JPH05226883A - プリント基板投入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 段積されたプリント基板を一枚ずつ確実に移
送投入できるようにする。 【構成】 プリント基板Ｐを段積状に収容する収容装置
１の前方にコンベア１１を備える。収容装置１の上方か
らコンベア１１の上方にかけて移動される架台１５に吸
着パット部材１６を支持させ、この吸着パット部材１６
を架台１５と共に収容装置１に対して昇降させる。吸着
パット部材１６の吸着パット１９をプリント基板Ｐの前
側の空白縁面に吸着させ、プリント基板Ｐを前側から斜
めに持ち上げてコンベア１１側へ移送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は段積したプリント基板を
一枚ずつ所要位置に移動するプリント基板投入装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のプリント基板投入装置は段積した
プリント基板の最上段の一枚を吸着装置により吸着して
持ち上げて所要位置に移動させるように構成されてお
り、吸着装置はプリント基板のスルーホールの無い部位
に吸着パットを対応させるように位置調整し、この吸着
パットは一枚のプリント基板に対して４〜６個吸着させ
てプリント基板を水平に持ち上げ、このプリント基板は
この全重量が吸着装置で保持された状態で移動されるよ
うに構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように構成される
従来のプリント基板投入装置は吸着装置の吸着パットを
プリント基板のスルーホールの無い部位に対応させるこ
とになるので、吸着パットの位置を基板の種類ごとに調
整する必要があり、また、高密実装基板はスルーホール
が多く、この場合はスルーホールに吸着パットが対応す
ることになって吸着のための真空度が得られず、基板の
吸着保持が不可能な状態となり、投入ミスが発生するお
それがある。

【０００４】また、段積したプリント基板を一枚ずつ水
平に持ち上げるため、この持ち上げの際に空気抵抗によ
り下側のプリント基板に対して剥離し難く、吸着装置は
大きな吸引力が必要でこのため、４〜６個の大口径の吸
着パットを備えることになるので装置が大型化すると共
にその構成が複雑になっていた。そして、このように吸
着パットが大口径になることにより、プリント基板のス
ルーホールに対応し易くなり、このため吸着ミス、即ち
投入ミスが発生し易くなる不具合がある。

【０００５】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、段積されるプリント基板を一枚ずつ確実に吸着して
所定位置に移動させることができるようにしたプリント
基板投入装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、段積したプリント基板の一枚を吸着保持し
て持ち上げ、所要位置に移動するようにして成るプリン
ト基板投入装置において、プリント基板の片側端面を吸
着保持して斜めに持ち上げ、所要位置に移動するように
構成したものである。

【０００７】

【作用】このように構成されるプリント基板投入装置は
段積されるプリント基板の最上段基板をそのスルーホー
ルが無い一方側の端面のみを吸着保持して持ち上げるの
でその基板は次段の基板に対して傾斜状態で持ち上げら
れることになって、基板が受ける空気抵抗が少なく円滑
に持ち上げられると共に基板は傾斜状態で他方側端縁が
次段の基板上に当接し、滑りながら移動されるので吸着
部材に加わる基板の重量は半減される状態となり、従っ
て吸着力の大きい吸着部材を用いることなくプリント基
板の一枚ずつの移動投入を確実に行える。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【０００９】図において１は多数のプリント基板Ｐ〔Ｐ
₁ ，Ｐ₂ ，Ｐ₃ ‥‥〕を段積して収容する収容装置で、
図２に示すように、プリント基板Ｐ₁ ，Ｐ₂ ，Ｐ₃ ‥‥
を積載して昇降する昇降機構２が備えられており、この
昇降機構２は基板を載置する載置台３がねじ軸４の回動
により昇降動作されるもので、ねじ軸４はモータと減速
歯車機構から成る駆動機構５により回転駆動され、また
駆動機構５は発光素子６と受光素子７から成る基板検出
機構からの信号により駆動されるように構成されてい
る。

【００１０】この収容装置１の前面側には前面ガイド８
が設置され、この前面ガイド８の上端部の後方に位置し
て整列用シリンダー９が備えられており、載置台３上に
段積状に載置されるプリント基板Ｐの上部段の２〜３枚
Ｐ₁ 〜Ｐ₃ を整列用シリンダー９により前方へ押圧し、
その前端面を前面ガイド８に押し付けて前端面を整列さ
せて位置精度を出すようになされている。また、前述し
た基板検出機構の発光素子６と受光素子７は前面ガイド
８の上部に対応する部位の左右位置に対向して配置され
ている。そして、前面ガイド８の上端部外側にガイドロ
ーラとしてのアキュームローラ１０が備えられ、このア
キュームローラ１０の前方、即ち、収容装置１の上部前
方にはプリント基板を載置して所要部に移送するコンベ
ア１１が設置されている。

【００１１】以上のように構成される収容装置１の上方
にはコンベア１１方向へ移動される吸着装置１２が設置
されている。この吸着装置１２は移動用シリンダー１３
により収容装置１側とコンベア１１側との間を往復移動
され、昇降用シリンダー１４により昇降される架台１５
に複数の吸着パット部材１６が支持されて構成されてい
る。

