JPH0523820B2 - - Google Patents

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JPH0523820B2
JPH0523820B2 JP11981185A JP11981185A JPH0523820B2 JP H0523820 B2 JPH0523820 B2 JP H0523820B2 JP 11981185 A JP11981185 A JP 11981185A JP 11981185 A JP11981185 A JP 11981185A JP H0523820 B2 JPH0523820 B2 JP H0523820B2
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Japan
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membrane
polymer
formula
group
membranes
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JP11981185A
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Kyohide Matsui
Kazuhiko Ishihara
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Sagami Chemical Research Institute
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Sagami Chemical Research Institute
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、支持体と、ポリ〔ポリフルオロアル
キル(メタ)アクリレート〕鎖をグラフト鎖とし
て有するグラフト共重合体とから成る複合膜に関
する。 本発明の複合膜は、流体すなわち気体及び液体
の透過、分離、特に浸透気化法(パーペーパレー
シヨン)による液体混合物の分離に有用である。 〔従来の技術〕 浸透気化法は、非多孔質高分子膜を境にして、
その一方側に液体混合物を供給し、他方側を真空
に引いて減圧にするか、又は不活性ガス等のキヤ
リアガスを流して蒸気圧を低下させることによ
り、膜を透過しやすい成分を優先的に分離、濃縮
する方法である。 非多孔質高分子膜透過を利用した、浸透気化法
による液体混合物の分離プロセス研究の歴史は古
く、蒸留では分離が困難な混合物系を中心に多く
の研究がなされてきた。例えば、ビニング
(Binning)によつてポリビニルアルコール膜を
用いた共沸混合物の分離(米国特許第2953502号)
が検討され、またスチレン/アクリル酸共重合体
膜等を用いた水−ホルムアルデヒド混合液の分離
(米国特許第4035291号)が報告されているが、こ
れらの高分子膜では透過性及び分離能が充分でな
く、いまだ実用化には至つていない。 これに対して近年省エネルギー的な立場から、
浸透気化法を従来の蒸留法を補う。若しくは代替
する分離プロセスとして利用することが注目され
ている。 特にバイオマスにおけるアルコール発酵のよう
に、少量の有機物を含む水溶液から高濃度の有機
物を取り出したい場合、蒸留法は経済的に不利で
あり、浸透気化法が最も望ましい方法と考えられ
ている。水−アルコール混合物の浸透気化法を用
いる分離膜としては、酢酸セルロース、セロフフ
アン、ポリアミド、N−ビニルピロリドングラフ
ト体、ポリビニルピリジン、あるいはフツ素系カ
チオン交換膜(特開昭58−84005号)の高分子膜
が提案されている。しかしながら、これらの高分
子膜は水をを選択的に透過する膜であり、共沸混
合物のように少量の水を含む混合物からの水分の
除去には適しているが、上述の、アルコールを8
から15%程度しか含まない発酵液からのアルコー
ルの分離には向かない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 他方、アルコールを選択的に透過する高分子膜
としては、ポリエチレン、ポリプロピレンあるい
はポリジメチルシロキサン膜(特開昭57−136905
号)などの膜がわずかに知られているのみで、こ
れらの膜も成膜性、透過性及び選択性が不充分で
あり、実用化に至つていない。また、ポリ(テリ
メチルシリルプロピン)を用いた分離膜が報告さ
れているが、いまだ選択性の点で不充分である
(特開昭60−75306号、同60−78601号各公報、及
び後記比較例2参照)。 本発明の目的は、前述の従来の流体分離膜の欠
点を解決する、流体混合物の透過性、分離能及び
