JP2001207201A - 磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末及びその製造方法 - Google Patents
磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食
性を改善すると同時に、保磁力及び飽和磁化にも優れた
磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末、及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 Sm−Fe−N系合金粉末に融点150
〜500℃のZn等の金属粉末を混合し、不活性ガス中
200〜500℃で熱処理して合金粉末の表面の少なく
とも一部をZn等の金属で被覆する。その後、得られた
被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて粉砕するか、又は表面
を被覆している金属の一部を酸又はアルカリ溶液中で溶
解して凝集を解く。凝集が解かれたSm−Fe−N系被
覆合金粉末は、飽和磁化が11kG以上である。
性を改善すると同時に、保磁力及び飽和磁化にも優れた
磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末、及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 Sm−Fe−N系合金粉末に融点150
〜500℃のZn等の金属粉末を混合し、不活性ガス中
200〜500℃で熱処理して合金粉末の表面の少なく
とも一部をZn等の金属で被覆する。その後、得られた
被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて粉砕するか、又は表面
を被覆している金属の一部を酸又はアルカリ溶液中で溶
解して凝集を解く。凝集が解かれたSm−Fe−N系被
覆合金粉末は、飽和磁化が11kG以上である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石用のSm−F
e−N系合金粉末、特に表面の一部が亜鉛などの金属で
被覆された磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末、並び
にその製造方法に関する。
e−N系合金粉末、特に表面の一部が亜鉛などの金属で
被覆された磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末、並び
にその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高性能希土類磁石として、ニュークリエ
ーションタイプの保磁力発生機構を有するSm−Fe−
N系磁石が知られている。更に今日では、各種FA用ア
クチュエーターや回転機用の磁石として、より一層高い
磁気特性を有する希土類磁石が要望されている。
ーションタイプの保磁力発生機構を有するSm−Fe−
N系磁石が知られている。更に今日では、各種FA用ア
クチュエーターや回転機用の磁石として、より一層高い
磁気特性を有する希土類磁石が要望されている。
【0003】このようなSm−Fe−N系磁石の一つで
あるSm2Fe17N3(原子比)合金粉末では、数ミ
クロンの単結晶粉末で樹脂ボンデット磁石とすることに
より、12MGOe程度の最大エネルギー積(BH)max
と、8kOe程度の保磁力が得られている。しかしなが
ら、Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性は、
他の希土類磁石粉末であるSm−Co系合金粉末やNd
−Fe−B系合金粉末に比較して劣っている。
あるSm2Fe17N3(原子比)合金粉末では、数ミ
クロンの単結晶粉末で樹脂ボンデット磁石とすることに
より、12MGOe程度の最大エネルギー積(BH)max
と、8kOe程度の保磁力が得られている。しかしなが
ら、Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性は、
他の希土類磁石粉末であるSm−Co系合金粉末やNd
−Fe−B系合金粉末に比較して劣っている。
【0004】そこで、Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱
性及び耐食性を向上させるため、種々の研究が盛んに行
われている。その中でも、特開平4−338603号公
報には、Sm2Fe17N3合金粉末にZnなどの金属
コーティングを行うことにより、耐熱性と耐食性を改善
すると同時に、高い保磁力が得られることが記載され、
例えば熱CVD法によってZnコーティングされた合金
粉末の保磁力は12kOeとされている。
性及び耐食性を向上させるため、種々の研究が盛んに行
われている。その中でも、特開平4−338603号公
報には、Sm2Fe17N3合金粉末にZnなどの金属
コーティングを行うことにより、耐熱性と耐食性を改善
すると同時に、高い保磁力が得られることが記載され、
例えば熱CVD法によってZnコーティングされた合金
粉末の保磁力は12kOeとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、Zn
などの金属コーティングを施したSm−Fe−N系合金
粉末は、耐熱性及び耐食性が改善され且つ高い保磁力が
得られるものの、飽和磁化は約10kG以下であり、コ
ーティング前のSm−Fe−N系合金粉末よりも大幅に
低下してしまう。これは、金属コーティングによって、
保磁力を下げる突起などが平滑化されるため保磁力は高
