JP2019174160A - 診断装置 - Google Patents

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常世 佐野
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広和 伊藤
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雄祐 阪本
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Abstract

【課題】変圧器の余寿命の診断精度を向上させる。【解決手段】本発明の代表的な実施の形態に係る診断装置1は、診断対象の変圧器62の二次側に接続された自動検針装置3_1〜3_nによって計測された負荷の計測結果を記憶する記憶部17と、前記記憶部から読み出した前記負荷の計測結果に基づいて前記変圧器の負荷を算出する負荷算出部13と、前記変圧器の負荷に基づいて当該変圧器の稼働率を算出する稼働率算出部14と、前記稼働率に基づいて、前記変圧器を構成する構成部品の余寿命を前記構成部品毎に算出する寿命算出部15と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、変圧器の劣化状態を診断する診断装置に関し、例えば油入変圧器の余寿命を診断する診断装置に関する。
電力供給の安定化のためには、配電設備の保守が重要である。例えば、配電設備の一つである変圧器は、その劣化状態を診断する診断作業が定期的に行われている。
従来、配電設備として利用される油入変圧器の劣化状態を診断する診断方法として、直接診断方法と間接診断方法が知られている。
直接診断方法としては、例えば、変圧器を停止して変圧器を構成するブッシング等の絶縁紙の一部を採取し、その絶縁紙の引張強度の試験結果に基づいて変圧器の劣化を診断する方法が知られている(非特許文献1参照)。
間接診断方法としては、例えば、固定カメラで撮影した変圧器の外観画像と、スマートメータ等の自動検針装置で計測した需要家の負荷データから推定した柱上変圧器の負荷状態とに基づいて、変圧器の劣化状態を診断する方法が知られている(特許文献1参照)。具体的に、特許文献1に開示された配電設備劣化診断装置は、外観画像に基づいて柱上変圧器の外部劣化度を判定するとともに、柱上変圧器の負荷に基づいて算出した巻線温度変化に基づいて柱上変圧器を構成する絶縁物(絶縁紙や絶縁油等)の物性値を算出し、その物性値に基づいて柱上変圧器の内部劣化度を算出している。
特開2011−259575号公報
「柱上変圧器の過負荷運転による熱劣化の推定法」,電力中央研究所報告,平成13年4月,電力中央研究所
しかしながら、従来の変圧器の診断方法では、以下に示す課題がある。
例えば、上述した直接診断方法では、変圧器を停止させて、電柱から取り外す必要があるため、作業費用等の種々のコストが掛かる。また、診断のために、電柱から取り外した変圧器を、診断を行うための装置が設置された試験場等に運搬する必要があるため、診断結果が出るまで別の変圧器をその電柱に設置しておく必要がある。したがって、従来は、変圧器の診断作業ではなく変圧器の取替工事が行われていると言うのが実情である。
また、本願発明者らが本願に先立って行った検討によれば、油入変圧器の故障原因として、絶縁物以外の構成部品の劣化も無視できないことが明らかとなった。例えば、油入変圧器において、気密性を高めて雨水等の水分混入を防止するためのパッキンや2次側リード線の熱劣化に起因して絶縁油に水分や不純物が混入することにより、故障に至るおそれがある。
しかしながら、上述した特許文献1に代表される従来の間接診断方法は、油入変圧器の劣化状態を、油入変圧器を構成する絶縁紙や絶縁油等の絶縁物の物性値に基づいて判定しており、絶縁物以外の構成部品の劣化は考慮されていないため、変圧器の余寿命を正確に診断できているとは言えない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、変圧器の余寿命の診断精度を向上させることを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係る診断装置は、診断対象の変圧器の二次側に接続された自動検針装置によって計測された負荷の計測結果を記憶する記憶部と、前記記憶部から読み出した前記負荷の計測結果に基づいて、前記変圧器の負荷を算出する負荷算出部と、前記変圧器の負荷に基づいて、当該変圧器の稼働率を算出する稼働率算出部と、前記稼働率に基づいて、前記変圧器を構成する構成部品の余寿命を、前記構成部品毎に算出する寿命算出部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る診断装置によれば、変圧器の余寿命の診断精度を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る診断装置を含む診断システムの構成を示す図である。 実施の形態に係る診断装置の機能ブロック構成を示す図である。 実施の形態に係る診断装置のハードウェア構成を示す図である。 負荷加算部による変圧器の負荷の算出方法を説明するための図である。 変圧器の稼働率の時間的な変化の一例を示す図である。 変圧器の稼働率と、変圧器の構成部品の一つである絶縁紙の寿命損失値との関係を示す図である。 変圧器の稼働率と、変圧器の構成部品の一つであるパッキンの寿命損失値との関係を示す図である。 稼働率閾値が設定されていない場合の寿命損失値の一例を示す図である。 稼働率閾値が設定されている場合の寿命損失値の一例を示す図である。 診断装置による劣化診断処理の流れを示すフローチャートである。 負荷算出処理(ステップS1)の流れを示すフローチャートである。 余寿命算出処理(ステップS4)の流れを示すフローチャートである。 本発明の別の実施の形態に係る診断システムの構成を示す図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る診断装置(1)は、診断対象の変圧器(62)の二次側に接続された自動検針装置(3_1〜3_n,3A)によって計測された負荷の計測結果を記憶する記憶部(17)と、前記記憶部から読み出した前記負荷の計測結果に基づいて前記変圧器の負荷を算出する負荷算出部(13)と、前記変圧器の負荷に基づいて当該変圧器の稼働率を算出する稼働率算出部(14)と、前記稼働率に基づいて、前記変圧器を構成する構成部品の余寿命を前記構成部品毎に算出する寿命算出部(15)と、を備えることを特徴とする。
〔2〕上記診断装置において、前記記憶部は、前記構成部品の余寿命の初期値(191)を更に記憶し、前記寿命算出部は、単位時間当たりの前記稼働率に基づいて、前記構成部品の寿命の減少度合を示す寿命損失値を前記単位時間毎に算出する寿命損失値算出部(151)と、前記単位時間当たりの前記寿命損失値を積算する積算部(152)と、前記記憶部に記憶された前記構成部品の余寿命の初期値(191)と、前記積算部によって積算された、前記構成部品の前記寿命損失値の積算値(192)とに基づいて、前記構成部品の余寿命(193)を算出する余寿命算出部(153)と、を含んでもよい。
〔3〕上記診断装置において、前記記憶部は、前記構成部品毎に前記寿命損失値の積算値(192)を記憶し、前記積算部は、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値に、前記単位時間当たりの前記寿命損失値を加算して、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値を更新してもよい。
