JPH0682163B2 - 耐久性の優れた光学体 - Google Patents
耐久性の優れた光学体Info
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- JPH0682163B2 JPH0682163B2 JP63076202A JP7620288A JPH0682163B2 JP H0682163 B2 JPH0682163 B2 JP H0682163B2 JP 63076202 A JP63076202 A JP 63076202A JP 7620288 A JP7620288 A JP 7620288A JP H0682163 B2 JPH0682163 B2 JP H0682163B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は各種光学的機能を有する耐久性の優れた光学体
に関するものである。
に関するものである。
[従来の技術] 従来からガラス、プラスチックなどの透明基板に薄膜を
形成して光学的機能を付加したものとして、ミラー、熱
線反射ガラス、低放射ガラス、干渉フィルター、カメラ
レンズやメガネレンズの反射防止コートなどがある。
形成して光学的機能を付加したものとして、ミラー、熱
線反射ガラス、低放射ガラス、干渉フィルター、カメラ
レンズやメガネレンズの反射防止コートなどがある。
通常のミラーでは、無電解メッキ法でAgが、または真空
蒸着法、スパッタリング法などでAlやCrなどが形成され
る。これらの中でCr膜は比較的丈夫なのでコート面が露
出した表面鏡としても一部用いられている。
蒸着法、スパッタリング法などでAlやCrなどが形成され
る。これらの中でCr膜は比較的丈夫なのでコート面が露
出した表面鏡としても一部用いられている。
熱線反射ガラスは、酸化チタンや酸化錫などがスプレー
法、CVD法あるいは浸漬法などで形成されてきた。最近
では、金属膜、窒化膜、錫をドープした酸化インジウム
(ITO)などがスパッタリング法でガラス板面に形成さ
れたものが熱線反射ガラスとして使われるようになって
きた。スパッタリング法は膜厚コントロールが容易で且
つ複数の膜を連続して形成でき、透明酸化膜と組み合せ
て、透過率、反射率、色調などを設計することが可能で
ある。このため意匠性を重視する建築用などに需要が伸
びている。
法、CVD法あるいは浸漬法などで形成されてきた。最近
では、金属膜、窒化膜、錫をドープした酸化インジウム
(ITO)などがスパッタリング法でガラス板面に形成さ
れたものが熱線反射ガラスとして使われるようになって
きた。スパッタリング法は膜厚コントロールが容易で且
つ複数の膜を連続して形成でき、透明酸化膜と組み合せ
て、透過率、反射率、色調などを設計することが可能で
ある。このため意匠性を重視する建築用などに需要が伸
びている。
室内の暖房機や壁からの輻射熱を室内側に反射する低放
射ガラス(低放射率ガラス)は、銀を酸化亜鉛で挟んだ
ZnO/Ag/ZnOの3層系またはZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnOの5層系
(特願昭61−280644号参照)などの構成を持ち、複層ガ
ラスか合わせガラスの形で使われる。近年ヨーロッパの
寒冷地での普及が目ざましい。
射ガラス(低放射率ガラス)は、銀を酸化亜鉛で挟んだ
ZnO/Ag/ZnOの3層系またはZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnOの5層系
(特願昭61−280644号参照)などの構成を持ち、複層ガ
ラスか合わせガラスの形で使われる。近年ヨーロッパの
寒冷地での普及が目ざましい。
レンズなどの反射防止コートは、酸化チタン、酸化ジル
コニウムなどの高屈折率膜と酸化シリコン、フッ化マグ
ネシウムなどの低屈折率膜を交互に積層している。通常
は真空蒸着法が用いられ、成膜時は基板加熱をして耐擦
傷性の向上を図っている。
コニウムなどの高屈折率膜と酸化シリコン、フッ化マグ
ネシウムなどの低屈折率膜を交互に積層している。通常
は真空蒸着法が用いられ、成膜時は基板加熱をして耐擦
傷性の向上を図っている。
[発明が解決しようとする課題] 表面鏡や、単板の熱線反射ガラス及びレンズなどの反射
防止コートなどは、コートされた膜が空気中に露出した
状態で使用される。このため、化学的な安定性や耐摩耗
性に優れていなければならない。一方、低放射ガラスで
も複層ガラスまたは合わせガラスになる前の運搬や取り
扱い時の傷などにより不良品が発生する。このため安定
で耐摩耗性に優れた保護膜も兼ねた光学薄膜が望まれて
いる。
防止コートなどは、コートされた膜が空気中に露出した
状態で使用される。このため、化学的な安定性や耐摩耗
性に優れていなければならない。一方、低放射ガラスで
も複層ガラスまたは合わせガラスになる前の運搬や取り
扱い時の傷などにより不良品が発生する。このため安定
で耐摩耗性に優れた保護膜も兼ねた光学薄膜が望まれて
いる。
耐久性向上のためには通常化学的に安定で透明な酸化膜
が空気側に設けられる。これらの酸化膜としては酸化チ
タン、酸化錫、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化
珪素などがあり、必要な性能に応じて選択され、使用さ
れてきた。
が空気側に設けられる。これらの酸化膜としては酸化チ
タン、酸化錫、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化
珪素などがあり、必要な性能に応じて選択され、使用さ
れてきた。
しかし、酸化チタン、酸化ジルコニウムは化学的安定性
に優れているが、結晶質の膜になりやすく表面の凹凸が
大きくなる傾向があり、このため擦ったときの摩擦が大
きくなり耐摩耗性に劣る。
に優れているが、結晶質の膜になりやすく表面の凹凸が