くなるが、粉末同士がコーティングされた金属により相
互に接合されて凝集したため、粉末の配向ができずに飽
和磁化が低下したものと考えられる。
などの金属コーティングを施したSm−Fe−N系合金
粉末は、耐熱性及び耐食性が改善され且つ高い保磁力が
得られるものの、飽和磁化は約10kG以下であり、コ
ーティング前のSm−Fe−N系合金粉末よりも大幅に
低下してしまう。これは、金属コーティングによって、
保磁力を下げる突起などが平滑化されるため保磁力は高
くなるが、粉末同士がコーティングされた金属により相
互に接合されて凝集したため、粉末の配向ができずに飽
和磁化が低下したものと考えられる。
【0006】このため、Sm−Fe−N系合金粉末にZ
nなどの金属をコーティングする際に、粉末の凝集を起
こすことなく、高い保磁力を得ると共に、飽和磁化の低
下を出来るだけ抑制して、磁気特性の優れた磁石粉末を
得るための研究が盛んに行なわれているが、未だに実用
的な方法は確立されていない。
nなどの金属をコーティングする際に、粉末の凝集を起
こすことなく、高い保磁力を得ると共に、飽和磁化の低
下を出来るだけ抑制して、磁気特性の優れた磁石粉末を
得るための研究が盛んに行なわれているが、未だに実用
的な方法は確立されていない。
【0007】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性を改善す
ると同時に、保磁力及び飽和磁化ともに優れた磁石用S
m−Fe−N系被覆合金粉末、及びその製造方法を提供
することを目的とする。
Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性を改善す
ると同時に、保磁力及び飽和磁化ともに優れた磁石用S
m−Fe−N系被覆合金粉末、及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、Sm−Fe−N系合金粉末の表面の少な
くとも一部が融点150〜500℃の金属で被覆され、
飽和磁化が11kG以上であることを特徴とする磁石用
Sm−Fe−N系被覆合金粉末を提供する。
め、本発明は、Sm−Fe−N系合金粉末の表面の少な
くとも一部が融点150〜500℃の金属で被覆され、
飽和磁化が11kG以上であることを特徴とする磁石用
Sm−Fe−N系被覆合金粉末を提供する。
【0009】また、上記磁石用Sm−Fe−N系被覆合
金粉末の製造方法は、Sm−Fe−N系合金粉末と融点
150〜500℃の金属粉末を混合し、不活性ガス中2
00〜500℃で熱処理して合金粉末の表面の少なくと
も一部を金属で被覆した後、得られた被覆凝集粉末の凝
集を解くことを特徴とする。
金粉末の製造方法は、Sm−Fe−N系合金粉末と融点
150〜500℃の金属粉末を混合し、不活性ガス中2
00〜500℃で熱処理して合金粉末の表面の少なくと
も一部を金属で被覆した後、得られた被覆凝集粉末の凝
集を解くことを特徴とする。
【0010】この磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末
の製造方法において、被覆凝集粉末の凝集を解く方法と
しては、被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて粉砕する方
法、あるいは被覆凝集粉末の表面を被覆している金属の
一部を酸又はアルカリの溶液中で溶解する方法がある。
の製造方法において、被覆凝集粉末の凝集を解く方法と
しては、被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて粉砕する方
法、あるいは被覆凝集粉末の表面を被覆している金属の
一部を酸又はアルカリの溶液中で溶解する方法がある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、Sm−Fe−N
系合金粉末と融点150〜500℃の金属粉末を不活性
ガス中で熱処理することにより、合金粉末の表面を上記
低融点の金属で簡単に被覆することができる。上記低融
点の金属で被覆された被覆凝集粉末は、粉末同士が互い
に接合し凝集した状態となるので、粉末配向時に塊のま
まで一つずつの粒子にならず、従って磁気特性が低下し
てしまう。そこで、上記金属の被覆により互いに凝集し
た被覆凝集粉末の凝集状態を、実質的に個々の粒子が配
合できる状態にまで解くことによって、優れた磁気特性
が得られる。
系合金粉末と融点150〜500℃の金属粉末を不活性
ガス中で熱処理することにより、合金粉末の表面を上記
低融点の金属で簡単に被覆することができる。上記低融
点の金属で被覆された被覆凝集粉末は、粉末同士が互い
に接合し凝集した状態となるので、粉末配向時に塊のま
まで一つずつの粒子にならず、従って磁気特性が低下し
てしまう。そこで、上記金属の被覆により互いに凝集し
た被覆凝集粉末の凝集状態を、実質的に個々の粒子が配
合できる状態にまで解くことによって、優れた磁気特性
が得られる。
【0012】即ち、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子
は、金属被覆の成形によって突起などの表面欠陥が平滑
化されるうえ、逆磁区発生の核が被覆金属と拡散反応す
ることにより減少するため、高い保磁力が得られるもの
と考えられる。一方、金属被覆によって各粒子が凝集す
るため磁気特性が落ちるが、粉砕などの方法で粉末の凝
集を解くことにより高い磁気特性が得られ、特に飽和磁
化の低下を有効に抑制することができる。
は、金属被覆の成形によって突起などの表面欠陥が平滑
化されるうえ、逆磁区発生の核が被覆金属と拡散反応す
ることにより減少するため、高い保磁力が得られるもの
