JP3016310B2 - 電子制御サスペンション装置 - Google Patents

電子制御サスペンション装置

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JP3016310B2
JP3016310B2 JP4204661A JP20466192A JP3016310B2 JP 3016310 B2 JP3016310 B2 JP 3016310B2 JP 4204661 A JP4204661 A JP 4204661A JP 20466192 A JP20466192 A JP 20466192A JP 3016310 B2 JP3016310 B2 JP 3016310B2
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光彦 原良
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4輪操舵機能を有する電
子制御サスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子制御4輪操舵装置において、旋回時
に車両の回頭性を向上させるために後輪の舵角を前輪の
舵角に対して一瞬逆相にすることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、後輪の舵角を
前輪の舵角に対して逆相に操舵すると、車体に発生する
ロ−ルが早くなると共に車両のヨ−の回転軸が前よりに
なるため、車両の後部が尻を振る尻振り現象が発生する
という問題があった。
【0004】また、電子制御サスペンションを搭載した
車両を旋回させると、前後輪のコ−ナリングパワ−が増
大して車両の回頭性のゲインは高くなるが、車両の回頭
時の後輪のコ−ナリングパワ−の立ち上がりにより押さ
えられるため、応答性は良くないという問題があった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、旋回時の車両の後部の尻振り現象の発生を抑え、車
両の回頭時の応答性を大幅に高めることができる電子制
御サスペンション装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項第1項に係わる電
子制御サスペンション装置は、車体にロ−ルが発生する
要因を検出するロ−ル検出手段と、車体に対する支持力
を独立に調整可能なように流体室が設けられた左右のサ
スペンションユニットと、車体のロ−ルを抑制するよう
に上記ロ−ル検出手段の検出出力に応じた量だけ上記左
右のサスペンションユニットの支持力を変化させる制御
手段とを備えた車両用サスペンション制御装置におい
て、後輪を操舵する後輪操舵機構と、後輪舵角指令値を
算出し上記後輪操舵機構を制御して後輪を逆相操舵する
後輪操舵制御手段と、
【0007】上記ロ−ル検出手段によりロ−ルが発生す
る要因が検出された場合に、上記後輪舵角指令値が設定
舵角以上である状態では、前輪側左右のサスペンション
ユニットの流体室に流体を供給すると共に、後輪側左右
のサスペンションユニットの支持力に差を設け、上記後
輪舵角指令値が設定舵角より小さくなると、前後輪の縮
み側サスペンションユニットの流体室に流体を供給する
と共に、前後輪の伸び側のサスペンションユニットの流
体室から流体を排出するロ−ル制御手段とを具備する。
【0008】
【作用】上記ロ−ル検出手段によりロ−ルが発生する要
因が検出された場合に、上記後輪舵角指令値が設定舵角
以上である状態では、前輪側左右のサスペンションユニ
ットの流体室に流体を供給すると共に、後輪側左右のサ
スペンションユニットの支持力に差を設け、上記後輪舵
角指令値が設定舵角より小さくなると、前後輪の縮み側
サスペンションユニットの流体室に流体を供給すると共
に、前後輪の伸び側のサスペンションユニットの流体室
から流体を排出するようにロ−ル制御を行うようにして
いる。
【0009】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例につい
て説明する。図1はFS1は左前輪側のサスペンション
ユニット、FS2は右前輪側のサスペンションユニッ
ト、RS1は左後輪側のサスペンションユニット、RS
2は右後輪側のサスペンションユニットである。これら
各サスペンションユニットFS1,FS2,RS1,R
S2は夫々互いに同様の構造を有しているので、前輪用
と後輪用または左輪用と右輪用とを区別して説明する場
合を除いて、サスペンションユニットは符号Sを用いて
説明する。
【0010】サスペンションユニットSはショックアブ
ソーバ1を備えている。このショックアブソーバ1は車
輪側に取付けられたシリンダと、同シリンダ内に揺動自
在に嵌装されたピストンを有するとともに上端を車体側
に支持されたピストンロッド2とを備えている。また、
サスペンションユニットSは、このショックアブソーバ
1の上部に、ピストンロッド2と同軸的に、車高調整の
機能を有する空気ばね室3を備えている。この空気ばね
室3はその一部をベローズ4により形成されており、ピ
ストンロッド2内に設けられた通路2aを介してこの空
気ばね室3へ空気を給排することにより、車高を上昇ま
たは下降させることができる。
【0011】また、ピストンロッド2の中には下端に減
衰力を調節するための弁5aを備えたコントロールロッ
ド5が配設されている。同コントロールロッド5はピス
トンロッド2の上端に取付けられたアクチュエータ6に
より回動されて弁5aを駆動する。この弁5aの回動に
よりサスペンションユニットの減衰力はハード(堅
い)、ミディアム(中間)、ソフト(柔らかい)の3段
階に設定される。
【0012】コンプレッサ11はエアクリーナ12から