〔4〕上記診断装置において、前記記憶部は、前記寿命損失値と前記稼働率および温度との関係を表す寿命損失関数(20_1〜20_k)を前記構成部品毎に記憶するとともに、前記自動検針装置によって計測された温度の計測結果(182)を更に記憶し、前記寿命損失値算出部は、前記記憶部に記憶された前記構成部品の前記寿命損失関数と、前記単位時間当たりの前記稼働率と、前記記憶部に記憶された前記温度の計測結果とに基づいて、前記構成部品の前記単位時間当たりの前記寿命損失値を算出してもよい。
〔5〕上記診断装置において、前記寿命損失値算出部は、所定の閾値(21)よりも高い前記稼働率に基づいて、前記寿命損失値を算出してもよい。
〔6〕上記診断装置において、前記負荷の計測結果は、前記変圧器から電力供給を受ける需要家毎に計測された負荷の情報(181)を含み、前記負荷算出部は、前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器の負荷を算出してもよい。
〔7〕上記診断装置において、前記負荷算出部は、前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されている需要家の負荷を算出する実負荷算出部(131)と、前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されていない需要家の負荷を推定する負荷推定部(132)と、前記実負荷算出部によって算出された負荷と、前記負荷推定部によって推定された負荷とを加算して、前記変圧器の負荷を算出する負荷加算部(133)とを含んでもよい。
〔8〕上記診断装置(1A)において、前記負荷の計測結果は、直接計測された、前記変圧器の二次側の負荷の総量の情報を含み、前記稼働率算出部は、前記負荷の総量の情報に基づいて、前記変圧器の稼働率を算出してもよい。
〔9〕本発明の代表的な実施の形態に係るプログラムは、記憶部(17)に記憶された、診断対象の変圧器(62)の二次側に接続された自動検針装置(3_1〜3_n)によって計測された負荷の計測結果に基づいて、前記変圧器の負荷を算出する負荷算出ステップ(S1)と、前記負荷算出ステップで算出した前記変圧器の負荷に基づいて当該変圧器の稼働率を算出する稼働率算出ステップ(S2)と、前記稼働率算出ステップで算出した前記稼働率に基づいて、前記変圧器を構成する構成部品の余寿命を、前記構成部品毎に算出する寿命算出ステップ(S4)と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
〔10〕上記プログラムにおいて、前記寿命算出ステップ(S4)は、単位時間当たりの前記稼働率に基づいて、前記構成部品の寿命の減少度合を示す寿命損失値を前記単位時間毎に算出する寿命損失値算出ステップ(S45)と、前記単位時間当たりの前記寿命損失値を積算する積算ステップ(S46)と、前記構成部品の余寿命の初期値と、前記積算部によって積算された、前記構成部品の前記寿命損失値の積算値とに基づいて、前記構成部品の余寿命を算出する余寿命算出ステップ(S47)とを含んでもよい。
〔11〕上記プログラムにおいて、前記記憶部は、前記構成部品毎に前記寿命損失値の積算値を記憶し、前記積算ステップは、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値に、前記単位時間当たりの前記寿命損失値を加算して、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値を更新するステップを含んでもよい。
〔12〕上記プログラムにおいて、前記記憶部は、前記寿命損失値と前記稼働率および温度との関係を表す寿命損失関数を前記構成部品毎に記憶するとともに、前記自動検針装置によって計測された温度の計測結果を更に記憶し、前記寿命損失値算出ステップは、前記記憶部に記憶された前記構成部品の前記寿命損失関数と、前記単位時間当たりの前記稼働率と、前記記憶部に記憶された前記温度の計測結果とに基づいて、前記構成部品の前記単位時間当たりの前記寿命損失値を算出するステップを含んでもよい。
〔13〕上記プログラムにおいて、前記寿命損失値算出ステップは、所定の閾値よりも高い前記稼働率に基づいて前記寿命損失値を算出するステップ(S42)を含んでもよい。
〔14〕上記プログラムにおいて、前記負荷の計測結果は、前記変圧器から電力供給を受ける需要家毎に計測された負荷の情報を含み、前記負荷算出ステップは、前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器の負荷を算出するステップを含んでもよい。
〔15〕上記プログラムにおいて、前記負荷算出ステップは、前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されている需要家の負荷を算出する実負荷算出ステップ(S13,S14)と、前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されていない需要家の負荷を推定する負荷推定ステップ(S15,S16)と、前記実負荷算出ステップによって算出された負荷と、前記負荷推定ステップによって推定された負荷とを加算して、前記変圧器の負荷を算出する負荷加算ステップ(S18)と、を含んでもよい。
〔16〕上記プログラムにおいて、前記負荷の計測結果は、直接計測された、前記変圧器の二次側の負荷の総量の情報を含み、前記稼働率算出ステップは、前記負荷の総量の情報に基づいて、前記変圧器の稼働率を算出するステップを含んでもよい。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
〈診断装置1の構成〉
図1は、本発明の一実施の形態に係る診断装置を含む診断システムの構成を示す図である。
同図に示される診断システム10は、電力供給網6において変電所(図示せず)から高圧配電線路61を介して供給された電力を変換し、低圧配電線路63を介して各需要家60_1〜60_nに供給する変圧器62の劣化状態を診断するためのシステムである。
ここで、変圧器62は、例えば油入変圧器である。また、変圧器62は、例えば、電柱に設置された柱上変圧器である。
なお、電力供給網6には、複数の変圧器62が存在しており、それぞれの変圧器62から少なくとも1つの需要家に電力が供給されているが、図1では、説明の簡略化のために、一つの変圧器62を代表的に図示している。
また、以下の説明において、需要家60_1〜60_nを区別しない場合には、「需要家60」と表記する場合がある。
診断システム10は、診断装置1、クライアント端末2、および自動検針装置3_1〜3_n(nは2以上の整数)を備えて構成されている。
診断装置1は、変圧器62の劣化状態を診断する装置である。具体的に、診断装置1は、変圧器62を構成する構成部品毎に余寿命を算出する機能を有している。診断装置1は、例えば、サーバまたは所定のコンピュータによって構築されている。
本実施の形態では、変圧器62の構成部品のうち、絶縁紙、パッキン、および二次側リード線を、余寿命の算出対象の構成部品とする場合を例にとり、説明する。
クライアント端末2は、設備管理者等のユーザが操作するコンピュータである。クライアント端末2と診断装置1とは、通信ネットワーク5で接続されており、例えばクライアントサーバシステムを構成している。通信ネットワーク5としては、無線LAN等の各種無線通信ネットワークや、光ファイバを利用した光通信等の各種有線通信ネットワークを例示することができる。