と考えられる。一方、金属被覆によって各粒子が凝集す
るため磁気特性が落ちるが、粉砕などの方法で粉末の凝
集を解くことにより高い磁気特性が得られ、特に飽和磁
化の低下を有効に抑制することができる。
【0013】Sm−Fe−N系合金粉末を被覆する金属
としては、熱処理により粒子表面の被覆が可能であり、
且つ突起などの表面欠陥を平滑に修復できるものであっ
て、被覆金属と合金粉末との間に拡散層が形成されるこ
と、更には被覆金属による凝集を解きやすい材料が好ま
しい。このような被覆金属としては、融点が150〜5
00℃の低融点金属、例えば亜鉛(Zn)、錫(S
n)、インジウム(In)、鉛(Pb)などが挙げられ
る。特にZnは、420℃以上の温度でFe及びSmと
合金を作りやすいので好ましい。
としては、熱処理により粒子表面の被覆が可能であり、
且つ突起などの表面欠陥を平滑に修復できるものであっ
て、被覆金属と合金粉末との間に拡散層が形成されるこ
と、更には被覆金属による凝集を解きやすい材料が好ま
しい。このような被覆金属としては、融点が150〜5
00℃の低融点金属、例えば亜鉛(Zn)、錫(S
n)、インジウム(In)、鉛(Pb)などが挙げられ
る。特にZnは、420℃以上の温度でFe及びSmと
合金を作りやすいので好ましい。
【0014】Sm−Fe−N系被覆合金粉末中における
融点150〜500℃の被覆金属の含有量は、0.1〜
9.1重量%の範囲が好ましい。この被覆合金の含有量
が0.1重量%未満ではSm−Fe−N系合金粉末を被
覆するのに不足し、iHc(保磁力)が上がらず、逆に
9.1重量%を越えると飽和磁化が11kG未満にな
る。また、Sm−Fe−N系合金粉末の表面を被覆して
いる融点150〜500℃の金属の厚みは、一般的に平
均で10〜5000Åの範囲である。例えば、粒径5μ
mのSm−Fe−N系合金粉末に5重量%のZn粉末を
添加した場合、Zn被覆の厚みは約440Åとなる。
融点150〜500℃の被覆金属の含有量は、0.1〜
9.1重量%の範囲が好ましい。この被覆合金の含有量
が0.1重量%未満ではSm−Fe−N系合金粉末を被
覆するのに不足し、iHc(保磁力)が上がらず、逆に
9.1重量%を越えると飽和磁化が11kG未満にな
る。また、Sm−Fe−N系合金粉末の表面を被覆して
いる融点150〜500℃の金属の厚みは、一般的に平
均で10〜5000Åの範囲である。例えば、粒径5μ
mのSm−Fe−N系合金粉末に5重量%のZn粉末を
添加した場合、Zn被覆の厚みは約440Åとなる。
【0015】Sm−Fe−N系合金粉末を金属で被覆す
る方法は、Sm−Fe−N系合金の粗粉末又は微粉末を
上記Znなどの低融点の金属粉末と混合し、N2ガスや
Arガスなどの不活性ガス中において200〜500℃
で熱処理する。熱処理温度が200℃未満では金属粉末
とSm−Fe−N系合金粉末の反応が進まず、逆に50
0℃を超えるとSm−Fe−N系合金粉末が分解する。
尚、Sm−Fe−N系合金粉末への金属粉末の添加量
は、上述したように被覆金属の含有量が被覆合金粉末の
0.1〜9.1重量%となるように、一般的にはSm−F
e−N系合金粉末に対して0.1〜10重量%の金属粉
末を添加することが好ましい。
る方法は、Sm−Fe−N系合金の粗粉末又は微粉末を
上記Znなどの低融点の金属粉末と混合し、N2ガスや
Arガスなどの不活性ガス中において200〜500℃
で熱処理する。熱処理温度が200℃未満では金属粉末
とSm−Fe−N系合金粉末の反応が進まず、逆に50
0℃を超えるとSm−Fe−N系合金粉末が分解する。
尚、Sm−Fe−N系合金粉末への金属粉末の添加量
は、上述したように被覆金属の含有量が被覆合金粉末の
0.1〜9.1重量%となるように、一般的にはSm−F
e−N系合金粉末に対して0.1〜10重量%の金属粉
末を添加することが好ましい。
【0016】この熱処理によりSm−Fe−N系合金粉
末の表面の少なくとも一部に金属が被覆されるが、この
被覆金属によって合金粉末同士が凝集しているので、そ
の凝集した被覆凝集粉末を解く必要がある。被覆凝集粉
末の凝集を解く方法には特に制限はなく、凝集の程度や
被覆金属の材質に応じて適宜選択すればよい。
末の表面の少なくとも一部に金属が被覆されるが、この
被覆金属によって合金粉末同士が凝集しているので、そ
の凝集した被覆凝集粉末を解く必要がある。被覆凝集粉
末の凝集を解く方法には特に制限はなく、凝集の程度や
被覆金属の材質に応じて適宜選択すればよい。
【0017】凝集を解くための好ましい方法の一つとし
て、凝集した被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて解砕する
方法がある。例えば、アトライターにより溶媒中で15
0〜300rpm、5分〜3時間粉砕することにより、
被覆合金粉末の凝集を解くことができる。また、被覆凝
集粉末の凝集と解く別の方法としては、酸又はアルカリ
の溶液を用いて被覆金属を溶かし出すことにより、被覆
凝集粉末の凝集を解くことができる。
て、凝集した被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて解砕する
方法がある。例えば、アトライターにより溶媒中で15
0〜300rpm、5分〜3時間粉砕することにより、
被覆合金粉末の凝集を解くことができる。また、被覆凝
集粉末の凝集と解く別の方法としては、酸又はアルカリ
の溶液を用いて被覆金属を溶かし出すことにより、被覆
凝集粉末の凝集を解くことができる。
【0018】尚、Sm−Fe−N系合金粉末について
は、特に制限はないが、磁石用として一般的に使用され
ている合金組成、具体的には、Smを必須元素とする少
なくとも1種の希土類元素5〜15原子%と、窒素0.
