JPH05227644A - 変圧器の診断装置 - Google Patents

変圧器の診断装置

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JPH05227644A
JPH05227644A JP3135349A JP13534991A JPH05227644A JP H05227644 A JPH05227644 A JP H05227644A JP 3135349 A JP3135349 A JP 3135349A JP 13534991 A JP13534991 A JP 13534991A JP H05227644 A JPH05227644 A JP H05227644A
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transformer
temperature
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oil
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JP3135349A
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Ryuichi Fujimoto
隆一 藤本
Yoshitane Hirota
喜胤 広田
Haruji Murakami
春次 村上
Kasumi Yoshikawa
佳澄 吉川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/50Testing of electric apparatus, lines, cables or components for short-circuits, continuity, leakage current or incorrect line connections
    • G01R31/62Testing of transformers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直接に油温を測定しなくてすみ、正しい診断
が行なえる変圧器の診断装置を得る。 【構成】 測温抵抗体式温度センサを有する第1の温度
検出手段2が変圧器1の周囲温度Taを検出する。測温
抵抗体式温度センサを有する第2の温度検出手段3は変
圧器1におけるケースの放熱部の表面温Tsを検出す
る。変流器からなる負荷電流計測手段5が変圧器1から
配電線6を介して流れる負荷電流を計測する。第1の設
定手段7は変圧器1の定格容量及び定格電圧及び相数な
どの特性値を設定する。第2の設定手段8は第1及び第
2の温度検出手段2,3にて検出された温度情報の差に
基づき温度換算係数を設定する。演算手段12は第1及
び第2の設定手段7,8からの設定情報及び負荷電流計
測手段5からの計測情報に基づき最高巻線温度及び変圧
器の残存寿命を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変圧器の巻線の温度
上昇による絶縁材料の熱劣化に着目した変圧器の診断装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図29は例えば特開平1−274618
号公報に示された従来の変圧器の診断装置の処理を示す
フローチャートであり、次のように動作するものであ
る。なお、この診断装置は中央監視盤内に設置されてい
るものであり、変圧器には変圧器内部の油温を測定する
ための測温抵抗体式の温度センサが取り付けられている
ものである。まず、ステップ101において特性値設定
部で油入変圧器の定格電流IR、定格電流時の最高巻線
温度と最高油温との差θgn及び寿命損失積算値の初期値
Sを設定し、演算ループの開始点102を介してステ
ップ103に進む。なお、開始点102以降の処理は単
位時間に一度実行されるものであり、所定の時間間隔で
繰り返し演算処理されるものである。
【0003】ステップ103では、変圧器に取り付けら
れた温度センサである測温抵抗体の抵抗値をインターフ
ェース回路を介して変圧器の油温度のデータとして取り
込み温度に換算する。ステップ104では、受電盤や配
電盤を経由して変圧器に取り付けられた負荷の負荷電流
を、受電盤や配電盤に取り付けられた変流器からの信号
として検出するものであり、上記変流器からの信号をイ
ンターフェース回路を介して取り込み負荷電流に換算す
る。
【0004】ステップ105では、入力されたデータや
ステップ101にて設定されたデータから変圧器の最高
巻線温度を演算する。この最高巻線温度は次の式1によ
って演算されるものである。
【0005】
【数1】
【0006】ここでΘHは最高巻線温度、ΘOはステップ
103によって取り込まれた変圧器の油温度、θgは最
高油温度と最高巻線温度との差を示すものであり、この
差θgは次の式2によって与えられるものである。
【0007】
【数2】
【0008】ここで、θgNはステップ101にて設定さ
れた変圧器の定格電流時の最高巻線温度と最高油温度と
の差、IRはステップ101にて設定された変圧器の定
格電流である。この様にして最高巻線温度ΘHが演算さ
れると、ステップ106に進み、ステップ106にてス
テップ105にて演算された最高巻線温度ΘHが絶縁材
料の許容温度(105℃)以下であるか否かを判定する。
最高巻線温度Θが上記許容温度を越えるとステップ10
7に進み、警報を出力する。
【0009】最高巻線温度ΘHが上記許容温度以下であ
ると、ステップ110に進み、ステップ105にて演算
された最高巻線温度ΘHをもとに前回の演算時から現在
までの間の変圧器の寿命損失を演算する。つまり、今寿
命をYとすると、絶縁材料の熱劣化による変圧器の寿命
に最も大きな影響を与える要因が上記の最高巻線温度Θ
Hであり、寿命Yは絶縁材料の劣化の式より次の式3か
ら求められるものである。
【0010】
【数3】
【0011】一方、正規寿命をYOとすると、正規寿命
Oは基準となる巻線温度ΘHOより次の式4によって与
えられるものである。
【0012】
【数4】
【0013】上記式3及び式4により寿命Yは次の式5
によって現せるものである。
【0014】
【数5】
【0015】上記式5において、一般的に基準となる巻
線温度ΘHOは95℃、正規寿命は30年とされており、
また、最高巻線温度ΘHが6℃上昇するたびに寿命が半
減するとされており、このとき、bは0.1155にな
っているものである。さらに、最高巻線温度ΘHは、変
圧器の負荷や周囲温度が時間とともに変化するために時
間とともに変化しているものである。いま、時間に単位
時間毎に区切って離散化し、時刻iにおいて単位時間だ
け最高巻線温度ΘH(i)で運転したとき、その単位時間
での寿命損失をV(i)とすると、この単位時間での寿命
損失V(i)は次の式6によって現せるものである。
【0016】
【数6】
【0017】この様にして単位時間での寿命損失V(i)
が演算されると、ステップ111に進み、ステップ10
1で設定された寿命損失積算値の初期値Vsを初期値と
して、ステップ110にて演算された単位時間での寿命
損失V(i)を繰り返し演算のたびに積算し、現時点にお
ける変圧器の寿命損失を演算する。つまり、現時点での
寿命損失V(n)は単位時間での寿命損失V(i)の積算値
であるので、次の式7または式8で現わせられることに
なる。
【0018】
【数7】
【0019】
【数8】
【0020】上記式7または8において寿命損失V(n)
が1になったときに寿命がきたことになる。この様にし
て寿命損失が演算されると、ステップ112に進み、こ
のステップ112では、ステップ111にて演算された
寿命損失V(n)から現時点での残存寿命YRを次の式9
にて求める。
【0021】
【数9】
【0022】残存寿命量YRが求められると、ステップ
113に進み、ステップ113では、残存寿命量YR
所定の値(5年)より短いか否かを判定し、残存寿命量Y
Rが所定の値より短くなるとステップ114に進み、警
報を出力する。残存寿命量YRが所定の値より長いと、
ステップ115に進んでステップ105にて演算された
最高巻線温度ΘH及びステップ112にて演算された残
存寿命量YRを表示器に表示して開始点102に戻り、
所定の間隔を持ってステップ103以降の処理を繰り返
すものである。
【0023】上記従来の変圧器の診断装置にあっては、
変圧器の油温度ΘOを測定してこの油温度ΘOを用いて最
高巻線温度ΘH及び残存寿命量YRを求めているが、変圧
器の油温度を測定せずに最高巻線温度ΘH及び残存寿命
量YRを求めるものも、例えば、特開昭63−1711
14号公報及び特開昭171116号公報にて提案され
ている。これら特開昭63−171114号公報及び特
開昭171116号公報には、変圧器の周囲温度を測定
するだけにより、この測定された変圧器の周囲温度及び
変圧器の個々の定数に基づき最高巻線温度を演算し、上
記した式5、式6及び式7を用いて寿命Y及び寿命損失
V(n)を求めているものが示されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、特開平1−
274618号公報に示されているものにあっては、診
断の基本となる最高巻線温度ΘHを求めるために変圧器
の油温度ΘOを常時計測しなければならず、診断する変
圧器に測温抵抗体式の温度センサを取り付けておく必要
がある。従って、測温抵抗体式の温度センサが取り付け
られている大容量の変圧器にあっては、診断が可能であ
るものの、このような大容量の変圧器を除いては、通
常、ダイアル温度計などの油温計が設置されているだけ
であり、このようなダイアル温度計が設置されているだ
けのものにおいて、運転中の変圧器を診断する場合、新
たに診断のために測温抵抗体式の温度センサを設置する
必要があり、この温度センサの設置のために変圧器の運
転を中断しなければならないだけでなく、巻線や引出線
の位置の油面との関係を調べ、巻線や引出線との絶縁距
離を保ちつつ温度センサを設置しなければならず、面倒
な作業となるものであった。
【0025】また、特開昭63−171114号公報及
び特開昭171116号公報に示されたものにあって
は、変圧器の油温度を測定する必要はないものの、診断
精度が変圧器の個々の特性を示す定数の設定により大き
く左右され、診断精度を確保することが難しいという問
題点を有していた。
【0026】さらに、上記した従来のものにあっては、
診断装置の本体が中央監視室に設置されているため、中
央監視室と離れた場所に設置されている変圧器、受電盤
及び配電盤に取り付けられた温度センサや変流器からの
信号を中央監視室まで延長する必要があり、新設や増設
の変圧器を診断する場合はもとより、既設の変圧器を診
断する場合でも診断のための工作が必要になるという問
題点も有していた。
【0027】またさらに、上記した従来のものにあって
は油入変圧器に限っての設定手段や演算式しか有してお
らず、現在広く普及しているモールド変圧器やガス絶縁
変圧器に適用できないという問題点をも有しているもの
であった。
【0028】また、特に、3相のモールド変圧器にあっ
ては、各相の巻線が独立してモールドされ空気中に置か
れるため、変圧器の負荷が不平衡で、各相の電流が異な
る場合があり、各巻線の温度を個別に演算するために、
各相に1台づつ計3台の測温抵抗体式の温度センサを必
要とし、変圧器本体及び診断装置の構成が複雑になり、
高価になるという問題点をも有しているものであった。
【0029】この発明は上記した点に鑑みてなされても
のであり、直接に油温を測定しなくて済み、正しい診断
が行なえる変圧器の診断装置を得ることを目的とするも
のである。第2の目的は診断のための工事が必要最小限
で行なえる変圧器の診断装置を得ることである。第3の
目的は油入変圧器に限らずモールド変圧器及びガス絶縁
変圧器にも適用できる変圧器の診断装置を得ることであ
る。第4の目的は3相モールド変圧器に対して1相分の
モールド部の温度情報を得ることによって診断が行なえ
る変圧器の診断装置を得ることである。
【0030】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明
は、変圧器の定格容量及び定格電圧及び相数を設定する
第1の設定手段と、変圧器の周囲温度を検出する第1の
温度検出手段と、変圧器におけるケースの放熱部の表面
