JP2961831B2 - Ofケーブル線路における漏油検出方法 - Google Patents

Ofケーブル線路における漏油検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はOFケーブル線路における漏油検出方法に関
し、特に中小漏油の検出方法に関するものである。
〔従来の技術〕
OFケーブル線路の漏油の判定種別として、緊急対策処
置を必要とする大漏油警報と、保守点検作業に対する情
報を提供する中小漏油警報とに大別できる。この発明は
中小漏油警報を得るための漏油検出方法に関し、特に単
心OFケーブル各相独立給油方式における油漏検出方法に
関するものである。
単心OFケーブル各相独立給油方式をとるOFケーブル線
路の中小漏油を検出する従来の方法では、各相ごとの油
そう油量を一ヶ月程度の周期で長期にわたり計測記録
し、経験や勘に基づきそれらの変化を読み取ったり、単
純に相間油量差を算出し、その推移により中小漏油の発
生の有無を判断するようにしている。
しかし、各相ごとの油量変化は、ケーブルの配列や周
囲の条件の季節的変動に基づく3相間の温度変化のアン
バランス等に起因し、年間を通じて必ずしも同一でな
く、漏油を原因とする油量変化を的確に把握することは
容易でなく、また判定を下すまでに相当の期間が経過す
ることが多い。
そこで、この発明は経験や勘を必要とせず、早期かつ
自動的に中小漏油を検出できる方法を提供することを技
術的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明は、単心OFケ
ーブル各相独立給油方式をとるOFケーブル線路における
漏油検出に関し、相間油量差に基づき漏油の有無を判定
する漏油検出方法において、正常な状態における相間油
量差の季節的変化をパターン化し、そのパターン化値
と、実測値との差により求めた補正相間油量差に基づき
漏油の有無を判定するようにしたものである。
以下、これを詳述する。
第1図は単心OFケーブル各相独立給油方式の場合の実
際の線路において、1987年から1989年にわたり実測した
各相の油量データに基づき、A相とB相の相間油量差A
−B、B相とC相の相間油量差B−C、C相とA相の相
間油量差C−Aを計算してグラフにしたものである。
図示のように、相間油量差の変動は少なく、そのばら
つきの標準偏差は0.5〜0.85(lr)であり、極めて小さ
い。
第2図は上記とは別の単心OFケーブル各相独立給油方
式の場合の実際の線路において、1985年から1989年にわ
たり実測した各相の油量データに基づき、相間油量差を
表わしたものである。この線路の相間油量差も安定して
いるが、1988年10月ごろから、A−B、C−Aの油量差
に変化が現われている。この部分を拡大して示すと第3
図のとおりである。この図でわかるように、相間油量差
A−Bは、1988年10月に−2σを超え、同年12月に
−3σを超えている。また、相間油量差C−Aは同年12
月に+2σ及び+3σを超えている。相間油量差が
±2σを超えた場合の漏油確率は約95%、±3σを
超えた場合の漏油確率は約99.7%である。
ここで、相間油量差が±2σを超えない範囲は「正
常」、±2σと±3σの間は「要注意」、±3σ
を超えると「異常」と判断することとすると、約95%の
確率で「要注意」の警報を出すことができ、また、約9
9.7%の確率で「異常」の警報を出すことができる。
なお、相間油量差と、漏洩相との関係は第1表のとお
りである。
以上は、相間油量差の変動が少ない場合であって、こ
のような場合には、単純に相間油量差を比較するのみ
で、早期に漏油を検出することができる。しかしなが
ら、線路によってはその構成条件の特性により第4図に
示すように、季節に応じて大きく変動する場合がある。
このような場合、前述の±3σの範囲をとると、同図に
棒状グラフで示すように著しく広くなり、判定精度が悪
くなる。
そこで、この場合は、近似式に基づきパターン化した
相間油量差と実際の相間油量差との差をとることとす
る。
第5図はこのようにして求めた補正後の相間油量差を
示すものであり、また棒状グラフ±3σの範囲を示す。
この場合の±3σの範囲は、第4図の場合と比べ小さく
なっていることがわかる。
なお、上記の近似式としては、例えば次に示すものが
ある。
但し、a、b、cはパターン化定数、dは1月1日か
ら数えた日数である。例えば、相間油量差A−Bの場合
は、 同C−Aの場合は、 同B−Cの場合は、 {(2)+(3)}×(−1) で求めることができる。これらの代表例として第4図に
C−Aの場合のグラフを「パターン曲線」として示す。
〔実施例〕
第6図は漏油検知システムの構成図であり、油そう部
1、制御所2、電力所3を含み、油そう部1は油そう
4、端局装置5、電話線切替装置7を有する。端局装置
5は所定の周期で油量データを取込み、一定期間分のデ
ータをストアーし、一定軸間間隔でそれらのデータを電
話線9を経て電力所3に設置された親局11に送信し、親
局11で相間油量差を演算し、その演算結果に基づき中小
漏油の有無を判定し、中小漏油の発生を検知するとCRT
上に表示される。
なお、他のシステムにより大漏油を検出した場合は、
大漏油警報を制御所2に送信し、警報監視盤8に表示さ
れる。
第7図は前記の端局装置5の内部構造であり、油そう
部1の油量センサー7で検出された検出信号は、コント
ローラ12を経て端局装置5の電流/電圧変換器、マルチ
プレクサ14、A/D変換器15を経てバス16に取入れられ
る。ROM17はデータ入力等のプログラムが収容される。R
AM18は油量データを半月ごと或いは1ヶ月ごと等の間隔
で蓄積する。また、SIOインターフェース22を介して電
話線切替装置6が接続され、この装置6を通じて油量デ
ータを親局11へ送信する。
第8図は親局装置のCPUによる大漏油判定の過程を示
すフローチャートであり、以下のステップからなる。
ステップ:一定時間ごとの油量データを取込む。
ステップ:相間油量差を演算する。
ステップ:データ収集日をベースに、パターン式によ
り補正相間油量差を演算する。
ステップ:そのパターン値と実測相間油量差との差を
演算する。
ステップ:その差が正常なばらつきの範囲|3σ|より
大きいか否かを判断する。
ステップ:大きい場合は、中小漏油警報を発生する。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明は単心OFケーブル各相独立給
油方式の線路において、相間油量差が季節的変動を受け
る場合に、これらの相間差油量を季節的にパターン化し
た相間差油量との差と比較することによりばらつきを少
なくするようにしたので、精度よく検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は実測値に基づく相間油量差のグラ
フ、第3図は第2図の一部拡大図、第4図は相間油量差
の他のグラフ、第5図は第4図を補正した相間油量差の
グラフ、第6図は実施例のシステムのブロック図、第7
図は端局装置のブロック図、第8図はフローチャートで
ある。 1……油そう部、2……制御所、 3……電力所、4……油そう、 5……端局装置、6……電話線切替装置、 7……油量センサー、8……警報監視盤、 9……電話線、10……電話線切替装置、 11……親局。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単心OFケーブル各相独立給油方式をとるOF
    ケーブル線路における漏油検出に関し、相間油量差に基
    づき漏油の有無を判定する漏油検出方法において、正常
    な状態における相間油量差の季節的変化をパターン化
    し、そのパターン化値と、実測値との差により求めた補
    正相間油量差に基づき漏油の有無を判定することを特徴
    とするOFケーブル線路における漏油検出方法。
JP21224290A 1990-08-08 1990-08-08 Ofケーブル線路における漏油検出方法 Expired - Lifetime JP2961831B2 (ja)

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