自動検針装置3_1〜3_nは、例えば、電力供給網6において変圧器62から電力供給を受ける需要家60_1〜60_n毎に設けられ、対応する需要家60_1〜60_nの負荷(例えば、使用電力量)を計測する装置である。自動検針装置3_1〜3_nは、例えば、電力計測機能と通信機能とを備えた機器であり、スマートメータ(SM)やAMI(Advanced Metering Infrastructure)等を例示することができる。
自動検針装置3_1〜3_nと診断装置1とは、通信ネットワーク4を介して接続されている。通信ネットワーク4としては、無線LAN等の各種無線通信ネットワークや、光ファイバを利用した光通信および電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)等の各種有線通信ネットワークを例示することができる。
自動検針装置3_1〜3_nは、対応する需要家60_1〜60_nの負荷を、所定の時間間隔(例えば、30分間隔)で計測し、通信ネットワーク4を介して診断装置1に送信する。自動検針装置3_1_3_nによる計測結果の送信は、自動検針装置3_1〜3_nが定期的に(例えば、計測タイミングに同期して)行ってもよいし、自動検針装置3_1〜3_nが診断装置1からの要求に応じて行ってもよい。
なお、以下の説明において、各自動検針装置3_1〜3_nを区別しない場合には、「自動検針装置3」と表記する場合がある。
診断装置1は、通信ネットワーク4を介して、自動検針装置3_1〜3_nによって計測された各需要家60_1_60_nの負荷に関するデータを取得する。また、診断装置1は、ユーザがクライアント端末2を操作して電力供給網6を構成する所定の変圧器62の劣化診断の実行を要求した場合、その要求に応答して所定のプログラムを実行し、指定された変圧器62の劣化状態を診断する処理(以下、「劣化診断処理」と称する。)を開始する。
以下、診断装置1について詳細に説明する。
図2は、診断装置1の機能ブロック構成を示す図である。
図2に示すように、診断装置1は、変圧器の劣化診断処理のための機能部として、データ取得部11、入力部12、負荷算出部13、稼働率算出部14、寿命算出部15、温度算出部16、記憶部17、および出力部24を有している。これらの機能部は、例えばサーバやパーソナルコンピュータが所定のプログラムを実行することによって実現される。
図3は、診断装置1のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、診断装置1は、主要なハードウェア構成要素として、演算装置101、記憶装置102、入力装置103、I/F(Interface)装置104、出力装置105、およびバス106を主要なハードウェア構成要素として備えている。
演算装置101は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによって構成されている。記憶装置102は、演算装置101に各種のデータ処理を実行させるためのプログラム1021と、演算装置101によるデータ処理で利用されるパラメータや演算結果等のデータ1022とを記憶する記憶領域を有し、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD、およびフラッシュメモリ等から構成されている。
入力装置103は、外部から情報の入力を検出する機能部であり、例えばキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、またはタッチパネル等から構成されている。I/F装置104は、外部との情報の送受を行う機能部であり、有線または無線によって通信を行うための通信制御回路や入出力ポート、アンテナ等から構成されている。
出力装置105は、演算装置101によるデータ処理によって得られた情報等を出力する機能部である。出力装置105としては、例えば、SSDやHDD等の外部記憶装置や、LCD(Liquid Crystal Display)および有機EL(Electro Luminescence)等の表示装置等である。バス106は、演算装置101、記憶装置102、入力装置103、I/F装置104、および出力装置105を相互に接続し、これらの装置間でデータの授受を可能にする機能部である。
診断装置1は、演算装置101が記憶装置102に記憶したプログラム1021に従って演算を実行して、記憶装置102、入力装置103、I/F(Interface)装置104、出力装置105、およびバス106を制御することにより、図2に示した各種機能部、すなわち、データ取得部11、入力部12、負荷算出部13、稼働率算出部14、寿命算出部15、温度算出部16、記憶部17、および出力部24が実現される。
なお、診断装置1は、図3に示すように一台のサーバ(コンピュータ)によって実現されてもよいし、有線または無線によって互いに通信可能に接続された複数台のサーバ(コンピュータ)によって実現されていてもよく、診断装置1は、図3に示したハードウェア構成に限定されない。
以下、診断装置1を構成する各機能部について説明する。
データ取得部11は、外部からデータを取得するための機能部である。データ取得部11は、変圧器62の二次側に接続された自動検針装置3によって計測された負荷の計測結果を取得する。また、データ取得部11は、自動検針装置3によって計測された温度の計測結果を取得する。
例えば、データ取得部11は、負荷の計測結果として、自動検針装置3_1〜3_nによって計測された各需要家60_1〜60_nの負荷の情報を取得するともに、温度の計測結果として、自動検針装置3_1〜3_nによって計測された各需要家60_1〜60_nの周辺の温度の情報を取得する。
データ取得部11は、例えば、定期的にまたはクライアント端末2からの指令に応じて、各自動検針装置3_1〜3_nから負荷および温度の計測結果を取得し、自動検針装置3_1〜3_nの識別番号や需要家60_1〜60_nの識別番号(例えば、契約番号)と関連付けて、SM計測情報18_1〜18_nとして記憶部17に記憶する。
なお、各SM計測情報18_1〜18_nを区別しない場合には、単に、「SM計測情報18」と表記する。
例えば、自動検針装置3が単位時間(例えば30分間)毎に計測を行う場合、SM計測情報18_1には、自動検針装置3によって計測された需要家60の単位時間当たりの使用電力量の情報(以下、単に「電力量」とも称する。)181と、自動検針装置3によって計測された単位時間当たりの温度の情報(以下、「SM温度」とも称する。)182と、が含まれる。
なお、データ取得部11が各自動検針装置3_1〜3_nからSM計測情報18_1〜18_nを取得するタイミングは、特に限定されない。例えば、データ取得部11が各自動検針装置3_1〜3_nからSM計測情報18_1〜18_nを取得する周期は、自動検針装置3_1〜3_nによる計測の周期(単位時間)よりも長くてもよいし、自動検針装置3_1〜3_nによる計測の周期と同じでもよい。または、クライアント端末2から劣化診断処理の実行の指令を入力部12が受け取ったタイミングに同期して、データ取得部11が各自動検針装置3_1〜3_nからSM計測情報18_1〜18_nを取得してもよい。
SM計測情報18は、自動検針装置3_1〜3_nが設置された需要家60における単位時間当たりの電流値および電圧値を含んでもよい。ここで、単位時間当たりの電流値および電圧値は、取得した電力量181に基づいて算出した値であってもよいし、自動検針装置3が電流および電圧の計測機能を備えている場合には、その自動検針装置3が自ら計測した電流値および電圧値であってもよい。
記憶部17は、診断装置1による演算に必要な各種データや、上記演算による演算結果等を記憶する機能部である。具体的に、記憶部17は、上述したSM計測情報18_1〜18_n、余寿命の算出対象である各構成部品の寿命情報19_1〜19_k(kは2以上の整数)、寿命損失関数20_1〜20_k、稼働率閾値21、電力契約情報22、および変圧器温度23等を記憶する。