取り入れた大気を圧縮して、ドライヤ13及びチェック
バルブ14を介して高圧リザーブタンク15aに送給す
る。つまり、コンプレッサ11は、エアクリーナ12か
ら取入れた大気を圧縮してドライヤ13へ供給するの
で、同ドライヤ13内のシリカゲル等によって乾燥され
た圧縮空気が高圧リザーブタンク15aに溜められるこ
とになる。コンプレッサ16は、その吸い込み口を低圧
リザーブタンク15bに吐出口を高圧リザーブタンク1
5aに夫々接続されている。18は、低圧リザーブタン
ク15b内に圧力が第1の設定値(例えば、大気圧)以
上になるとオンする圧力スイッチである。そして、コン
プレッサ16は同圧力スイッチ18のオン信号を出力す
ると、後述するコントロールユニット36からの信号に
よりオンするコンプレッサリレー17により駆動され
る。これにより低圧リザーブタンク15b内の圧力は常
に上記第1の設定値以下に保たれる。
【0013】そして、この高圧リザーブタンク15aか
ら各サスペンションユニットSへの給気は図1の実線矢
印で示すように行われる。すなわち、高圧リザーブタン
ク15a内の圧縮空気は給気流量制御バルブ19、フロ
ント用給気ソレノイドバルブ20、チェックバルブ2
1、フロント左用ソレノイドバルブ22、フロント右用
ソレノイドバルブ23を介してサスペンションユニット
FS1,FS2に送給される。また、同様に高圧リザー
ブタンク15a内の圧縮空気は給気流量制御バルブ1
9、リヤ用給気ソレノイドバルブ24、チェックバルブ
25、リヤ左用のソレノイドバルブ26、リヤ右用のソ
レノイドバルブ27を介してサスペンションユニットR
S1,RS2に送給される。
【0014】一方、各サスペンションユニットSからの
排気は図1の破線矢印で示すように行われる。つまり、
サスペンションユニットFS1,FS2内の圧縮空気
は、ソレノイドバルブ22,23、三方向弁から成る排
気方向切換えバルブ28を介して低圧リザーブタンク1
5b内に送給される場合と、ソレノイドバルブ22,2
3、排気方向切換えバルブ28、チェックバルブ29、
ドライヤ13、排気ソレノイドバルブ31、チェックバ
ルブ46及びエアクリーナ12を介して大気に排出され
る場合とがある。同様に、サスペンションユニットRS
1,RS2内の圧縮空気は、ソレノイドバルブ26,2
7、排気方向切換えバルブ32を介して低圧リザーブタ
ンク15b内に送給される場合と、ソレノイドバルブ2
6,27、排気方向切換えバルブ32、チェックバルブ
33、ドライヤ13、排気ソレノイドバルブ31、チェ
ックバルブ46及びエアクリーナ12を介して大気に排
出される場合とがある。なお、チェックバルブ29,3
3とドライヤ13との間には排気方向切換えバルブ2
8,32と低圧リザーブタンク15bとを直接連通する
通路と比して小径絞りLが介装された通路が設けられて
いる。
【0015】なお、上述したソレノイドバルブ22,2
3,26,27,28及び32は、図3(A)及び
(B)に示すように、ON(通電状態)で矢印Aのよう
な空気の流通を、OFF(非通電)で矢印Bのような空
気の流通を夫々許容する。また、給気ソレノイドバルブ
20,24及び排気ソレノイドバルブ31は図4(A)
及び(B)に示すように、ON(通電状態)で矢印Cの
ような空気の流通を許容し、OFF(非通電状態)で空
気の流通を禁止する。また、給気流量制御バルブ19は
オフ状態(非通電)では図5(A)に示すようにオリフ
ィスoを介して空気が流通するため、空気流量は少な
く、オン状態(通電)では図5(B)に示すようにオリ
フィスo及び大径路Dを介して空気が流通するため、空
気流量は多くなる。
【0016】34Fは車両の前部右側サスペンションの
ロアアーム35と車体との間に取付けられ前部車高を検
出する前部車高センサ、34Rは車両の後部左側サスペ
ンションのラテラルロッド37と車体との間に取付けら
れ後部車高を検出する後部車高センサである。両車高セ
ンサ34F及び34Rで夫々検出された信号は、入力回
路、出力回路、メモリ及びマイクロコンピュータを備え
たコントロールユニット36へ供給される。
【0017】38は、スピードメータに内蔵された車速
センサであり、検出した車速信号をコントロールユニッ
ト36へ供給する。39は、車体に作用する加速度を検
出する加速度センサであり、検出した加速度信号をコン
トロールユニット36へ供給する。30はロール制御モ
ードをソフト(SOFT)、オート(AUTO)、スポーツ(SP
ORTS)に選択するロール制御モード選択スイッチ、40
はステアリングホイール41の回転速度、すなわち、操
舵角速度を検出する操舵センサである。42は図示しな
いエンジンのアクセルペタルの踏み込み角を検出するア
クセル開度センサである。これらロール制御選択スイッ
チ30、センサ40及び42の検出した信号はコントロ
ールユニット36に供給される。43はコンプレッサ1
1を駆動するためのコンプレッサリレーであり、このコ
ンプレッサリレー43はコントロールユニット36から
の制御信号により制御される。44は、高圧リザーブタ
ンク15a内の圧力が第2の設定値(例えば、7kg/cm
2 )以下になるとオンする圧力スイッチであり、この圧
力スイッチ44の信号はコントロールユニット36に供
給される。そして、コントロールユニット36は、高圧
リザーブタンク15a内の圧力が第2の設定値以下にな
り、圧力スイッチ44がオンであっても圧力スイッチ1
8がオン、つまりコンプレッサ16が駆動しているとき
は、コンプレッサ11の駆動を禁止するように構成され
ている。45はソレノイドバルブ26,27を互いに連
通する通路に設けられた圧力センサであり、リヤ側のサ
スペンションユニットRS1,RS2の内圧を検出す
る。
【0018】なお、上述の各ソレノイドバルブ19,2
