JPH05238222A - 車両用サスペンション制御装置 - Google Patents

車両用サスペンション制御装置

Info

Publication number
JPH05238222A
JPH05238222A JP4394192A JP4394192A JPH05238222A JP H05238222 A JPH05238222 A JP H05238222A JP 4394192 A JP4394192 A JP 4394192A JP 4394192 A JP4394192 A JP 4394192A JP H05238222 A JPH05238222 A JP H05238222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
control
air
exhaust
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4394192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2707509B2 (ja
Inventor
Mitsuhiko Harayoshi
光彦 原良
Tadao Tanaka
忠夫 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP4043941A priority Critical patent/JP2707509B2/ja
Publication of JPH05238222A publication Critical patent/JPH05238222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2707509B2 publication Critical patent/JP2707509B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低μ路でのロ−ル制御時には減衰力を低くし
て、タイヤのグリップ性を確保してアンダステア助長を
抑制すること。 【構成】 車体にロ−ルが発生する要因を検出するロ−
ル検出手段と、ロ−ル剛性可変のサスペンションユニッ
トと、ロ−ル検出手段の検出出力に応じた設定値に上記
サスペンションユニットのロ−ル剛性を制御するコント
ロ−ルユニット36とを備えた車両用サスペンション制
御装置において、路面とタイヤ間の摩擦係数を検出する
路面μ推定部55とを有し、コントロ−ルユニット36
は路面μ推定部55で検出される摩擦係数が所定値より
低いときは所定値以上のときに比べてロ−ル検出手段の
検出出力に応じたロ−ル剛性設定値を低下させるように
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は旋回時の車体のロ−ルを
抑制する車両用サスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋回時に外輪側のサスペンションユニッ
トの空気ばね室に空気をハンドル角、ハンドル角速度、
車速に応じた設定量だけ供給し、内輪側から設定量だけ
空気を排出すると共に減衰力を硬くするように制御し
て、旋回時のロ−ルを抑制するようにした車両用サスペ
ンション装置が実開昭64−62108号公報等で広く
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような車両用サス
ペンション装置を搭載した車両を路面摩擦係数が高い高
μ路で旋回走行させた場合には旋回時に車体に発生する
ロ−ルを効果的に抑制することができる。
【0004】しかし、上記装置を搭載した車両を路面摩
擦係数が低い低μ路で旋回走行させた場合には、減衰力
を硬くすることによりタイヤの路面追従性が悪くなって
いるため、アンダステアを助長するという問題点があっ
た。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は低μ路でのロ−ル制御時には減衰力を低
くして、タイヤのグリップ性を確保してアンダステア助
長を抑制するようにした車両用サスペンション制御装置
を提供することにある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明に係わる車両用
サスペンション制御装置は、車体にロ−ルが発生する要
因を検出するロ−ル検出手段と、ロ−ル剛性可変のサス
ペンションユニットと、上記ロ−ル検出手段の検出出力
に応じた設定値に上記サスペンションユニットのロ−ル
剛性を制御する制御手段とを備えた車両用サスペンショ
ン制御装置において、路面とタイヤ間の摩擦係数を検出
する摩擦係数検出手段とを有し、
【0007】上記制御手段は上記摩擦係数検出手段で検
出される摩擦係数が所定値より低いときは所定値以上の
ときに比べて上記ロ−ル検出手段の検出出力に応じたロ
−ル剛性設定値を低下させるように構成されている。
【0008】
【作用】摩擦係数検出手段で検出される摩擦係数が所定
値より低いときは所定値以上のときに比べてロ−ル検出
手段の検出出力に応じたロ−ル剛性設定値を低下させる
ようにしている。
【0009】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例につい
て説明する。図1において、FS1は左前輪側のサスペ
ンションユニット、FS2は右前輪側のサスペンション
ユニット、RS1は左後輪側のサスペンションユニッ
ト、RS2は右後輪側のサスペンションユニットであ
る。これら各サスペンションユニットFS1,FS2,
RS1,RS2は夫々互いに同様の構造を有しているの
で、前輪用と後輪用または左輪用と右輪用とを区別して
説明する場合を除いて、サスペンションユニットは符号
Sを用いて説明する。
【0010】サスペンションユニットSはショックアブ
ソーバ1を備えている。このショックアブソーバ1は車
輪側に取付けられたシリンダと、同シリンダ内に揺動自
在に嵌装されたピストンを有するとともに上端を車体側
に支持されたピストンロッド2とを備えている。また、
サスペンションユニットSは、このショックアブソーバ
1の上部に、ピストンロッド2と同軸的に、車高調整の
機能を有する空気ばね室3を備えている。この空気ばね
室3はその一部をベローズ4により形成されており、ピ
ストンロッド2内に設けられた通路2aを介してこの空
気ばね室3へ空気を給排することにより、車高を上昇ま
たは下降させることができる。
【0011】また、ピストンロッド2の中には下端に減
衰力を調節するための弁5aを備えたコントロールロッ
ド5が配設されている。同コントロールロッド5はピス
トンロッド2の上端に取付けられたアクチュエータ6に
より回動されて弁5aを駆動する。この弁5aの回動に
よりサスペンションユニットの減衰力はハード(堅
い)、ミディアム(中間)、ソフト(柔らかい)の3段
階に設定される。
【0012】コンプレッサ11はエアクリーナ12から