温度を検出する第2の温度検出手段と、これら第1及び
第2の温度検出手段にて検出された温度情報の差に基づ
き温度換算係数を設定する第2の設定手段と、変圧器の
負荷電流を計測する負荷電流計測手段と、第1及び第2
の設定手段からの設定情報及び負荷電流計測手段からの
計測情報に基づき最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を
演算する演算手段とを設けたものである。
【0031】この発明の第2の発明は、変圧器の定格容
量及び定格電圧及び相数を設定する第1の設定手段と、
変圧器の周囲温度を検出する第1の温度検出手段と、変
圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると変圧
器におけるケースの放熱部の表面温度を、変圧器がモー
ルド変圧器であると変圧器における高圧部と低圧部との
間の空気の温度を検出する第2の温度検出手段と、これ
ら第1及び第2の温度検出手段にて検出された温度情報
の差に基づき、変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変
圧器であると油あるいはガスの温度を、変圧器がモール
ド変圧器であると平均巻線温度を求めるための温度換算
係数を設定する第2の設定手段と、変圧器の負荷電流を
計測する負荷電流計測手段と、変圧器の絶縁種別及び変
圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器あるいはモー
ルド変圧器のいずれかであるかを設定する第3の設定手
段と、油入変圧器及びガス絶縁変圧器及びモールド変圧
器の各絶縁種別の変圧器に対する演算式を有し、第1な
いし第3の設定手段からの設定情報及び負荷電流計測手
段からの計測情報に基づいて演算式により変圧器が油入
変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガス
の最高温度を、変圧器がモールド変圧器であると巻線の
平均温度を演算するとともにこの演算結果により最高巻
線温度及び変圧器の残存寿命を演算する演算手段とを設
けたものである。
【0032】この発明の第3の発明は、変圧器の定格容
量及び定格電圧及び相数を設定する第1の設定手段と、
変圧器の周囲温度を検出する第1の温度検出手段と、変
圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると変圧
器におけるケースの放熱部の表面温度を、変圧器がモー
ルド変圧器であると変圧器における高圧部と低圧部との
間の空気の温度を検出する第2の温度検出手段と、変圧
器に設けられた温度センサの温度情報を入力するための
温度情報入力手段と、第1及び第2の温度検出手段から
の温度情報に基づき周囲温度及び変圧器の温度が安定状
態にあり、温度情報入力手段における温度情報の読み取
りに適したタイミングであることを判定する温度サンプ
リング適否判定手段と、第1及び第2の温度検出手段に
て検出された温度情報及び温度情報入力手段に入力され
た温度情報に基づき、変圧器が油入変圧器あるいはガス
絶縁変圧器であると油あるいはガスの温度を、変圧器が
モールド変圧器であると平均巻線温度を求めるための温
度換算係数を設定する第2の設定手段と、変圧器の絶縁
種別及び変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器あ
るいはモールド変圧器のいずれであるかを設定する第3
の設定手段と、油入変圧器及びガス絶縁変圧器及びモー
ルド変圧器の各絶縁種別の変圧器に対する演算式を有
し、第1ないし第3の設定手段からの設定情報に基づい
て演算式により変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変
圧器であると油あるいはガスの最高温度を、変圧器がモ
ールド変圧器であると巻線の平均巻線温度を演算すると
ともにこの演算結果により最高巻線温度及び変圧器の残
存寿命を演算する演算手段とを設けたものである。
【0033】この発明の第4の発明は、変圧器の定格容
量と定格電圧の相数と変圧器種別と絶縁種別と負荷損及
び無負荷損の比を設定する設定手段と、変圧器の周囲温
度を検出する温度検出手段と、変圧器の負荷電流を計測
する負荷電流計測手段と、変圧器に設けられた温度セン
サの温度情報を入力するための温度情報入力手段と、温
度検出手段からの周囲温度情報及び負荷電流計測手段か
らの負荷電流情報における所定時間間隔毎の検出値の時
系列情報と温度情報入力手段に入力された温度情報の時
系列情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶さ
れた周囲温度情報及び負荷電流情報の時系列情報と温度
情報の時系列情報並びに変圧器の負荷率と温度検出手段
からの周囲温度情報に基づいて、変圧器が油入変圧器あ
るいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガスの最高温
度を、変圧器がモールド変圧器であると変圧器における
巻線の最高温度を求めるための変圧器に固有なパラメー
タである温度変化の時定数と定格負荷時の温度上昇値を
演算し、演算結果である温度変化の時定数と温度検出手
段からの周囲温度情報と負荷電流計測手段からの負荷電
流情報とに基づいて変圧器が油入変圧器であると最高油
温度を、変圧器がガス絶縁変圧器であると最高ガス温度
を、変圧器がモールド変圧器であると平均巻線温度を演
算し、この演算値から最高巻線温度及び変圧器の残存寿
命を演算する演算手段とを設けたものである。
【0034】この発明の第5の発明は、モールド変圧器
の定格容量と定格電圧と相数と絶縁種別とを設定する設
定手段と、変圧器の周囲温度を検出する第1の温度検出
手段と、変圧器の少なくとも1相の巻線のモールド部の
温度を検出する第2の温度検出手段と、変圧器の各相の
電流を検出する電流検出手段と、第1及び第2の温度検
出手段からの周囲温度情報及びモールド部の温度情報と
電流検出手段からの電流情報における所定時間間隔毎の
検出情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶さ
れた所定時間間隔毎の検出情報及び電流検出手段からの
各相の電流情報に基づいて各相における巻線の周囲温度
に対する温度上昇値を演算するための、変圧器に固有な
パラメータを演算し、温度センサのついていない相につ
いてはこの演算されたパラメータを含む演算式に基づい
て第1の温度検出手段からの周囲温度情報と電流検出手
段からの対応した相における電流情報とによって最高巻
線温度を演算し、あるいは温度センサのついている相に
ついてはその温度センサからの温度情報と電流検出手段
からの対応した相における電流情報とによって最高巻線
温度を演算し、この演算された最高巻線温度によって変
圧器の寿命損失を演算・累積するとともに変圧器の残存
寿命を演算する演算手段とを設けたものである。
【0035】
【作用】この発明の第1の発明にあっては、演算手段
が、第1の設定手段からの変圧器の定格容量及び定格電
圧及び相数からなる設定情報と、第2の設定手段からの
第1の温度検出手段による変圧器の周囲温度情報及び第
1の温度検出手段による変圧器におけるケースの放熱部
の表面温度情報に基づく温度換算係数からなる設定情報
と、負荷電流計測手段からの計測情報とに基づき最高巻
線温度及び変圧器の残存寿命を演算し、測温抵抗体式の
温度センサを必要とせずに変圧器の診断を行なわせしめ
る。
【0036】この発明の第2の発明にあっては、演算手
段が、第1の設定手段からの変圧器の定格容量及び定格
電圧及び相数からなる設定情報と、第2の設定手段から
の、第1の温度検出手段による変圧器の周囲温度情報、
及び第2の温度検出手段による、変圧器が油入変圧器あ
るいはガス絶縁変圧器であると変圧器におけるケースの
放熱部の表面温度情報、あるいは変圧器がモールド変圧
器であると変圧器における高圧部と低圧部との間の空気
の温度情報に基づく、変圧器が油入変圧器あるいはガス
絶縁変圧器であると油あるいはガスの温度、あるいは変
圧器がモールド変圧器であると平均巻線温度を求めるた
めの温度換算係数からなる設定情報と、第3の設定手段
からの変圧器の絶縁種別及び変圧器が油入変圧器あるい
はガス絶縁変圧器あるいはモールド変圧器のいずれかで
あるかを設定する設定情報と、負荷電流計測手段からの
計測情報とに基づいて演算式により変圧器が油入変圧器
あるいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガスの最高
温度を、変圧器がモールド変圧器であると巻線の平均温
度を演算するとともにこの演算結果により最高巻線温度
及び変圧器の残存寿命を演算し、油入変圧器あるいはガ
ス絶縁変圧器あるいはモールド変圧器のいずれであって
も測温抵抗体式の温度センサを必要とせずに変圧器の診
断を行なわせしめる。
【0037】この発明の第3の発明にあっては、演算手
段が、第1の設定手段からの変圧器の定格容量及び定格
電圧及び相数からなる設定情報と、第2の設定手段から
の、第1の温度検出手段による変圧器の周囲温度情報及
び第2の温度検出手段による、変圧器が油入変圧器ある
いはガス絶縁変圧器であると変圧器におけるケースの放
熱部の表面温度情報、あるいは変圧器がモールド変圧器
であると変圧器における高圧部と低圧部との間の空気の
温度情報及び温度情報入力手段からの温度情報サンプリ
ング適否判定手段にて適しているとして読み込まれた入
力温度情報に基づく、変圧器が油入変圧器あるいはガス
絶縁変圧器であると油あるいはガスの温度、あるいは変
圧器がモールド変圧器であると平均巻線温度を求めるた
めの温度換算係数からなる設定情報と、第3の設定手段
からの変圧器の絶縁種別及び変圧器が油入変圧器あるい
はガス絶縁変圧器あるいはモールド変圧器のいずれかで
あるかを設定する設定情報とに基づいて、演算式により
変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油
あるいはガスの最高温度を、変圧器がモールド変圧器で
あると巻線の平均温度を演算するとともに、この演算結
果により最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算し、
油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器あるいはモールド変
圧器のいずれであっても測温抵抗体式の温度センサを必
要とせずに変圧器の診断を行なわせしめる。
【0038】この発明の第4の発明にあっては、演算手
段が、記憶手段に記憶された温度検出手段からの周囲温
度情報及び負荷電流計測手段からの負荷電流情報の時系
列情報と、温度検出手段からの温度情報の時系列情報並
びに変圧器の負荷率と温度検出手段からの周囲温度情報
に基づいて、変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧
器であると油あるいはガスの最高温度を、変圧器がモー
ルド変圧器であると変圧器における巻線の最高温度を求
めるための変圧器に固有なパラメータである温度変化の
時定数と定格負荷時の温度上昇値を演算し、演算結果で
ある温度変化の時定数と温度検出手段からの周囲温度情
報と負荷電流計測手段からの負荷電流情報とに基づいて
変圧器が油入変圧器であると最高油温度を、変圧器がガ
ス絶縁変圧器であると最高ガス温度を、変圧器がモール
ド変圧器であると平均巻線温度を演算し、この演算値か
ら最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算し、油入変
圧器あるいはガス絶縁変圧器あるいはモールド変圧器の
いずれであっても変圧器の診断を行なわせしめる。
【0039】この発明の第5の発明にあっては、演算手
段が、記憶手段に記憶された第1及び第2の温度検出手
段からの周囲温度情報及びモールド部の温度情報と電流
検出手段からの電流情報における所定時間間隔毎の検出
情報及び電流検出手段からの各相の電流情報に基づいて
各相における巻線の周囲温度に対する温度上昇値を演算
するための変圧器に固有なパラメータを演算し、温度セ
ンサのついていない相についてはこの演算されたパラメ
ータを含む演算式に基づいて、第1の温度検出手段から
の周囲温度情報と電流検出手段からの対応した相におけ