0,22,23,24,26,27,28,31及び3
2の制御はコントロールユニット36からの制御信号に
より行われる。
【0019】ところで、ステアリングホイ−ル41の回
転はステアリングシャフト51を介して前輪を操舵する
前輪操舵アクチュエ−タとしてのパワ−ステアリング装
置52に伝達される。このパワ−ステアリング装置52
には前輪操舵アクチュエ−タの左右の圧力室の圧力PL
,PR を検出するための圧力センサ53,54がそれ
ぞれ設けられている。これら圧力センサ53,54から
のセンサ信号により、両圧力室間の差圧をパワステ圧と
して求めるようにしている。
【0020】そして、前述した圧力センサ53,54で
検出された左右の圧力室の圧力PL,PR は後輪を操舵
制御する4WS用ECU55に出力される。このECU
55には上述した車速センサ38で検出された車速V及
びステアリングホイ−ル41の操舵角、つまりハンドル
角を検出するハンドル角センサ(図示しない)からのハ
ンドル角θH が入力されている。このECU55は、圧
力センサ53,54で検出された左右の圧力室の圧力P
L ,PR より、パワステ圧ΔP(=PR −PL)を演算
し、このパワステ圧ΔP、ハンドル角θH 及び車速Vか
ら路面μを算出する。そして、この路面μ値としてのR
MU値を上述したコントロ−ルユニット36に出力す
る。
【0021】さらに、4WS用ECU55は前輪の舵角
に対する逆相の後輪舵角指令値δrを決定し、後述する
後輪操舵用パワ−シリンダを駆動する制御バルブに駆動
信号を出力し、後輪を後輪操舵指令値δrだけ操舵する
制御を行う。この後輪舵角指令値δrは
【0022】δr=K3 ・θH ′/ρとして算出され
る。ここで、K3 は図12に示すように車速Vに応じて
「0」〜「1」の間を変化する変数、θH ′はハンドル
角速度、ρはオ−バオ−ルステアリングギア比である。
この後輪舵角指令値δrはコントロ−ルユニット36に
出力される。上述した図1の構成では4輪操舵、特に後
輪を操舵する制御機構については図示を省略していたの
で、図2を参照してその構成について説明する。
【0023】図2において、61FLは左前輪、61FRは
右前輪、61RLは左後輪、61RRは右後輪を示してい
る。左前輪61FLと右前輪61FRはパワ−ステアリング
装置52の両側から取出されたリンク62,63の端部
に取り付けられている。
【0024】64は作動油を溜めておくリザ−ブタンク
である。このリザ−ブタンク64は油路65,66を介
してそれぞれパワ−ステアリング用オイルポンプ67、
4WS用オイルポンプ68の吸入側にそれぞれ連結され
ている。そして、オイルポンプ67の高圧側は油路6
8、インプットシャフト69に設けられたロ−タリバル
ブを介してリザ−ブタンク64に連結される。
【0025】また、オイルポンプ68の高圧側はアンロ
−ドバルブ70を介して4ポ−ト絞り電磁切換弁71の
Aポ−トに接続される。この電磁切換弁71のPポ−ト
は油路72を介してパワ−シリンダ73の右室73Rに
接続されると共に、電磁切換弁71のRポ−トは油路7
4を介してパワ−シリンダ73の左室73Lに接続され
る。
【0026】このパワ−シリンダ73内にはピストン7
5が摺動自在に嵌挿されており、ピストン75の両側に
取り付けられているピストンロッド75R,75Lには
その中間に配設されているジョイント部材を介して左後
輪61RL,右後輪61RRに連結されている。そして、電
磁切換弁71のソレノイドa,bには4WS用ECU5
5からの駆動信号が入力されている。なお、76はステ
アリングホイ−ル77の操舵角を検出するハンドル角セ
ンサである。
【0027】次に、上記のように構成された本発明の一
実施例の動作について説明する。図13はコントロール
ユニット36で行われる一連のロール制御を概略的に示
すフローチャートである。まず、悪路判定手段としての
悪路判定ルーチン(ステップA1)において、いわゆる
悪路判定処理が行われる。つまり、この悪路判定ルーチ
ンではフロント車高センサ34Fの出力変化がMHz以上
(2秒間にN回以上)のときには、悪路判定として、こ
の時のGセンサ39の不感帯を広げて、ロール制御の誤
操作を少なくしている。そして、ロール制御手段として
のロール制御ルーチン(ステップA2)において、ロー
ル制御、つまり縮み側のサスペンションユニットに給気
され、伸び側のサスペンションユニットからは排気され
て、旋回時の車体のロールを防止している。また、この
ロール制御時の給排気時間は給排気時間補正手段として
の給排気補正ルーチン(ステップA3)において補正さ
れて、4輪独立の給排気時間が補正されて求められる。
さらに、減衰力切換手段としての減衰力切換ルーチン
(ステップA4)において、各サスペンションユニット
の減衰力がハード(堅い)、ミデイアム(中間)、ソフ
ト(柔らかい)のうちのいずれか最適なものに設定され
る。
【0028】次に、図14〜図22のフローチャートを
参照してロール制御ルーチン(ステップA2)の詳細な
動作について説明する。まず、車速センサ38で検出さ
れる車速V、Gセンサ39から出力される左右方向の加
速度g及びその微分値g′、操舵センサ40で検出され
るハンドル角速度θH ′がコントロールユニット36に
読み込まれる(ステップC1〜C3)。そして、図23
を参照して詳細な説明を後述するWFLGセットル−チ
ン(ステップC4)が実行され、特定の条件下でWFL
Gがセットされる。
【0029】つまり、図23のフロ−チャ−トに示すよ
うに4WS用ECU55から出力される後輪舵角指令値
δrを読み込み(ステップD1)、ステップC3で読み
込んだハンドル角速度θH よりハンドル角速度の加速
度、つまりハンドル角加速度θH ″を演算する(ステッ