大きくなる傾向があり、このため擦ったときの摩擦が大
きくなり耐摩耗性に劣る。
一方、酸化錫、酸化珪素はそれぞれ酸、アルカリに弱く
長期間の浸漬には耐えない。酸化タンタルは、これら中
では耐摩耗性と化学的安定性の両方を兼ね備えている
が、まだ耐摩耗性に関して十分とは言えない。
長期間の浸漬には耐えない。酸化タンタルは、これら中
では耐摩耗性と化学的安定性の両方を兼ね備えている
が、まだ耐摩耗性に関して十分とは言えない。
又、酸化チタン、酸化錫、酸化タンタル、酸化ジルコニ
ウムは屈折率が比較的高く、一方、酸化珪素は屈折率が
比較的低く、各種光学的機能を持たせるにあたり、光学
設計の自由度に制限がある。
ウムは屈折率が比較的高く、一方、酸化珪素は屈折率が
比較的低く、各種光学的機能を持たせるにあたり、光学
設計の自由度に制限がある。
このように、高い耐久性を持ち、且つ広い光学設計の自
由度も併せもつ薄膜は知られていない。
由度も併せもつ薄膜は知られていない。
[課題を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、基板上に少なくとも2層からなる光学薄膜が形成さ
れた光学体において、空気側の最外層がジルコニウムと
硼素を含む酸化物を主成分とする非晶質酸化膜からなる
ことを特徴とする耐久性の優れた光学体を提供するもの
である。
り、基板上に少なくとも2層からなる光学薄膜が形成さ
れた光学体において、空気側の最外層がジルコニウムと
硼素を含む酸化物を主成分とする非晶質酸化膜からなる
ことを特徴とする耐久性の優れた光学体を提供するもの
である。
第1図は、本発明に係わる光学体の一例の断面図を示し
たものであり、1は透明あるいは着色したガラスやプラ
スチックなどからなる基板、2は金属、窒化物、炭化
物、酸化物あるいはこれらの複合物などからなる第1
層、3は空気側の最外層となる非晶質酸化膜、特に少な
くともジルコニウムと硼素を含んだ酸化物からなる第2
層を示す。
たものであり、1は透明あるいは着色したガラスやプラ
スチックなどからなる基板、2は金属、窒化物、炭化
物、酸化物あるいはこれらの複合物などからなる第1
層、3は空気側の最外層となる非晶質酸化膜、特に少な
くともジルコニウムと硼素を含んだ酸化物からなる第2
層を示す。
第2図は、本発明に係わる光学体の別の一例の断面図を
示したものであり、10は上記基板1と同様の各種基板、
11は透明誘電体膜からなる第1層、12は窒化物膜からな
る第2層、13は空気側の最外層となる非晶質酸化膜、特
に、少なくともジルコニウムと硼素を含んだ酸化物から
なる第3層を示す。
示したものであり、10は上記基板1と同様の各種基板、
11は透明誘電体膜からなる第1層、12は窒化物膜からな
る第2層、13は空気側の最外層となる非晶質酸化膜、特
に、少なくともジルコニウムと硼素を含んだ酸化物から
なる第3層を示す。
本発明は上記したように少なくとも2層構成よりなる
が、場合によっては第1図の基板1と第1層2、第1層
2と第2層3、あるいは、第2図の基板10と第1層11、
第1層11と第2層12、又は第2層12と第3層13との間に
1層、又は複数の層を形成して付着力向上や光学特性の
調整の機能、又はその他各種能を持たしても良い。本発
明における最も大きな特徴は、空気側の最外層に非晶質
酸化膜を形成することであり、これによって耐摩耗性と
化学的安定性に優れた光学体を可能にしている。
が、場合によっては第1図の基板1と第1層2、第1層
2と第2層3、あるいは、第2図の基板10と第1層11、
第1層11と第2層12、又は第2層12と第3層13との間に
1層、又は複数の層を形成して付着力向上や光学特性の
調整の機能、又はその他各種能を持たしても良い。本発
明における最も大きな特徴は、空気側の最外層に非晶質
酸化膜を形成することであり、これによって耐摩耗性と
化学的安定性に優れた光学体を可能にしている。
第1図の第2層3又は第2図の第3層13の非晶質酸化膜
としては特に限定はされるものではなく、X線的にみて
非晶質であれば良い。具体的には、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、錫、タンタル及びインジウムの群から
選ばれる少なくとも1種と、硼素を含む複合酸化膜が好
ましく、これらの中でも、特にジルコニウムと硼素を含
んだ複合酸化膜が耐擦傷性に優れていると同時に、十分
な化学的安定性を有しているので好ましい。非晶質酸化
膜は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、錫、タンタ
ル、及びインジウムの群から選ばれる少なくとも1種
と、硼素、酸素以外に、珪素等のその他の成分を含んで
いてもよい。
としては特に限定はされるものではなく、X線的にみて
非晶質であれば良い。具体的には、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、錫、タンタル及びインジウムの群から
選ばれる少なくとも1種と、硼素を含む複合酸化膜が好
ましく、これらの中でも、特にジルコニウムと硼素を含
んだ複合酸化膜が耐擦傷性に優れていると同時に、十分
な化学的安定性を有しているので好ましい。非晶質酸化
膜は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、錫、タンタ
ル、及びインジウムの群から選ばれる少なくとも1種
と、硼素、酸素以外に、珪素等のその他の成分を含んで
いてもよい。
このように、第2層3又は第3層13に、ジルコニウムと
硼素を含んだ酸化物を用いる場合の硼素の含有割合は特
に限定されるものではない。硼素の含有割合が増加する
につれ、この膜の屈折率は2.1から1.8以下まで減少する
が、耐摩耗性と化学的安定性はいずれも良好である。従
って光学的に必要な屈折率を基にして硼素含有量を選択