取り入れた大気を圧縮して、ドライヤ13及びチェック
バルブ14を介して高圧リザーブタンク15aに送給す
る。つまり、コンプレッサ11は、エアクリーナ12か
ら取入れた大気を圧縮してドライヤ13へ供給するの
で、同ドライヤ13内のシリカゲル等によって乾燥され
た圧縮空気が高圧リザーブタンク15aに溜められるこ
とになる。コンプレッサ16は、その吸い込み口を低圧
リザーブタンク15bに吐出口を高圧リザーブタンク1
5aに夫々接続されている。18は、低圧リザーブタン
ク15b内に圧力が第1の設定値(例えば、大気圧)以
上になるとオンする圧力スイッチである。そして、コン
プレッサ16は同圧力スイッチ18のオン信号を出力す
ると、後述するコントロールユニット36からの信号に
よりオンするコンプレッサリレー17により駆動され
る。これにより低圧リザーブタンク15b内の圧力は常
に上記第1の設定値以下に保たれる。
【0013】そして、この高圧リザーブタンク15aか
ら各サスペンションユニットSへの給気は図1の実線矢
印で示すように行われる。すなわち、高圧リザーブタン
ク15a内の圧縮空気は給気流量制御バルブ19、フロ
ント用給気ソレノイドバルブ20、チェックバルブ2
1、フロント左用ソレノイドバルブ22、フロント右用
ソレノイドバルブ23を介してサスペンションユニット
FS1,FS2に送給される。また、同様に高圧リザー
ブタンク15a内の圧縮空気は給気流量制御バルブ1
9、リヤ用給気ソレノイドバルブ24、チェックバルブ
25、リヤ左用のソレノイドバルブ26、リヤ右用のソ
レノイドバルブ27を介してサスペンションユニットR
S1,RS2に送給される。
【0014】一方、各サスペンションユニットSからの
排気は図1の破線矢印で示すように行われる。つまり、
サスペンションユニットFS1,FS2内の圧縮空気
は、ソレノイドバルブ22,23、三方向弁から成る排
気方向切換えバルブ28を介して低圧リザーブタンク1
5b内に送給される場合と、ソレノイドバルブ22,2
3、排気方向切換えバルブ28、チェックバルブ29、
ドライヤ13、排気ソレノイドバルブ31、チェックバ
ルブ46及びエアクリーナ12を介して大気に排出され
る場合とがある。同様に、サスペンションユニットRS
1,RS2内の圧縮空気は、ソレノイドバルブ26,2
7、排気方向切換えバルブ32を介して低圧リザーブタ
ンク15b内に送給される場合と、ソレノイドバルブ2
6,27、排気方向切換えバルブ32、チェックバルブ
33、ドライヤ13、排気ソレノイドバルブ31、チェ
ックバルブ46及びエアクリーナ12を介して大気に排
出される場合とがある。なお、チェックバルブ29,3
3とドライヤ13との間には排気方向切換えバルブ2
8,32と低圧リザーブタンク15bとを直接連通する
通路と比して小径絞りLが介装された通路が設けられて
いる。
【0015】なお、上述したソレノイドバルブ22,2
3,26,27,28及び32は、図5(A)及び
(B)に示すように、ON(通電状態)で矢印Aのよう
な空気の流通を、OFF(非通電)で矢印Bのような空
気の流通を夫々許容する。また、給気ソレノイドバルブ
20,24及び排気ソレノイドバルブ31は図6(A)
及び(B)に示すように、ON(通電状態)で矢印Cの
ような空気の流通を許容し、OFF(非通電状態)で空
気の流通を禁止する。また、給気流量制御バルブ19は
オフ状態(非通電)では図7(A)に示すようにオリフ
ィスoを介して空気が流通するため、空気流量は少な
く、オン状態(通電)では図7(B)に示すようにオリ
フィスo及び大径路Dを介して空気が流通するため、空
気流量は多くなる。
【0016】34Fは車両の前部右側サスペンションの
ロアアーム35と車体との間に取付けられ前部車高を検
出する前部車高センサ、34Rは車両の後部左側サスペ
ンションのラテラルロッド37と車体との間に取付けら
れ後部車高を検出する後部車高センサである。両車高セ
ンサ34F及び34Rで夫々検出された信号は、入力回
路、出力回路、メモリ及びマイクロコンピュータを備え
たコントロールユニット36へ供給される。
【0017】38は、スピードメータに内蔵された車速
センサであり、検出した車速信号をコントロールユニッ
ト36へ供給する。39は、車体に作用する加速度を検
出する加速度センサであり、検出した加速度信号をコン
トロールユニット36へ供給する。30はロール制御モ
ードをソフト(SOFT)、オート(AUTO)、スポーツ(SP
ORTS)に選択するロール制御モード選択スイッチ、40
はステアリングホイール41の回転速度、すなわち、操
舵角速度を検出する操舵センサである。42は図示しな
いエンジンのアクセルペタルの踏み込み角を検出するア
クセル開度センサである。これらロール制御選択スイッ
チ30、センサ40及び42の検出した信号はコントロ
ールユニット36に供給される。43はコンプレッサ1
1を駆動するためのコンプレッサリレーであり、このコ
ンプレッサリレー43はコントロールユニット36から
の制御信号により制御される。44は、高圧リザーブタ
ンク15a内の圧力が第2の設定値(例えば、7kg/cm
2 )以下になるとオンする圧力スイッチであり、この圧
力スイッチ44の信号はコントロールユニット36に供
給される。そして、コントロールユニット36は、高圧
リザーブタンク15a内の圧力が第2の設定値以下にな
り、圧力スイッチ44がオンであっても圧力スイッチ1
8がオン、つまりコンプレッサ16が駆動しているとき
は、コンプレッサ11の駆動を禁止するように構成され
ている。45はソレノイドバルブ26,27を互いに連
通する通路に設けられた圧力センサであり、リヤ側のサ
スペンションユニットRS1,RS2の内圧を検出す
る。
【0018】なお、上述の各ソレノイドバルブ19,2
0,22,23,24,26,27,28,31及び3
2の制御はコントロールユニット36からの制御信号に
より行われる。
【0019】ところで、ステアリングホイ−ル41の回
転はステアリングシャフト51を介して前輪を操舵する
前輪操舵アクチュエ−タとしてのパワ−ステアリング装
置52に伝達される。このパワ−ステアリング装置52
には前輪操舵アクチュエ−タの左右の圧力室の圧力PL
,PR を検出するための圧力センサ53,54がそれ
ぞれ設けられている。これら圧力センサ53,54から
のセンサ信号により、両圧力室間の差圧をパワステ圧と
して求めるようにしている。
【0020】そして、前述した圧力センサ53,54で
検出された左右の圧力室の圧力PL,PR は路面μを推
定する路面μ推定部55に出力される。この路面μ推定
部55には上述した車速センサ38で検出された車速V
及びステアリングホイ−ル41の操舵角、つまりハンド
ル角を検出するハンドル角センサ(図示しない)からの
ハンドル角θH が入力されている。
【0021】以下、図2を参照して路面μ推定部55の
詳細な構成について説明する。図2において、圧力セン
サ53,54で検出された左右の圧力室の圧力PL ,P