プD2)。
【0030】そして、「θH ′×θH ″>0」であるか
を判定する(ステップD3)。このステップD3におい
て「YES」と判定された場合には、後輪舵角指令値δ
rが0.1deg 以上であるかを判定する(ステップD
4)。このステップD4の判定で「YES」と判定され
た場合には、WFLGを「1」にセットする処理を行
う。つまり、WFLGはハンドル角速度が増加する傾向
にあり、後輪舵角指令値δrが設定角度(0.1deg )
以上である場合には、「1」にセットされる。ところ
で、ステップD3あるいはD4において「NO」と判定
された場合にはWFLGは「0」にセットされる(ステ
ップD6)。
【0031】そして、ロ−ル制御ル−チンに戻ってGセ
ンサ39から出力される左右方向の加速度gが0.05
gより小さいか判定する(ステップC5)。このステッ
プC5の判定で「YES」と判定された場合には、ハン
ドル角速度θH ′の方向が判別される(ステップC
6)。そして、ユーザの好みに応じて選択される図6な
いし図8のV−θH ′マップのいずれかのマップが参照
されて、車速及びハンドル角速度に応じた制御レベルT
CHが求められる(ステップC7)。このステップC7に
おいては、ロール制御選択スイッチ30により、ロール
制御モードとしてソフトモードが選択されている場合に
は図6のマップが、ロール制御モードとしてオートモー
ドが選択されている場合には図7のマップが、ロール制
御モードとしてスポーツモードが選択されている場合に
は図8のマップが選択される。そして、各マップの制御
レベルTCHに対応して図10に示すような給排気時間及
び減衰力が選択される。
【0032】また、ステップC7で算出された制御レベ
ルTCHが「4」以上であるかを判定する(ステップC
8)。このステップC8の判定で「YES」と判定され
た場合には、進相フラグPADに「1」がセットされる
(ステップC9)。この進相フラグPADはハンドル角
速度が大きいときに、ハンドル角速度のみで方向を判定
してロ−ル制御を実行するために設けられたフラグであ
る。その後、給排気補正ルーチンにより前後輪独立の給
排気時間TCS,TCEが補正されて算出される(ステップ
C7)。
【0033】そして、ステップC5あるいはC8におい
て「NO」と判定された場合には、ハンドル角速度θH
′が 30deg/sec より大きいか判定される(ステップ
C10)。つまり、ハンドルが素早く操舵されたか判定
される。上記ステップC10において、「YES」と判
定されると「g×θH ′」は正か判定される(ステップ
C11)。つまり、左右方向の加速度gとハンドル角速
度θH ′は同一方向であるか判定されるもので、「正」
と判定された場合には切込み側、「負」と判定された場
合には切返し側にハンドルが操舵されていることを意味
している。上記ステップC11で「YES」と判定され
た場合には、ユーザの好みに応じて選択される図6ない
し図8のV−θH ′マップのいずれかのマップが参照さ
れて、車速及びハンドル角速度に応じた制御レベルTCH
が求められる(ステップC12)。そして、進相フラグ
PADが「0」にセットされる。以降、前述したステッ
プC7の処理に進む。
【0034】そして、制御フラグがセット中か歪か判定
される(ステップC14)。まだ、ロール制御は開始さ
れていないので、「NO」と判定されてステップC15
に進む。このステップC15において、給排気フラグS
EFがセットされているか判定される。上記した給排気
補正ルーチン(ステップC7)において給排気フラグS
EFがセットされている場合には、制御フラグがセット
され、給排気タイマT=0とされる(ステップC16,
C17)。そして、ステップC18に進んで差圧保持
中、つまり後述する差圧保持フラグがセットされている
か否か判定される。差圧がある場合にはフロント及びリ
ヤの排気方向切換えバルブ28,32がオフされて、フ
ロントあるいはリヤから排出される空気を低圧リザーブ
タンク15bに排出させるようにしている(ステップC
19)。これは差圧保持中の状態においては排気方向切
換バルブ28,32がオンであるので、追加の給排気制
御を行うためにはこれら排気方向切換バルブ28,32
をオフにする必要があるからである。次に、前述したス
テップC7の給排気補正ルーチンにおいて、給気係数K
S =3がセットされているか判定され(ステップC2
0)、セットされていない場合(つまり、KS =1)に
は給気流量制御バルブ19がオンされて、大径路D(図
5)が開き給気流量を増大させている(ステップC2
1)。つまり、KS=1は車速−ハンドル角速度マップ
から制御レベルTCHが求められている場合であるため、
迅速なロール制御を行なうために空気流量を大きくする
ためである。
【0035】次に、フロント及びリヤ給気バルブ20,
24がオンされる(ステップC22)。そして、進相フ
ラグPADが「1」であるか判定される(ステップC2
3)。
【0036】このステップC23の判定で「NO」と判
定された場合には左右方向の加速度gの向きが判定され
(ステップC24)、「YES」と判定された場合には
ハンドル角速度θH ′の向きが判定される(ステップC
25)。「PAD=1」、つまり、ハンドル角速度θH
′が大きい場合には、ハンドル角速度θH ′の向きに
応じてロ−ル制御を開始する方が左右方向の加速度gの
大きさに応じてロ−ル制御を開始するよりは早くロ−ル
制御を開始することができるためである。
【0037】そして、ステップC24の判定でgの向き
が左側であると判定されるかあるいはステップC25の
判定でハンドル角速度θH ′の向きが左側であると判定
された場合には、WFLGが「1」であるか判定される
(ステップC26)。
【0038】そして、このステップC26において「Y