すれば良い。一般的にはジルコニウム100部に対して原
子比で1部以上、好ましくは3部以上、特に5倍以上の
硼素が望ましい。これより硼素が少ないと十分な非晶質
化が得られないため耐摩耗性能が低下し、通常の硼素を
含まない酸化ジルコニウムに対しての優位性が認められ
なくなる。
硼素を含んだ酸化物を用いる場合の硼素の含有割合は特
に限定されるものではない。硼素の含有割合が増加する
につれ、この膜の屈折率は2.1から1.8以下まで減少する
が、耐摩耗性と化学的安定性はいずれも良好である。従
って光学的に必要な屈折率を基にして硼素含有量を選択
すれば良い。一般的にはジルコニウム100部に対して原
子比で1部以上、好ましくは3部以上、特に5倍以上の
硼素が望ましい。これより硼素が少ないと十分な非晶質
化が得られないため耐摩耗性能が低下し、通常の硼素を
含まない酸化ジルコニウムに対しての優位性が認められ
なくなる。
一方、硼素含有量の上限は特に限定はないが、ジルコニ
ウム100部に対して原子比で2000倍以下、好ましくは100
0部以下、特に500部以下が望ましい。これより硼素が多
いと屈折率が非常に小さくなるとともに、化学的安定性
が不十分となり、又、耐摩耗性も低下するので好ましく
ない。
ウム100部に対して原子比で2000倍以下、好ましくは100
0部以下、特に500部以下が望ましい。これより硼素が多
いと屈折率が非常に小さくなるとともに、化学的安定性
が不十分となり、又、耐摩耗性も低下するので好ましく
ない。
かかるジルコニウムと硼素を含んだ酸化膜は、ジルコニ
ウム、硼素、酸素の3成分だけに限定されるものではな
く、耐久性向上、光学定数調整、成膜時の安定性、ある
いは成膜速度の向上などのために他の成分を含んでいて
も差し支えないことは言うまでもないことである。また
本発明の非晶質酸化膜は必ずしも透明である必要はな
く、酸素欠損の状態の吸収性膜や、一部窒素を含有して
いても同様に有効である。
ウム、硼素、酸素の3成分だけに限定されるものではな
く、耐久性向上、光学定数調整、成膜時の安定性、ある
いは成膜速度の向上などのために他の成分を含んでいて
も差し支えないことは言うまでもないことである。また
本発明の非晶質酸化膜は必ずしも透明である必要はな
く、酸素欠損の状態の吸収性膜や、一部窒素を含有して
いても同様に有効である。
最外層である第2層3又は第3層13の膜厚は特に限定さ
れるものではない。用途に応じて透過色や反射色を考慮
して決定すればよいが、あまり薄いと十分な耐久性が得
られないため、50Å以上好ましくは100Å以上、特に200
Å以上であることが望ましい。
れるものではない。用途に応じて透過色や反射色を考慮
して決定すればよいが、あまり薄いと十分な耐久性が得
られないため、50Å以上好ましくは100Å以上、特に200
Å以上であることが望ましい。
第2層3又は第3層13の膜形成法も特に限定されない。
真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法などいずれも可能であるが、熱線反射ガラスなど、自
動車や建築用などの大面積コーティングが必要な場合
は、均一性に優れる反応性スパッタリング法が好まし
い。
真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法などいずれも可能であるが、熱線反射ガラスなど、自
動車や建築用などの大面積コーティングが必要な場合
は、均一性に優れる反応性スパッタリング法が好まし
い。
第1層2の膜材料は特に限定されず、用途によって、あ
るいは要求仕様によって金属、窒化物、炭化物、硼化
物、酸化物、珪化物あるいはこれらの複合物から選択さ
れる。
るいは要求仕様によって金属、窒化物、炭化物、硼化
物、酸化物、珪化物あるいはこれらの複合物から選択さ
れる。
熱線反射ガラスの場合は第1層2として窒化チタン、窒
化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化クロム、窒化タ
ンタルなどの窒化物、または錫をドープした酸化インジ
ウム(ITO)等が主に選ばれる。
化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化クロム、窒化タ
ンタルなどの窒化物、または錫をドープした酸化インジ
ウム(ITO)等が主に選ばれる。
第1層2の窒化物膜の膜厚は、希望する透過率にもよる
が、1000Å以下、好ましくは500Å以下が望まれる。100
0Åを超えると窒化物膜の吸収が大きくなり過ぎ、又、
内部応力のため剥離が生じ易くなる。
が、1000Å以下、好ましくは500Å以下が望まれる。100
0Åを超えると窒化物膜の吸収が大きくなり過ぎ、又、
内部応力のため剥離が生じ易くなる。
窒化物膜を用いる場合、ガラス界面との付着力を増すた
めに基板と窒化物膜間もう1層を形成し第2図のような
3層構成とするのは有効である。かかる第1層11として
は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、
酸化錫、酸化タンタル、酸化インジウムなどの酸化物
や、硫化亜鉛などからなる透明誘電体膜が好ましい。第
2層12の窒化物膜との付着力やスパッタリングでの生産
性を考えると、第2層の窒化物膜と同様な元素を含む誘
電体膜が好ましいが、特にこれだけに限定されるもので
はなく、第1層11/第2層12の組み合わせは酸化タンタ
ル/窒化チタン、酸化ジルコニウム/窒化チタン、ある
いは酸化錫/窒化ジルコニウムなど種々となりうる。か
かる第1層11の透明誘電体膜は、前述したような非晶質
膜と同様なものを用いてもよい。
めに基板と窒化物膜間もう1層を形成し第2図のような
3層構成とするのは有効である。かかる第1層11として
は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、