寿命情報19_1〜19_kは、変圧器62の構成部品毎の寿命に関する情報であり、後述する、寿命初期値191、累積寿命損失値192、および余寿命193を含む。
寿命損失関数20_1〜20_kおよび稼働率閾値21は、後述する余寿命算出処理で用いられる情報である。
電力契約情報22は、変圧器62から電力供給を受けている需要家60_1〜60_n毎の電力に関する契約情報である。電力契約情報22には、例えば、各需要家60_1〜60_nの契約種別を示す情報、各需要家60_1〜60_nの契約容量(契約高,契約アンペア)の情報、および自動検針装置3の設置の有無等の情報が含まれる。
ここで、契約種別を示す情報は、例えば、業務用電力、高圧電力、電灯電力、動力用電力等の情報を含む。また、契約容量の情報は、契約電力、瞬時の使用の上限の電力等の情報であり、例えば契約の電流が30A、電圧が100Vである場合、3000W(3kW)の情報を含む。
なお、自動検針装置3が設置されている需要家60の場合、電力契約情報22はSM計測情報18とともに関連付けて記憶されていてもよい。
変圧器温度23は、後述する温度算出部16によって算出される変圧器62の温度の推定値である。
入力部12は、外部から診断装置1への指令を受信する機能部である。入力部12は、例えば、ユーザがクライアント端末2を操作して電力供給網6を構成する所定の変圧器62の劣化診断処理の実行を指示する指令を発行した場合、その指令を受信して、その指令に関連する機能部に対して劣化診断処理の実行を指示する。
負荷算出部13は、変圧器62の負荷を算出するための処理(以下、「負荷算出処理」とも称する。)を行う機能部である。負荷算出部13は、自動検針装置3_1〜3_nによる負荷の計測結果に基づいて、変圧器62の負荷を算出する。具体的に、負荷算出部13は、実負荷算出部131と、負荷推定部132と、負荷加算部133とを含む。
実負荷算出部131は、変圧器62から電力供給を受ける需要家60のうち自動検針装置3が設置されている需要家60の負荷を算出する。具体的に、実負荷算出部131は、記憶部17に記憶されているSM計測情報18に基づいて、自動検針装置3が設置されている各需要家60における負荷の時間的な変化を示す負荷曲線を算出する。
例えば、図2において需要家60_3に自動検針装置3が設置されていない場合、実負荷算出部131は、需要家60_3を除いた各需要家60_1〜60_nの電力量181から、単位時間(例えば30分間)当たりの電流値を算出し、その電流値の時間的な変化を表す負荷曲線を、需要家60(自動検針装置3)毎に算出する。
負荷推定部132は、変圧器62から電力供給を受ける需要家60のうち自動検針装置3が設置されていない需要家60の負荷を推定する。具体的に、負荷推定部132は、自動検針装置3が設置されていない需要家60の電力契約情報22に基づいて、その需要家60の負荷曲線を推定する。
より具体的には、負荷推定部132は、自動検針装置3が設置されていない需要家60の電力契約情報22と類似する電力契約情報22を有する、自動検針装置3が設置されている需要家60のSM計測情報18に基づいて、自動検針装置3が設置されていない需要家60の負荷曲線を推定する。
例えば、図2において需要家60_3に自動検針装置3が設置されておらず、需要家60_3の契約容量および契約種別が需要家60_1の契約容量および契約種別と同じである場合、負荷推定部132は、需要家60_1の電力量181に基づいて、需要家60_3の単位時間(例えば30分間)当たりの電流値を推定し、その推定値の時間的な変化を需要家60_3の負荷曲線として算出する。
また、記憶部17には、電力契約情報22に加えて、例えば、世帯人数や所有している家電製品の有無や、ペットの飼育の有無、建物の広さ(平米数)等の契約者情報を記憶しておいてもよい。この場合、負荷推定部132は、上記契約者情報が類似している自動検針装置3が設置された需要家60を検索し、検索した需要家60のSM計測情報18に基づいて、自動検針装置3が設置されていない需要家60の負荷曲線を推定してもよい。これによれば、自動検針装置3が設置されていない需要家60の負荷曲線を高精度に推定することが可能となる。精度よく推定することが可能となる。
負荷加算部133は、実負荷算出部131によって算出された負荷と、負荷推定部132によって推定された負荷とを加算して、変圧器62の負荷を算出する。
図4は、負荷加算部133による変圧器62の負荷の算出方法を説明するための図である。
図4に示すように、負荷加算部133は、実負荷算出部131によって算出された、自動検針装置3が設置されている各需要家60_1〜60_n(60_3を除く)の負荷曲線400_1〜400_nと、負荷推定部132によって推定された、自動検針装置3が設置されていない需要家60_3の負荷曲線401_3とを合算することにより、変圧器62の二次側電流の時間的な変化を示す負荷曲線402を算出する。
稼働率算出部14は、負荷算出部13によって算出した変圧器62の負荷に基づいて、変圧器62の稼働率を算出する機能部である。
ここで、稼働率とは、変圧器62の定格値に対する単位時間当たりの負荷の割合であり、例えば、変圧器62の二次側の定格電流に対する単位時間当たりの二次側の電流値である。変圧器62の二次側の定格電流の情報は、例えば、記憶部17に予め記憶されている。
図5は、変圧器の稼働率の時間的な変化の一例を示す図である。
稼働率算出部14は、例えば、負荷加算部133によって算出された単位時間当たりの電流値を上記定格電流で除算し、それによって得られた値を単位時間当たりの変圧器62の稼働率として算出する。このようにして単位時間当たりの稼働率を求めることにより、図5に示すような稼働率の時間的な変化を示す稼働率曲線500が得られる。
温度算出部16は、変圧器62の温度を算出する機能部である。具体的に、温度算出部16は、自動検針装置3_1〜3_nによって計測された各需要家60_1〜60_nにおける温度の計測結果(SM温度182)に基づいて、変圧器62の周辺の温度の推定値を算出する。
例えば、温度算出部16は、各自動検針装置3_1〜3_nのSM温度182の平均値を算出し、その平均値を単位時間当たりの変圧器62の温度とする。温度算出部16は、上述のように算出した値を変圧器温度23として記憶部17に記憶する。
また、例えば、温度算出部16は、外部装置(例えば気象庁等の外部のサーバ)から無線または有線の通信ネットワークを介して、変圧器62の周辺地域の例えば500m〜数kmメッシュ程度の解像度の気象情報(例えば、各観測地点における、気温、放射冷却強度や日照率、気温の日較差、夜間風速、降水量等)を受信し、その気象情報に基づいて、気温を推定してもよい。
寿命算出部15は、稼働率算出部14によって算出した変圧器62の稼働率に基づいて、変圧器62を構成する構成部品の余寿命を構成部品毎に算出する機能部である。具体的に、寿命算出部15は、寿命損失値算出部151と、積算部152と、余寿命算出部153とを含む。
寿命損失値算出部151は、稼働率算出部14によって算出された単位時間当たりの稼働率に基づいて、寿命損失値を算出する。
ここで、寿命損失値とは、変圧器の構成部品の寿命の減少度合を示す値である。
図6Aは、変圧器の稼働率と、変圧器の構成部品の一つである絶縁紙の寿命損失値との関係を示す図である。図6Bは、変圧器の稼働率と、変圧器の構成部品の一つであるパッキンの寿命損失値との関係を示す図である。