ES」と判定された場合には、右制御バルブ27のみオ
ン制御される(ステップC27)。つまり、ロ−ル制御
については後輪側のみ行われ、前輪側は左右輪共に給気
が行われる。
【0039】このように旋回初期に前輪左右輪の接地荷
重を大きくして、等価コ−ナリングパワ−を増加させて
いるので、車両の回頭性を向上させることができる。ま
た、前輪の左右輪に給気されているので、ハンドルの操
舵による速度低下によるノ−ズダイブも押さえられ、よ
り回頭性を向上させることができる。
【0040】一方、ステップC26において「NO」と
判定された場合には、右制御バルブ23,27がオンさ
れる(ステップC28)。つまり、右側のサスペンショ
ンユニットから排気され、左側のサスペンションユニッ
トに給気されて、前後輪共にロ−ル制御が実行される。
【0041】また、ステップC24の判定でgの向きが
右側であると判定されるかあるいはステップC25の判
定でハンドル角速度数17の向きが右側であると判定さ
れた場合には、WFLGが「1」であるか判定される
(ステップC29)。
【0042】そして、このステップC29において「Y
ES」と判定された場合には、左制御バルブ26のみオ
ン制御される(ステップC30)。つまり、ロ−ル制御
については後輪側のみ行われ、前輪側は左右輪共に給気
が行われる。
【0043】このように旋回初期に前輪左右輪の接地荷
重を大きくして、等価コ−ナリングパワ−を増加させて
いるので、車両の回頭性を向上させることができる。ま
た、前輪の左右輪に給気されているので、ハンドルの操
舵による速度低下によるノ−ズダイブも押さえられ、よ
り回頭性を向上させることができる。
【0044】一方、ステップC29において「NO」と
判定された場合には、左制御バルブ22,26がオンさ
れる(ステップC31)。つまり、左側のサスペンショ
ンユニットから排気され、右側のサスペンションユニッ
トに給気されて、前後輪共にロ−ル制御が実行される。
【0045】次に、ゆり戻しフラグがリセットされ、上
述した差圧保持フラグがセットされ、デューティタイマ
TD 、デューティカウンタTn、デューティタイムカウ
タTmnがゼロに設定される(ステップC32〜36)。
以下、上述したステップC1の処理に戻る。そして、ス
テップC1〜C9の処理を経てステップC14の処理に
戻る。
【0046】このとき、制御フラグはセット中であるた
め、ステップC37に進む。このステップC37におい
て、WFLG=1であるか判定される。WFLG=1が
「1」である間はこのステップC37で「YES」と判
定されるため、ステップC38以降の処理に進む。
【0047】そして、このステップC38でタイマTが
インターバル時間INTを加算されて更新される。そし
て、タイマTの計数値が給気時間TCS以上あるいはタイ
マTの計数値が排気時間TCE以上になるまでは、左右g
の方向に応じて左右のサスペンションユニットの各空気
ばね室の給気及び排気を行うロール制御が継続して行わ
れる。ところで、タイマTの計数値が排気時間TCS以上
になるとステップC39で「YES」と判定されて、流
量制御バルブ19がオフされ、給気ソレノイドバルブ2
0,24がオフされて、給気動作が停止される(ステッ
プC40,C41)。これにより、給気された側の空気
ばね室3は給気時間TCSだけ給気された高圧状態に保持
される。また、タイマTの計数値が排気時間TCE以上に
なるとステップC42で「YES」と判定されて、排気
方向切換えバルブ28,32がオンされ、排気動作が停
止される(ステップC43)。これにより、排気された
側の空気ばね室3は排気時間TCEだけ排気された低圧状
態に保持される。そして、左右方向の加速度gの方向が
メモリMgに記憶され、「タイマT≧TCS」である場合
には制御リセットされてロール制御が停止されて、その
状態が保持される(ステップC45,46)。このよう
にして、旋回走行時に車体に発生するロールが抑制され
る。
【0048】ところで、上述した給排制御が行われる間
にはWFLGセットル−チン(ステップC4)でWFL
Gのセットが再度判定し直される。そして、ある時間を
経て、このWFLG=0にセットされた場合には、ステ
ップC37の判定で「NO」、ステップC47の判定で
「YES」と判定され、ステップC48の処理に移る。
【0049】このステップC48において、前述したス
テップC44でメモリに記憶されたMgの方向が右か左
であるかが判定される。このステップC48の判定でM
gの方向が左であると判定された場合には、前輪の右制
御バルブ23がオンされているか判定される(ステップ
C49)。このステップC49の判定で「NO」と判定
された場合には右制御バルブ23がオンされ、前輪右側
のサスペンションユニットから排気が開始される(ステ
ップC50)。
【0050】つまり、図24に示すようにWFLG=1
となっている時刻t1〜t2までは前輪側の左右輪に給
気されており、時刻t2以降はMgの方向が左側であれ
ば、前輪の右側のサスペンションユニットから排気を開
始するようにして、通常のロ−ル制御を開始するように
している。つまり、前輪の左右輪に給気されるのはハン
ドル角速度及びハンドル角加速度が正である状態であ
り、旋回初期の一瞬の時間だけとなる。
【0051】ところで、前述したステップC48の判定
でMgの方向が右であると判定された場合には、前輪の
左制御バルブ22がオンされているか判定される(ステ
ップC51)。このステップC51の判定で「NO」と
判定された場合には左制御バルブ22がオンされ、前輪
左側のサスペンションユニットから排気が開始される
(ステップC52)。
【0052】つまり、図24に示すようにWFLG=1
となっている時刻t1〜t2までは前輪側の左右輪に給