R は減算部60に送られ、パワステ圧ΔP(=PR −P
L )が演算される。このパワステ圧ΔPは位相補償フィ
ルタ61を介して路面μ演算部62に供給される。
【0022】ここで、位相補償フィルタ61は、ノイズ
を除去するとともに、ステアリングホイ−ル41の操舵
過渡期でのハンドル角θH に対するパワステ圧ΔPの位
相進みを補償するためのフィルタである。つまり、ステ
アリングホイ−ル41の切り込み時、ハンドル角θH に
対してパワステ圧ΔPは早めに大きく立ち上がり、これ
に対して、切り戻し時にあっては、ハンドル角θH に対
しパワステ圧ΔPは早めに立ち下がることになるが、し
かしながら、位相補償フィルタ61にて、パワステ圧Δ
Pにフィルタ処理を施すことにより、ハンドル角θH と
パワステ圧ΔPとの間での位相のずれを除去することが
できる。
【0023】そして、路面μ演算部62では、パワステ
圧ΔP、ハンドル角θH 及び車速Vから路面μを検出即
ち算出することになるが、以下に、その算出の原理を図
3を参照して説明する。
【0024】右前輪1Rが操舵されたとき、右前輪1Rの進
行方向Rに対する右前輪1Rの傾き角、即ち、横滑り角を
βfとすれば、コ−ナリングフォ−スCFは、数1で表す
ことができる。
【0025】
【数1】
【0026】ここで、横滑り角βfに対するコ−ナリン
グフォ−スCFは、図4に示されるように、路面の状況に
よって大きく異なるものであり、その路面μが高い程、
横滑り角βfの増加に伴って大きな値となる。尚、図3
中、Lは、車体の長手方向に沿うラインを示し、δf
は、前輪操舵角を示している。
【0027】コ−ナリングフォ−スCFとパワステ圧ΔP
とは、図3から明らかなように力学的な関係からほぼ比
例関係にあることから、上式をパワステ圧ΔPで書き直
せば、次式が得られる。 ΔP=C1・βf・μ …(1) ここで、C1は定数である。一方、横滑り角βfに関し
ては、車速V、ハンドル角θH 及び路面μから次式で表
すことができる。 βf=C3・V2 ・θH /(μ+C2・V2 ) …(2) ここで、C2,C3は夫々定数である。(1)式及び
(2)式から、パワステ圧ΔPとハンドル角θH との
比、即ち、ΔP/θH は、次式で表すことができる。 ΔP/θH =μ・C1・C3・V2 /(μ+C2・V2 ) …(3)
【0028】従って、路面μ推定部55に供給されたパ
ワステ圧ΔP、ハンドル角θH 及び車速Vを上記の
(3)式に代入することにより、路面μを算出すること
ができる。
【0029】路面μ推定部55で算出された路面μは、
次ぎにμ変動制御部63及び安定化フィルタ64を経て
出力されることになる。ここで、μ変動制限部63は、
路面μの変化率が所定の範囲内にあるとき、次の安定化
フィルタ64に路面μを出力し、そして、安定化フィル
タ64は、路面μの値を安定化させるためのフィルタで
ある。そして、路面μ推定部55は路面μ値として、R
MU値を上述したコントロ−ルユニット36に出力す
る。
【0030】次に、上記のように構成された本発明の一
実施例の動作について説明する。図14はコントロール
ユニット36で行われる一連のロール制御を概略的に示
すフローチャートである。まず、悪路判定手段としての
悪路判定ルーチン(ステップA1)において、いわゆる
悪路判定処理が行われる。つまり、この悪路判定ルーチ
ンではフロント車高センサ34Fの出力変化がMHz以上
(2秒間にN回以上)のときには、悪路判定として、こ
の時のGセンサ39の不感帯を広げて、ロール制御の誤
操作を少なくしている。そして、ロール制御手段として
のロール制御ルーチン(ステップA2)において、ロー
ル制御、つまり縮み側のサスペンションユニットに給気
され、伸び側のサスペンションユニットからは排気され
て、旋回時の車体のロールを防止している。また、この
ロール制御時の給排気時間は給排気時間補正手段として
の給排気補正ルーチン(ステップA3)において補正さ
れて、4輪独立の給排気時間が補正されて求められる。
さらに、減衰力切換手段としての減衰力切換ルーチン
(ステップA4)において、各サスペンションユニット
の減衰力がハード(堅い)、ミデイアム(中間)、ソフ
ト(柔らかい)のうちのいずれか最適なものに設定され
る。
【0031】次に、図15〜図19のフローチャートを
参照してロール制御ルーチン(ステップA2)の詳細な
動作について説明する。まず、車速センサ38で検出さ
れる車速V、Gセンサ39から出力される左右方向の加
速度G及びその微分値数2、操舵センサ40で検出され
るハンドル角速度数3がコントロールユニット36に読
み込まれる(ステップC1〜C3)。そして、ハンドル
角速度数4が 30deg/sec より大きいか判定される(ス
テップC4)。つまり、ハンドルが操舵されたか判定さ
れる。上記ステップC4において、「YES」と判定さ
れると「G×数5」は正か判定される(ステップC
5)。つまり、左右方向の加速度Gとハンドル角速度数
6は同一方向であるか判定されるもので、「正」と判定
された場合には切込み側、「負」と判定された場合には
切返し側にハンドルが操舵されていることを意味してい
る。上記ステップC5で「YES」と判定された場合に
は、ユーザの好みに応じて選択される図8ないし図10
のV−数7マップのいずれかのマップが参照されて、車
速及びハンドル角速度に応じた制御レベルTCHが求めら
れる(ステップC6)。このステップC6においては、
ロール制御選択スイッチ30により、ロール制御モード
としてソフトモードが選択されている場合には図8のマ
ップが、ロール制御モードとしてオートモードが選択さ
れている場合には図9のマップが、ロール制御モードと
してスポーツモードが選択されている場合には図10マ
ップが選択される。そして、各マップの制御レベルTCH
に対応して図12に示すような給排気時間及び減衰力が
選択される。なお、図8〜図10及び図12に示される
ハンドル角速度数8、車速V、制御レベル、モード、給
排気時間及び減衰力の関係はコントロールユニット36
内のメモリに記憶されている。
【0032】
【数2】
【0033】
【数3】
【0034】
【数4】
【0035】
【数5】
【0036】
【数6】
【0037】
【数7】
【0038】
【数8】
【0039】そして、図20及び図21を用いて詳細を
後述する給排気補正ルーチンにより前後輪独立の給排気
時間TCS,TCEが補正されて算出される(ステップC
7)。次に、制御フラグがセット中か歪か判定される
(ステップC8)。まだ、ロール制御は開始されていな
いので、「NO」と判定されてステップC9に進む。こ
のステップC9において、給排気フラグSEFがセット
されているか判定される。上記した給排気補正ルーチン
(ステップC7)において給排気フラグSEFがセット
されている場合には、制御フラグがセットされ、給排気
タイマT=0とされる(ステップC10,C11)。そ
して、ステップC12に進んで差圧保持中、つまり後述
する差圧保持フラグがセットされているか否か判定され
