JPH05234729A - 希土類−鉄−窒素系磁石粉末及びその製造方法 - Google Patents
希土類−鉄−窒素系磁石粉末及びその製造方法Info
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- JPH05234729A JPH05234729A JP4085126A JP8512692A JPH05234729A JP H05234729 A JPH05234729 A JP H05234729A JP 4085126 A JP4085126 A JP 4085126A JP 8512692 A JP8512692 A JP 8512692A JP H05234729 A JPH05234729 A JP H05234729A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、耐食性が良くて高保磁力を有する
Sm−Fe−N系磁石粉末とその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は、ZnとCuからなる電解めっき膜
でSm−Fe−N粒子の表面を覆うことにより表面改質
の行われた磁石粉末に関するものである。本発明によ
り、従来よりも約5倍大きい粒子径(〜20μm)の磁
石粉末においても高保磁力が得られる。Znの均一被着
は、まずCuを磁石粒子に被着し、その上に電解めっき
法を用いて行うことにより可能である。表面改質は、熱
処理によるめっき膜と磁石粒子表面の反応により行われ
る。
Sm−Fe−N系磁石粉末とその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は、ZnとCuからなる電解めっき膜
でSm−Fe−N粒子の表面を覆うことにより表面改質
の行われた磁石粉末に関するものである。本発明によ
り、従来よりも約5倍大きい粒子径(〜20μm)の磁
石粉末においても高保磁力が得られる。Znの均一被着
は、まずCuを磁石粒子に被着し、その上に電解めっき
法を用いて行うことにより可能である。表面改質は、熱
処理によるめっき膜と磁石粒子表面の反応により行われ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気特性と耐食性が改
善されたR−Fe−N系磁石粉末(ただし、RはSmを
主体とする希土類元素)及びその製造方法に関するもの
である。
善されたR−Fe−N系磁石粉末(ただし、RはSmを
主体とする希土類元素)及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】金属間化合物Sm2Fe17を窒化する
ことにより、高い異方性磁界を有する一軸異方性の窒化
化合物Sm2Fe17Nx(x〜3)が生成される(特
開平2−57663号公報,ヨーロッパ特許公報EP0
369097−A1,又はJ.M.D.Coey an
d H.Sun,J.Magn.Magn.Mat,8
7(1990)L251)。
ことにより、高い異方性磁界を有する一軸異方性の窒化
化合物Sm2Fe17Nx(x〜3)が生成される(特
開平2−57663号公報,ヨーロッパ特許公報EP0
369097−A1,又はJ.M.D.Coey an
d H.Sun,J.Magn.Magn.Mat,8
7(1990)L251)。
【0003】この際の窒化は、アンモニアガス(N
H3)、窒素ガス(N2)、もしくはそれらのどちらか
のガスと水素ガス(H2)の混合ガスの雰囲気中で、3
00〜600℃の温度で加熱することにより行われる
(NH3を窒化に用いると、Hがわずかに窒化化合物中
に残存し、正確にはSm−Fe−N−H系になるが、こ
こではそれもSm−Fe−N系に含める)。
H3)、窒素ガス(N2)、もしくはそれらのどちらか
のガスと水素ガス(H2)の混合ガスの雰囲気中で、3
00〜600℃の温度で加熱することにより行われる
(NH3を窒化に用いると、Hがわずかに窒化化合物中
に残存し、正確にはSm−Fe−N−H系になるが、こ
こではそれもSm−Fe−N系に含める)。
【0004】生成された窒化化合物は通常の機械的な粉
砕により容易に粉末にすることができる。ここで、粉末
粒子の大きさを小さくするに従い、粉末の固有保磁力
(以下、単に保磁力と記す)が大きくなることが知られ
ている。例えば、前記の特許公報EP0369097−
A1においては、粉末の平均粒子径を4μm程度にする
と、保磁力が5〜7kOeになることが示されている。
砕により容易に粉末にすることができる。ここで、粉末
粒子の大きさを小さくするに従い、粉末の固有保磁力
(以下、単に保磁力と記す)が大きくなることが知られ
ている。例えば、前記の特許公報EP0369097−
A1においては、粉末の平均粒子径を4μm程度にする
と、保磁力が5〜7kOeになることが示されている。
【0005】上記のようにして作製された粒子径4μm
の粉末は、エポキシ等の樹脂を加え、混練ののちに、プ
レス成形することにより、ボンド磁石にすることができ
る。粉末粒子が単結晶であれば、磁場中でプレス成形す
ることにより異方性ボンド磁石を作製することができ
る。
の粉末は、エポキシ等の樹脂を加え、混練ののちに、プ
レス成形することにより、ボンド磁石にすることができ
る。粉末粒子が単結晶であれば、磁場中でプレス成形す
ることにより異方性ボンド磁石を作製することができ
る。
【0006】ここで問題になるのは、磁石粉末の耐食性
である。一般に、希土類元素と鉄を主成分とする合金は
酸化され易く、5μm以下の微粒子にすると、室温ない
し100℃程度の磁石の使用環境においても安定性が良