る電流情報とによって最高巻線温度を演算し、あるいは
温度センサのついている相については、その温度センサ
からの温度情報と電流検出手段からの対応した相におけ
る電流情報とによって最高巻線温度を演算し、この演算
された最高巻線温度によって変圧器の寿命損失を演算・
累積するとともに変圧器の残存寿命を演算し、モールド
変圧器において1相分のモールド部からの温度情報によ
って3相分の各巻線の温度を推定して変圧器の診断を行
なわせしめる。
【0040】
【実施例】実施例1.以下に、この発明の実施例1を図
1ないし図7に基づいて説明する。図1において、1は
ケース内部に油が充填されて変圧器の巻線1aが配設さ
れた負荷に電力を供給する油入変圧器からなる変圧器、
2はこの変圧器の周囲温度Taを検出する第1の温度検
出手段、測温抵抗体式温度センサによる温度に比例した
抵抗値をブリッジ回路にて電圧に変換して増幅されたア
ナログ情報を出力するものである。3は上記変圧器1の
上記変圧器1におけるケースの放熱部の表面温度Ts
検出する第2の温度検出手段で、測温抵抗体式温度セン
サによる温度に比例した抵抗値をブリッジ回路にて電圧
に変換して増幅されたアナログ情報を出力するものであ
り、図2に示すように測温抵抗体式温度センサ3aと永
久磁石3bが本体3cに取り付けられ、上記測温抵抗体
式温度センサ3aからの温度検出情報が接続線3dによ
って伝達されるものであり、永久磁石3bによって上記
変圧器1のケースの放熱部表面に吸着されて測温抵抗体
式温度センサ3aが上記変圧器1のケースの放熱部表面
に密着される構成になっているものである。
【0041】図3はこの実施例1における診断装置Aの
構成を示すブロック図であり、図3において、4は上記
変圧器1の電力を負荷に給電するための受配電盤で、上
記変圧器1から配電線6を介して流れる負荷電流を計測
する変流器からなる負荷電流計測手段5が設けられてい
る。7は上記変圧器1の定格容量及び定格電圧及び相数
などの特性値を設定する第1の設定手段、8は上記第1
及び第2の温度検出手段2,3にて検出された温度情報
の差に基づき温度換算係数を設定する第2の設定手段、
9は上記第2の温度検出手段3からのアナログからなる
温度情報が入力されてデジタルの温度情報に変換する第
1のインターフェース回路、10は上記第1の温度検出
手段2からのアナログからなる温度情報が入力されてデ
ジタルの温度情報に変換する第2のインターフェース回
路、11は上記負荷電流計測手段5からの負荷電流が入
力され、この負荷電流を電圧に変換した後にアナログ/
デジタル変換して計測情報として出力する第3のインタ
ーフェース回路である。
【0042】12は上記第1及び第2の設定手段7,8
からの設定情報及び上記第3のインターフェース回路1
1を介して入力される上記負荷電流計測手段5からの計
測情報に基づき最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演
算する演算手段で、マイクロコンピュータとプログラム
コードを格納する読み出し専用メモリと設定データを格
納する不揮発性メモリとデータを一時格納するメモリと
から構成されているものであり、図5にしめすフローチ
ャートに基づいて処理を実行するものである。13はこ
の演算手段からの演算結果、つまり、最高巻線温度及び
上記変圧器1の残存寿命、並びに各入力値を表示する表
示手段で、上記演算手段12と接続するためのインター
フェース回路を有しているものである。
【0043】14は上記演算手段12からの最高巻線温
度が所定値、例えば105℃を越えたことを示す信号、
及び残存寿命が所定値以下になったことを示す信号を受
けて警報を出力するための警報用の出力リレーからなる
警報出力手段で、上記演算手段12と接続するためのイ
ンターフェース回路を有しているものである。15は上
記演算手段12からの最高巻線温度が所定値を越えたこ
とを示す信号及び残存寿命が所定値以下になったことを
示す信号を受けて、必要によりデータ伝送線16を介し
て中央監視室に配置された警報装置に警報信号を出力す
るデータ伝送回路、17はこの診断装置Aの各手段に電
力を給電するための電源部である。
【0044】そして、図3に示された診断装置Aと図1
に示された変圧器1と中央監視室18の警報装置19と
は図4に示したように接続されているものである。つま
り、各変圧器1に対してそれぞれ診断装置Aが接続さ
れ、複数、この例では3台の変圧器1及び診断装置Aが
各電気室20に設置されており、各診断装置Aは二芯の
データ伝送線16を介して上記警報装置19に接続され
ているものである。各診断装置Aと警報装置19とのデ
ータ伝送線16による伝送は、図6に示した伝送元(自
己)の局番を示す自己アドレスSA、送信元(相手)の
局番を示す相手アドレスDA、送信データの種類を示す
制御コードである指令・通報コマンドCW、データ数
(0〜n)である送信データのバイト数BC、送信デー
タであるコマンド用データDT及び送信の誤りを防ぐた
めのフレームチェックコードFCCからなる伝送データ
のフレームにより行なわれるものである。この伝送デー
タのフレームを構成する各構素は、データ8ビットとパ
リティピット及びスタート、ストップビットの各々から
なる11ビットのビットシリアル信号である。
【0045】次に、この様に構成された変圧器の診断装
置の動作について、主として図5に示したフローチャー
トに基づき説明する。まず、ステップ101aにおいて
第1の設定手段7に介して油入変圧器1の名付における
定格容量WR、定格電圧VR、相数の各データの他、必要
により寿命損失の初期値VSが設定されて演算手段12
に入力される。寿命損失の初期値VSは設定されなけれ
ば0である。ステップ101bでは第1の設定手段7に
よって温度換算係数が設定されて演算手段12に入力さ
れる。これらの演算手段12に入力された設定情報は、
後の演算のための定数として演算手段12における不揮
発性メモリに格納される。
【0046】第1の設定手段7にて種々の設定情報が設
定されると、演算ループの開始点102を介してステッ
プ103aに進む。なお、開始点102以降の処理は単
位時間に一度実行されるものであり、所定の時間間隔で
繰り返し演算処理されるものである。ステップ103a
では、変圧器1のケースの放熱部の表面温度と第2の温
度検出手段3からの温度情報を第2のインターフェース
回路10を介して表面温度情報TSとして演算手段12
が取り込み、演算手段12における一時記憶メモリに格
納し、ステップ103bにて変圧器の周囲温度と第1の
温度検出手段2からの温度情報を第1のインターフェー
ス回路9を介して周囲温度情報Taとして演算手段12
が取り込み、演算手段12における一時記憶メモリに格
納する。
【0047】ステップ104では、受配電盤4に設けら
れた負荷電流計測手段5からの負荷電流を第3のインタ
ーフェース回路11を介して負荷電流情報として演算手
段12が取り込む。ステップ105aでは、まず、ステ
ップ103a及び103bにて取り込まれた第1及び第
2の温度検出手段2及び3からの温度情報Ta及びTs
ステップ101bで設定された温度換算係数Kとによっ
て次の式10によって演算手段12が変圧器1内部の油
温ΘO′を演算する。
【0048】
【数10】
【0049】なお温度換算係数Kは次の式11の物理的
意味をもっているものである。
【0050】
【数11】
【0051】ただし、hiは変圧器1のケースと油との
熱伝達率、hoは変圧器1のケースと空気との熱伝達
率、kは変圧器1のケースの熱伝達率、lは変圧器1の
ケースの板厚である。なお、変圧器1に油温計が装着さ
れている場合には、この油温計の読み値をΘO′として
測定し、第1及び第2の温度検出手段2及び3からの温
度情報Ta及びTsとによって、上記式10によって温度
換算係数Kを演算して設定してもよいものである。ま
た、変圧器1内部に測温抵抗体式温度センサを取り付け
ることが可能で、直接油温を測定することができるもの
であれば、温度換算係数Kを1.0として設定すれば良
いものである。
【0052】上記式10によって変圧器1の油温Θ0'が
演算されると、この油温ΘO′に油の温度分布を補正す
る量δを加えて、最高油温度Θ0を演算手段12が演算
する。 ΘO=ΘO′+δ ・・・12 なお、δは変圧器1の容量によって決定されるものであ
る。
【0053】ステップ105bでは、上記ステップ10
5aで演算された最高油温度ΘOとステップ104にて
取り込まれた負荷電流計測手段5からの計測情報から上
記従来例で説明した式1及び2に基づいて演算手段12
が変圧器1の最高巻線温度ΘHを演算する。なお、この
実施例1においては、変圧器1の定格電流IRを、変圧
器1の定格容量WR、定格電圧VR及び相数に基づいて次
の式13によって演算しているものである。
【0054】
【数12】
【0055】この様にして最高巻線温度ΘHが演算され
るとステップ106に進み、ステップ106にて、ステ
ップ105にて演算された最高巻線温度ΘHが絶縁材料
の許容温度(油入変圧器ではその絶縁種別がA種である
ので105℃)以下であるか否かを判定する。最高巻線
温度ΘHが上記許容温度を越えるとステップ107に進
み、警報手段14から警報を出力するとともに、必要に
よりデータ伝送手段15から中央監視室18の警報装置
19に警報出力を伝送する。
【0056】最高巻線温度ΘHが上記許容温度以下であ
ると、ステップ110に進み、ステップ105にて演算
された最高巻線温度ΘHをもとに前回の演算時から現在
までの間の変圧器の寿命損失を演算する。つまり、今寿
命をYとすると、絶縁材料の熱劣化による変圧器の寿命
に最も大きな影響を与える要因が上記の最高巻線温度Θ
Hであり、寿命Yは絶縁材料の劣化の式より上記式3か
ら求められるものである。
【0057】一方、正規寿命をYOとすると、正規寿命
Oは基準となる巻線温度ΘHOより次の式4によって与
えられるものである。従って、寿命Yは、上記式3及び
式4により上記式5によって現せるものである。上記式
5において、一般的に基準となる巻線温度ΘHOは95
℃、正規寿命は30年とされており、また、最高巻線温
度ΘHが6℃上昇するたびに寿命が半減するとされてお
り、このとき、bは0.1155になっているものであ
る。さらに、最高巻線温度ΘHは、変圧器の負荷や周囲
温度が時間とともに変化するために時間とともに変化し
ているものである。いま、時間を単位時間毎に区切って
離散化し、時刻iにおいて単位時間だけ最高巻線温度Θ
H(i)で運転したとき、その単位時間での寿命損失をV
(i)とすると、この単位時間での寿命損失V(i)は上記
式6によって現せるものである。
【0058】この様にして単位時間での寿命損失V(i)
が演算されると、ステップ111に進み、ステップ10
1aで設定された寿命損失積算値の人を初期値Vsを初
期値として、ステップ110にて演算された単位時間で
の寿命損失V(i)を繰り返し演算のたびに積算し、現時
点における変圧器の寿命損失を演算する。つまり、現時
点での寿命損失V(n)は単位時間での寿命損失V(i)の
積算値であるので、上記式7または式8で現わせられる
ことになる。上記式7または8において、寿命損失V
(n)が1になったときに寿命がきたことになる。その様
にして寿命損失が演算されると、ステップ112に進
み、このステップ112では、ステップ111にて演算
された寿命損失V(n)から現時点での残存寿命量YR
上記式9にて求める。
【0059】残存寿命量YRが求められると、ステップ
113に進み、ステップ113では、残存寿命量YR
所定の値(5年)より短いか否かを判定し、残存寿命量Y
Rが所定の値より短くなるとステップ114に進み、警
報手段14から警報を出力するとともに、必要によりデ
ータ伝送手段15から中央監視室18の警報装置19に
警報出力を伝送する。残存寿命量YRが所定の値より長
いと、ステップ115に進んで、ステップ103aにて
取り込まれた第2の温度検出手段3からの表面温度情報
s、ステップ103bにて取り込まれた第1の温度検
出手段2からの周囲温度情報Ta、ステップ104にて
取り込まれた負荷電流計測手段5からの負荷電流計測情
報I、ステップ105aにて演算された最高油温度
ΘO、ステップ105bにて演算された最高巻線温度ΘH
及びステップ112にて演算された残存寿命量YRを数
字表示器の点灯情報に交換し、表示手段13に表示して
ステップ116に進む。
