JPH05231249A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置

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JPH05231249A
JPH05231249A JP4029691A JP2969192A JPH05231249A JP H05231249 A JPH05231249 A JP H05231249A JP 4029691 A JP4029691 A JP 4029691A JP 2969192 A JP2969192 A JP 2969192A JP H05231249 A JPH05231249 A JP H05231249A
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JP
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purge
activated carbon
port
fuel
polymer
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Application number
JP4029691A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Kiyomiya
伸介 清宮
Nobuyuki Kobayashi
伸行 小林
充 ▲高▼田
Mitsuru Takada
Koji Okawa
浩司 大河
Shinichi Hoshino
伸一 星野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は蒸発燃料処理装置に関し、タンクポー
トからの短絡的なパージを防止して、内燃機関へのパー
ジガス濃度を安定させ、かつ、活性炭の吸着燃料からの
パージを積極的に行うことを目的としている。 【構成】蒸発燃料のうちの液体成分を吸収する高分子吸
収材25と、残りの気体成分を吸着する活性炭36,4
6を夫々連通させて設ける。タンクポート5の開放端5
aを高分子吸収材25内に設け、高分子吸収材25と内
燃機関の吸気側に接続されるパージポート6との間に抵
抗部材としての活性炭28を設ける。活性炭28はパー
ジポート6とタンクポート5との間の通気抵抗を増大さ
せる。その結果、パージ実行時においてタンクポート5
からパージポート6への短絡的な蒸発燃料のパージが抑
制され、内燃機関へのパージガス濃度を安定させ、か
つ、活性炭36,46に吸着されている蒸発燃料のパー
ジが積極的に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料タンクからの蒸発燃
料を一時的に貯蔵し、必要な時に内燃機関の吸気側に放
出(パージ)する蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、本出願人が先に提案した特願平
3−198887号の如く、燃料タンクから発生する蒸
発燃料のうち途中で凝縮して液状化した液体成分を吸収
する高分子吸収材と、高分子吸収材で液体成分が除去さ
れた後の気体成分を吸着する活性炭とを別々に備え、液
体成分吸着による活性炭の吸着能力低下を防止した蒸発
燃料処理装置(キャニスタ)が周知である。
【0003】一般にこの種のキャニスタでは、燃料タン
ク側に接続されたタンクポートがキャニスタの高分子吸
収材内で開放され、燃料タンクからの蒸発燃料は先ず高
分子吸収材を通ってここで液体成分が吸収された後、高
分子吸収材室に連通して設けられた活性炭室を通ってこ
こで気体成分が吸着される。また、高分子吸収材室の活
性炭室とは反対側には内燃機関の吸気側に接続されたパ
ージポートが設けられ、更に活性炭室の高分子吸収材室
の反対側には大気導入ポートが設けられている。従っ
て、キャニスタのパージ時においては、内燃機関の吸気
管負圧により大気導入ポートから空気が導入され、この
空気が活性炭室、高分子吸収材室を順次通る過程で吸着
燃料を含み、パージポートを通って内燃機関に供給され
る。上記構成においては、タンクポートを高分子吸収材
内で開放することにより、タンクポートの開放端とパー
ジポートの間に高分子吸収材が介在し、蒸発燃料がタン
クポートからパージポートへ直接流入しないように考慮
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
分子吸収材は通気抵抗が活性炭に比べて小さいため、キ
ャニスタのパージ時においては、タンクポートから高分
