JPH05237142A - 眼科用治療具 - Google Patents

眼科用治療具

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JPH05237142A
JPH05237142A JP4083992A JP4083992A JPH05237142A JP H05237142 A JPH05237142 A JP H05237142A JP 4083992 A JP4083992 A JP 4083992A JP 4083992 A JP4083992 A JP 4083992A JP H05237142 A JPH05237142 A JP H05237142A
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JP
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cellulose
water
contact lens
hydrous
transparency
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JP4083992A
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Toru Morita
徹 森田
Kazunari Nishiyama
和成 西山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて高含水で、装着感に優れたセルロース系
の含水コンタクトレンズなどの眼科用治療具を提供す
る。 【構成】複数の官能基を有する架橋剤によって実質的に
化学架橋されたセルロースおよび/またはセルロース誘
導体と水からなる含水ゲルから実質的に構成されてい
る。 【効果】極めて高含水にして、寸法経時変化性や透明度
経時変化性などが少なく、しかも酸素透過性やイオン透
過性、装着感、機械的強度に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば含水コンタクト
レンズ、点眼薬徐放の基材、人工水晶体、人工角膜、人
工硝子体のような眼科用治療具に関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズ用材料として種々存在
する材料の中で、含水ゲルを用いたときが、装用感の良
好なソフトコンタクトレンズを得る上で好ましい事は従
来から知られている。この様な含水コンタクトレンズと
して、2−ヒドロキシメタクリレートを主原料とするも
のが広く使用されている。しかしこれらの含水率は30
〜40%と低く、十分な酸素透過性を有していないた
め、長時間の連続装用ができないという問題点があっ
た。
【0003】このため、高含水で酸素透過性に優れたコ
ンタクトレンズ素材の開発が行われてきている。例えば
ポリビニルピロリドンを主体とした材料は、50〜80
%程度の含水率を有し、酸素透過性に優れている。しか
しこの様な材料は、機械的強度が低く、そのためにレン
ズにしたときに破損し易いという問題を有している。前
記機械的強度の問題を解決するために、こうした親水性
重合体と他の重合体との共重合物を用いたり(例えば、
特公昭57−43085号、特公昭60−15647
号、特公平1−15847号他)、新規な親水性重合体
の利用(特開昭59−161420号、特開昭62−1
11229号他)など様々な試みが行われてきた。しか
しながら、ある程度機械的強度が向上する反面、透明性
が低下したり、膨潤時に歪が生じたり、合成法が複雑で
あるため多量に安定した材料の供給が困難であるなど、
問題が残るものであった。
【0004】近年、高含水でかつ機械的強度の優れた素
材を提供する目的で再生セルロースで構成された含水コ
ンタクトレンズが提案されている(特開平2−1689
58号)。この再生セルロースからなる含水コンタクト
レンズは、90%以上の高含水率にもかかわらず、機械
的強度が極めて優れたもの(30kg/cm2 程度)で
あった。しかし、このコンタクトレンズは製造法が複雑
であり、製造時に存在する有機溶媒を除去し水と置換す
る際にレンズの収縮や歪が起こることが多いなど、安価
に均一な製品を大量に製造する事は困難である上に、架
橋剤がセルロースの水酸基における水素結合を利用した
ものであるために、純水中に放置しておくと架橋剤が流
出し、セルロースの結晶化が進むことなどによってコン
タクトレンズが白濁したり変形を起こしやすいなど実用
上の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高含水により酸素透過
性やイオン透過性、装着感に優れ、しかも機械的強度に
優れたコンタクトレンズ等の眼科用治療具であり、前記
の様な素材では問題となった寸法経時安定性、透明度経
時安定性などに優れたものを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、複数
の官能基を有する架橋剤によって実質的に化学架橋され
たセルロースおよび/またはセルロース誘導体と水から
なる含水ゲルから実質的に構成されることを特徴とする
眼科用治療具である。本発明に言う化学架橋とは化学的
な結合(例えばエステル結合やエーテル結合等)によっ
て、セルロースの分子内及び、または分子間の水酸基が
複数の官能基を持った架橋剤を介して結合しているもの
をいい、水素結合による分子内や分子間の架橋、あるい
はイオン架橋等を形成してなる分子内や分子間の架橋構
造をいうものではない。
【0007】水素結合のみを架橋点とする場合、架橋構
造は温度変化やゲル中の水の塩濃度等によって大きく影
響され易く、特にセルロ−ス系では水素結合による結晶
化が進みやすいため、光の波長より大きい結晶が多く発
生したり、光の波長より小さい結晶であっても不均一に
発生したりすると、含水ゲル成形体の変形や透明度低下
を起こすと考えられる。また、多価アルコ−ル等を含有
させて、アルコ−ルとセルロ−スの水酸基間の水素結合
による架橋構造を持たせることで上記の欠点を軽減する
ことは可能であるが、水中では架橋剤となっている多価
アルコ−ルが流出するために、水中保存時の形状や透明
度の経時変化は避け難い。
【0008】イオン結合を架橋点とする場合も、架橋構
造が温度やゲル中の水のイオン濃度等に影響されやすい
ために、含水ゲル成形体の形状を経時的に維持すること
は難しい。また、水素結合の場合と同様に、結晶化が進
みやすいために透明度の低下が起こりやすい。これに対
して、化学結合を架橋点とする場合は、架橋部分が結晶
化を阻害し、光の波長より大きい結晶の発生を抑えてい
ると考えられ、透明なセルロ−ス系の含水ゲルを得るこ
とが可能である。また、架橋構造が温度変化やゲル中の
塩濃度等に影響されることが少ないと考えられ、水中保
存時にも形状や透明度を維持することが可能となる。
【0009】尚、セルロースの分子内及びまたは分子間
の水酸基が架橋剤を介して化学架橋されていることは、
このセルロース系の含水ゲルをセルラーゼ等の酵素やそ
の他の薬品を用いてセルロースのβ型1,4結合を加水
分解し、液体クロマトグラフィーやマススペクトロメト
リー等を用いて分析したときに、一つの架橋剤を介して
にグルコースが二つ結合した部分が検出されることによ
り判定可能である。
【0010】また本発明にいうところの実質的に化学的
架橋とは、架橋剤1分子に対してセルロースおよび/ま
たはセルロース誘導体の水酸基が二つ以上反応して三次
元架橋構造をとっているものを含むことが必要である
が、架橋剤の反応基の一つだけが反応して架橋構造を取
らないものが混在しても良く、化学結合による架橋が存
在すれば、他に水素結合やイオン結合等の架橋を含むこ
とはかまわないと言うことである。
【0011】本発明においてセルロースは、木材、綿リ
ンター、麻等の天然セルロースを精製したものやこれら
を銅アンモニア溶液等セルロースの溶媒にいったん溶解
した後再生して得られるセルロースのいずれであっても
よいが、純度の高いものが好ましい。また、セルロース
誘導体とは、セルロースの水酸基を一部置換したもので
あるが、セルロースの性質が維持できる程度の置換度
(DS)のものが好ましく、アルカリ水溶液に可溶であ
ること(DSが約0.5以下)が一つの目安となる。例
えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
アセチルセルロース等が挙げられる。セルロースおよび
/またはセルロース誘導体の重合度(DP)に制限はな
いが、約200から1000であるものが一般的に使用
されている。
【0012】そしてこれらを化学架橋する架橋剤は、セ
ルロースおよび/またはセルロース誘導体の水酸基と反
応し得る官能基を複数持つものから選ばれる。例えば、
マロニルジクロリド、こはく酸クロリド、グルタルジク
ロリド、塩化テレフタロイル等のように二つ以上の酸塩
化物を有する化合物、グルタルアルデヒド等のように二
つ以上のアルデヒド基を持つ化合物、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジ
ルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等のよ
うに二つ以上のエポキシ基を持つ化合物、二塩化エタ
ン、テトラメチレンクロロブロマイド、ジブロモプロパ
ン、ジブロモブタン等のように二つ以上のハロゲン基を
有する化合物、エピクロルヒドリン等のようにエポキシ
基とハロゲン基を有する化合物等から選ばれる。これら
のうち反応後の化学安定性を考えるとセルロースの水酸
基とエーテル結合するものであることが好ましい。
【0013】これら架橋剤の反応度は、眼科用治療具の
用途に合わせて適宜に選定され、機械的物性の考慮が必
要なものに対しては特に注意されるべきである。本発明
に言う反応度は、セルロースのグルコース残基1モルに
対する反応した架橋剤のモル数と定義し、0.01モル
以上0.50モル以下であることが好ましい。0.01
モル以下では明確な効果が現れにくくなり、0.50モ
ル以上ではヒドロゲル成形体が脆くなる傾向にあるので
好ましくない。尚、反応度の測定方法としては、重量の
増加率から計算する方法や、ヨウ化水素酸により分解し
架橋剤を脱離させて測定する方法等がある。
【0014】本発明において、含水ゲルの含水率は70
%以上にする事が可能であり、90%以上にしても他の
材料から得られるヒドロゲルに比べて非常に優れた機械
的強度を有している。さらに、セルロースおよび/また
はセルロース誘導体が化学結合で架橋されているため
に、蒸留水や生理食塩水中に放置したときに架橋剤やセ
ルロースおよび/またはセルロース誘導体が流出するこ
とが無く、寸法経時変化性、透明度経時変化性などが起
こりにくいものである。
【0015】本発明の眼科用治療具の製造法は様々に考
えられるが、以下にその一例であるコンタクトレンズの
製造法についての一例を述べる。この場合、光学的精度
が要求されるため、架橋反応はセルロースの均一溶液系
で行われる方が好ましい。それは、反応が均一に行われ
る可能性が高いためであって、フレーク状や粉末状のア
ルカリセルロースを用いて不均一系で反応を行うと、反
応が不均一になりやすく、作製した含水コンタクトレン
ズの透明性や光学的性能にむらが生じやすくなる傾向が
増大するので好ましくない。
【0016】まずセルロースの溶解法としては、様々の
方法がある。例えば、セルロースをアルカリセルロース
とし、これを二硫化炭素と反応させて、その後アルカリ
で溶解する方法、セルロースを銅アンモニア溶液に溶解
する方法等のように水系溶媒に溶解する方法がある。ま
た、ジメチルスルホキシド/パラホルム系、ジメチルホ
ルムアミド/N2 2 系、ジメチルホルムアミド/クロ
ラール系、N,N−ジメチルアセトアミド/塩化リチウ
ム系等、有機溶剤に溶解する方法がある。近年になっ
て、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ水溶液単独で溶解する方法が特開昭60
−42401号、60−42438号、61−1303
53号、特開昭62−116601号等に開示されてい
る。これらの中から製造条件に合わせて選定されてよい
が、アルカリ水溶液単独で溶解する方法が特に好まし
い。その理由は、架橋反応時に余分な副反応が起こりに
くい系であることや作製したコンタクトレンズ中の溶媒
を蒸留水または生理食塩水で置換する際にその溶媒が水
系であるとスムーズに置換でき、その時に歪みや失透が
起こりにくい等の利点があるためである。
【0017】セルロ−ス溶液中のセルロース濃度は、含
水コンタクトレンズの含水率や機械的物性等の設計に関
するものであり、セルロースの重合度なども考慮にいれ
て適宜選定される。次いでセルロース溶液に架橋剤を添
加し、架橋反応を行う。架橋剤の添加量は、前述のよう
に含水コンタクトレンズの機械的物性などの設計に関す
るものであり、架橋剤の反応性も考え合わせて適宜決め
られる。添加するときのセルロース溶液の温度は低温に
保つことが好ましい。これは架橋剤の反応速度を抑え
て、添加混合後の溶液にある程度の流動性を保持し、賦
型性を良くするためである。
【0018】架橋剤を添加混合後なお流動性を保持した
溶液を、直接コンタクトレンズの鋳型に流し込んだ後、
架橋反応が進行するまで静置するとコンタクトレンズ形
状のゲル成形体が形成される。この時、反応時間短縮の
ために加熱することはかまわない。このコンタクトレン
ズ状ゲル成形体を鋳型から取り出し、水で洗浄し、ゲル
成形体中の溶媒を蒸留水または生理食塩水で置換すると
含水コンタクトレンズが得られる。
【0019】また、上記と同様な方法で棒状または板状
の鋳型に流し込んで含水ゲル成形体を生成する。これを
いったん乾燥した後、切削加工・研磨してコンタクトレ
ンズとし、これを蒸留水または生理食塩水中で、飽和膨
潤させる事でも、目的の含水コンタクトレンズを得る事
は可能である。以上のようにして得られる含水コンタク
トレンズは、例えば、含水率が70〜99%、強度が1
0〜40kg/cm2 、伸度が50〜300%、酸素透
過係数が6〜9×10-10 (cm2 /sec)(ml/
ml×mmHg)であり、高含水により酸素透過性やイ
オン透過性、装着感に優れ、しかも機械的強度に優れた
コンタクトレンズであり、寸法経時変化性、透明度経時
変化性などの少ないものである。
【0020】また、コンタクトレンズの他にも人工水晶
体、人工角膜、人工硝子体等の材料としても使用可能な
ものである。
【0021】
【実施例】以下に実施例をもって本発明の実施態様の一
部を例示するが、例中特に断らない限り、百分率は重量
によるものである。
【0022】
【実施例1】コットンリンター銅アンモニア溶液より再
生したセルロース(DP=700)を8.5%水酸化ナ
トリウム水溶液に溶解してセルロース濃度5.0%の溶
液を作成した。セルロースのアルカリ水溶液200g
に、架橋剤としてエピクロルヒドリン6.3g(セルロ
ースを構成するグルコース残基当たり1.1モル当量)
を添加し、ミキサーで十分撹拌する。脱泡後、コンタク
トレンズ用凹凸鋳型間に均一に充填した。これを50℃
で5時間放置したところ、溶液はゲル化しコンタクトレ
ンズ状のゲル成形体を得た。このゲル成形体を鋳型から
取り出して水で十分洗浄し、ゲル中の溶媒を蒸留水で置
換し、含水コンタクトレンズを得た。得られた含水コン
タクトレンズの反応度は0.22モル、含水率は95.
3%であり、物性値は良好であった(表1参照)。ま
た、純水中で一週間放置した後の線寸法変化率は+0.
01%であり、透明性は良好であった。
【0023】
【実施例2】実施例1で用いたコットンリンター銅アン
モニア溶液より再生したセルロース(DP=700)の
代わりにアラスカパルプを原料に用いて、特開昭62−
116601号の実施例1と同様な方法により8.65
%水酸化ナトリウム水溶液に溶解してセルロース濃度5
%(DP=450)の溶液を作成する。これ以外は、実
施例1と同様に行い、含水コンタクトレンズを得た。得
られた含水コンタクトレンズの反応度は0.23モル、
含水率は95.0%であり、物性値は良好であった(表
1参照)。また、純水中で一週間放置した後の線寸法変
化率は−0.02%であり、透明性は良好であった。
【0024】
【実施例3】コットンリンター銅アンモニア溶液より再
生したセルロース(DP=700)を10.5%LiO
H水溶液に溶解してセルロース濃度3.0%の溶液を作
成した。これに、架橋剤としてエチレングリコールジグ
リシジルエーテル23.6g(セルロースを構成するグ
ルコース残基当たり2.89モル当量)を添加する以外
は、実施例1と同様に行い、含水コンタクトレンズを得
た。得られた含水コンタクトレンズの反応度は0.27
モル、含水率は97.2%であり、物性値は良好であっ
た(表1参照)。また、純水中で一週間放置した後の線
寸法変化率は−0.07%であり、透明性は良好であっ
た。
【0025】
【実施例4】実施例1で用いたコットンリンター銅アン
モニア溶液より再生したセルロース(DP=700)の
代わりにアルカリ可溶低置換メチルセルロース(DP=
700,DS=0.07)を用い8.65%水酸化ナト
リウム水溶液に溶解してセルロース濃度7%の溶液を作
成する。これに、架橋剤の量を3.4g(セルロースを
構成するグルコース残基当たり0.6モル当量)にした
以外は、実施例1と同様に行い、含水コンタクトレンズ
を得た。得られた含水コンタクトレンズの反応度は0.
14モル、含水率は93.1%であり、物性値は良好で
あった(表1参照)。また、純水中で一週間放置した後
の線寸法変化率は+0.00%であり、透明性は良好で
あった。
【0026】
【比較例1】特開平2−168958号の実施例1の方
法によって含水コンタクトレンズを作成した。この含水
率は93.1%であり、物性値は良好であったが(表1
参照)、純水中で一週間放置した後の線寸法変化率は−
3.20%となり、白濁して透明性は不良であった。
【0027】
【比較例2】実施例2と同様にして得られたセルロース
のアルカリ水溶液に、架橋剤を添加する事無く、脱泡
後、コンタクトレンズ用凹凸鋳型間に均一に充填した。
これを70℃で3時間放置したところ、溶液はゲル化し
コンタクトレンズ状のゲル成形体を得た。このゲル成形
体を鋳型から取り出して水で十分洗浄し、ゲル中の溶媒
を蒸留水で置換し、含水コンタクトレンズを得た。得ら
れた含水コンタクトレンズの含水率は90.5%であ
り、物性値は良好であったが(表1参照)、純水中で一
週間放置した後の寸法変化率は−0.50%であり、白
濁して透明性は不良であった。
【0028】上記の例で得られた含水コンタクトレンズ
の物性を表1に、寸法経時変化性、透明性の結果を表2
に示した。尚、反応度はヨウ化水素酸により分解させた
後、脱離した架橋剤をガスクロマトグラフィーにより測
定したもので単位はモルである。含水率は、 (含水時の重量−乾燥重量)/含水時の重量×100 の式より与えられ、単位は%である。機械物性は含水状
態のコンタクトレンズから切り出した試験片を用いて、
30mm/minの一定伸長速度で引張り試験を行い測
定した。強度の単位はkg/cm2 、伸度の単位は%で
ある。酸素透過係数は、理科精機工業(株)製の製科研
式フィルム酸素透過率計を用いて、電極法方式にて35
℃で測定した。その単位は(cm2 /sec)・(ml
/mlxmmHg)である。尚、こうしたヒドロゲルの
強度は含水率が高くなると低下するのは一般的である。
【0029】また線寸法変化率は、純水中で一週間放置
する前と後のコンタクトレンズのサイズの変化率(単位
は%)であり、プラスの数値は膨張、マイナスの数値は
収縮していることを示す。コンタクトレンズの場合、こ
の数値の絶対値が小さいほどよい。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、含水率、酸素透過性や
イオン透過性、装着感、機械的強度が充分に優れ、か
つ、寸法経時安定性、透明度経時安定性などに優れたセ
ルロース系の眼科用治療具、例えば含水コンタクトレン
ズを供給する事が可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の官能基を有する架橋剤によって実質
    的に化学架橋されたセルロースおよび/またはセルロー
    ス誘導体と水からなる含水ゲルから実質的に構成される
    ことを特徴とする眼科用治療具。
JP4083992A 1992-02-27 1992-02-27 眼科用治療具 Withdrawn JPH05237142A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004026953A1 (ja) * 2002-09-18 2006-01-19 わかもと製薬株式会社 透明な可逆性熱ゲル化水性組成物
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