くない。上記のSm−Fe−N粉末の場合にも、2μm
の粉末では、125℃における放置実験で時間の経過と
ともに著しく保磁力が低下することが示されている(米
山他,日本金属学会分科会シンポジウム予稿集(199
1)p.40)。
である。一般に、希土類元素と鉄を主成分とする合金は
酸化され易く、5μm以下の微粒子にすると、室温ない
し100℃程度の磁石の使用環境においても安定性が良
くない。上記のSm−Fe−N粉末の場合にも、2μm
の粉末では、125℃における放置実験で時間の経過と
ともに著しく保磁力が低下することが示されている(米
山他,日本金属学会分科会シンポジウム予稿集(199
1)p.40)。
【0007】したがって、上記のような5μm以下の粉
末を成形してボンド磁石を作製したとしても、耐食性の
面から実用に供することはできない。この問題を解決す
る技術は現在のところ提供されていない。
末を成形してボンド磁石を作製したとしても、耐食性の
面から実用に供することはできない。この問題を解決す
る技術は現在のところ提供されていない。
【0008】耐食性を上げるには粉末の粒子径を大きく
すればよい。例えば、特許公報EP0369097−A
1において示されているように、平均粒子径が40μm
のSm−Fe−N粉末は、空気中150℃における放置
でも磁気特性の劣化は少ない。ところが、粉末粒子径を
5μm以上にすると、従来のSm−Fe−N粉末では保
磁力が小さくなり、ボンド磁石用の粉末として供するこ
とができない。
すればよい。例えば、特許公報EP0369097−A
1において示されているように、平均粒子径が40μm
のSm−Fe−N粉末は、空気中150℃における放置
でも磁気特性の劣化は少ない。ところが、粉末粒子径を
5μm以上にすると、従来のSm−Fe−N粉末では保
磁力が小さくなり、ボンド磁石用の粉末として供するこ
とができない。
【0009】例えば、粒子径が20μm程度のSm−F
e−N粉末の保磁力は0.5kOe程度である。ボンド
磁石として実用に供するには、粒子の保磁力は2kOe
以上、望ましくは4kOe以上が必要である。以上のよ
うに、耐食性と磁気特性の両方を満足する磁石粉末は、
Sm−Fe−N系では得られていないのが現状である。
e−N粉末の保磁力は0.5kOe程度である。ボンド
磁石として実用に供するには、粒子の保磁力は2kOe
以上、望ましくは4kOe以上が必要である。以上のよ
うに、耐食性と磁気特性の両方を満足する磁石粉末は、
Sm−Fe−N系では得られていないのが現状である。
【0010】特許公報EP0369097−A1又は特
開平3−153852号公報においては、Zn粉末をS
m−Fe−N粉末に添加し、機械的に混合の後にホット
プレスすることにより、保磁力の高い焼結磁石が得られ
ることが示されている。また、Zn粉末とSm−Fe−
N粉末の混合物を冷間でプレス成形し、その成形体を4
00〜500℃で熱処理することが試みられている(鈴
木他,粉体粉末冶金協会,平成3年春季大会,概要集
p.278)。その結果、成形体の保磁力がSm−Fe
−N粉末単体のそれよりも高くなることが示されてい
る。
開平3−153852号公報においては、Zn粉末をS
m−Fe−N粉末に添加し、機械的に混合の後にホット
プレスすることにより、保磁力の高い焼結磁石が得られ
ることが示されている。また、Zn粉末とSm−Fe−
N粉末の混合物を冷間でプレス成形し、その成形体を4
00〜500℃で熱処理することが試みられている(鈴
木他,粉体粉末冶金協会,平成3年春季大会,概要集
p.278)。その結果、成形体の保磁力がSm−Fe
−N粉末単体のそれよりも高くなることが示されてい
る。
【0011】以上の結果は、Sm−Fe−N粒子にZn
を被着し、熱処理すれば、保磁力が上がることを示唆す
るものである。しかしながら、Zn粉末とSm−Fe−
N粉末とを機械的に混合する従来の方法では、微細なS
m−Fe−N粒子の表面に均一に薄くZnを被着するこ
とは不可能である。
を被着し、熱処理すれば、保磁力が上がることを示唆す
るものである。しかしながら、Zn粉末とSm−Fe−
N粉末とを機械的に混合する従来の方法では、微細なS
m−Fe−N粒子の表面に均一に薄くZnを被着するこ
とは不可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】R−Fe−N系(ただ
し、RはSmを主体とする希土類元素)の磁石粉末の耐
食性は、粉末粒子径を大きくすれば改善される。本発明
で解決しようとする課題は、粒子径の大きいR−Fe−
N系磁石粉末において高保磁力を得ることである。
し、RはSmを主体とする希土類元素)の磁石粉末の耐
食性は、粉末粒子径を大きくすれば改善される。本発明
で解決しようとする課題は、粒子径の大きいR−Fe−
N系磁石粉末において高保磁力を得ることである。
【0013】本発明は、電解めっき法により、Sm−F
e−N粒子の表面に、Znを被着することを特徴とす
る。金属の微細粒子に電解めっきすることは、電導性の
良いCu,Wなどの粒子については成功している(竹島
他,表面技術Vol.41(1990)p.65)。し
かしながら、希土類と鉄を含む合金については報告がな
い。一般に、希土類と鉄を含む合金の粉末は、粉末粒子
表面に酸化膜が容易に形成されるために電導性が悪く、
電解めっきが困難である。
e−N粒子の表面に、Znを被着することを特徴とす
る。金属の微細粒子に電解めっきすることは、電導性の
良いCu,Wなどの粒子については成功している(竹島
他,表面技術Vol.41(1990)p.65)。し
かしながら、希土類と鉄を含む合金については報告がな
い。一般に、希土類と鉄を含む合金の粉末は、粉末粒子