気されており、時刻t2以降はMgの方向が左側であれ
ば、前輪の右側のサスペンションユニットから排気を開
始するようにして、通常のロ−ル制御を開始するように
している。つまり、前輪の左右輪に給気されるのはハン
ドル角速度及びハンドル角加速度が正である状態であ
り、旋回初期の一瞬の時間だけとなる。そして、ステッ
プC49あるいはC51で「YES」と判定された場
合、ステップC50あるいは52の処理以降で前述した
ステップC38の処理に進む。
【0053】以上の処理はハンドルが急激に燥舵された
場合について述べたが、「θH ′≦30deg/sec 」の場合
でも「g×g′」が正である場合には(ステップC4
7′)、図9のGセンサマップが参照されて制御レベル
TCGが求められ(ステップC48′)、以下TCHを求め
た場合と同様の処理が行われて、ロール制御が行われ
る。図9においてV1 は30km/h、V2 は 130km/hに
設定されている。この制御レベルTCGに対応する給排気
時間及び減衰力は図11から求められる。やはり、図9
及び図11に示される左右g、車速V、制御レベル、モ
ード、給排気時間及び減衰力の関係は、コントロールユ
ニット36内のメモリに記憶されている。この図9及び
図11から明らかなように、やはりこのGセンサマップ
から最終的に求められる給排気時間は制御スイッチ30
により選択されたモードに応じて異なるものである。な
お、図11にソフトモードの記載がないが、これはソフ
トモードが選択された場合、Gセンサマップにおいては
制御レベルが常にゼロであることを意味する。
【0054】なお、給排気時間補正ルーチンにおいては
前輪側の給気時間と後輪側の給排気時間とが互いに異な
るように設定されている。それ故、給排気時間のカウン
ト及びそれに基づき給排気時間は前輪側と後輪側とで独
立して行われる。
【0055】ところで、「g×g′」が負の場合、つま
りハンドルが戻し側にある場合には図7のマップが参照
されて戻し側の車速−ハンドル角速度マップが参照され
て(ステップC49′)、しきい値θHM′が求められ、
戻し側のハンドル角速度θH′≧θHM′であるかが判定
される(ステップC50′)。このステップC50で
「YES」と判定された場合には左右方向の加速度gの
時間的変化g′が 0.6g/sec以上であるか判定される
(ステップC51′)。ここで、上記ステップC50及
びC51で「YES」と判定された場合、つまり旋回走
行から直進走行に移行する際にハンドルを急激にその中
立位置に向けて戻しかつ加速度gの時間的変化g′が大
きい場合には、単体がその中立状態を通り過ぎて反対側
へロールする所謂揺り戻しが発生してしまうので、これ
を防止するためにステップC52以降の処理を行う。
【0056】ステップC52ではゆり戻しフラグがセッ
トされているか判定される。ここで、初めてこのステッ
プC52に来た場合にはゆり戻しフラグはセットされて
いないので、「NO」と判定されてゆり戻しフラグがセ
ットされ、ゆり戻しタイマTY が「0」にセットされる
(ステップC53,C54)。
【0057】そして、進相フラグPADが「1」である
か判定される(ステップC55)。このステップC55
の判定で進相フラグPADが「0」であると判定される
と、左右方向の加速度gの向きが判定される(ステップ
C56)。このステップC56の判定で、左右加速度g
が左(つまり、右旋回)であると判定されると、フロン
ト及びリヤ右のソレノイドバルブ23,27がオフさ
れ、左右加速度gが右(左旋回)であると判定される
と、フロント及びリヤ左のソレノイドバルブ22,26
がオフされて、左右のサスペンションユニットの空気ば
ね室3が互いに連通される(ステップC57,C5
8)。これにより、左右のサスペンションユニットの各
空気ばね室3間の連通時期が早められるので、ロール制
御により生じていた左右の空気ばね室3間の差圧が上記
車体の揺り戻しを増長することが防止される。
【0058】また、前述したステップC55の判定で
「YES」と判定された場合には、ハンドル角速度θH
′の向きが左かあるいは右かが判定される(ステップ
C59)。このステップC59の判定でハンドル角速度
θH ′が左であると判定されると前述したステップC5
7の処理が実行され、ハンドル角速度θH ′が右である
と判定されるとステップC58の処理が実行される。
【0059】また、フロント及びリヤ給気バルブ20,
24がオフされ、排気方向切換えバルブ28,32がオ
フされ、差圧保持フラグがリセットされると共に、制御
レベルCL=0とされ、制御フラグもリセットされて、
上記ステップC1の処理に戻る(ステップC60〜C6
4)。
【0060】そして、上記ステップC50及びC51で
「YES」と判定されて、ステップC52に進んだ場合
には、すでにゆり戻しフラグがセットされているので、
ステップC65以降のゆり戻しルーチンへ進む。
【0061】つまり、タイマTY の計数値が歩進され、
タイマTY の計数値が0.25秒以上であるか判定される
(ステップC65,C66)。このステップC51にお
いて、「NO」と判定された場合には上記ステップC1
の処理に戻り、以降の処理を経てタイマTY が歩進され
てタイマTY の計数値が0.25秒以上になると再度タイマ
TY の計数値が2.25秒以上であるか判定される(ステッ
プC67)。従って、タイマTY の計数値が0.25秒以上
で2.25より小さい場合には、上記ステップC67で、
「NO」と判定されてステップC68以降の処理に進
む。このステップC68の判定で、左右方向の加速度g
が判定されて、メモリMgの向きが右であると判定され
ると、フロント及びリヤ左のソレノイドバルブ22,2
6がオンされ(ステップC69)、また、左右方向の加