図6A,図6Bに示すように、寿命損失値は、変圧器の稼働率と相関がある。すなわち、寿命損失値は、変圧器の稼働率が増加するほど大きくなる傾向がある。また、変圧器の稼働率に対する寿命損失値の変化率は、変圧器の周辺の温度にも依存する。更に、その変化率は、構成部品毎に異なる。すなわち、変圧器62の各構成部品の寿命損失値は、変圧器62の稼働率と変圧器62の周辺の温度とを変数(パラメータ)とする固有の関数によって表すことができる。
そこで、本実施の形態に係る診断装置1では、寿命損失値と変圧器62の稼働率との関係を示す関数(以下、「寿命損失関数」と称する。)20を構成部品毎に用意し、予め記憶部17に記憶しておく。具体的に、余寿命の算出対象としてk(kは2以上の整数)個の構成部品がある場合、各構成部品の寿命損失関数20_1〜20_kを記憶部17に記憶しておく。例えば、余寿命の算出対象の構成部品として、絶縁紙、パッキンおよび2次側リード線がある場合、図2に示すように、絶縁紙の寿命損失関数20_1、パッキンの寿命損失関数20_2、および二次側リード線の寿命損失関数20_3が、予め記憶部17にそれぞれ記憶されている。
寿命損失関数20_1〜20_kは、図6Aおよび図6Bに示すように、所定の温度毎に用意してもよいし、変圧器62の稼働率および温度を変数とした一つの関数として用意してもよい。
寿命損失関数20_1〜20_kは、例えば、変圧器62の稼働率の実測値、変圧器62の周辺温度の実測値、および構成部品毎の熱劣化の度合等を実験等によって取得し、取得した実績値に基づいて回帰分析等の統計分析を行うことにより得ることができる。このようにして得られた寿命損失関数202_1〜202_kを、予め記憶部17に記憶しておけばよい。
寿命損失値算出部151は、記憶部17に記憶されている寿命損失関数202_1〜202_kと、稼働率算出部14によって算出された変圧器62の単位時間当たりの稼働率と、記憶部17に記憶されている変圧器温度23とに基づいて、単位時間当たりの寿命損失値を構成部品毎に算出する。
寿命損失値算出部151は、稼働率閾値21が記憶部17に設定されている場合、稼働率閾値21よりも高い稼働率に基づいて寿命損失値を算出してもよい。
稼働率閾値21とは、寿命損失値算出部151が稼働率に基づいて寿命損失値を算出するか否かを判定するための判定基準値である。稼働率閾値21は、ユーザ(クライアント端末2)からの指令により設定および解除が可能にされている。例えば、予め、所定の稼働率閾値203が記憶部17に設定されており、ユーザからの指令により、稼働率閾値203の解除または稼働率閾値203の変更ができるようになっている。
図7Aは、稼働率閾値21が設定されていない場合の寿命損失値の一例を示す図である。図7Bは、稼働率閾値21が設定されている場合の寿命損失値の一例を示す図である。
図7Aに示すように稼働率閾値21が設定されていない場合、寿命損失値算出部151は、稼働率算出部14によって算出された全ての単位時間当たりの稼働率に対応する寿命損失値をそれぞれ算出する。例えば、図5に示した稼働率の場合、時刻t0から時刻t3までの全時間帯における単位時間当たりの稼働率に基づく寿命損失値をそれぞれ算出する。
一方、図7Bに示すように稼働率閾値21が設定されている場合、寿命損失値算出部151は、稼働率算出部14によって算出された単位時間当たりの稼働率のうち、稼働率閾値21を超える稼働率に基づく寿命損失値を算出する。
例えば、図5に示したように稼働率閾値21が設定されている場合、時刻t1から時刻t2までの時間帯において稼働率が稼働率閾値21を超えている。この場合、寿命損失値算出部151は、時刻t1から時刻t2までの時間帯における単位時間当たりの稼働率に基づく寿命損失値をそれぞれ算出し、それ以外の時間帯、すなわち時刻t0から時刻t1までの時間帯および時刻t2から時刻t3までの時間帯における寿命損失値は算出しない。
このように、稼働率閾値21を設定することにより、変圧器が、その変圧器の構成部品の寿命に大きな影響を与え得る状態で稼働している場合のみを考慮して、寿命損失値を算出することができる。
積算部152は、寿命損失値算出部151によって算出された単位時間当たりの寿命損失値を、構成部品毎に積算し、累積寿命損失値192として記憶部17に記憶する。
ここで、累積寿命損失値192は、寿命損失値の積算値であり、例えば、変圧器62の運用を開始した時からの寿命損失値の積算値である。累積寿命損失値192は、構成部品毎に記憶部17に記憶される。例えば、変圧器62の運用を開始直後の各構成部品の累積寿命損失値192の初期値はゼロである。
具体的に、積算部152は、記憶部17に記憶されている累積寿命損失値192に、寿命損失値算出部151によって算出された単位時間当たりの寿命損失値を加算して、記憶部17に記憶されている累積寿命損失値192を更新する。
例えば、上述した図7Aの場合、積算部152は、時刻t0から時刻t3までの全時間帯における単位時間当たりの寿命損失値を、記憶部17に記憶されている累積寿命損失値192に順次加算することにより、記憶部17に記憶されている累積寿命損失値192を更新する。また、図7Bの場合、積算部152は、稼働率が稼働率閾値21よりも大きい時刻t1から時刻t2までの時間帯における単位時間当たりの寿命損失値を、記憶部17に記憶されている累積寿命損失値192に順次加算することにより、記憶部17に記憶されている累積寿命損失値192を更新する。
これにより、記憶部17には、変圧器62の運用を開始してから変圧器62の劣化診断に係る最新の指令を受信するまでの累積寿命損失値192が構成部品毎に記憶される。
余寿命算出部153は、寿命初期値191と累積寿命損失値192とに基づいて、各構成部品の残りの寿命(余寿命)を算出する。余寿命算出部153は、構成部品毎に算出した余寿命193を記憶部17にそれぞれ記憶する。
ここで、寿命初期値191とは、構成部品の余寿命の初期値であり、例えば、構成部品の使用開始前の余寿命を表す。寿命初期値191は、構成部品毎に用意され、予め記憶部17に記憶されている。
例えばパッキンの余寿命を算出する場合、余寿命算出部153は、記憶部17に記憶されているパッキンの寿命初期値191から、記憶部17に記憶されているパッキンの累積寿命損失値192を減算することにより、パッキンの余寿命193を算出する。
出力部24は、診断装置1から外部にデータを出力する機能部である。出力部24は、例えば、診断装置1がクライアント端末2から送信された指令に基づいて実行した変圧器62の劣化診断処理の処理結果を、その指令の応答として、そのクライアント端末2に送信する。
〈診断装置1による劣化診断処理の流れ〉
次に、本実施の形態に係る診断装置1による劣化診断処理の流れについて説明する。
図8は、診断装置1による劣化診断処理の流れを示すフローチャートである。
診断装置1は、例えば、クライアント端末2から所定の変圧器62の劣化診断の実行を指示する指令を入力部12を介して受け取った場合、劣化診断処理を開始する。
劣化診断処理において、先ず、負荷算出部13が負荷算出処理を開始する(ステップS1)
図9は、負荷算出処理(ステップS1)の流れを示すフローチャートである。
図9に示されるように、ステップS1において、先ず、負荷算出部13が、診断対象の変圧器62から電力供給を受けている需要家60_1〜60_n(自動検針装置3_1〜3_n)の中から一つの需要家60(自動検針装置3)を選択する(ステップS11)。
次に、負荷算出部13は、選択された需要家60に自動検針装置3が設置されているか否かを判定する(ステップS12)。例えば、負荷算出部13は、記憶部17に記憶されている電力契約情報22を参照する、またはSM計測情報18の有無を判定することにより、選択された需要家60に自動検針装置3が設置されているか否かを判定する。
ステップS12において、選択した需要家60に自動検針装置3が設置されている場合には、負荷算出部13が、最後に劣化診断処理を行った時点から現時点までのその需要家60に関するSM計測情報18を、記憶部17から読み出す(ステップS13)。