表面に酸化膜が容易に形成されるために電導性が悪く、
電解めっきが困難である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、R−Fe−N粒子の表面改質を選び、
それによる保磁力向上を図った。その結果、ZnとCu
からなる電解めっき膜をR−Fe−N粒子の表面上に形
成し、表面を改質することにより、高保磁力が得られる
という知見をもつに至った。
めの手段として、R−Fe−N粒子の表面改質を選び、
それによる保磁力向上を図った。その結果、ZnとCu
からなる電解めっき膜をR−Fe−N粒子の表面上に形
成し、表面を改質することにより、高保磁力が得られる
という知見をもつに至った。
【0015】本発明は、かかる知見にもとづいてなされ
たもので、R−Fe−N系磁石粉末において、上記粉末
の粒子の表面がZnとCuからなる電解めっき膜で覆わ
れていることに特徴を有する。
たもので、R−Fe−N系磁石粉末において、上記粉末
の粒子の表面がZnとCuからなる電解めっき膜で覆わ
れていることに特徴を有する。
【0016】本発明の磁石粉末においては、粒子径が5
〜50μmであっても2kOe以上の保磁力を得ること
ができる。また、ZnとCuからなる電解めっき膜の被
着量が、被着後の磁石粉末の重量の1%以上、20%以
下であれば、高い飽和磁化を有する磁石粉末を得ること
ができる。
〜50μmであっても2kOe以上の保磁力を得ること
ができる。また、ZnとCuからなる電解めっき膜の被
着量が、被着後の磁石粉末の重量の1%以上、20%以
下であれば、高い飽和磁化を有する磁石粉末を得ること
ができる。
【0017】本発明の製造方法は、R−Fe−N系磁石
粉末の粒子表面上にCuを被着の後にZnを電解めっき
法により被着し、ついでその被着粉末を300〜600
℃の温度で熱処理することに特徴を有する。
粉末の粒子表面上にCuを被着の後にZnを電解めっき
法により被着し、ついでその被着粉末を300〜600
℃の温度で熱処理することに特徴を有する。
【0018】本発明による磁石粉末は、樹脂で結合して
ボンド磁石となし、小型モータ等の電子機器に応用して
有用である。
ボンド磁石となし、小型モータ等の電子機器に応用して
有用である。
【0019】
【作用】希土類−鉄系の合金を粉砕して微粒子にする
と、粒子の表面は凹凸のある破壊面になり、その表面に
は格子歪みが生じている可能性がある。また、希土類−
鉄系合金は化学的に活性であるので、大気中においては
粉砕後の粒子の表面には酸化膜(又は水酸化膜)が形成
されていると考えるのが妥当である。
と、粒子の表面は凹凸のある破壊面になり、その表面に
は格子歪みが生じている可能性がある。また、希土類−
鉄系合金は化学的に活性であるので、大気中においては
粉砕後の粒子の表面には酸化膜(又は水酸化膜)が形成
されていると考えるのが妥当である。
【0020】R−Fe−N系(ただし、RはSmを主体
とする希土類元素)の磁石粉末においては、上記のよう
な表面層の変質が粉末の保磁力を下げていると予想され
る。これをミクロにみると、粒子の表面の変質部からは
逆磁区が発生し易くなり、そのために保磁力が低くなる
と考えることができる(逆磁区とは、ある方向に粒子を
磁化した後に、その方向と反対方向に磁場をかけたとき
に生じる逆方向の磁化をもった領域を言い、それが発生
しにくいほど保磁力は高い)。
とする希土類元素)の磁石粉末においては、上記のよう
な表面層の変質が粉末の保磁力を下げていると予想され
る。これをミクロにみると、粒子の表面の変質部からは
逆磁区が発生し易くなり、そのために保磁力が低くなる
と考えることができる(逆磁区とは、ある方向に粒子を
磁化した後に、その方向と反対方向に磁場をかけたとき
に生じる逆方向の磁化をもった領域を言い、それが発生
しにくいほど保磁力は高い)。
【0021】本発明者らは、従来のR−Fe−N系磁石
粉末では、粒子表面から逆磁区が発生しやすく、本来期
待されるべき保磁力が得られていないと推察した。
粉末では、粒子表面から逆磁区が発生しやすく、本来期
待されるべき保磁力が得られていないと推察した。
【0022】そこで、本発明者らは、R−Fe−N粒子
の表面状態を変えるために、Znを電解めっき法で被着
し、熱処理を行うことを試みた。対象とする粒子が、極
めて酸化性の高い物質で、かつ大きさが50μm以下と
小さいので、粉末めっきそのものが従来技術の範囲を超
えている。
の表面状態を変えるために、Znを電解めっき法で被着
し、熱処理を行うことを試みた。対象とする粒子が、極
めて酸化性の高い物質で、かつ大きさが50μm以下と
小さいので、粉末めっきそのものが従来技術の範囲を超
えている。
【0023】R−Fe−N粒子は、上述のように表面に
酸化膜が形成されていること、さらに水を溶媒とする電
解液中では表面に水素化物ができやすいことの2つの理
由により、電導性が極めて悪い。また、Zn2+の還元
電位はH+のそれよりも卑の方向に大きいので、電解め
っきに際してはH2の発生が優先する。このような理由
により、通常の粉末めっき法では、Znの単独めっきは
困難である。
酸化膜が形成されていること、さらに水を溶媒とする電
解液中では表面に水素化物ができやすいことの2つの理
由により、電導性が極めて悪い。また、Zn2+の還元
電位はH+のそれよりも卑の方向に大きいので、電解め
っきに際してはH2の発生が優先する。このような理由
により、通常の粉末めっき法では、Znの単独めっきは
困難である。
【0024】種々検討の結果、まず少量のCuをR−F
e−N粒子の表面に被着し、ついでZnの電解めっきを