機械的強度に優れた複合膜を提供することにあ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明を概説すれば、本発明は複合膜に関する
発明であつて、流体透過性を有する支持体と、幹
高分子に対し記一般式: (式中R1は水素又は低級アルキル基、R2は炭
素数2個以上のポリフルオロアルキル基を示す)
で表わされる繰返し単位より成る含フツ素高分子
をグラフト鎖として有する分子量が少なくとも1
万のグラフト共重合体とを包含することを特徴と
する。 流体透過性を有する支持体としては、グラフト
共重合体を支持しかつ流体すなわち気体あるいは
液体を透過させうるものであれば用いることがで
きるが、好適な透過性及び機械的強度を有してい
る点で平均孔径が1μm以下、より好ましくは0.1μ
m以下の多孔質膜あるいは窒素の拡散係数が1×
10-6cm2/sec以上、より好ましくは1×10-5cm2/sec
以上の高分子膜(均質膜又は非対称膜いずれでも
よい。)を用いることが好ましい。特に平均孔径
が1μmを超える多孔質膜では形成される複合膜
の機械的強度が小さくなりすぎ、分離膜としての
使用が困難となる。また、窒素の拡散係数が1×
10-6cm2/secより小さい高分子膜では流体透過性が
小さくなりすぎるため、分離膜として用いる上で
問題となる。 多孔質膜素材としては、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリフツ化ビニリデン、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリスルホン、ポリビニルアルコー
ル、ポリウレタン、ポリカーボネート、アセチル
セルロース、ニトロセルロース、ポリアクリロニ
トリル、ポリフエニレンオキシド、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル等、上記平均孔径以下の多孔
質膜を形成することができ、分離対象の物質に不
溶性の素材であればすべて用いることができる。
これらの多孔質膜として例えば平均孔径1μm以
下のゴアテツクス(ゴアテツクス社製)、フロロ
ボア(住友電工社製)、ジユラガード(セラニー
ズ コーポレーシヨン製)、ニユークリボア(ニ
ユークリボア コーポレーシヨン製)、ミリボア
フイルター(ミリボアコーポレーシヨン製)等の
ミクロフイルター、PS−60(鐘淵化学工業社製)、
UH−1(東洋紙社製)、UP−20(東洋紙社
製)、XM−50(アミコン社製)、ペリコンPSAC
(ミリボア コーポレーシヨン製)、NTU−8050
(日東電工社製)等の限外過膜などの市販品、
あるいは多孔質ガラス、セラミツクを使用でき、
その他、上記の高分子膜素材より既知の方法に従
つて製造することもできる〔1981年シー エム
シー発行、橋本光一著「機能性膜の最先端技術」
第15〜50頁、1971年マグローヒル発行、R.E.ケス
テイング(R.E.Kesting)著「シンセテイツク
ポリマー メンブランス」(Synthetic Polymer
Membranes)第1〜180参照)。 窒素の拡散係数が1×10-6cm2/sec以上の高分子
膜としては、例えば、ポリジメチルシロキサン膜
(シリコーン膜)、天然ゴム膜、ポリブタジエン
膜、ブチルゴム膜、ポリジアルコキシホスフアゼ
ン膜等のゴム状高分子よりなる膜、ポリ(4−メ
チルペンテン−1)膜、ポリビニルシラン膜、ポ
リ(トリメチルシリルプロピン)膜、ポリ(ジメ
チルフエニルシリルプロピン)膜、トリメチルシ
リルプロピン−フエニルプロピン共重合体膜等の
ポリ(ジ置換アセチレン)より成る膜、ジメチル
シロキサン−ポリカーボネート膜、ポリフエニレ
ンオキシド膜あるいはポリアミド、ポリスルホン
等より形成される非対称膜を挙げることができ
る。 またれこれらの支持体は平膜状、管状、中空糸
状等いかなる形状であつても良い。 本発明における幹高分子とはグラフト点となり
うる置換基を有する高分子(以下原料高分子とい
う)からグラフト反応により除去される置換基を
除いた部分あるいは原料高分子にグラフト反応に
より付加される基及び/又は生成する結合を含む
部分等であり、形式的にはグラフト共重合体より
一叛式()で表わされる繰返し単位より成る含
フツ素高分子を除いた部分で示される。 グラフト点となりうる置換基とは、例えば連鎖
移動定数の大きい置換基、ラジカル発生基あるい
は塩基によアニオンを生成しうる置換基のような
重合反応をその置換基上で停止させあるいは重合
反応に開始点となりうる置換基のことのいう。こ
のような置換基としては下記の基を例示すること
ができる。例えば連鎖移動定数の大きい置換基と
しては、芳香族ニトロ基、メルカプト基、芳香族
アミノ基、芳香族キノニル基等を挙げることがで
