JP2541354B2 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

車両用サスペンション装置

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JP2541354B2
JP2541354B2 JP2254529A JP25452990A JP2541354B2 JP 2541354 B2 JP2541354 B2 JP 2541354B2 JP 2254529 A JP2254529 A JP 2254529A JP 25452990 A JP25452990 A JP 25452990A JP 2541354 B2 JP2541354 B2 JP 2541354B2
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満徳 丸山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は車両旋回路に車体に発生するロールを低減す
る車両用サスペンション装置に関する。
(従来の技術) 従来の車両用サスペンション装置として、例えば特開
昭62−96115号公報あるいは米国特許第3,608,925号明細
書に示されるように、各輪毎に設けられ夫々流体ばね室
を有するサスペンションユニットと、各サスペンション
ユニットの各流体ばね室に夫々供給用制御弁を介して流
体を供給する流体供給装置と、各サスペンションユニッ
トの各流体ばね室から各々排出用制御弁を介して流体を
排出する流体排出装置と、車両の旋回状況を検出する旋
回状況検出手段と、同旋回状況検出手段により検出した
旋回状況に応じて旋回外側の流体ばね室に流体を供給す
ると共に旋回内側の流体ばね室から流体を排出するよう
に各制御弁を制御する制御装置とを備えたものが知られ
ている。
この種サスペンション装置において、制御を開始する
か否かの判定は重要なポイントである。例えば、特開平
2−3507号公報に示される装置においては、車体に作用
する左右方向の加速度が設定加速度以上でありかつその
操舵の方向と左右方向の加速度の方向とで操舵の向きが
切込み側であると判定されたときに、操舵角速度、車速
または左右方向の加速度等の旋回状況を基に制御を開始
するように構成されている。特開平1−111511号公報に
示される装置においては、操舵速度が設定操舵角速度以
上でありかつその操舵の方向と左右方向の加速度の方向
とで操舵の向きが切込み側であると判定されたとき、ま
たは操舵速度が該設定操舵角速度未満であっても左右方
向の加速度が増大する傾向にあるときに、操舵角速度、
車速または左右方向の加速度等の旋回状況を基に制御を
開始するように構成されている。
(発明が解決しようとする課題) これら従来のサスペンション装置は、旋回状況検出手
段により検出された旋回状況に基づきロール制御を実行
する際、車体に作用する左右方向の加速度の大きさが設
定加速度以上であることを開始の条件の一つとしたり、
あるいは該加速度の方向と操舵角速度検出手段により検
出される操舵角速度の方向とに基づき操舵の向きが切込
み側であると判断されることを開始の条件の一つとする
ように構成されているため、加速度検出手段の精度の影
響を受けやすく、特にオイル中にスプリングにより変位
可能となるように支持された部材の変位量を電気的に検
出するタイプ、例えば差動トランス型の加速度センサに
おいては、低温時に該オイルの粘度が高いために比較的
感度が鈍いので、制御開始時期が遅れるという現象が生
じ、このため、特に急操舵時には運転者が違和感を覚え
るという不具合があった。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明は上記の点に鑑み創案されたもので、各輪毎に
設けられ夫々車輪と車体との間に介装された流体ばね室
と、上記各流体ばね室に夫々供給用弁手段を介して流体
を供給する流体供給手段と、上記各流体ばね室から夫々
排出用弁手段を介して流体を排出する流体排出手段と、
操舵状態検出手段により検出された操舵状態と車速検出
手段により検出された車速に基づき車両の旋回状況を検
出する旋回状況検出手段と、上記旋回状況検出手段によ
り検出された旋回状況に応じた制御目標を設定し車体に
生じるロール方向に関して縮み側の上記流体ばね室に対
応する上記供給用弁手段および伸び側の上記流体ばね室
に対応する上記排出用弁手段を上記制御目標に沿って開
くロール制御を実行するロール制御手段とを備えた車両
用サスペンション装置において、車体に作用する左右方
向の加速度を検出する加速度検出手段を備え、上記ロー
ル制御手段は、上記加速度検出手段により検出された値
が設定値より大きい場合は上記旋回状況検出手段により
検出された操舵方向と上記加速度検出手段により検出さ
れた加速度方向とに基づき操舵の向きが切込み側である
と判断したとき上記ロール制御を開始し、上記加速度検
出手段により検出された値が設定値より小さい場合は上
記操舵状態検出手段により検出された操舵角速度が設定
値以上のとき上記ロール制御を開始するように構成され
たことを特徴とする車両用サスペンション装置である。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面に基づき、詳細に説
明する。
第1図において、FS1は左前輪側のサスペンションユ
ニット、FS2は右前輪側のサスペンションユニット、RS1
は左後輪側のサスペンションユニット、RS2は右後輪側
のサスペンションユニットである。これら各ッスペンシ
ョンユニットFS1,FS2,RS1,RS2は夫々互いに同様の構造
を有しているので、前輪用と後輪用または左輪用と右輪
用とを区別して説明する場合を除いて、サスペンション
ユニットは符号Sを用いて説明する。
サスペンションユニットSはショックアブソーバ1を
備えている。このショックアブソーバ1は車輪側に取り
付けられたシリンダと、同シリンダ内に摺動自在に嵌装
されたピストンを有すると共に、上端を車体側に支持さ
れたピストンロッド2とを備えている。また、サスペン
ションユニットSは、このショックアブソーバ1の上部
に、ピストンロッド2と同軸的に、車高調整の機能を有
する空気ばね室3を備えている。この空気ばね室3はそ
の一部をベローズ4により形成されており、ピストンロ
ッド2内に設けられた通路2aを介して、この空気ばね室
3へ空気を給排することにより、車高を上昇または下降
させることができる。
また、ピストンロッド2の中には下端に減衰力を調整
するための弁5aを備えたコントロールロッド5が配設さ
れている。同コントロールロッド5はピストンロッド2
の上端に取付けられたアクチュエータ6により回動され
て弁5aを駆動する。この弁5aの回動によりサスペンショ
ンユニットの減衰力はハード(堅い)、ミディアム(中
間)、ソフト(柔らかい)の3段階に設定される。
コンプレッサ11はエアクリーナ12から取り入れた大気
を圧縮して、ドライヤ13及びチェックバルブ14を介して
高圧リザーブタンク15aに送給する。つまり、コンプレ
ッサ11は、エアクリーナ12から取り入れた大気を圧縮し
てドライヤ13へ供給するので、同ドライヤ13内のシリカ
ゲル等によって乾燥された圧縮空気が高圧リザーブタン
ク15aに溜められることになる。コンプレッサ16は、そ
の吸い込み口を低圧リザーブタンク15bに吐出口高圧リ
ザーブタンク15aに夫々接続されている。18は、低圧リ