子吸収材内に開放された蒸発燃料が吸気管負圧に引かれ
て、通気抵抗の小さい高分子吸収材を通ってパージポー
トに短絡的に流れてしまう。従って、キャニスタに吸気
管負圧が導入されても、上述したように大気導入ポート
からの空気が抵抗の大きい活性炭室を通ってパージポー
トに流れることは殆どなく、タンクポートからの蒸発燃
料が高分子吸収材のみを通ってパージポートに流れてし
まう。また、この時に、高分子吸収材が吸収している蒸
発燃料の液体成分をも含んでしまうこともある。
【0005】その結果、燃料タンクから直接導入されて
濃度が濃く、且つ濃度の不安定な蒸発燃料が内燃機関に
そのままパージされてしまい、内燃機関では空燃比制御
の限界を越えてエンスト、ドラビリ不調等の問題が発生
する。また、活性炭室は内燃機関がパージを必要としな
い時に蒸発燃料が供給されてこれを吸着するものの、パ
ージを必要とする時には上記の如くタンクポートから短
絡的にパージされる量が多く、活性炭室の吸着燃料のパ
ージが妨げられる。そのため、活性炭室は常に飽和状態
またはそれに近い状態となり、大気導入ポートから蒸発
燃料が外部に排出されてしまう可能性がある。
【0006】そこで本発明は上記課題に鑑みられたもの
で、タンクポートとパージパイプとの間の通気抵抗を増
加してタンクポートからパージポートへの短絡的な蒸発
燃料の流れを防止することにより、内燃機関に供給する
パージガスの濃度を安定化し、また、活性炭室の吸着燃
料のパージを積極的に行って、大気ポートから外部に蒸
発燃料が排出するのを防止する蒸発燃料処理装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、高分子吸収材と前記高分子吸収材に連通し
て設けられた活性炭とを夫々貯蔵する装置本体と、一端
が燃料タンク側に接続され、他端が前記高分子吸収材に
開放された状態で前記装置本体に設けられた蒸発燃料導
入パイプと、一端が内燃機関の吸気側に接続され、他端
が前記高分子吸収材の前記活性炭とは反対側の部分の前
記装置本体に設けられたパージパイプとを有してなる蒸
発燃料処理装置において、前記高分子吸収材と前記パー
ジパイプとの間に、前記高分子吸収材と前記パージパイ
プとの間の通気抵抗を増大させる抵抗部材を設けた構成
である。
【0008】
【作用】本発明において、高分子吸収材は蒸発燃料導入
パイプを介して燃料タンクから供給される蒸発燃料のう
ちの主に液体成分を吸収する。高分子吸収材に連通して
設けられた活性炭は高分子吸収材を通った蒸発燃料の残
りの気体成分を吸着する。抵抗部材は高分子吸収材とパ
ージパイプとの間の通気抵抗を増大させることにより、
内燃機関の吸気側の負圧が高分子吸収材に直接伝達され
ることを抑制し、これによって、蒸発燃料導入パイプか
らの蒸発燃料、液状燃料および高分子吸収材に吸収され
ている蒸発燃料の液体成分がパージパイプへ直接流れる
ことが抑制される。
【0009】
【実施例】図1(A),(B),(C)夫々は本発明に
なる蒸発燃料処理装置の第1実施例の平面図、断面図、
図2は図1に示す蒸発燃料処理装置の内燃機関への装着
状態を示す図である。尚、図1(B)は同図(A)中、
Ib−Ib線に沿う断面図、図1(C)は同図(B)中、Ic
−Ic線に沿う断面を示している。
【0010】図2において、1はガソリン1aを貯蔵し
ている燃料タンク、2は本発明の蒸発燃料処理装置であ
るキャニスタ、3は内燃機関本体、4は内燃機関本体に
設けられた吸気通路である。キャニスタ2には、後述す
るタンクポート(前記蒸発燃料導入パイプに相当)5、
パージポート(前記パージパイプに相当)6、大気導入
ポート7が夫々設けられている。タンクポート5は燃料
タンク1の空間部分1bにバルブ8を介して接続されて
おり、パージポート6は吸気通路4に設けられているサ
ージタンク4aにバルブ9を介して接続されている。ま
た、大気導入ポート7は先端部が大気中に開放されてい
る。
【0011】次に、図1に基づいてキャニスタ2につい
て詳しく説明する。
【0012】図1に示すように、キャニスタ2は、大
略、タンクポート5およびパージポート6を備えた第1
の区画21と、第1の区画21に隣接して設けられた第
2の区画22と、第2の区画22の上部に設けられ、上
記大気導入ポート7を備えた第3の区画23とにより構
成されている。
【0013】第1の区画21は、縦長箱状のケース24
の約下半分の部分に高分子吸収材25を内蔵する高分子
吸気材室(以下、単に高分子室という)26が設けら
れ、その上部に隔壁27を介して活性炭28を内蔵する
活性炭室29が設けられている。この活性炭28は後述
するように本実施例における前記抵抗部材に該当するも