行うと、Znの被着が可能であることを見い出したので
ある。本発明の電解めっき法によれば、めっき浴及びめ
っき条件の選択により、1μm以下の微細なZn粒子か
らなる均一な皮膜が得られる。
e−N粒子の表面に被着し、ついでZnの電解めっきを
行うと、Znの被着が可能であることを見い出したので
ある。本発明の電解めっき法によれば、めっき浴及びめ
っき条件の選択により、1μm以下の微細なZn粒子か
らなる均一な皮膜が得られる。
【0025】Znの電解めっき膜で覆われたR−Fe−
N粒子を300〜600℃で熱処理することにより、Z
nの関与する表面反応でR−Fe−N粒子の表面状態を
改質することができる。そのメカニズムとしては、被着
Znの一部がR−Fe−N粒子の表面近傍の変質層と反
応し、それを磁気的に無害なものにする作用を想定する
ことができる。
N粒子を300〜600℃で熱処理することにより、Z
nの関与する表面反応でR−Fe−N粒子の表面状態を
改質することができる。そのメカニズムとしては、被着
Znの一部がR−Fe−N粒子の表面近傍の変質層と反
応し、それを磁気的に無害なものにする作用を想定する
ことができる。
【0026】すなわち、表面の逆磁区発生サイトが減少
し、その結果保磁力が向上する効果を期待することがで
きる。本発明者らは、Cuを下地としたZnの電解めっ
き膜で覆われたR−Fe−N粒子において、上記の熱処
理により高い保磁力が得られることを見い出したのであ
る。Zn皮膜は、鉄鋼材料において経験されるように、
犠牲防食効果があるので、磁石粒子の耐食性を上げるこ
とにも効果がある。
し、その結果保磁力が向上する効果を期待することがで
きる。本発明者らは、Cuを下地としたZnの電解めっ
き膜で覆われたR−Fe−N粒子において、上記の熱処
理により高い保磁力が得られることを見い出したのであ
る。Zn皮膜は、鉄鋼材料において経験されるように、
犠牲防食効果があるので、磁石粒子の耐食性を上げるこ
とにも効果がある。
【0027】以下、本発明の詳細を、処理の順に記述す
る。R−Fe−N系磁石粉末におけるRとしては、Sm
が主体であることが必須であるが、Rの一部が他の希土
類元素であっても差し支えない。以下、Sm−Fe−N
系として説明する。
る。R−Fe−N系磁石粉末におけるRとしては、Sm
が主体であることが必須であるが、Rの一部が他の希土
類元素であっても差し支えない。以下、Sm−Fe−N
系として説明する。
【0028】一軸異方性の窒化化合物Sm2Fe17N
xはSm2Fe17粉末を窒化することによって作製で
きる。Sm2Fe17粉末は、通常の溶解法で得たイン
ゴットを溶体化処理の後に粉砕することによって得られ
る。Sm2Fe17粉末の粒子径は、その後の窒化の時
間を短縮するために、100μm以下であることが望ま
しい。
xはSm2Fe17粉末を窒化することによって作製で
きる。Sm2Fe17粉末は、通常の溶解法で得たイン
ゴットを溶体化処理の後に粉砕することによって得られ
る。Sm2Fe17粉末の粒子径は、その後の窒化の時
間を短縮するために、100μm以下であることが望ま
しい。
【0029】Sm2Fe17粉末の窒化は、N2又はN
H3のガス中、あるいはそれらのどちらかのガスとH2
との混合ガス中で粉末を加熱することによって行われ
る。窒化は、600℃以下の温度で行われるべきであ
る。なぜなら、600℃以上では、窒化化合物Sm2F
e17Nxは不安定で分解するからである。Sm2Fe
17Nxの窒素量を表すxは6まで可変であるが、x=
3近傍のときが最も異方性磁界が大きく、磁石粉末とし
て適する。ここで、窒化粉末の粒子径は、窒化前のSm
2Fe17粉末の粒子径で調整してもよいし、窒化後の
粉末をさらに粉砕して調整してもよい。
H3のガス中、あるいはそれらのどちらかのガスとH2
との混合ガス中で粉末を加熱することによって行われ
る。窒化は、600℃以下の温度で行われるべきであ
る。なぜなら、600℃以上では、窒化化合物Sm2F
e17Nxは不安定で分解するからである。Sm2Fe
17Nxの窒素量を表すxは6まで可変であるが、x=
3近傍のときが最も異方性磁界が大きく、磁石粉末とし
て適する。ここで、窒化粉末の粒子径は、窒化前のSm
2Fe17粉末の粒子径で調整してもよいし、窒化後の
粉末をさらに粉砕して調整してもよい。
【0030】本発明においては、Sm−Fe−N粒子に
まずCuを被着し、ついでZnを電解めっき法で被着す
る。まず、Cuの被着であるが、これは無電解めっき
法、電解めっき法のどちらを用いてもよいが、電解めっ
きの方が析出Cu粒子のサイズが細かく好適である。電
解めっきは、アノードをCu板にし、カソード側に粉末
を配置して、電流を流すことにより行われる。ここで、
粉末とカソードが導電性を保つ状態で、粉末を撹拌する
ことにより、全粒子に亘って均一なめっきを行うことが
できる。
まずCuを被着し、ついでZnを電解めっき法で被着す
る。まず、Cuの被着であるが、これは無電解めっき
法、電解めっき法のどちらを用いてもよいが、電解めっ
きの方が析出Cu粒子のサイズが細かく好適である。電
解めっきは、アノードをCu板にし、カソード側に粉末
を配置して、電流を流すことにより行われる。ここで、
粉末とカソードが導電性を保つ状態で、粉末を撹拌する
ことにより、全粒子に亘って均一なめっきを行うことが
できる。
【0031】電解めっき浴の組成の選択にあたっては、
浴のpHが6以下であることが必要である。なぜなら
ば、pHが6未満の酸性浴(例えば、硫酸銅を用いる
浴)を用いると、Sm−Fe−N粒子からSm,Feが
浴中に溶出するからである。pHが6以上の浴として
は、シアン化銅(CuCN)を用いる浴、ピロリン酸銅