ザーブタンク15b内の圧力が第1の設定値(例えば、大
気圧)以上になるとオンする圧力スイッチである。そし
て、コンプレッサ16は同圧力スイッチ18のオン信号を出
力すると、後述するコントロールユニット36からの信号
によりオンするコンプレッサリレー17により駆動され
る。これにより低圧リザーブタンク15b内の圧力は常に
上記第1の設定値以下に保たれる。
そして、この高圧リザーブタンク15aから各サスペン
ションユニットSへの給気は第1図の実線矢印で示すよ
うに行われる。すなわち、高圧リザーブタンク15a内の
圧縮空気は給気流量制御バルブ19、フロント用給気ソレ
ノイドバルブ20、チェックバルブ21、フロント左用ソレ
ノイドバルブ22、フロント右用ソレノイドバルブ23を介
してサスペンションユニットFS1,FS2に送給される。ま
た、同様に高圧リザーブタンク15a内の圧縮空気は給気
流量制御バルブ19、リア用給気ソレノイドバルブ24、チ
ェックバルブ25、リヤ左用ソレノイドバルブ26、リヤ右
用ソレノイドバルブ27を介してサスペンションユニット
RS1,RS2に送給される。
一方、各サスペンションユニットSからの排気は第1
図の破線矢印で示すように行われる。つまり、サスペン
ションユニットFS1,FS2内の圧縮空気は、ソレノイドバ
ルブ22,23、三方向弁から成る排気方向切換えバルブ28
を介して低圧リザーブタンク15b内に送給される場合
と、ソレノイドバルブ22,23、排気方向切換えバルブ2
8、チェックバルブ29、ドライヤ13、排気ソレノイドバ
ルブ31、チェックバルブ46及びエアクリーナ12を介して
大気に排出される場合とがある。同様に、サスペンショ
ンユニットRS1,RS2内の圧縮空気は、ソレノイドバルブ2
6,27、排気方向切換えバルブ32を介して低圧リザーブタ
ンク15b内に送給される場合と、ソレノイドバルブ26,2
7、排気方向切換えバルブ32、チェックバルブ33、ドラ
イヤ13、排気ソレノイドバルブ31、チェックバルブ46及
びエアクリーナ12を介して大気に排出される場合とがあ
る。なお、チェックバルブ29,33とドライヤ13との間に
排気方向切換えバルブ28,32との低圧リザーブタンク15b
とを直接連通する通路と比して小径絞りLが介装された
通路が設けられている。
なお、上述したソレノイドバルブ22,23,26,27,28及び
32は、第2図(A)及び(B)に示すように、ON(通電
状態)で矢印Aのような空気の流通を、OFF(非通電状
態)で矢印Bのような空気の流通を夫々許容する。ま
た、給気ソレノイドバルブ20,24及び排気ソレノイドバ
ルブ31は第3図(A)及び(B)に示すように、ON(通
電状態)で矢印Cのように空気の流通を許容し、OFF
(非通電状態)で空気の流通を禁止する。また、給気流
量制御バルブ19はオフ状態(非通電)では第4図(A)
に示すようにオリフィスOを介して空気が流通するた
め、空気流量は少なく、オン状態(通電)では第4図
(B)に示すようにオリフィスO及び大径路Dを介して
空気が流通するため、空気流量は多くなる。
34Fは車両の前部右側サスペンションのロアアーム35
と車体との間に取り付けられ前部車高を検出する前部車
高センサ、34Rは車両の後部左側サスペンションのラテ
ラルロッド37と車体との間に取り付けられ後部車高を検
出する後部車高センサである。両車高センサ34F及び34R
で夫々検出された信号は、入力回路、出力回路、メモリ
及びマイクロコンピュータを備えたコントロールユニッ
ト36へ供給される。
38は、スピードメータに内蔵された車速センサであ
り、検出した車速信号をコントロールユニット36へ供給
する。39は、車体に作用する加速度を検出する加速度セ
ンサであり、検出した加速度信号をコントロールユニッ
ト36へ供給する。30は、ロール制御モードをソフト(SO
FT)、オート(AUTO)、スポーツ(SPORTS)に選択する
ロール制御モード選択スイッチ、40はステアリングホイ
ール41の回転速度、すなわち、操舵角速度を検出する操
舵センサである。42は図示しないエンジンのアクセルペ
ダルの踏み込み角を検出するアクセル開度センサであ
る。これらロール制御選択スイッチ30、センサ40及び42
の検出した信号はコントロールユニット36に供給され
る。43はコンプレッサ11を駆動するためのコンプレッサ
リレーであり、このコンプレッサリレー43はコントロー
ルユニット36からの制御信号により制御される。44は、
高圧リザーブタンク15a内の圧力が第2の設定値(例え
ば、7kg/cm2)以下になるとオンする圧力スイッチであ
り、この圧力スイッチ44の信号はコントロールユニット
36に供給される。そして、コントロールユニット36は、
高圧リザーブタンク15a内の圧力が第2の設定値以下に
なり、圧力スイッチ44がオンであっても圧力スイッチ18
がオン、つまりコンプレッサ16が駆動しているときは、
コンプレッサ11の駆動を禁止するように構成されてい
る。45はソレノイドバルブ26,27を互いに連通する通路
に設けられた圧力センサであり、リヤ側のサスペンショ
ンユニットRS1,RS2の内圧を検出する。
なお、上述の各ソレノイドバルブ19,20,22,23,24,26,
27,28,31及び32の制御はコントロールユニット36からの
制御信号により行われる。
次に、上記構成を有する本発明の動作を以下について
説明する。
第11図はコントロールユニット36で行われる一連のロ
ール制御を概略的に示すフローチャートである。まず、
悪路判定手段としての悪路判定ルーチン(ステップA1)
において、いわゆる悪路判定処理が行われる。つまり、
この悪路判定ルーチンではフロント車高センサ34Fの出
力変化がMHZ以上(2秒間にN回以上)のときには、悪
路判定として、この時のGセンサ39の不感帯を広げて、
ロール制御の誤操作を少なくしている。そして、ロール
制御手段としてのロール制御ルーチン(ステップA2)に
おいて、ロール制御、つまり縮み側のサスペンションユ
ニットに給気され、伸び側のサスペンションユニットか
らは排気されて、旋回時の車体のロールを防止してい
る。また、このロール制御時の給排気時間は給排気時間
補正手段としての給排気補正ルーチン(ステップA3)に
おいて補正されて、4輪独立の給排気時間が補正されて
求められる。更に、減衰力切換手段としての減衰力切換
ルーチン(ステップA4)において、各サスペンションユ
ニットの減衰力がハード(堅い)、ミディアム(中
間)、ソフト(柔らかい)のうちのいずれか最適なもの
に設定される。
以下、上記ステップA1〜A4の処理について詳細に説明
する。
まず、第12図を参照して悪路判定ルーチン(ステップ
A1)の詳細な動作について説明する。
まず、フロント車高センサ34Fで検出されるフロント
車高Hfが所定時間毎にコントロールユニット36に読み込
まれる。(ステップB1)。なお、第11図に示したメイン
ルーチンにおいて、後述する各種フラグIT,A,B,UP,DNが
「0」に設定されているものとする。フラグITは悪路判
定が開始されると「1」に設定され、フラグAはフロン
ト車高Hfが減少状態から増加状態に移行した時点から再
び減少状態に移行する時点までの間「1」に設定され、
フラグBはフロント車高Hfが増加状態から減少状態に移
行した時点から再び増加状態に移行する時点までの間
「1」に設定され、フラグUPはフロント車高Hfが減少傾
向を維持している場合に「1」に設定され、フラグDNは
