JP2811917B2 - 熱線遮蔽ガラス - Google Patents
熱線遮蔽ガラスInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高い可視光線透過率を有し、単板で使用で
きる耐久性をそなえた熱線遮蔽ガラス、とりわけ透過光
及び反射光による色調がニュートラルで、自動車の窓ガ
ラスとして好適に使用され得る熱線遮蔽ガラスに関す
る。
きる耐久性をそなえた熱線遮蔽ガラス、とりわけ透過光
及び反射光による色調がニュートラルで、自動車の窓ガ
ラスとして好適に使用され得る熱線遮蔽ガラスに関す
る。
[従来の技術] 近年、自動車の窓ガラスの面積は増大してきており、
それにともなって窓ガラスを通して多くの太陽輻射エネ
ルギが室内に流入するようになってきている。このため
自動車の車内の温度上昇をおさえるために、熱線遮蔽性
の被膜が被覆されたガラスが用いられてきている。ま
た、自動車の安全性を確保する上でフロントガラスやリ
アガラスは、可視光線透過率が70%以上であることが法
律で義務づけられている。これらの要求を満足するとと
もに、さらに自動車の重量を増加させないためには、熱
線遮蔽膜としては、複層ガラスや合わせガラスにする必
要がなく、単板で使用し得る耐久性を有することが、熱
線遮蔽膜に要求される。このような要求を満たす目的で
つくられた熱線遮蔽ガラスとしては、特開平1−314163
号や特開平2−901号に開示されているような、透明基
体の上に金属の窒化物からなる熱線吸収膜を被覆し、そ
の上にチタンあるいはジルコニウムなどの金属とホウ素
またはシリコンのうち少なくとも1種と酸素とからなる
保護膜を被覆した熱線遮蔽ガラスが知られている。
それにともなって窓ガラスを通して多くの太陽輻射エネ
ルギが室内に流入するようになってきている。このため
自動車の車内の温度上昇をおさえるために、熱線遮蔽性
の被膜が被覆されたガラスが用いられてきている。ま
た、自動車の安全性を確保する上でフロントガラスやリ
アガラスは、可視光線透過率が70%以上であることが法
律で義務づけられている。これらの要求を満足するとと
もに、さらに自動車の重量を増加させないためには、熱
線遮蔽膜としては、複層ガラスや合わせガラスにする必
要がなく、単板で使用し得る耐久性を有することが、熱
線遮蔽膜に要求される。このような要求を満たす目的で
つくられた熱線遮蔽ガラスとしては、特開平1−314163
号や特開平2−901号に開示されているような、透明基
体の上に金属の窒化物からなる熱線吸収膜を被覆し、そ
の上にチタンあるいはジルコニウムなどの金属とホウ素
またはシリコンのうち少なくとも1種と酸素とからなる
保護膜を被覆した熱線遮蔽ガラスが知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上記した従来の技術では、ガラスとりわ
けソーダライムシリカ組成のような酸化物系のガラスの
表面に被覆された熱線遮蔽膜は、金属の窒化物からなっ
ているのでガラスに対する密着性が良好でなく、被覆さ
れた密着力が必ずしも十分でないという欠点がある。さ
らに、AM、FMなどの受信用アンテナをガラスに設けて自
動車の窓ガラスとして使用するときには、金属の窒化物
からなる導電性の熱線吸収膜が、電波を減衰させ受信感
度を低下させるという問題が生じる。
けソーダライムシリカ組成のような酸化物系のガラスの
表面に被覆された熱線遮蔽膜は、金属の窒化物からなっ
ているのでガラスに対する密着性が良好でなく、被覆さ
れた密着力が必ずしも十分でないという欠点がある。さ
らに、AM、FMなどの受信用アンテナをガラスに設けて自
動車の窓ガラスとして使用するときには、金属の窒化物
からなる導電性の熱線吸収膜が、電波を減衰させ受信感
度を低下させるという問題が生じる。
本発明の目的は、高い可視光線透過率を有し、かつ、
単板で使用できる耐久性をもつとともに、上記問題点が
改善された熱線遮蔽ガラスを提供することである。
単板で使用できる耐久性をもつとともに、上記問題点が
改善された熱線遮蔽ガラスを提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明の第1は、透明ガラス基体の上に第1層とし
て、Ti,Zr,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれた1種と窒素と
酸素とからなる熱線吸収膜が被覆され、前記第1層の上
に第2層として、Ta,Zr,Snの金属群から選ばれた1種と
酸素と窒素とからなる透明保護膜が被覆された熱線遮蔽
ガラスである。
て、Ti,Zr,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれた1種と窒素と
酸素とからなる熱線吸収膜が被覆され、前記第1層の上
に第2層として、Ta,Zr,Snの金属群から選ばれた1種と
酸素と窒素とからなる透明保護膜が被覆された熱線遮蔽
ガラスである。
本発明にかかる熱線吸収膜はTi,Zr,Hf,Cr,Taの金属群
から選ばれた1種の金属と窒素と酸素とからなる。そし
て膜中の窒素と酸素の割合は、熱線遮蔽性能を大きく低
下させることなく、かつ、ガラス基体との密着性が向上
するように定められる。すなわち膜中の窒素と酸素との
割合は、熱線遮蔽性能をより大きくするには窒素を多く
含むように定められ、ガラス基体との密着性を大きくす
るためには酸素を多く含むように定められる。被膜中の
窒素と酸素の割合は、化学分析によっては正確に定めに
くいので被膜の電気特性により定めることができる。被
膜中の窒素が多いと、すなわち金属の窒化物に近くなる
と被膜はより導電性になり、被膜中の酸素が多く、すな
わち金属の酸化物の近くになるとより電気絶縁性にな
る。すなわち被膜の電気絶縁性は、膜中の酸素/窒素の
比率が増加すると、単調に増加する。
から選ばれた1種の金属と窒素と酸素とからなる。そし
て膜中の窒素と酸素の割合は、熱線遮蔽性能を大きく低
下させることなく、かつ、ガラス基体との密着性が向上
するように定められる。すなわち膜中の窒素と酸素との
割合は、熱線遮蔽性能をより大きくするには窒素を多く
含むように定められ、ガラス基体との密着性を大きくす
るためには酸素を多く含むように定められる。被膜中の
窒素と酸素の割合は、化学分析によっては正確に定めに
くいので被膜の電気特性により定めることができる。被
膜中の窒素が多いと、すなわち金属の窒化物に近くなる
と被膜はより導電性になり、被膜中の酸素が多く、すな
わち金属の酸化物の近くになるとより電気絶縁性にな
る。すなわち被膜の電気絶縁性は、膜中の酸素/窒素の
比率が増加すると、単調に増加する。
本発明の熱線遮蔽膜は、第1層の熱線吸収膜および第
2層の透明保護膜の厚みを適当に選ぶことにより、可視
光線透過率を高くし、熱線遮蔽性を良好に保ち、かつ外
観の色調をニュートラル色調にすることができる。熱線
遮蔽性を良好に保つためには、第1層の熱線吸収膜の厚
みは、上記した電気的特性を考慮して定められるが、2n
m以上が好ましく、可視光線透過率を低下させないため
には20nm以下が好ましく、とりわけ5〜15nmが最も好ま
しい。また第2層の透明保護膜の厚みには、第1層の熱
線吸収膜を保護するためには5nm以上であることが好ま
しく、また光の干渉により反射色が濃くならないように
するためには50nmを越えないことが好ましく、とりわけ
8〜30nmが最も好ましい。
2層の透明保護膜の厚みを適当に選ぶことにより、可視
光線透過率を高くし、熱線遮蔽性を良好に保ち、かつ外
観の色調をニュートラル色調にすることができる。熱線
遮蔽性を良好に保つためには、第1層の熱線吸収膜の厚
みは、上記した電気的特性を考慮して定められるが、2n
m以上が好ましく、可視光線透過率を低下させないため
には20nm以下が好ましく、とりわけ5〜15nmが最も好ま
しい。また第2層の透明保護膜の厚みには、第1層の熱
線吸収膜を保護するためには5nm以上であることが好ま
しく、また光の干渉により反射色が濃くならないように
するためには50nmを越えないことが好ましく、とりわけ
8〜30nmが最も好ましい。
本発明にかかる透明保護膜は,Ta,Zr,Snの金属群から
選ばれた1種と酸素と窒素からなる。そして透明保護膜
は、可視光線のほぼ全域にわたって実質上透明になるよ
うに、かつ、第1層の熱線吸収膜との密着性が大きくな
るように膜中に酸素が含有される。このとき透明保護膜
の電気絶縁性については、アンテナの受信感度が低下し
ない程度の大きさが確保される。また透明保護膜の屈折
率は2.2以下であることが好ましい。
選ばれた1種と酸素と窒素からなる。そして透明保護膜