のである。活性炭室29の上部には隔壁30を介して空
気室31が設けられている。隔壁30は圧縮コイルバネ
32によって下方に押圧されており、これによって、上
記高分子吸収材25,活性炭28がケース24内におい
て移動しないようにされている。また、隔壁27,30
は、小孔を多数穿設した多孔板で形成されており、活性
炭28および高分子吸収材25の移動は規制するもの
の、流体は自由に通過できるようになっている。
【0014】タンクポート5は、ケース24の上板部2
4a、隔壁30、活性炭室29、隔壁27夫々を貫通し
て、その開放端5aが高分子室26上部の高分子吸収材
25内に位置するように設けられている。また、パージ
ポート6は空気室31と連通した状態で上板部24aに
設けられている。
【0015】第2の区画22は、立方体箱状のケース3
5の上側の殆どの部分が活性炭36を内蔵する活性炭室
37とされており、隔壁38を挟んで活性炭室37の下
部に空気室39が形成されている。空気室39内のケー
ス35の底面35aと隔壁38との間には圧縮コイルバ
ネ40が設けられており、隔壁38を上方へ押し上げる
ことにより活性炭36を活性炭室37の上部の隔壁42
との間に固定保持し、空気室39の形成を確実にしてい
る。
【0016】空気室39の上記第1の区画21に隣接す
る部分には、底面35aが一段低くされた凹部41が形
成されている。この凹部41の底面は上記第1の区画2
1の底面と同一高さ位置とされている。即ち、キャニス
タ2の底面は、第1の区画21の部分と第2の区画22
の第1の区画21に隣接する部分が、凹部41により他
の部分よりも一段低くされた形状となっている。この凹
部41は、第1の区画21と第2の区画22を連通する
と共に、後述するように高分子室26から洩れ出た蒸発
燃料の液体成分を貯溜する作用をする。
【0017】また、第1の区画21において高分子吸収
材25を保持するケースのうち、上記凹部41内に露出
したケース部分26aおよび隔壁38は、上記隔壁2
7,30と同様に多孔板で形成されており、よって第1
の区画21の高分子室26と第2の区画22の活性炭室
37との間は、流体が自由に流通できるようになってい
る。
【0018】第3の区画23は、略正方形の平面形状を
有する箱状のケース45の殆どの部分が活性炭46を内
蔵する活性炭室47とされており、また図中、活性炭室
47の左側に設けられた隔壁48を挟んで、小容量の空
気室49が形成されている。空気室49内には圧縮コイ
ルバネ50が設けられ、隔壁48を図中、右方向へ押圧
することにより活性炭46を活性炭室47の反対側の隔
壁51との間に固定保持して空気室49の形成を確実に
している。
【0019】ケース45の空気室49が設けられている
側の側壁には、上記大気導入ポート7が設けられてお
り、これによって空気室49は大気と連通している。ま
た、大気導入ポート7が設けられている側壁の反対側の
側壁には、90度折曲された配管52が第2の区画22
との間に設けられている。更に、ケース45内の隔壁4
8,51およびケース35上部の隔壁42は、上記隔壁
38と同様に多孔板で形成されている。従って、第2の
区画22の活性炭室37と第3の区画23の活性炭室4
7との間、および活性炭室47と大気との間は夫々連通
され、流体が自由に流通できるようになっている。
【0020】以上のようにキャニスタ2は、第1の区画
21、第2の区画22、第3の区画23夫々が凹部41
および配管52により連通され、また各隔壁26a,2
7,30,38,42,48,51は流体を通す多孔板
で形成されていることから、タンクポート5およびパー
ジポート6から大気導入ポート7に至るまでの間の全て
において流体の流通が可能とされている。尚、上記各ケ
ース24,35,45、および配管52が前記装置本体
に該当するものである。
【0021】次に本実施例のキャニスタ2の作用につい
て説明する。
【0022】車両の走行状態、停止状態に係わらず燃料
タンク1からは蒸発燃料が発生する。ここで、キャニス
タ2のタンクポート5に流入する蒸発燃料は、気体成分
のもの、燃料タンク1からキャニスタ2に流れる途中に
管壁等に付着して液化した液体成分のもの、或いは炭素
数が多く(例えば炭素原子数が6以上)気化し難い液体
成分のものとの混合体である。
【0023】図1中、タンクポート5に流入した蒸発燃
料は、上記タンクポート5の構造により先ず高分子室2
6内に導入される。高分子室26内では、高分子吸収材
25が後述するその特性により蒸発燃料のうちの上記液
体成分を吸収する。そして、液体成分が除かれた気体成
分の蒸発燃料は、高分子室26下部のケース部分26