5〜25原子%と、残部の鉄又は一部をコバルトで置換
した鉄とからなる合金組成であってよい。また、かかる
Sm−Fe−N系合金粉末の製造法も特に限定されず、
例えば、Sm−Fe合金粉末を溶解合金法若しくは特公
平3−62764号公報に記載されているような還元拡
散法により製造し、その後このSm−Fe合金粉末を窒
化して製造することができる。更に、特開平5−148
517号公報に記載されているような還元拡散法の応
用、即ち還元拡散反応で得られた焼結体を窒化後に湿式
処理して製造することもできる。これらの方法の中で
は、製造コストの点で還元拡散法の適用が特に優れてい
る。
は、特に制限はないが、磁石用として一般的に使用され
ている合金組成、具体的には、Smを必須元素とする少
なくとも1種の希土類元素5〜15原子%と、窒素0.
5〜25原子%と、残部の鉄又は一部をコバルトで置換
した鉄とからなる合金組成であってよい。また、かかる
Sm−Fe−N系合金粉末の製造法も特に限定されず、
例えば、Sm−Fe合金粉末を溶解合金法若しくは特公
平3−62764号公報に記載されているような還元拡
散法により製造し、その後このSm−Fe合金粉末を窒
化して製造することができる。更に、特開平5−148
517号公報に記載されているような還元拡散法の応
用、即ち還元拡散反応で得られた焼結体を窒化後に湿式
処理して製造することもできる。これらの方法の中で
は、製造コストの点で還元拡散法の適用が特に優れてい
る。
【0019】このようにして得られる本発明のSm−F
e−N系被覆合金粉末は、Znなどの金属被覆の形成に
よって優れた耐熱性及び耐食性を備えると同時に、高い
保磁力が得られ、しかも粉末の凝集が解かれて実質的に
個々の粒子が配向できる状態に独立しているため、11
kGを超える高い飽和磁化を有している。
e−N系被覆合金粉末は、Znなどの金属被覆の形成に
よって優れた耐熱性及び耐食性を備えると同時に、高い
保磁力が得られ、しかも粉末の凝集が解かれて実質的に
個々の粒子が配向できる状態に独立しているため、11
kGを超える高い飽和磁化を有している。
【0020】
【実施例】実施例1 還元拡散法により25重量%のSmを含むSm−Fe合
金粉末を製造した。即ち、純度99.9重量%、粒度1
50メッシュ(タイラー標準、以下同じ)以下の電解F
e粉と、純度99重量%、平均粒度325メッシュの酸
化Sm粉末と、純度99重量%の粒状金属Caとを、V
ブレンダーを用いて混合した。得られた混合物をステン
レス容器に入れ、Ar雰囲気中にて1150℃で8時間
加熱して還元拡散反応させた。次いで、この反応生成物
を冷却し、水中に投入して崩壊させた。得られたスラリ
ーを水洗し、更に酢酸を用いて酸洗浄して未反応Caと
副生したCaOを除去した後、濾過してエタノールで置
換し、真空乾燥して粒径150μm以下の25重量%S
m−Fe合金粉末を得た。
金粉末を製造した。即ち、純度99.9重量%、粒度1
50メッシュ(タイラー標準、以下同じ)以下の電解F
e粉と、純度99重量%、平均粒度325メッシュの酸
化Sm粉末と、純度99重量%の粒状金属Caとを、V
ブレンダーを用いて混合した。得られた混合物をステン
レス容器に入れ、Ar雰囲気中にて1150℃で8時間
加熱して還元拡散反応させた。次いで、この反応生成物
を冷却し、水中に投入して崩壊させた。得られたスラリ
ーを水洗し、更に酢酸を用いて酸洗浄して未反応Caと
副生したCaOを除去した後、濾過してエタノールで置
換し、真空乾燥して粒径150μm以下の25重量%S
m−Fe合金粉末を得た。
【0021】このSm−Fe合金粉末を100μm以下
に篩い分けし、水素−アンモニア混合ガス中において4
80℃で270分保持することにより窒化した後、冷却
して取り出した。得られたSm−Fe−N合金粉末の組
成は、Smが24.1重量%、Feが72.4重量%、N
が3.5重量%であった。
に篩い分けし、水素−アンモニア混合ガス中において4
80℃で270分保持することにより窒化した後、冷却
して取り出した。得られたSm−Fe−N合金粉末の組
成は、Smが24.1重量%、Feが72.4重量%、N
が3.5重量%であった。
【0022】このSm−Fe−N合金粉末1kgに対し
て下記表1に示す添加量のZn粉末を混合し、更にアト
ライターで200rpm、60分混合を兼ねて粉砕し
た。その後、Arガスを1リットル/minで流しなが
ら、430℃で10時間熱処理し、室温まで冷却した後
取り出した。得られた被覆凝集粉末は表面がZnで被覆
され且つ凝集しているので、更にアトライターで溶媒中
にて200rpm、20分粉砕した後、乾燥してSm−
Fe−N系被覆合金粉末を得た。熱処理直後の被覆凝集
粉末と、粉砕後のSm−Fe−N系被覆合金粉末につい
て、それぞれVSMにより磁気特性を測定し、その結果
を下記表1に示した。
て下記表1に示す添加量のZn粉末を混合し、更にアト
ライターで200rpm、60分混合を兼ねて粉砕し
た。その後、Arガスを1リットル/minで流しなが
ら、430℃で10時間熱処理し、室温まで冷却した後
取り出した。得られた被覆凝集粉末は表面がZnで被覆
され且つ凝集しているので、更にアトライターで溶媒中
にて200rpm、20分粉砕した後、乾燥してSm−
Fe−N系被覆合金粉末を得た。熱処理直後の被覆凝集
粉末と、粉砕後のSm−Fe−N系被覆合金粉末につい
て、それぞれVSMにより磁気特性を測定し、その結果
を下記表1に示した。
【0023】