フロント車高Hfが増加傾向を示している場合に「1」に
設定される。
まず、ステップB2の最初の判定においては、フラグIT
が「0」であるため、「NO」と判定され、フラグITに
「1」が設定された後、現フロント車高HfがレジスタHA
に記憶され、タイマTCがリセットされる(ステップB3〜
B5)。そして、次にフロント車高Hfがコントロールユニ
ット36に読み込まれた場合には、ステップB2で「YES」
と判定され、タイマTCがインターバル時間INTだけイン
クリメントされる(ステップB6)。そして、現フロント
車高Hfが記憶されている車高HAより小さいか(ステッ
プB7)、あるいは車高HAより大きいか(ステップB22)
判定されて、その判定に応じて後述する処理が行われ
る。例えば、第14図に示すように時刻t0からフロント車
高Hfが入力されているとすると、フロント車高Hfは上昇
傾向にあるので、ステップB22で「HA<Hf」であると判
定され、ステップB23の処理に進む。初期設定におい
て、フラグUPが「0」に設定されているため、「フラグ
DN=1」,「フラグB=0」に設定された後(ステップ
B26,B27)、現フロント車高HfがHAに記憶される(ステ
ップB13)。そして、「A×B=1」か否か、つまり
「A=B=1」か否か判定される(ステップB14)。こ
の判定はフロント車高Hfが増減する場合の増減傾向の反
転時に「A×B=1」となるものである。この段階では
「A=B=0」であるので、ステップB14で「NO」と判
定される。次にステップB16に進んでタイマTCが2秒以
上カウントしているか否かが判定されるが、この時点で
は2秒を経過していないので、ステップB28の判定に進
む。このステップB28の判定で、悪路判定がセットして
いるか判定されるが、まだセットされていないので、リ
ターンされる。その後、時刻t1になるとフロント車高Hf
は下がり始めるため、ステップB7において、「YES」と
判定され、ステップB8の判定に進む。ここで、「フラグ
DN=1」が判定されるが、フラグDNは上記ステップB26
でセットされているので、「YES」と判定されて「フラ
グB=1」,「フラグDN=0」に設定される(ステップ
B9,B10)。その後は、上述した時刻t0の場合と同様にス
テップB13,B14,B16,B18を経てリターンされる。そし
て、第14図に示すように時刻t1〜t2間において、フロン
ト車高Hfが下降し続けるわけであるが、再度ステップB7
で「YES」と判定されて、ステップB8の判定に来たとき
には、フラグDN=0となっているため、第14図に示すよ
うにフラグA=0,UP=1に設定される(ステップB11,B1
2)。
その後、第14図の時刻t2を過ぎて、フロント車高Hfが
上昇し始めると、ステップB22で「YES」と判定されて、
ステップB23の判定に進むが、ここではすでにフラグUP
はセットされているため、フラグA=1とされ、フラグ
UP=0とされる(ステップB24,B25)。
このようにして、第14図に示すようにフロント車高Hf
が上下する場合において、フロント車高Hfが上昇状態か
ら下降状態に移行した時点から再び上昇状態に移行した
時点までの間はフラグBが「1」に設定され、フロント
車高Hfが下降状態から上昇状態に移行した時点から再び
下降状態に移行する時点までの間はフラグAが「1」に
設定されている。そして、ステップB13を経由した後、
ステップB14に進むが、この段階では「A=1」,「B
=1」であるため「A×B=1」となり、ステップB15
に進む。なお、上述したがフラグA及びBが共に「1」
となるのはフロント車高Hfの増減傾向が反転する時のみ
であり、その反転毎に「A×B=1」となる。したがっ
て、ステップB15では、カウンタNCNTが「+1」され
る。つまり、フロント車高Hfの一回の増減によりカウン
タNCNTが「+1」される。そして、タイマTCのカウン
トが2秒を経過するまでは上記の処理が繰り返される
が、タイマTCのカウントが2秒を越えると、タイマTC
がリセットされると共にNCNTの計数値がN以上であるか
判定される(ステップB16〜B18)。つまり、2秒間にフ
ロント車高HfがN回以上増減の反転があったことが検出
されると、悪路であると判定され、NCNT=0,悪路判定が
セットされ、遅延タイマTR=0とされた(ステップB19
〜B21)後、リターンされる。
ところで、ステップB16あるいはB18で「NO」と判定さ
れかつ悪路判定がセットされている場合には、遅延タイ
マTRが時間INTだけインクリメントされ、遅延タイマT
Rが4秒より大きくなると悪路判定がリセットされる
(ステップB29〜B31)。このように、悪路判定は最後の
悪路判定がセットされてから4秒後、すなわちステップ
B18で悪路ではない(「NO」)と判定されてから2秒後
にリセットされることになる。
以上述べたように、悪路判定ルーチンでA1では、フロ
ント車高Hfの増減が反転する毎にステップB15におい
て、カウンタNCNTが「+1」される。そして、2秒間に
おけるカウンタNCNTがN以上である場合には、悪路を意
味する悪路判定がセットされる(ステップB20)。そし
て、この悪路判定は、上記ステップB18で「NO」(つま
り、悪路ではないと判定)と判定されてから2秒後にリ
セットされる(ステップB31)。
次に、第15図のフローチャートを参照してロール制御
ルーチン(ステップA2)の詳細な動作について説明す
る。
まず、車速センサ38で検出される車速V、Gセンサ39
から出力される左右方向の加速度G及びその微分値、
操舵センサ40で検出されるハンドル角速度Hがコント
ロールユニット36に読み込まれる(ステップC1〜C3)。
そして、左右方向の加速度Gの絶対値が設定値(0.05
g)よりも小さいか判定される(ステップC4)。
ステップC4において、「NO」と判定された場合にはハ
ンドル角速度Hが30deg/secより大きいか判定される
(ステップC5)。つまり、ハンドルが操舵されたか判定
される。
ハンドルが操舵された場合には上記ステップC5におい
て、「YES」と判定され、次に「G×H」は正か判定
される(ステップC6)。つまり、左右方向の加速度Gと
ハンドル角速度Hは同一方向であるか判定されるもの
で、「正」と判定された場合には切り込み側、「負」と
判定された場合には切返し側に向けてハンドルが操舵さ
れていることを意味している。上記ステップC6で「YE
S」と判定された場合には、ユーザの好みに応じて選択
される第5図ないし第7図のV−Hマップのいずれか
のマップが参照されていて、車速及びハンドル角速度に
応じた制御レベルTCHが求められる(ステップC7)。こ
のステップC7においては、ロール制御選択スイッチ30に
より、ロール制御モードとしてソフトモードが選択され
ている場合には第5図のマップが、ロール制御モードと
してオートモードが選択されている場合には第6図のマ
ップが、ロール制御モードとしてスポーツモードが選択
されている場合には第7図のマップが選択される。そし
て、各マップと制御レベルTCHに対応して第9図に示す
ような給排気時間及び減衰力が選択される。なお、第5
図〜第7図及び第9図に示されるハンドル角速度H、
車速V、制御レベル、モード、給排気時間及び減衰力の
関係はコントロールユニット36内のメモリに記憶されて
いる。そして、後述する進相フラグPADをリセットした
後、ステップC9に進み、第16図を用いて詳細を後述する