(Cu2P2O7・3H2O)を用いる浴などがある
が、安全性と汎用性の点からピロリン酸銅を用いる浴が
好適である。
浴のpHが6以下であることが必要である。なぜなら
ば、pHが6未満の酸性浴(例えば、硫酸銅を用いる
浴)を用いると、Sm−Fe−N粒子からSm,Feが
浴中に溶出するからである。pHが6以上の浴として
は、シアン化銅(CuCN)を用いる浴、ピロリン酸銅
(Cu2P2O7・3H2O)を用いる浴などがある
が、安全性と汎用性の点からピロリン酸銅を用いる浴が
好適である。
【0032】Cuの被着はZnめっきの下地として行う
ものであるから、被着Cu層はできる限り均一で、析出
粒子のサイズは1μm以下であることが望ましい。ま
た、熱処理時のZnとSm−Fe−N粒子の表面層の反
応が効果的に行われるためには、Cuの被着量は被着Z
n量の1/4以下であることが望ましい。
ものであるから、被着Cu層はできる限り均一で、析出
粒子のサイズは1μm以下であることが望ましい。ま
た、熱処理時のZnとSm−Fe−N粒子の表面層の反
応が効果的に行われるためには、Cuの被着量は被着Z
n量の1/4以下であることが望ましい。
【0033】次に、Znの電解めっきであるが、これ
は、Cuを被着したSm−Fe−N粒子に対しては、比
較的簡単に行うことができる。なぜならば、Cuに覆わ
れたSm−Fe−N粒子は良好な導電性を示すからであ
る。また、粒子からのSm,Feの溶出が起こらないた
めに、浴としては酸性浴もアルカリ浴も用いることがで
きる。例えば、硫酸亜鉛(ZnSO4・7H2O)を用
いる浴、酸化亜鉛(ZnO)を溶かしたジンケート浴、
シアン化亜鉛(Zn(CN)2)を用いる浴が知られて
いるが、どれを用いても良い。
は、Cuを被着したSm−Fe−N粒子に対しては、比
較的簡単に行うことができる。なぜならば、Cuに覆わ
れたSm−Fe−N粒子は良好な導電性を示すからであ
る。また、粒子からのSm,Feの溶出が起こらないた
めに、浴としては酸性浴もアルカリ浴も用いることがで
きる。例えば、硫酸亜鉛(ZnSO4・7H2O)を用
いる浴、酸化亜鉛(ZnO)を溶かしたジンケート浴、
シアン化亜鉛(Zn(CN)2)を用いる浴が知られて
いるが、どれを用いても良い。
【0034】Znの電解析出は下地のCu層の上に起こ
るので、Znめっきの質は下地のCu層の質に大きく影
響される。一般に、Cu層が緻密なものであれば、Zn
層も緻密なものができる。均一性の観点から、Znの電
解析出粒子のサイズは1μm以下であることが望まし
い。ここで、Znの被着量は、被着後の磁石粉末の重量
の1%以上、20%以下であることが必要である。Zn
の被着量が1%未満では被着粉末において充分な保磁力
が得られず、20%を超えると飽和磁化の低下を無視で
きなくなる。
るので、Znめっきの質は下地のCu層の質に大きく影
響される。一般に、Cu層が緻密なものであれば、Zn
層も緻密なものができる。均一性の観点から、Znの電
解析出粒子のサイズは1μm以下であることが望まし
い。ここで、Znの被着量は、被着後の磁石粉末の重量
の1%以上、20%以下であることが必要である。Zn
の被着量が1%未満では被着粉末において充分な保磁力
が得られず、20%を超えると飽和磁化の低下を無視で
きなくなる。
【0035】Znを電解めっき後に、300〜600℃
で熱処理を行う。この熱処理により、Znと下地のCu
は合金化する。次に、合金層中のZn(又はZnとCu
の双方)がSm−Fe−N粒子の表面変質層と反応し、
表面を改質する。これにより、処理後の粉末において高
保磁力を得ることができる。
で熱処理を行う。この熱処理により、Znと下地のCu
は合金化する。次に、合金層中のZn(又はZnとCu
の双方)がSm−Fe−N粒子の表面変質層と反応し、
表面を改質する。これにより、処理後の粉末において高
保磁力を得ることができる。
【0036】ここで、熱処理は、Znが酸化もしくは蒸
発をしないように、Ar等の不活性雰囲気で行う必要が
ある。熱処理温度は、300℃以下では表面改質反応が
進行せず、600℃以上ではSm−Fe−N粒子の構造
が不安定になり他の相に分解する。
発をしないように、Ar等の不活性雰囲気で行う必要が
ある。熱処理温度は、300℃以下では表面改質反応が
進行せず、600℃以上ではSm−Fe−N粒子の構造
が不安定になり他の相に分解する。
【0037】
【実施例】実施例1 原子百分率でFe−10.5%Sm(Sm2Fe17)
の組成のインゴットを通常の溶解・鋳造法により作製
し、それに1000℃で20時間の溶体化処理を施し
た。溶体化後のインゴットをスタンプミルにより粉砕
し、分級することにより粒子径が22〜26μm(平均
粒径24μm)の粉末を得た。この粉末を窒素ガス中の
500℃で14時間保つことにより、組成がSm2Fe
17N2.6の窒化粉末を得た。
の組成のインゴットを通常の溶解・鋳造法により作製
し、それに1000℃で20時間の溶体化処理を施し
た。溶体化後のインゴットをスタンプミルにより粉砕
し、分級することにより粒子径が22〜26μm(平均
粒径24μm)の粉末を得た。この粉末を窒素ガス中の
500℃で14時間保つことにより、組成がSm2Fe
17N2.6の窒化粉末を得た。
【0038】窒化粉末にCuの電解めっきを施し、引き
続きZnの電解めっきを施した。めっき液の組成とめっ
き条件を表1に示す。粉末のめっきは、アノードにCu
又はZnの板を用い、カソード側に粉末を滞留させ、ア
ノードとカソード間に一定の電流を流すことにより行っ
た。ここで、粉末とカソード間で導電性がある状態を維
持しながら、粉末を撹拌した。これにより全粒子に亘っ