【表1】 Zn添加量 熱処理直後の被覆凝集粉末 粉砕後の被覆凝集粉末 試料 (wt%) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 1* 0 14.3 7.2 12.9 8.8 2* 0.05 14.3 7.2 13.0 8.7 3 1 10.6 9.3 12.8 10.5 4 2 10.2 9.6 12.5 11.0 5 3 9.2 10.4 11.8 11.7 6 4 8.9 11.0 11.5 12.4 7 7 8.4 12.4 11.3 14.5 8 10 7.9 15.1 11.1 17.8 9* 12 7.5 17.1 10.7 18.9 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0024】上記表1の結果から分かるように、Znを
添加しない試料1及びZn添加量の少ない試料2と比較
して、本発明の試料3〜8は、熱処理直後の被覆凝集粉
末では保磁力は2〜8kOe程度高くなっているもの
の、凝集のため飽和磁化は最大6.4kG低くなってい
る。しかし、粉砕後の凝集が解かれた試料3〜8の被覆
合金粉末では、11.1〜12.8kGと高い飽和磁化が
得られた。また、Znの添加量が多い試料9は飽和磁化
が11kG未満である。
添加しない試料1及びZn添加量の少ない試料2と比較
して、本発明の試料3〜8は、熱処理直後の被覆凝集粉
末では保磁力は2〜8kOe程度高くなっているもの
の、凝集のため飽和磁化は最大6.4kG低くなってい
る。しかし、粉砕後の凝集が解かれた試料3〜8の被覆
合金粉末では、11.1〜12.8kGと高い飽和磁化が
得られた。また、Znの添加量が多い試料9は飽和磁化
が11kG未満である。
【0025】実施例2 上記実施例1と同様にしてSm−Fe−N系合金粉末に
Znを被覆した被覆凝集粉末を作製し、この被覆凝集粉
末10gを純水で100倍に薄めた酢酸水溶液200m
l中に投入して3分撹拌した後、乾燥して凝集の解かれ
たSm−Fe−N系被覆合金粉末を得た。上記被覆凝集
粉末の飽和磁化は10.2kGであったが、凝集が解か
れた被覆合金粉末の飽和磁化は12.8kGまで高めら
れた。
Znを被覆した被覆凝集粉末を作製し、この被覆凝集粉
末10gを純水で100倍に薄めた酢酸水溶液200m
l中に投入して3分撹拌した後、乾燥して凝集の解かれ
たSm−Fe−N系被覆合金粉末を得た。上記被覆凝集
粉末の飽和磁化は10.2kGであったが、凝集が解か
れた被覆合金粉末の飽和磁化は12.8kGまで高めら
れた。
【0026】実施例3 上記実施例1で最終的に得られた各試料のSm−Fe−
N系被覆合金粉末の耐熱性を確認するため、各試料10
gをオーブンに入れ、真空中にて230℃で1時間保持
した。その後、耐熱性試験後の被覆合金粉末について実
施例1と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表2
に示した。
N系被覆合金粉末の耐熱性を確認するため、各試料10
gをオーブンに入れ、真空中にて230℃で1時間保持
した。その後、耐熱性試験後の被覆合金粉末について実
施例1と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表2
に示した。
【0027】
【表2】 Zn添加量 粉砕後の被覆凝集粉末 耐熱試験後の被覆合金粉末 試料 (wt%) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 1* 0 12.9 8.8 12.4 6.1 2* 0.05 13.0 8.7 12.4 6.2 3 1 12.8 10.5 12.5 9.2 4 2 12.5 11.0 12.2 9.8 5 3 11.8 11.7 11.5 10.3 6 4 11.5 12.4 11.3 11.0 7 7 11.3 14.5 11.2 13.4 8 10 11.1 17.8 11.1 16.7 9* 12 10.7 18.9 10.7 18.7 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0028】上記表2の結果より、本発明の試料3〜8
は、Zn被覆により耐熱性が向上していることが分か
る。即ち、Zn被覆を施していない試料1及びZn添加
量の少ない試料2では、耐熱試験後の保磁力が6.1〜
6.2kOeまで低下しているのに対して、Zn被覆を
行った本発明の試料3〜8では9kOe以上の保磁力が
保たれている。
は、Zn被覆により耐熱性が向上していることが分か
る。即ち、Zn被覆を施していない試料1及びZn添加
量の少ない試料2では、耐熱試験後の保磁力が6.1〜
6.2kOeまで低下しているのに対して、Zn被覆を
行った本発明の試料3〜8では9kOe以上の保磁力が
保たれている。
【0029】更に、上記実施例1で最終的に得られた各
試料のSm−Fe−N系被覆合金粉末の耐食性を確認す
るため、各試料10gを70℃、湿度80%の恒温恒湿
槽に入れ、10時間保持した。その後、耐食性試験後の
被覆合金粉末について実施例1と同様に磁気特性を測定
し、その結果を下記表3に示した。
試料のSm−Fe−N系被覆合金粉末の耐食性を確認す
るため、各試料10gを70℃、湿度80%の恒温恒湿
槽に入れ、10時間保持した。その後、耐食性試験後の
被覆合金粉末について実施例1と同様に磁気特性を測定
し、その結果を下記表3に示した。
【0030】