a、凹部41、空気室39、隔壁38を通って第2の区
画22の活性炭室37に導入され、活性炭室37に多量
に内蔵された活性炭36にその大部分が吸着される。残
りの蒸発燃料は隔壁42、配管52、隔壁51を通過し
て第3の区画23の活性炭室47に導入され、活性炭4
6に吸着される。
【0024】このように、タンクポート5からキャニス
タ2に導入された蒸発燃料は、その液体成分が高分子吸
収材25に吸収され、残りの気体成分が活性炭36,4
6に吸着され、従来と同様に蒸発燃料の液体成分が活性
炭36,46に接触することがなくなる。従って、本実
施例においても、従来と同様に活性炭が液体成分を吸着
することによって活性炭の吸着能力が低下してしまうこ
とが防止され、これによって活性炭量の最適化、即ちキ
ャニスタの小型化等の効果が得られる。また、蒸発燃料
の液体成分が高分子吸収材25の吸収可能容量を越え、
液体成分が高分子室26から洩れ出てしまうような場合
にも、洩れ出た液体成分は上記凹部41の部分に溜まり
空気室39に流れ出ることが防止される。このため、活
性炭36は液体成分と完全に分離され、上記効果が更に
確実となる。
【0025】また、キャニスタ2からのパージ実行時に
は、図2に示すバルブ9が図示されないコントロール装
置からの信号により所定開度開弁され、吸気管4とキャ
ニスタ2のパージポート6とが連通される。この連通に
より吸気管4の負圧がキャニスタ2に導入され、この負
圧によってキャニスタ2は大気導入ポート7より大気を
吸引する。吸引された空気は、活性炭室47、活性炭室
37を通過する際に、活性炭46,36に吸着されてい
る吸着燃料を再び気化させて空気に含み、空気と燃料の
混合気となる。そして、空気室39、凹部41を通過し
て高分子室26に流入し、ここで更に高分子吸収材25
に吸収されている燃料を一部気化させて含む。このよう
にして適当な濃度となった混合気は、隔壁27、活性炭
室29、隔壁30を順次通過してパージポート6から吸
気管4に供給される。
【0026】次に本発明の主要部となる活性炭室29の
作用について説明する。液体成分を吸収する高分子吸収
材25は後述する具体的な材料例に見られるように通気
抵抗が活性炭よりも小さいものである。このため、高分
子室26の上部に抵抗部材である活性炭28を設けてい
ない従来の構成においては、吸気管の負圧がパージポー
トを介して高分子吸収材に直接かかると、タンクポート
からの蒸発燃料が通気抵抗の小さい高分子吸収材内を通
ってパージポートに短絡的に流れてしまい、内燃機関に
供給するパージ燃料濃度が不安定となっていた。また、
図2中、バルブ8は常に開弁されているため、従来の構
成においては、吸気管の負圧が通気抵抗の小さい高分子
吸収材を介してタンクポート、即ち燃料タンク内に導入
されてしまい、燃料タンクにおいて圧力低下による新た
な蒸発燃料が発生するという問題もあった。
【0027】しかしながら、本実施例においては、パー
ジポート6と、タンクポート5の開放端5aを有する高
分子吸収材25との間に、通気抵抗の大きい活性炭28
を内蔵した活性炭室29を設けることにより、パージポ
ート6と高分子吸収材25との間の通気抵抗が増大し、
従来の如く吸気管4の負圧が高分子吸収材25に直接伝
達されることが抑制される。その結果、吸気管4の負圧
がパージポート6を介してキャニスタ2に印加された場
合であっても、蒸発燃料がタンクポート5からパージポ
ート6へ短絡的に流れることが従来に比べて抑制され
る。また、負圧がキャニスタ2に印加されても、その負
圧がタンクポート5を介して燃料タンク1まで導入され
ることがなくなり、燃料タンク1での新たな蒸発燃料の
発生が抑制される。更に活性炭室29は上記の如く負圧
の伝達を抑制する作用の他に、高分子吸収材25からパ
ージポート6への液体成分の流れを邪魔する作用をも有
し、これによって、従来の如く高分子吸収材25に吸収
された液体成分が液状のままパージポート6へ流れてし
まうことが防止される。
【0028】このように本実施例によれば、吸気管4の
負圧がパージポート6を介してキャニスタ2に印加され
た場合、タンクポート5および高分子吸収材25からの
直接のパージが抑制され、活性炭36,46に吸着され
ている燃料のパージも従来に比べてより積極的に行われ
るようになる。その結果、キャニスタ2から吸気管4に
パージされるパージガスは、適当な濃度を有し、且つ安
定したものとなり、従来において発生していたエンス
ト、ドライバビリティの不調等の発生を防止することが
できる。また、活性炭36,46の吸着燃料のパージが
積極的に行われる結果、活性炭36,46の吸着飽和状