酸化錫、酸化タンタル、酸化インジウムなどの酸化物
や、硫化亜鉛などからなる透明誘電体膜が好ましい。第
2層12の窒化物膜との付着力やスパッタリングでの生産
性を考えると、第2層の窒化物膜と同様な元素を含む誘
電体膜が好ましいが、特にこれだけに限定されるもので
はなく、第1層11/第2層12の組み合わせは酸化タンタ
ル/窒化チタン、酸化ジルコニウム/窒化チタン、ある
いは酸化錫/窒化ジルコニウムなど種々となりうる。か
かる第1層11の透明誘電体膜は、前述したような非晶質
膜と同様なものを用いてもよい。
かかる誘電体膜11の膜厚は特に限定されないが、これら
の誘電体は屈折率も大きく、適当な膜厚を選択すれば、
干渉効果も利用して反射率や色調の調節も可能である。
特に、干渉効果を利用して可視域での高透過、低反射を
目的とする熱線反射ガラスに用いる場合は、第1層11と
第3層13の膜厚は光学的膜厚で1000〜1800Åの範囲で調
節されるのが好ましい。第1層11と第3層13の屈折率は
2.0〜2.5の範囲で選択されるのが望ましいが、この範囲
外でも、光学的膜厚が適正な範囲内であればよい。又、
第2層12の窒化物膜の膜厚は、希望する透過率にもよる
が、1000Å以下が好ましく、50〜500Åの範囲が最適で
ある。1000Åを超えると窒化物膜の吸収が大きくなり過
ぎ、又、内部応力のため剥離が生じ易くなる。
の誘電体は屈折率も大きく、適当な膜厚を選択すれば、
干渉効果も利用して反射率や色調の調節も可能である。
特に、干渉効果を利用して可視域での高透過、低反射を
目的とする熱線反射ガラスに用いる場合は、第1層11と
第3層13の膜厚は光学的膜厚で1000〜1800Åの範囲で調
節されるのが好ましい。第1層11と第3層13の屈折率は
2.0〜2.5の範囲で選択されるのが望ましいが、この範囲
外でも、光学的膜厚が適正な範囲内であればよい。又、
第2層12の窒化物膜の膜厚は、希望する透過率にもよる
が、1000Å以下が好ましく、50〜500Åの範囲が最適で
ある。1000Åを超えると窒化物膜の吸収が大きくなり過
ぎ、又、内部応力のため剥離が生じ易くなる。
第2層3又は第3層13の最外層がジルコニウムと硼素を
含んだ酸化膜である場合、第1層2と第2層3の間、又
は、第2層12と第3層13の層間付着力を向上させ、且つ
第1層2又は第2層12の内部応力を低減させる為に、第
1層2又は第2層12として硼素を含む窒化物、特に窒化
ジルコニウムを用いることは有効である。
含んだ酸化膜である場合、第1層2と第2層3の間、又
は、第2層12と第3層13の層間付着力を向上させ、且つ
第1層2又は第2層12の内部応力を低減させる為に、第
1層2又は第2層12として硼素を含む窒化物、特に窒化
ジルコニウムを用いることは有効である。
第1層2として錫をドープした酸化インジウム(ITO)
を用いる場合、熱線反射性能を上げるためにはキャリア
濃度と移動度が大きく、且つ4000Å以上の膜厚のITOが
望ましい。干渉による反射色を抑えるためには、ITOを
少なくとも7000Å以上形成するのが好ましい。その上に
保護層として第2層3を形成する。このような低抵抗で
透過率が高く、且つ耐久性のある光学薄膜は熱線反射ガ
ラスとしてばかりではなく、単板で電磁波シールド用の
窓ガラス、自動車のフロントガラスの電熱風防、リアガ
ラスの曇り止め、あるいは透明アンテナとしても用いる
ことが出来る。更に、化学的耐久性を利用してエレクト
ロクロミック表示素子のITO(給電電極)の保護コート
としても使える。
を用いる場合、熱線反射性能を上げるためにはキャリア
濃度と移動度が大きく、且つ4000Å以上の膜厚のITOが
望ましい。干渉による反射色を抑えるためには、ITOを
少なくとも7000Å以上形成するのが好ましい。その上に
保護層として第2層3を形成する。このような低抵抗で
透過率が高く、且つ耐久性のある光学薄膜は熱線反射ガ
ラスとしてばかりではなく、単板で電磁波シールド用の
窓ガラス、自動車のフロントガラスの電熱風防、リアガ
ラスの曇り止め、あるいは透明アンテナとしても用いる
ことが出来る。更に、化学的耐久性を利用してエレクト
ロクロミック表示素子のITO(給電電極)の保護コート
としても使える。
低反射ガラスの場合は、空気側の最外層3より高屈折率
を有する膜を第1層2として形成するか、又は3層、あ
るいはそれ以上の多層膜構成をとる。3層膜の場合は、
第1図の基板1と第1層2、又は第1層2と第2層3の
間にもう一層形成して、屈折率と膜厚を調整することに
より、反射率を低減させる。第1層2と新たに挿入する
層は、特に限定されないが、硼素含有量の異なる低屈折
率膜と高屈折率膜を用いることも可能である。
を有する膜を第1層2として形成するか、又は3層、あ
るいはそれ以上の多層膜構成をとる。3層膜の場合は、
第1図の基板1と第1層2、又は第1層2と第2層3の
間にもう一層形成して、屈折率と膜厚を調整することに
より、反射率を低減させる。第1層2と新たに挿入する
層は、特に限定されないが、硼素含有量の異なる低屈折
率膜と高屈折率膜を用いることも可能である。
低放射ガラスの場合は、基板/酸化膜/Ag/非晶質酸化膜
(特に、硼素とジルコニウムを含んだ酸化膜)の3層構
成、又は、基板/酸化膜/Ag/酸化膜/Ag/非晶質酸化膜の
5層構成にすると有効である。かかる酸化膜としては、
特に限定はされないが、ZnOが一例として上げられる。
又、ジルコニウムと硼素を含む酸化膜を用いても良い。
(特に、硼素とジルコニウムを含んだ酸化膜)の3層構
成、又は、基板/酸化膜/Ag/酸化膜/Ag/非晶質酸化膜の
5層構成にすると有効である。かかる酸化膜としては、
特に限定はされないが、ZnOが一例として上げられる。
又、ジルコニウムと硼素を含む酸化膜を用いても良い。
表面鏡に応用する場合は、基板上に、金属としてガラス
