JPH0764598B2 - 赤外線遮断ガラス - Google Patents

赤外線遮断ガラス

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JPH0764598B2
JPH0764598B2 JP62301584A JP30158487A JPH0764598B2 JP H0764598 B2 JPH0764598 B2 JP H0764598B2 JP 62301584 A JP62301584 A JP 62301584A JP 30158487 A JP30158487 A JP 30158487A JP H0764598 B2 JPH0764598 B2 JP H0764598B2
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tantalum oxide
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英一 安藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、赤外線遮断ガラス、特に自動車用、建築用な
どに単板でも使用可能な耐擦傷性と化学的安定性に優れ
た赤外線遮断ガラスに関するものである。
[従来の技術] 従来から窓ガラスを通して建物の室内に流入する太陽光
を遮断して室内の温度上昇を抑え、また冷房負荷を軽減
する目的で赤外線遮断ガラスの採用が検討されてきた。
このために、ガラス基板の上に透明誘電体膜/Ag膜/透
明誘電体膜、あるいはAg膜の代わりに窒化チタン、窒化
ジルコニウム、窒化ハフニウムなどの窒化物膜を用いた
多層膜構成の赤外線遮断ガラスが考案されている。透明
誘電体膜としては酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化
インジウムなどが用いられる。これらの膜は、イオンプ
レーティング法やスパッタリング法などで形成される。
[発明の解決しようとする問題点] Ag膜を用いた系の赤外線遮断ガラスは、耐擦傷性や化学
的安定性に劣るため、膜面が外部に露出しないように複
層ガラスまたは合わせガラスにして用いられる。このた
め製造コストが高く、また用途によっては使用できない
などの問題がある。一方、窒化チタンなどの窒化物膜を
用いた系の赤外線遮断ガラスは、Ag系に較べれば安定で
あるので、一部単板の赤外線遮断ガラス、即ち、複層ガ
ラス化、あるいは合わせガラス化することのない1枚板
の赤外線遮断ガラス、として実用化されている。しか
し、自動車のサイドガラス、リヤーガラスなどのような
高い信頼性と耐久性が要求される用途に使用するには、
透明誘電体膜の耐擦傷性や化学的安定性がまだ充分とは
言えない。透明誘電体膜として酸化チタンを用いた系
は、化学的安定性に優れるが、耐擦傷性に問題があり、
又酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウムを用いた系は、耐
酸性などに問題があり、いまだ充分に耐久性の優れた赤
外線遮断ガラスが得られていないというのが現状であ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、ガラス基板上に該基板側から順に、光学的膜厚が10
00〜1800Åの膜厚の酸化タンタル膜、幾何学的膜厚が50
〜500Åの膜厚の窒化物膜、及び幾何学的膜厚が400〜90
0Åの膜厚の酸化タンタル膜の3層構成膜が形成された
ことを特徴とする赤外線遮断ガラスを提供するものであ
る。
以下、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に
係わる赤外線遮断ガラスの断面図を示したものであり、
1はソーダーライムシリケートガラス、ボロシリケート
ガラス、アルミノシリケートガラス、各種色調の熱線吸
収ガラスなどから選ばれるガラス基板、2はガラス基板
側に第1層として形成された酸化タンタル膜、3は第1
層の該酸化タンタル膜上に形成された第2層としての窒
化物膜である。この窒化物膜3としては、具体的には窒
化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化タ
ンタル、及び窒化クロムのうち少なくとも1種からなる
窒化物、あるいはこれらを主成分とする窒化物からなる
ものが使用される。4は第2層の窒化物膜3上に第3層
として形成された酸化タンタル膜を示す。
第1層と第2層の窒化物膜との付着力やスパッタリング
での生産性を考え、同様に、第2層の窒化物膜と第3層
の酸化タンタル膜の構成も考慮すると、第3層がタンタ
ルを含むので、第1層、第2層は、それぞれ酸化タタ
ル、窒化タンタルの組み合わせが特に好ましい。しか
し、特にこれだけに限定されるものではなく、第1層/
第2層の組み合わせは、酸化タンタル膜/窒化チタン膜
などその他種々の組み合わせがとりうる。生産効率の上
から第1層として成膜速度の速い酸化タンタルが用いら
れる。
本発明は上記したような少なくとも3層構成よりなる
が、場合によってはガラス基板と第1層との間、第1層
と第2層との間、又は第2層と第3層との間に1層、又
は複数の層の付着力向上や光学特性の調整などの機能を
持つ層を形成しても良い。本発明における最も大きな特
徴は、ガラス基板から見て一番外側、すなわち空気側に
酸化タンタルを形成することであり、これによって耐擦
傷性と化学的安定性に優れた赤外線遮断ガラスを可能に
している。