態が解消され、蒸発燃料が大気導入ポート7から外部へ
排出されてしまうことが防止される。
【0029】ここで、上記高分子吸収材25としては、
具体的には、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリブ
タジエン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリノル
ボルネン等のシリコーン系重合体、ポリジメチルシロキ
サン、エチレン−プロピレンジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体の1種または2種以上を用い
ることが望ましい。
【0030】しかして、上記高分子吸収材には、未架橋
高分子、架橋高分子(高分子ゲル)があるが、いずれも
用いることができる。前者の未架橋高分子は、燃料に溶
解或いは膨潤するタイプのもので、一般には疎水性高分
子と呼ばれており、前記ポリイソプレン等のホモポリマ
ー、スチレン−ブタジエン共重合体等のコポリマー等が
ある。また、後者の高分子ゲルとは、上記疎水性高分子
が架橋されたものであり、この架橋により高分子ゲルは
燃料に不溶となるが膨潤可能である。ここに、架橋と
は、特に架橋剤を用いて導入された化学的架橋に限ら
ず、化学的な自己架橋や物理的架橋をも含むものであ
る。また、これらの高分子吸収材は流体通過時の抵抗
(通気抵抗)が活性炭等に比べて小さいものである。
【0031】上記高分子吸収材の形状は粉末、粒子、フ
ィルム、糸状、ハニカム状、板状等特に問うものではな
いが、余り大きい塊を用いると表面だけが膨潤して、中
の方まで吸収が進まず、吸収能力が低下する恐れがあ
る。従って、吸収材は直径或いは厚さ寸法を適切な値と
することが好ましい。また、特に繊維に高分子ゲルを付
着させた糸状の吸収材は、吸収性、パージ性に優れてい
る。
【0032】また、上記活性炭としては、従来の蒸発燃
料処理装置に用いられていた水蒸気賦活・粒状活性炭等
の活性炭を用いる。
【0033】尚、本発明は上記第1実施例に限定される
ものではなく、以下に述べる第2実施例、第3実施例の
ような構成であってもよく、これらの実施例の場合にも
第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0034】図3は本発明になる蒸発燃料処理装置の第
2実施例の構成図であり、図1(C)に対応する部分を
示している。同図中、キャニスタ50の第1の区画51
は、高分子吸収材52がケース53内の下部に設けら
れ、この高分子吸収材52の上部に空間54を介して前
記抵抗部材に該当する活性炭55が設けられている。活
性炭55はケース53に固定された多孔板による隔壁5
6に支持されて、高分子吸収材52との間に空間54を
形成している。また、タンクポート57はケース53の
上部、活性炭55、隔壁56を夫々貫通して空間54内
において開放されている。上記構成の第1の区画51に
は、第1実施例と同一構成の第2の区画、第3の区画
(共に図示せず)夫々が図1に示す第1実施例と同様に
連設されている。上記構成のキャニスタ50では、パー
ジ実行時に第2の区画、第3の区画、および上記高分子
吸収材52夫々で燃料が気化されて混合気が生成され、
この混合気が活性炭55を通過してパージポート58よ
り内燃機関の吸気管(図示せず)に供給される。従っ
て、タンクポート57からの蒸発燃料や高分子吸収材5
2からの液状の燃料は活性炭55により遮られ、これら
の燃料が直接パージポート58に流れることが防止され
る。
【0035】また、図4は本発明になる蒸発燃料処理装
置の第3実施例の構成図であり、図3と同様に図1
(C)に対応する部分を示している。同図中、キャニス
タ60の第1の区画61は、ケース63内の殆どの部分
に高分子吸収材62が設けられた構成である。タンクポ
ート64はケース63、多孔板による隔壁65を貫通し
て高分子吸収材62内の中央部分において開放されてい
る。上記構成の第1の区画61には、第1実施例と同一
構成の第2の区画、第3の区画(共に図示せず)夫々が
第1実施例と同様に連設されている。また、ケース63
によって区画された第1の区画61の上部には、高分子
吸収材62の上部に設けられた空気室66に連通する第
4の区画67が設けられている。この区画67には前記
抵抗部材に該当する活性炭68が、上下2枚の多孔板隔
壁に挟さまれて設けられており、また、活性炭68を挟
んで空気室66の反対側には前記パージハイプに該当す
るパージポート69が設けられている。上記構成のキャ
ニスタ60では、パージ実行時に第1乃至第3の区画で
燃料が気化されて混合気が生成され、この混合気が第4