る。差圧がある場合にはフロント及びリヤの排気方向切
換えバルブ28,32がオフされて、フロントあるいは
リヤから排出される空気を低圧リザーブタンク15bに
排出させるようにしている。これは差圧保持中の状態に
おいては排気方向切換バルブ28,32がオンであるの
で、追加の給排気制御を行うためにはこれら排気方向切
換バルブ28,32をオフにする必要があるからであ
る。次に、上記ステップC7の給排気補正ルーチンにお
いて、給気係数KS =3がセットされているか判定され
(ステップC14)、セットされていない場合(つま
り、KS =1)には給気流量制御バルブ19がオンされ
て、大径路D(図7)が開き給気流量を増大させている
(ステップS15)。つまり、KS =1は図20で示す
ように、車速−ハンドル角速度マップから制御レベルT
CHが求められている場合であるため、迅速なロール制御
を行なうために空気流量を大きくするためである。
【0040】次に、フロント及びリヤ給気バルブ20,
24がオンされる(ステップC16)。そして、左右方
向の加速度Gの向きがコントロールユニット36で判定
される(ステップC17)。つまり、左右方向の加速度
Gの方向が正か負か判定される。ここで、加速度Gが正
である場合には、加速度Gは進行方向に向かって右側、
つまり左旋回であると判定される。一方、加速度Gが負
である場合には加速度Gは進行方向に向かって左側、つ
まり右旋回であると判定される。従って、加速度Gが右
(左旋回)であると判定されると、フロント及びリヤ左
ソレノイドバルブ22及び26がオンされる(ステップ
C18)。これにより、左側のサスペンションユニット
の各空気ばね室3内の空気は夫々オン状態にあるバルブ
22,26を介して低圧リザーブタンク15b内に排出
されると共に、右側のサスペンションユニットの各空気
ばね室3内へは夫々オン状態にある給気バルブ20,2
4及びオフ状態にあるバルブ23,27を介して高圧リ
ザーブタンク15aから空気が供給される。 一方、加
速度Gが左側(右旋回)であると判定されると、フロン
ト及びリヤ右ソレノイドバルブ23,27がオンされる
(ステップC19)。これにより右側のサスペンション
ユニットの各空気ばね室3内の空気は夫々オン状態にあ
るバルブ23,27を介して低圧リザーブタンク15b
内に排出されると共に、左側のサスペンションユニット
の各空気ばね室3内へは夫々オン状態にある給気バルブ
20,24及びオフ状態にあるバルブ22,26を介し
て高圧リザーブタンク15aから空気が供給される。
【0041】次に、ゆり戻しフラグがリセットされ、上
述した差圧保持フラグがセットされ、デューティタイマ
TD 、デューティカウンタTn、デューティタイムカウ
タTmnがゼロに設定される(ステップC20〜24)。
以下、上記ステップC1の処理に戻る。そして、ステッ
プC1〜C7の処理を経てステップC8の処理に移る。
このときは制御フラグがセット中であるため、ステップ
C8で「YES」と判定されてステップC25に進む。
そして、このステップC25でタイマTがインターバル
時間INTを加算されて更新される。そして、タイマT
の計数値が給気時間TCS以上あるいはタイマTの計数値
が排気時間TCE以上になるまでは、左右Gの方向に応じ
て左右のサスペンションユニットの各空気ばね室の給気
及び排気を行うロール制御が継続して行われる。ところ
で、タイマTの計数値が排気時間TCS以上になるとステ
ップC26で「YES」と判定されて、流量制御バルブ
19がオフされ、給気ソレノイドバルブ20,24がオ
フされて、給気動作が停止される(ステップC27,C
28)。これにより、給気された側の空気ばね室3は給
気時間TCSだけ給気された高圧状態に保持される。ま
た、タイマTの計数値が排気時間TCE以上になるとステ
ップC29で「YES」と判定されて、排気方向切換え
バルブ28,32がオンされ、排気動作が停止される
(ステップC30)。これにより、排気された側の空気
ばね室3は排気時間TCEだけ排気された低圧状態に保持
される。そして、左右方向の加速度Gの方向がメモリM
gに記憶され、「タイマT≧TCS」である場合には制御
リセットされてロール制御が停止されて、その状態が保
持される(ステップC32,33)。このようにして、
旋回走行時に車体に発生するロールが抑制される。
【0042】以上の処理はハンドルが急激に燥舵された
場合について述べたが、「数9≦30deg/sec 」の場合で
も「G×数10」が正である場合には(ステップC3
4)、図11のGセンサマップが参照されて制御レベル
TCGが求められ、以下TCHを求めた場合と同様の処理が
行われて、ロール制御が行われる。図11においてV1
は30km/h、V2 は 130km/hに設定されている。この
制御レベルTCGに対応する給排気時間及び減衰力は図1
3から求められる。やはり、図11及び図13に示され
る左右G、車速V、制御レベル、モード、給排気時間及
び減衰力の関係は、コントロールユニット36内のメモ
リに記憶されている。この図11及び図13から明らか
なように、やはりこのGセンサマップから最終的に求め
られる給排気時間は制御スイッチ30により選択された
モードに応じて異なるものである。なお、図13にソフ
トモードの記載がないが、これはソフトモードが選択さ
れた場合、Gセンサマップにおいては制御レベルが常に
ゼロであることを意味する。
【0043】
【数9】
【0044】
【数10】
【0045】なお、後で給排気時間補正ルーチンC7の
説明において詳述するが、本装置においては前輪側の給
気時間と後輪側の給排気時間とが互いに異なるように設
定されている。それ故、給排気時間のカウント及びそれ
に基づき給排気時間は前輪側と後輪側とで独立して行わ
れる。
【0046】ところで、「G×数11」が負の場合、つ
まりハンドルが戻し側にある場合には図9のマップが参
照されて戻し側の車速−ハンドル角速度マップが参照さ
れて(ステップC36)、しきい値数12が求められ、
戻し側のハンドル角速度数13≧数14であるかが判定
される(ステップC37)。このステップC37で「Y
ES」と判定された場合には左右方向の加速度Gの時間
的変化数15が 0.6g/sec以上であるか判定される(ス
テップC38)。ここで、上記ステップC37及びC3
8で「YES」と判定された場合、つまり旋回走行から
直進走行に移行する際にハンドルを急激にその中立位置
に向けて戻しかつ加速度Gの時間的変化Gが大きい場合
には、単体がその中立状態を通り過ぎて反対側へロール
する所謂揺り戻しが発生してしまうので、これを防止す
るためにステップC39以降の処理を行う。
【0047】
【数11】
【0048】
【数12】
【0049】
【数13】
【0050】
【数14】
【0051】
【数15】
【0052】ステップC39ではゆり戻しフラグがセッ
トされているか判定される。ここで、初めてこのステッ
プS39に来た場合にはゆり戻しフラグはセットされて
いないので、「NO」と判定されてゆり戻しフラグがセ