【００１２】この吸着パット部材１６は図３に示すよう
に、剛性の通気管１７の先端に取付ナット１８により吸
着パット１９を取付け、通気管１７の後端部外周にエア
ホース２０の嵌合用凹凸部１７ａとフランジ１７ｂを形
成して構成されている。この吸着パット部材１６は架台
１５の調節支持アーム２１に貫通してナット２２により
締付け固定されたフランジ付きブシュ２３に通気管１７
を軸方向に摺動自在に挿通して支持され、この通気管１
７はこれに嵌挿され、取付ナット１８とブシュ２３のフ
ランジとの間に介在されるスプリング２４により常時下
方へ偏倚されてフランジ１７ｂがブシュ２３の端面に当
接して保持されている。そして、この吸着パット部材１
６は通気管１７に後端の嵌合用凹凸部１７ａにおいてエ
アホース２０を嵌合連結してある。

【００１３】このように構成される吸着パット部材１６
は架台１５に、収容装置１に収容されるプリント基板Ｐ
の前部に少なくとも２個、好ましくは４個対応するよう
に取付け、またプリント基板Ｐの後部側に２個対応する
ように取付ける。即ち、架台１５に対する前側の吸着パ
ット部材１６の取付けは、図４に示すようにプリント基
板Ｐの前側のスルーホールｈの無い前側の空白縁面部ｐ
ｆに対応するように前側の調節支持アーム２１に、ま
た、後側の吸着パット部材１６はプリント基板Ｐの両側
のスルーホールｈの無い後側の空白縁面部ｐｓに対応す
るように後側の支持アーム２１にそれぞれ前述した如く
取付ける。

【００１４】この場合、空白縁面の大きさの関係から例
えば前側の吸着パット部材１６としては直径が１５ｍｍ
のゴム製の吸着パット１９を用い、また後側の吸着パッ
ト部材１６としては直径が２０ｍｍの吸着パット１９を
用いる。また、吸着パット部材１６に連結されるエアホ
ース２０はケーブ支持案内装置２５に移動可能に支持さ
れている。

【００１５】なお、架台１５に対して調節支持アーム２
０はロックねじ２６により取外し可能に締付け固定され
ている。

【００１６】次に、以上のように構成される本例のプリ
ント基板投入装置の動作について説明する。

【００１７】先ず、プリント基板の投入動作開始前の状
態においてもコンベア１１は運転中は移送方向（図１の
矢印ａ方向）に回動状態にある。

【００１８】また、収容装置１内に収容されるプリント
基板Ｐの上段基板Ｐ₁ 〜Ｐ₃ は発光素子６と受光素子７
から成る基板検出機構により検出されて載置台３の駆動
機構５による上昇動作により整列用シリンダー９に対応
する一定位置に保持されていおり、この状態で整列用シ
リンダー９は後退限度位置まで戻っている。一方、吸着
パット部材１６は昇降シリンダー１４により上限まで上
昇されている。

【００１９】以上の状態において投入動作が開始される
と整列用シリンダー９は前進動作されてプリント基板Ｐ
の上段部２〜３枚の基板Ｐ₁ 〜Ｐ₃ を前方へ押して前面
ガイド８に押し付けこの基板Ｐ₁ 〜Ｐ₃ の位置を整列さ
せる。この状態で吸着装置１２の真空装置を作動させ、
吸着パット部材１６の吸着パット１９の口部側にバキュ
ーム圧がエアホース２０を通じて発生させる。なお、こ
の場合、後側の吸着パット部材１６にはバキューム圧は
発生しないように真空装置を切換操作しておく。

【００２０】そこで、吸着パット部材１６を昇降シリン
ダー１４により下降限度まで下げる（図５参照）。これ
により吸着パット１９はプリント基板Ｐの最上段基板Ｐ
₁ に、前述した空白縁面部ｐｆ，ｐｓにおいて、例えば
図４の二点鎖線の個所に当接する。

【００２１】この場合、吸着パット部材１６の下降限度
は最上段基板Ｐ₁ に対してオーバークロスしており、こ
のオーバー部分は調節支持アーム２１側のブシュ２３に
対する通気管１７の摺動とブシュ２３との間に介在した
スプリング２４の弾力により吸収されて基板Ｐ₁ の損傷
を防止すると共に基板Ｐ₁ に対して吸着パット１９が確
実に密接される。この状態で基板Ｐ₁ は吸着パット１９
に発生したバキューム圧により吸引される。この基板Ｐ
₁ の吸引によりバキューム圧が急激に上昇し、吸着パッ
ト１９が基板Ｐ₁ に確実に密着したことがセンサー（図
示せず）により検出される。

【００２２】この吸着パット１９の密着検出により昇降
シリンダー１４が上昇動作され、吸着パット部材１６が
上昇限度まで上昇されると吸着パット１９に吸引された
基板Ｐ₁ が持ち上げられるが、後側の吸着パット部材１
６にはバキューム圧が発生しないよう切換えられている
ので、前側の吸着パット部材１６のみが基板Ｐ₁ を吸引
し、このため基板Ｐ₁ は前側のみが持ち上げられる。