例えば、図2に示す自動検針装置3_1が設置された需要家60_1について、最後の劣化診断処理後の最初の負荷の計測時刻がt0であり、最後の負荷の計測時刻がt3である場合、負荷算出部13は、時刻t0から時刻t3までの期間における需要家60_1(自動検針装置3_1)のSM計測情報18を記憶部17から読み出す。
ステップS13の後、負荷算出部13は、ステップS13で読み出したSM計測情報18に基づいて、負荷曲線を算出する(ステップS14)。例えば、図2に示す需要家60_1の負荷を算出する場合、実負荷算出部131が、記憶部17から読み出した時刻t0から時刻t3までの期間における需要家60_1の電力量181を単位時間(例えば30分間)当たりの電流値に変換し、その単位時間当たりの電流値の時刻t0から時刻t3までの期間における時間的な変化を負荷曲線として算出する。
一方、ステップS12において、選択した需要家60に自動検針装置3が設置されていない場合には、負荷算出部13が、その需要家60の電力契約情報22を記憶部17から読み出す(ステップS15)。例えば、図2において、需要家60_3に自動検針装置3_2が設置されていない場合、負荷算出部13は、需要家60_3の電力契約情報22を記憶部17から読み出す。
ステップS15の後、負荷算出部13は、ステップS15で読み出した電力契約情報22に基づいて、上述した手法により、負荷曲線を推定する(ステップS16)。例えば、需要家60_3の負荷を推定する場合、負荷推定部132は、上述の手法により、自動検針装置3が設置された需要家60_1等のSM計測情報18に基づいて、時刻t0から時刻t3までの期間における需要家60_3の単位時間当たりの電流値を推定し、負荷曲線を算出する。
次に、負荷算出部13が、診断対象の変圧器62から電力供給を受けている全ての需要家60_1〜60_nの負荷(負荷曲線)の算出または推定が完了したか否かを判定する(ステップS17)。
ステップS17において、全ての需要家60_1〜60_nの負荷(負荷曲線)の算出または推定が完了していない場合には、ステップS11に戻り、上述の処理が繰り返される。
一方、ステップS17において、全ての需要家60_1〜60_nの負荷(負荷曲線)の算出または推定が完了した場合には、負荷算出部13が、変圧器62の負荷を算出する(ステップS18)。
具体的には、負荷加算部133が、上述した手法(図4参照)により、ステップS14およびステップS16で算出された全ての需要家60_1〜60_nの負荷曲線を合算して、劣化診断対象の変圧器62の負荷曲線を算出する。
例えば、上述の例の場合、負荷加算部133は、実負荷算出部131によって算出された需要家60_1〜60_n(60_3を除く)の時刻t0から時刻t3までの期間における負荷曲線401_1〜401_n(n=3を除く)と、負荷推定部132によって推定された、需要家60_3の時刻t0から時刻t3までの期間における負荷曲線402_3とを合算して、変圧器62の時刻t0から時刻t3までの期間における負荷曲線402を算出する。
以上の処理手順により、負荷算出処理(ステップS1)が行われる。
次に、図8において負荷算出処理(ステップS1)が終了すると、診断装置1は、稼働率算出処理を開始する(ステップS2)。
具体的には、稼働率算出部14が、上述した手法により、劣化診断対象の変圧器62の稼働率を算出する。上述の例の場合、稼働率算出部14は、ステップS18で算出された変圧器62の時刻t0から時刻t3までの期間における負荷曲線に基づいて、時刻t0から時刻t3までの期間における単位時間当たりの稼働率を算出する。これにより、時刻t0から時刻t3までの期間における稼働率の変化を示す稼働率曲線が得られる(図5参照)。
次に、図8において稼働率算出処理(ステップS2)が終了すると、診断装置1は、劣化診断対象の変圧器62の温度を算出する温度算出処理を行う(ステップS3)。
具体的には、温度算出部16が、上述の手法により、時刻t0から時刻t3までの期間における需要家60_1〜60_nのSM温度182に基づいて、時刻t0から時刻t3までの期間における単位時間当たりの変圧器62の周辺の温度を推定し、変圧器温度23として記憶部17に記憶する。
次に、図8において温度算出処理(ステップS3)が終了すると、診断装置1は、劣化診断対象の変圧器62の余寿命算出処理を開始する(ステップS4)。
図10は、余寿命算出処理(ステップS4)の流れを示すフローチャートである。
図10に示されるように、ステップS4において、先ず、寿命損失値算出部151が、記憶部17に稼働率閾値203が設定されているか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41において、稼働率閾値203が設定されている場合には、寿命損失値算出部151が、ステップS2で算出された所定期間の稼働率の中から稼働率閾値203を超えている時間帯の稼働率を選択する(ステップS42)。一方、ステップS41において、稼働率閾値203が設定されていない場合には、寿命損失値算出部151が、ステップS2で算出された全時間帯の稼働率を選択する(ステップS43)。
ステップS42またはステップS43の後、寿命損失値算出部151が、余寿命の算出対象の構成部品を選択する(ステップS44)。例えば、余寿命の算出対象の構成部品として、絶縁紙、パッキン、および2次側リード線がある場合、その中から一つの構成部品を選択する。
次に、寿命損失値算出部151が、ステップS44で選択した構成部品の寿命損失値を算出する(ステップS45)。例えば、ステップS44においてパッキンが選択された場合、寿命損失値算出部151は、上述の手法により、ステップS42またはステップS43において選択された時間帯(時刻t1から時刻t2までの期間、または時刻t0から時刻t3までの期間)における単位時間当たりの稼働率と、上記選択された時間帯における変圧器温度23と、パッキンの寿命損失関数20_2(図6B参照)とに基づいて、選択された時間帯におけるパッキンの単位時間当たりの寿命損失値をそれぞれ算出する。
例えば、図6Bに示すようにパッキンの寿命損失関数20_2が所定の温度毎に記憶部17に記憶されている場合、寿命損失値算出部151は、ある単位時間の変圧器温度23に対応する寿命損失関数20_2を記憶部17から読み出し、読み出した寿命損失関数20_2に、その単位時間の稼働率を代入することにより、パッキンの単位時間当たりの寿命損失値を算出する。
次に、積算部152が、ステップS45で算出された寿命損失値を、記憶部17に記憶されている累積寿命損失値192に積算する(ステップS46)。例えば、上述の例の場合、積算部152は、ステップS45において算出された、選択された時間帯(ステップS42の場合は時刻t1から時刻t2までの期間、ステップS43の場合は時刻t0から時刻t3までの期間)におけるパッキンの単位時間当たりの寿命損失値を、累積寿命損失値192に順次加算し、記憶部17に記憶されているパッキンの累積寿命損失値192を更新する。
次に、余寿命算出部153が、ステップS46で算出(更新)された所定の構成部品の累積寿命損失値192に基づいて、所定の構成部品の余寿命を算出する(ステップS47)。例えば、上述の例の場合、余寿命算出部153は、記憶部17に記憶されているパッキンの寿命初期値191から、ステップS46で更新されたパッキンの累積寿命損失値192を減算してパッキンの余寿命193を算出し、記憶部17に記憶する。