は、可視光線のほぼ全域にわたって実質上透明になるよ
うに、かつ、第1層の熱線吸収膜との密着性が大きくな
るように膜中に酸素が含有される。このとき透明保護膜
の電気絶縁性については、アンテナの受信感度が低下し
ない程度の大きさが確保される。また透明保護膜の屈折
率は2.2以下であることが好ましい。
本発明においては、第1層の熱線吸収膜の面積抵抗を
100kΩ/平方以上になるように膜中の酸素を含有させる
ことは、ガラスとの密着性を確保する上で好ましく、1M
Ω/平方以上にするこは、さらに好ましい。また、アン
テナ線条をガラスの外表面または内表面に設けてアンテ
ナ付き窓ガラスとするに際しては、アンテナの受信感度
を低下させないためには、熱線吸収膜の面積抵抗は、10
0kΩ/平方以上にすることが好ましく、1MΩ/平方以上
にすることは、さらに好ましい。
100kΩ/平方以上になるように膜中の酸素を含有させる
ことは、ガラスとの密着性を確保する上で好ましく、1M
Ω/平方以上にするこは、さらに好ましい。また、アン
テナ線条をガラスの外表面または内表面に設けてアンテ
ナ付き窓ガラスとするに際しては、アンテナの受信感度
を低下させないためには、熱線吸収膜の面積抵抗は、10
0kΩ/平方以上にすることが好ましく、1MΩ/平方以上
にすることは、さらに好ましい。
本発明の第1層および第2層の被覆方法は、スパッタ
リング法、真空蒸着法、イオンプレーテイング法、アー
ク蒸着法などの方法を用いることができる。とりわけ大
きな面積のガラス基体に被膜を被覆するには、スパッタ
リング法が好ましく用いられる。スパッタリング法を用
いる場合、熱線吸収膜を被覆する具体的な方法として
は,たとえばTi,Zr,Hf,Cr,Taをそれぞれターゲットとし
て窒素と酸素とを含む雰囲気で行う反応性スパッタリン
グの方法を用いることができる。また透明保護膜の被覆
についても前記した熱線吸収膜と同様に窒素と酸素とを
含む雰囲気で行う反応性スパッタリングの方法を用いる
ことができる。
リング法、真空蒸着法、イオンプレーテイング法、アー
ク蒸着法などの方法を用いることができる。とりわけ大
きな面積のガラス基体に被膜を被覆するには、スパッタ
リング法が好ましく用いられる。スパッタリング法を用
いる場合、熱線吸収膜を被覆する具体的な方法として
は,たとえばTi,Zr,Hf,Cr,Taをそれぞれターゲットとし
て窒素と酸素とを含む雰囲気で行う反応性スパッタリン
グの方法を用いることができる。また透明保護膜の被覆
についても前記した熱線吸収膜と同様に窒素と酸素とを
含む雰囲気で行う反応性スパッタリングの方法を用いる
ことができる。
熱線吸収膜および透明保護膜とも、膜中の窒素と酸素
の含有比率は、膜を被覆するときの雰囲気のガスの組成
を適当に選ぶことにより定められる。雰囲気ガスの組成
は、上記した被膜の被覆方法や被覆速度などにより異な
り、一義的に定まらない。また本発明の熱線遮蔽膜を上
記した方法で被覆するにあたっては、ひとつの減圧され
た真空槽に熱線吸収膜および透明保護膜を被覆するため
の蒸発源を設置すれば雰囲気ガスの組成を変更するだけ
で2層を真空を破ることなくが連続して被覆できる。
の含有比率は、膜を被覆するときの雰囲気のガスの組成
を適当に選ぶことにより定められる。雰囲気ガスの組成
は、上記した被膜の被覆方法や被覆速度などにより異な
り、一義的に定まらない。また本発明の熱線遮蔽膜を上
記した方法で被覆するにあたっては、ひとつの減圧され
た真空槽に熱線吸収膜および透明保護膜を被覆するため
の蒸発源を設置すれば雰囲気ガスの組成を変更するだけ
で2層を真空を破ることなくが連続して被覆できる。
本発明の第2は、透明ガラス基体の上に第1層とし
て、Ti,Zr,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれた1種の金属と
窒素と酸素とからなる熱線吸収膜が被覆され、前記第1
層の上に第2層として、Ta,Zr,Snの元素の群から選ばれ
た1種とシリコンと酸素と窒素とからなる透明保護膜が
被覆された熱線遮蔽ガラスである。
て、Ti,Zr,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれた1種の金属と
窒素と酸素とからなる熱線吸収膜が被覆され、前記第1
層の上に第2層として、Ta,Zr,Snの元素の群から選ばれ
た1種とシリコンと酸素と窒素とからなる透明保護膜が
被覆された熱線遮蔽ガラスである。
本発明にかかる熱線吸収膜はTi,Zr,Hf,Cr,Taの金属群
から選ばれた1種の金属と窒素と酸素とからなる。そし
て膜中の窒素と酸素の割合は、熱線遮蔽性能を大きく低
下させることなく、かつ、ガラス基体との密着性が向上
するように定められる。すなわち膜中の窒素と酸素との
割合は、熱節遮蔽性能を大きくするには窒素を多く含む
ように定められ、ガラス基体との密着性を大きくするに
は酸素を多く含むように定めることができる。被膜中の
窒素と酸素の割合は、化学分析によっては正確に定めに
くいので被膜の電気特性により定めることができる。被
膜中の窒素が多いと、すなわち金属の窒化物に近くなる
と被膜は導電性になり、被膜中の酸素が多く、すなわち
金属の酸化物に近くなると電気絶縁性になる。被膜の電
気絶縁性は、膜中の酸素/窒素の比率が増加すると、単
調に増加する。
から選ばれた1種の金属と窒素と酸素とからなる。そし
て膜中の窒素と酸素の割合は、熱線遮蔽性能を大きく低
下させることなく、かつ、ガラス基体との密着性が向上
するように定められる。すなわち膜中の窒素と酸素との
割合は、熱節遮蔽性能を大きくするには窒素を多く含む
ように定められ、ガラス基体との密着性を大きくするに
は酸素を多く含むように定めることができる。被膜中の
窒素と酸素の割合は、化学分析によっては正確に定めに
くいので被膜の電気特性により定めることができる。被
膜中の窒素が多いと、すなわち金属の窒化物に近くなる
と被膜は導電性になり、被膜中の酸素が多く、すなわち
金属の酸化物に近くなると電気絶縁性になる。被膜の電
気絶縁性は、膜中の酸素/窒素の比率が増加すると、単
調に増加する。
本発明の熱線遮蔽ガラスは、本発明の第1と同様に、
第1層の熱線吸収膜および第2層の透明保護膜の厚みを
適当に選ぶことにより、可視光線透過率を高くし熱線遮
蔽性を良好に保ち、かつ、外観の色調をニュートラルな
色調にすることができる。熱線遮蔽性を良好に保つため
には、第1層の熱線吸収膜の厚みは、上記した電気的特
性を考慮して定められ、2nm以上が好ましく、可視光線
透過率を低下させないためには20nm以下が好ましく、と
りわけ5〜15nmが最も好ましい。
第1層の熱線吸収膜および第2層の透明保護膜の厚みを
適当に選ぶことにより、可視光線透過率を高くし熱線遮
蔽性を良好に保ち、かつ、外観の色調をニュートラルな
色調にすることができる。熱線遮蔽性を良好に保つため
には、第1層の熱線吸収膜の厚みは、上記した電気的特
性を考慮して定められ、2nm以上が好ましく、可視光線
透過率を低下させないためには20nm以下が好ましく、と
りわけ5〜15nmが最も好ましい。
また第2層の透明保護膜の厚みには、第1層の熱線吸
収膜を保護するためには5nm以上であることが好まし
く、また光の干渉により反射色が濃くならないようにす
るためには50nmを越えないことが好ましく、とりわけ8
〜30nmが最も好ましい。
収膜を保護するためには5nm以上であることが好まし
く、また光の干渉により反射色が濃くならないようにす
るためには50nmを越えないことが好ましく、とりわけ8
〜30nmが最も好ましい。
本発明においても、第1層の熱線吸収膜の面積抵抗
は、ガラス基板との密着性を確保する上で100k/Ω/平
方以上になるように膜中の酸素を含有させるのが好まし
く、1MΩ/平方以上にするのが、さらに好ましい。ま
た、アンテナ線条をガラスの外表面または内表面に設け
てアンテナ付き窓ガラスとするに際しては、アンテナの
利得を低下させないためには、熱線吸収膜の面積抵抗
は、100kΩ/平方以上にすることが好ましく、1MΩ/平
方以上にするのが、さらに好ましい。
は、ガラス基板との密着性を確保する上で100k/Ω/平
方以上になるように膜中の酸素を含有させるのが好まし
く、1MΩ/平方以上にするのが、さらに好ましい。ま
た、アンテナ線条をガラスの外表面または内表面に設け
てアンテナ付き窓ガラスとするに際しては、アンテナの
利得を低下させないためには、熱線吸収膜の面積抵抗
は、100kΩ/平方以上にすることが好ましく、1MΩ/平
方以上にするのが、さらに好ましい。
本発明の第2の、透明保護膜は、Ta,Zr,Snの金属群か