との接着力の良好なクロムなどを第1層2として形成
し、その上に第2層3として本発明の非晶質酸化膜、特
に、硼素とジルコニウムを含んだ酸化膜を形成すれば良
い。
との接着力の良好なクロムなどを第1層2として形成
し、その上に第2層3として本発明の非晶質酸化膜、特
に、硼素とジルコニウムを含んだ酸化膜を形成すれば良
い。
基板1又は10は、通常ガラス、プラスチックなどが用い
られる。ミラーとして用いる場合は、これに限定され
ず、平滑であれば金属、セラミックスなどの不透明基板
であっても構わない。
られる。ミラーとして用いる場合は、これに限定され
ず、平滑であれば金属、セラミックスなどの不透明基板
であっても構わない。
その他の応用として、光学薄膜ではないが、サーマルヘ
ッドや磁気ディスクなどのメモリーディスクの保護膜と
して用いることもできる。
ッドや磁気ディスクなどのメモリーディスクの保護膜と
して用いることもできる。
又、本発明においては、第1図及び第2図に示したよう
に基板の片面だけに光学薄膜を形成してもよいし、基板
の両面に形成してもよい。
に基板の片面だけに光学薄膜を形成してもよいし、基板
の両面に形成してもよい。
[作 用] 本発明における光学体の空気側の最外層である非晶質酸
化物膜、即ち、第1図第2層3又は第2図第3層13は、
ガラス構成元素である硼素を含むことで非晶質化されて
おり、表面の平滑さが増すため摩擦抵抗が低減し、これ
によって高い耐久性を有しているので、本発明の光学体
において、耐摩耗性や耐薬品性を向上させるための保護
層の役割を持つ。更にその屈折率、膜厚などの調整によ
り、光学的な機能、即ち、透過率、反射率、色調などの
調整機能を有する。
化物膜、即ち、第1図第2層3又は第2図第3層13は、
ガラス構成元素である硼素を含むことで非晶質化されて
おり、表面の平滑さが増すため摩擦抵抗が低減し、これ
によって高い耐久性を有しているので、本発明の光学体
において、耐摩耗性や耐薬品性を向上させるための保護
層の役割を持つ。更にその屈折率、膜厚などの調整によ
り、光学的な機能、即ち、透過率、反射率、色調などの
調整機能を有する。
特に、かかる最外層がジルコニウムと硼素を含む酸化物
膜である場合における硼素は酸、アルカリなどの強い化
学的安定性を有する酸化ジルコニウムに硼素を添加する
ことにより膜が非晶質化し、耐摩耗性と化学的安定性の
両方を満足する大変優れた耐久性を有する膜の実現に寄
与している。
膜である場合における硼素は酸、アルカリなどの強い化
学的安定性を有する酸化ジルコニウムに硼素を添加する
ことにより膜が非晶質化し、耐摩耗性と化学的安定性の
両方を満足する大変優れた耐久性を有する膜の実現に寄
与している。
又、硼素は、膜の屈折率調節にも寄与する。即ち、硼素
の含有割合を増やすことにより屈折率を下げることがで
きる。
の含有割合を増やすことにより屈折率を下げることがで
きる。
本発明において最外層以外の層は主に光学的な面での作
用を有し、透過や反射性能などを担っている。
用を有し、透過や反射性能などを担っている。
又、熱線反射性能を有する光学体において、窒化物膜は
熱線反射機能を受け持つものである。又、干渉効果を利
用して可視域での高透過、低反射を目的とした熱線反射
ガラスにおいては、第2図の第2層12は熱線反射機能を
受け持ち、第1層11及び第3層13は、窒化物膜の可視域
での反射を防止する機能を有する。
熱線反射機能を受け持つものである。又、干渉効果を利
用して可視域での高透過、低反射を目的とした熱線反射
ガラスにおいては、第2図の第2層12は熱線反射機能を
受け持ち、第1層11及び第3層13は、窒化物膜の可視域
での反射を防止する機能を有する。
[実施例] (実施例1) ガラス基板をスパッタリング装置の真空槽にセットし1
×10-6Torrまで排気した。アルゴンと窒素の混合ガスを
導入して圧力を2×10-3Torrとした後、チタンを反応性
スパッタリングして窒化チタン(第1層)を約200Å形
成した。次にアルゴンと酸素の混合ガスに切り替え圧力
を2×10-3Torrにして、ジルコニウム/硼素ターゲット
(原子比70/30)を反応性スパッタリングしてジルコニ
ウムと硼素からなる非晶質酸化膜ZrBxOy(第2層)を約
500Å形成した。
×10-6Torrまで排気した。アルゴンと窒素の混合ガスを
導入して圧力を2×10-3Torrとした後、チタンを反応性
スパッタリングして窒化チタン(第1層)を約200Å形
成した。次にアルゴンと酸素の混合ガスに切り替え圧力
を2×10-3Torrにして、ジルコニウム/硼素ターゲット
(原子比70/30)を反応性スパッタリングしてジルコニ
ウムと硼素からなる非晶質酸化膜ZrBxOy(第2層)を約
500Å形成した。
こうして得られた熱線反射ガラスの可視光透過率TV、太
陽光線透過率TE、コート面可視光反射率RVF、ガラス面
可視光反射率RVGは、それぞれ53,42,6,28(%)であっ
た。膜の耐久性を調べるために1規定の塩酸、水酸化ナ
トリウム中に6時間、あるいは沸騰水中に2時間浸漬し
たが、いずれも透過率、反射率の変化は1%以内であっ
た。
陽光線透過率TE、コート面可視光反射率RVF、ガラス面
可視光反射率RVGは、それぞれ53,42,6,28(%)であっ
た。膜の耐久性を調べるために1規定の塩酸、水酸化ナ
トリウム中に6時間、あるいは沸騰水中に2時間浸漬し
たが、いずれも透過率、反射率の変化は1%以内であっ
た。
砂消しゴムによる擦り試験でも、傷は殆どつかず極めて
すぐれた耐摩耗性を示した。
すぐれた耐摩耗性を示した。
(実施例2) 実施例1と同様にガラス基板上に窒化チタン(第1層)
を約200Å形成した後、アルゴンと酸素の混合ガスに切
り替え圧力を2×10-3Torrにした。次にジルコニウム/
硼素ターゲット(原子比33/67)を反応性スパッタリン
グしてジルコニウムと硼素からなる非晶質酸化膜ZrBxOy