次に、寿命算出部15が、診断対象の全ての構成部品について余寿命を算出したか否かを判定する(ステップS48)。ステップS48において、診断対象の全ての構成部品について、余寿命の算出が行われていない場合には、ステップS44に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、診断対象の全ての構成部品について、余寿命の算出が行われた場合には、余寿命算出処理(ステップS4)が終了する。
次に、図8において余寿命算出処理(ステップS4)が終了すると、診断装置1は、余寿命算出処理で算出した各構成部品の余寿命の情報を含む劣化診断結果を出力する(ステップS5)。例えば、出力部24が、記憶部17に記憶されている各構成部品の余寿命193を読み出し、読み出した余寿命193を含む情報を変圧器62の劣化診断結果として、当該劣化診断に係る指令を発行したクライアント端末2に送信する。
クライアント端末2は、受け取った劣化診断結果に基づいて、変圧器62の劣化状態を示す情報をユーザに提示する。例えば、クライアント端末2は、変圧器62の構成部品毎の余寿命193の情報を、表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)に表示してもよいし、変圧器62の構成部品のうち、余寿命193が最も小さい(短い)構成部品の余寿命を、変圧器62の余寿命として表示装置に表示してもよい。
以上、上記実施の形態に係る診断装置1は、診断対象の変圧器62の二次側に接続された自動検針装置3_1〜3_nによる負荷の計測結果に基づいて、変圧器62の負荷を算出する負荷算出部13と、変圧器62の負荷に基づいて変圧器62の稼働率を算出する稼働率算出部14と、稼働率に基づいて変圧器62を構成する構成部品の余寿命を構成部品毎に算出する寿命算出部15とを備えている。
これによれば、変圧器62を構成する構成部品毎の余寿命が得られるので、変圧器62の構成部品の一つである絶縁紙の寿命を変圧器62の寿命と見なす従来の診断技術に比べて、変圧器の劣化診断の精度を向上させることが可能となる。
すなわち、診断装置1によれば、変圧器62全体としての余寿命ではなく、変圧器62を構成する構成部品毎の余寿命をユーザに提示することができるので、ユーザは、絶縁物の劣化のみならず、パッキンや2次側リード線等の劣化状態を知ることが可能となる。これによれば、変圧器62の部品交換等の適切なメンテナンスを行うことが可能となるので、例えば油入変圧器において、パッキンや2次側リード線の熱劣化に起因する油入変圧器の故障を未然に防ぐことが可能となる。
一般に、変圧器を構成する構成部品の寿命の減少度合は温度が高くなるほど大きくなる傾向がある。そこで、診断装置1は、変圧器の温度を考慮して各構成部品の寿命損失値を算出する。具体的には、診断装置1は、温度および変圧器の稼働率を変数として含む寿命損失関数20_1〜20_kと、変圧器の単位時間当たりの稼働率と、変圧器温度23とに基づいて、各構成部品の寿命損失値を算出する。これによれば、変圧器の劣化診断の精度を更に向上させることが可能となる。
また、診断装置1は、稼働率閾値21よりも高い稼働率に基づいて寿命損失値を算出することが可能となっている。
これによれば、稼働率閾値21を設定することにより、変圧器がその変圧器の構成部品の寿命に大きな影響を与え得る状態で稼働している場合のみを考慮して、寿命損失値を算出することができるので、変圧器の劣化診断の精度の低下を抑えつつ、診断装置1による余寿命算出処理に係る処理負荷を減らすことができる。
また、診断装置1は、変圧器62から電力供給を受ける需要家60_1〜60_nに設置された自動検針装置3_1〜3_nから取得した負荷の情報に基づいて、変圧器62の負荷を算出する。
これによれば、変圧器の負荷を計測するための計測機器を別途設ける必要がないので、設備コストの増加を抑えることが可能となる。
また、診断装置1において、負荷算出部13は、変圧器から電力供給を受ける需要家のうち自動検針装置が設置されている需要家の負荷を算出する実負荷算出部131と、自動検針装置が設置されていない需要家の負荷を推定する負荷推定部132と、実負荷算出部によって算出された負荷と負荷推定部によって推定された負荷とを加算して、変圧器の負荷を算出する負荷加算部133とを含む。
これによれば、診断対象の変圧器から電力供給を受けている需要家の中に自動検針装置が設置されていない需要家が存在する場合であっても、変圧器の負荷を推定することができ、変圧器の劣化診断の精度の低下を抑えることが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、自動検針装置3_1〜3_nによって計測された各需要家60_1〜60_nの負荷に基づいて変圧器62の負荷を算出する手法を例示したが、これに限られない。例えば、図11に示すように、変圧器62の負荷を直接計測するための自動検針装置3Aを変圧器62の二次側(低圧配電線路63側)に設置した場合には、自動検針装置3Aによって計測された、変圧器62の二次側の負荷(電力量、電流値、または電圧値)の総量の情報を用いて、変圧器62の稼働率を算出してもよい。
より具体的には、診断装置1Aの負荷算出部13が、自動検針装置3Aによって計測された単位時間当たりの電力量(または電流値)に基づいて、変圧器の二次側の電流値の時間変化を示す負荷曲線を算出する。そして、稼働率算出部14が、この負荷曲線を用いて、上述した手法により稼働率を算出する。
これによれば、診断装置1による負荷算出処理(ステップS1)の処理負荷を減らすことができる。
また、上記実施の形態では、診断装置1が、クライアント端末2から発行された指令に応じて劣化診断処理を開始する場合を例示したが、これに限られない。例えば、診断装置1に設けたタイマを用いて劣化診断処理(S1〜S4)を定期的に実行し、記憶部17に記憶されている各構成部品の余寿命193の情報を随時更新してもよい。診断装置1は、クライアント端末2から指令が発行された場合、記憶部17に記憶されている余寿命193の情報を読み出して、そのクライアント端末2に送信する。
これによれば、クライアント端末2が変圧器の劣化診断を診断装置1に要求してから、その劣化診断結果がクライアント端末2に提供されるまでの時間を短縮することができる。
1,1A…診断装置、2…クライアント端末、3,3A…自動検針装置、4,5…通信ネットワーク、6…電力供給網、10…診断システム、11…データ取得部、12…入力部、13…負荷算出部、14…稼働率算出部、15…寿命算出部、16…温度算出部、17…記憶部、18…計測情報、19…寿命情報、20…寿命損失関数、21…稼働率閾値、22…電力契約情報、23…変圧器温度、24…出力部、60…需要家、61…高圧配電線路、62…変圧器、63…低圧配電線路、101…演算装置、102…記憶装置、103…入力装置、104…I/F装置、105…出力装置、106…バス、131…実負荷算出部、132…負荷推定部、133…負荷加算部、151…寿命損失値算出部、152…積算部、153…余寿命算出部、181…電力量、182…SM温度、191…寿命初期値、192…累積寿命損失値、193…余寿命、201…電力契約情報、203…稼働率閾値。

Claims (16)

  1. 診断対象の変圧器の二次側に接続された自動検針装置によって計測された負荷の計測結果を記憶する記憶部と、
    前記記憶部から読み出した前記負荷の計測結果に基づいて、前記変圧器の負荷を算出する負荷算出部と、
    前記変圧器の負荷に基づいて、当該変圧器の稼働率を算出する稼働率算出部と、
    前記稼働率に基づいて、前記変圧器を構成する構成部品の余寿命を、前記構成部品毎に算出する寿命算出部と、を備える
    診断装置。
  2. 請求項1に記載の診断装置において、
    前記記憶部は、前記構成部品の余寿命の初期値を更に記憶し、