ら選ばれた1種とシリコンと酸素と窒素とからなる。そ
して透明保護膜は、可視光線のほぼ全域にわたって実質
上透明になるように、かつ、第1層との密着性が確保さ
れるように膜中に酸素が含有される。また透明保護膜の
屈折率は2.2以下になるようにするのが好ましい。
ら選ばれた1種とシリコンと酸素と窒素とからなる。そ
して透明保護膜は、可視光線のほぼ全域にわたって実質
上透明になるように、かつ、第1層との密着性が確保さ
れるように膜中に酸素が含有される。また透明保護膜の
屈折率は2.2以下になるようにするのが好ましい。
本発明の熱線吸収膜および透明保護膜は、スパッタリ
ング法、真空蒸着法、イオンプレーテイング法、アーク
蒸着法などの方法を用いることができる。とりわけ大き
な面積のガラス基体に被膜を被覆するには、スパッタリ
ング法が好ましく用いられる。スパッタリング法を用い
る場合、熱線吸収膜を被覆する具体的な方法としては、
本発明の第1と同じようにTi,Zr,Hf,Cr,Taをそれぞれタ
ーゲットとして窒素を酸素とを含む雰囲気で行う反応性
スパッタリングの方法を用いることができる。
ング法、真空蒸着法、イオンプレーテイング法、アーク
蒸着法などの方法を用いることができる。とりわけ大き
な面積のガラス基体に被膜を被覆するには、スパッタリ
ング法が好ましく用いられる。スパッタリング法を用い
る場合、熱線吸収膜を被覆する具体的な方法としては、
本発明の第1と同じようにTi,Zr,Hf,Cr,Taをそれぞれタ
ーゲットとして窒素を酸素とを含む雰囲気で行う反応性
スパッタリングの方法を用いることができる。
また透明保護膜の被覆は、たとえばチタニウムシリサ
イド、ジルコニウムシリサイド、ハフニウムシリサイ
ド、クロムシリサイド、タンタルシリサイドをそれぞれ
ターゲットとして、酸素と窒素を含む雰囲気内でおこな
う反応性スパッタリング法を用いることができる。熱線
吸収膜の窒素と酸素の含有比率および透明保護膜の窒素
と酸素の含有比率は、膜を被覆するときの雰囲気のガス
の組成を適当に選ぶことにより定められる。ガスの組成
は、上記した被膜の被覆方法や被覆速度などにより異な
り一義的には定まらない。また本発明の熱線遮蔽膜を上
記した方法で被覆するにあたっては、ひとつの減圧され
た真空槽に熱線吸収膜および透明保護膜を被覆するため
の蒸発源を設置すれば、雰囲気ガスの組成を変更するだ
けで2層を真空を破ることなく連続して被覆できる。
イド、ジルコニウムシリサイド、ハフニウムシリサイ
ド、クロムシリサイド、タンタルシリサイドをそれぞれ
ターゲットとして、酸素と窒素を含む雰囲気内でおこな
う反応性スパッタリング法を用いることができる。熱線
吸収膜の窒素と酸素の含有比率および透明保護膜の窒素
と酸素の含有比率は、膜を被覆するときの雰囲気のガス
の組成を適当に選ぶことにより定められる。ガスの組成
は、上記した被膜の被覆方法や被覆速度などにより異な
り一義的には定まらない。また本発明の熱線遮蔽膜を上
記した方法で被覆するにあたっては、ひとつの減圧され
た真空槽に熱線吸収膜および透明保護膜を被覆するため
の蒸発源を設置すれば、雰囲気ガスの組成を変更するだ
けで2層を真空を破ることなく連続して被覆できる。
本発明の第3は、透明ガラス基体の上に第1層とし
て、Ti,Zr,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれたひとつの金属
と窒素と酸素とからなる熱線吸収膜が被覆され、前記第
1層の上に第2層として、Ta,Zr,Snの元素の群から選ば
れた1種とホウ素と酸素と窒素とからなる透明保護膜が
被覆された熱線遮蔽ガラスである。
て、Ti,Zr,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれたひとつの金属
と窒素と酸素とからなる熱線吸収膜が被覆され、前記第
1層の上に第2層として、Ta,Zr,Snの元素の群から選ば
れた1種とホウ素と酸素と窒素とからなる透明保護膜が
被覆された熱線遮蔽ガラスである。
本発明にかかる熱線吸収膜は、Ti,Zr,Hf,Cr,Taの金属
群から選ばれた1種の金属と窒素と酸素とからなる。そ
して膜中の窒素と酸素の割合は、本発明の第1と同じよ
うに熱線遮蔽性能を大きく低下させることなく、かつ、
ガラス基体との密着性が向上するように定められる。す
なわち膜中の窒素と酸素との割合は、熱線遮蔽性能を大
きくするには窒素を多く含むように定められ、ガラス基
体との密着性を大きくするには酸素を多く含むように定
めることができる。被膜中の窒素と酸素の割合は、化学
分析によっては正確に定めにくいので被膜の電気特性に
より定めることができる。被膜中の窒素が多いと、すな
わち金属の窒化物に近くなると被膜は導電性になり、被
膜中の酸素が多く、すなわち金属の酸化物に近くなると
電気絶縁性になる。すなわち被膜の電気絶縁性は、膜中
の酸素/窒素の比率が増加すると、単調に増加する。
群から選ばれた1種の金属と窒素と酸素とからなる。そ
して膜中の窒素と酸素の割合は、本発明の第1と同じよ
うに熱線遮蔽性能を大きく低下させることなく、かつ、
ガラス基体との密着性が向上するように定められる。す
なわち膜中の窒素と酸素との割合は、熱線遮蔽性能を大
きくするには窒素を多く含むように定められ、ガラス基
体との密着性を大きくするには酸素を多く含むように定
めることができる。被膜中の窒素と酸素の割合は、化学
分析によっては正確に定めにくいので被膜の電気特性に
より定めることができる。被膜中の窒素が多いと、すな
わち金属の窒化物に近くなると被膜は導電性になり、被
膜中の酸素が多く、すなわち金属の酸化物に近くなると
電気絶縁性になる。すなわち被膜の電気絶縁性は、膜中
の酸素/窒素の比率が増加すると、単調に増加する。
本発明の熱線遮蔽ガラスは、第1層の熱線吸収膜およ
び第2層の透明保護膜の厚みを適当に選ぶことにより、
可視光線透過率を高くし、熱線遮蔽性を良好に保ち、か
つ、外観の色調をニュートラルな色調にすることができ
る。熱線遮蔽性を良好に保つためには、第1層の熱線吸
収膜の厚みは、上記した電気特性を考慮して定められ、
2nm以上が好ましく、可視光線透過率を低下させないた
めには20nm以下が好ましい。とりわけ5〜15nmが最も好
ましい。また第2層の透明保護膜の厚みは、第1層の熱
線吸収膜を保護するためには5nm以上であることが好ま
しく、また光の干渉により反射色が濃くならないように
するためには50nmを越えないことが好ましく、とりわけ
8〜30nmが最も好ましい。
び第2層の透明保護膜の厚みを適当に選ぶことにより、
可視光線透過率を高くし、熱線遮蔽性を良好に保ち、か
つ、外観の色調をニュートラルな色調にすることができ
る。熱線遮蔽性を良好に保つためには、第1層の熱線吸
収膜の厚みは、上記した電気特性を考慮して定められ、
2nm以上が好ましく、可視光線透過率を低下させないた
めには20nm以下が好ましい。とりわけ5〜15nmが最も好
ましい。また第2層の透明保護膜の厚みは、第1層の熱
線吸収膜を保護するためには5nm以上であることが好ま
しく、また光の干渉により反射色が濃くならないように
するためには50nmを越えないことが好ましく、とりわけ
8〜30nmが最も好ましい。
本発明の透明保護膜は、Ta,Zr,Snの元素の群から選ば
れた1種とホウ素と酸素と窒素とからなる。そして透明
保護膜は、可視光線のほぼ全域にわたって実質上透明に
なるように酸素が含有される。そして屈曲率が2.2以下
になるようにするのが好ましい。
れた1種とホウ素と酸素と窒素とからなる。そして透明
保護膜は、可視光線のほぼ全域にわたって実質上透明に
なるように酸素が含有される。そして屈曲率が2.2以下
になるようにするのが好ましい。
本発明においては、第1層の熱線吸収膜の面積抵抗
は、ガラスとの密着性を確保する上で100k/Ω/平方以
上とするのが好ましく、1MΩ/平方以上にすることが、
さらに好ましい。また、アンテナ線条をガラスの外表面
または内表面に設けたアンテナ付き窓ガラスとするに際
しては、アンテナの利得を低下させないためには、熱線
吸収膜の面積抵抗は100kΩ/平方以上にすることが好ま
しく、1MΩ/平方以上にするのが、さらに好ましい。
は、ガラスとの密着性を確保する上で100k/Ω/平方以
上とするのが好ましく、1MΩ/平方以上にすることが、
さらに好ましい。また、アンテナ線条をガラスの外表面
または内表面に設けたアンテナ付き窓ガラスとするに際
しては、アンテナの利得を低下させないためには、熱線
吸収膜の面積抵抗は100kΩ/平方以上にすることが好ま
しく、1MΩ/平方以上にするのが、さらに好ましい。
本発明の熱線吸収膜および透明保護膜は、本発明の第