て均一なめっきを行うことができた。ここで、Cuのめ
っき時間は5分間にし、Znのめっき時間を60分まで
変化させた。ピロリン酸銅のめっき液中ではCuの電析
速度は非常に遅いので、被着したCu量はわずかであ
る。
続きZnの電解めっきを施した。めっき液の組成とめっ
き条件を表1に示す。粉末のめっきは、アノードにCu
又はZnの板を用い、カソード側に粉末を滞留させ、ア
ノードとカソード間に一定の電流を流すことにより行っ
た。ここで、粉末とカソード間で導電性がある状態を維
持しながら、粉末を撹拌した。これにより全粒子に亘っ
て均一なめっきを行うことができた。ここで、Cuのめ
っき時間は5分間にし、Znのめっき時間を60分まで
変化させた。ピロリン酸銅のめっき液中ではCuの電析
速度は非常に遅いので、被着したCu量はわずかであ
る。
【0039】次に、めっきした粉末にアルゴン雰囲気中
で470℃で2時間の熱処理を施した。熱処理後の粉末
につき、振動試料型磁力計(VSM)により磁気測定を
行った。試料は、粉末を樹脂中に浸漬し、磁場を印加す
ることにより粉末粒子を配向させ、そのまま樹脂を硬化
させることにより作製した。測定方向は、配向磁場の方
向である。図1に、飽和磁化σs(emu/g)と保磁
力iHc(kOe)を、Znのめっき時間に対して示
す。
で470℃で2時間の熱処理を施した。熱処理後の粉末
につき、振動試料型磁力計(VSM)により磁気測定を
行った。試料は、粉末を樹脂中に浸漬し、磁場を印加す
ることにより粉末粒子を配向させ、そのまま樹脂を硬化
させることにより作製した。測定方向は、配向磁場の方
向である。図1に、飽和磁化σs(emu/g)と保磁
力iHc(kOe)を、Znのめっき時間に対して示
す。
【0040】Znの被着量は、Znのめっき時間が30
分間のときに、磁石粉末の重量の約20%である。図か
らわかるように、めっき前の粉末の保磁力が0.3kO
eであるのに対し、めっき後に熱処理を施したものにつ
いては、3kOe近傍の保磁力が得られている。
分間のときに、磁石粉末の重量の約20%である。図か
らわかるように、めっき前の粉末の保磁力が0.3kO
eであるのに対し、めっき後に熱処理を施したものにつ
いては、3kOe近傍の保磁力が得られている。
【0041】図2(a),(b)には、Cuめっき後に
Znめっきを15分間行い、470℃で2時間の熱処理
を施した磁石粒子の外観を示す走査電子顕微鏡(SE
M)による写真を示す。Zn粒子径が1μm以下の電解
めっき膜によってSm−Fe−N粒子が均一に覆われて
いるのがわかる。
Znめっきを15分間行い、470℃で2時間の熱処理
を施した磁石粒子の外観を示す走査電子顕微鏡(SE
M)による写真を示す。Zn粒子径が1μm以下の電解
めっき膜によってSm−Fe−N粒子が均一に覆われて
いるのがわかる。
【0042】磁石粒子の断面におけるZnとCuとの分
布を、EPMAによって調べた。図3(a)は、SEM
による粒子断面を表す写真、図3(b)と(c)は、そ
れぞれZnとCuの特性X線像である。ZnとCuが同
位置に検出され、Sm−Fe−N粒子を囲む電解めっき
膜がZnとCuの合金になっているのがわかる。
布を、EPMAによって調べた。図3(a)は、SEM
による粒子断面を表す写真、図3(b)と(c)は、そ
れぞれZnとCuの特性X線像である。ZnとCuが同
位置に検出され、Sm−Fe−N粒子を囲む電解めっき
膜がZnとCuの合金になっているのがわかる。
【0043】
【表1】
【0044】実施例2 組成がSm2Fe17N2.6で、粒子径が5〜22μ
m(平均粒径14μm)の窒化粉末を、実施例1と同様
の方法で用意した。実施例1と同じめっき浴、めっき条
件を用い、窒化粉末にCuの電解めっきを15分間施
し、引き続きZnの電解めっきを15分間施した。
m(平均粒径14μm)の窒化粉末を、実施例1と同様
の方法で用意した。実施例1と同じめっき浴、めっき条
件を用い、窒化粉末にCuの電解めっきを15分間施
し、引き続きZnの電解めっきを15分間施した。
【0045】次に、めっきした粉末にアルゴン雰囲気中
で470℃で2時間の熱処理を施した。熱処理後の粉末
につき、実施例1と同様の方法で測定試料を作製し、V
SMにより磁気測定を行った。
で470℃で2時間の熱処理を施した。熱処理後の粉末
につき、実施例1と同様の方法で測定試料を作製し、V
SMにより磁気測定を行った。
【0046】測定方向は配向磁場方向である。図4に、
めっき後に熱処理を施した試料の減磁曲線を、めっき前
のものと比較して示す。
めっき後に熱処理を施した試料の減磁曲線を、めっき前
のものと比較して示す。
【0047】本発明の処理により、保磁力が0.7kO
eから6.8kOeに向上している。めっき後に熱処理
した粉末の残留磁束密度Brは11.8kG、最大エネ
ルギー積(BH)maxは19.1MGOeであった
(粉末粒子の真密度を7.74g/cm3として計
算)。
eから6.8kOeに向上している。めっき後に熱処理
した粉末の残留磁束密度Brは11.8kG、最大エネ
ルギー積(BH)maxは19.1MGOeであった
(粉末粒子の真密度を7.74g/cm3として計
算)。
【0048】実施例3 磁石粉末の耐食性の試験を行った。試験にはSm2Fe
17N2.6の組成の粉末を用いた。本発明例として
は、実施例2で記したCu+Znのめっき処理を施した
粉末(平均粒径:14μm)を用い、比較例としては、
めっき処理を施していない平均粒径3μmの粉末を用い
た。両方の粉末の保磁力は同程度である。耐食性試験と
して、大気中、湿度無調整の条件下で、100℃に粉末
を加熱し、その温度で25時間保定する熱処理を施し