(第2層)を約500Å形成した。
を約200Å形成した後、アルゴンと酸素の混合ガスに切
り替え圧力を2×10-3Torrにした。次にジルコニウム/
硼素ターゲット(原子比33/67)を反応性スパッタリン
グしてジルコニウムと硼素からなる非晶質酸化膜ZrBxOy
(第2層)を約500Å形成した。
得られた熱線反射ガラスの光学性能TV、TE、RVF、R
VGは、それぞれ55,42,3,20(%)であった。
VGは、それぞれ55,42,3,20(%)であった。
実施例1と同様な耐久性試験を行ったが、同様に優れた
性能を示した。
性能を示した。
(実施例3) ガラス基板をスパッタリング装置の真空槽にセットし1
×10-6Torrまで排気した。アルゴンと酸素の混合ガスを
導入して圧力を2×10-3Torrとし、基板を350℃程度に
加熱をしながらITOターゲットをスパッタリングしてITO
(第1層)を約1μ形成した。次にアルゴンと酸素の混
合ガスの割合を変えたジルコニウム/硼素ターゲット
(原子比33/67)を反応性スパッタリングして非晶質酸
化膜ZrBxOy(第2層)を約760Å形成した。
×10-6Torrまで排気した。アルゴンと酸素の混合ガスを
導入して圧力を2×10-3Torrとし、基板を350℃程度に
加熱をしながらITOターゲットをスパッタリングしてITO
(第1層)を約1μ形成した。次にアルゴンと酸素の混
合ガスの割合を変えたジルコニウム/硼素ターゲット
(原子比33/67)を反応性スパッタリングして非晶質酸
化膜ZrBxOy(第2層)を約760Å形成した。
このようにして得られた熱線反射ガラスの耐久性を、実
施例1と同様に評価したところ極めて優れた耐久性を示
した。
施例1と同様に評価したところ極めて優れた耐久性を示
した。
(実施例4) ガラス基板をスパッタリング装置の真空槽にセットし1
×10-6Torrまで排気した。アルゴンと酸素の混合ガスを
導入して圧力を2×10-3Torrとした後、タンタルを反応
性スパッタリングして酸化タンタル(第1層)を約620
Å形成した。続けてジルコニウム/硼素ターゲット(原
子比33/67)を同じく反応性スパッタリングして非晶質
酸化膜ZrBxOy(第2層)を約760Å形成した。
×10-6Torrまで排気した。アルゴンと酸素の混合ガスを
導入して圧力を2×10-3Torrとした後、タンタルを反応
性スパッタリングして酸化タンタル(第1層)を約620
Å形成した。続けてジルコニウム/硼素ターゲット(原
子比33/67)を同じく反応性スパッタリングして非晶質
酸化膜ZrBxOy(第2層)を約760Å形成した。
一旦、真空をリークし基板を裏返して、再び同様な二層
膜を裏面にも形成した。
膜を裏面にも形成した。
このようにして得られた低反射ガラスの反射率は約1.5
%であった。また耐久性も実施例1と同様に極めて優れ
ていた。
%であった。また耐久性も実施例1と同様に極めて優れ
ていた。
(実施例5) ガラス基板をスパッタリング装置の真空槽にセットし、
1×10-6Torrまで排気した。アルゴンと酸素の混合ガス
を導入して圧力を2×10-3Torrとした後、硼素を含むジ
ルコニウムターゲットを高周波マグネトロンスパッタリ
ングして非晶質酸化膜ZrBxOy(第1層)を約600Å形成
した。次に、アルゴンと窒素の混合ガスに切り替え圧力
を2×10-3Torrにしてチタンターゲットを高周波マグネ
ロンスパッタリングして窒化チタン(第2層)を約120
Å形成した。その後、再び第1層と同じ条件でBrBXOY膜
(第3層)を約600Å形成した。
1×10-6Torrまで排気した。アルゴンと酸素の混合ガス
を導入して圧力を2×10-3Torrとした後、硼素を含むジ
ルコニウムターゲットを高周波マグネトロンスパッタリ
ングして非晶質酸化膜ZrBxOy(第1層)を約600Å形成
した。次に、アルゴンと窒素の混合ガスに切り替え圧力
を2×10-3Torrにしてチタンターゲットを高周波マグネ
ロンスパッタリングして窒化チタン(第2層)を約120
Å形成した。その後、再び第1層と同じ条件でBrBXOY膜
(第3層)を約600Å形成した。
こうして得られた試料の可視光透過率TV、太陽光透過率
TEは、それぞれ約80%、60%であった。実施例1と同様
の耐久性試験を行ったが、実施例1と同様に優れた性能
を示した。
TEは、それぞれ約80%、60%であった。実施例1と同様
の耐久性試験を行ったが、実施例1と同様に優れた性能
を示した。
(比較例1) 実施例5の効果を見るために、硼素を含まない酸化ジル
コニウム膜(第1層)を約600Å形成した。次に、アル
ゴンと窒素の混合ガスに切り替え圧力を2×10-3Torrに
してチタンターゲットを高周波マグネトロンスパッタリ
ングして窒化チタン(第2層)を約120Å形成した。そ
の後、再び第1層と同じ条件で酸化ジルコニウム膜(第
3層)を約600Å形成した。
コニウム膜(第1層)を約600Å形成した。次に、アル
ゴンと窒素の混合ガスに切り替え圧力を2×10-3Torrに
してチタンターゲットを高周波マグネトロンスパッタリ
ングして窒化チタン(第2層)を約120Å形成した。そ
の後、再び第1層と同じ条件で酸化ジルコニウム膜(第
3層)を約600Å形成した。
こうして得られた試料を砂消しゴム試験にかけたとこ
ろ、耐摩耗性は劣り多数の傷が生じた。
ろ、耐摩耗性は劣り多数の傷が生じた。
[発明の効果] 本発明は、基板からみて一番外側、即ち、空気側の最外
層に非晶質酸化膜を用いることにより、実施例1〜5に
示すように、化学的安定性と耐摩耗性に優れた光学体を
得ることを可能にするものである。これにより従来は使
用できなかった苛酷な用途にも本発明の光学体を使用す
ることができる。
層に非晶質酸化膜を用いることにより、実施例1〜5に
示すように、化学的安定性と耐摩耗性に優れた光学体を
得ることを可能にするものである。これにより従来は使