きる。またラジカル発生基としては、脂肪族アゾ
基、ペンオキシル基、ヒドロペルオキシル基、ケ
トン性カルボニル基、芳香族ジアゾニウム基、N
−ニトロソ基、ハロゲン原子等を含む置換基を例
示することができる。更に塩基によりアニオンを
生成しうる置換基としては臭化アルキル基、ヨウ
化アルキル基、ハロゲン化アリール基、芳香族カ
ルボニル基、メトキシクミル基及びシアノ基等、
あるいはアルコキシカルボニル基、シアノ基、ス
ルホニル基等のアニオン安定化基を有する置換基
を例示しうる。その他ジシリル基あるいは1−ア
ルコキシ−1−トリアルキルシリルアルケニル基
のようなアニオン性触媒あるいはルイス酸により
重合反応の開始点となりうる置換基も挙げること
ができる。 また原料高分子としてはスチレン、ビニルナフ
タレート、p−メチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、シクロヘキシ
ルエチレン、3,3−ジメチルブチルエチレン、
2−tert−ブチルフエニルアクリレート、ペンタ
クロロフエニルアクリレート、3.5−ジメチルア
ダマンチルアクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、シアノエチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、塩化ビニル、1,1,1−トリフルオ
ロ−2−プロピルメタクリルート、メチルメタク
リレート、アクリロニトリル、メチルクロロアク
リレート、メチルフルオロアクリレート、ペンタ
フルオロスチレン、α,β,β−トリフルオロス
チレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロ
エチレン等の単独重合体又はこれらとグラフト点
となりうる置換基を有する単量体あるいはグラフ
ト点となりうる置換基を導入しうる置換基を有す
る単量体との共重合により得られる共重合体を例
示することができる。 また、上記の置換基を有するポリフエニレンオ
キシド、ポリスルホン、含フツ素ポリイミド等の
縮合系高分子を原料高分子として用いることもで
きる。 本発明の複合膜を有機液体水溶援液よりの有機
液体の膜透過分離に用いる場合、幹高分子は疎水
性高分子であることが好ましく、このための原料
高分子としては、上記のうちスチレン、アルキル
スチレン、アルキルエチレン、フルオロエチレン
類等の疎水性単量体とグラフト点となりうる置換
基あるいはグラフト点となりうる置換基を導入し
うる置換基を有する単量体との共重合体が好まし
い。 このような原料高分子は公知のラジカル重合
法、アニオン重合法、カチオン重合法等の重合法
により、あるいはこれらの方法により得られるグ
ラフト点となりうる置換基を導入しうる置換基を
有する高分子を適当な置換基導入剤と反応させる
ことにより容易に合成することができる〔後記参
考例及び高分子学会編「高分子の分子設計2」第
3章グラフト重合、58〜82頁(1972年培風館発
行)参照〕。上述の適当な置換基導入剤としては、
例えば上記グラフト点となりうる置換基を含むカ
ルボン酸ハライド、酸無水物、イソシアネート、
アルコール、アミン等、あるいはハロゲン化剤、
アルキル化剤、シリル化剤、カルボニル化剤、酸
化剤、還元剤等を挙げることができる。 具体例としては塩化p−ニトロベンゾイル、臭
化p−プロモベンジル、塩化イソプロピル、塩化
トリメチルシリル、ピストリメチルシリルアセト
アミド、クロロギ酸メチル、酸素、過酸化水素、
水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナト
リウム等を挙げることができる。 また、例えばアルキ化剤と反応させ次いで酸化
剤と反応させることによりヒドロペルオキシル基
を形成させる方法のような数次にわたる置換基導
入剤との反応によつて上述の原緑料高分子を合成
することもできる。 この原料高分子は成膜性、機械的強度の点でそ
の分子量が104〜107の範囲であることが好まし
い。 すなわち、幹高分子としては、例えば
【式】
【式】
【式】
【式】−(CF2CF2−)、
【式】
【式】
【式】
【式】 等の繰返し単位と
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
〔実施例〕
以下、本発明を参考例及び実施例により更に具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。 なお、各例中の分子量は、GPC(ゲル パーミ
エーシヨン クロマトグラフイー)法により求め
たポリスチレン換算の重量平均分子量である。 参考例 1 (原料高分子の合成) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMA)5.6g、スチレン(St)51.7gをガラス