た。表2には、その熱処理により生じた粉末の重量増加
と熱処理前後の磁気特性を示す。比較例の粉末は、酸化
によると思われる大きな重量増加を示し、それに対応し
て保磁力が大きく減少した。本発明例の粉末は、重量増
加はほとんど無く、磁気特性の変化も少なかった。
17N2.6の組成の粉末を用いた。本発明例として
は、実施例2で記したCu+Znのめっき処理を施した
粉末(平均粒径:14μm)を用い、比較例としては、
めっき処理を施していない平均粒径3μmの粉末を用い
た。両方の粉末の保磁力は同程度である。耐食性試験と
して、大気中、湿度無調整の条件下で、100℃に粉末
を加熱し、その温度で25時間保定する熱処理を施し
た。表2には、その熱処理により生じた粉末の重量増加
と熱処理前後の磁気特性を示す。比較例の粉末は、酸化
によると思われる大きな重量増加を示し、それに対応し
て保磁力が大きく減少した。本発明例の粉末は、重量増
加はほとんど無く、磁気特性の変化も少なかった。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の実施により、磁気特性と耐食性
が改善されたR−Fe−N系磁石粉末(ただし、RはS
mを主体とする希土類元素)の提供が可能になる。この
磁石粉末を樹脂と混合の後に成形することにより、高性
能のボンド磁石を得ることができる。
が改善されたR−Fe−N系磁石粉末(ただし、RはS
mを主体とする希土類元素)の提供が可能になる。この
磁石粉末を樹脂と混合の後に成形することにより、高性
能のボンド磁石を得ることができる。
【図1】磁気特性とZnの電解めっき時間の関係の図表
である。
である。
【図2】(a)は、電解めっき後に470℃で熱処理を
施した磁石粒子の外観を表す走査電子顕微鏡(SEM)
による組織写真である。(b)は、その一部を拡大した
表面組織写真である。
施した磁石粒子の外観を表す走査電子顕微鏡(SEM)
による組織写真である。(b)は、その一部を拡大した
表面組織写真である。
【図3】(a)は、電解めっき後に470℃で熱処理を
施した磁石粒子の断面を表すSEMによる組織写真であ
る。(b),(c)は、それぞれ、磁石粒子断面におい
て観察したZnとCuの特性X線像である。
施した磁石粒子の断面を表すSEMによる組織写真であ
る。(b),(c)は、それぞれ、磁石粒子断面におい
て観察したZnとCuの特性X線像である。
【図4】電解めっき前と電解めっき+熱処理後の磁石粉
末の減磁曲線の図表である。
末の減磁曲線の図表である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】R−Fe−N粒子は、上述のように表面に
酸化膜が形成されていること、さらに水を溶媒とする電
解液中では表面に水酸化物ができやすいことの2つの理
由により、電導性が極めて悪い。また、Zn2+の還元電
位はH+ のそれよりも卑の方向に大きいので、電解めっ
きに際してはH2 の発生が優先する。このような理由に
より、通常の粉末めっき法では、Znの単独めっきは困
難である。
酸化膜が形成されていること、さらに水を溶媒とする電
解液中では表面に水酸化物ができやすいことの2つの理
由により、電導性が極めて悪い。また、Zn2+の還元電
位はH+ のそれよりも卑の方向に大きいので、電解めっ
きに際してはH2 の発生が優先する。このような理由に
より、通常の粉末めっき法では、Znの単独めっきは困
難である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/08 A 7371−5E
Claims (4)
- 【請求項1】 Smを主体とする希土類元素(以下、R
で示す)とFeとNを主成分とするR−Fe−N系磁石
粉末において、前記磁石粉末の粒子の表面がZnとCu
からなる電解めっき膜で覆われていることを特徴とする
R−Fe−N系磁石粉末。 - 【請求項2】 粒子径が5〜50μmの磁石粉末で、そ
の保磁力が2kOe以上であることを特徴とする請求項
1記載のR−Fe−N系磁石粉末。 - 【請求項3】 ZnとCuからなる電解めっき膜の被着
量が、被着後の磁石粉末の重量の1%以上、20%以下
であることを特徴とする請求項1又は2記載のR−Fe
−N系磁石粉末。 - 【請求項4】 Smを主体とする希土類元素(以下、R
で示す)とFeとNを主成分とするR−Fe−N系磁石
粉末の製造方法において、上記磁石粉末の粒子の表面に
Cuを被着の後にZnを電解めっき法により被着し、つ
いでその被着粉末を300〜600℃の温度で熱処理す
ることを特徴とするR−Fe−N系磁石粉末の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4085126A JPH05234729A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 希土類−鉄−窒素系磁石粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4085126A JPH05234729A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 希土類−鉄−窒素系磁石粉末及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05234729A true JPH05234729A (ja) | 1993-09-10 |
Family