給排気補正ルーチンにより前後輪独立の給排気時間TC
S,TCEが補正されて算出される(ステップC8,C9)。
次に、制御フラグがセット中か否か判定される(ステ
ップC10)。まだ、ロール制御は開始されていないの
で、「NO」と判定されてステップC11に進む。このステ
ップC11において、給排気フラグSEFがセットされている
か判定される。上記した給排気補正ルーチン(ステップ
C9)において給排気フラグSEFがセットされている場合
には、制御フラグがセットされ、給排気タイマT=0と
される(ステップC12,C13)。そして、ステップC14に進
んで差圧保持中、つまり後述の差圧保持フラグがセット
されているか否か判定される。差圧がある場合にはフロ
ント及びリヤの排気方向切換えバルブ28,32がオフされ
て、フロントあるいはリヤから排出される空気を低圧リ
ザーブタンク15bに排出させるようにしている。これ
は、差圧保持中の状態においては排気方向切換えバルブ
28,32がオンであるので、追加の給排気制御を行うため
にはこれら排気方向切換えバルブ28,32をオフにする必
要があるからである。
次に、上記ステップC9の給排気補正ルーチンにおい
て、給排気係数KS=3がセットされているか判定され
(ステップC16)、セットされていない場合(つまり、
KS=1)には給気流量制御バルブ19がオンされて、大
経路D(第4図)が開き給気流量を増大させている(ス
テップC17)。つまり、KS=1は第16図で示すように、
車速−ハンドル角速度マップから制御レベルTCHが求め
られている場合であるため、迅速なロール制御を行うた
めに空気流量を大きくするためである。
次にフロント及びリヤ給気バルブ20,24がオンされる
(ステップC18)。そして、進相フラグPADがセットされ
ているか否か判定されるが、ここでは「NO」と判定され
て(ステップC19)、左右方向の加速度Gの向きがコン
トロールユニット36で判定される(ステップC19,C2
0)。つまり、左右方向の加速度Gの方向が正か負か判
定される。ここで、加速度Gが正である場合には、加速
度Gは進行方向に向かって右側、つまり左旋回であると
判定される。一方、加速度Gが負である場合には加速度
Gは進行方向いに向かって左側、つまり右旋回であると
判定される。従って、加速度Gが右(左旋回)であると
判定されると、フロント及びリヤ左ソレノイドバルブ22
及び26がオンされる(ステップC21)。これにより、左
側のサスペンションユニットの各空気ばね室3内の空気
は夫々オン状態にあるバルブ22,26を介して低圧リザー
ブタンク15b内に排出されると共に、右側のサスペンシ
ョンユニットの各空気ばね室3内へは夫々オン状態にあ
る給気バルブ23,27を介して高圧リザーブタンク15aから
空気が供給される。
一方、加速度Gが左側(右旋回)であると判定される
と、フロント及びリヤ右ソレノイドバルブ23,27がオン
される(ステップC22)。これにより、右側のサスペン
ションユニットの各空気ばね室3内の空気は夫々オン状
態にあるバルブ23,27を介して低圧リザーブタンク15b内
に排出されると共に、左側のサスペンションユニットの
各空気ばね室3内へは夫々オン状態にある給気バルブ2
0,24及びオフ状態にあるバルブ22,26を介して高圧リザ
ーブタンク15aから空気が供給される。
次に、ゆり戻しフラグがリセットされ、上述した差圧
保持フラグがセットされ、デューティタイマTD、デュ
ーティカウンタTn、デューティタイムカウンタTmnがゼ
ロに設定される(ステップC23〜27)。以下、上記ステ
ップC1の処理に戻る。そして、ステップC1〜C9の処理を
経てステップC10の処理に移る。このときは制御フラグ
がセット中であるため、ステップC10で「YES」と判定さ
れてステップC28に進む。そして、このステップC28でタ
イマTがインターバル時間INTを加算されて更新され
る。そして、タイマTの計数値が給気時間TCS以上ある
いはタイマTの計数値が排気時間TCE以上になるまで
は、左右Gの方向に応じて左右のサスペンションユニッ
トの各空気ばね室の給気及び排気を行うロール制御が継
続して行われる。ところで、タイマTの計数値が給気時
間TCS以上になるとステップC29で「YES」と判定され
て、流量制御バルブ19がオフされ、給気ソレノイドバル
ブ20,24がオフされて、給気動作が停止される(ステッ
プC30,C31)。これにより、給気された側の空気ばね室
3は給気時間TCSだけ給気された高圧状態に保持され
る。また、タイマTの計数値が排気時間TCE以上になる
とステップC32で「YES」と判定されて、排気方向切換え
バルブ28,32がオンされ、排気動作が停止される(ステ
ップC33)。これにより、排気された側の空気ばね室3
は排気時間TCEだけ排気された低圧状態に保持される。
そして、左右方向の加速度Gの方向がメモリMgに記憶さ
れ(ステップC34)、「タイマT≧TCS」である場合に
は制御リセットされてロール制御が停止されて、その状
態が保持される(ステップC35,36)。このようにして、
旋回走行時に車体に発生するロールが制御される。
次に、ステップC4において「YES」と判定された場
合、すなわち左右方向の加速度Gの絶対値が0.05gより
小さい場合について説明する。
ハンドル角速度Hの向きがコントロールユニット36
で判定され、メモリMHに記憶された後、ユーザの好
みに応じて選択される第5図ないし第7図のV−Hマ
ップのいずれかのマップが参照され、高速及びハンドル
角速度に応じた制御レベルTCHが求められる(ステップ
C39,C40)。そして、制御レベルTCHがV−Hマップ
の領域以上であるか判定され(ステップC41)、「N
O」と判定された場合はステップC5に進み、以後、前述
したステップC4において「NO」と判定された場合と同様
の処理がなされる。一方、「YES」と判定された場合は
進相フラグPADをセットして、後述する給排気補正ルー
チンにより前後輪独立の給排気時間TCS,TCEが補正され
て算出される(ステップC42,C9)。なお、進相フラグPA
Dは、検出される左右方向の加速度Gが0.05gより小さい
ときに、ハンドル角速度Hのみの方向検知を行い、な
おかつ上記制御レベルがV−Hマップの領域以上で
あれば、即刻ロール制御を開始するという際にたてられ
るものである。
次に、制御フラグがセット中か否か判定される(ステ
ップC10)。まだ、ロール制御は開始されていないの
で、「NO」と判定されてステップC11に進む。このステ
ップC11において、給排気フラグSEFがセットされている
か判定される。上記した給排気補正ルーチン(ステップ
C9)において給排気フラグSEFがセットされている場合
には、制御フラグがセットされ、給排気タイマT=0と
される(ステップC12,C13)。そして、ステップC14に進
んで差圧保持中、つまり後述の差圧保持フラグがセット
されているか否か判定される。差圧がある場合にはフロ
ント及びリヤの排気方向切換えバルブ28,32がオフされ
て、フロントあるいはリヤから排出される空気を低圧リ
ザーブタンク15bに排出させるようにしている。
次に、上記ステップC9の給排気補正ルーチンにおい
て、給気係数KS=3がセットされているか判定され
(ステップC16)、セットされていない場合(つまり、
KS=1)には給気流量制御バルブ19がオンされて、大
経路D(第4図)が開き給気流量を増大させている(ス
テップC17)。