【0060】ステップ116では、必要により、中央監
視室18に設置された警報装置19に対し、ステップ1
15における表示内容の情報を伝送し、開始点102に
戻り、所定の間隔を持ってステップ103以降の処理を
繰り返すものである。
【0061】上記の動作の説明は、変圧器1が1台に対
して診断装置Aを1台設けたものとして説明したが、図
4に示したように複数台の変圧器1に対して複数台の診
断装置Aを設けて中央監視室18の警報装置19によっ
て集中管理することもできるものである。この集中管理
は、図5に示したステップ116にて行なわれるもので
あり、図7に示した交信の手順を示す図に基づいて説明
する。まず、警報装置19が「監視命令」を示すビット
列を指令・通報コマンドCWにセットした図6に示した
フレームを伝送線16に送出すると、このフレームのコ
マンド用データDTに等しい局番の診断装置Aがデータ
伝送回路15を介してステップ116の段階で演算手段
12に伝送線16に送出されたフレームを取り込む。
【0062】このフレームにおけるビットシリアルデー
タはパラレルデータに変換されて演算手段12によって
解釈される。その後、ステップ115にて表示された第
2の温度検出手段3からの表面温度情報Ts、第1の温
度検出手段2からの周囲温度情報Ta、負荷電流計測手
段5からの負荷電流計測情報I、最高油温度ΘO、最高
巻線温度ΘH及び残存寿命量YRのデータを、「応答」を
表すビット列からなる指令・通報コマンドCWととも
に、データ伝送回路15と伝送線16を介して警報装置
19に送信する。警報装置19はこの送信されたフレー
ムを受信して記憶装置(図示せず)に格納した後、順次、
次の局番の診断装置Aに対して同様な交信により情報を
収集し、要求に応じて収集した情報を表示する。一方、
最高巻線温度の警報または残存寿命の警報が発生したと
きは、ステップ116あるいはステップ107または1
14の処理で、「通報」を表すビット列からなる指令・
通報コマンドCWとともに警報内容が警報装置19に送
信され、警報装置19はこのフレームを受信することに
よって警報を出力するとともに表示を行なう。
【0063】実施例2.図8ないし図10はこの発明の
実施例2を示すものであり、上記実施例1のものに対し
て、第2の温度検出手段3は変圧器1が油入変圧器ある
いはガス絶縁変圧器であると、変圧器1におけるケース
の放熱部の表面温度を、変圧器1が図9に示すようなモ
ールド変圧器であると、変圧器1における高圧コイル部
1bと低圧コイル部1cとの間の空気の温度を検出する
ものとし、第2の設定手段8は第1及び第2の温度検出
手段2及び3にて検出された温度情報の差に基づき、変
圧器1が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油
あるいはガスの温度を、変圧器1がモールド変圧器であ
ると平均巻線温度を求めるための温度換算係数を設定す
るものとし、変圧器1の絶縁種別及び変圧器1が油入変
圧器あるいはガス絶縁変圧器あるいはモールド変圧器の
いずれかであるかを設定する第3の設定手段(図示せず)
をさらに設け、演算手段12は図8に示したフローチャ
ートに基づいて処理するものであり、油入変圧器及びガ
ス絶縁変圧器及びモールド変圧器の各絶縁種別の変圧器
1に対する演算式を有し、第1ないし第2の温度検出手
段2,3等からの設定情報及び負荷電流計測手段5から
の計測情報に基づいて上記演算式により変圧器1が油入
変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガス
の最高温度を、変圧器1がモールド変圧器であると巻線
の平均温度を演算するとともにこの演算結果により最高
巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算するものとしたも
のである。
【0064】次に、この様に構成された実施例2におけ
る変圧器の診断装置の動作について、主として図8に示
したフローチャートに基づき説明する。まず、ステップ
101a及び101bにおいて上記実施例1と同様に第
1の設定手段7を介して変圧器1の名付における定格容
量WR、定格電圧VR、相数の各データの他、必要により
寿命損失の初期値Vsが設定されて演算手段12に入力
されるとともに、第1の設定手段7によって温度換算係
数が設定されて演算手段12に入力される。ステップ1
01cでは、第3の設定手段によって変圧器1の絶縁種
別及び変圧器1が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器あ
るいはモールド変圧器のいずれであるかを設定されて演
算手段12に入力される。これらの演算手段12に入力
された設定情報は、後の演算のための定数として演算手
段12における不揮発性メモリに格納される。
【0065】第1の設定手段7及び第3の設定手段によ
って種々の設定情報が設定されると、演算ループの開始
点102を介してステップ203に進む。ステップ20
3では、変圧器1が油入変圧器及びガス絶縁変圧器であ
ると、ケースの放熱部の表面温度を、変圧器1がモール
ド変圧器であると、図9に示すように温度が上がって上
昇してくる高圧コイル部1bと低圧コイル部1cとの間
の空気温度を、第2の温度検出手段3からの温度情報を
第2のインターフェース回路10を介して温度情報Ts
として演算手段12が取り込むとともに、変圧器1の周
囲温度と第1の温度検出手段2からの温度情報を第1の
インターフェース回路9を介して周囲温度情報Taとし
て演算手段12が取り込む。
【0066】そして、第3の設定手段によって設定され
た変圧器1の種別及び絶縁種別に基づいてステップ20
4a〜204eのいずれかに進む。変圧器1が油入変圧
器及びガス絶縁変圧器であるとステップ204aあるい
は204bにて、上記実施例1におけるステップ103
a〜105bと同様な処理を行なうことによって、油入
変圧器の場合は最高油温度ΘOと最高巻線温度ΘHを、ガ
ス絶縁変圧器の場合は最高ガス温度ΘOと最高巻線温度
ΘHを演算する。また、変圧器1がモールド変圧器であ
るとステップ204c〜204eにて、巻線平均温度Θ
Oと最高巻線温度ΘHを次の式13、14に基づいて演算
する。
【0067】
【数13】
【0068】この式15においてΘgNは定格電流時の最
高巻線温度上昇値を示しているものであり、図10の
(a)に各変圧器種別、絶縁種別毎に一例を示した値とな
る。この様にしてステップ204a〜204eにて最高
巻線温度ΘHが演算されると、演算された最高巻線温度
ΘHが図10の(b)に示した絶縁材料の許容最高温度以
下であるか否かを判定する。最高巻線温度ΘHが上記許
容温度を越えると、警報手段14から警報を出力すると
ともに、必要によりデータ伝送回路15から中央監視室
18の警報装置19に警報出力を伝送する。
【0069】最高巻線温度ΘHが上記許容温度以下であ
ると、ステップ205a〜205eに進み、上記実施例
1におけるステップ100〜112と同様な処理が行な
われ、単位時間での寿命損失V(i)及び単位時間での寿
命損失V(i)の積算値である寿命損失V(n)並びに残存
寿命量YRが演算される。なお、寿命損失V(i)を演算
する場合に式6を用いて演算されるが、この式6におけ
る定数bは変圧器1の種別及び絶縁種別によって異な
り、図10の(c)に示した値を用いている。なお、図1
0に示した(a)〜(c)の値は演算手段12のメモリに格
納されているものである。
【0070】このようにしてステップ205a〜205
eによって残存寿命量YRが求められると、上記実施例
1におけるステップ113〜116と同様な処理が行な
われ、残存寿命量YRが所定の値以下になると警報出力
手段14から警報を出力するとともに、必要によりデー
タ伝送回路15から中央監視室18の警報装置19に警
報出力を伝送し、残存寿命量YRが所定の値より長い
と、ステップ203にて取り込まれた第2の温度検出手
段3からの表面温度情報Ts、第1の温度検出手段2か
らの周囲温度情報Ta、負荷電流計測手段5からの負荷
電流計測情報I、ステップ204a〜204eにて演算
された最高油温度または最高ガス温度あるいは巻線平均
温度ΘOと、最高巻線温度ΘH及びステップ205a〜2
05eにて演算された残存寿命量YRを、数字表示器の
点灯情報に交換し、表示手段13に表示し、さらに、必
要により中央監視室18に設置された警報装置19に対
し、表示内容の情報を伝送し、開始点102に戻り、所
定の間隔を持ってステップ203以降の処理を繰り返す
ものである。
【0071】実施例3.図11はこの発明の実施例3を
示すものであり、上記実施例2のものに対して、さらに
変圧器1に設けられた温度センサの温度情報を入力する
ための温度情報入力手段(図示せず)と、第1及び第2の
温度検出手段2,3からの温度情報に基づき周囲温度及
び変圧器1の温度が安定状態にあり、温度情報入力手段
における温度情報の読み取りに適したタイミングである
ことを判定する温度サンプリング適否判定手段(図示せ
ず)とを設け、第2の設定手段が第1及び第2の温度検
出手段2,3にて検出された温度情報及び温度情報入力
手段に入力された温度情報に基づき、変圧器1が油入変
圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガスの
温度を、変圧器がモールド変圧器であると平均巻線温度
を求めるための温度換算係数を設定するものとし、演算
手段12が図11に示すフローチャートに基づき処理す
るものであり、油入変圧器及びガス絶縁変圧器及びモー
ルド変圧器の各絶縁種別の変圧器1に対する演算式を有
し、第1ないし第3の設定手段2,3等からの設定情報
に基づいて演算式により変圧器1が油入変圧器あるいは
ガス絶縁変圧器であると油あるいはガスの最高温度を、
変圧器がモールド変圧器であると巻線の平均温度を演算
するとともに、この演算結果により最高巻線温度及び変
圧器の残存寿命を演算するものとしたものである。
【0072】次に、この実施例3の動作について主とし
て図11のフローチャートに基づいて説明する。この実
施例3における全体の処理手順は、温度換算係数Kを演
算する段階と、変圧器1の診断する段階とからなり、変
圧器1を診断する段階は、上記実施例2の処理手順と同
一であるので、温度換算係数Kを演算する段階を図11
のフローチャートによって次に説明する。この図11で
示すステップ300からステップ313までの温度換算
係数Kを演算する段階であり、温度換算係数Kを演算す
るためのサンプル温度入力を取り込むまで所定の時間間
隔で繰り返される。
【0073】ステップ301では、第2の温度検出手段
3によって検出された変圧器1が油入変圧器あるいはガ
ス絶縁変圧器であると、変圧器1のケースの放熱部の表
面温度情報が、変圧器1がモールド変圧器であると高圧
コイル部1bと低圧コイル部1cとの間に空気温度情報
が演算手段12によって取り込まれ、演算手段12の一
時記憶用メモリに格納される。ステップ302では、過
去m回、第2の温度検出手段3によって検出された温度
情報の中から、最大値と最小値を検出してステップ30
3に進む。ステップ303では、第1の温度検出手段2
によって検出された周囲温度情報が演算手段12によっ
て取り込まれ、演算手段12の一時記憶用メモリに格納
される。ステップ304では、過去m回、第1の温度検
出手段2によって検出された周囲温度情報の中から最大
値と最小値を検出してステップ305に進む。
【0074】ここで、取り込み回数mは、変圧器1が油
入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると、油あるいは
ガスの最高温度の変化に対する変圧器1のケースの放熱
部の表面温度変化の時定数、変圧器1がモールド変圧器
であると、高圧コイル部1bと低圧コイル部1cとの間
の空気温度の計測点における温度変化の時定数に対して
充分に長い時間に得られるように決定されているもので
ある。ステップ305では第2の温度検出手段3によっ
て検出された温度情報の最大値と最小値との差が所定値
より大きいとステップ309に進み、所定値以下である
とステップ306に進む。ステップ306では第1の温
度検出手段2によって検出された周囲温度情報の最大値
と最小値との差が所定値より大きいとステップ309に
進み、所定値以下であるとステップ307に進む。
【0075】ステップ309では、第2の温度検出手段