【表3】 Zn添加量 粉砕後の被覆凝集粉末 耐食試験後の被覆合金粉末 試料 (wt%) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 1* 0 12.9 8.8 12.1 5.8 2* 0.05 13.0 8.7 12.1 5.9 3 1 12.8 10.5 12.2 8.2 4 2 12.5 11.0 12.0 9.0 5 3 11.8 11.7 11.4 9.5 6 4 11.5 12.4 11.1 10.2 7 7 11.3 14.5 11.1 12.1 8 10 11.1 17.8 11.0 14.9 9* 12 10.7 18.9 10.5 16.9 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0031】上記表3の結果より、本発明の試料3〜8
はZn被覆により耐食性の向上が明らかである。即ち、
Znを被覆していない試料1及びZn添加量の少ない試
料2では、耐食性験後の保磁力が5.8〜5.9kOeま
で低下しているのに対し、Zn被覆を行った本発明の試
料3〜8では耐食性試験後も8kOe以上の保磁力が保
たれている。
はZn被覆により耐食性の向上が明らかである。即ち、
Znを被覆していない試料1及びZn添加量の少ない試
料2では、耐食性験後の保磁力が5.8〜5.9kOeま
で低下しているのに対し、Zn被覆を行った本発明の試
料3〜8では耐食性試験後も8kOe以上の保磁力が保
たれている。
【0032】実施例4 前記実施例1と同様にしてSm−Fe−N系被覆合金粉
末を製造したが、添加混合する金属粉末はZn粉末、I
n粉末又はSn粉末を使用し、且つその添加量を3重量
%とした。得られた各被覆合金粉末について、実施例1
と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表4に示し
た。
末を製造したが、添加混合する金属粉末はZn粉末、I
n粉末又はSn粉末を使用し、且つその添加量を3重量
%とした。得られた各被覆合金粉末について、実施例1
と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表4に示し
た。
【0033】
【表4】 熱処理直後の被覆凝集粉末 粉砕後の被覆凝集粉末 試料 添加金属 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 10* 無し 14.3 7.2 12.9 8.8 11 Zn 9.2 10.4 11.8 11.7 12 In 9.8 8.2 12.3 9.9 13 Sn 9.3 7.8 12.0 9.5 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0034】上記表4の結果から分かるように、低融点
の金属粉末を添加しない試料10と比較して、本発明の
試料11〜13は、熱処理直後の被覆凝集粉末では保磁
力は1〜3kOe程度高くなっているものの、凝集のた
め飽和磁化は最大5kG低くなっている。しかし、粉砕
後の凝集が解かれた試料11〜13の被覆合金粉末で
は、11.8〜12.3kGの高い飽和磁化が得られた。
の金属粉末を添加しない試料10と比較して、本発明の
試料11〜13は、熱処理直後の被覆凝集粉末では保磁
力は1〜3kOe程度高くなっているものの、凝集のた
め飽和磁化は最大5kG低くなっている。しかし、粉砕
後の凝集が解かれた試料11〜13の被覆合金粉末で
は、11.8〜12.3kGの高い飽和磁化が得られた。
【0035】上記で得られた各試料のSm−Fe−N系
被覆合金粉末の耐熱性を確認するため、前記実施例3と
同様に、各試料10gをオーブンに入れ、真空中にて2
30℃で1時間保持した。その後、耐熱性試験後の被覆
合金粉末について、上記実施例1と同様に磁気特性を測
定し、その結果を下記表5に示した。
被覆合金粉末の耐熱性を確認するため、前記実施例3と
同様に、各試料10gをオーブンに入れ、真空中にて2
30℃で1時間保持した。その後、耐熱性試験後の被覆
合金粉末について、上記実施例1と同様に磁気特性を測
定し、その結果を下記表5に示した。
【0036】
【表5】 粉砕後の被覆凝集粉末 耐熱試験後の被覆合金粉末 試料 添加金属 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 10* 無し 12.9 8.8 12.4 6.1 11 Zn 11.8 11.7 11.5 10.3 12 In 12.3 9.9 12.1 8.8 13 Sn 12.0 9.5 11.9 8.5 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0037】上記表5の結果より、本発明の各試料はZ
n、In、Snの被覆により耐熱性が向上したことが明
らかである。即ち、被覆を施していない試料10に比較
し、Zn、In、Snを被覆した本発明の試料11〜1
3では、耐熱試験後の保磁力が2.4〜4kOe程度高
くなっている。
n、In、Snの被覆により耐熱性が向上したことが明
らかである。即ち、被覆を施していない試料10に比較
し、Zn、In、Snを被覆した本発明の試料11〜1
3では、耐熱試験後の保磁力が2.4〜4kOe程度高
くなっている。
【0038】更に、上記で得られた各試料のSm−Fe
−N系被覆合金粉末の耐食性を確認するため、前記実施
例3と同様に、各試料10gを70℃、湿度80%の恒
温恒湿槽に入れ、10時間保持した。その後、耐食性試
験後の被覆合金粉末について実施例1と同様に磁気特性
を測定し、その結果を下記表6に示した。
−N系被覆合金粉末の耐食性を確認するため、前記実施
例3と同様に、各試料10gを70℃、湿度80%の恒
温恒湿槽に入れ、10時間保持した。その後、耐食性試