製重合アンプルに仕込み、N,N−ジメチルホル
ムアミド122ml、及び重合開始剤として2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15gを
アンプル内に入れ、常法に従い十分に脱気後高真
空下(10-5mmHg以下)に封書した。これを60℃
にて2時間振りまぜ重合反応を行つた。反応混合
物を大量のメタノールに投じ、24.5%の収率でSt
−HEMA共重合体を得た。共重合体中のHEMA
モル分率は、元素分析の結果0.138であり、共重
合体の分子量は1.06×105であつた。 得られたSt−HEMA共重合体14.0gをテトラヒ
ドロフラン(THF)30mlに溶解し、トリエチル
アミン10.3gを加えて0℃に冷却した。この溶液
を激しくかくはんしながら、共重合体中の水酸基
濃度とp−ニトロ安息香酸塩化物(p−NP)濃
度との比〔OH〕/〔p−NP〕が0.1となるよう
に、p−NP9.5gを含むTHF溶液100mlを滴下し、
0℃において14時間反応させた。反応終了後、混
合液を過し、液を大量のメタノールに投じる
ことにより、側鎖にp−ニトロフエニル基を有す
る共重合体を沈殿させた。別乾燥後の共重合体
の収量は15.7gであつた。IRスペクトル分析の結
果、水酸基に由来する吸収が減少し、1280cm-1
1540cm-1に芳香族ニトロ基、1745cm-1にカルボニ
ル基、820cm-1、1600cm-1に芳香環、1200〜1300
cm-1にエステル結合に各々由来する吸収が観察さ
れ、St−HEMA共重合体中の水酸基がp−ニト
ロフエニル基に置換されていることを確認し、更
に元素分析の結果、その置換率は90.2%と判明し
た。すなわち、得られた共重合体は、
【式】
及び
【式】 の繰返し単位よりなる共重合体であることが確認
された。 参考例 2及び3 参考例1と同様の方法によりp−ニトロフエニ
ル基導入率の異なる原料高分子を合成した。結果
を表1に示す。
【表】 参考例 4 St−2,2,2−トルフルオロエチルアクリレ
ートグラフト共重合体の合成) p−ニトロフエニル基濃度〔S〕とモノマー濃
度〔M〕との比〔S〕/〔M〕が1.0×10-2とな
るように側鎖にp−ニトロフエニル基を有する原
料高分子(参考例1で得たもの)を0.5g、2,
2,2−トリフルオロエチルアクリレート
(TFEA)4.3g及びAIBN0.034gを重合アンプルに
仕込み、溶媒として酢酸エチル46mlを用いて均一
溶液とした。常法に従い脱気後、10-5mmHg以下
の高真空下に封管した。 これを60℃において2.5時間振りまぜながら反
応させ、次に冷却することにより反応を停止し
た。反応混合物を大量のメタノール/エーテル混
合液(1:1体積比)中に投じ重合体を沈殿させ
た。この沈殿物を回収し、再び酢酸エチルに溶
解、エーテル中に投じることにより精製した。乾
燥後の重合体の収率は18.7%であり、IRスペクト
ル測定の結果、1280cm-1、1540cm-1における芳香
族ニトロ基に由来する吸収が、1745cm-1における
カルボニル基の吸収との比較において原料高分子
に比べて減少し、1190cm-1にフルオロアルキル基
に由来する吸収が観察された。これより幹高分子
としてポリ(St)、枝高分子としてポリ(TFEA)
を持つグラフト共重合体の合成を確認した。この
共重合体中のTFEAモル分率は元素分析の結果
67.7%であつた。また分子量は2.6×105であつた。 参考例 5〜16 (含フツ素グラフト共重合体の合成) 参考例4の操作と同様にして、原料高分子とし
て参考例1〜3の共重合体、モノマーとして
TFEA、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロピルアクリレート(PFPA)、2,2,3,3,
4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート
(HFBA)、3,3,4,4,5,5,6,6,
6−ノナフルオロヘキシルアクリレート
(NFHA)及び3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプ
タデカフルオロデシルアクリレート(HdFDA)
を用いて含フツ素グラフト共重合体を合成した。
構造はIR、GPCにより確認した。結果を表2に
示す。
【表】
【表】 実施例 1 (複合膜の作成) 参考例4で得たSt−TFEAグラフト共重合体
0.5gを酢酸エチル10mlに溶解した。この溶液を支
持体となる36cm2の面積を有する架橋シリコーン
膜(膜厚200μm、信越化学社製KE4STB〕硬化
したたもの)に均一にコーテイングし、更にその
上に保護材多孔性ポリテトラフルオロエチレン膜