の区画67内の活性炭68を通過してパージポート69
より内燃機関の吸気管(図示せず)に供給される。従っ
て、タンクポート64からの蒸発燃料や高分子吸収材6
2からの液状の燃料は活性炭68により遮られ、これら
の燃料が直接パージポート69に流れることが防止され
る。
【0036】また、上記第1乃至第3実施例では、パー
ジポートと高分子吸収材との間の抵抗部材として活性炭
を適当量内蔵した活性炭室を設けていたが、本発明の抵
抗部材はこの活性炭室に限定されるものではなく、流体
を通過させ、かつ、所定の通気抵抗を有する部材であれ
ば、いかなる部材であってもよい。
【0037】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、内燃機関
の吸気側の負圧が蒸発燃料処理装置に導入されるパージ
実行時において、蒸発燃料導入パイプおよび高分子吸収
材からの直接のパージが抑制されるため、活性炭に吸着
されている燃料のパージを従来に比べてより積極的に行
うことができる。そのため、内燃機関にパージされる蒸
発燃料の濃度が適当な状態で安定したものとなり、パー
ジ実行時に従来発生していたエンスト、ドライバビリテ
ィの不調等を防止することができる。また、活性炭の吸
着燃料のパージが積極的に行われて活性炭の吸着飽和状
態が解消されるため、蒸発燃料が外部へ排出されてしま
うことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる蒸発燃料処理装置の第1実施例の
構成図である。
【図2】図1に示す蒸発燃料処理装置の内燃機関への装
着状態を示す図である。
【図3】本発明になる蒸発燃料処理装置の第2実施例の
構成図である。
【図4】本発明になる蒸発燃料処理装置の第3実施例の
構成図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2,50,60 蒸発燃料処理装置(キャニスタ) 3 機関本体 4 吸気管 5,57,64 タンクポート 6,69 パージポート 7 大気導入ポート 8,9 バルブ 21,51,61 第1の区画 22 第2の区画 23 第3の区画 24,35,45,53,63 ケース 25,52,62 高分子吸収材 26 高分子吸収材室 28,36,46,55,68 活性炭 29 37,47 活性炭室 52 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大河 浩司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 星野 伸一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子吸収材と該高分子吸収材に連通し
    て設けられた活性炭とを夫々貯蔵する装置本体と、一端
    が燃料タンク側に接続され、他端が前記高分子吸収材に
    開放された状態で前記装置本体に設けられた蒸発燃料導
    入パイプと、一端が内燃機関の吸気側に接続され、他端
    が前記高分子吸収材の前記活性炭とは反対側の部分の前
    記装置本体に設けられたパージパイプとを有してなる蒸
    発燃料処理装置において、 前記高分子吸収材と前記パージパイプとの間に、前記高
    分子吸収材と前記パージパイプとの間の通気抵抗を増大
    させる抵抗部材を設けたことを特徴とする蒸発燃料処理
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5564398A (en) * 1993-10-05 1996-10-15 Nippondenso Co., Ltd. Simplified canister for prevention of atmospheric diffusion of fuel vapor from a vehicle
US6488748B2 (en) * 1999-12-28 2002-12-03 Nissan Motor Co., Ltd. Canister structure for internal combustion engine
US6503301B2 (en) * 1999-12-28 2003-01-07 Tennex Corporation Fuel vapor treatment canister
JP2011190797A (ja) * 2010-02-17 2011-09-29 Aisan Industry Co Ltd キャニスタ

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