験後の被覆合金粉末について実施例1と同様に磁気特性
を測定し、その結果を下記表6に示した。
【0039】
【表6】 粉砕後の被覆凝集粉末 耐食試験後の被覆合金粉末 試料 添加金属 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 10* 無し 12.9 8.8 12.1 5.8 11 Zn 11.8 11.7 11.4 9.5 12 In 12.3 9.9 12.1 9.1 13 Sn 12.0 9.5 11.9 8.8 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0040】上記表6の結果より、本発明の各試料はZ
n、In、Snの被覆により耐食性の向上が明らかであ
る。即ち、被覆を施していない試料10に比較し、Z
n、In、Snを被覆した本発明の試料11〜13で
は、耐食試験後の保磁力が3〜3.5kOe程度高くな
っている。
n、In、Snの被覆により耐食性の向上が明らかであ
る。即ち、被覆を施していない試料10に比較し、Z
n、In、Snを被覆した本発明の試料11〜13で
は、耐食試験後の保磁力が3〜3.5kOe程度高くな
っている。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ニュークリエーション
タイプの保磁力発生機構を有するSm−Fe−N系合金
粉末の表面に、簡単にZnなどの金属被覆を形成でき、
更に金属被覆された被覆凝集粉末の凝集を粉砕などによ
り解くことによって、耐熱性及び耐食性に優れると同時
に、8kOe以上の高い保磁力が得られ、且つ11kG
を超える高い飽和磁化を有するSm−Fe−N系被覆合
金粉末を安価に提供することができる。従って、この被
覆合金粉末は、ニュークリエーションタイプの保磁力発
生機構を有する磁気特性に優れたSm−Fe−N系の磁
石粉末であり、各種FA用アクチュエーターや回転機用
の磁石用として有望である。
タイプの保磁力発生機構を有するSm−Fe−N系合金
粉末の表面に、簡単にZnなどの金属被覆を形成でき、
更に金属被覆された被覆凝集粉末の凝集を粉砕などによ
り解くことによって、耐熱性及び耐食性に優れると同時
に、8kOe以上の高い保磁力が得られ、且つ11kG
を超える高い飽和磁化を有するSm−Fe−N系被覆合
金粉末を安価に提供することができる。従って、この被
覆合金粉末は、ニュークリエーションタイプの保磁力発
生機構を有する磁気特性に優れたSm−Fe−N系の磁
石粉末であり、各種FA用アクチュエーターや回転機用
の磁石用として有望である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 淳 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 横沢 公一 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4K018 BA18 BC08 BC09 BC22 BD01 KA46 5E040 AA03 AA19 BC01 CA01 HB11 HB17 NN01 NN05 NN06 NN13 NN18
Claims (9)
- 【請求項1】 Sm−Fe−N系合金粉末の表面の少な
くとも一部が融点150〜500℃の金属で被覆され、
飽和磁化が11kG以上であることを特徴とする磁石用
Sm−Fe−N系被覆合金粉末。 - 【請求項2】 前記Sm−Fe−N系合金粉末の組成
が、Smを必須元素とする少なくとも1種の希土類元素
5〜15原子%と、窒素0.5〜25原子%と、残部の
鉄又は一部をコバルトで置換した鉄とからなることを特
徴とする、請求項1に記載の磁石用Sm−Fe−N系被
覆合金粉末。 - 【請求項3】 前記融点150〜500℃の金属の含有
量が0.1〜9.1重量%であることを特徴とする、請求
項1又は2に記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉
末。 - 【請求項4】 前記Sm−Fe−N系合金粉末の表面を
被覆する前記融点150〜500℃の金属の厚みが、平
均で10〜5000Åであることを特徴とする、請求項
1〜3のいずれかに記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆
合金粉末。 - 【請求項5】前記Sm−Fe−N系合金粉末が還元拡散
法で製造されたものであることを特徴とする、請求項1
〜3のいずれかに記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合
金粉末。 - 【請求項6】 Sm−Fe−N系合金粉末と融点150
〜500℃の金属粉末を混合し、不活性ガス中200〜
500℃で熱処理して合金粉末の表面の少なくとも一部
を前記融点150〜500℃の金属で被覆した後、得ら
れた被覆凝集粉末の凝集を解くことを特徴とする磁石用
Sm−Fe−N系被覆合金粉末の製造方法。 - 【請求項7】 前記Sm−Fe−N系合金粉末に対して
前記金属粉末を0.1〜10重量%添加することことを
特徴とする、請求項6に記載の磁石用Sm−Fe−N系
被覆合金粉末の製造方法。 - 【請求項8】 前記被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて粉
砕することにより、被覆凝集粉末の凝集を解くことを特
徴とする、請求項6又は7に記載の磁石用Sm−Fe−
N系被覆合金粉末の製造方法。 - 【請求項9】 前記被覆凝集粉末の表面を被覆している