1と同じようにスパッタリング法、真空蒸着法、イオン
プレーテイング法、アーク蒸着法などの方法を用いるこ
とができる。とりわけ大きな面積のガラス基体に被膜を
被覆するには、スパッタリング法が好ましく用いられ
る。スパッタリング法を用いる場合、熱線吸収膜を被覆
する具体的な方法としては,たとえばTi,Zr,Hf,Cr,Taを
それぞれターゲットとして窒素と酸素とを含む雰囲気で
おこなう反応性スパッタリングの方法を用いることがで
きる。また透明保護膜の被覆をスパッタリングでおこな
う場合は、たとえばホウ化タンタル、ホウ化ジルコニウ
ム、ホウ化錫をターゲットとして酸素と窒素とを含む雰
囲気で行う反応性スパッタリング法を用いることができ
る。
1と同じようにスパッタリング法、真空蒸着法、イオン
プレーテイング法、アーク蒸着法などの方法を用いるこ
とができる。とりわけ大きな面積のガラス基体に被膜を
被覆するには、スパッタリング法が好ましく用いられ
る。スパッタリング法を用いる場合、熱線吸収膜を被覆
する具体的な方法としては,たとえばTi,Zr,Hf,Cr,Taを
それぞれターゲットとして窒素と酸素とを含む雰囲気で
おこなう反応性スパッタリングの方法を用いることがで
きる。また透明保護膜の被覆をスパッタリングでおこな
う場合は、たとえばホウ化タンタル、ホウ化ジルコニウ
ム、ホウ化錫をターゲットとして酸素と窒素とを含む雰
囲気で行う反応性スパッタリング法を用いることができ
る。
本発明の第1、第2、第3のいずれについても、第1
層および第2層の厚みを上記した範囲内で適当に選ぶこ
とにより、可視光線透過率が70%以上の窓ガラスとして
明るい熱線遮蔽ガラスとすることができる。
層および第2層の厚みを上記した範囲内で適当に選ぶこ
とにより、可視光線透過率が70%以上の窓ガラスとして
明るい熱線遮蔽ガラスとすることができる。
本発明の第1、第2、第3は、いずれの透明保護膜も
非晶質であるため耐摩耗性が良好で、かつ、酸やアルカ
リに対して強いので、膜が直接外気に触れる状態で用い
るのに適している。これらの膜は必ずしも完全に透明で
ある必要はなく、透明性が大きく低下しない範囲で酸素
欠陥に基づく光の吸収があってもよい。
非晶質であるため耐摩耗性が良好で、かつ、酸やアルカ
リに対して強いので、膜が直接外気に触れる状態で用い
るのに適している。これらの膜は必ずしも完全に透明で
ある必要はなく、透明性が大きく低下しない範囲で酸素
欠陥に基づく光の吸収があってもよい。
また、本発明の第1、第2、第3に用いられるガラス
基体としてはとくに限定されるものではなく、無機ガラ
スやアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの有機ガ
ラスを用いることができるが、熱線吸収膜とガラス基体
との密着力を十分確保する上では無機ガラスがより好ま
しい。その中でも大きな面積のガラス基体を安価に得ら
れ、また熱線遮蔽ガラスとして耐久性が確保できる観点
から、ソーダライムシリカ組成のフロートガラスが好ん
で用いられる。
基体としてはとくに限定されるものではなく、無機ガラ
スやアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの有機ガ
ラスを用いることができるが、熱線吸収膜とガラス基体
との密着力を十分確保する上では無機ガラスがより好ま
しい。その中でも大きな面積のガラス基体を安価に得ら
れ、また熱線遮蔽ガラスとして耐久性が確保できる観点
から、ソーダライムシリカ組成のフロートガラスが好ん
で用いられる。
本発明の第1、第2、第3において、色調がニュート
ラルであるとは、色調をcieの色表示系で表わし、ガラ
ス基体表面に熱線吸収膜と透明保護膜を被覆した前と後
のx座標、y座標の変化量を△x、△yとするとき、透
過光で△x、△yがともに0.010以下であり、反射光で
△x、△yがともに0.025以下であることをいう。
ラルであるとは、色調をcieの色表示系で表わし、ガラ
ス基体表面に熱線吸収膜と透明保護膜を被覆した前と後
のx座標、y座標の変化量を△x、△yとするとき、透
過光で△x、△yがともに0.010以下であり、反射光で
△x、△yがともに0.025以下であることをいう。
さらに本発明の熱線遮蔽ガラスは、透明ガラス基体と
熱線吸収膜との間に、あるいは透明保護膜の上に、ある
いは膜が被覆されないガラスの表面にアンテナ線条を設
けたアンテナ付き熱線遮蔽ガラスとし、車両用の窓ガラ
スとする場合は、熱線遮蔽膜を構成する被膜の電気抵抗
が大きいので、熱線遮蔽膜がアンテナの受信特性を低下
させないという特徴を有する。
熱線吸収膜との間に、あるいは透明保護膜の上に、ある
いは膜が被覆されないガラスの表面にアンテナ線条を設
けたアンテナ付き熱線遮蔽ガラスとし、車両用の窓ガラ
スとする場合は、熱線遮蔽膜を構成する被膜の電気抵抗
が大きいので、熱線遮蔽膜がアンテナの受信特性を低下
させないという特徴を有する。
[作用] 本発明の第1層の、金属と窒素と酸素とからなる熱線
吸収膜は、可視光線を透過し、かつ太陽輻射エネルギを
遮蔽する。そしてこの熱線吸収膜には酸素が含まれてい
るので、ガラス基体との密着性がよい。
吸収膜は、可視光線を透過し、かつ太陽輻射エネルギを
遮蔽する。そしてこの熱線吸収膜には酸素が含まれてい
るので、ガラス基体との密着性がよい。
第2層の非晶質の透明保護膜は、酸やアルカリに対し
て劣化しにくく、かつ、耐摩耗性が大きいので、第1層
の熱線吸収膜を外部からの化学的な侵食や機械的なクラ
ッチおよび摩耗から保護する。第1層の熱線吸収膜と第
2層の透明保護膜は、膜の厚みが調整されることによ
り、光の干渉作用により高い可視光線透過率を呈すると
ともに、反射光や透過光による色調をニュートラルにす
る。
て劣化しにくく、かつ、耐摩耗性が大きいので、第1層
の熱線吸収膜を外部からの化学的な侵食や機械的なクラ
ッチおよび摩耗から保護する。第1層の熱線吸収膜と第
2層の透明保護膜は、膜の厚みが調整されることによ
り、光の干渉作用により高い可視光線透過率を呈すると
ともに、反射光や透過光による色調をニュートラルにす
る。
また、第1層の熱線吸収膜と同様に、膜中に窒素と酸
素とが含まれているので、第1層との密着性がよい。
素とが含まれているので、第1層との密着性がよい。
さらに本発明にかかる熱線吸収膜は、膜中に酸素が含
まれることにより電気抵抗が大きくなっているので、ア
ンテナ線条をガラス基体と熱線吸収膜との間、あるいは
透明保護膜の上、あるいは膜を被覆しない側のガラス基
体表面に設けたアンテナ付き熱線遮蔽ガラスとして用い
るときには、アンテナの受信感度は熱線遮蔽膜により低
下しない。
まれることにより電気抵抗が大きくなっているので、ア
ンテナ線条をガラス基体と熱線吸収膜との間、あるいは
透明保護膜の上、あるいは膜を被覆しない側のガラス基
体表面に設けたアンテナ付き熱線遮蔽ガラスとして用い
るときには、アンテナの受信感度は熱線遮蔽膜により低
下しない。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて以下に説明する。第1図
は、本発明の熱線遮蔽ガラスの一部断面図で、透明ガラ
ス基体1の上に、熱線吸収膜2および透明保護膜3が順
次形成されている。第2図は、本発明のアンテナ線条付
きガラスの一実施例の説明図で、第2図(a)は、アン
テナ線条4が透明ガラス基体1と熱線吸収膜2との間に
設けられ、アンテナ線条の露出部分からリード線が引き
出される。第2図(b)は、アンテナ線条4が自動車用
窓ガラス5の下部に設けられている状態を示している。
は、本発明の熱線遮蔽ガラスの一部断面図で、透明ガラ
ス基体1の上に、熱線吸収膜2および透明保護膜3が順
次形成されている。第2図は、本発明のアンテナ線条付
きガラスの一実施例の説明図で、第2図(a)は、アン
テナ線条4が透明ガラス基体1と熱線吸収膜2との間に
設けられ、アンテナ線条の露出部分からリード線が引き
出される。第2図(b)は、アンテナ線条4が自動車用
窓ガラス5の下部に設けられている状態を示している。
実施例1 2つのカソードをそなえた直流マグネトロンスパッタ
装置にターゲットとしてジルコニウムと錫をセットし
た。表面を清浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス
(日本板硝子製商品名セーフテイ−ブロンズ、日射透過
率71.9%)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラス板およ
びAM及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用リアウイ