3によって検出された温度情報の最大値と最小値との
差、及び第1の温度検出手段2によって検出された周囲
温度情報の最大値と最小値との差が所定値より大きいと
きは、変圧器1の負荷及び周囲温度の変動のため、温度
計の読み取り値から正しい温度換算係数Kが得られない
ため、「サンプリング不適」と判断されて、その旨が表
示されてステップ300に進む。ステップ307では、
第2の温度検出手段3によって検出された温度情報の最
大値と最小値との差、及び第1の温度検出手段2によっ
て検出された周囲温度情報の最大値と最小値との差が所
定値より小さく安定しており、変圧器1の負荷及び周囲
温度の変動がないと判断されるので、負荷電流計測手段
5から負荷電流が取り込まれ、負荷率が演算される。
【0076】ステップ308では、ステップ307で演
算された負荷率と所定の負荷率とが比較され、ステップ
307で演算された負荷率が所定の負荷率より小さい
と、周囲温度と変圧器1の温度との差が少なく、正しい
温度換算係数Kが得られないため、ステップ309に進
み「サンプリング不適」と判断されて、その旨が表示さ
れてステップ300に進む。一方、ステップ307で演
算された負荷率が所定の負荷率より大きいと、周囲温度
と変圧器1の温度との差が大きく、それぞれの温度が安
定しており、正しい温度換算係数Kが得られると判断し
て、ステップ310に進み、「サンプリング適」と判断
されて、その旨が表示されてステップ311に進む。
【0077】ステップ311では、「サンプリング適」
の時に、変圧器1が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器
であると、油温計あるいはガス温度計の読み値が、変圧
器1がモールド変圧器であると低圧コイル部1cのモー
ルド部の温度を表示する温度計の読み値がサンプル温度
情報として第3の設定手段によって入力されているか否
かを判定する。第3の設定手段によってサンプル温度情
報が入力されていなければ、サンプリング適否の判定処
理が続けて実施され、サンプル温度情報が入力されてい
れば、ステップ312に進み、この入力されているサン
プル温度情報を演算手段12が取り込む。
【0078】ステップ313では、第2の温度検出手段
3によって検出された温度情報Tsと、第1の温度検出
手段2によって検出された周囲温度情報Taと、第3の
設定手段によって入力されたサンプル温度情報TINとに
基づいて、温度換算係数Kが演算手段12によって次の
式16により演算され、その演算結果が演算手段12の
不揮発性メモリに格納され、変圧器1の診断時の巻線最
高温度及び残存寿命の演算に用いられることになる。つ
まり、実施例2と同様に図8で示したステップ102以
降の処理が実行されることになる。
【0079】
【数14】
【0080】実施例4 図12ないし図19はこの発明の実施例4を示すもので
あり、図12において、20は変圧器1の定格容量
R、定格電圧VR、相数、変圧器1の種別、変圧器1の
絶縁種別、負荷損と無負荷損の比とを設定し、必要によ
り寿命損失の初期値Vsを設定する設定手段、21は変
圧器1に付属している温度センサの読み取り値である温
度情報を入力するための温度情報入力手段、22は変圧
器1の周囲温度を検出する測温抵抗体式温度センサによ
る温度に比例した抵抗値をブリッジ回路にて電圧に変換
して、増幅されたアナログ情報を出力する温度検出手段
2からのアナログ温度情報が入力されて、デジタルの温
度情報に変換するインターフェース回路、23は負荷電
流を計測する変流器からなる負荷電流計測手段5からの
0〜5Aに変換された負荷電流が入力され、この負荷電
流を電圧に変換した後に、アナログ/デジタル変換して
計測情報として出力するインターフェース回路である。
【0081】24は上記設定手段20からの設定情報、
上記温度情報入力手段21からの入力温度情報、上記イ
ンターフェース回路22を介して入力される温度検出手
段2からの周囲温度情報及び上記インターフェース回路
23を介して入力される上記負荷電流計測手段5からの
計測情報に基づき、最高巻線温度及び変圧器の残存寿命
を演算する演算手段で、具体的には、上記温度検出手段
2からの周囲温度情報及び上記負荷電流計測手段5から
の負荷電流情報における所定時間間隔毎の検出値の時系
列情報とが、図15の(a)に示した計測値履歴ファイル
として記録されるとともに、上記温度情報入力手段21
に入力された温度情報の時系列情報が、図15の(b)に
示した変圧器温度履歴(キー入力)ファイルとして記憶さ
れる記憶部と、この記憶部に記憶された周囲温度情報及
び負荷電流情報の時系列情報と温度情報の時系列情報、
並びに変圧器1の負荷率と上記温度検出手段2からの周
囲温度情報に基づいて、変圧器1が油入変圧器あるいは
ガス絶縁変圧器であると油あるいはガスの最高温度を、
変圧器1がモールド変圧器であると、変圧器1における
巻線の最高温度を求めるための変圧器1に固有なパラメ
ータである温度変化の時定数と定格負荷時の温度上昇値
を演算し、演算結果である温度変化の時定数と、上記温
度検出手段2からの周囲温度情報と、上記負荷電流計測
手段5からの負荷電流情報とに基づいて、変圧器1が油
入変圧器であると最高油温度を、変圧器1がガス絶縁変
圧器であると最高ガス温度を、変圧器1がモールド変圧
器であると平均巻線温度を演算し、この演算値から最高
巻線温度及び変圧器1の残存寿命を演算する演算部とを
有し、マイクロコンピュータとプログラムコードを格納
する読み出し専用メモリと設定データを格納する不揮発
性メモリとデータを一時格納するメモリとから構成され
ているものであり、具体的には図13及び図14に示す
フローチャートに基づいて処理を実行するものである。
【0082】なお、上記演算手段24における記憶部に
記憶された計測値履歴ファイルは、この実施例4におい
ては、例えば5分間間隔で最新の24時間分の検出値が
記憶されるものであり、変圧器温度履歴ファイルは、こ
の実施例4においては、例えば夜間の低負荷で安定して
いる時から、昼間の通常負荷になるまでの間、0.5〜
1.0時間の間隔で入力、記憶されるものであり、すで
にロガー装置などが導入されて自動記録がなされている
場合は、その記録をもとに時刻と温度を入力、記憶する
ようにしても良いものである。
【0083】25は上記演算手段12からの演算結果、
つまり、最高巻線温度及び上記変圧器1の残存寿命、並
びに各入力値を表示する表示手段で、上記演算手段12
と接続するためのインターフェース回路を有しているも
のである。26は上記演算手段12からの最高巻線温度
が所定値を越えたことを示す信号及び残存寿命が所定値
以下になったことを示す信号を受けて警報を出力するた
めの警報用の出力リレーからなる警報出力手段で、上記
演算手段12と接続するためのインターフェース回路を
有しているものである。27はこの診断装置Aの各手段
に電力を給電するための電源部である。
【0084】次に、この様に構成された実施例4におけ
る変圧器の診断装置の動作について、主として図13及
び図14に示したフローチャートに基づき説明する。ま
ずステップ401において、設定手段20を介して変圧
器1の名付における定格容量WR、定格電圧VR、相数の
各データの他、変圧器1の種別、変圧器1の絶縁種別、
負荷損と無負荷損の比、及び必要により寿命損失の初期
値Vsが設定されて演算手段24に入力される。寿命損
失の初期値Vsは設定されなければ0である。これらの
演算手段24に入力された設定情報は、後の演算のため
の定数として演算手段24における不揮発性メモリに格
納される。
【0085】設定手段20にて種々の設定情報が設定さ
れると、演算ループの開始点402を介してステップ4
03に進む。なお、開始点402以降の処理は単位時間
に一度実行されるものであり、所定の時間間隔で繰り返
し演算処理されるものである。ステップ403では、変
圧器1の周囲温度と温度検出手段2からの温度情報をイ
ンターフェース回路22を介して周囲温度情報Taとし
て演算手段12が取り込み、演算手段24における一時
記憶メモリに格納する。ステップ404では、受配電盤
4に設けられた負荷電流計測手段5からの負荷電流をイ
ンターフェース回路23を介して負荷電流情報として演
算手段12が取り込み、演算手段24における一時記憶
メモリに格納する。これら記憶される周囲温度情報Ta
及び負荷電流情報は、図15の(a)に示す計測値履歴フ
ァイルとして検出時刻とともに演算手段24の一時記憶
メモリに記憶されているものである。
【0086】ステップ405では、変圧器1に付属され
ている温度センサである温度計の読み取り値が入力され
ているかを判定し、読み取り値が入力されているとステ
ップ406に進み、ステップ406では、入力された温
度計の読み取り値を演算手段24が取り込み、図15の
(b)に示す変圧器温度履歴ファイルとして時刻とともに
演算手段24の一時記憶メモリに記憶される。ステップ
407では変圧器1の診断に必要な定数の演算を行なう
要求があるかどうかを判定し、要求があればステップ4
08に進む。
【0087】ステップ408では、上記計測値履歴ファ
イル及び変圧器温度履歴ファイルのデータから、負荷電
流または負荷率の変化に対する変圧器温度変化の時定数
τRNと、定格負荷時の変圧器温度の周囲温度に対する定
常温度上昇値θRNを、演算手段24によって演算される
ものであり、次のような演算によって行なわれているも
のである。すなわち、変圧器温度の周囲温度に対する上
昇値θRと負荷率Kと時間間隔Δtとの関係は、図16
に示す関係になっており、負荷率Kは負荷電流の検出値
と定格電流の比であり、定格電流は次の式17で与えら
れるものである。
【0088】
【数15】
【0089】また負荷率Kと変圧器温度上昇値θRはと
もに時間の関数であり、両者の間には次の式18の関係
がある。
【0090】
【数16】
【0091】上記式18において、F(K2)は定格負荷
時の定常温度上昇値θRNに乗じて負荷率Kの時の定常温
度上昇値を求める要因で、例えば、変圧器1が油入変圧
器では次の式19によって表せる。この式19において
Rは負荷損と無負荷損の比である。
【0092】
【数17】
【0093】この式19は、図17に示した負荷率Kの
推移より現時点の変圧器温度上昇値を演算するためのも
のであり、図17において、時刻−(n+1)・Δtから
−n・Δtの間、負荷率Kが一定値Knであり、他の時
刻では負荷率Kは0であったとき、時刻0における変圧
器の温度上昇値θR(0,−n)は次の式18によって与
えられる。
【0094】
【数18】
【0095】時刻0における実際の変圧器温度上昇値θ
R(0)は、重ね合わせの原理により、過去のそれぞれの
時刻の負荷率に対する上記式20を加算したものであ
り、次の式21または式22で与えられるものである。
【0096】
【数19】
【0097】
【数20】
【0098】式21及び式22において、NはN・Δt
が時定数τRNに対して充分長くなるように決定されてお
り、Δtは時定数τRNに対して充分短くなるように決定
されている。また、式22において、時定数τRN及び定
常温度上昇値θRNが既知であれば、過去の負荷率Kの推
移より変圧器温度上昇値θRが演算され、逆に負荷率K
の推移と変圧器温度上昇値θRの推移が既知であれば、
時定数τRN及び定常温度上昇値θRNが演算されるもので
ある。
【0099】そして、図13に示したフローチャートの
ステップ408は図14に示すフローチャートによって
実行処理される。すなわち、時定数τRN及び定常温度上
昇値θRNを求めるために、まず、変数θx及びτxにそれ
ぞれ初期値をセットした後で、ステップ4081にてこ
の仮の変数θx及びτxを使って図15の(a)に示す負荷
電流の計測値から、上記式20により変圧器温度上昇値
θRを演算する。この変圧器温度上昇値θRの演算は、図
15の(b)の変圧器温度履歴ファイルに記憶された時刻
の各に対応して、この時刻より前の図15の(a)に示さ
れた計測値データを使用して行なわれる。
【0100】変圧器温度上昇値θRが演算されるとステ
ップ4082に進み、ステップ4082では、実際の変
圧器の温度の入力値、つまり、温度情報入力手段21に
よって入力された温度情報と温度検出手段2から入力さ
れた変圧器1の周囲温度情報との差から得られた正規の
温度上昇値と、ステップ4081にて演算された仮の変
数θx及びτxによる温度上昇値との差の自乗が演算さ