次に、フロント及びリヤ給気バルブ20,24がオンされ
る(ステップC18)。そして、進相フラグPADがセットさ
れているので、ハンドル角速度Hの向きがコントロー
ルユニット36で判定される(ステップC19,C43)。つま
り、ハンドル角速度Hの方向が正か負か判定される。
ここで、ハンドル角速度Hが正である場合には、ハン
ドル角速度Hは進行方向に向かって右側、つまり左旋
回であると判定される。一方、ハンドル角速度Hが負
である場合には、ハンドル角速度は進行方向に向かって
左側、つまり右旋回であると判定される。従って、ハン
ドル角速度Hが右(左旋回)であると判定されると、
フロント及びリヤ左ソレノイドバルブ22及び26がオンさ
れる(ステップC21)。これにより、左側のサスペンシ
ョンユニットの各空気ばね室3内の空気は夫々オン状態
にあるバルブ22,26を介して低圧リザーブタンク15b内に
排出されると共に、右側のサスペンションユニットの各
空気ばね室3内へは夫々オン状態にある給気バルブ23,2
7を介して高圧リザーブタンク15aから空気が供給され
る。
一方、ハンドル角速度Hが左側(右旋回)であると
判定されると、フロント及びリヤ右ソレノイドバルブ2
3,27がオンされる(ステップC22)。これにより、右側
のサスペンションユニットの各空気ばね室3内の空気は
夫々オン状態にあるバルブ23,27を介して低圧リザーブ
タンク15b内に排出されると共に、左側のサスペンショ
ンユニットの各空気ばね室3内へは夫々オン状態にある
給気バルブ20,24及びオフ状態にあるバルブ22,26を介し
て高圧リザーブタンク15aから空気が供給される。
次に、ゆり戻しフラグがリセットされ、上述した差圧
保持フラグがセットされ、デューティタイマTD、デュー
ティカウンタTn、デューティタイムカウンタTmnがゼロ
に設定される(ステップC23〜27)。以下、上記ステッ
プC1の処理に戻る。そして、ステップC1〜C9の処理を経
てステップC10の処理に移る。このときは制御フラグが
セット中であるため、ステップC10で「YES」と判定され
てステップC28に進む。そして、このステップC28でタイ
マTがインターバル時間INTを加算されて更新される。
そして、タイマTの計数値が給気時間TCS以上あるいは
タイマTの計数値が排気時間TCE以上になるまでは、左
右Gの方向に応じて左右のサスペンションユニットの各
空気ばね室の給気及び排気を行うロール制御が継続して
行われる。ところで、タイマTの計数値が給気時間TCS
以上になるとステップC29で「YES」と判定されて、流量
制御バルブ19がオフされ、給気ソレノイドバルブ20,24
がオフされて、給気動作が停止される(ステップC30,C3
1)。これにより、給気された側の空気ばね室3は給気
時間TCSだけ給気された高圧状態に保持される。また、
タイマTの計数値が排気時間TCE以上になるとステップ
C32で「YES」と判定されて、排気方向切換えバルブ28,3
2がオンされ、排気動作が停止される(ステップC33)。
これにより、排気された側の空気ばね室3は排気時間T
CEだけ排気された低圧状態に保持される。そして、左右
方向の加速度Gの方向がメモリMgに記憶され(ステップ
C34)、「タイマT≧TCS」である場合には制御リセッ
トされてロール制御が停止されて、その状態が保持され
る(ステップC35,36)。
このように、左右方向の加速度Gの絶対値が0.05gよ
り小さいときにハンドル角速度Hのみの方向検知を行
い、なおかつ車速及びハンドル角速度に応じた制御レベ
ルTCHがV−Hマップの領域以上、つまりハンドル
が急操舵された場合はただちにロール制御が開始される
ことにより、出願人の行った実験によれば左右方向の加
速度Gの絶対値が0.05g以上のとき、ハンドル角速度
Hの方向と左右方向の加速度Gの方が一致したことを検
知してからロール制御を開始する場合に比較して約100m
secロール制御開始時期が早められる。
したがって、初期ロールが大幅に低減され、過渡操舵
での操安性が向上する。
また、上記ロール制御開始の条件として車速及びハン
ドル角速度に応じた制御レベルTCHがV−Hマップの
領域以上であることが設定されているため、閾値とし
てのハンドル角速度も充分大きな値となり、悪路でのハ
ンドルのブレによる誤動作を防止することができる。
更に、上記ロール制御開始の条件として、方向の検知
はハンドル角速度Hの方向のみと設定したため、左右
方向の加速度Gを測定するGセンサの応答性に影響され
ることなく、ロール制御開始時期は一定の性能を得るこ
とができる。
すなわち、上記ロール制御開始はV−Hマップの領
域以上であることのみを条件として、操舵の向きが切
込み側であるか否かは条件としていないが、非制御状態
(ハンドルがほぼ中立にある状態)において上述のよう
にV−Hマップの領域以上になったということは、
そのときのハンドル角速度も充分に大きな値であり、極
く短時間後に必ずハンドルが切込み側に向けて操舵され
ることを意味するため、操舵の方向と車体に作用する左
右方向の加速度に基づき操舵の向きが切込み側であるか
否かを判定しなくても何んら不具合が生じることがな
い。
以上の処理はハンドルアが急激に操舵された場合につ
いてのべたが、「H≦30deg/sec」の場合でも「G×
」が正である場合には(ステップC37)、第8図のG
センサマップが参照されて制御レベルTCGが求められ、
以下TCHを求めた場合と同様の処理が行われて、ロール
制御が行われる。第8図においてV1は30km/h、V2は130k
m/hに設定されている。この制御レベルTCGに対応する
給排気時間及び減衰力は第10図から求められる。やは
り、第8図及び第10図に示される左右G、車速V、制御
レベル、モード、給排気時間及び減衰力の関係は、コン
トロールユニット36内のメモリに記憶されている。この
第8図及び第10図から明らかなように、やはりこのGセ
ンサマップから最終的に求められる給排気時間は制御ス
イッチ30により選択されたモードに応じて異なるもので
ある。なお、第10図にソフトモードの記載がないが、こ
れはソフトモードが選択された場合、Gセンサマップに
おいては制御レベルが常にゼロであることを意味する。
なお、後で給排気時間補正ルーチンC7の説明において詳
述するが、本装置においては前輪側の給排気時間と後輪
側の給排気時間とが互いに異なるように設定されてい
る。それ故、給排気時間のカウント及びそれに基づき給
排気制御は前輪側と後輪側とで独立して行われる。
ところで「H>30deg/sec」であり、「G×H」
が負の場合、進相フラグPADがセットされているか判定
され、セットされていなければ「NO」と判定され、次に
「G×」が正か否か判定される(ステップC5,C6,C44,
C37)。また、ステップC5において「NO」と判定された
場合もこのステップC37に進み、「G×」が正か否か
判定される。「G×」が負の場合、つまりハンドルが
戻し側にある場合には第6図のマップが参照されて戻し
側の車速ーハンドル角速度マップが参照されて(ステッ
プC45)、しきい値HMが求められ、戻し側のハンドル
角速度H≧HMであるかが判定される(ステップC4
6)。このステップC46で「YES」と判定された場合には
左右方向の加速度Gの時間的変化Gが0.6g/sec以上であ
るか判定される(ステップC47)。ここで、上記ステッ
プC46及びC47で「YES」と判定された場合、つまり旋回
走行から直進走行に移行する際にハンドルを急激にその