ID=13849955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4085126A Withdrawn JPH05234729A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 希土類−鉄−窒素系磁石粉末及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05234729A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10501025A (ja) * | 1993-10-08 | 1998-01-27 | アメリカ合衆国 | 酸で補助された冷間圧接および金属間形成およびその歯科用途 |
WO2007119393A1 (ja) | 2006-03-16 | 2007-10-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | ラジアル異方性磁石の製造方法とラジアル異方性磁石を用いた永久磁石モータ及び有鉄心永久磁石モータ |
EP2226814A1 (en) | 2009-02-27 | 2010-09-08 | MINEBEA Co., Ltd. | Rare-earth iron -based magnet with self-recoverability |
DE102010037838A1 (de) | 2009-09-29 | 2011-03-31 | Minebea Co., Ltd. | Anisotroper Kunstharz-Verbundmagnet auf Seltenerd-Eisen Basis |
JP2014165212A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-09-08 | Denso Corp | 高耐食性希土類磁石粉末 |
JP2015219082A (ja) * | 2014-05-16 | 2015-12-07 | 日本電信電話株式会社 | 鋼材の黒皮評価方法 |
CN112259314A (zh) * | 2020-09-25 | 2021-01-22 | 南京理工大学 | 一种R(Fe,M)12型的稀土永磁材料及其制备方法 |
-
1992
- 1992-02-21 JP JP4085126A patent/JPH05234729A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10501025A (ja) * | 1993-10-08 | 1998-01-27 | アメリカ合衆国 | 酸で補助された冷間圧接および金属間形成およびその歯科用途 |
WO2007119393A1 (ja) | 2006-03-16 | 2007-10-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | ラジアル異方性磁石の製造方法とラジアル異方性磁石を用いた永久磁石モータ及び有鉄心永久磁石モータ |
US8072109B2 (en) | 2006-03-16 | 2011-12-06 | Panasonic Corporation | Radial anisotropic magnet manufacturing method, permanent magnet motor using radial anisotropic magnet, and iron core-equipped permanent magnet motor |
US8183732B2 (en) | 2006-03-16 | 2012-05-22 | Panasonic Corporation | Radial anisotropic magnet manufacturing method, permanent magnet motor using radial anisotropic magnet, and iron core-equipped permanent magnet motor |
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DE102010037838A1 (de) | 2009-09-29 | 2011-03-31 | Minebea Co., Ltd. | Anisotroper Kunstharz-Verbundmagnet auf Seltenerd-Eisen Basis |
US8329056B2 (en) | 2009-09-29 | 2012-12-11 | Minebea Co., Ltd. | Anisotropic rare earth-iron based resin bonded magnet |
JP2014165212A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-09-08 | Denso Corp | 高耐食性希土類磁石粉末 |
JP2015219082A (ja) * | 2014-05-16 | 2015-12-07 | 日本電信電話株式会社 | 鋼材の黒皮評価方法 |
CN112259314A (zh) * | 2020-09-25 | 2021-01-22 | 南京理工大学 | 一种R(Fe,M)12型的稀土永磁材料及其制备方法 |
CN112259314B (zh) * | 2020-09-25 | 2024-02-13 | 南京理工大学 | 一种R(Fe,M)12型的稀土永磁材料及其制备方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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