(孔径0.45μm、ゴアテツクス)を積層した。これ
を2枚のガラス板間に挟み込み40℃にて2日間真
空乾燥し、複合膜とした。膜厚は260μmであつ
た。得られた複合膜をステンレス製浸透気化法用
セル(パーペーパレーシヨンセル)に挟み込み、
透過側を0.5mmHgの減圧にし水−エタノール
(EtoH)混合物の透過を行つた。膜を透過した混
合液組成は、TCD−ガスクロマトグラフにより
検出し、透過速度P(g・m/m2・hr)及び選択性αを
下記式により求めた。 P=透過液重量×膜厚/膜面積×時間(g・m/m2・hr) αB A=(透過液中のB成分の重量分率/透過液中のA成
分の重量分率)/(供給液中のB成分の重量分率/供給
液中のA成分の重量分率) 供給液組成HtoH/水=7.52/92.48において透
過速度P=1.13×10-3g・m/m2・hr、選択性αEtOH 水=16.45であつた。また供給液組成EtoH/水=
50.01/49.99の場合はP=3.64×10-3g・m/m2・hr、
αEtOH 水=8.20の値を得た。 実施例 2〜13 (複合膜の作成) 参考例5〜16で得た含フツ素グラフト共重合体
を用いて支持体となる架橋シリコーン膜の膜厚を
変化させた以外は実施例1と同様の方法で複合膜
を作成し、得られた膜の水−EtoH混合物の透過
特性を実施例1と同様に測定した。結果を表3に
示す。また比較例として含フツ素グラフト共重合
体をコーテイングしていない架橋シリコーン膜の
水−EtoH混合物透過特性を表3に示す。
【表】
【表】 実施例 14 1−トリメチルシリルプロピンの単独重合〔ジ
ヤーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソ
サイエテイ(J.A.C.S.)第105巻第7473頁(1983)
参照〕により得たポリ(1−トリメチルシリルプ
ロピン)(PTMSP)0.2gをトルエン8mlに溶解
し、これをテフロン板上に流延、室温で溶媒を留
去した後真空乾燥して、透明、均一な膜を得た。 膜厚は80μmであつた。得られた膜を支持体と
して実施例1と同様の方法により参考例13で得た
含フツ素グラフト共重合体をコーテイングし、更
に保護体として多孔性ポリテトラフルオロエチレ
ン膜を積層することにより複合膜を得た。得られ
た複合膜の膜厚は120μmであつた。この膜の水
−EtoH混合物の透過特性を実施例1と同様に測
定した。結果を表4に示す。また比較例として支
持体であるPTMSP膜の水−EtoH混合物透過も
表4に示す。
【表】 実施例 15 支持体として多孔性限外過膜UP−20(東洋
紙株式会社製)を用いて実施例1と同様の方法で
参考例12で得た含フツ素グラフト共重合体をコー
テイングし、更に保護体として多孔性ポリテトラ
フルオロエチレン膜を積層し、複合膜とした。得
られた複合膜の膜厚は165μmであつた。この膜
の水.EtoH混合物の透過特性を実施例1と同様
に測定した結果を表5に示す。また比較例として
支持体である多孔性限外過膜の水−EtoH混合
物の透過性を表5に示す。
【表】 参考例 17 (ヒドロペルオキシル基を有する原料高分子と
含フツ素グラフト共重合体の合成) ポリスチレン20.5gをニトロベンゼン300mlに溶
解し、これにニトロベンゼン50mlと塩化イソプロ
ピル18.3mlの溶液に無水塩化アルミニウム6.7gを
懸濁させた混合物を徐々に加え、40〜45℃に5.5
時間加熱したた。冷却後、5%水酸化カリウム水
溶液中に注いで有機層を取り、これを大量のメタ
ノールに注いで、イソプロピル化ポリスチレンを
沈殿させた。別後、テトラヒドロフラン150ml
に溶解し、メタノール2に再沈殿して精製し
た。 得られたイソプロピル化ポリスチレン10.2gを
イソプロピルベンゼン200mlに溶解した。これに
過酸化ベンゾイル2.52gを加え、80℃に加熱しな
がら乾燥酸素を吹込んだ。8.5時間後、反応混合
物を大量のメタノール中に注いでヒドロペルオキ
シル基を有するポリスチレンを沈殿させた。メチ
ルエチルケトン−メタノール系から再沈殿精製す
ることにより、100モノマー単位当り2〜3個の
ヒドロペルオキシル基を有するポリスチレンを得
た。IRスペクトル測定において、1150cm-1にペ
ルオキシル基に由来する吸収が存在し、目的とす
るペルオキシル基が導入されていることが確認さ
れた。
【式】
【式】
【式】 得られたヒドロペルオキシル基を有するポリス
チレン0.833gを50mlの酢酸エチルに溶解し、重合
管に仕込んだ。これにNFHA10.98gを入れ、常
法に従い脱気後、60℃で30時間重合反応を行つ
た。反応混合物を大量のメタノールに注ぎ重合体
を沈殿させた。別後、酢酸エチルに溶解し、エ
ーテル−メタノール3:1混合溶媒に再沈殿する