【００２３】そして、図６に示すように移動用シリンダ
ー１３を作動させて架台１５を前方へ移動させると、こ
れと一体に吸着パット部材１６は基板Ｐ₁ を吸引したま
ま前方へ移動され、これにより基板Ｐ₁ は前側が持ち上
げられた傾斜状態で後端縁が二段目の基板Ｐ₂ 上に摺接
して前方へ移動される。この基板Ｐ₁ は移動の途中でア
キュームローラ１０に当接して前面ガイド８の上縁部を
乗り越えることになり、移動される基板Ｐ₁ の前面ガイ
ド８による損傷が防止される。

【００２４】このようにして基板Ｐ₁ は前面ガイド８を
乗り越えて前方へ移動された状態において、真空装置を
停止させ、吸着パット部材１６に対するバキューム圧を
止めることにより、吸引が解除されて移送方向に回動状
態にあるコンベア１１上に落下され、このコンベア１１
により所定部に移送される。一方、吸着パット部材１６
は基板Ｐ₁ をコンベア１１上に落下させた後、移動用シ
リンダー１３の復帰動作により、基板の収容装置１の上
方に戻り、原位置となる。

【００２５】以上の動作が繰返して行われ、収容装置１
内に段積されるプリント基板Ｐは上段から順次所定部に
移送される。

【００２６】以上のように構成される本例は収容装置１
に段積されるプリント基板Ｐを最上段の基板Ｐ₁ を吸着
パット部材１６により片側、即ち、前側から吸着して持
ち上げるので、次段の基板Ｐ₂ に対する剥離性が良好
で、また移動においては後端部が次段の基板Ｐ₂ 面に当
接し、摺接状態で移動されるので、吸着パット部材１６
に加わる基板Ｐの重量は略半減されることになって吸着
パット部材１６は小型化される。この吸着パット部材１
６の小型化により吸着パット１９自体も小径となり、基
板Ｐのスルーホールｈを避けた端縁部の空白部に確実に
密着できて高真空が得られ、基板Ｐの持ち上げ力が一層
強くなる。従って、基板Ｐを端面整列するだけで吸着位
置が定まることになるので吸着パット部材１６の位置調
整時間が不用となり、基板Ｐを所定部に安定して確実に
移送投入できる。

【００２７】なお、以上の基板移動動作において基板Ｐ
を水平状態で吸引し、移動させる必要がある場合は真空
装置を操作して後側吸着パット部材１６にもバキューム
圧を加えることにより、前述した吸着動作において、プ
リント基板Ｐの後両側部の空白縁面部ｐｓにおいても吸
着することになり基板Ｐは水平状態で持ち上げられる。

【００２８】そして、基板Ｐは水平状態でコンベア１１
上に載置される。この際、基板Ｐは前面ガイド８をその
上縁側から離隔した状態で乗り越えることになるのでア
キュームローラ１０には当接されない。

【００２９】以上、本発明の一実施例を説明したが、本
発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。

【００３０】例えば、吸着パット部材１６の数は増減で
きるもので、特に前側の吸着パット部材１６はプリント
基板Ｐの大きさにより４個又は２個用いることになり、
その間隔も変えることができるものである。なお、プリ
ント基板Ｐの前側の吸着部は前端縁面に限ることなく、
前側の両側縁面等、基板Ｐを移送方向側を持ち上げるこ
とができるように吸着できる部面であればよい。また、
収容収置１の基板扛上機構は図示のものに限ることな
く、扛上動作を行えるものであれば各種の扛上機構を適
用でき、また各シリンダー１３，１４としては汎用のも
のを使用できる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、プリント
基板をスルーホールのない片側端面において吸着保持す
るので高真空度が得られて持ち上げ力が強くなり、ま
た、片側から斜めに持ち上げることにより段積される次
段のプリント基板に対する剥離性が良好になると共に後
端部が次段のプリント基板面に当接し、摺接状態で移動
されることになるので吸着部材に加わる基板の重量は略
半減されることになって移送が円滑に行え、段積される
プリント基板を一枚ずつ確実に所定位置に移送投入でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるプリント基板投入装置の一例の概
略図である。

【図２】プリント基板収容装置の後面図である。

【図３】吸着パット部材の一部截断した側面図である。

【図４】プリント基板の一例の平面図である。

【図５】プリント基板の吸着動作を説明する概略図であ
る。

【図６】プリント基板の移動動作を説明する概略図であ
る。

【符号の説明】

１ 収容装置 ８ 前面ガイド ９ 整列用シリンダー １０ アキュームローラ １１ コンベア １３ 移動用シリンダー １４ 昇降用シリンダー １５ 架台 １６ 吸着パット部材 １９ 吸着パット Ｐ プリント基板 ｐｆ 前側の空白縁面

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【手続補正書】

【提出日】平成４年１２月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 段積したプリント基板の一枚を吸着保持
   して持ち上げ、所要位置に移動するようにして成るプリ
   ント基板投入装置において、 前記プリント基板の片側端面を吸着保持して斜めに持ち
   上げ、所要位置に移動するようにしたことを特徴とする
   プリント基板投入装置。