れ、これを各時刻にわたって合計した値Sが演算され
る。この演算は、仮の変数θx及びτxをそれぞれ増分Δ
θx及びΔτxで最終値まで変化され、このすべての組み
合わせにおける値Sが演算される。ステップ4083及
び4084では、演算された値Sが最小になり、仮の変
数θx及びτxが最小になって演算手段24の記憶データ
に記憶される。
【0101】そして、上記演算によって時定数τRN及び
定常温度上昇値θRNの決定できる理由は、図18によっ
て明らかである。つまり、図18の(a)は、θx=θRN
でτx≠τRNのときの変圧器温度上昇値の演算値を示し
ているものであり、図18の(b)は、τx=τRNでθx
θRNのときの変圧器温度上昇値の演算値を示しているも
のであり、仮の変数θx及びτxが真の時定数τRN及び定
常温度上昇値θRNに最も近い値のとき、演算手段24の
演算値の曲線と温度情報入力手段21によって入力され
た情報の曲線が最もよく一致しており、値Sが最小にな
っているものである。
【0102】このようにして演算された時定数τRN及び
定常温度上昇値θRNは、演算手段24の記録手段である
不揮発性メモリに格納され、図13に示したステップ4
09に進み、演算された時定数τRN及び定常温度上昇値
θRNが、表示手段25によって表示されてステップ41
0に進む。ステップ410では、演算された時定数τRN
及び定常温度上昇値θRNが、変圧器1の種別や容量にた
いして妥当であるか否かを判定し、妥当であれば変圧器
1の診断を行なうようにステップ411に進む。なお、
一度この変圧器の診断処理に入ると、最度温度情報入力
手段21に温度情報を入力しない限り、または、定数演
算要求を行なわない限り、演算手段24に記録された時
定数τRN及び定常温度上昇値θRNによって処理が行なわ
れるものである。
【0103】ステップ411では、負荷電流計測手段5
からの負荷電流と、温度検出手段2からの周囲温度情報
と、ステップ408にて演算された時定数τRN及び定常
温度上昇値θRNとに基づいて、上記式20によって現在
の変圧器温度上昇値θRが演算手段24によって演算さ
れてステップ412に進む。現在の変圧器温度上昇値θ
Rは、変圧器1が油入変圧器であると油温度、ガス絶縁
変圧器であるとガス温度、モールド変圧器であると低圧
コイル部のモールド部温度の周囲温度に対する上昇値と
なる。
【0104】ステップ412では、図19に示したフロ
ーチャートに従って実行処理されるものである。つま
り、設定手段21によって設定された変圧器1の種別及
び絶縁種別に基づいてステップ4121a〜4121e
のいずれかに進む。変圧器1が油入変圧器及びガス絶縁
変圧器であると、ステップ4121aあるいは4121
bにて、上記実施例1におけるステップ103a〜10
5bと同様な処理を行なうことによって、油入変圧器の
場合は最高油温度ΘOと最高巻線温度ΘHを、ガス絶縁変
圧器の場合は最高ガス温度ΘOと最高巻線温度ΘHを演算
する。また、変圧器1がモールド変圧器であると、ステ
ップ4121c〜4121eにて、巻線平均温度ΘO
最高巻線温度ΘHが演算される。この演算は次の式23
及び24に基づいて演算される。
【0105】
【数21】
【0106】
【数22】
【0107】この式22において、δは変圧器温度の分
布を補正する量、ΘgNは定格電流時の最高巻線温度上昇
値を示しているものであり、図10の(a)に各変圧器種
別、絶縁種別毎に一例を示した値となる。この様にし
て、ステップ4121a〜4121eにて最高巻線温度
ΘHが演算されると、演算された最高巻線温度ΘHが図1
0の(b)に示した絶縁材料の許容最高温度以下であるか
否かを判定する。最高巻線温度ΘHが上記許容温度を越
えると警報手段26から警報を出力する。
【0108】最高巻線温度ΘHが上記許容温度以下であ
ると、ステップ4122a〜4122eに進み、上記実
施例1におけるステップ110〜112と同様な処理が
行なわれ、単位時間での寿命損失V(i)及び単位時間で
の寿命損失V(i)の積算値である寿命損失V(n)並びに
残存寿命量YRが演算される。なお、寿命損失V(i)を
演算する場合に式6を用いて演算されるが、この式6に
おける定数bは変圧器1の種別及び絶縁種別によって異
なり、図10の(c)に示した値を用いている。なお、図
10に示した(a)〜(c)の値は演算手段24の記憶手段
である不揮発性メモリに格納されているものである。
【0109】このようにしてステップ4122a〜41
22eによって残存寿命量YRが求められると、上記実
施例1におけるステップ113〜116と同様な処理が
行なわれ、残存寿命量YRが所定の値以下になると、警
報出力手段26から警報を出力し、残存寿命量YRが所
定の値より長いと、温度検出手段3からの周囲温度情報
a、負荷電流検出手段5からの負荷電流計測情報I、
演算された最高油温度または最高ガス温度、あるいは平
均巻線温度ΘOと最高巻線温度ΘH及び残存寿命量YR
数字表示器の点灯情報に交換し、表示手段25に表示
し、開始点402に戻り、所定の間隔を持ってステップ
403以降の折理を繰り返すものである。
【0110】実施例5 図20ないし図28はこの発明の実施例5を示すもので
あり、図20において、30はモールド変圧器1の定格
容量WR、定格電圧VR、相数、絶縁種別、負荷損と無負
荷損の比、及び寿命損失の初期値Vsを設定する設定手
段、31はモールド変圧器1の周囲温度を検出する測温
抵抗体式温度センサによる温度に比例した抵抗値をブリ
ッジ回路にて電圧に変換して、増幅されたアナログ情報
を出力する第1の温度検出手段2からのアナログ温度情
報が入力されて、デジタルの温度情報に変換する第1の
インターフェース回路、32は上記モールド変圧器1の
少なくとも1相の巻線のモールド部の温度を検出する測
温抵抗体式温度センサによる温度に比例した抵抗値をブ
リッジ回路にて電圧に変換して、増幅されたアナログ情
報を出力する第2の温度検出手段3からのアナログ温度
情報が入力されて、デジタルの温度情報に変換する第2
のインターフェース回路、33は負荷電流を計測する変
流器からなる負荷電流計測手段5からの0〜5Aに変換
された負荷電流が入力され、この負荷電流を電圧に変換
した後にアナログ/デジタル変換して、計測情報として
出力するインターフェース回路である。
【0111】35は上記第1及び第2の温度検出手段2
及び3からの周囲温度情報Ta及びモールド部の温度情
報ΘO2と、上記負荷電流計測手段5からの電流情報にお
ける所定時間間隔毎の検出情報を記録する記録手段で、
図22に示した、例えば5分間隔で最新の24時間分の
検出値を計測値履歴ファイルとして記録されるものであ
る。34は、この記録手段に記録された所定時間間隔毎
の検出情報及び上記負荷電流検出手段5からの各相の電
流情報に基づいて、各相における巻線の周囲温度に対す
る温度上昇値を演算するための、上記モールド変圧器1
に固定なパラメータを演算し、温度センサのついていな
い相については、この演算されたパラメータを含む演算
式に基づいて、上記第1の温度検出手段2からの周囲温
度情報と上記負荷電流検出手段5からの対応した相にお
ける電流情報とによって最高巻線温度を演算し、あるい
は温度センサについている相については、その温度セン
サからの温度情報と上記負荷電流検出手段5からの対応
した相における電流情報とによって最高巻線温度を演算
し、この演算された最高巻線温度によって上記モールド
変圧器1の残存寿命を演算する演算手段である。
【0112】36は上記演算手段34からの演算結果、
つまり、最高巻線温度及び上記モールド変圧器1の残存
寿命、並びに各入力値を表示する表示手段で、上記演算
手段34と接続するためのインターフェース回路を有し
ているものである。37は上記演算手段34からの最高
巻線温度が所定値を越えたことを示す信号、及び残存寿
命が所定値以下になったことを示す信号を受けて警報を
出力するための警報用の出力リレーからなる警報出力手
段で、上記演算手段34と接続するためのインターフェ
ース回路を有しているものである。38はこの診断装置
Aの各手段に電力を給電するための電源部である。
【0113】次に、この様に構成された実施例5におけ
るモールド変圧器1の診断装置の動作について、主とし
て図21、図23及び図24に示したフローチャートに
基づき説明する。まず、ステップ501において、設定
手段30を介してモールド変圧器1の名付における定格
容量WR、定格電圧VR、相数の各データの他、モールド
変換器1の絶縁種別、負荷損と無負荷損の比、及び必要
により寿命損失の初期値Vsが設定されて演算手段34
に入力される。寿命損失の初期値Vsは設定されなけれ
ば0である。これらの演算手段34に入力された設定情
報は、後の演算のための定数として演算手段34におけ
る不揮発性メモリに格納される。
【0114】設定手段30にて種々の設定情報が設定さ
れると、演算ループの開始点502を介してステップ5
03に進む。なお、開始点502以降の処理は単位時間
に一度実行されるものであり、所定の時間間隔で、繰り
返し演算処理されるものである。ステップ503では、
モールド変圧器1の周囲温度を示す第1の温度検出手段
2からの温度情報を、第1のインターフェース回路31
を介して周囲温度情報Taとして演算手段34が取り込
み、演算手段34における記憶手段35に格納する。ス
テップ504では、受配電盤4に設けられた負荷電流検
出手段5からの負荷電流をインターフェース回路33を
介して負荷電流情報として演算手段34が取り込み、こ
の取り込んだ負荷電流情報から3相の負荷電流情報
1,I2,I3を算出して演算手段34における記憶手
段35に格納する。ステップ505では、モールド変圧
器1の1相の巻線のモールド部の温度を示す第2の温度
検出手段3からの温度情報を、第2のインターフェース
回路32を介してモールド部温度情報ΘO2として演算手
段34における記憶手段35に格納する。これら記憶さ
れる周囲温度情報Ta、負荷電流情報I1,I2,I3及び
モールド部温度情報ΘO2は、図22に示す計測値履歴フ
ァイルとして検出時刻とともに演算手段34の記憶手段
35に記録されているものである。
【0115】ステップ506では、モールド変圧器1の
診断に必要な定数の演算を行なう要求があるかどうかを
判定し、要求があればステップ507に進み、ステップ
507で定数の演算に必要な情報が、記憶手段35にお
ける計測値履歴ファイルに揃っているか否かを判定し、
揃っていればステップ508に進む。ステップ508で
は、上記計測値履歴ファイルのデータから負荷電流の変
化に対するモールド部の温度変化の時定数τRNと定格電
流時のモールド部の温度の周囲温度に対する定常温度上
昇値θRNを演算手段34によって演算されるものであ
り、次のような演算によって行なわれているものであ
る。すなわち、モールド部の温度の周囲温度に対する上
昇値θR及びその相の電流値の定格電流に対する比Kと
時間間隔Δtとの関係は図25に示す関係になってお
り、定格電流は上記式15で与えられるとともに、上記
比Kは相電流Iに対して次の式25によって与えられる
ものである。
【0116】
【数23】
【0117】また、比Kとモールド部温度上昇値θR
ともに時間の関数であり、両者の間には上記式18の関
係がある。上記式18において、τRNは相電流の変化に
対するモールド部の温度変化の時定数、θRNは定格電流
時のモールド部温度の周囲温度に対する定常温度上昇値
であり、F(K2)は定格負荷時の定常温度上昇値θRN
乗じて電流がK×(定格電流)の時の定常温度上昇値を求
める要因で、K2の所定の関数である。上記式18は、
図17に示した過去の電流の推移より、より現時点のモ
ールド部の温度上昇値を演算するためのものであり、図
17において、時刻−(n+1)・Δtから−n・Δtの
間、比Kが一定値Knであり、他の時刻では比Kが0で
あったとき、時刻0におけるモールド部の温度上昇値θ
R(0,−n)は上記式20によって与えられる。
【0118】時刻0における実際のモールド部の温度上
昇値θR(0)は、重ね合わせの原理により、過去のそれ
ぞれの時刻の比Kに対する上記式20を加算したもので
あり、上記式21または式22で与えられるものであ
る。式21及び式22において加算の数NはN・Δtが
時定数τRNに対して充分長くなるように決定されてお
り、Δtは時定数τRNに対して充分短くなるように決定
されている。また、式20において、時定数τRN及び定