ンドウガラスを真空槽内の基板ホルダにセットした。プ
リントアンテナは公知の方法により銀を主成分とするペ
ーストをスクリーン印刷によってガラス面に形成した。
真空ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の圧力と
し、その後体積比でアルゴン:酸素:窒素=100:5:160
の混合ガスを真空槽内に導入して0.4Paの圧力とした。
ジルコニウムターゲットに50Aのカソード電流を流し、
所定時間スパッタリングをおこなって8nmのジルコニウ
ムと窒素と酸素とからなる熱線吸収膜を被覆した。次
に、混合ガスの組成をアルゴン:酸素:窒素=10:50:5
にして真空槽内の圧力を0.4Paにした。錫のターゲット
に15Aのカソード電流を所定時間流し、10nmの厚みの錫
と酸素と窒素とからなる透明保護膜を熱線吸収膜の上に
被覆した。得られたガラス板サンプル1およびリアウイ
ンドウサンプル1を装置か ら取り出した。サンプル1の光学特性および電気特性を
測定した。その結果を第1表に示す。
装置にターゲットとしてジルコニウムと錫をセットし
た。表面を清浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス
(日本板硝子製商品名セーフテイ−ブロンズ、日射透過
率71.9%)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラス板およ
びAM及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用リアウイ
ンドウガラスを真空槽内の基板ホルダにセットした。プ
リントアンテナは公知の方法により銀を主成分とするペ
ーストをスクリーン印刷によってガラス面に形成した。
真空ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の圧力と
し、その後体積比でアルゴン:酸素:窒素=100:5:160
の混合ガスを真空槽内に導入して0.4Paの圧力とした。
ジルコニウムターゲットに50Aのカソード電流を流し、
所定時間スパッタリングをおこなって8nmのジルコニウ
ムと窒素と酸素とからなる熱線吸収膜を被覆した。次
に、混合ガスの組成をアルゴン:酸素:窒素=10:50:5
にして真空槽内の圧力を0.4Paにした。錫のターゲット
に15Aのカソード電流を所定時間流し、10nmの厚みの錫
と酸素と窒素とからなる透明保護膜を熱線吸収膜の上に
被覆した。得られたガラス板サンプル1およびリアウイ
ンドウサンプル1を装置か ら取り出した。サンプル1の光学特性および電気特性を
測定した。その結果を第1表に示す。
また、このガラス板サンプル1のテーバー摩耗試験に
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
さらにリアウインドウサンプル1について、AM及びFM
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
実施例2 実施例1で用いたのと同じスパッタ装置にターゲット
としてクロムとジルコニウムをセットした。表面を清浄
にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス(日本板硝子株
式会社製商品名セーフティーブロンズ)からなる、熱線
遮蔽膜評価用のガラス板およびAM及びFM用のプリントア
ンテナ付き自動車用リアウインドウガラスを真空槽内の
基板ホルダにセットした。プリントアンテナは公知の方
法により銀を主成分とするペーストをスクリーン印刷に
よってガラス面に形成した。真空ポンプで6.65×10-4Pa
(パスカル)以下の圧力とし、その後体積比でアルゴ
ン:酸素:窒素=10:3:20の混合ガスを真空槽内に導入
して0.4Paの圧力とした。クロムターゲットに10Aのカソ
ード電流を流し、所定時間スパッタリングをおこなっ
て、5nmのジルコニウムと窒素と酸素とからなる熱線吸
収膜を被覆した。次に、混合ガスの組成をアルゴン:酸
素:窒素=10:40:5にして真空槽内の圧力を0.4Paにし
た。ジルコニウムターゲットに70Aのカソード電流を所
定時間流し、10nmの厚みのジルコニウムと酸素と窒素と
からなる透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得ら
れたガラス板サンプル2およびリアルウインドウサンプ
ル2を装置から取り出した。サンプル2の光学特性およ
び電気特性を測定した。その結果を第1表に示す。
としてクロムとジルコニウムをセットした。表面を清浄
にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス(日本板硝子株
式会社製商品名セーフティーブロンズ)からなる、熱線
遮蔽膜評価用のガラス板およびAM及びFM用のプリントア
ンテナ付き自動車用リアウインドウガラスを真空槽内の
基板ホルダにセットした。プリントアンテナは公知の方
法により銀を主成分とするペーストをスクリーン印刷に
よってガラス面に形成した。真空ポンプで6.65×10-4Pa
(パスカル)以下の圧力とし、その後体積比でアルゴ
ン:酸素:窒素=10:3:20の混合ガスを真空槽内に導入
して0.4Paの圧力とした。クロムターゲットに10Aのカソ
ード電流を流し、所定時間スパッタリングをおこなっ
て、5nmのジルコニウムと窒素と酸素とからなる熱線吸
収膜を被覆した。次に、混合ガスの組成をアルゴン:酸
素:窒素=10:40:5にして真空槽内の圧力を0.4Paにし
た。ジルコニウムターゲットに70Aのカソード電流を所
定時間流し、10nmの厚みのジルコニウムと酸素と窒素と
からなる透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得ら
れたガラス板サンプル2およびリアルウインドウサンプ
ル2を装置から取り出した。サンプル2の光学特性およ
び電気特性を測定した。その結果を第1表に示す。
また、このガラス板サンプル2のテーバー摩耗試験に
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
さらにリアルウインドウサンプル2について、AM及び
FM周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果
を第3表に示す。
FM周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果
を第3表に示す。
実施例3 実施例1で用いたのと同じスパッタ装置にターゲット
としてジルコニウムとタンタルをセットした。表面を清
浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス(日本板硝子
株式会社製商品名セーフティーブロンズ)からなる、熱
線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM及びFM用のプリント
アンテナ付き自動車用リアウインドウガラスを真空槽内
の基板ホルダにセットした。プリントアンテナは公知の
方法により銀を主成分とするペーストをスクリーン印刷
によってガラス面に形成した。真空ポンプで6.65×10-4
Pa(パスカル)以下の圧力とし、その後体積比でアルゴ
ン:酸素:窒素=100:5:160の混合ガスを真空槽内に導
入して0.4Paの圧力とした。ジルコニウムターゲットに5
0Aのカソード電流を流し、所定時間スパッタリングをお
こなって8nmのジルコニウムと窒素と酸素とからなる熱
線吸収膜を被覆した。次に、混合ガスの組成をアルゴ
ン:酸素:窒素=10:40:5にして真空槽内の圧力を0.4Pa
にした。タンタルターゲットに70Aのカソード電流を所
定時間流し、8nmの厚みのタンタルと酸素と窒素とから
なる透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得られた
ガラス板サンプル3およびリアウインドウサンプル3を
装置から取り出した。サンプル3の光学特性および電気
特性を測定した。その結果を第1表に示す。
としてジルコニウムとタンタルをセットした。表面を清
浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス(日本板硝子
株式会社製商品名セーフティーブロンズ)からなる、熱
線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM及びFM用のプリント