金属の一部を酸又はアルカリの溶液中で溶解することに
より、被覆凝集粉末の凝集を解くことを特徴とする、請
求項6又は7に記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金
粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000274359A JP2001207201A (ja) | 1999-11-17 | 2000-09-11 | 磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-326566 | 1999-11-17 | ||
JP32656699 | 1999-11-17 | ||
JP2000274359A JP2001207201A (ja) | 1999-11-17 | 2000-09-11 | 磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001207201A true JP2001207201A (ja) | 2001-07-31 |
Family
ID=26572221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000274359A Pending JP2001207201A (ja) | 1999-11-17 | 2000-09-11 | 磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001207201A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7531050B2 (en) | 2002-09-19 | 2009-05-12 | Nec Tokin Corporation | Method for manufacturing bonded magnet and method for manufacturing magnetic device having bonded magnet |
WO2018221512A1 (ja) * | 2017-05-30 | 2018-12-06 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | サマリウム-鉄-窒素磁石粉末及びその製造方法 |
JP2019012796A (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-24 | トヨタ自動車株式会社 | 希土類磁石の製造方法 |
CN109273183A (zh) * | 2018-10-19 | 2019-01-25 | 广东省稀有金属研究所 | 一种耐腐蚀单晶磁粉及其制备方法与应用 |
-
2000
- 2000-09-11 JP JP2000274359A patent/JP2001207201A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7531050B2 (en) | 2002-09-19 | 2009-05-12 | Nec Tokin Corporation | Method for manufacturing bonded magnet and method for manufacturing magnetic device having bonded magnet |
WO2018221512A1 (ja) * | 2017-05-30 | 2018-12-06 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | サマリウム-鉄-窒素磁石粉末及びその製造方法 |
CN110662617A (zh) * | 2017-05-30 | 2020-01-07 | 国立研究开发法人产业技术综合研究所 | 钐-铁-氮磁铁粉末及其制造方法 |
JPWO2018221512A1 (ja) * | 2017-05-30 | 2020-03-26 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | サマリウム−鉄−窒素磁石粉末及びその製造方法 |
CN110662617B (zh) * | 2017-05-30 | 2021-10-26 | 国立研究开发法人产业技术综合研究所 | 钐-铁-氮磁铁粉末及其制造方法 |
US11361888B2 (en) | 2017-05-30 | 2022-06-14 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Samarium-iron-nitrogen magnet powder and method for manufacturing same |
JP2019012796A (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-24 | トヨタ自動車株式会社 | 希土類磁石の製造方法 |
CN109273183A (zh) * | 2018-10-19 | 2019-01-25 | 广东省稀有金属研究所 | 一种耐腐蚀单晶磁粉及其制备方法与应用 |
CN109273183B (zh) * | 2018-10-19 | 2020-06-16 | 广东省稀有金属研究所 | 一种耐腐蚀单晶磁粉及其制备方法与应用 |
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