ットされ、ゆり戻しタイマTY が「0」にセットされる
(ステップC40,C41)。そして、メモリMgに記
憶された加速度Gが左(右旋回)であると判定される
と、フロント及びリヤ右のソレノイドバルブ23,27
がオフされ、加速度Gが右(左旋回)であると判定され
ると、フロント及びリヤ左のソレノイドバルブ22,2
6がオフされて、左右のサスペンションユニットの空気
ばね室3が互いに連通される(ステップC42〜C4
4)。これにより、左右のサスペンションユニットの各
空気ばね室3間の連通時期が早められるので、ロール制
御により生じていた左右の空気ばね室3間の差圧が上記
車体の揺り戻しを増長することが防止される。また、フ
ロント及びリヤ給気バルブ20,24がオフされ、排気
方向切換えバルブ28,32がオフされ、差圧保持フラ
グがリセットされると共に、制御レベルCL=0とさ
れ、制御フラグもリセットされて、上記ステップC1の
処理に戻る(ステップC45〜C49)。そして、上記
ステップC37及びC38で「YES」と判定されて、
ステップC39に進んだ場合には、すでにゆり戻しフラ
グがセットされているので、ステップC50以降のゆり
戻しルーチンへ進む。
【0053】つまり、タイマTY の計数値が歩進され、
タイマTY の計数値が0.25秒以上であるか判定される
(ステップC50,C51)。このステップC51にお
いて、「NO」と判定された場合には上記ステップC1
の処理に戻り、以降の処理を経てタイマTY が歩進され
てタイマTY の計数値が0.25秒以上になると再度タイマ
TY の計数値が2.25秒以上であるか判定される(ステッ
プC52)。従って、タイマTY の計数値が0.25秒以上
で2.25より小さい場合には、上記ステップC52で、
「NO」と判定されてステップ53以降の処理に進む。
このステップC53の判定で、左右方向の加速度Gか判
定されて、メモリMgの向きが右であると判定される
と、フロント及びリヤ左のソレノイドバルブ22,26
がオンされ、左右方向の加速度Gが左であると判定され
ると、フロント及びリヤ右のソレノイドバルブ23,2
7がオンされる。さらに、排気方向切換えバルブ28,
32がオンされる(ステップC53〜C56)。このス
テップC54の処理によりフロント及びリヤのサスペン
ションユニットのばね定数を大きくすることができる。
このようにして、ハンドル角速度数16が図9の閾値以
上で、戻り側の左右方向の加速度Gの時間的変化数17
が 0.6g/sec 以上になった場合には直ちに左右の空気
ばね室3を相互に連通させ、これによりロール制御によ
り生じていた左右の空気ばね室3間の差圧が上記車体の
揺り戻しを増長することが防止される。更にその0.25秒
後に2秒間だけ左右の連通を閉じ、これにより車体その
中立状態に戻った頃に各空気ばね室3のばね定数が大き
くなって反対側への車体のロールが低減される。そして
2.25秒経ると、上記ステップC52において「YES」
と判定されてゆり戻しフラグがリセットされて、ゆり戻
し処理が終了される。(ステップC57)。以下、上記
ステップC42以降の処理が行われ、その後に上記ステ
ップC1以降の処理が行われる。
【0054】
【数16】
【0055】
【数17】
【0056】ところで、上記ステップC37あるいはC
38で「NO」と判定された場合、つまり旋回走行から
直進走行に移行する際にハンドルをゆっくりと戻した場
合または加速度Gの時間的変化数18が小さい場合に
は、上述した揺り戻しに関する制御では適わないので、
以下述べる制御を行う。すなわち、先ずゆり戻しフラグ
がセットされているか判定され(ステップC58)、セ
ットされている場合には、上記ステップC50以降の処
理に進む。これは、実際には揺り戻しに関する制御の過
程において該当し得る。
【0057】
【数18】
【0058】一方、上述の旋回走行から直進走行にゆっ
くりと移行する際には揺り戻しフラグがセットされるこ
とがないので、ステップC58で「NO」と判定され、
次いで左右方向の加速度Gが不感帯レベルにあるか、つ
まり「G≦G0 」であるか判定され(ステップC5
9)、不感帯レベルである場合には、差圧保持中である
か判定され(ステップC60)、差圧保持中であれば、
ステップC61以降の処理に進んで、左右の空気ばね室
3間の差圧をデューティ制御により徐々に解除する処理
に移る。
【0059】以下、ステップC61以降で行われるデュ
ーティ制御ルーチンの処理について説明する。まず、デ
ューティ制御回数Tnが3以上であるか判定される(ス
テップC61)。そして、デューティタイマTdがTmn
以上であるか否か判定される(ステップC62)。ここ
で、最初はTD 、Tmnが共に「0」であるため、「YE
S」と判定される。しかし同ステップC62で「NO」
である場合にはデューティタイマTdが歩進され(ステ
ップC63)、ショックアブソーバ1の減衰力を一段ハ
ードにする処理がステップC64〜67により行われ
る。なお、図示しないが、ステップC63とC64との
間には左右の空気ばね室3間の差圧を解除する1回の制
御においてステップC66またはC67によりショック
アブソーバ1の減衰力を設定した後はステップC63の
処理を終えるとリターンさせるステップが設けられてい
る。
【0060】ところで、上記ステップC62の判定で
「YES」と判定される、つまりデューティタイマTd
がTmnとなるとステップC68以降の処理に進んで、左
右の空気ばね室3間を断続的に連通する処理が開始され
る。まず、上記ステップC31で記憶された左右方向の
加速度Gの向きMgが判定される(ステップC68)。
この左右方向の加速度Gの向きが左側である場合には、
ステップC69でフロント及びリヤ右ソレノイドバルブ
23,27がオフされているか否か判定される。最初
は、これらバルブ23,27はオンしている(つまり、
差圧状態にある)のでステップC71でオフされる。こ
れにより左右の空気ばね室3が相互に連通されて左側の
空気ばね室3内の空気が右側の空気ばね室3に向けて流
入する。更にステップC72,C73でデューティカウ
ンタTnが歩進され、デューティタイマTmnに「Tmn+
Tm 」(Tnは 0.1 秒程度の定数)がセットされて上
記ステップC1の処理に戻る。そして、Tm秒後にステ
ップC62で「YES」、C68で「左」と判定されて
C69に至る。ステップC69では右側のソレノイドバ
ルブ23,27が既にオフされているので「YES」と
判定され、ステップC70に進んでソレノイドバルブ2
3,27がオンされる。次いでステップC73に進んで
デューティタイマTmnに「Tmn+Tm 」がセットされ
る。このようにして、ソレノイドバルブ23,27をT
m秒間開く処理が3回行われると、つまり左右の空気ば
ね室3間の連通が3回実行されるとステップC61で
「YES」と判定される。そして、ステップC74,C
75,C76,C82でフロント及びリヤ排気方向切換
えバルブ28,32がオフされ、差圧保持フラグがリセ