中立位置に向けて戻しかつ加速度Gの時間的変化が大
きい場合には、車体がその中立状態を通り過ぎて反対側
へロールする所謂ゆり戻しが発生してしまうので、これ
を防止するためにステップC48以降の処理を行う。ステ
ップC48ではゆり戻しがセットされているか判定され
る。ここでは、初めてこのステップS48に来た場合には
ゆり戻しフラグはセットされていないので、「NO」と判
定されてゆり戻しフラグがセットされ、ゆり戻しタイマ
TYが「0」にセットされる(ステップC49,C50)。そし
て、進相フラグPADがリセットされており、メモリMgに
記憶された加速度Gが左(右旋回)であると判定される
と、フロント及びリヤ右のソレノイドバルブ23,27がオ
フされ、また加速度Gが右(左旋回)であると判定され
ると、フロント及びリヤ左のソレノイドバルブ22,26が
オフされて、左右のサスペンションユニットの空気ばね
室3が互いに連通される(ステップC52〜C54)。これに
より、左右のサスペンションユニットの各空気ばね室3
間の連通時間が早められるので、ロール制御により生じ
ていた左右の空気ばね室3間の差圧が上記車体のゆり戻
しを増長することが防止される。また、フロント及びリ
ヤ給気バルブ20,24がオフされ、排気方向切換えバルブ2
8,32がオフされ、差圧保持フラグがリセットされると共
に、制御レベルCL=0とされ、制御フラグもリセットさ
れて、上記ステップC1の処理に戻る(ステップC55〜C5
9)。そして、上記ステップC46及びC47で「YES」と判定
されて、ステップC48に進んだ場合には、すでにゆり戻
しフラグがセットされているので、ステップC60以降の
ゆり戻しルーチンへ進む。
つまり、タイマTYの計数値が歩進され、タイマTYの
計数値が0.25秒以上であるか判定される(ステップC60,
C61)。このステップC61において、「NO」と判定された
場合には上記ステップC1の処理に戻り、以降の処理を経
てタイマTYが歩進されてタイマTYの計数値が0.25秒以
上になると再度タイマTYの計数値が2.25秒以上である
か判定される(ステップC62)。従って、タイマTYの計
数値が0.25秒以上で2.25秒より小さい場合には、上記ス
テップC62で、「NO」と判定されてステップC63以降の処
理に進む。このステップC63の判定で、左右方向の加速
度Gが判定されて、メモリMgの向きが右であると判定さ
れると、フロント及びリヤ左のソレノイドバルブ22,26
がオンされ、左右方向の加速度Gが左であると判定され
ると、フロント及びリヤ右のソレノイドバルブ23,27が
オンされる。更に、排気方向切換えバルブ28,32がオン
される(ステップC63〜C66)。このステップC64,C65の
処理によりフロント及びリヤのサスペンションユニット
のばね定数を大きくすることができる。このようにし
て、ハンドル角速度Hが第6図の閾値以上で、戻り側
の左右方向の加速度Gの時間的変化が0.6g/sec以上にな
った場合には直ちに左右の空気ばね室3を相互に連通さ
せ、これによりロール制御により生じていた左右の空気
ばね室3間の差圧が上記車体のゆり戻しを増長すること
が防止される。更に、その0.25秒後に2秒間だけ左右の
連通を閉じ、これにより車体その中立状態に戻った頃に
各空気ばね室3のばね定数が大きくなって反対側への車
体のロールが低減される。そして、2.25秒経ると、上記
ステップC62において「YES」と判定されてゆり戻しフラ
グがリセットされて、ゆり戻し処理が終了される(ステ
ップC67)。以下、上記ステップC51以降の処理が行わ
れ、その後に上記ステップC1以降の処理が行われる。な
お、左右方向の加速度Gが0.05gより小さいときに、ハ
ンドル角速度Hのみの方向検知を行い、なおかつ車速
及びハンドル角速度に応じた制御レベルTCHがV−H
マップの領域以上であった場合に(ステップC4,C39,C
40,C41)、ステップC42以降の処理により即ちにロール
制御が開始されたものの、その後、すぐにハンドルを戻
したとき(ステップC1〜C6)には、ステップC6におい
て、「G×H」が負と判定され、ステップC44に進
む。ステップC44では進相フラグPADがセットされている
ため、「YES」と判定され、ステップC68に進む。そし
て、ハンドルを戻す前に操舵していた方向(両者の操舵
方向は反対)、つまりメモリMHに記憶されたいハン
ドル角速度Hが左であると判定されると、フロント及
びリヤ右のソレノイドバルブ23,27がオフされ、ハンド
ル角速度Hが右であると判定されると、フロント及び
リヤ左のソレノイドバルブ22,26がオフされて、左右の
サスペンションユニットの空気ばね室3が互いに連通さ
れる(ステップC68,C53,C54)。これにより、左右のサ
スペンションユニットの各空気ばね室3間の連通時間が
早められるので、ロール制御により生じていた左右の空
気ばね室3間の差圧が上記車体のゆり戻しを増長するこ
とが防止される。また、フロント及びリヤ給気バルブ2
0,24がオフされ、排気方向切換えバルブ28、32がオフさ
れ、差圧保持フラグがリセットされると共に、制御レベ
ルCL=0とされ、制御フラグもリセットされて、上記ス
テップC1の処理に戻る(ステップC55〜C59)。このよう
に、左右方向の加速度Gが0.05gより小さいときにハン
ドル角速度Hのみの方向検知を行い、なおかつ車速及
びハンドル角速度に応じた制御レベルTCHがV=Hマ
ップの領域以上であれば、即ちにロール制御を開始す
るが、その後、すぐにハンドルを戻した時には即ちに左
右のサスペンションユニットの各空気ばね室間が連通さ
れ、ロール制御は解除される。
ところで、上記ステップC46あるいはC47で「NO」と判
定された場合、つまり旋回走行から直進走行に移行する
際にハンドルをゆっくりと戻した場合または加速度Gの
時間的変化が小さい場合には、上述したゆり戻しに関
する制御では適わないので、以下に述べる制御を行う。
すなわち、先ずゆり戻しフラグがセットされているか判
定され(ステップC69)、セットされている場合には、
上記ステップC60以降の処理に進む。これは、実際には
ゆり戻しに関する制御の過程において該当し得る。
一方、上述の旋回走行から直進走行にゆっくりと移行
する際には揺り戻しフラグがセットされることがないの
で、ステップC69で「NO」と判定され、次いで左右方向
の加速度Gが不感帯レベルにあるか、つまり「G≦G
0」であるか判定され(ステップC70)、不感帯レベルで
ある場合には、差圧保持中であるか判定され(ステップ
C71)、差圧保持中であれば、ステップC72以降の処理に
進んで、左右の空気ばね室3間の差圧をデューティ制御
により徐々に解除する処理に移る。
以下、ステップC72以降で行われるデューティ制御ル
ーチンの処理について説明する。
まず、デューティ制御回数Tnが3以上であるか判定さ
れる(ステップC72)。そして、デューティタイマTDが
Tmn以上であるか否か判定される(ステップC73)。ここ
で、最初はTD、Tmnが共に「0」であるため、「YES」
と判定される。しかし、同ステップC73で「NO」である
場合にはデューティタイマTDが歩進され(ステップC7
4)、ショックアブソーバ1の減衰力を一段ハードにす
る処理がステップC75〜C78により行われる。なお、図示
しないが、ステップC74とC75との間には左右の空気ばね
室3間の差圧を解除する1回の制御においてステップC7