アンテナ付き自動車用リアウインドウガラスを真空槽内
の基板ホルダにセットした。プリントアンテナは公知の
方法により銀を主成分とするペーストをスクリーン印刷
によってガラス面に形成した。真空ポンプで6.65×10-4
Pa(パスカル)以下の圧力とし、その後体積比でアルゴ
ン:酸素:窒素=100:5:160の混合ガスを真空槽内に導
入して0.4Paの圧力とした。ジルコニウムターゲットに5
0Aのカソード電流を流し、所定時間スパッタリングをお
こなって8nmのジルコニウムと窒素と酸素とからなる熱
線吸収膜を被覆した。次に、混合ガスの組成をアルゴ
ン:酸素:窒素=10:40:5にして真空槽内の圧力を0.4Pa
にした。タンタルターゲットに70Aのカソード電流を所
定時間流し、8nmの厚みのタンタルと酸素と窒素とから
なる透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得られた
ガラス板サンプル3およびリアウインドウサンプル3を
装置から取り出した。サンプル3の光学特性および電気
特性を測定した。その結果を第1表に示す。
また、このガラス板サンプル3のテーバー摩耗試験に
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
さらにリアウインドウサンプル3について、AM及びFM
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
実施例4 実施例1で用いたのと同じスパッタ装置にターゲット
としてチタニウムとタンタルシリサイド (TaSi)をセットした。表面を清浄にした3.5mm厚のブ
ロンズ系着色ガラス(日本板硝子株式会社製商品名セー
フティーブロンズ)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラ
ス板およびAM及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用
リアウインドウガラスを真空槽内の基板ホルダにセット
した。プリントアンテナは公知の方法により銀を主成分
とするペーストをスクリーン印刷によってガラス面に形
成した。真空ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の
圧力とし、その後体積比でアルゴン:酸素:窒素=10:
1:21の混合ガスを真空槽内に導入して0.4Paの圧力とし
た。チタニウムターゲットに60Aのカソード電流を流
し、所定時間スパッタリングをおこなって6nmのチタニ
ウムと窒素と酸素とからなる熱線吸収膜を被覆した。次
に、混合ガスの組成をアルゴン:酸素:窒素=10:50:3
にして真空槽内の圧力を0.4Paにした。タンタルシリサ
イドターゲットに30Aのカソード電流を所定時間流し、2
0nmの厚みのタンタルとシリコンと酸素と窒素とからな
る透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得られたガ
ラス板サンプル4およびリアウインドウサンプル4を装
置から取り出した。サンプル4の光学特性および電気特
性を測定した。その結果を第1表に示す。
としてチタニウムとタンタルシリサイド (TaSi)をセットした。表面を清浄にした3.5mm厚のブ
ロンズ系着色ガラス(日本板硝子株式会社製商品名セー
フティーブロンズ)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラ
ス板およびAM及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用
リアウインドウガラスを真空槽内の基板ホルダにセット
した。プリントアンテナは公知の方法により銀を主成分
とするペーストをスクリーン印刷によってガラス面に形
成した。真空ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の
圧力とし、その後体積比でアルゴン:酸素:窒素=10:
1:21の混合ガスを真空槽内に導入して0.4Paの圧力とし
た。チタニウムターゲットに60Aのカソード電流を流
し、所定時間スパッタリングをおこなって6nmのチタニ
ウムと窒素と酸素とからなる熱線吸収膜を被覆した。次
に、混合ガスの組成をアルゴン:酸素:窒素=10:50:3
にして真空槽内の圧力を0.4Paにした。タンタルシリサ
イドターゲットに30Aのカソード電流を所定時間流し、2
0nmの厚みのタンタルとシリコンと酸素と窒素とからな
る透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得られたガ
ラス板サンプル4およびリアウインドウサンプル4を装
置から取り出した。サンプル4の光学特性および電気特
性を測定した。その結果を第1表に示す。
また、このガラス板サンプル4のテーバー摩耗試験に
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
さらにリアウインドウサンプル4について、AM及びFM
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
実施例5 実施例1で用いたのと同じスパッタ装置にターゲット
としてジルコニウムとホウ化ジルコニウム(ZrB2)をセ
ットした。表面を清浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色
ガラス(日本板硝子株式会社製商品名セーフティーブロ
ンズ)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM
及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用リアウインド
ウガラスを真空槽内の基板ホルダにセットした。プリン
トアンテナは公知の方法により銀を主成分とするペース
トをスクリーン印刷によってガラス面に形成した。真空
ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の圧力とし、そ
の後体積比でアルゴン:酸素:窒素=100:5:160の混合
ガスを真空槽内に導入して0.4Paの圧力とした。ジルコ
ニウムターゲットに50Aのカソード電流を流し、所定時
間スパッタリングをおこなって8nmのジルコニウムと窒
素と酸素とからなる熱線吸収膜を被覆した。次に、混合
ガスの組成をアルゴン:酸素:窒素=10:25:5にして真
空槽内の圧力を0.4Paにした。ホウ化ジルコニウムター
ゲットに15Aのカソード電流を所定時間流し、20nmの厚
みのジルコニウムとホウ素と酸素と窒素とからなる透明
保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得られたガラス板
サンプル5およびリアウインドウサンプル5を装置から
取り出した。サンプル5の光学特性および電気特性を測
定した。その結果を第1表に示す。
としてジルコニウムとホウ化ジルコニウム(ZrB2)をセ
ットした。表面を清浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色
ガラス(日本板硝子株式会社製商品名セーフティーブロ
ンズ)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM
及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用リアウインド
ウガラスを真空槽内の基板ホルダにセットした。プリン
トアンテナは公知の方法により銀を主成分とするペース
トをスクリーン印刷によってガラス面に形成した。真空
ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の圧力とし、そ
の後体積比でアルゴン:酸素:窒素=100:5:160の混合
ガスを真空槽内に導入して0.4Paの圧力とした。ジルコ
ニウムターゲットに50Aのカソード電流を流し、所定時
間スパッタリングをおこなって8nmのジルコニウムと窒
素と酸素とからなる熱線吸収膜を被覆した。次に、混合
ガスの組成をアルゴン:酸素:窒素=10:25:5にして真
空槽内の圧力を0.4Paにした。ホウ化ジルコニウムター
ゲットに15Aのカソード電流を所定時間流し、20nmの厚
みのジルコニウムとホウ素と酸素と窒素とからなる透明
保護膜を熱線吸収膜の上に被覆した。得られたガラス板
サンプル5およびリアウインドウサンプル5を装置から
取り出した。サンプル5の光学特性および電気特性を測