ットされ、制御レベルCL=0とされて、一連デューテ
ィ制御が終了される。
【0061】ところで、上記ステップC68の判定で、
「右側」であると判定されるとステップC69〜C71
と同様の処理が左側のソレノイドバルブ22,26に対
して行われる。この処理も3回行われると、上記ステッ
プC74の処理に進んで、一連の処理が終了される。
【0062】以上のように、旋回走行から直進走行に移
行する際にハンドルをゆっくりと戻した場合または加速
度Gの時間的変化Gが小さい場合には、上記一連のデュ
ーティ制御により左右の空気ばね室3間の差圧が徐々に
解消されていくので、各空気ばね室3内が極めて滑らか
に制御前の状態に戻ることができる。
【0063】次に、図20及び図21を参照して上記し
たステップA3の給排気補正ルーチンについて詳細に説
明する。まず、路面μ推定部55から入力されるRMU
値(路面μ値)を読み込む(ステップD1)。そして、
圧力センサ45から信号によりリヤ側のサスペンション
ユニットRS1,RS2の内圧が検出される(ステップ
D2)。次に、図11のGセンサマップから求められた
制御レベルTCGあるいは図8〜図10のハンドル角速度
−車速マップの1つから求められた制御レベルTCHと制
御レベルCLとが比較され(ステップD3,D4)、制
御レベルCLより大きい制御レベルTCGあるいはTCHが
求められた場合には、それが制御レベルCLに記憶され
る(ステップD8,D17)。なお、制御レベルレジス
タCLは初期値として「0」が設定されている。
【0064】一方、上記制御レベルTCGあるいはTCHの
いずれもが制御レベルCLよりも小さいと判定された場
合には、給排気フラグSEFがリセットされ、減衰力切
換位置がリセットされ、制御レベルTCG及びTCHに不感
帯レベル「1」がセットされる(ステップD5〜D
7)。
【0065】ところで、上記ステップD8において制御
レベルCLに制御レベルTCGが設定された後、「TCH≦
1」である場合(つまり、車体に作用する横加速度が小
さい場合)には給気係数Ksに「3」が設定される(ス
テップD10)。
【0066】一方、「TCH>1」である場合(つまり、
車体に作用する横加速度が小さい場合)で、ステップD
17aの判定で「RMU≧0.4」と判定された場合に
は給気係数Ksに「1」が設定される(ステップD1
1)。また、上記ステップD17において制御レベルC
Lに制御レベルTCHが設定された場合で、ステップD1
7aの判定で「RMU≧0.4」と判定された場合には
給気係数Ksに「1」が設定される(ステップD1
1)、ステップD17aの判定で「RMU<0.4」と
判定された場合には給気係数Ksに「3」が設定される
(ステップD17b)。
【0067】このように、「RMU<0.4」である低
μ路でのロ−ル制御時には給気係数Ksが「3」に設定
されるため、上述した図16のステップC14の判定で
「YES」と判定される。従って、給気流量制御バルブ
19はオフされたままであり、給気はオリフィスoを介
してゆっくりと行われる。また、給気時間TCSは後述す
るステップS23に示されるように「KS」項の影響で
3倍とされるため、全体的な給気量は、Ks=1の場合
と同じである。つまり、低μ路でのロ−ル制御はゆっく
りと時間をかけて行われるため、急激な荷重移動により
車体の横滑りを抑制している。
【0068】そして、上記ステップD10あるいはD1
1の後に給排気制御を行う必要があることを示す給排気
フラグSEFがセットされ(ステップD12)、図15
〜図19のロール制御ルーチンにより、給排気が行われ
る。そして、悪路判定ルーチン(ステップA1)により
設定される悪路判定がセットされているか判定される
(ステップD13)。このステップD13において、悪
路判定がセットされていると判定された場合には、制御
レベルTCGが「2」であるか判定され(ステップD1
4)、制御レベルが「2」である場合には給排気フラグ
SEFがリセットされて、制御レベルTCGに不感帯レベ
ル「1」が設定される(ステップD15,D16)。つ
まり、悪路判定時に制御レベルTCGが「2」の場合には
通常時であれば150ms の給排気時間にロール制御が行わ
れるが、給排気時間が「0」とされて、ロール制御が行
われない。つまり、悪路走行時のように悪路判定がされ
ている場合にはGセンサの不感帯幅を広げることによ
り、悪路でのロール制御の誤動作を防止している。
【0069】ところで、上記ステップD7,D13,D
14,D16の処理が終了された後に、求められた制御
レベルTCHあるいはTCGより図12あるいは図13が参
照されて制御レベルTCH,TCGに応じた給排気の基本時
間Tcが求められる(ステップD18)。次に、圧力セ
ンサ45によりリヤ側のサスペンションユニットRS
1,RS2の内圧(リヤ内圧)が検出され、このリヤ内
圧よりフロント内圧−リヤ内圧特性図(図示しない)が
参照されてフロント内圧が推定される。なお、このフロ
ント内圧−リヤ内圧特性図について、もう少し詳しく説
明すると、次のとおりである。すなわち、一般的な乗用
車において前席に1名、後席に2名乗車した場合と、前
席に2名、後席に1名乗車した場合とを比べると、厳密
にはこの特性図通りにはならない。しかしあらゆる乗車
パターンを考慮して各パターンに近似する特性線図を作
成することにより、概ねリヤ内圧から実際のフロント内
圧の近い値を求められることが実験により確認されてい
る。このようにして推定されたフロント内圧及び上記圧
力センサ45から求められたリヤ内圧より給気排気補正
係数特性図(図示しない)が参照されてフロント側及び
リヤ側の給気補正係数PS 、フロント側及びリヤ側の給
気補正係数PE が求められる(ステップD19)。この
特性図において、サスペンションの内圧が高い場合には
給気時間は内圧が低い場合よりも、同一量の空気を供給
するのに要する時間が長く要求されるため、補正係数P
S は内圧PO に比例しており、サスペンションの内圧が
高い場合には排気時間は内圧が低い場合よりも、同一量
の空気を排気するのに要する時間が短くてすむため、補
正係数PE は内圧PO に反比例している。
【0070】次に、コンプレッサ16(リターンポン
プ)が停止中であるか判定され(ステップD20)、停
止中である場合、つまり高圧リザーブタンク15aと低
圧リザーブタンク15bとの圧力差が大きい場合には、
サスペンションの給排気は短い時間でも空気流量が大き
いので、初期係数FK =0.8 とされる(ステップD2
1)。一方、停止中でない場合、つまり高圧リザーブタ
ンク15aと低圧リザーブタンク15bとの圧力差が小
さい場合には、初期係数FK =1され、給気排気時間の
補正は行われない(ステップD22)。
【0071】次に、すでに求められている給気の基本時
間Tcに給気補正係数PS ,給気係数KS 及び初期係数
FK が乗算されて、補正された給気時間TCSが求められ
る(ステップD23)。また、すでに求められている排
気の基本時間Tcに排気補正係数PE 及び初期係数FK