7またはC78によりショックアブソーバ1の減衰力を設定
した後はステップC74の処理を終えるとリターンさせる
ステップが設けられている。
ところで、上記ステップC73の判定で「YES」と判定さ
れる、つまりデューティタイマTDがTmnとなるとステッ
プC79以降の処理に進んで、左右の空気ばね室3間を断
続的に連通する処理が開始される。まず、上記ステップ
C34で記憶された左右方向の加速度Gの向きMgが判定さ
れる(ステップC79)。この左右方向の加速度Gの向き
が左側である場合には、ステップC80でフロント及びリ
ヤ右ソレノイドバルブ23,27がオフされているか否か判
定される。最初は、これらバルブ23,27はオンしている
(つまり、差圧状態にある)のでステップC82でオフさ
れる。これにより左右の空気ばね室3内が相互に連通さ
れて、左側の空気ばね室3内の空気が右側の空気ばね室
に向けて流入する。更に、ステップC83,C84でデューテ
ィカウンタTnが歩進され、デューティタイマTmnに「Tmn
+Tm」(Tmは0.1秒程度の定数)がセットされて上記ス
テップC1の処理に戻る。そして、Tm秒後にステップC73
で「YES」、C79で「左」と判定されてC80に至る。ステ
ップC80では右側のソレノイドバルブ23,27が既にオフさ
れているので「YES」と判定され、ステップC81に進んで
ソレノイドバルブ23,27がオンされる。次いでステップC
84に進んでデューティタイマTmnに「Tmn+Tm」がセット
される。このようにして、ソレノイドバルブ23,27をTm
秒間開く処理が3回行われると、つまり左右の空気ばね
室3間の連通が3回実行されるとステップC72で「YES」
と判定される。そして、ステップC85,C86,C87でフロン
ト及びリヤ排気方向切換えバルブ28,32がオフされ、差
圧保持フラグがリセットされ、制御レベルCL=0とされ
て、一連のデューティ制御が終了される。
ところで、上記ステップC79の判定で、「右側」であ
ると判定されるとステップC80〜C82と同様の処理が左側
のソレノイドバルブ22,26に対して行われる。この処理
も3回行われると、上記ステップC85の処理に進んで、
一連の処理が終了する。
以上のように、旋回走行から直進走行に移行する際に
ハンドルをゆっくりと戻した場合または加速度Gの時間
的変化が小さい場合には、上記一連のデューティ制御
により左右の空気ばね室3間の差圧が徐々に解消されて
いくので、各空気ばね室3内が極めて滑らかに制御前の
状態に戻ることができる。
次に、第16図を参照して上記したステップA3給排気補
正ルーチンについて詳細に説明する。
まず、圧力センサ45から信号によりリヤ側のサスペン
ションユニットRS1,RS2内圧が検出される(ステップD
2)。次に、第8図のGセンサマップから求められた制
御レベルTCGあるいは第5図〜第7図のハンドル角速度
−車速マップの1つから求められた制御レベルTCHと制
御レベルCLとが比較され(ステップD3,D4)、制御レベ
ルCLより大きい制御TCGあるいはTCHが求められた場合
には、それが制御レベルCLに記憶される(ステップD8,D
17)。なお、制御レベルレジスタCLは初期値として、
「0」が設定される。
一方、上記制御レベルTCGあるいはTCHのいずれもが
制御レベルCLよりも小さいと判定された場合には、給排
気フラグSEFがリセットされ、減衰力切換え位置がリセ
ットされ、制御レベルTCG及びTCHに不感帯レベル
「1」がセットされる(ステップD5〜D7)。
ところで、上記ステップD8において制御レベルCLに制
御レベルTCGが設定された後、「TCH≦1」である場合
(つまり、車体に作用する横加速度が小さい場合)には
給排気係数KSに「3」が設定される(ステップD10)。
一方、「TCH>1」である場合(つまり、車体に作用す
る横加速度が大きい場合)には給排気係数KSに「1」
が設定される(ステップD11)。また、上記ステップD17
において制御レベルCLに制御レベルTCHが設定された場
合には、給排気係数KSに「1」が設定される(ステッ
プD11)。そして、上記ステップD10あるいはD11の後に
給排気制御を行う必要があることを示す給排気フラグSE
Fがセットされ(ステップD12)、第15図のロール制御ル
ーチンにより、給排気が行われる。そして、第12図の悪
路判定ルーチンにより設定される悪路判定がセットされ
ているか判定される(ステップD13)。このステップD13
において、悪路判定がセットされていると判定された場
合には、制御レベルTCGが「2」であるか判定され(ス
テップD14)、制御レベルが「2」である場合には給排
気フラグSEFがリセットされて、制御レベルTCGに不感
帯レベル「1」が設定される(ステップD15,D16)。つ
まり、第13図に示すように、悪路判定時に制御レベルT
CGが「2」の場合には通常時であれば150msecの給排気
時間にロール制御が行われるのが、給排気時間が「0」
とされて、ロール制御が行われない。つまり、悪路走行
時のように悪路判定がされている場合にはGセンサの不
感帯幅を広げることにより、悪路でのロール制御の誤動
作を防止している。
ところで、上記ステップD7,D13,D14,D16の処理が終了
された後に、求められた制御レベルTCHあるいはTCGよ
り第9図あるいは第10図の図が参照されて制御レベルT
CH,TCGに応じた給排気の基本時間TCが求められる(ステ
ップD18)。次に、圧力センサ45によりリヤ側のサスペ
ンションユニットRS1,RS2の内圧(リヤ内圧)が検出さ
れ、このリヤ内圧より第17図のフロント内圧−リヤ内圧
特性図が参照されてフロント内圧が推定される。なお、
このフロント内圧−リヤ内圧特性図について、もう少し
詳しく説明すると、次のとおりである。
すなわち、一般的な乗用車において前席に1名、後席
に2名乗車した場合と、前席に2名、後席に1名乗車し
た場合とを比べると、厳密にはこの特性図通りにはなら
ない。しかしあらゆる乗車パターンを考慮して各パター
ンに近似する特性線図を作成することにより、概ねリヤ
内厚から実際のフロント内圧の近い値を求められること
が実験により確認されている。また、同第17図の特性図
において、ハイ車高、ノーマル車高及びロー車高の3つ
の特性が示されているが、これはハイ車高、ノーマル車
高及びロー車高の夫々でリヤ内圧とフロント内圧との関
係が異なるためである。なお、当然のことながら、この
特性図はそのときの車高に適うものが利用される。この
ようにして推定されたフロント内圧及び上記圧力センサ
45から求められたリヤ内圧より第18図の給排気補正係数
特性図が参照されてフロント側及びリヤ側の給気補正係
数PS、フロント側及びリヤ側の排気補正係数PEが求めら
れる(ステップD19)。この第18図において、サスペン
ションの内圧が高い場合には給気時間は内圧が低い場合
よりも、同一量の空気を供給するのに要する時間が長く
要求されるため、補正係数PSは内圧P0に比例しており、
サスペンションの内圧が高い場合には排気時間は内圧が
低い場合いよりも、同一量の空気を供給するのに要する
時間が短くてすむため、補正係数PEは内圧P0に比例して
いる。
次に、コンプレッサ16(リターンポンプ)が停止中で
あるか判定され(ステップD20)、停止中である場合、
つまり高圧リザーブタンク15aと低圧リザーブタンク15b
との圧力差が大きい場合には、サスペンションの給排気
は短い時間でも空気流量が大きいので、初期係数FK=0.