速度gが左であると判定されると、フロント及びリヤ右
のソレノイドバルブ23,27がオンされる(ステップ
C70)。そして、ステップC69及びステップC70
に続いて、排気方向切換えバルブ28,32がオンされ
る(ステップC71)。このステップC69の処理によ
りフロント及びリヤのサスペンションユニットのばね定
数を大きくすることができる。このようにして、ハンド
ル角速度θH ′が図7の閾値以上で、戻り側の左右方向
の加速度gの時間的変化g′が 0.6g/sec 以上になっ
た場合には直ちに左右の空気ばね室3を相互に連通さ
せ、これによりロール制御により生じていた左右の空気
ばね室3間の差圧が上記車体の揺り戻しを増長すること
が防止される。更にその0.25秒後に2秒間だけ左右の連
通を閉じ、これにより車体その中立状態に戻った頃に各
空気ばね室3のばね定数が大きくなって反対側への車体
のロールが低減される。そして2.25秒経ると、上記ステ
ップC67において「YES」と判定されてゆり戻しフ
ラグがリセットされて、ゆり戻し処理が終了される。
(ステップC72)。以下、上記ステップC55以降の
処理が行われ、その後に上記ステップC1以降の処理が
行われる。
【0062】ところで、上記ステップC50あるいはC
51で「NO」と判定された場合、つまり旋回走行から
直進走行に移行する際にハンドルをゆっくりと戻した場
合または加速度gの時間的変化g′が小さい場合には、
上述した揺り戻しに関する制御では適わないので、以下
述べる制御を行う。すなわち、先ずゆり戻しフラグがセ
ットされているか判定され(ステップC73)、セット
されている場合には、上記ステップC65以降の処理に
進む。これは、実際には揺り戻しに関する制御の過程に
おいて該当し得る。
【0063】一方、上述の旋回走行から直進走行にゆっ
くりと移行する際には揺り戻しフラグがセットされるこ
とがないので、ステップC73で「NO」と判定され、
次いで左右方向の加速度Gが不感帯レベルにあるか、つ
まり「G≦G0 」であるか判定され(ステップC7
4)、不感帯レベルである場合には、差圧保持中である
か判定され(ステップC75)、差圧保持中であれば、
ステップC76以降の処理に進んで、左右の空気ばね室
3間の差圧をデューティ制御により徐々に解除する処理
に移る。
【0064】以下、ステップC76以降で行われるデュ
ーティ制御ルーチンの処理について説明する。まず、デ
ューティ制御回数Tnが3以上であるか判定される(ス
テップC76)。そして、デューティタイマTdがTmn
以上であるか否か判定される(ステップC77)。ここ
で、最初はTD 、Tmnが共に「0」であるため、「YE
S」と判定される。しかし同ステップC77で「NO」
である場合にはデューティタイマTdが歩進され(ステ
ップC78)、ショックアブソーバ1の減衰力を一段ハ
ードにする処理がステップC79〜82により行われ
る。なお、図示しないが、ステップC78とC79との
間には左右の空気ばね室3間の差圧を解除する1回の制
御においてステップC81またはC82によりショック
アブソーバ1の減衰力を設定した後はステップC78の
処理を終えるとリターンさせるステップが設けられてい
る。
【0065】ところで、上記ステップC77の判定で
「YES」と判定される、つまりデューティタイマTd
がTmnとなるとステップC83以降の処理に進んで、左
右の空気ばね室3間を断続的に連通する処理が開始され
る。まず、上記ステップC44で記憶された左右方向の
加速度gの向きMgが判定される(ステップC83)。
この左右方向の加速度gの向きが左側である場合には、
ステップC84でフロント及びリヤ右ソレノイドバルブ
23,27がオフされているか否か判定される。最初
は、これらバルブ23,27はオンしている(つまり、
差圧状態にある)のでステップC86でオフされる。こ
れにより左右の空気ばね室3が相互に連通されて左側の
空気ばね室3内の空気が右側の空気ばね室3に向けて流
入する。更にステップC87,C88でデューティカウ
ンタTnが歩進され、デューティタイマTmnに「Tmn+
Tm 」(Tnは 0.1 秒程度の定数)がセットされて上
記ステップC1の処理に戻る。そして、Tm秒後にステ
ップC77で「YES」、C83で「左」と判定されて
ステップC84に至る。ステップC84では右側のソレ
ノイドバルブ23,27が既にオフされているので「Y
ES」と判定され、ステップC85に進んでソレノイド
バルブ23,27がオンされる。次いでステップC88
に進んでデューティタイマTmnに「Tmn+Tm 」がセッ
トされる。このようにして、ソレノイドバルブ23,2
7をTm秒間開く処理が3回行われると、つまり左右の
空気ばね室3間の連通が3回実行されるとステップC7
6で「YES」と判定される。そして、ステップC8
9,C90,C91でフロント及びリヤ排気方向切換え
バルブ28,32がオフされ、差圧保持フラグがリセッ
トされ、制御レベルCL=0とされて、一連デューティ
制御が終了される。
【0066】ところで、上記ステップC83の判定で、
「右側」であると判定されるとステップC84〜C87
と同様の処理が左側のソレノイドバルブ22,26に対
して行われる。この処理も3回行われると、上記ステッ
プC89の処理に進んで、一連の処理が終了される。
【0067】以上のように、旋回走行から直進走行に移
行する際にハンドルをゆっくりと戻した場合または加速
度Gの時間的変化Gが小さい場合には、上記一連のデュ
ーティ制御により左右の空気ばね室3間の差圧が徐々に
解消されていくので、各空気ばね室3内が極めて滑らか
に制御前の状態に戻ることができる。
【0068】なお、図15のステップC11の判定で
「NO」と判定された場合には進相フラグPADが
「1」であるかを判定し、「1」であれば前述したステ