が乗算されて、補正された排気時間TCEが求められる
(ステップD24)。なお、これら給気時間TCS及び排
気時間TCEは、前輪側と後輪側とで夫々互いに異なる補
正係数をもっているので個々に求められる。
【0072】次に、図12及び図13が参照されて制御
レベルTCG,TCHに応じた減衰力切換位置が求められ、
減衰力目標値DSTにその位置が設定される(ステップ
D25)。次に、悪路判定がセットされている場合に
は、減衰力目標値DSTがハードであれば、ミディアム
に変更される(ステップD26〜D28)。これによ
り、悪路走行時における車輪の路面に対する追従性が向
上する。
【0073】さらに、RMU値(路面μ値)が0.4よ
り小さいか判定される(ステップD29)。このステッ
プD29において、RMU値が0.4より小さい低μ路
であると判定された場合には、減衰力目標値DSTがハ
ードであれば、ミディアムに変更される(ステップD3
0,D31)。
【0074】一方、ステップD30の判定で減衰力目標
値DSTがハ−ドでないと判定された場合には、減衰力
目標値DSTがミディアムであるか判定される(ステッ
プD32)。このステップD32の判定で減衰力目標値
DSTがミディアムであると判定された場合には減衰力
目標値DSTはソフトに変更される。
【0075】このように、車両がRMU値が0.4より
小さい低μ路を走行している場合には、目標減衰力DS
Tを一段下げて、タイヤのグリップを確保している。こ
れにより、しなやかな旋回が可能となる。
【0076】以上のように、RMU値が0.4以下の低
μ路では給気をゆっくりと行うようにしたので、図22
に示すようにハンドル角に対する横Gの発生を実線で示
すように大きくすることができる。さらに、図23に示
すようにハンドル角をステップ操舵した場合に、横Gの
発生及びヨ−レイトの発生を実線で示すように増加させ
ることができる。なお、図23において、破線は本願の
ように低μ路制御を行っていない場合の特性を示す。
【0077】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、ばね定数を制御する装置、油圧アクティブ
サスペンション、スタビライザ制御装置にも適用するこ
とができる。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、低
μ路での旋回時に、支持力を低くするようにしてタイヤ
のグリップを確保したので、操舵応答性及び旋回限界を
向上させ向上させながら車体のロ−ルを抑制することが
できる車両用サスペンション制御装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる車両用サスペンショ
ン制御装置を示す図。
【図2】路面μ推定部の詳細な構成を示すブロック図。
【図3】路面μの算出原理を説明するための図。
【図4】コ−ナリングフォ−スと横滑り角との関係を示
す図。
【図5】三方向弁の駆動、非駆動状態を示す図。
【図6】ソレノイドバルブの駆動、非駆動状態を示す
図。
【図7】給気流量制御バルブの駆動、非駆動状態を示す
図。
【図8】SOFTモ−ドにおける車速−ハンドル角速度マッ
プ。
【図9】AUTOモ−ドにおける車速−ハンドル角速度マッ
プ。
【図10】SPORT モ−ドにおける車速−ハンドル角速度
マップ。
【図11】Gセンサマップ。
【図12】車速−ハンドル角速度マップによる制御レベ
ルと給排気時間の関係を示す図。
【図13】Gセンサマップによる制御レベルと給排気時
間の関係を示す図。
【図14】本発明の一実施例の動作を示す概略的フロ−
チャ−ト。
【図15】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図16】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図17】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図18】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図19】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図20】給排気補正ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図21】給排気補正ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図22】ハンドル角−横G特性を示す図。
【図23】ハンドル角のステップ操舵時の横G及びヨ−
レイト特性を示す図。
【符号の説明】
15a…高圧リザ−ブタンク、15b…低圧リザ−ブタ
ンク、19…給気流量制御バルブ、22,23,26,
27…ソレノノイドバルブ、36…コントロ−ルユニッ
ト、36…コントロ−ルユニット、45…圧力センサ、
55…路面μ推定部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体にロ−ルが発生する要因を検出する
    ロ−ル検出手段と、ロ−ル剛性可変のサスペンションユ
    ニットと、上記ロ−ル検出手段の検出出力に応じた設定
    値に上記サスペンションユニットのロ−ル剛性を制御す
    る制御手段とを備えた車両用サスペンション制御装置に
    おいて、 路面とタイヤ間の摩擦係数を検出する摩擦係数検出手段
    とを有し、上記制御手段は上記摩擦係数検出手段で検出
    される摩擦係数が所定値より低いときは所定値以上のと
    きに比べて上記ロ−ル検出手段の検出出力に応じたロ−
    ル剛性設定値を低下させるように構成されていることを
    特徴とする車両用サスペンション制御装置。
JP4043941A 1992-02-28 1992-02-28 車両用サスペンション制御装置 Expired - Fee Related JP2707509B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4043941A JP2707509B2 (ja) 1992-02-28 1992-02-28 車両用サスペンション制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4043941A JP2707509B2 (ja) 1992-02-28 1992-02-28 車両用サスペンション制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05238222A true JPH05238222A (ja) 1993-09-17
JP2707509B2 JP2707509B2 (ja) 1998-01-28

Family