常温度上昇値θRNが既知であれば、過去の負荷率Kの推
移より変圧器温度上昇値θRが演算され、逆に負荷率K
の推移と変圧器温度上昇値θRの推移が既知であれば、
時定数τRN及び定常温度上昇値θRNが演算されるもので
ある。
【0119】そして、図21に示したフローチャートの
ステップ508は、図23に示すフローチャートによっ
て実行処理される。すなわち、時定数τRN及び定常温度
上昇値θRNを求めるために、まず、時定数τRN及び定常
温度上昇値θRNに相当する変数θx及びτxにそれぞれ初
期値をセットした後で、ステップ5081にてこの仮の
変数θx及びτxを使って、図22に示す計測値履歴ファ
イルに示す各相の負荷電流の計測値のうち、モールド部
の温度を計測している相の相電流から、上記式22によ
りモールド部温度上昇値θRを演算する。このモールド
部温度上昇値θRの演算は、過去12時間以内の時刻の
各々に対して、この時刻より前の12時間の計測値を使
用して行なわれる。
【0120】モールド部の温度上昇値θRが演算される
とステップ5082に進み、ステップ5082では、実
際のモールド部の温度の計測値、つまり、第2の温度検
出手段3によって入力されたモールド部温度情報と、第
1の温度検出手段2から入力された変圧器1の周囲温度
情報との差から得られた正規の温度上昇値と、ステップ
5081にて演算された仮の変数θx及びτxにより温度
上昇値との差の自乗が演算され、これを各時刻にわたっ
て合計した値Sが演算される。この演算は、仮の変数θ
x及びτxをそれぞれ増分Δθx及びΔτxで最終値まで変
化され、このすべての組み合わせにおける値Sが演算さ
れる。ステップ5083及び5084では、演算された
値Sが最小になり、仮の変数θx及びτxが最小になって
演算手段34の記録部に記録される。
【0121】そして、上記演算によって時定数τRN及び
定常温度上昇値θRNの決定できる理由は、図27によっ
て明らかである。つまり、図27の(a)は、θx=θRN
でτx≠τRNのときの変圧器温度上昇値の演算値を示し
ているものであり、図27の(b)は、τx=τRNでθx
θRNのときの変圧器温度上昇値の演算値を示しているも
のであり、仮の変数θx及びτxが真の時定数τRN及び定
常温度上昇値θRNに最も近い値のとき、演算手段24の
演算値の曲線と温度情報入力手段21によって入力され
た情報の曲線が最もよく一致しており、値Sが最小にな
っているものである。
【0122】このようにして演算された時定数τRN及び
定常温度上昇値θRNは、演算手段34の記録手段である
不揮発性メモリに格納され、図21に示したステップ5
09に進み、演算された時定数τRN及び定常温度上昇値
θRNが表示手段36によって表示されてステップ510
に進む。ステップ510では、演算された時定数τRN
び定常温度上昇値θRNが、モールド変圧器1の容量に対
して妥当であるか否かを判定し、妥当であれば、モール
ド変圧器1の診断を行なうようにステップ511に進
む。なお、一度この変圧器の診断処理に入ると、再度定
数演算要求を行なわない限り、演算手段34に記録され
た時定数τRN及び定常温度上昇値θRNによって処理が行
なわれるものである。また、記憶手段35に記録される
計測値履歴ファイルにおける各情報は、時定数τRN及び
定常温度上昇値θRNの演算時だけでなく、ステップ50
3〜505の処理が取り込まれ、この計測値履歴ファイ
ルは常に更新されているものである。
【0123】ステップ511では、記憶手段35に記録
された計測値履歴ファイルの相電流(負荷電流)と、周囲
温度情報と、ステップ508にて演算された時定数τRN
及び定常温度上昇値θRNとに基づいて、上記式20によ
って現在のモールド部温度上昇値θRが演算手段24に
よって演算されてステップ512に進む。ただし測温抵
抗体式温度センサからなる第2の温度検出手段3が取り
付けてある相に対しては、この演算を行なうことなく、
実際の第2の温度検出手段3からの温度情報を用いるも
のである。
【0124】ステップ512では、図24に示したフロ
ーチャートに従って実行処理されるものである。つま
り、設定手段30によって設定されたモールド変圧器1
の絶縁種別に基づいてステップ5121a〜5121c
のいずれかに進む。ステップ5121a〜5121cに
て、モールド部(巻線平均)温度ΘOと最高巻線温度ΘH
演算される。この演算は上記式23及び式24に基づい
て演算される。
【0125】この式24において、δはモールド部の温
度の分布を補正する量、ΘgNは定格電流時のモールド部
の温度に対する最高巻線温度上昇値を示しているもので
あり、図28の(a)に各絶縁種別毎に一例を示した値と
なる。この様にしてステップ5121a〜5121cに
て最高巻線温度ΘHが演算されると、演算された最高巻
線温度ΘHが、図28の(b)に示した絶縁材料の許容最
高温度以下であるか否かを判定する。最高巻線温度ΘH
が上記許容温度を越えると、警報出力手段37から警報
を出力する。
【0126】最高巻線温度ΘHが上記材温度以下である
と、ステップ5122a〜5122cに進み、上記実施
例1におけるステップ110〜112と同様の処理が行
なわれ、単位時間での寿命損失V(i)、及び単位時間で
の寿命損失V(i)の積算値である寿命損失V(n)並びに
残存寿命量YRが演算される。なお、寿命損失V(i)を
演算する場合に式6を用いて演算されるが、この式6に
おける定数bはモールド変圧器1の絶縁種別によって異
なり、例えば、図28の(c)に示した値を用いている。
なお、図28に示した(a)〜(c)の値は演算手段34の
記録手段である不揮発性メモリに格納されているもので
ある。以上のモールド部の温度の演算、最高巻線温度の
演算と警報出力の判断、寿命損失の演算と積算、残存寿
命の演算については、各相のモールド部及び巻線に対し
て個別に行なわれるものである。
【0127】このようにしてステップ5122a〜51
22cによって残存寿命量YRが求められると、上記実
施例1におけるステップ113〜116と同様な処理が
行なわれ、各相で演算された残存寿命のうち、最も少な
い残存寿命量YRが所定の値以下になると警報出力手段
37から警報を出力し、残存寿命量YRが所定の値より
長いと、第1及び第2の温度検出手段2及び3からのモ
ールド部温度情報Ts及び周囲温度情報Ta、負荷電流検
出手段5からの負荷電流検出情報及び演算された負荷電
流情報I1,I2,I3、演算された平均巻線温度ΘOと最
高巻線温度ΘH及び残存寿命量YRを数字表示器の点灯情
報に交換し、表示手段36に表示し、開始点502に戻
り、所定の間隔を持ってステップ503以降の処理を繰
り返すものである。
【0128】
【発明の効果】この発明の第1の発明は、以上に述べた
ように、第1の設定手段からの変圧器の定格容量及び定
格電圧及び相数を示す設定情報及び第2の設定手段から
の第1及び第2の温度検出手段にて検出された周囲温度
情報とケース表面温度情報との温度情報の差に基づき温
度換算係数を示す設定情報及び負荷電流計測手段からの
負荷電流を示す計測情報に基づき最高巻線温度及び変圧
器の残存寿命を演算する演算手段を設けたものとしたの
で、温度情報を得るための温度検出手段の取り付けが簡
単にして安価に変圧器の運転を中断することなくその診
断が行なえるという効果を有するものである。
【0129】この発明の第2の発明は、第1の設定手段
からの変圧器の定格容量及び定格電圧及び相数を示す設
定情報、第1の温度検出手段からの周囲温度情報と第2
の温度検出手段からの変圧器が油入変圧器あるいはガス
絶縁変圧器であると変圧器におけるケースの放熱部の表
面温度を、変圧器がモールド変圧器であると変圧器にお
ける高圧部と低圧部との間の空気の温度を示す温度情報
の差に基づいた第2の設定手段からの温度換算係数を示
す設定情報及び第3の設定手段からの変圧器の絶縁種別
及び上記変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器あ
るいはモールド変圧器のいずれかであるかを示す設定情
報、及び負荷電流計測手段からの負荷電流を示す計測情
報に基づいて油入変圧器及びガス絶縁変圧器及びモール
ド変圧器の各絶縁種別の変圧器に対する演算式により変
圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油あ
るいはガスの最高温度を、変圧器がモールド変圧器であ
ると巻線の平均温度を演算するとともにこの演算結果に
より最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算する演算
手段を設けたので、変圧器の種類にかかわらず、温度情
報を得るための温度検出手段の取り付けが簡単にして安
価に変圧器の運転を中断することなくその診断が行なえ
るという効果を有するものである。
【0130】この発明の第3の発明は、変圧器に設けら
れた温度センサの温度情報を入力するための温度情報入
力手段と、第1及び第2の温度検出手段からの温度情報
に基づき周囲温度及び変圧器の温度が安定状態にあり、
温度情報入力手段における温度情報の読み取りに適した
タイミングであることを判定する温度サンプリング適否
判定手段とを有し、第1の設定手段からの変圧器の定格
容量及び定格電圧及び相数を示す設定情報、第1の温度
検出手段からの周囲温度情報と第2の温度検出手段から
の変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると
変圧器におけるケースの放熱部の表面温度を、変圧器が
モールド変圧器であると変圧器における高圧部と低圧部
との間の空気の温度情報を示す温度を示す温度情報の差
に基づいた第2の設定手段からの温度換算計数を示す設
定情報及び第3の設定手段からの変圧器の絶縁種別及び
変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器あるいはモ
ールド変圧器のいずれであるかを示す設定情報に基づい
て油入変圧器及びガス絶縁変圧器及びモールド変圧器の
各絶縁種別の変圧器に対する演算式により変圧器が油入
変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガス
の最高温度を、変圧器がモールド変圧器であると巻線の
平均温度を演算するとともに、この演算結果により最高
巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算する演算手段を設
けたものとしたので、最高巻線温度及び残存寿命の演算
に必要な温度換算係数を自動的に演算でき、変圧器の種
類にかかわらず、温度情報を得るための温度検出手段の
取り付けが簡単にして安価に変圧器の運転を中断するこ
となくその診断が行なえるという効果を有するものであ
る。
【0131】この発明の第4の発明は、温度検出手段か
らの周囲温度情報及び負荷電流計測手段からの負荷電流
情報における所定時間間隔毎の検出値の時系列情報と温
度情報入力手段に入力された温度情報の時系列情報を記
憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された周囲温度
情報及び負荷電流情報の時系列情報と温度情報の時系列
情報並びに変圧器の負荷率と温度検出手段からの周囲温
度情報に基づいて、変圧器が油入変圧器あるいはガス絶
縁変圧器であると油あるいはガスの最高温度を、変圧器
がモールド変圧器であると変圧器における巻線の最高温
度を求めるための変圧器に固有なパラメータである温度
変化の時定数と定格負荷時の温度上昇値を演算し、演算
結果である温度変化の時定数と温度検出手段からの周囲
温度情報と負荷電流計測手段からの負荷電流情報とに基
づいて変圧器が油入変圧器であると最高油温度を、変圧
器がガス絶縁変圧器であると最高ガス温度を、変圧器が
モールド変圧器であると平均巻線温度を演算し、この演
算値から最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算する
演算手段とを設けたものとしたので、変圧器の種類にか
かわらず、温度情報を得るための温度検出手段の取り付
けが簡単にして安価に変圧器の運転を中断することなく
その診断が行なえ、かつ正確な最高巻線温度と残存寿命
が得られるという効果を有するものである。
【0132】この発明の第5の発明は、第1の温度検出
手段からの周囲温度情報、第2の温度検出手段からのモ