定した。その結果を第1表に示す。
また、このガラス板サンプル5のテーバー摩耗試験に
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
よる熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによる耐
薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価した。そ
の結果を第2表に示す。
さらにリアウインドウサンプル5について、AM及びFM
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結果を
第3表に示す。
比較例1 実施例1で用いたのと同じスパッタ装置にターゲット
としてジルコニウムとホウ化ジルコニウム(ZrB2)をセ
ットした。表面を清浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色
ガラス(日本板硝子株式会社製商品名セーフティーブロ
ンズ)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM
及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用リアウインド
ウガラスを真空槽内の基板ホルダにセットした。プリン
トアンテナは公知の方法により銀を主成分とするペース
トをスクリーン印刷によってガラス面に形成した。真空
ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の圧力とし、そ
の後体積比でアルゴン:窒素=10:16の混合ガスを真空
槽内に導入して0.4Paの圧力とした。ジルコニウムター
ゲットに50Aのカソード電流を流し、所定時間スパッタ
リングをおこなって4nmのジルコニウムと窒素とからな
る熱線吸収膜を被覆した。次に、混合ガスの組成をアル
ゴン:酸素=10:25にして真空槽内の圧力を0.4Paにし
た。ホウ化ジルコニウムターゲットに15Aのカソード電
流を所定時間流し、20nmの厚みのジルコニウムとホウ素
と酸素とからなる透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆し
た。得られたガラス板比較サンプル1およびリアウイン
ドウ比較サンプル1を装置から取り出した。ガラス板比
較サンプル1の光学特性および電気特性を測定した。そ
の結果を第1表に示す。
としてジルコニウムとホウ化ジルコニウム(ZrB2)をセ
ットした。表面を清浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色
ガラス(日本板硝子株式会社製商品名セーフティーブロ
ンズ)からなる、熱線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM
及びFM用のプリントアンテナ付き自動車用リアウインド
ウガラスを真空槽内の基板ホルダにセットした。プリン
トアンテナは公知の方法により銀を主成分とするペース
トをスクリーン印刷によってガラス面に形成した。真空
ポンプで6.65×10-4Pa(パスカル)以下の圧力とし、そ
の後体積比でアルゴン:窒素=10:16の混合ガスを真空
槽内に導入して0.4Paの圧力とした。ジルコニウムター
ゲットに50Aのカソード電流を流し、所定時間スパッタ
リングをおこなって4nmのジルコニウムと窒素とからな
る熱線吸収膜を被覆した。次に、混合ガスの組成をアル
ゴン:酸素=10:25にして真空槽内の圧力を0.4Paにし
た。ホウ化ジルコニウムターゲットに15Aのカソード電
流を所定時間流し、20nmの厚みのジルコニウムとホウ素
と酸素とからなる透明保護膜を熱線吸収膜の上に被覆し
た。得られたガラス板比較サンプル1およびリアウイン
ドウ比較サンプル1を装置から取り出した。ガラス板比
較サンプル1の光学特性および電気特性を測定した。そ
の結果を第1表に示す。
また、このガラス板比較サンプル1のテーバー摩耗試
験による熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによ
る耐薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価し
た。その結果を第2表に示す。
験による熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによ
る耐薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価し
た。その結果を第2表に示す。
さらにリアウインドウ比較サンプル1について、AM及
びFM周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結
果を第3表に示す。
びFM周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結
果を第3表に示す。
比較例2 実施例1で用いたのと同じスパッタ装置にターゲット
としてジルコニウムとタンタルをセットした。表面を清
浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス(日本板硝子
株式会社製商品名セーフティーブロンズ)からなる、熱
線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM及びFM用のプリント
アンテナ付き自動車用リアウインドウガラスを真空槽内
の基板ホルダにセットした。プリントアンテナは公知の
方法により銀を主成分とするペーストをスクリーン印刷
によってガラス面に形成した。真空ポンプで6.65×10-4
Pa(パスカル)以下の圧力とし、その後体積比でアルゴ
ン:窒素=10:21の混合ガスを真空槽内に導入して0.4Pa
の圧力とした。ジルコニウムターゲットに60Aのカソー
ド電流を流し、所定時間スパッタリングをおこなって4n
mのジルコニウムと窒素とからなる熱線吸収膜を被覆し
た。次に、混合ガスの組成を体積比でアルゴン:酸素=
1:4にして真空槽内の圧力を0.4Paにした。タンタルター
ゲットに70Aのカソード電流を所定時間流し、8nmの厚み
の二酸化タンタルからなる透明保護膜を熱線吸収膜の上
に被覆した。得られたガラス板比較サンプル2およびリ
アウインドウ比較サンプル2を装置から取り出した。ガ
ラス板比較サンプル2の光学特性および電気特性を測定
した。その結果を第1表に示す。
としてジルコニウムとタンタルをセットした。表面を清
浄にした3.5mm厚のブロンズ系着色ガラス(日本板硝子
株式会社製商品名セーフティーブロンズ)からなる、熱
線遮蔽膜評価用のガラス板およびAM及びFM用のプリント
アンテナ付き自動車用リアウインドウガラスを真空槽内
の基板ホルダにセットした。プリントアンテナは公知の
方法により銀を主成分とするペーストをスクリーン印刷
によってガラス面に形成した。真空ポンプで6.65×10-4
Pa(パスカル)以下の圧力とし、その後体積比でアルゴ
ン:窒素=10:21の混合ガスを真空槽内に導入して0.4Pa
の圧力とした。ジルコニウムターゲットに60Aのカソー
ド電流を流し、所定時間スパッタリングをおこなって4n
mのジルコニウムと窒素とからなる熱線吸収膜を被覆し
た。次に、混合ガスの組成を体積比でアルゴン:酸素=
1:4にして真空槽内の圧力を0.4Paにした。タンタルター
ゲットに70Aのカソード電流を所定時間流し、8nmの厚み
の二酸化タンタルからなる透明保護膜を熱線吸収膜の上
に被覆した。得られたガラス板比較サンプル2およびリ
アウインドウ比較サンプル2を装置から取り出した。ガ
ラス板比較サンプル2の光学特性および電気特性を測定
した。その結果を第1表に示す。
また、このガラス板比較サンプル2のテーバー摩耗試
験による熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによ
る耐薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価し
た。その結果を第2表に示す。
験による熱線遮蔽膜の耐摩耗性、酸およびアルカリによ
る耐薬品性、煮沸試験による耐久性をそれぞれ評価し
た。その結果を第2表に示す。
さらにリアウインドウ比較サンプル2について、AM及
びFM周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結
果を第3表に示す。
びFM周波数帯での電波のゲインの低下を調べた。その結
果を第3表に示す。