用できなかった苛酷な用途にも本発明の光学体を使用す
ることができる。
又、本発明の非晶質酸化膜においては、硼素の含有割合
を変えることにより、かかる酸化膜の屈折率を調節する
ことができ、光学的な膜設計の自由度が拡大するという
効果も奏する。
を変えることにより、かかる酸化膜の屈折率を調節する
ことができ、光学的な膜設計の自由度が拡大するという
効果も奏する。
第1図は、本発明に係わる光学体の一例の一部断面図を
示したものであり、第2図は本発明に係わる熱線反射性
能を有する光学体の一例の一部断面図を示す。 1,10:基板 2:金属、窒化物、炭化物、硼化物、酸化膜、珪化物、あ
るいはこれらの複合物からなる膜(第1層) 3:非晶質酸化膜(第2層) 11:透明誘電体膜(第1層) 12:窒化膜(第2層) 13:非晶質酸化膜(第3層)
示したものであり、第2図は本発明に係わる熱線反射性
能を有する光学体の一例の一部断面図を示す。 1,10:基板 2:金属、窒化物、炭化物、硼化物、酸化膜、珪化物、あ
るいはこれらの複合物からなる膜(第1層) 3:非晶質酸化膜(第2層) 11:透明誘電体膜(第1層) 12:窒化膜(第2層) 13:非晶質酸化膜(第3層)
Claims (3)
- 【請求項1】基板上に少なくとも2層からなる光学薄膜
が形成された光学体において、空気側の最外層がジルコ
ニウムと硼素を含む酸化物を主成分とする非晶質酸化膜
からなることを特徴とする耐久性の優れた光学体。 - 【請求項2】基板上に、該基板側から順に窒化物膜、ジ
ルコニウムと硼素を含む酸化物を主成分とする非晶質酸
化膜の少なくとも2層構成膜が形成されてなることを特
徴とする請求項1記載の耐久性の優れた光学体。 - 【請求項3】基板上に、該基板側から順に透明誘電体
膜、窒化物膜、ジルコニウムと硼素を含む酸化物を主成
分とする非晶質酸化膜の少なくとも3層構成膜が形成さ
れてなることを特徴とする請求項1記載の耐久性の優れ
た光学体。
Priority Applications (22)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63076202A JPH0682163B2 (ja) | 1988-03-03 | 1988-03-31 | 耐久性の優れた光学体 |
AU30879/89A AU616736B2 (en) | 1988-03-03 | 1989-03-01 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
CA000592521A CA1338431C (en) | 1988-03-03 | 1989-03-02 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
CA 616888 CA1340995C (en) | 1988-03-03 | 1989-03-02 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
CA000617133A CA1341514C (en) | 1988-03-03 | 1989-03-02 | Silicon-containing sputtering target |
DE68928474T DE68928474T2 (de) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Amorpher Oxid-Film und Gegenstand mit einem solchen Film |
US07/318,330 US5110637A (en) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
EP89103796A EP0331201B1 (en) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
SG1996006844A SG46628A1 (en) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
KR1019890002663A KR960000031B1 (ko) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | 비정질 산화물 필름 및 표면상에 그러한 필름을 갖는 제품 |
DE89103796T DE68906923T2 (de) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Amorpher Oxid-Film und Gegenstand mit einem solchen Film. |
ES198989103796T ES2041856T3 (es) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Pelicula amorfa de oxido y articulo que tiene dicha pelicula en su superficie. |
EP19920103196 EP0486475B1 (en) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
JP1284846A JPH02217339A (ja) | 1988-03-03 | 1989-11-02 | 透明導電ガラス |
US07/489,954 US5209835A (en) | 1988-03-03 | 1990-03-07 | Method for producing a specified zirconium-silicon amorphous oxide film composition by sputtering |