ID=12677726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4043941A Expired - Fee Related JP2707509B2 (ja) 1992-02-28 1992-02-28 車両用サスペンション制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2707509B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1518721A1 (en) * 2003-09-26 2005-03-30 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Suspension control device
JP2008068713A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Fuji Heavy Ind Ltd 車両のサスペンション制御装置
JP2009179293A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 減衰力可変ダンパの制御装置
JP2009179088A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 減衰力可変ダンパの制御装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS649011A (en) * 1987-06-30 1989-01-12 Fuji Heavy Ind Ltd Control device for suspension of automobile
JPH0238121A (ja) * 1988-07-29 1990-02-07 Mazda Motor Corp 車両のサスペンション装置
JPH0382617A (ja) * 1989-08-24 1991-04-08 Toyota Motor Corp 流体圧式アクティブサスペンション

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS649011A (en) * 1987-06-30 1989-01-12 Fuji Heavy Ind Ltd Control device for suspension of automobile
JPH0238121A (ja) * 1988-07-29 1990-02-07 Mazda Motor Corp 車両のサスペンション装置
JPH0382617A (ja) * 1989-08-24 1991-04-08 Toyota Motor Corp 流体圧式アクティブサスペンション

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1518721A1 (en) * 2003-09-26 2005-03-30 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Suspension control device
CN100379629C (zh) * 2003-09-26 2008-04-09 爱信精机株式会社 悬架控制装置
US7600762B2 (en) 2003-09-26 2009-10-13 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Suspension control device
JP2008068713A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Fuji Heavy Ind Ltd 車両のサスペンション制御装置
JP2009179088A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 減衰力可変ダンパの制御装置
JP2009179293A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 減衰力可変ダンパの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2707509B2 (ja) 1998-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR910007175B1 (ko) 차량용 서스펜션장치
US4852905A (en) Vehicle suspension apparatus
JP2765341B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JPH0710643B2 (ja) 車輌用車高調整装置
US4852903A (en) Vehicle suspension apparatus
JP2707509B2 (ja) 車両用サスペンション制御装置
US4856813A (en) Vehicle suspension apparatus
JP2707508B2 (ja) 車両用サスペンション制御装置
JP2855984B2 (ja) 電子制御サスペンション装置
JPH068892Y2 (ja) 車両用サスペンション装置
JPH0672124A (ja) 電子制御サスペンション装置
JP3016310B2 (ja) 電子制御サスペンション装置
JP2855983B2 (ja) 電子制御サスペンション装置
JP2541354B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JPH0676003B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JP2946904B2 (ja) 電子制御エアサスペンション車用制御装置
GB2214473A (en) Active vehicle suspension apparatus
JPH0672122A (ja) 電子制御サスペンション装置
JPH0647329B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JPH0696364B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JPH0635249B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JP2707500B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JPH0624245Y2 (ja) 車両用サスペンション装置
JPH05213037A (ja) 車両用キャンバ角制御装置
JPH05213036A (ja) 車両用キャンバ角制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970909

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees