JPH0523712A - 複合ロール - Google Patents
複合ロールInfo
- Publication number
- JPH0523712A JPH0523712A JP18477791A JP18477791A JPH0523712A JP H0523712 A JPH0523712 A JP H0523712A JP 18477791 A JP18477791 A JP 18477791A JP 18477791 A JP18477791 A JP 18477791A JP H0523712 A JPH0523712 A JP H0523712A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaft member
- outer layer
- composite roll
- roll
- hardness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 軸部材が鋼系材質で形成されているにも拘ら
ず、その軸受部に摩耗や焼付が発生し難い複合ロールを
提供する。 【構成】 高合金ロール材で形成された外層1 と、鋼系
材質によって形成された軸部材2 とが同心状に一体的に
結合した複合ロールにおいて、前記軸部材2 の軸受部3
の表面に硬度Ｈｓ40〜75の高周波焼入層4 が形成されて
いる。
ず、その軸受部に摩耗や焼付が発生し難い複合ロールを
提供する。 【構成】 高合金ロール材で形成された外層1 と、鋼系
材質によって形成された軸部材2 とが同心状に一体的に
結合した複合ロールにおいて、前記軸部材2 の軸受部3
の表面に硬度Ｈｓ40〜75の高周波焼入層4 が形成されて
いる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は主として鉄鋼圧延用の複
合ロールに関する。
合ロールに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、複合ロールは耐摩耗性に優れた高
合金ロール材によって形成された圧延使用層たる外層の
内面に、主として球状黒鉛鋳鉄により形成された軸部と
が一体的に溶着されて構成されていた。しかし、溶着の
際に外層材の高合金成分が軸部溶湯に混入し、軸部の強
靭性を劣化させるという欠点があった。このため、近
年、外層と軸部材とを別々に製作しておき、両者を嵌合
後、熱間等方圧加圧 (ＨＩＰという。）により拡散接合
する方法（ＨＩＰ法という。）や、軸部材を円筒状鋳型
に同心状に挿入して降下させ、軸部材の外周面に鋳型内
の外層材溶湯を供給すると共に凝固させて、外層を溶着
一体化する方法（ＣＰＣ法という。）によって複合ロー
ルが製作されている。この場合、軸部材としては強靭性
に優れた鋼系材質で形成されるのが通例である。
合金ロール材によって形成された圧延使用層たる外層の
内面に、主として球状黒鉛鋳鉄により形成された軸部と
が一体的に溶着されて構成されていた。しかし、溶着の
際に外層材の高合金成分が軸部溶湯に混入し、軸部の強
靭性を劣化させるという欠点があった。このため、近
年、外層と軸部材とを別々に製作しておき、両者を嵌合
後、熱間等方圧加圧 (ＨＩＰという。）により拡散接合
する方法（ＨＩＰ法という。）や、軸部材を円筒状鋳型
に同心状に挿入して降下させ、軸部材の外周面に鋳型内
の外層材溶湯を供給すると共に凝固させて、外層を溶着
一体化する方法（ＣＰＣ法という。）によって複合ロー
ルが製作されている。この場合、軸部材としては強靭性
に優れた鋼系材質で形成されるのが通例である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】叙上のように、軸部材
を鋼系材質で形成した複合ロールが提供されるようにな
り、軸部材の強靭性が大幅に向上した。しかしながら、
前記複合ロールは、外層と軸部材とを一体結合した後、
外層に圧延特性を付与するため、ロール全体を高温加熱
し、外層に焼入れ処理が施される。このとき、外層と軸
部材との焼入れに要する冷却速度の相違から、軸部材に
焼きが入らず、パーライト組織となるため、硬度がＨｓ
25〜35と低くなる。その結果、外層の軸方向両側に隣接
する軸部材の軸受部に摩耗や焼付が発生し易くなる。
を鋼系材質で形成した複合ロールが提供されるようにな
り、軸部材の強靭性が大幅に向上した。しかしながら、
前記複合ロールは、外層と軸部材とを一体結合した後、
外層に圧延特性を付与するため、ロール全体を高温加熱
し、外層に焼入れ処理が施される。このとき、外層と軸
部材との焼入れに要する冷却速度の相違から、軸部材に
焼きが入らず、パーライト組織となるため、硬度がＨｓ
25〜35と低くなる。その結果、外層の軸方向両側に隣接
する軸部材の軸受部に摩耗や焼付が発生し易くなる。
【０００４】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、軸部材が鋼系材質で形成されているにも拘らず、そ
の軸受部に摩耗や焼付が発生し難い複合ロールを提供す
ることを目的とする。
で、軸部材が鋼系材質で形成されているにも拘らず、そ
の軸受部に摩耗や焼付が発生し難い複合ロールを提供す
ることを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】高合金ロール材で形成さ
れた外層と、鋼系材質によって形成された軸部材とが同
心状に一体的に結合した複合ロールにおいて、前記軸部
材の軸受部の表面に硬度Ｈｓ40〜75の高周波焼入層が形
成されている。
れた外層と、鋼系材質によって形成された軸部材とが同
心状に一体的に結合した複合ロールにおいて、前記軸部
材の軸受部の表面に硬度Ｈｓ40〜75の高周波焼入層が形
成されている。
【０００６】
【作用】軸部材の軸受部表面に高周波焼入層が形成され
ているので、強靭性を損なうことなく耐摩耗性、耐焼付
性を向上させることができる。高周波焼入層の硬度をＨ
ｓ40〜75とするのは、Ｈｓ40未満では摩耗や焼付が発生
し易く、一方Ｈｓ75を越えると脆くなり、クラック発生
などのおそれがあるからである。
ているので、強靭性を損なうことなく耐摩耗性、耐焼付
性を向上させることができる。高周波焼入層の硬度をＨ
ｓ40〜75とするのは、Ｈｓ40未満では摩耗や焼付が発生
し易く、一方Ｈｓ75を越えると脆くなり、クラック発生
などのおそれがあるからである。
【０００７】
【実施例】図１は実施例に係る鋳鉄圧延用複合ロールで
あり、圧延使用層たる外層1 に軸部材2 が同心状に嵌合
され、ＨＩＰにより拡散接合されている。軸部材2 には
外層1 の両側に隣接した領域に軸受部3 が形成され、そ
の末端には駆動連結部5 が形成されている。
あり、圧延使用層たる外層1 に軸部材2 が同心状に嵌合
され、ＨＩＰにより拡散接合されている。軸部材2 には
外層1 の両側に隣接した領域に軸受部3 が形成され、そ
の末端には駆動連結部5 が形成されている。
【０００８】前記外層1 を形成する高合金ロール材とし
ては、高クロム鋳鉄、黒鉛晶出高クロム鋳鉄、ハイス系
工具鋼等種々のものを利用することができる。耐摩耗性
に優れた高Ｃハイス系鋳造材の組成例（単位ｗｔ％) を
下記に示す。 Ｃ ： 1.5〜2.5 ％、 Ｓｉ： 0.2〜1.0 ％、 Ｍｎ：
1.5 ％以下、 Ｃｒ： 3 〜10 ％、 Ｍｏ： 0.1〜9 ％、Ｗ ：
２〜８ ％、 Ｖ ： 2 〜10 ％、 Ｃｏ： 10 ％以下、 残部実
質的にＦｅ前記軸部材2 を形成する鋼系材質としては、
機械構造用炭素鋼やＳＣＭ材、ＳＮＣＭ材等の機械構造
用合金鋼などの焼入性のある各種鋼材を使用することが
できる。
ては、高クロム鋳鉄、黒鉛晶出高クロム鋳鉄、ハイス系
工具鋼等種々のものを利用することができる。耐摩耗性
に優れた高Ｃハイス系鋳造材の組成例（単位ｗｔ％) を
下記に示す。 Ｃ ： 1.5〜2.5 ％、 Ｓｉ： 0.2〜1.0 ％、 Ｍｎ：
1.5 ％以下、 Ｃｒ： 3 〜10 ％、 Ｍｏ： 0.1〜9 ％、Ｗ ：
２〜８ ％、 Ｖ ： 2 〜10 ％、 Ｃｏ： 10 ％以下、 残部実
質的にＦｅ前記軸部材2 を形成する鋼系材質としては、
機械構造用炭素鋼やＳＣＭ材、ＳＮＣＭ材等の機械構造
用合金鋼などの焼入性のある各種鋼材を使用することが
できる。
【０００９】前記軸部材2 の軸受部3 表面には、焼入れ
深さが 2〜4 mm程度で硬度Ｈｓ40〜75の高周波焼入れ層
4 が形成されている。尚、焼入れ深さδ (mm) は、コイ
ルの周波数ｆ（Ｈｚ）によって決まり、下記式によって
求めることができる。尚、軸受部3 の高周波焼入れは、
外層1 の熱処理後に行うことは当然である。また、焼入
硬度は鋼材のＣ量でほぼ決まり、Ｈｓ40〜75を出すに
は、Ｃ量が 0.1ｗｔ％以上のものを使用すればよい。
深さが 2〜4 mm程度で硬度Ｈｓ40〜75の高周波焼入れ層
4 が形成されている。尚、焼入れ深さδ (mm) は、コイ
ルの周波数ｆ（Ｈｚ）によって決まり、下記式によって
求めることができる。尚、軸受部3 の高周波焼入れは、
外層1 の熱処理後に行うことは当然である。また、焼入
硬度は鋼材のＣ量でほぼ決まり、Ｈｓ40〜75を出すに
は、Ｃ量が 0.1ｗｔ％以上のものを使用すればよい。
【００１０】
【数１】
【００１１】上記実施例では、複合ロールはＨＩＰ法に
よって製作した例を示したが、ＣＰＣ法によって製作し
てもよいことは勿論である。次に、胴径（外層外径）φ
360 mm、胴長 (外層長) 880 mm、軸部材長1520mmの複合
ロールの製造例を下記に掲げる。 (1) 下記組成のハイス系ロール材によって形成された
外層と、ＳＣＭ440 によって形成された軸部材 (外径φ
250mm) とを嵌合し、ＨＩＰにより拡散接合した。
よって製作した例を示したが、ＣＰＣ法によって製作し
てもよいことは勿論である。次に、胴径（外層外径）φ
360 mm、胴長 (外層長) 880 mm、軸部材長1520mmの複合
ロールの製造例を下記に掲げる。 (1) 下記組成のハイス系ロール材によって形成された
外層と、ＳＣＭ440 によって形成された軸部材 (外径φ
250mm) とを嵌合し、ＨＩＰにより拡散接合した。
【００１２】・外層組成 (ｗｔ％) Ｃ ： 1.97 、 Ｓｉ： 0.63 、Ｍｎ：
0.55 、Ｃｒ： 6.23 、 Ｍｏ： 6.15
、 Ｗ ： 4.02 、Ｖ ： 5.11 、 Ｃ
ｏ： 1.23 、 残部実質的にＦｅ、 (2) ＨＩＰ処理後、粗加工したロールを1120℃に加熱
保持してオーステナイト化した後、400 ℃／Hrで強制空
冷して外層に焼入れ処理を施した。熱処理後、表面硬度
を測定したところ、外層はＨｓ84、軸受部はＨｓ31であ
った。 (3) 次に、コイル周波数30ＫHzで軸受部表面に高周波
焼入れを行ったところ、高周波焼入層の表面硬度はＨｓ
61、焼入深さは３mm程度であった。
0.55 、Ｃｒ： 6.23 、 Ｍｏ： 6.15
、 Ｗ ： 4.02 、Ｖ ： 5.11 、 Ｃ
ｏ： 1.23 、 残部実質的にＦｅ、 (2) ＨＩＰ処理後、粗加工したロールを1120℃に加熱
保持してオーステナイト化した後、400 ℃／Hrで強制空
冷して外層に焼入れ処理を施した。熱処理後、表面硬度
を測定したところ、外層はＨｓ84、軸受部はＨｓ31であ
った。 (3) 次に、コイル周波数30ＫHzで軸受部表面に高周波
焼入れを行ったところ、高周波焼入層の表面硬度はＨｓ
61、焼入深さは３mm程度であった。
【００１３】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の複合ロール
は、鋼系材質で形成された軸部材の軸受部に硬度Ｈｓ40
〜75の高周波焼入層を形成したので、耐摩耗性および耐
焼付性を向上させることができ、軸部材の強靭性を損な
うことなく、軸部材の耐久性を大幅に向上させることが
できた。
は、鋼系材質で形成された軸部材の軸受部に硬度Ｈｓ40
〜75の高周波焼入層を形成したので、耐摩耗性および耐
焼付性を向上させることができ、軸部材の強靭性を損な
うことなく、軸部材の耐久性を大幅に向上させることが
できた。
【図１】実施例に係る複合ロールの要部断面図である。
１ 外層 ２ 軸部材 ３ 軸受部 ４ 高周波焼入層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ２２Ｃ 38/22 (72)発明者 森川 長 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１】 高合金ロール材で形成された外層と、鋼
系材質によって形成された軸部材とが同心状に一体的に
結合した複合ロールにおいて、 前記軸部材の軸受部の表面に硬度Ｈｓ40〜75の高周波焼
入層が形成されていることを特徴とする複合ロール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18477791A JPH0523712A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 複合ロール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18477791A JPH0523712A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 複合ロール |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0523712A true JPH0523712A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=16159126
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18477791A Pending JPH0523712A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 複合ロール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0523712A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007268554A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Nippon Chuzo Kk | 大径鋼管ｏプレス成形用鋳鉄金型 |
| JP2015193014A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 日立金属株式会社 | 圧延用複合ロール及びその製造方法 |
| JP2015193015A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 日立金属株式会社 | 圧延用複合ロール及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-07-24 JP JP18477791A patent/JPH0523712A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007268554A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Nippon Chuzo Kk | 大径鋼管ｏプレス成形用鋳鉄金型 |
| JP2015193014A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 日立金属株式会社 | 圧延用複合ロール及びその製造方法 |
| JP2015193015A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 日立金属株式会社 | 圧延用複合ロール及びその製造方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPH03122253A (ja) | 金属圧延用ロールの製造法 | |
| JP4372364B2 (ja) | 遠心鋳造製熱間圧延用単層スリーブロール | |
| JPH0523712A (ja) | 複合ロール | |
| JP4392376B2 (ja) | 熱間圧延用複合ロールの製造方法 | |
| JP3308058B2 (ja) | 棒鋼圧延用ロール | |
| JPH03238107A (ja) | 熱間圧延設備に於けるコイラ用ロールの製造法 | |
| JPH07179945A (ja) | 圧延用カリバーロール | |
| JPH07116780A (ja) | 連続鋳造用ロールの製造方法及び該方法によって製造された連続鋳造用ロール | |
| JP2542681B2 (ja) | 耐摩耗合金鋳鉄 | |
| JPS5810982B2 (ja) | 冷間圧延用高硬度クロムロ−ル | |
| JPS5855549A (ja) | Ｈ型鋼圧延用複合スリ−プロ−ル及びその製造法 | |
| JP2931384B2 (ja) | 耐ヒートクラック性に優れた連続鋳造ロール | |
| JP3019240B2 (ja) | 遠心鋳造製複合ロール | |
| JPS6223969A (ja) | Ｈ形鋼圧延用複合スリ−ブおよびその製造法 | |
| JP2018161655A (ja) | 熱間圧延用ロール外層材および熱間圧延用複合ロール | |
| JP2673215B2 (ja) | 黒鉛を有する▲高▼クロムロール | |
| JP2672598B2 (ja) | 耐摩耗性および耐肌荒性に優れた黒鉛晶出高クロム鋳鉄ロール材および圧延用複合ロール | |
| JP2587012B2 (ja) | 硬化肉盛ロールの製造方法 | |
| JPH03126838A (ja) | 複合ロール | |
| JPH0338325B2 (ja) | ||
| JPS6230041B2 (ja) | ||
| JPH0192319A (ja) | 熱間圧延設備におけるコイラ用ロールの製造法 | |
| JP2001342535A (ja) | 圧延用スリーブロール | |
| JPS62144806A (ja) | Ｈ型鋼圧延用複合スリ−ブおよびその製造法 | |
| JPH0292444A (ja) | 軸受鋼球用素材の製造方法 |