8とされる(ステップD21)。一方、停止中でない場合、
つまり高圧リザーブタンク15aと低圧リザーブタンク15a
との圧力差が小さい場合には、初期係数FK=1とされ、
給排気時間の補正は行われない(ステップD22)。次
に、すでに求められている給気の基本時間TCに供給補
正係数PS、給気係数KS及び初期係数FKが乗算されて、
補正された給気時間TCSが求められる(ステップD2
3)。また、すでに求められている給気の基本時間TCに
排気補正係数PE及び初期係数FKが乗算されて、補正さ
れた排気時間TCEが求められる(ステップD24)。な
お、これら給気時間TCS及び排気時間TCEは、前輪側と
後輪側とで夫々互いに異なる補正係数をもっているので
個々に求められる。
次に、第9図及び第10図が参照されて制御レベルTC
G,TCHに応じた減衰力切換位置が求められ、減衰力目標
値DSTにその位置が設定される(ステップD25)。次に、
悪路判定がセットされている場合には、減衰力目標値DS
Tがハードであれば、ミディアムに変更される(ステッ
プD26〜D28:これらのステップは減衰力制御手段に相当
する)。これにより、悪路走行時における車輪の路面に
対する追従性が向上する。
次に、第19図及び第20図を参照して減衰力切換えルー
チン(ステップA4)について説明する。
まず、制御レベルTCHまたはTCGに基づき第9図また
は第10図から求められた減衰力目標値DSTがマニュアル
で設定された減衰力値MDSTより大きいか判定され(ステ
ップE1)、大きい場合には減衰力現在値DDSTが減衰力目
標値DSTに等しくなるように減衰力の切換えが行われる
と共にタイマTDSがリセットされる(ステップE2〜E
4)。なお、減衰力値MDSTとはSOFTモード及びAUTOモー
ドで「SOFT」、SPORTモードで「HARD」に設定される。
そして、減衰力現在値DDSTが減衰力目標値DSTに等しく
なると、タイヤTDSにより2秒が計数されるまで、タイ
マTDSがカウトンされる(ステップE5,E6)。そして、
タイマTDSにより2秒が計数されると、タイマTDSがリ
セットされる(ステップE7)。そして差圧保持中でなけ
れば、マニュアルで設定された減衰力値MDSTに復帰され
る(ステップE9)。
一方、上記ステップE8で差圧保持中である、つまりロ
ール制御の保持中であると判定された場合には、減衰力
を一段階落とす処理が次のステップE10〜E12において行
われる。つまり、減衰力現在値DDSTがハードであれば、
減衰力がミディアムされ、減衰力現在値DDSTがミディア
ムであれば、減衰力がソフトにされる。なお、ステップ
E8とE10との間には、図示しないが、一連の差圧保持中
である期間においてステップE11またはE12で減衰力が変
更された後は、ステップE8で「YES」と判定されたとき
にステップE10,E11,E12は経由せずにリターンさせるス
テップが設けられている。
以上のようにして、第20図に示すように制御レベルに
基づき求められた減衰力目標値DSTがマニュアルで設定
された減衰力MDSTより高い減衰力が設定された場合に
は、高い減衰力に2秒間切換えた後、ロール制御のホー
ルド中は減衰力を一段落とすようにしている。これによ
り、マニュアルで設定された減衰力にかかわらず、ロー
ル制御時のサスペンションに最もロール剛性を必要とす
るときに適切にショックアブソーバ1の減衰力が増大さ
れるので、旋回走行初期時のロール制御がより効果的に
行われる。また差圧保持中はショックアブソーバ1が一
段低い減衰力に切換わるので、その間の乗心地が極端に
劣化することを防止できる。更に、差圧保持が解除され
た後はマニュアルで設定された乗員の好みの減衰力に自
動的に復帰するので、乗員がその都度減衰力を元に戻す
といった煩雑さを解消できる。なお、上記実施例は空圧
式のサスペンション装置であるが、本発明は他のタイ
プ、例えばハイドロニューマチックタイプのサスペンシ
ョン装置においても同様に実施することができる。ま
た、上記実施例において、ロール量検出手段として、第
5図〜第8図に示されるマップが用いられているが、本
発明は、例えば車速と操舵角とからロール量を検出する
ように構成することも可能である。
更に、本実施例は検出されたロール量から給排気時間
を求め、同給排気時間に基づき各空気ばね室3の給排気
制御を行うものである。しかし、本発明は、各流体ばね
室内の圧力を検出する圧力センサを設けると共に、与え
られた制御目標及び上記圧力センサの検出値に基づきフ
ィードバック制御を行うサーボバルブにより各流体ばぬ
室内の流体の圧力を制御するように構成されたタイプの
サスペンション装置であっても同様に実施することが可
能である。
(発明の効果) 以上詳述したように本発明によれば、車体の左右方向
に作用する加速度を検出する加速度検出手段により検出
された加速度が設定値より小さい場合には、操舵状態検
出手段により検出された操舵角速度が設定値以上のとき
直ちにロール制御を開始するため、上記加速度検出手段
により検出された値が大きい場合は、旋回状況検出手段
により検出された操舵方向と上記加速度検出手段により
検出された加速度方向とに基づき操舵の向きが切込み側
であると判定してからロール制御を開始する場合に比較
して制御開始時期が早められる。したがって、急操舵時
におけるい初期ロールが大幅に低減され、過渡操舵での
操安性が向上する。
また、旋回のために上記の設定値より小さい操舵角速
度でもって操舵を行ったときは、車体に作用する左右方
向の加速度が設定値をこえ、かつ操舵方向と加速度の方
向とに基づき操舵の向きが切込み側であると判定されて
から制御を開始することになるので、例えば運転車がハ
ンドルをその中立位置付近にて小さい操舵角速度でもっ
て小きざみに左右に回動させる意味のない操作を行って
も制御が開始されず、これにより無用な制御は確実に防
止される。なお、このときは、操舵角速度が小さいの
で、車体に生じるロールの立ち上がりもゆっくりであ
り、実際に車体に左右方向の加速度が生じて操舵の向き
が切込み側であると判定してから制御を開始しても、車
体のロールに対する制御開始が遅れることによる乗員が
感じる違和感はほとんどなく、不具合が生じることがな
い。
このように、本発明によれば、上記従来装置の不具合
を確実に防止できる車両用サスペンション装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わる車両用サスペンショ
ン装置を示す図、第2図は三方向弁の駆動、非駆動状態
を示す図、第3図はソレノイドバルブの駆動、非駆動状
態を示す図、第4図は給気流量制御バルブの駆動、非駆
動状態を示す図、第5図はSOFTモードにおける車速−ハ
ンドル角速度マップ、第6図はAUTOモードにおける車速
−ハンドル角速度マップ、第7図はSPORTモードにおけ
る車速−ハンドル角速度マップ、第8図はGセンサマッ
プ、第9図は車速−ハンドル角速度マップによる制御レ
ベルと給排気時間の関係を示す図、第10図はGセンサマ
ップによる制御レベルと給排気時間の関係を示す図、第
11図は本発明の一実施例の動作を示す概略的フローチャ
ート、第12図は悪路判定ルーチンを示す詳細なフローチ
ャート、第13図は通常時と悪路判定時のGセンサマップ
を示す図、第14図は車高センサの出力変化に伴う状態の
変化を示す図、第15図はロール制御ルーチンの詳細なフ
ローチャート、第16図は給排気補正ルーチンの詳細なフ
ローチャート、第17図はリヤ内圧−フロント内圧特性
図、第18図はエアサス内圧P0と給気・排気補正係数特性
図、第19図は減衰力切換ルーチンの詳細なフローチャー
ト、第20図は減衰力の経時変化を示す図である。 15a……高圧リザーブタンク、15b……低圧リザーブタン
ク、19……給気流量制御バルブ、22,23,26,27……ソレ
ノイドバルブ、36……コントロールユニット、45……圧
力センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 満徳 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 谷口 泰孝 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 石田 一実 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 諸泉 晴彦 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 審査官 小椋 正幸 (56)参考文献 特開 昭61−81214(JP,A) 実開 昭59−35204(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各輪毎に設けられ夫々車輪と車体との間に
    介装された流体ばね室と、上記各流体ばね室に夫々供給
    用弁手段を介して流体を供給する流体供給手段と、上記
    各流体ばね室から夫々排出用弁手段を介して流体を排出
    する流体排出手段と、操舵状態検出手段により検出され
    た操舵状態と車速検出手段により検出された車速に基づ
    き車両の旋回状況を検出する旋回状況検出手段と、上記
    旋回状況検出手段により検出された旋回状況に応じた制
    御目標を設定し車体に生じるロール方向に関して縮み側
    の上記流体ばね室に対応する上記供給用弁手段および伸
    び側の上記流体ばね室に対応する上記排出用弁手段を上
    記制御目標に沿って開くロール制御を実行するロール制
    御手段とを備えた車両用サスペンション装置において、
    車体に作用する左右方向の加速度を検出する加速度検出
    手段を備え、上記ロール制御手段は、上記加速度検出手
    段により検出された値が設定値より大きい場合は上記旋
    回状況検出手段により検出された操舵方向と上記加速度
    検出手段により検出された加速度方向とに基づき操舵の
    向きが切込み側であると判断したとき上記ロール制御を
    開始し、上記加速度検出手段により検出された値が設定
    値より小さい場合は上記操舵状態検出手段により検出さ
    れた操舵角速度が設定値以上のとき上記ロール制御を開
    始するように構成されたことを特徴とする車両用サスペ
    ンション装置。
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