ールド変圧器の少なくとも1相の巻線のモールド部の温
度情報及び電流検出手段からのモールド変圧器の各相の
電流情報における所定時間間隔毎の検出情報を記憶する
記憶手段と、この記憶手段に記憶された所定時間間隔毎
の検出情報及び電流検出手段からの各相の電流情報に基
づいて各相における巻線の周囲温度に対する温度上昇値
を演算するための、変圧器に固有なパラメータを演算
し、温度センサのついていない相についてはこの演算さ
れたパラメータを含む演算式に基づいて、第1の温度検
出手段からの周囲温度情報と電流検出手段からの対応し
た相における電流情報とによって最高巻線温度を演算
し、あるいは温度センサのついている相については、そ
の温度センサからの温度情報と電流検出手段からの対応
した相における電流情報とによって最高巻線温度を演算
し、この演算された最高巻線温度によって変圧器の寿命
損失を演算・累積するとともに変圧器の残存寿命を演算
する演算手段とを設けたものとしたので、各相に温度検
出手段を取り付けることなく、安価にモールド変圧器の
運転を中断することなくその診断が行なえるという効果
を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における油入変圧器の温度
検出手段の取り付け状態を示す図。
【図2】この発明の実施例1に用いられる温度検出装置
を示す構造図。
【図3】この発明の実施例1の構成を示すブロック図。
【図4】この発明の実施例1における警報装置との関係
を示す構成図。
【図5】この発明の実施例1における演算手段を示すフ
ローチャートである。
【図6】この発明の実施例1におけるデータ伝送のフレ
ーム構成図。
【図7】この発明の実施例1におけるデータ伝送手順を
示す図。
【図8】この発明の実施例2における演算手段を示すフ
ローチャート。
【図9】この発明の実施例2におけるモールド変圧器を
示す図。
【図10】この発明の実施例における演算手順に用いら
れる定数を示す図。
【図11】この発明の実施例3における演算手順を示す
フローチャート。
【図12】この発明の実施例4における構成を示すブロ
ック図。
【図13】この発明の実施例4における演算手順を示す
フローチャート。
【図14】この発明の実施例4における温度上昇特性を
示すパラメータを決定するフローチャート。
【図15】この発明の実施例4における記憶手順に記憶
されるデータファイルを示す図。
【図16】この発明の実施例4における変圧器温度上昇
と負荷率の関係を説明する図。
【図17】この発明の実施例4における変圧器温度上昇
と負荷率の関係を説明する図。
【図18】この発明の実施例4における変圧器の温度上
昇特性を示すパラメータの決定を説明するための図。
【図19】この発明の実施例4における演算手順の一部
を詳細に示すフローチャート。
【図20】この発明の実施例5における構成を示すブロ
ック図。
【図21】この発明の実施例5における演算手順を示す
フローチャート。
【図22】この発明の実施例5における記憶手順に記憶
されるデータファイルを示す図。
【図23】この発明の実施例5における温度上昇特性を
示すパラメータを決定するフローチャート。
【図24】この発明の実施例5における演算手順の一部
を詳細に示すフローチャート。
【図25】この発明の実施例5における変圧器温度上昇
と負荷率の関係を説明する図。
【図26】この発明の実施例5における変圧器温度上昇
と負荷率の関係を説明する図。
【図27】この発明の実施例5における変圧器の温度上
昇特性を示すパラメータの決定を説明するための図。
【図28】この発明の実施例5における演算手段で用い
る定数を示す図。
【図29】従来の変圧器の診断装置における演算手順を
示すフローチャート。
【符号の説明】
1 変圧器 2 第1の温度検出手段 3 第2の温度検出手段 5 負荷電流計測手段 7,20,30 第1の設定手段 8,21 第2の設定手段 12,24,34 演算手段 35 記憶手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 佳澄 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三菱 電機株式会社名古屋製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変圧器の定格容量及び定格電圧及び相数
    を設定する第1の設定手段、上記変圧器の周囲温度を検
    出する第1の温度検出手段、上記変圧器におけるケース
    の放熱部の表面温度を検出する第2の温度検出手段、こ
    れら第1及び第2の温度検出手段にて検出された温度情
    報の差に基づき温度換算係数を設定する第2の設定手
    段、上記変圧器の負荷電流を計測する負荷電流計測手
    段、上記第1及び第2の設定手段からの設定情報及び上
    記負荷電流計測手段からの計測情報に基づき最高巻線温
    度及び変圧器の残存寿命を演算する演算手段を備えた変
    圧器の診断装置。
  2. 【請求項2】 変圧器の定格容量及び定格電圧及び相数
    を設定する第1の設定手段、上記変圧器の周囲温度を検
    出する第1の温度検出手段、上記変圧器が油入変圧器あ
    るいはガス絶縁変圧器であると変圧器におけるケースの
    放熱部の表面温度を、上記変圧器がモールド変圧器であ
    ると変圧器における高圧部と低圧部との間の空気の温度
    を検出する第2の温度検出手段、これら第1及び第2の
    温度検出手段にて検出された温度情報の差に基づき、上
    記変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると
    油あるいはガスの温度を、上記変圧器がモールド変圧器
    であると平均巻線温度を求めるための温度換算係数を設
    定する第2の設定手段、上記変圧器の負荷電流を計測す
    る負荷電流計測手段、上記変圧器の絶縁種別及び上記変
    圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器あるいはモー
    ルド変圧器のいずれかであるかを設定する第3の設定手
    段、油入変圧器及びガス絶縁変圧器及びモールド変圧器
    の各絶縁種別の変圧器に対する演算式を有し、上記第1
    ないし第3の設定手段からの設定情報及び上記負荷電流
    計測手段からの計測情報に基づいて上記演算式により上
    記変圧器が油入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると
    油あるいはガスの最高温度を、上記変圧器がモールド変
    圧器であると巻線の平均温度を演算するとともにこの演
    算結果により最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算
    する演算手段とを備えた変圧器の診断装置。
  3. 【請求項3】 変圧器の定格容量及び定格電圧及び相数
    を設定する第1の設定手段、上記変圧器の周囲温度を検
    出する第1の温度検出手段、上記変圧器が油入変圧器あ
    るいはガス絶縁変圧器であると変圧器におけるケースの
    放熱部の表面温度を、上記変圧器がモールド変圧器であ
    ると変圧器における高圧部と低圧部との間の空気の温度
    を検出する第2の温度検出手段、上記変圧器に設けられ
    た温度センサの温度情報を入力するための温度情報入力
    手段、上記第1及び第2の温度検出手段からの温度情報
    に基づき周囲温度及び上記変圧器の温度が安定状態にあ
    り、上記温度情報入力手段における温度情報の読み取り
    に適したタイミングであることを判定する温度サンプリ
    ング適否判定手段、上記第1及び第2の温度検出手段に
    て検出された温度情報及び上記温度情報入力手段に入力
    された温度情報に基づき、上記変圧器が油入変圧器ある
    いはガス絶縁変圧器であると油あるいはガスの温度を、
    上記変圧器がモールド変圧器であると平均巻線温度を求
    めるための温度換算係数を設定する第2の設定手段、上
    記変圧器の絶縁種別及び上記変圧器が油入変圧器あるい
    はガス絶縁変圧器あるいはモールド変圧器のいずれであ
    るかを設定する第3の設定手段、油入変圧器及びガス絶
    縁変圧器及びモールド変圧器の各絶縁種別の変圧器に対
    する演算式を有し、上記第1ないし第3の設定手段から
    の設定情報に基づいて上記演算式により上記変圧器が油
    入変圧器あるいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガ
    スの最高温度を、上記変圧器がモールド変圧器であると
    巻線の平均巻線温度を演算するとともにこの演算結果に
    より最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算する演算
    手段とを備えた変圧器の診断装置。
  4. 【請求項4】 変圧器の定格容量と定格電圧の相数と変
    圧器種別と絶縁種別と負荷損及び無負荷損の比を設定す
    る設定手段、上記変圧器の周囲温度を検出する温度検出
    手段、上記変圧器の負荷電流を計測する負荷電流計測手
    段、上記変圧器に設けられた温度センサの温度情報を入
    力するための温度情報入力手段、上記温度検出手段から
    の周囲温度情報及び上記負荷電流計測手段からの負荷電
    流情報における所定時間間隔毎の検出値の時系列情報と
    上記温度情報入力手段に入力された温度情報の時系列情
    報を記憶する記憶手段、この記憶手段に記憶された周囲
    温度情報及び負荷電流情報の時系列情報と温度情報の時
    系列情報並びに上記変圧器の負荷率と上記温度検出手段
    からの周囲温度情報に基づいて、上記変圧器が油入変圧
    器あるいはガス絶縁変圧器であると油あるいはガスの最
    高温度を、上記変圧器がモールド変圧器であると上記変
    圧器における巻線の最高温度を求めるための変圧器に固
    有なパラメータである温度変化の時定数と定格負荷時の
    温度上昇値を演算し、上記演算結果である温度変化の時
    定数と上記温度検出手段からの周囲温度情報と上記負荷
    電流計測手段からの負荷電流情報とに基づいて上記変圧
    器が油入変圧器であると最高油温度を、上記変圧器がガ
    ス絶縁変圧器であると最高ガス温度を、上記変圧器がモ
    ールド変圧器であると平均巻線温度を演算し、この演算
    値から最高巻線温度及び変圧器の残存寿命を演算する演
    算手段を備えた変圧器の診断装置。
  5. 【請求項5】 モールド変圧器の定格容量と定格電圧と
    相数と絶縁種別とを設定する設定手段、上記変圧器の周
    囲温度を検出する第1の温度検出手段、上記変圧器の少
    なくとも1相の巻線のモールド部の温度を検出する第2
    の温度検出手段、上記変圧器の各相の電流を検出する電
    流検出手段、上記第1及び第2の温度検出手段からの周
    囲温度情報及びモールド部の温度情報と上記電流検出手
    段からの電流情報における所定時間間隔毎の検出情報を
    記憶する記憶手段、この記憶手段に記憶された所定時間
    間隔毎の検出情報及び上記電流検出手段からの各相の電
    流情報に基づいて各相における巻線の周囲温度に対する
    温度上昇値を演算するための、上記変圧器に固有なパラ
    メータを演算し、温度センサのついていない相について
    はこの演算されたパラメータを含む演算式に基づいて上
    記第1の温度検出手段からの周囲温度情報と上記電流検
    出手段からの対応した相における電流情報とによって最
    高巻線温度を演算し、あるいは温度センサのついている
    相についてはその温度センサからの温度情報と上記電流
    検出手段からの対応した相における電流情報とによって
    最高巻線温度を演算し、この演算された最高巻線温度に
    よって上記変圧器の寿命損失を演算・累積するとともに
    上記変圧器の残存寿命を演算する演算手段を備えた変圧
    器の診断装置。
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