ことにより、St−NFHAグラフト共重合体を得
た。収量1.88gIRスペクトル測定の結果、1600cm
-1に芳香環、1730cm-1にエステルカルボニル及び
1230cm-1に炭素−フツ素結合に由来する吸収が存
在し、グラフト共重合体の合成を確認した。この
共重合体の分子量は2.2×105、NFHAモル分率は
0.31であつた。 幹:
【式】
【式】
【式】 グラフト鎖:
【式】 実施例 16 参考例17で得たSt−NFHAグラフト共重合体
0.7gを酢酸エチル10mlに溶解し、実施例1と同様
の方法で支持体である架橋シリコーン膜上にコー
テイングした。これを充分に真空乾燥して複合膜
を得た。膜厚は120μmであつた。この膜のの水
−EtoH混合物の透過性を実施例1と同様の方法
で測定したところ、供給液組成EtoH/水=
8.00/92.00においてP=1.21×10-3g・m/m2・hr、
αEtOH 水=19.21であつた。またEtoH/水=
51.00/49.00を供給液とした場合、P=4.00×
10-3g・m/m2・hr、αEtOH 水=7.15であつた。 参考例 18 (ペルオキシル基を有する原料料高分子と含フ
ツ素グラフト共重合体の合成) t−ブチルペルオキシアリルカーボネート
(BPAC)〔ペロマーAC(日本油脂社商品名)〕
1.7g、p−メチルスチレン(MSt)10.5gをガラ
ス製重合アンプルに仕込み、希釈剤としてトルエ
ン42ml、重合開始剤としてt−ブチルヒドロペル
オキシド0.3gを入れ、常法に従い脱気後、10-5mm
Hg以下の高真空下に封管した。これを60℃にお
いて6時間振りまぜた後、冷却することにより重
合反応を停止させ、反応混合物を大量のメタノー
ルに投じて重合体を沈殿させた。得られた重合体
のIR分析によりBPAC−MSt共重合体であるこ
とを確認した。この共重合体の収量は3.8g、収率
31.0%であり、分子量は1.2×105、共重合体中の
BPACモル分率は0.04であつた。
【式】
【式】 得られたBPAC−MSt共重合体0.92gを50mlの
酢酸エチルに溶解し、重合アンプルに仕込んだ。 これにHFBA7.2gを入れ、常法に従い脱気後、
60℃で7時間重合反応を行つた。反応混合物を大
量のメタノール−ジエチルエーテル混合液(3:
2体積比)に注ぎ重合体を沈殿させた。これを
別、乾燥し収率21.9%でMSt−HFBAグラフト共
重合体を得た。IR測定の結果、1600cm-1に芳香
環、1725cm-1にエステルカルボニル、及び1230cm
-1に炭素−フツ素結合に由来する吸収が存在し、
グラフト共重合体の合成を確認した。この共重合
体の分子量は1.8×105、HFBAモル分率は0.44で
あつた。 幹:
【式】
【式】
【式】 グラフト鎖:
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の複合膜は、流体
の透過性及び分離法の両方に非常に優れており、
特に水−アルコール混合物等の種々の液体混合物
の浸透気化法による分離膜として極めて有用であ
る。更に従来のものよりも機械的強度に優れてい
る点でも有効である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 流体透過性を有する支持体と、幹高分子に対
    して下記一般式: (式中R1は水素又は低級アルキル基、R2は炭
    素数2個以上のポリフルオロアルキル基を示す)
    で表わされる繰返し単位より成る含フツ素高分子
    をグラフト鎖として有する分子量が少なくとも1
    万のグラフト共重合体とを包含することを特徴と
    する複合膜。 2 該支持体が、平均孔径1μm以下の多孔質膜
    である特許請求の範囲第1項記載の複合膜。 3 該支持体の窒素の拡散係数が、1×10-6cm2/s
    ec以上である特許請求の範囲第1項記載の複合
    膜。 4 該支持体が、ポリジオルガノシロキサン膜、
    ポリ(モノ置換アセチレン)膜、ポリ(ジ置換ア
    セチレン)膜及びポリジオルガノホスフアゼン膜
    よりなる群から選択した少なくとも1種の膜であ
    る特許請求の範囲第1項又は第3項記載の複合
    膜。 5 該幹高分子が、疎水性高分子である特許請求
    の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の複合
    膜。 6 該グラフト共重合体中、該一般式で表わさ
    れる繰返し単位が、10モル%以上である特許請求
    の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の複合
    膜。
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