US07/819,594 US5264286A (en) | 1988-03-03 | 1992-01-09 | Laminated glass structure |
US07/821,448 US5399435A (en) | 1988-03-03 | 1992-01-16 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
US07/936,281 US5354446A (en) | 1988-03-03 | 1992-08-28 | Ceramic rotatable magnetron sputtering cathode target and process for its production |
US08/003,417 US5464674A (en) | 1988-03-03 | 1993-01-12 | Magnetic recording medium and method for its production |
US08/323,579 US5605609A (en) | 1988-03-03 | 1994-10-17 | Method for forming low refractive index film comprising silicon dioxide |
US08/358,473 US5514485A (en) | 1988-03-03 | 1994-12-19 | Amorphous oxide film and article having such film thereon |
US08/429,845 US5772862A (en) | 1988-03-03 | 1995-04-27 | Film comprising silicon dioxide as the main component and method for its productiion |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63-48765 | 1988-03-03 | ||
JP4876588 | 1988-03-03 | ||
JP63076202A JPH0682163B2 (ja) | 1988-03-03 | 1988-03-31 | 耐久性の優れた光学体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3149550A Division JP2518116B2 (ja) | 1988-03-03 | 1991-05-24 | 耐久性の優れた光学体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02901A JPH02901A (ja) | 1990-01-05 |
JPH0682163B2 true JPH0682163B2 (ja) | 1994-10-19 |
Family
ID=26389080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63076202A Expired - Lifetime JPH0682163B2 (ja) | 1988-03-03 | 1988-03-31 | 耐久性の優れた光学体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0682163B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
US5605609A (en) * | 1988-03-03 | 1997-02-25 | Asahi Glass Company Ltd. | Method for forming low refractive index film comprising silicon dioxide |
JP2720919B2 (ja) * | 1989-03-07 | 1998-03-04 | 旭硝子株式会社 | ターゲット |
JPH049901U (ja) * | 1990-05-15 | 1992-01-28 | ||
JPH0818849B2 (ja) * | 1991-08-29 | 1996-02-28 | 日本板硝子株式会社 | 熱線遮蔽ガラス |
EP1831125A2 (en) * | 2004-12-17 | 2007-09-12 | AFG Industries, Inc. | Air oxidizable scratch resistant protective layer for optical coatings |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59107301A (ja) * | 1982-12-13 | 1984-06-21 | Seiko Epson Corp | 合成樹脂調光レンズ |
JPS60225101A (ja) * | 1984-04-23 | 1985-11-09 | Minolta Camera Co Ltd | プラスチツク製光学部品 |
JPS6153365A (ja) * | 1984-08-22 | 1986-03-17 | Nippon Soda Co Ltd | 酸化ケイ素薄膜形成用組成物 |
JPS6273202A (ja) * | 1985-09-27 | 1987-04-03 | Hamamatsu Photonics Kk | 光学薄膜の製造方法 |
-
1988
- 1988-03-31 JP JP63076202A patent/JPH0682163B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02901A (ja) | 1990-01-05 |
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