiターゲットを用い、同真空度、N2ガス、印加電力約
1.5kw において、例えば板ガラス搬送スピ−ド約100 mm
/minで膜厚約30nmのTiNx薄膜を得た。
【0036】このような方法によって、表2に示すよう
な1〜3層の積層膜を得、その膜構成において、実施例
1と同様の測定法、同様の評価手段で行ない、その結果
を表2にそれぞれ示す。
【0037】それぞれ、各実施例に比して、従来の熱線
反射ガラスであるこれらにおいては、例えば表面抵抗率
が低く、280Ω/□以下であって、電波反射率も14%
以上となり、従来のフロ−トガラスの電波反射率より悪
く、建築物の周辺に電波障害を発現し易いものまたは発
現するものである。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定膜厚の高表面抵抗率を有するCr窒化物または
窒素酸化物薄膜と、特定膜厚の高表面抵抗率を有するT
i,Ta,Zr,TiSi窒化物または窒素酸化物薄膜とを第
1,2層に配し、特定膜厚のTi,Ta,TiSi酸化物薄膜を
最外表層に被膜積層し、特異に適宣巧みに組合せること
で構成せしめたことにより、断熱ガラスであって、耐摩
耗性、耐食性ならびに耐久性に優れ、適宣膜面の反射色
調をニュ−トラル化することができ、電波透過がよく、
通常のフロ−トガラス並の電波低反射率であり、高層建
築物周辺に対し電波障害を発現するようなこともなく、
ガラス面側からの反射色調がブル−系色調を呈する居住
性のよい、単板ガラスはもちろん合わせガラスあるいは
複層ガラス等として使用し得る、有用な電波低反射特性
を有する熱線遮蔽ガラスを効率よく提供するものであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明ガラス基板の一方の表面に、膜厚が
    1〜25nmのCrの窒化物薄膜または窒素酸化物薄膜である
    薄膜層と、膜厚が3〜25nmのTi,TiSi,Ta,Zrの窒化物
    薄膜または窒素酸化物薄膜を少なくとも1種以上選択し
    た薄膜層とを、第1層または第2層として互いに異なる
    ように二層に積層被膜し、該第2層上に最外表層とし
    て、膜厚が5〜30nmのTi,TiSi,Taの酸化物薄膜を被膜
    したことを特徴とする電波低反射特性を有する熱線遮蔽
    ガラス。
  2. 【請求項2】 前記電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガ
    ラスにおいて、前記被膜した熱線遮蔽性能膜の表面抵抗
    率が1kΩ/□以上で、かつ該ガラス面側からの反射色
    調がブル−系色調を呈することを特徴とする請求項1記
    載の電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス。
JP17863092A 1992-07-06 1992-07-06 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス Pending JPH0624805A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17863092A JPH0624805A (ja) 1992-07-06 1992-07-06 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17863092A JPH0624805A (ja) 1992-07-06 1992-07-06 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0624805A true JPH0624805A (ja) 1994-02-01

Family

ID=16051823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17863092A Pending JPH0624805A (ja) 1992-07-06 1992-07-06 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0624805A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8124690B2 (en) 2006-09-13 2012-02-28 Kaneka Corporation Moisture curable polymer having SiF group, and curable composition containing the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8124690B2 (en) 2006-09-13 2012-02-28 Kaneka Corporation Moisture curable polymer having SiF group, and curable composition containing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5073451A (en) Heat insulating glass with dielectric multilayer coating
JP3392000B2 (ja) 断熱ガラス
JPH06263486A (ja) 熱線遮蔽ガラス
JPH0624805A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JP3211986B2 (ja) グレー色電波透過型熱線遮蔽ガラス
JPH05294674A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JP2925040B2 (ja) 電波低反射着色ガラス
JPH04243935A (ja) 電波低反射の熱線反射ガラスおよびその製法
JPH05238778A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JP2003002691A (ja) 低反射基板およびその製造方法
JPH07291668A (ja) 電波透過型熱線遮蔽ガラス
JPH0664940A (ja) 電波透過型熱線遮蔽ガラス
KR970000383B1 (ko) 열선반사 유리 및 그 제조방법
JPH07291670A (ja) 可視光低反射型熱線遮蔽ガラス
JP2528520B2 (ja) 単板断熱ガラス
JPH0632635A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JPH05238779A (ja) 電波低反射特性を有する熱線遮蔽ガラス
JPH0648778A (ja) 電波透過型熱線反射ガラス
JPH04300227A (ja) TiSiN系薄膜被覆ガラス
JPH0764598B2 (ja) 赤外線遮断ガラス
JPH1045434A (ja) 自動車用電波透過型断熱ガラス
JP2856683B2 (ja) 電波透過型熱線遮蔽ガラス
JPH03252332A (ja) 電波低反射の熱線反射ガラス
JP2862452B2 (ja) 電波透過特性を有する熱線反射ガラス
JPH07291671A (ja) 電波透過型の熱線遮蔽ガラス