第1表、第2表、第3表から、実施例1〜5で得られ
た本発明の熱線遮蔽ガラスは、外気に直接触れる状態で
使用されるときに重要な耐摩耗性が、比較例よりも改善
されていることがわかる。
た本発明の熱線遮蔽ガラスは、外気に直接触れる状態で
使用されるときに重要な耐摩耗性が、比較例よりも改善
されていることがわかる。
また、本発明の熱線遮蔽ガラスは、自動車の窓ガラス
として必要な可視光線透過率70%以上より大きく、日射
透過率はガラス基板のみの日射透過率よりも低い熱線遮
蔽性が良好なガラスであることがわかる。また、ガラス
基板との色差が小さいことがわかる。
として必要な可視光線透過率70%以上より大きく、日射
透過率はガラス基板のみの日射透過率よりも低い熱線遮
蔽性が良好なガラスであることがわかる。また、ガラス
基板との色差が小さいことがわかる。
さらに、本発明のアンテナ付き熱線遮蔽ガラスは、受
信電波のゲインが比較例のように低下することがない。
信電波のゲインが比較例のように低下することがない。
[発明の効果] 本発明の熱線遮蔽ガラスの被膜はガラス基体との密着
性がよく、かつ、耐久性が優れているので、合わせガラ
スや複層ガラスにする必要がなく、被膜が直接外気に触
れる建築物や自動車などの車両の窓ガラスとして用いる
ことができる。また光学的には、高い可視光線透過率を
有し、反射光および透過光により色調はニュートラルな
色調であるので、とりわけ自動車の窓ガラスに用いる場
合、自動車の色彩上の外観を損なうことがない。また、
可視光線反射率が小さいので、膜に万一傷がついても、
傷が目だつことがない。
性がよく、かつ、耐久性が優れているので、合わせガラ
スや複層ガラスにする必要がなく、被膜が直接外気に触
れる建築物や自動車などの車両の窓ガラスとして用いる
ことができる。また光学的には、高い可視光線透過率を
有し、反射光および透過光により色調はニュートラルな
色調であるので、とりわけ自動車の窓ガラスに用いる場
合、自動車の色彩上の外観を損なうことがない。また、
可視光線反射率が小さいので、膜に万一傷がついても、
傷が目だつことがない。
また本発明の熱線遮蔽ガラスは、第1層の熱線吸収
膜、第2層の透明保護膜とも酸素と窒素とを含む膜であ
るため、ガラス基板と第1層の熱線吸収膜との密着性が
よく、かつ、第1層の熱線吸収膜と第2層の透明保護膜
との密着性が密着性がよいため、熱線遮蔽膜の耐久性が
大きい。
膜、第2層の透明保護膜とも酸素と窒素とを含む膜であ
るため、ガラス基板と第1層の熱線吸収膜との密着性が
よく、かつ、第1層の熱線吸収膜と第2層の透明保護膜
との密着性が密着性がよいため、熱線遮蔽膜の耐久性が
大きい。
また、本発明のアンテナ線条付き熱線遮蔽ガラスは、
受信電波の利得が、熱線遮蔽膜により低下することがな
い。
受信電波の利得が、熱線遮蔽膜により低下することがな
い。
さらに、熱線遮蔽膜を減圧された雰囲気中で被覆する
に際しては、第1層と第2層の膜は、導入する酸素と窒
素のガス組成を変えるだけで連続して被覆することがで
きる。
に際しては、第1層と第2層の膜は、導入する酸素と窒
素のガス組成を変えるだけで連続して被覆することがで
きる。
第1図は、本発明の熱線遮蔽ガラスの一部断面図で、第
2図は本発明のアンテナ線条付き熱線遮蔽ガラスの一実
施例の説明図である。 1……透明ガラス基体、2……熱線吸収膜、3……透明
保護膜、4……アンテナ線条、5……車両用窓ガラス
2図は本発明のアンテナ線条付き熱線遮蔽ガラスの一実
施例の説明図である。 1……透明ガラス基体、2……熱線吸収膜、3……透明
保護膜、4……アンテナ線条、5……車両用窓ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 15/00 - 23/00
Claims (7)
- 【請求項1】透明ガラス基体の上に第1層として、Ti,Z
r,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれた1種と窒素と酸素とか
らなる熱線吸収膜が被覆され、前記第1層の上に第2層
として、Ta,Zr,Snの金属群から選ばれた1種と酸素と窒
素とからなる透明保護膜が被覆された熱線遮蔽ガラス。 - 【請求項2】透明ガラス基体の上に第1層として、Ti,Z
r,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれた1種と窒素と酸素とか
らなる熱線吸収膜が被覆され、前記第1層の上に第2層
として、Ta,Zr,Snの金属群から選ばれた1種とシリコン
と酸素と窒素とからなる透明保護膜が被覆された熱線遮
蔽ガラス。 - 【請求項3】透明ガラス基体の上に第1層として、Ti,Z
r,Hf,Cr,Taの金属群から選ばれた1種と窒素と酸素とか
らなる熱線吸収膜が被覆され、前記第1層の上に第2層
として、Ta,Zr,Snの金属群から選ばれた1種とホウ素と
酸素と窒素とからなる透明保護膜が被覆された熱線遮蔽
ガラス。 - 【請求項4】前記第1層の厚みが2〜20nm、前記第2層
の厚みが5〜50nmとしたことを特徴とする特許請求の範
囲第1項ないし第3項のいずれかの項に記載の熱線遮蔽
ガラス。 - 【請求項5】可視光線透過率が70%以上になるように、
前記第1層および前記第2層の厚みが調整されたことを
特徴とする特許請求範囲第1項ないし第4項のいずれか
の項に記載の熱線遮蔽ガラス。 - 【請求項6】前記熱線吸収膜の電気抵抗が100kΩ/平方
以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項ない
し第5項のいずれかの項に記載の熱線遮蔽ガラス。 - 【請求項7】前記透明ガラス基体と前記熱線吸収膜との
間にアンテナ線条が設けられた特許請求範囲第6項記載
の熱線遮蔽ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2147123A JP2811917B2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | 熱線遮蔽ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2147123A JP2811917B2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | 熱線遮蔽ガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0442837A JPH0442837A (ja) | 1992-02-13 |
JP2811917B2 true JP2811917B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=15423064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2147123A Expired - Lifetime JP2811917B2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | 熱線遮蔽ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2811917B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4682473B2 (ja) * | 2000-07-21 | 2011-05-11 | 旭硝子株式会社 | 酸窒化スズ膜付き基体とその製造方法 |
DE102009008141A1 (de) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Saint-Gobain Sekurit Deutschland Gmbh & Co. Kg | Transparenter Glaskörper, Verfahren zu dessen Herstellung und dessen Verwendung |
JP5830033B2 (ja) * | 2010-12-28 | 2015-12-09 | 日本板硝子株式会社 | パターン付きガラス基板及びその製造方法 |
-
1990
- 1990-06-05 JP JP2147123A patent/JP2811917B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0442837A (ja) | 1992-02-13 |
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