ップC55以降の処理に進み、「PAD=0」であれば
ステップC47以降の処理に進む。
【0069】また、4WS用ECU55は前述したよう
にハンドル角速度と車速に応じて後輪舵角指令値δrを
演算し、電磁切換弁71を制御して後輪を一瞬逆相に操
舵するようにしている。このように、旋回初期に後輪を
一瞬逆相制御することにより、車両の回頭性を一層向上
させることができる。
【0070】つまり、図24に示すように旋回時にハン
ドルが操舵され、ハンドル角速度及びハンドル角加速度
が正となり後輪舵角指令値δrが0.1deg 以上ではW
FLGが「1」にセットされ、その間だけ前輪の左右輪
のサスペンションユニットに給気(時刻t1〜t2)す
るようにし、しかも後輪を一瞬逆相に操舵することによ
り、ヨ−レイトを増加させることができると共にロ−ル
角を低減させている。なお、図24中「ECS+4W
S」は本願発明のロ−ル制御及び4輪操舵を行っている
システムを示している。また、ロ−ル角については矢印
Aで示すようにロ−ル制御だけを行っているシステムよ
り大きくなるが、実質的なロ−ル制御の効果に差異はな
い。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、旋
回初期に一瞬前輪側の左右のサスペンションユニットに
給気して後輪側のみロ−ル制御を行ない、前輪両側の接
地荷重を大きくするとともにしかも後輪を一瞬逆相に操
舵するようにしたので、旋回時の車両の後部の尻振り現
象の発生を抑え、車両の回頭時の応答性を大幅に高める
ことができる電子制御サスペンション装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる電子制御サスペンシ
ョン制御装置を示す図。
【図2】同実施例に係わる4輪操舵システムの構成を示
す図。
【図3】三方向弁の駆動、非駆動状態を示す図。
【図4】ソレノイドバルブの駆動、非駆動状態を示す
図。
【図5】給気流量制御バルブの駆動、非駆動状態を示す
図。
【図6】SOFTモ−ドにおける車速−ハンドル角速度マッ
プ。
【図7】AUTOモ−ドにおける車速−ハンドル角速度マッ
プ。
【図8】SPORT モ−ドにおける車速−−ハンドル角速度
マップ。
【図9】Gセンサマップ。
【図10】車速−ハンドル角速度マップによる制御レベ
ルと給排気時間の関係を示す図。
【図11】Gセンサマップによる制御レベルと給排気時
間の関係を示す図。
【図12】車速に対する一瞬逆相係数K3の関係を示す
図。
【図13】本発明の一実施例の動作を示す概略的フロ−
チャ−ト。
【図14】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図15】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図16】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図17】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図18】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図19】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図20】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図21】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図22】ロ−ル制御ル−チンの詳細なフロ−チャ−ト
の一部。
【図23】WFLGセットル−チンを示すフロ−チャ−
ト。
【図24】ハンドル角、エアサス内圧変化、ヨ−レイ
ト、ロ−ル角の時間的変化を示す図。
【符号の説明】
15a…高圧リザ−ブタンク、15b…低圧リザ−ブタ
ンク、19…給気流量制御バルブ、22,23,26,
27…ソレノノイドバルブ、36…コントロ−ルユニッ
ト、36…コントロ−ルユニット、45…圧力センサ、
55…4WS用ECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 131:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体にロ−ルが発生する要因を検出する
    ロ−ル検出手段と、車体に対する支持力を独立に調整可
    能なように流体室が設けられた左右のサスペンションユ
    ニットと、車体のロ−ルを抑制するように上記ロ−ル検
    出手段の検出出力に応じた量だけ上記左右のサスペンシ
    ョンユニットの支持力を変化させる制御手段とを備えた
    車両用サスペンション制御装置において、 後輪を操舵する後輪操舵機構と、 後輪舵角指令値を算出し上記後輪操舵機構を制御して後
    輪を逆相操舵する後輪操舵制御手段と、 上記ロ−ル検出手段によりロ−ルが発生する要因が検出
    された場合に、上記後輪舵角指令値が設定舵角以上であ
    る状態では、前輪側左右のサスペンションユニットの流
    体室に流体を供給すると共に、後輪側左右のサスペンシ
    ョンユニットの支持力に差を設け、上記後輪舵角指令値
    が設定舵角より小さくなると、前後輪の縮み側サスペン
    ションユニットの流体室に流体を供給すると共に、前後
    輪の伸び側のサスペンションユニットの流体室から流体
    を排出するロ−ル制御手段とを具備したことを特徴とす
    る電子制御サスペンション装置。
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