JPH0522827A - 配線用ダクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工面の凹凸による施工障害、切断加工に伴
う外観の悪さや安全面の危惧、および、キャップの取り
外しに伴う変形が解消される配線用ダクトを提供する。 【構成】 電線収納用溝部２０，２０が長手方向に沿っ
て形成されている長尺のベース３と、このベース３に凹
凸嵌合により固着される長尺のキャップ２とからなる配
線用ダクトにおいて、前記ベース３が合成樹脂のみから
なり、前記キャップ２が長手方向に沿う両端縁３１ａが
折り曲げられた金属製コア３１を合成樹脂３２で被覆し
てなるものであることを特徴とする配線用ダクト１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、室内等における配線
に使われる配線用ダクトに関する。

【０００２】

【従来の技術】配線用ダクトに室内の床面に電線を敷設
する際に使われる床配線用ダクトがある。従来の床配線
用ダクトとして、電線収納用溝部が長手方向に沿って形
成されている長尺の金属製ベースと、このベースに嵌合
により固着される長尺の金属製キャップとからなるダク
トがある。この配線用ダクトは、金属製であるために上
からの押圧力に対する強度が十分にあり、踏まれた程度
では変形せず、床配線用としての適性を有するのである
が、以下のような欠点がある。

【０００３】ベースが金属製であるために、床面に小さ
な凹凸があると吸収できずベースの敷設の邪魔となっ
て、施工上の障害になるのである。一方、キャップの方
にも二つ不都合がある。ひとつは、切断加工で切り口に
生じるバリ等により、見た目が悪く、怪我し易いことで
ある。もうひとつは、キャップをベースから取り外す時
にキャップに反り等の変形が起こり、再嵌合が困難とな
ってしまうことである。長手方向と直角の方向に対する
曲げ強度がキャップに不足しているのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記事情
に鑑み、施工面の凹凸による施工障害、切断加工に伴う
外観の悪さや安全面の危惧、および、キャップの取り外
しに伴う変形が解消される配線用ダクトを提供すること
を課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかる配線用ダクトは、電線収納用溝部
が長手方向に沿って形成されている長尺のベースと、こ
のベースに凹凸嵌合により固着される長尺のキャップと
からなり、前記ベースが合成樹脂のみからなり、前記キ
ャップが長手方向に沿う両端縁が折り曲げられた金属製
コアを合成樹脂で被覆してなるものである構成をとって
いる。

【０００６】この発明の配線用ダクトは、屋内での配
線、中でも床配線用として好適であるが、床配線用以外
のものであってもよい。

【０００７】

【作用】この発明の配線用ダクトはベースの方が合成樹
脂のみからなり、床面等の施工面に少々の凹凸があって
も良くなじみ問題なく敷設できるため、施工面の少々の
凹凸は施工の障害とならない。一方、ベースに固着され
るキャップは、芯が金属製コアであって押圧力に対する
強度が十分にあり、上から踏まれたぐらいでは変形せ
ず、床配線用としての適性を有する。このキャップは、
芯が金属製コアであっても合成樹脂で被覆されていて、
切断加工で生じる見苦しく危険なバリ等は樹脂で隠蔽さ
れるため、見た目がソフトで良くなり、ケガもし難く安
全なものとなる。

【０００８】それに、キャップの芯である金属製コア
は、長手方向に沿う両端縁が折り曲げられていて、長手
方向と直角の方向に対する曲げ強度が高く、その結果、
キャップ取り外し時の変形が回避され、再嵌合に支障が
出るようなこともない。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。勿論、
この発明は下記の実施例に限らない。図１は、分解状態
にある実施例の床配線用ダクト（ワイヤプロテクター）
の外観をあらわす。図２は、組み立て状態にある実施例
の配線用ダクトを断面してあらわす。

【００１０】実施例の配線用ダクト（ワイヤプロテクタ
ー）１は、長尺のベース３とこれに凹凸嵌合により固着
される長尺のキャップ２からなる。ベース３は合成樹脂
のみからなる。このベース３では、電線収納用溝部２
０，２０が中央に立設された仕切り２１を挟んで長手方
向に沿って平行に並んで形成されている。そして、各電
線収納用溝部２０の外側には嵌合用凹部２２がそれぞれ
長手方向に沿って形成されている。

【００１１】キャップ２は、金属製コア３１が合成樹脂
３２で覆われてなり、断面が略円弧状の形である。キャ
ップ２は、図３（ａ）にみるように、長手方向に沿う両
端縁３１ａ，３１ａが裏面側に折り曲げられた断面弧状
の金属製コア３１を作っておいて、その後、合成樹脂３
２で必要形状の被覆を施すことにより作れる。キャップ
２の裏面両脇には嵌合用凸部３３が嵌合用凹部２２に対
応する位置に合成樹脂で形成されている。

【００１２】金属製コア３１の両端３１ａの折り曲げ
は、図３（ａ）のように折り曲げ部分全体が非折り曲げ
部分に密着する曲げ方の他に、図３（ｂ）にみるよう
に、折り曲げ部分が非折り曲げ部分に密着しない曲げ方
であってもよい。ベース３の嵌合用凹部２２にキャップ
２の嵌合用凸部３３が嵌まり込むことによりベース３に
キャップ２が固着される。キャップ２がベース３に固着
れさた状態では長手方向に沿う端縁裏面３５と床面がぴ
ったりと密接する。

【００１３】勿論、施工時には、電線収納用溝部２２内
には電線（図示省略）が収納される。収納される電線の
種類は様々である。商用電源用の電線や情報機器用信号
用の電線などが納められる。キャップ２を取り外す時に
はキャップ２を引っ張って起こすのであるが、長手方向
と直角の方向に対する曲げ強度が高くなっているので、
キャップ２は変形（そりやねじれ）しない。取り外した
キャップ２は何ら支障なくベース２に嵌め込み再固着さ
せられる。

【００１４】

【発明の効果】この発明の配線用ダクトは、キャップの
芯である金属製コアの両端が長手方向に沿って折り曲げ
られていて、長手方向と直角の方向に対する曲げ強度が
高いために、キャップを取り外す時に変形が回避できる
上、金属製コアに切断加工で生じる見苦しく危険なバリ
等が合成樹脂で隠蔽されるため、見た目がソフトで好ま
しく、安全性が高まり、しかも、ベースの方が合成樹脂
のみからなるため、凹凸のある施工面の凹凸にもなじみ
易く、施工面の少々の凹凸で施工が妨げられるというこ
とも回避できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の床配線用ダクトの分解斜視図である。

【図２】実施例の配線用ダクトの組み立て断面図であ
る。

【図３】実施例の配線用ダクトにおけるキャップの金属
製コアの断面図である。

【符号の説明】

１ 配線用ダクト ２ 長尺のキャップ ３ 長尺のベース ２０ 電線収納用溝部 ３１ 金属製コア ３２ 合成樹脂

フロントページの続き (72)発明者 松信 幸博 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 電線収納用溝部が長手方向に沿って形成
   されている長尺のベースと、このベースに凹凸嵌合によ
   り固着される長尺のキャップとからなる配線用ダクトに
   おいて、前記ベースが合成樹脂のみからなり、前記キャ
   ップが長手方向に沿う両端縁が折り曲げられた金属製コ
   アを合成樹脂で被覆してなるものであることを特徴とす
   る配線用ダクト。