    前記寿命算出部は、
    単位時間当たりの前記稼働率に基づいて、前記構成部品の寿命の減少度合を示す寿命損失値を前記単位時間毎に算出する寿命損失値算出部と、
    前記単位時間当たりの前記寿命損失値を積算する積算部と、
    前記記憶部に記憶された前記構成部品の余寿命の初期値と、前記積算部によって積算された、前記構成部品の前記寿命損失値の積算値とに基づいて、前記構成部品の余寿命を算出する余寿命算出部と、を含む
    ことを特徴とする診断装置。
  3. 請求項2に記載の診断装置において、
    前記記憶部は、前記構成部品毎に前記寿命損失値の積算値を記憶し、
    前記積算部は、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値に、前記単位時間当たりの前記寿命損失値を加算して、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値を更新する
    ことを特徴とする診断装置。
  4. 請求項2または3に記載の診断装置において、
    前記記憶部は、前記寿命損失値と前記稼働率および温度との関係を表す寿命損失関数を前記構成部品毎に記憶するとともに、前記自動検針装置によって計測された温度の計測結果を更に記憶し、
    前記寿命損失値算出部は、前記記憶部に記憶された前記構成部品の前記寿命損失関数と、前記単位時間当たりの前記稼働率と、前記記憶部に記憶された前記温度の計測結果とに基づいて、前記構成部品の前記単位時間当たりの前記寿命損失値を算出する
    ことを特徴とする診断装置。
  5. 請求項2乃至4の何れか一項に記載の診断装置において、
    前記寿命損失値算出部は、所定の閾値よりも高い前記稼働率に基づいて、前記寿命損失値を算出する
    ことを特徴とする診断装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の診断装置において、
    前記負荷の計測結果は、前記変圧器から電力供給を受ける需要家毎に計測された負荷の情報を含み、
    前記負荷算出部は、前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器の負荷を算出する
    ことを特徴とする診断装置。
  7. 請求項6に記載の診断装置において、
    前記負荷算出部は、
    前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されている需要家の負荷を算出する実負荷算出部と、
    前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されていない需要家の負荷を推定する負荷推定部と、
    前記実負荷算出部によって算出された負荷と、前記負荷推定部によって推定された負荷とを加算して、前記変圧器の負荷を算出する負荷加算部と、を含む
    ことを特徴とする診断装置。
  8. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の診断装置において、
    前記負荷の計測結果は、直接計測された、前記変圧器の二次側の負荷の総量の情報を含み、
    前記稼働率算出部は、前記負荷の総量の情報に基づいて、前記変圧器の稼働率を算出する
    ことを特徴とする診断装置。
  9. 記憶部に記憶された、診断対象の変圧器の二次側に接続された自動検針装置によって計測された負荷の計測結果に基づいて、前記変圧器の負荷を算出する負荷算出ステップと、
    前記負荷算出ステップで算出した前記変圧器の負荷に基づいて、当該変圧器の稼働率を算出する稼働率算出ステップと、
    前記稼働率算出ステップで算出した前記稼働率に基づいて、前記変圧器を構成する構成部品の余寿命を、前記構成部品毎に算出する寿命算出ステップと、をコンピュータに実行させる
    プログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムにおいて、
    前記寿命算出ステップは、
    単位時間当たりの前記稼働率に基づいて、前記構成部品の寿命の減少度合を示す寿命損失値を前記単位時間毎に算出する寿命損失値算出ステップと、
    前記単位時間当たりの前記寿命損失値を積算する積算ステップと、
    前記構成部品の余寿命の初期値と、前記積算ステップによって積算された、前記構成部品の前記寿命損失値の積算値とに基づいて、前記構成部品の余寿命を算出する余寿命算出ステップと、を含む
    ことを特徴とするプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムにおいて、
    前記記憶部は、前記構成部品毎に前記寿命損失値の積算値を記憶し、
    前記積算ステップは、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値に、前記単位時間当たりの前記寿命損失値を加算して、前記記憶部に記憶された前記寿命損失値の積算値を更新するステップを含む
    ことを特徴とするプログラム。
  12. 請求項10または11に記載のプログラムにおいて、
    前記記憶部は、前記寿命損失値と前記稼働率および温度との関係を表す寿命損失関数を前記構成部品毎に記憶するとともに、前記自動検針装置によって計測された温度の計測結果を更に記憶し、
    前記寿命損失値算出ステップは、前記記憶部に記憶された前記構成部品の前記寿命損失関数と、前記単位時間当たりの前記稼働率と、前記記憶部に記憶された前記温度の計測結果とに基づいて、前記構成部品の前記単位時間当たりの前記寿命損失値を算出するステップを含む
    ことを特徴とするプログラム。
  13. 請求項10乃至12の何れか一項に記載のプログラムにおいて、
    前記寿命損失値算出ステップは、所定の閾値よりも高い前記稼働率に基づいて、前記寿命損失値を算出するステップを含む
    ことを特徴とするプログラム。
  14. 請求項9乃至13の何れか一項に記載のプログラムにおいて、
    前記負荷の計測結果は、前記変圧器から電力供給を受ける需要家毎に計測された負荷の情報を含み、
    前記負荷算出ステップは、前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器の負荷を算出するステップを含む
    ことを特徴とするプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムにおいて、
    前記負荷算出ステップは、
    前記需要家毎の負荷の情報に基づいて、前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されている需要家の負荷を算出する実負荷算出ステップと、
    前記変圧器から電力供給を受ける需要家のうち前記自動検針装置が設置されていない需要家の負荷を推定する負荷推定ステップと、
    前記実負荷算出ステップによって算出された負荷と、前記負荷推定ステップによって推定された負荷とを加算して、前記変圧器の負荷を算出する負荷加算ステップと、を含む
    ことを特徴とするプログラム。
  16. 請求項9乃至13の何れか一項に記載のプログラムにおいて、
    前記負荷の計測結果は、直接計測された、前記変圧器の二次側の負荷の総量の情報を含み、
    前記稼働率算出ステップは、前記負荷の総量の情報に基づいて、前記変圧器の稼働率を算出するステップを含む
    ことを特徴とするプログラム。
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