第3層の酸化タンタル膜の膜厚は特に限定はされない
が、透過色や反射色を考慮して通常400〜900Åに調節さ
れ、特に可視域での高透過、低反射を目的とする場合に
は、550〜750Åの範囲が選択される。第1層の酸化タン
タルの膜厚は、可視域での高透過、低反射を目的とし、
光学的膜厚で1000〜1800Åの範囲で調節される。第2層
の窒化物膜の膜厚は透過率の面から通常50〜500Åの範
囲で選ばれる。
本発明の成膜法としては特に限定されるものではない
が、赤外線遮断ガラスの主要な用途が大面積コーティン
グの必要な自動車や建築用などのため、均一性に優れる
反応性スパッタリング法が好ましい。
[作用] 図1で示される様な本発明の酸化タンタル膜/窒化膜/
酸化タンタル膜の3層構成膜を持つ赤外線遮断ガラスに
於いては、第2層の窒化物膜が赤外線反射機能を受け持
つものである。第1層及び第3層の酸化タンタル膜は、
窒化物膜の可視域での反射防止機能を受け持つ。必要と
される屈折率は、通常2.0〜2.5の範囲で選択されるが、
この範囲外でも使用可能である。
光学性能の他に、各層は硬く、相互の付着力が強く、
熱、紫外線などに安定でなければならず、又第1層は更
にガラス基板との付着力が大きいこと、第3層は滑らか
な表面を持ち、酸、アルカリなどに安定であることが必
要であることなどの点から前述した様な膜材料が使用さ
れる。
酸化タンタルは屈折率が約2.1であり、且つ滑らかな表
面と、高い化学的安定性を示す材料であることから第1
層及び第3層の透明誘電体膜の膜材料として用いられ
る。
[実施例] 実施例1 ガラス基板をスパッタリング装置の真空槽にセットし、
1×10-6Torrまで排気した。アルゴンと酸素の混合ガス
を導入して圧力を2×10-3Torrとした後、タンタルター
ゲットを高周波マグネトロンスパッタリングして酸化タ
ンタル膜(第1層)を約600Å形成した。次にアルゴン
と窒素の混合ガスに切り替え圧力を2×10-3Torrにして
チタンターゲットを高周波マグネトロンスパッタリング
して窒化チタン膜(第2層)を約120Å形成した。その
後、再び第1層と同じ条件で酸化タンタル膜(第3層)
を約600Å形成した。
こうして得られた試料の可視光透過率、太陽光透過率は
それぞれ約79%、61%であった。膜の耐久性を調べるた
めに1規定の塩酸、水酸化ナトリウム中に6時間、また
は、沸騰水中に2時間浸漬したが、いずれも透過率、反
射率の変化は0.3%以内であった。テーバー摩耗1000回
転後のヘーズ変化も3%以内であった。
実施例2 実施例1と同様にガラス基板上に酸化タンタル膜(第1
層)を約600Å形成した。次に、アルゴンと窒素の混合
ガスに切り替え圧力を2×10-3Torrにしてジルコニウム
ターゲットを高周波マグネトロンスパッタリングして窒
化ジルコニウム(第2層)を約200Å形成した。その
後、再び第1層と同じ条件で酸化タンタル膜(第3層)
を約600Å形成した。
こうして得られた試料の可視光透過率、太陽光透過率
は、それぞれ約67%、54%であった。膜の耐久性、耐摩
耗性は実施例1と同様に優れていた。
実施例3 実施例1と同様にガラス基板上に酸化タンタル膜(第1
層)を600Å形成した。次に、アルゴンと窒素の混合ガ
スに切り替え圧力を2×10-3Torrにしてタンタルターゲ
ットを高周波マグネトロンスパッタリングして窒化タン
タル(第2層)を約100Å形成した。その後、再び第1
層と同じ条件で酸化タンタル膜(第3層)を約600Å形
成した。
こうして得られた試料の可視光透過率、太陽光透過率
は、それぞれ約84%、68%であった。膜の耐久性、耐摩
耗性は実施例1と同様に優れていた。
[発明の効果] 実施例1〜3に記載してあるように、本発明によれば、
ガラス基板からみて一番外側の透明誘電体膜として酸化
タンタル膜が用いられているので、化学的安定性と耐擦
傷性を飛躍的に向上させた優れた赤外線遮断ガラスが得
られる。これによって、従来は使用出来なかった苛酷な
用途にも単板の赤外線反射ガラスを応用することが出
来、例えば、自動車の窓用の赤外線遮断ガラスとして期
待される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係わる赤外線遮断ガラスの一部断面図
を示す。 1……ガラス基板 2……酸化タンタル膜(第1層) 3……窒化物膜(第2層) 4……酸化タンタル膜(第3層)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に、該基板側から順に、光学
    的膜厚が1000〜1800Åの膜厚の酸化タンタル膜、幾何学
    的膜厚が50〜500Åの膜厚の窒化物膜、及び幾何学的膜
    厚が400〜900Åの膜厚の酸化タンタル膜の3層構成膜が
    形成されたことを特徴とする赤外線遮断ガラス。
  2. 【請求項2】窒化物膜が窒化チタン、窒化ジルコニウ
    ム、窒化ハフニウム、窒化タンタル、及び窒化クロムの
    うち少なくとも1種からなることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の赤外線遮断ガラス。
  3. 【請求項3】酸化タンタル膜と窒化物膜が反応性スパッ
    タリングにより形成されたことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の赤外線遮断ガラス。
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